♪2016年8月10日~2017年12月26日のニュース
2017年12月26日のモーツァルトハウス(東京)
今年もあとわずか!・・♡♠♤
♪暮れも押し迫って来ました!カウントダウンがはじまり、何かに追われているようで気忙しさがましてきました。北海道、北日本は大荒れの様ですが、こちらは穏やかな日が続いています。
今年もいろんな場所で、いろいろな方々とモーツァルトを楽しんだ一年でした。来年も健康第一で、ますますモーツァルトを楽しめたらと思いますが、シニアにもなりあまりペースを上げずに、周りの景色もゆっくりと楽しみながら”ゆるゆる”というのもいいかも知れません。
軽井沢モーツァルトハウスも10年を迎えての修繕工事もどうにか無事に終わりました。たいした工事ではありませんでしたが、少しは新たな気持ちでこの年末年始を迎えられそうです。来年のことをいうと鬼が笑うそうですが、1年お休みをしたので、来年はコンサートやオペラの会も復活したいと思っています。
この一年間、拙いHP「軽井沢モーツァルトハウス」をクリックしご覧きましたこと、本当にありがとうございました。
来年は”戌年”(実は貞次は年男です)、皆さまにとっても素晴らしい、幸せ多き一年となりますように、心からお祈り申し上げます。そしてコンサートやオペラ会場、そして軽井沢モーツァルトハウスでまたお目にかかれます日を楽しみにしております。
外壁を塗り替え、そして郵便受けを新しくしました。モーツァルトの調べと共に皆さまのまたのお越しをお待ち申し上げております。冬の寒さに耐えてようやく蕾も膨らんだ”コンスタンツェの薔薇”と”新生モーツァルトハウス”の写真で今年はお別れです。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。♡♠♤
2017年12月24日のモーツァルトハウス(東京)
「アマデウス」よ再び?!・・♡♠♤
♪気になっていた映画「プラハのモーツァルト」を観て来ました。賛否両論で、いろんな方の感想を聞くにつけてやっぱり観たいと思った次第です。この映画制作者は、名作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の誕生の背景には、このくらい大胆なメロドラマか、サスペンス的な物語があったと仮定したかったのでしょうか。殆どがフィクションです。
映画「アマデウス」を連想させる場面が何か所がありました。モーツァルトの埋葬シーン、お手伝いさん(今回は衣装係)が忍び込む場面、モーツァルトが指揮をするシーン、モーツァルトの才能に気付くサリエリがこの映画ではスザンナという歌手、騎士長の亡霊は父レオポルトだったのをサロカ伯爵に、等、脚本家であるブライアン・アシュビーは随分「アマデウス」からヒントを得たのではないかなと思います。それとも印象が強くてつい真似てみたかったのか。
アカデミー賞受賞デザイナーが衣装を努め、イギリスを代表するスタッフとキャストで作られた映画ですが、モーツァルト生誕260年を意識して制作したという程の大作というには程遠い感じがします。もっと史実に沿ったものにした方が感動があるのでは。モーツァルトの人生そのものがドラマティックなのですから。
チェスキークロムロフは美しい街で、そこのお城に存在するめったに映像では見ることがない中世の劇場が、「フィガロの結婚」のプラハでの再演、また「ドン・ジョヴァンニ」の初演の劇場として使われていてふんだんに出て来ます。この劇場の美しさと、プラハの街の映像、そして衣装を楽しむにはいいかも知れませんね。
モーツァルト生誕260年を記念して英国がモーツァルト映画を制作してくれたことには感謝です。ストーリーは置いといて、俳優陣は名優が揃い見応えのある演技をみせてくれました。モーツァルトは新進俳優、悪名高きサロカ男爵、歌手スザンナの父、母、モーツァルトの友人ヨゼファ役などは、実績のあるベテランばかりです。
オペラ「ドン・ジョヴァンニ」には男と女の恋、そして死という大きな要素もあるので、その誕生の背景にこんな物語があったのではと想像してもおかしくはないのでしょうが、これは全くの作り話で、実際にこんなことがあって生まれたオペラとは誰も思わないでしょう。そう思って楽しむ映画でしょうか。
「モーツァルトの音楽は神が与えた音楽、それは世界を美しくする」と歌手スザンナがモーツァルトに語るセリフが一番心に残りました。とにかくご覧になってそれぞれご感想を・・・。
音楽は、プラハ市立フィルハーモニー管弦楽団演奏、オペラ「ドン・ジョヴァンニ」、「フィガロの結婚」、「ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K457」、「ディヴェルテイメント 変ロ長調 K137」、「証聖者の荘厳挽課K229~《主よほめたたえよ》」などが主な使用楽曲。ハイドン、ポッケリーニの曲もなぜか使用されていました。
2017年12月23日のモーツァルトハウス(東京)
イヴイヴを楽しむ!・・♡♠♤
♪昨日の23日(土・祝)は上野の東京藝術大学奏楽堂において行われた「藝大48(昭和48年度入学生による卒業40周年記念演奏会)」に行って来ました。折しも上野界隈は動物園で公開が始まっているパンダのシャンシャンの人気もあり大賑わいです。
素敵なご縁で結ばれた聖徳大学社会人講座SOAの皆さんとランチをご一緒し、楽しい語らいの時間を過ごして奏楽堂に向かいました。開場前から長蛇の列ができていて期待に胸がわくわくしました。この演奏会に聖徳大学教授で、2年前に軽井沢で演奏して頂いた原佳大先生もご出演されるのです。
原先生の同期の昭和48年に入学された方々は卒業から40年が経ち、みなさまそれぞれの道でご活躍で、第一部の始まりは邦楽の世阿弥の能楽仕舞「松風」で、次は吉崎克彦作の「雪月花によせて」がお琴とヴィオラという珍しいコラボで演奏されました。次から次と管、弦楽器の競演が続き、第一部の圧巻はヴィヴァルデイの「四季」をヴァイオリン独奏が澤和樹(現藝大学長)、気鋭作家4名によるアニメーション映像との、東京における初の同時上演がなされてそれは見事なものでした。
こうして第一部が終わりましたが、3部構成のこの演奏会は3時開始、終了時間が午後6時45分で、本当にたっぷりと多彩な作曲家、楽器構成、またそれぞれ素晴らしい演奏家による中身の濃い充実した演奏会となりました。
3部は、モーツァルトのオペラ「魔笛」序曲K620で幕が開き、そして我らが原先生がファーストを弾く、モーツァルトの、2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K365の〈第一楽章〉でした。この2台のピアノのための協奏曲は生では初めて聴くものでしたが、モーツァルトらしい愛らしい素敵な曲で、セコンドは岡原慎也先生です。
「魔笛」の序曲、2台のためのピアノのための協奏曲とモーツァルトの曲の演奏になった途端、会場も舞台も気配が一変するのを感じました。柔らかな、明るいいモーツァルトカラーに包まれて、舞台上の演奏者の顔も自然に笑顔になり、聴いている方も笑顔をもらうという、モーツァルトの音楽の持つ力がこんな所にも、こんな風にも現れるんだと実感しました。
フォーレの《ラシーヌ賛歌》、最後はアダン(首藤健太郎 編曲):クリスマスキャロル《オー・ホーリー・ナイト》で、クリスマスらしい雰囲気で幕を下ろし、楽しい演奏会は終わりとなりました。
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藝大奏楽堂前に建つ大きなシンボルツリーには綺麗なイルミネーションが飾られてクリスマスの雰囲気を盛り上げていました。こうして皆が笑顔となった素敵なイヴイヴの一日となりました!
2017年12月21日のモーツァルトハウス(東京)
感想は様々!・・♡♠♤
♪今公開中の話題のモーツァルト映画。オペラ好きが集まった会では良かったとの反応に、やはり観る事にしました。モーツァルトファンの感想とはまた違った反応に驚きましたが、内容が史実に基づくものではない所がきっとモーツァルトファンには不評だったのではと思います。ストーリーがフィクションに走り過ぎたという感想を持った人もいたので。「ドン・ジョヴァンニ」が作曲された背景を想像してドラマティックにお話を仕立てた・・そんなことなのでしょうか。
舞台となったプラハの街や、プラハに近い世界遺産のチェスキークロムニフの美しい中世の劇場も映像に出て来るそうなので、そんな美しい景色を楽しみに観るのもいいのかも知れません。
ここでも何度も書いている映画「アマデウス」は、モーツァルトファンには今もって忘れられない映画で、今後もモーツァルト映画と言ったらこの「アマデウス」の映画と永遠に比べられ続けて行く運命なのかも知れません。殊更、映画の中のモーツァルトのキャラクターにばかり関心がいき「モーツァルトってこんな人だったの!」という反応が多かったのにはちょっと困りましたが、サリエリという同時代の作曲家の目を通して語られるモーツァルト像は彼の本質を突いているような気がします。「アマデウス」は50回は観たという方も近くにいて、語り尽くせない魅力を感じます。モーツァルト研究の大家である海老澤敏先生もこの映画には一目置かれていて、時には講座の教材として使う時もあります。
つい先日届いたばかりの「モォツァルト広場」第38号に、代表の加藤氏がタイミングよくこの映画「アマデウス」について書いていました。『いま再び《アマデウス》』です。「何度見ても味わい深く、・・・観るたびに新たな発見がある・・・」と語っていて、やはり「アマデウスファン」のおひとりと認識しました。
2017年12月17日のモーツァルトハウス(東京)
落胆!モーツァルト映画・・・♡♠♤
♪現在公開中のモーツァルトの映画、タイトルは申しませんが、観た方から落胆の声がしきりです。「良いも悪いも観ない事には何も言えないから観た方がいいよ!」という、アドバイスもあり、躊躇しながらも観ようと思っていた映画でした。が、昨日モーツァルト仲間の会があり、この映画の話になりました。観た方からは「全く観るに値しない」「アマデウスの様なものを期待したらとんでもない」とか、また出席されていた著名なモーツァルト研究者の先生からも「観るに値しない映画!」とバッサリ・・・。
取りあえず観ようと予定していましたが、時間の無駄かなとも思うようになってきました。以前も「ナンネルの恋」や「ドン・ジョヴァンニ」などのモーツァルト映画があり、ガッカリしたものです。モーツァルト映画には、つい過剰に期待してしまうようです。映画も娯楽、製作者側は受け狙いで真実から遠いものになって、こちら側のモーツァルトを愛する者はがっかりという結果になるケースが多いうようです。
1985年日本公開された映画「アマデウス」は、監督がミロス・フォアマン、原作&脚本はピーター・シェーファーによるもので、アカデミー賞8部門を受賞し、他にも、英国アカデミー賞4部門、日本でも日本アカデミー賞外国作品賞なども受賞しました。幕開けは「ドン・ジョヴァンニ」の序曲の冒頭、その後、ト短調の交響曲K183の第1楽章が奏でられ、強烈な印象ではじまるこの映画は、エンディングにはピアノ協奏曲第20番ニ短調K466の第2楽章が静かに流れて、観客が最後の一音が終わっても席を立てずにいた・・、この映画の衝撃を今でも思い出すと、こんな感動の映画をもう一度と期待するのは望み過ぎなのかも知れません。
封切を楽しみにしていた映画ではありましたが、映画への期待も削がれ気味で、多分、この師走の貴重な期間をあててまで観に行く事はないだろうと、思っている次第です。
下の写真はさくらんぼのようですが、映画とは全く関係のない、くっついて離れない2個のプチトマトです。可愛いのでこのままにして置いています。気分を変えて~♡♠♤
2017年12月12日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト天才ぶり!・・・♡♠♤
♪3日目のモーツァルトとなる今日は、モーツァルトの初期のオペラ作品「ルッショ・シッラ」の鑑賞日でした。1772年12月にミラノ大公宮廷劇場で初演されたモーツァルト16歳の時の作品です。
映像は2015年に、初演の地でもあるミラノ・スカラ座で上演されたもので、指揮がマルク・ミンコフスキー、演出はマーシャル・ピンコスキによるもの。ピンコスキは美術・衣装ともに舞台を18世紀に設定し、歌手陣もメゾ・ソプラノに、マリアンヌ・クレバッサ、ソプラノはレネケ・ルイテン、ベテランテノールのクレシミール・スパイサーなどを配し、ソリスト人も豪華です。しかもこのオペラは、それぞれのアリアも長大で、高い感情表現を求められるアリアばかりで、特にアリア後半は華麗なコロラトゥーラが披露されていて、聴きごたえ満点です。
1769年、1771年、1772年と3回に渡って行われた父レオポルトとのイタリア旅行。その3度目は、このミラノから依頼されたオペラの上演のためでした。運よくばここで宮廷音楽家に取り立ててもらえたら思ったモーツァルト父子でしたが、それは叶いませんでした。
しかし、この「ルッショ・シッラ」は大成功を収め、1月末までに26回も上演され、拍手喝采をうけたのでした。オペラ・セリアとしては、このあと、10年後には「イドメネオ」、その10年後に「皇帝ティトスの慈悲」と続き、オペラ・セリアを大きく進化させていくのですが、この作品もモーツァルトの天才ぶりが16歳ながら発揮された素晴らしい作品です。このDVD(ブルーレイ共に)は今年10月にリリースされたばかりで、初期作品の映像としてとてもお勧めです!
2017年12月11日のモーツァルトハウス(東京)
切ないモーツァルトの音楽・・・♡♠♤
♪昨日はノット指揮の「ドン・ジョヴァンニ」、今日は朝から新宿ピカデリーでのメトのライブビューイング「魔笛」と連日続き、モーツァルトの音楽が今も頭の中で鳴り響いています。
昨日は流石ともいえるジョナサン・ノット氏の指揮が素晴らしかった。昨年の「コジ」も良かったので今年も楽しみにしていたもの。上段の席だったので、指揮者が良く見えて、踊るように軽やかに指揮している姿がまたたまらなく魅力的でした。オペラは「指揮」というのも納得です。
江川紹子さんをお見かけしましたが、お連れの方に「音楽がよかった」としきりに話されていました。私はお隣でそれを聞いて同感と心の中で相槌をうっていました。歌手ではドン・オッターヴィオが飛びぬけて私も良かった。モーツァルトテノールで名をはせた、ミヒァエル・シャーデの声にも似ていて、2曲の彼のアリアを堪能しました。
ミューザ川崎は実は初めてのホールで、今まで遠いと思って敬遠していたのですが、川崎駅からのアクセスも楽で、立派ないいホールなので驚きました。来年はいよいよ三部作の完結編として「フィガロの結婚」(12/7)です。こんないいものがたった1回きりの公演というのはもったいないと思い、残念です。昨年は東京芸術劇場と2回公演でしたが、今回も12/10の1回きりで、そのせいかカーテンコールは何度も続き、出演者も指揮者も舞台に名残惜しそうでした。
さて、今日の「魔笛」は素晴らしかった。1967年のシャガール、その後2回目はホックニーと舞台美術の素晴らしいのがこの「魔笛」の上演歴史に刻まれていますが、過去2回にも劣らず、今回の舞台美術もテイモアの演出も良かった。パミーナ役のゴルダ・シュルツは、キャスリン・バトルを思い起こさせる歌唱力と雰囲気で魅了されました。新パミーナ誕生でしょうか。
「魔笛」の魅力は計り知れず、何人ものこの魔笛の魔力にはまり込んでしまった人を知っていましたが、私もこの上演で何となくそれが何故か分って来た気がしました。これを言ったら、主人は「僕は最初から魔笛だった」と言われてしまいましたが、宝石を散りばめたようなアリアの数々、その曲想はお茶目なものから深い悲しみのものまであり、そして夜の女王という度肝をぬくようなキャラクターのアリアもあり、またザラストロの叡智と愛を歌う崇高なアリアまであって、こんなオペラが他にあるだろうかとさえ思え、オペラ「魔笛」の魅力を存分に思い知らされた今回のメトの舞台でした。
シカネーダーという興行師が脚本を書き、おそらく芝居小屋のような場所で、1791年に庶民のために上演された「魔笛」。それが200年以上たった今、4000人も収容する豪華絢爛のメトロポリタン歌劇場で、最新の演出、舞台美術で壮大なスケールの舞台で上演されても、全く音楽は違和感なく、むしろモーツァルトはこんな世界を予期してこの音楽を作っていたのかと思ってしまうほどです。200年経っても色あせることなくむしろ現代にマッチし直している様な音楽。モーツァルトの音楽は今も本当に新しい!
楽しくて、明るくて、ハッピーなのに、どうして泣けてくるのだろうか・・魔笛のフィナーレでは涙がとめどなく流れてきて困ってしまいました。モーツァルトの音楽の不思議さです。美しく楽しいのに涙が・・こんな経験結構していませんか・・・?
2017年12月10日のモーツァルトハウス(東京)
締めのモーツァルト・・・♡♠♤
♪師走に入り、気忙しくなるこの頃です。9日から公開が始まったメトロポリタンライブビューイングの「魔笛」、とても好評のようです。観た方からの感想からそれが窺えます。私たちはこれからです。指揮者のレヴァインはセクハラ騒動でこれから先の指揮を全部キャンセルしたそうで、この「魔笛」がたぶん今年度では最後というもの。必見ですね。
今日はミューザ川崎でのノット指揮「ドン・ジョヴァンニ」です。コンサート形式で、昨年の「コジ」は好評のうちに終わりましたので、今年も期待して出かけますが、歌手の降板があり、ちょっと期待を削がれた感じがありますが、今年はこの「ドン・ジョヴァンニ」がオペラの締めとなります。
今日は「ドン・ジョヴァンニ」、今週はメトの「魔笛」、そして映画「プラハのモーツァルト」と予定しています。忙しい中で締めのモーツァルトはこれからずっと続きます。風邪をひかない様に、体調を整えながら良い感動でもって締めくくりたいと思います。
2017年12月7日のモーツァルトハウス(東京)
お別れの日・・・♡♠♤
♪今日は風もなく穏やかな比較的あたたかな一日でした。爽やかに人生を全うした人のお別れ会に天候も微笑みかけているようにみえました。軽井沢と東京と音楽を通してのお付き合いでした。突然予期せずあまりにもあっけなく逝ってしまわれましたので、訃報を受けてからは茫然自失の毎日を送っていました。今日はそのお別れ会があった日です。
喪主である奥様のご挨拶の中には、「言いたいことをいい、生前はご迷惑をさぞおかけしたこともあったでしょう」と、またご本人も「僕は友達が少ないんだよ」と、茶目っ気たっぷりに笑って話していた方とはとても思えない、朝早い時間でありながらたくさん、たくさんの方がお別れにみえていて、その献花台はあっという間に美しい白菊が幾重にも盛られました。そのお人柄を慕って集まった方々の多さと、あまりにあっけなく逝ってしまわれた哀しみの深さを物語っているかのようでした。
たくさんの方に慕われ、敬愛され、はっきりとした物言いながら本当にお心のお優しい方でした。「結婚50年の金婚式を終えたばかりでした。身近にいる私が一番教えられ育てられてきたのだと感じています。いい夫、いい父であり、孫たちにはいいジジでした」という奥様のお言葉からも、私たちの知らない家庭人としての一面も垣間見え、家族みんなを温かく包み込む大きな存在だったことを感じました。
若い音楽家を育てることにもご尽力されました。世界的なコンクールでも上位入賞され、世界に羽ばたいたヴァイオリニストさんも何人もいました。私たち夫婦は軽井沢でも何度か一緒にお食事をし、美味しいお酒を飲み尽きる事のない音楽のお話や、その他いろんな話題を楽しく語り合って過ごしたものです。オペラの集まりやコンサートをした時も何度か参加して下さいました。私たち夫婦の良き理解者で、その存在は心強く、いつの間にかその存在は大きなかけがえのないものとなっていました。
強い正義感で「オナーズヒル軽井沢」での4億円にも上る積立金の横領事件では、率先して理事長として3年半のもの間、問題の解決に全力で立ち向かい、解決に導いてくれた方でした。此の方の存在がなければ、今のオナーズヒル軽井沢はないのです。
裁判での解決も見届け、ご自身も、これからはゆっくりと心配なく軽井沢での生活を楽しめるのではと思った、わずか3ケ月後にこのようなことになろうとは、誰が想像したことでしょうか。なすべきことを全てなし終えて、あっけなくさよならなんて、かっこよすぎます。
主人がフルートを趣味にしていることを知り、たまたまオナーズヒルに「フルートをしている方がいる」と教えて下さる人から紹介されて、出逢ったのが始まりでした。かけがえのない出逢いをさせて貰えたことを神様に感謝しています。今は天上から私たちを見守ってくださっているような気がします。もっと「モーツァルトがどうとか、バッハがどうとか」お話したかった。またお会いしたいです。
2017年12月5日のモーツァルトハウス(東京) 続き
最も美しい緩徐楽章!・・・♡♠♤
♪昨夜の「日本モーツァルト協会」第594回の例会は、1989年ハンブルク生まれのアレクサンダー・クリッヒェル氏のピアノによる、ピアノ・ソナタニ長調 K284、ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K449、第12番イ長調 K414の3曲でした。ピアノ協奏曲は室内楽用にアレンジされたピアノ五重奏版です。
ピアノ協奏曲第11番、12番、13番の3曲、及び第14番は、モーツァルトが自ら「管楽器は省略可」とのコメントを残していて、こうしてヴァイオリン2、ヴィオラ、バス(チェロとコントラバス)の「弦4部」で演奏が可能となっているのです。この編成で、当時も貴族の館などで室内楽としてモーツァルトのピアノ協奏曲が演奏され楽しまれていたことが窺えます。
第12番K414は私の最も好きなピアノ協奏曲のひとつで、いつも聴いています。落ち込んだ時などこの明るく澄んだメロディにどんなに励まされているかわかりません。第2楽章の緩徐楽章は、クリステァアン・バッハの訃報に接し、バッハを敬愛するモーツァルトがバッハの旋律を引用していて、バッハによる主題が8小節にもわたってうたわれ、この曲が作られた1782年の作曲されたものの中でも最も美しい緩徐楽章といわれています。
また第14番K449については、モーツァルトが1784年2月から作り始めた「自作品目録」の巻頭を飾った曲でもあります。自作品を記録に留めようとするモーツァルトの積極的な態度の現れから始められた「自作品目録」は、以後死の直前まで続けられました。
11月30日には急遽、協会主催でクリッヒェル氏の講演会もあり、それに行きましたが、その人となりは勿論のこと、モーツァルトに向き合う音楽家としての真摯で真面目な姿勢、熱心さ、情熱などを充分感じとれた講演会で、お陰で昨日の演奏会への期待も大きく膨らみました。
講演会ではカデンツァやその前の本来はないという独自の”プチカデンツァ”も披露してくれて、モーツァルトを深く理解しそれを実践に生かす優れた能力を持ちあわせた若き演奏家といった印象を持ち、数学オリンピックやドイツの連邦外国語コンクール、生物学での研究活動におけるコンクール等でも優秀な成績を残すという面も持ちあわせる、ユニークな才能の持ち主です。
フォルテピアノや古楽器演奏を聴く機会が続いていたので、現代ピアノによるモダン演奏も新鮮で、現代ピアノだからこそできるテクニックや装飾なども随所にあって、それもわざとらしさがなく爽やかで洗練された非凡さが秀逸さとなって伝わってきました。ブラヴォーでした!
2017年12月5日のモーツァルトハウス(東京)
今日は命日!・・・♡♠♤
♪1791年12月5日この世を去ったモーツァルト。今日はその命日です。その終焉の地はウィーンで、1790年に引っ越した、ラウェルシュタイン通り九百七十番地のクラインカイザーシュタイン家の借家でした。(現在はデパートになっていてモーツァルトの胸像を飾った記念室があります)11月20日ごろから病床に臥し、28日、トーマス・フランツ・クロセット博士ほかが対診の相手となり、一進一退を繰り返しながら次第に重くなっていったのです。そして12月4日から5日にかけての真夜中の1時が臨終の時刻と伝えられています。
翌6日の午後3時にシュテファン教会で葬儀がいとなまれましたが、それは雪のひどく降る日であったそうです。遺体が聖マルクス墓地にはこばれる途中、城門まで来た時、ひどい吹雪のために会葬者はみな引き返し、二人の人足が墓地まで行き埋葬して帰って来たと伝えられています。(映画「アマデウス」も傘をさして冷たい雨の中での埋葬シーンでした)
しかし、このように12月6日のウィーンは悪天候に見舞われたと伝えられてきましたが、この日の天候は、当時の気象台の記録などから照らしてみても、穏やかな日であったそうです。このことから、モーツァルトの葬儀の日の嵐が後世の人たちの純粋なフィクションだと考えられていました。しかし翌7日とすると、荒天でありしかも気象台の記録も、12月7日については夕刻に南西の強風が吹き荒れたとあり、当時は埋葬規約なるものから48時間以内の埋葬が厳禁されていたという事実もあり、そうであれば、モーツァルトが聖マルクス墓地に埋葬されたのは、12月7日ということがかなり確実性をもって推論されるのだそうです。
モーツァルトの葬儀や埋葬について、こうした後世の誤解は様々あり、歴史的な事実は、これからも可能な限り明らかにする研究や努力は続けられていくことでしょう。
12月2日(土)にロードショー公開された映画「プラハのモーツァルト(誘惑のマスカレード)」はまだ観ていないのですが、果たしてどんなフィクションとノンフィクションが織り交ぜられているのか・・。早く観たいものです。
12月5日、モーツァルトのあまりに早い死で悲しみに沈むコンスタンツェ、8年間の結婚生活でした。我が家の庭のモーツァルト夫人の名を冠する「コンスタンツェの薔薇」はこの日朝日を浴びて堅い蕾を膨らませ始めています。
2017年12月2日のモーツァルトハウス(東京)
史上初の快挙!・・・♡♠♤
♪テオドール・クルレンツィスが2017年度第55回「レコード・アカデミー賞」大賞と大賞銀の2冠を達成しました。大賞は11月1日に発売されたばかりの「チャイコフスキー:交響曲『悲愴』(交響曲部門)で、銀賞はなんと「モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』(オペラ部門)です。
鬼才指揮者テオドール・クルレンツィスが、大賞と大賞銀賞の2冠を制覇!同じアーティストが大賞と大賞銀賞を受賞するのは、同賞の半世紀の歴史史上初の快挙だそうです。素晴らしいですね。
「ドン・ジョヴァンニ」は2014年に一度全曲をレコーディングしながら納得がいかず、歌手を入れ替えて再度全曲をレコーディングしたものです。このオペラについてクルレンツィスは「今の時代に誰かが初めて『ドン・ジョヴァンニ』を観る事によっての感じた興奮は、18世紀にプラハあるいはウィーンでこれを観た人が感じた興奮と全く同じものだろうと確信しています」と語り、「今から数百年後の未来でも、この音楽はこれを聴いたあらゆる人に正確に同じ衝撃を与えるだろうと信じています。モーツァルトの音楽は、歳月を経てはいるけれども素朴なところは全くなくて、ものすごく前衛的な音楽であり続けています。」と作品の永遠性を確信する発言をしています。
クルレンツィスが指揮するオーケストラ「ムジカエテルナ」は、チャイコフスキー「悲愴」ではモダン楽器、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」ではガットを張り替えた弦楽器セッションをはじめとするピリオド楽器(および通常よりは低めのピッチ)を使用し、同じオーケストラが演奏レパートリーによってこのように楽器を持ちかえるのは珍しく、あまり例のないものだったそうです。そのことにもクルレンツィスの強いこだわりと意気込みを感じます。
予定されているクルレンツィス&ムジカ・エテルナの2019年2月の来日が楽しみです!初来日ではコンサートですが、いつかモーツァルトのオペラでも来日して欲しいです。
2017年11月28日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトの味は?・・・♡♠♤
♪数日前の新聞の夕刊に、サイモン・ラトルがベルリン・フィルの響きを、南仏のワインの「シャトーヌフ・デュ・パプ」にたとえていたそうですが、ベルリン・フィルを生で聴いたこともなく、ましてやこの南仏の「シャトーヌフ・デュ・パプ」といワインも飲んだことがない者にとっては、これについては何のコメントもできないおもはゆさを憶えます。
調べてみると、「シャトーヌフ・デュ・パプ」は、プロヴァンス地方を代表する銘柄で、フランス語で法王の名を持ちます。アヴィニヨン法王が命じて作らせた由緒ある歴史と伝統を誇り、ボルドー、ブルゴーニュに次いで、世界中のフランスワインファンが注目するコート・デュ・ローヌの最高峰のワインの地でできるワインだそうです。
南仏にはオランジュとか、エクサンプロヴァンスなど夏には有名な音楽祭があり、音楽祭に出かけて、オペラやコンサートの後に此のワインを味わうなんて贅沢なことができると良いですね、いつか。
土壌は、主に石灰質の瓦礫が混ざる赤粘土質土壌で、表土は砂利質の土壌が多く、日中は温かさを蓄え、夜間には熱を発散して果実の成熟を助ける。丘の中腹で充分な日照量を得ながら北向きの畑なので夏の暑さにも堪えて、フレッシュさを残し”フィナス”と呼ばれる繊細さもあり、バランスのとれたワインが生まれるのだそうです。このあたりの特異性が、天下のベルリン・フィルの音色に例えられる所以なのでしょうか・・。。私にはわかりません・・。
その味は、花の香りとスパイシーな香りが一体となって果実の凝縮感もたっぷり。力強いが、エレガントで品格のあるワインなのだそうです。飲んでみたくなりますね~。「これがベルリン・フィルの味!」と思っていつか飲んでみたいものです♡♠♤
さて、いつかこれぞモーツァルト!という味に巡り合いたいものですね。ワインだけではなく、日本酒の銘柄ではどんなものが当てはまるのでしょうか?~
2017年11月26日のモーツァルトハウス(東京)
ほとばしる才能!・・・♡♠♤
♪モーツァルト11歳で作ったラテン語によるオペラ「アポロとヘアチントゥスK38」を観ました。全部通しで観たのは初めてでした。11歳で作曲したとはとても思えない、哀しみ、希望、嫉妬、怒り、欲望などといった人間の感情が見事に表現されたアリアや重唱を聴くと、少年でありながらそのオペラ作曲家としてのほとばしるような才能にただただ驚くばかりです。
ザルツブルク大学では毎年学年末に行われる授賞式の前に学生たちがオペラ、劇などを上演する習慣があり、1767年にはヴィードル神父作の悲劇「リューディア王クロイソスの悲劇」が採りあげられ、「アポロとヘアチントゥスK38」は、その幕間劇としてモーツァルトがザルツブルク大学に依頼され作曲しました。5人の歌手によるラテン語喜劇で、全体は序曲と9曲のアリアと重唱、合唱で、各曲の前に長いレチタティーヴォ・セッコが置けれドラマを展開していきます。
海老澤先生のお話では、モーツァルトは既にこの頃、父レオポルトによってラテン語とイタリア語を習熟していたそうで、ラテン語は当時西ヨーロッパの大学では重要な習得原語であったのだそうです。初演のプログラムには歌詞も印刷され、最後にラテン語で「この作品の作曲者は著名にして活躍せる楽長レオポルト・モーツァルト氏の11歳の優れた息子ウォルフガング・モーツァルト氏」と書かれています。1767年5月13日にザルツブルク大学の講堂で初演されました。
このオペラはLDで世界初としての映像が残っています。テルツ少年合唱団、カペラ・クレメンティーナ、指揮:ヘルムート・ミューラー=プリュール(合唱指揮:G・シュミット・ガーデン)で全曲演奏されたものですが、LDのみでDVDではないのが本当に残念です。(現在は入手は不可能?)
2006年のザルツブルク音楽祭での上演のDVD版が手元にあったので、今日はそれを観ていましたが、現代版の演出でしたが楽しむことができました。カーテンコールでは大きな拍手と「ブラヴォー」も随分叫ばれていたので、M22としては好評だったことがうかがえます。
最初のオペラ作品として、11歳にして人間の感情を音符にしたモーツァルトの才能がぎゅっと詰まった作品です。有名なヒアシンスの由来の神話を軸に、複雑な人間の友情や嫉妬などを、モーツァルトは子供とは思えな表現で描き出し、息子を失った父の悲しみまでも切々としたメロディで表現しています。70分ほどのオペラですので、もっともっと多くの人にも観てもらいたいものだと思いました。死んでゆくヘアチントゥスの魂を永遠に咲き続けるヒアシンスの花に託して希望を表現し、我々に伝えているようです。貴重なモーツァルト作品として、現在ベルリン国立図書館にプロイセン文化財として収められています。下記は、2006年ザルツブルク音楽祭での映像です。
2017年11月23日のモーツァルトハウス(東京)
日日熟成!・・・♡♠♤
♪日本酒は置けば置くほど瓶の中で熟成し旨くなるというお話を昨日の講演会で聞き、驚きでした。モーツァルト協会主催の講演会「モーツァルトを聴く清酒酵母」でのお話です。講師は小原公助氏で、福島県喜多方市にある「小原酒造株式会社」の代表取締役で小原氏は十代目だそうです。25年以上前からモーツァルトの曲を酒づくりに活かしている蔵元さんです。
国税庁の醸造試験所で酵母に紫外線や超音波をあててどう変化するかの研究は行われていたそうですが、ドイツでは乳牛に音楽を聴かせると搾乳に効果を及ぼすという実例があることからヒントを得て、人間にとって気持ちのよい音楽はきっとお酒にもいいに違いないと、研究を始めたのだそうです。音楽と言っても多種多様にあり、演歌からジャズ、ロック、またクラシックと言ってもベートーヴェンやバッハなど様々な名曲を巡りモーツァルトに辿り着いたといいます。
こうして、交響曲40番を聴かせた、「大吟醸純米 交響曲蔵酔」や、ピアノ協奏曲20番、27番を聴かせた「純米 協奏曲蔵酔」、デイヴェルティメント第17番、セレナーデグラン・パルティータを聴かせた「純米大吟醸 管弦楽蔵酔」など、今では小原酒造さんの代名詞とも言われる人気のシリーズ蔵酔(くらしっく)が誕生しました。講演会ではここに至るまでの製造秘話がいろいろ語られました。
モーツァルトの音楽を聴かせると良いお酒が出来ると実証された訳で、それなら我も我もとこれを真似る酒蔵さんが出て来そうで、そのあたりについてお尋ねしたら、ご本人は「どんどん他の方々にも真似して欲しい、いくらでもお教えします」と、懐の深いお返事でしたが、実際昨日のお話からは、モーツァルトで美味しくなるといわれても、それでは、酒造りの過程のどこで聴かせたらより効果的なのか、またどの位の音のボリュームで、また時間はとか、簡単に一朝一夕に真似のできるものではないと実感しました。
ここではマル秘部分もあるので詳しくは挙げられませんが、「酵母密度」や「死滅率」その他の項目で、醪(もろみ)に与える影響を、普通の醪とモーツァルトを聴かせた醪とで、データーをとっての長年取り組んだ、小原酒造さん独自の研究の成果なのです。
質問コーナーで、、器楽曲だけではなくオペラや合唱曲ではどうかとの質問に、人間の声もとてもいいそうで、オペラを聴かせたものが今後製品化される可能性もありそうですので、果たしてどんなお味のお酒になるか楽しみですね。後半試飲コーナーがあり皆でいろいろと試飲ができました。
ある大学の先生によればモーツァルトの音楽は高音が他の作曲家より多いそうで、また人間のDNAを音符に置き換えるとモーツァルトの音に近いのだとか、そんなお話まででて、モーツァルトは人類のみならずこの世の生き物全てに及ぼす影響は計り知れないのだと感じました。
これほどお酒にプラスの影響を与えるモーツァルトならば、それを聴く人間にもいいのは当然で、きっと小原酒造さんの酒蔵に眠っている酵母さんたちと同じく、日々モーツァルトを聴いている私たちにも目には見えないながら、精神的にも肉体的にも有り難い影響を与えて頂いているのだろうなと思いました。
最初のお話に戻りますが、お酒屋さんに並んでいるお酒を買う時には、製造月日が新しい方が新鮮でおいしいと思いがちですが、古い方がより旨いのだそうです。直射日光を避け冷暗所で、出来れば新聞紙にでもくるんでしまっておけば、熟成が瓶の中でどんどん進んで旨味が増し、長ければ長い程美味しいお酒になるそうです。古くなるといけないからつい早く飲まなければと思いがちですがそうではないのだそうです。(但し、封を切ってしまった場合は、できるだけ短期間に飲んだ方が良い事は確かだそうです)。勉強になりましたね。
2017年11月21日のモーツァルトハウス(東京)
秋の深まり!・・・♡♠♤
♪庭で大切にしている柚子の木、ようやく実も黄色く色づいてきました。焼き魚や、汁物の吸い口と、これから重宝します。今では活躍範囲も広がり、日本料理だけではなくどんな料理にも活かせそうな食材です。ヨーグルトにいれたりもでき、日持ちもするので私は甘く煮て柚子ジャムを作ったりして楽しんでいます。
月桂樹の木は見上げるほど大きく伸びてしまいました。東京でも育てているモーツァルト婦人の名を持つ”コンスタンツェ”の薔薇は、気温が上がらないせいか、蕾からなかなか花を開いてくれません。
今年は特に秋というより一気に初冬の気温が続き、人間も大変ですが、お花にもいい影響はないようです。秋の薔薇は難しいな~と思います。
2017年11月17日のモーツァルトハウス(東京)
続く音楽体験!・・・♡♠♤
♪1年前、昨年11月のモーツァルト協会の例会は、ちょうどウィーン国立歌劇場オペラの引っ越し公演で来日中のメンバーによる珠玉のフルート四重奏曲を聴きましたが、期せずして、今年の11月の例会は同じフルート四重奏曲をミカラ・ペトリさんのリコーダーで聴くことができ、2年連続で大変貴重な音楽体験になりました。
昨年は現代奏法のトップともいえるメンバーによるK285とK285bしたが、今年の例会は、2曲加えてフルート四重奏曲全曲が、リコーダーと弦楽器の古楽器奏法によって演奏されました。ペトリさんの十八番ともいえるヴィヴァルデイのリコーダー協奏曲も加わる豪華版で、ペトリさんの長年のファンもいて会場はほぼ満員の盛況でした。
私はフルート四重奏曲をフルート以外で聴くのも初めてで、ペトリさんも存じ上げなかったので、勉強不足でお恥ずかしい限りでしたが、学術や音楽教育のイメージを持たれがちだったリコーダーを、その芸術性、表現力を広く高め、世界的に知られたリコーダー奏者ペトリさんの音色、卓越したテクニックに魅了されました。
リコーダーを支える弦の方々も素晴らしく、4つの楽器がまさに一つになって響き合い、柔らかな音色は美しく調和し心地好く私たちの心に届きました。現代の奏法の音楽に慣れている耳には、この様な古楽器奏法が新鮮で癒されます。
現代のフルートよりもリコーダーの響きの方がむしろ当時の音色に近いのだというペトリさんのプログラムへの記述にもありましたが、演奏を聴きながら目をつぶっていると、東京文化会館小ホールでありながら、ここは当時の宮廷かしらと、しばしモーツァルトの時代に誘われてしまうような錯覚をしてしまう瞬間があり、本当にいい演奏会でした。
3日に聴いた小倉貴久子さんのフォルテピアノの演奏や、また9月、10月例会と、古楽器による古楽器奏法のコンサートが続いていて、こうした当時を再現するような音色に触れる機会が多くなってきたのを感じています。懐かしく、また柔らかくふんわりと心を包み込む音色は、現代社会に生きる私たちの心身共の疲れを取り去ってくれそうで、その温かな音色に癒されホッとします。♡♠♤
2017年11月16日のモーツァルトハウス(東京)
日本語のむずかしさ!・・・♡♠♤
♪ある小説で、自分の奥さんのことを話す会話の中に「うちの嫁が、・・」という台詞があり、ちょっと気になりました。「嫁」というには本来は息子のお嫁さんのことを表現する呼び名であるべきで、それが最近は若い人や、またお笑い系の人たちがテレビでも「うちの嫁さんが・」などと使っているので、こうして使われるようになってしまったのでしょうか。
それでは、あなたは奥さんのことをどう呼びますか?「かみさん」「妻」「家内」「ワイフ」「女房」「細君」などなどありますが、「うちの奥さん」という人がいましたが、これは「おたくの奥さんは・・」と相手が呼ぶ時の名で、第三者に対しては「母」「父」と呼ぶべき所をお母さん、お父さんと言っているのと同じであって、間違いだと思われますね。
それでは、女性は夫のことをどう呼んでいるのでしょうか。「主人」「夫」「亭主」「旦那」「ハズバンド」などでしょうか。私の周りも様々ですが、「私の主人は」とか「私の夫は」というのが多いかな。こうしてみていると「連れ合い」というのは何となく古めかしいが新しいのかなという気もします。夫も妻もどちらにも対等に使える言葉だそうです。
時代と共に呼び名にも変化が起きているようで、「家内」というのは、男性は外で働き、女性は家の内で家事をしていた時代のことで、現在は「家内」というよりは「家外」
の女性が殆どになって来たので、多くは年配の男性が使う事が多いような気もします。
戸籍謄本や住民票など公的な書類では「妻」「夫」なので、これを使っていれば間違いがないのでしょうか。さてあなたは奥さん、ご主人のことを第三者の前では、どう呼んでいますか?
2017年11月15日のモーツァルトハウス(東京)
「私はフォルトゥーナ」!・・・♡♠♤
♪傘寿を迎え纏められたという記念誌「私はフォルトゥーナ」をあるモーツァルト仲間(日本モーツァルト協会/モーツァルティアン・フェライン会員)の方から頂戴しました。フォルトゥーナとは、モーツァルトの「シピオーネの夢K126」に登場する幸運の女神の名前だそうで、若き15歳のモーツァルトが作曲したこの曲が好きになり、その女神の名前フォルトゥーナをハンドルネームに頂戴したそうなのです。
長い間「モーツァルティアン・フェライン」のHPに月1回のペースで「フォルトゥーナの音楽日記」を発信してきたそうで、今でもそれは継続しているそうですので、音楽を楽しみ、オペラを楽しみ、そしてその喜び楽しみを文章にしてきた方だけに、感性に富んだ優しい文章に心が癒されます。
第1章は(1)の”両親のこと 私のこと”から始まり、第2章の「音楽エッセイ フォルトゥーナの音楽日記」と続きます。第2章の始まりは、今私も最も愛する存在となっている小学館の「モーツァルト全集(小学館)」についてで、働き盛りで他のことを考える余裕のない思考停止状態だったという、バブルの余韻が冷めやらない頃に、この全集と出会い、CD・書籍付きのこの全集が何よりの強い味方となって自分を支えてくれたこと等、身近な体験に共通項を見出して嬉しく読み進むうちに、オペラやコンサートなど、楽しいエッセイは続きます。
決して順風満帆な人生ではなかったが、ほぼ健康体で傘寿を迎えることができたという作者がその記念にと出来上がった「私はフォルトゥーナ」。読み進むうちにその美しい充実した人生が伝わって来ます。「理想は美しく生き、センス良く老いること」、願わくば私もそうありたい・・。
私もあと傘寿までは〇〇年、こうして密度の濃い人生を重ねていけるのだろうか、そして健康を維持して行けるのだろうか・・などなどの不安や疑問もこんな先達の生き方に勇気を貰い、明日から頑張ろうという楽しみをももらったような気がします。フォルトゥーナさん、傘寿、心からお祝い申し上げます。これからもどうぞ素敵な人生を!
2017年11月11日のモーツァルトハウス(東京)
セイコガニとの出会い!・・・♡♠♤
♪軽井沢での「オペラの会」でもご一緒し、長いお付き合いの音楽仲間のお一人でもある方のご主人が福井出身だそうで、11月6日解禁になったばかりの”せいこがに”を食べさせるお店が東京青山にあると教えて下さったので、早速ランチにいってみました。この日、朝のテレビ番組では、丁度解禁になったばかりの越前ガニを現地から生放送する番組もありグッドタイミングな日でした。
土曜のお昼なのでお店も和やかな雰囲気で、入った早々にアットホームなおもてなしを肌で感じるいいお店でした。越前ガニはお値段も良く、知人に勧められたのは”セイコガニ”で、是非試してとのことでした。私が以前、金沢ではおでん種として”香箱蟹”(コウバコガニ:金沢での呼び名です)が入っていて、地元の人からは「かに面」といって愛されているのだそうで、いつか食べてみたいと話していたのを憶えていてくださったのです。
福井では”セイコガニ”、金沢の方では”香箱蟹”、また京都府に入ると”コッペカニ”と呼ぶところもあるそうで、呼び名は変りますが、ズワイガニの雌で、雄と違い小ぶりで、外子(そとこ)とよばれるつぶつぶの卵、そして味噌の部分のオレンジ色の内子(うちこ)があり、小さいだけに味わいが濃厚で旨味もたっぷりです。雌は保護の意味もあり11月6日解禁後12月末までで水揚げシーズンも2ケ月と限られて、今のうちにしか賞味できない貴重な海の幸です。この日は、「蓬莱玉手箱」というコースに”セイコガニ”を単品で頂いてみました。
望洋楼は福井県の三国温泉にある料理旅館「望洋楼」が東京に出したお店で、メニューには越前蟹コースはもちろん、若狭湾で獲れた海の幸、越前そばや厳選された旬の素材を生かした料理など「福井の美味しいものを伝承していく」をコンセプトに素材重視の料理を提供しています。老舗旅館の伝統を東京青山でも感じ味わう事ができます。お隣には福井のアンテナショップがあり、若狭湾の鯖ヘシコ、若狭かれい、のどぐろ、地酒など、日本海の魚好きにはたまらないラインナップで、伝統工芸品も置いています。♡♠♤
メトロ表参道駅から徒歩5分、JR渋谷駅にも青山学院大学前を通って歩くこともでき、近くには根津美術館もあり、ハイセンスな街に溶け込むように佇んだお店でした。
2017年11月8日のモーツァルトハウス
新発見の曲、疑作品も・・・♡♠♤
♪モーツァルト没後200年記念、小学館創立70年記念企画、小学館・フィリップス国際共同出版として刊行された「小学館モーツァルト全集:全15巻」。ジャンル別に編集したCD178枚と書籍15巻、音楽出版史上、かつてこれほどの規模の全集が刊行されたことはないそうで、世界で初めてモーツァルトの全ての作品を完全録音したものだそうです。この当時としては(今でも?)望みうる最大にして最高の「モーツァルト全集」と言われています。
多彩な執筆群による書籍も素晴らしく、第一線のモーツァルト研究者をはじめ、文学者、歴史学者、美術家、作曲家などによる書き下ろしです。演奏家もモーツァルト演奏には定評のある豪華な顔ぶれで、高い水準のものばかりです。
このCD、書籍:全15巻のモーツァルト全集には第16巻といえる別巻があり、題して「モーツァルトとその周辺」です。当初のCD178枚に数十枚が加えられて最終的には200枚にも及ぶCDになっています。この別巻は初版ではなかったもので、発売後何年か経て刊行されました。
この別巻には、モーツァルトの「新発見の曲、疑作他」が収められ、魅力的な曲も多く、今では私の愛聴盤になってしまっているほどです。いつものモーツァルトも良いですが、軽井沢にいくと必ず聴いていた新鮮な感動のある曲もいくつかあり、当分暫く工事のために行く回数も減るので今回は東京にもって来ました。
海老澤先生の「モーツァルト講座」で聴かせてもらった、オペラ「イドメネオ」のウィーンでの再演時に新たに書き加えられた「シェーナとロンド《もういいの、みんな聞いてしまったわ-心配しなくてもいいのです、いとしい人よ》K490」もこの別巻に収められています。カール・アウエルスベルク公爵の館での再演時にはテノールが歌ったものですが、このCDではメゾソプラノが歌っています。
モーツァルトがフォン・ハッツフェルト伯爵への友情の証として作曲した、美しいヴァイオリンのオブリガート付きのその旋律はこのCDでも充分に味わう事ができます。繰り返し聴きたくなるほどで、美しく流れるような旋律は今では口ずさむほどで、いつ聴いてもため息が出ます。
そしてまだお気に入りはあります。交響曲イ短調 KAnh、220(16a)。これはモーツァルトと一時は認めてもらっていながら、現在ではモーツァルトの曲ではないとの合意がされたもの。専門家の長年の研究結果でそう結論付けられたのでしょうが、もしモーツァルトの曲であったならば貴重な短調の交響曲でした。デンマークのオーデンセという街の地方交響楽団の保管庫から写譜が発見されたそうなので、「オーデンセ」とも呼ばれています。
そしてヴァイオリン協奏曲 変ホ長調K268もこちらに収められています。ヴァイオリン協奏曲第6番として、議論の的となり問題も多いそうで、今では上記の作品同様に全集から外されています。真相にはまだ謎もあるでしょうから、モーツァルト作品とは疑わしいものであっても、聴く者にとってはどれもとても魅力的な作品に思えます。
交響曲イ短調 KAnh、220(16a)は、クリストファー・ホグウッド指揮、エンシェント室内管弦楽団で、ヴァイオリン協奏曲変ホ長調K268は、ヨーゼフ・スーク(vn)、プラハ室内管弦楽団で、どちらもUチューブで聴くことができます。Uチューブの威力ですね。どちらもいい曲です♡♠♤。お試しください。
2017年11月7日のモーツァルトハウス
里山の和食レストラン・・・♡♠♤
♪先日土曜のテレビ番組「旅サラダ」でも紹介されていた軽井沢の「御厨(みくらや)」。かまど炊きご飯が自慢のお店です。それも幻のお米と言われる佐久地域で有名なブランド米「五郎兵衛米」を使っています。今でしたら勿論この五郎兵衛米の新米をだしてくれています。
2016年末に開店したばかりのこのお店は、以前からグルメな知人ご夫妻にも勧められていたお店で、朝食も提供していて、今人気の「たまごかけごはん」や「とろろ汁」などがかまどで炊いたご飯と共に味わうことができます。夕食は5時からで、今の時期でしたら早い夜の帳に包まれ始める時刻です。ご飯はおひつに入れられてテーブルに運ばれます。おひつからご飯茶碗にご飯をよそう・・・、昔懐かしさが漂って、お米文化の日本人ならではの味わいです。とろろ汁は信州味噌で味付られていてマイルドなお味でした。
「御厨」がある辺りは、すぐ側にホタル観賞もできる場所もあって、空気も水も澄み、そして景色も里山そのものといった風情です。軽井沢と言ってもメイン道路からちょっと入って15分も車を走らせるとこんな懐かしい心のふるさとを思わせるような場所があります。軽井沢町が委託運営する市場:発地市庭(ほっちいちば)も同じ道路沿いにあり、これから何かと話題になりそうなスポットです。
軽井沢には都会的なイタリアンやフレンチなどハイセンスな賑わいのあるレストランと、里山にはこんな民芸調のかまど炊きご飯のレストランもあり、両方とも軽井沢ならではの魅力を伝えています。
2017年11月5日のモーツァルトハウス
晩秋の軽井沢・・・♡♠♤
♪季節の移ろい・・・。晩秋を迎えて、軽井沢の景色も秋色一色です。遠くの山も赤と黄色で燃えているようです。修復工事が始まるので打ち合わせがてら軽井沢へ。大事な冬支度のタイヤ交換もすませました。これからは足早に冬へと季節も変わっていきます。次回はきっと周りの木々もすっかり落葉して冬景色でしょうか!見納めとなる色鮮やかな晩秋の景色です。
タイヤ交換をして貰う佐久のタイヤ屋さんのすぐそばが「ぴんころさん」です。今回も「ぴんころさん」に寄ってぴんぴん、ころりの大往生を祈願してきました。いつみても愛嬌があって本当に可愛いお地蔵さんです。
2017年10月31日のモーツァルトハウス(東京)
史実とオペラとの接点・・・♡♠♤
♪今日は朝日カルチャー新宿校での、加藤浩子先生による「オペラで知るヨーロッパ史」の今期のテーマ《歴史のヒロインたち》の第1回目でした。イタリア・ルネッサンスの有名人をヒロインにしたドニゼッティのオペラ「ルクレツィア・ボルジア」(ルネ・フレミング主演・サンフランシスコ・オペラ)というめったにみることのないメジャーとは言えないオペラのDVDを先生の解説付きで観ることができました。次回はジャンヌ・ダルクを扱った複数のオペラを取り上げるそうです。
歴史の講座は他にもあるし、またオペラ講座もたくさんあるなかで、ヨーロッパ史からオペラとの接点を見出し紐解いていく講座はかつてなく、加藤先生ならではのユニークともいえる貴重な講座です。先生のお話も楽しく回を重ねるごとに人気です。歴史上の人物を主人公にしたオペラも少なくないそうですから、今期もとても興味深い内容です。《歴史のヒロインたち》は全2回です。
15世紀から16世紀にかけて悪徳の代名詞として非難の対象となったボルジア家(毒薬や近親相姦など)。スペイン・バレンシア地方出身であるルクレツィア・ボルジア(1480~1519)については、新潮文庫の塩野七生著の「ルネッサンスの女たち」にも紹介されているそうなので、是非読んでみたい本です。
東日本大震災の被災地を旅してきた主人たちの感想を聞いていると、6年半の歳月が経ちながら、復興は一部を除いてはまだまだ進んではいないといいます。マスコミでの報道だけではその細やかな実態は分からず、被災地に行ってみて初めてわかることもあるでしょうから、それをで肌で感じる機会に今回の旅はなったのでしょう。
瓦礫などは片づけられてはいるものの復興とは程遠いという現実。気仙沼や石巻、南三陸町、陸前高田などでは、被災して家族を亡くした人からも話を聞いたりしたそうで、目の前で流されていく知り合いを見ていた人、牡鹿半島では、漁師さんから裏山からも津波が来て前と後ろから挟み撃ちにあったなど聞き目頭が熱くなったそうです。家族も親戚も亡くし、たった一人残された人など、その心の痛手から立ち直るにはまだまだ時間がかかることも感じて来たそうです。何もできないけれど、被災地の人々のことを忘れずにいること、そのことの大切さを思います。
2017年10月30日のモーツァルトハウス(東京)
秘かな歓び!TAMAフォーラム・・・♡♠♤
♪昨日は台風22号が関東地方を通過するので、折角の日曜日でありながら、外出の足も鈍り、行楽シーズンなのに毎週末の台風到来を恨めしく思う人も多かったと思います。そんななか、小田急線玉川学園前であった、岡山潔氏主宰の「多摩音楽フォーラム」に久しぶりに出かけました。
昨日は、第80回「モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ成立への道」と題して、レクチャー&コンサート、講師:小林道夫(ピアノ)共演:原田智子(ヴァイオリン)でした。[コンサートプログラム]は、J.C.バッハ,ショーベルト、エッカルド、シュスター、そしてモーツァルトの作品。
モーツァルトと同時代にパリやロンドン、そしてドイツの各都市で活躍の作曲家達のヴァイオリンソナタが演奏され、小林道夫さんの的確な分かり易いレクチャーを聞きながら、最後モーツァルトのソナタK296が演奏されて、その成立への道を辿りました。
素晴らしい時間を過ごさせて貰いました。最後に聴いたモーツァルトのソナタK296は本当にいい曲で、いつ聴いても心が満たされます。シュスターという作曲家の名前も初めて知りましたが、モーツァルトがこの人の曲を聴いて「まぁいいじゃない!こんな感じでやってみます」と手紙を書いたというシュスターの曲もK296の前に演奏されました。私たちの知らないモーツァルトと同時代の作曲家がたくさん存在し、モーツァルトの陰に隠れてしまっていることにも気付きました。
シュスターの曲もなかなか良い曲というのもわかりましたが、そのあとにK296を聴くと心は100%モーツァルトの曲の虜になってしまいます。帰り道は大雨強風に直撃されて台風を恨めしく思いましたが、K296のお陰で心は何倍にも充たされました。素敵な音楽空間で聴く音楽はすばらしく、悪天候にも関わらず多くの常連さんたちが集まっていました。♡♠♤
2017年10月29日のモーツァルトハウス(東京)
友情のあかし!・・・♡♠♤
♪1781年1月29日にミュンヘンで初演されたモーツァルトのオペラ「イドメネオ」ですが、ウィーンに移り住んでほぼ5年後の1786年3月13日夕べには、カール・アウエルスベルク公爵の館で、モーツァルトの指揮でこのオペラ「イドメネオ」の再演が行われました。ミュンヘン初演版にさまざまな修正が行われてのウィーンでの再演でした。イダマンテ役はカストラートだったものが、テノールで歌われ、第2幕第1場のアルバーチェのアリアを、イダマンテのアリア「シェーナとロンド《もういいの、みんな聞いてしまったわ-心配しなくてもいいのです、いとしい人よ》K490に差し替えられたりしました。
独奏のヴァイオリンの前奏や伴奏はたとえようもなく美しいこの曲は、当時ウィーンで知り合った、ヴァイオリンの名手であったというアウグスト・クレメンス・フォン・ハッツフェルト伯爵のためにモーツァルトが友情の証のために書いたものだと言われています。
『「ため息をついていらっしゃるのですか」と歌う、イダマンテ役のブリーニ男爵の声音には、フォン・ハッツフェルト伯爵が弾くヴァイオリンの溜息の音形が重なるのを聴けば、この挿入曲は原作のオペラとはなんの必然的な関係もないとする後世の批判など、いったいなんの意味があるというのだろうか。』(海老澤敏著「モーツァルトの生涯(白水社1984年)「あとがきに代えて」)より
愛するイリアと交わされるレチタティーヴォ・アコンパニャートのあと、イダマンテが歌いはじめるのですが、フォン・ハッツフェルト伯爵の美しいヴァイオリンのオブリガート付きのその旋律は本当に美しく、溜息がでます。モーツァルトがあえてミュンヘン版に替えて、ウィーンで知り合ったハッツフェルト伯爵のために書いたとものだと思って聴くと、それは我々の胸に今でも迫るものがあります。
その後、このフォン・ハッツフェルト伯爵には、大きな不幸が待っていました。翌年の1787年1月30日にデユュッセルドルフにおいてこの世を去るのです。31歳という若さでの死でした。
短いウィーンでの交流の間、モーツァルトはヴィオラを、ハッツフェルト伯爵はヴァイオリンを、モーツァルト宅で《ハイドン四重奏曲》を共に弾いていたこともあったそうで、演奏を通じても固く結ばれていたからこそ、この曲をハッツフェルト伯爵のために書き捧げたのでしょう。
『この場で、指揮し、また弾く二人の間に交わされる友情の音楽、それは決してはかないものではなかった。1回限り響いては消えていったものの、不滅の友情の鳴り響く記念碑ととなった。』(海老澤敏著「モーツァルトの生涯(白水社1984年)「あとがきに代えて」)より
K490のケッヘル番号を持つこの曲はCDでは聴くことが出来るものの、オペラの中では殆どがミュンヘン初演版が取り入れられ、この曲は省略されることが多く、観る(聴く)ことができません。がしかし、1991年ドロットニングホルム宮廷劇場でのエストマン指揮の公演では、この曲は省略せずに歌われていて感動的です。テノールの歌にヴァイオリンが寄り添うように美しく奏でるそのメロディは、たとえ死があっても誓うというモーツァルトの伯爵への美しい永遠の友情を感ぜずにはいられません。でもこの公演のDVDは今では入手不可能?なのです。
2017年10月28日のモーツァルトハウス(東京)
続ける事のすごさ!・・・♡♠♤
♪司馬遼太郎著の「街道をゆく」を読み始めて、その地を実際訪ねて日本の歴史を辿ってみようと始めた主人たち4人組の旅行も、今年で数えて9回目。もう8年になります。
年1回だったものが今年から春、秋と2回になるほと意欲的です。事前に資料や日程つくりを口実に何回か会合を持ち、準備を進めています。(実際は飲むのが目的です)
そして2泊3日の旅行に出発する訳ですが、8回の内には、親が急に入院という事態になったり、本人の体調が万全でないことで、2回ほど4人が3人になって出かけたこともありました。そんな時には帰ってくると、「4人が3人だとやっぱり調子がでないもんだなぁ~」とぽつんともらしていましたから、やはりいつものメンバーが、たとえ一人でも欠けると、満足度も欠けるものなんだろうなと思ったものでした。
2010年の沖縄から始まった4人組の旅行は、薩摩、青森、長州、土佐、会津、尾張・美濃・近江、加賀と訪ね歩き、是非今度は被災地をという希望が一人から出されて、「東日本大震災被災地を訪ねて」という昨日までの旅となりました。
年々お酒を飲める量も食も減ってきたと言いながらも、2日目は結構飲んだようで、それも「両国(別格)」(生産中止になってしまったお酒だそうです。)という気仙沼の銘酒があまりにも美味しかったからというものですが、中学の時の同級生というのですから、同い年で、体力も、健康度も多少高低はあるものの、切磋琢磨しながら4人が適当に調和を保ちながらいい関係で繋がっているのでしょう。
一時は脇目も振らず何より仕事仕事に追わて生きて来た人生で辿り着いた今は、友、趣味、酒、旅であったり、少年時代のように一緒に夢中になれる何かをそこにみいだしているのでしょうか・・。最初の頃は主人たちだけの旅行で、留守番を強いられ私にもちょっぴり不満はあったものの、今では、70代まだまだこれからでしょう・・とこうして続くお父さんたちの旅にエールをおくっています。いつまでも4人元気で続くことを!続ける事のすごさにも!
ささやかな復興の足しになればと買ってきてくれたお土産
2017年10月27日のモーツァルトハウス(東京)
happyな一日・・・♡♠♤
♪台風21号の影響もありましたが、ここの所ずっと雨模様のうっとおしい日ばかりで、お天気屋さんではなくても何か気が滅入りそうな日ばかりでした。でも、昨日は久々にいいお天気!鎌倉に住む友人に誘われて、元町中華街に行って来ました。中華街は何十年ぶりでしょうか。中華街はさながら、原宿か、軽井沢で言うなら旧軽井沢銀座のように人が溢れ、すごい混みようでビックリ!中国人も勿論たくさん見え、みんな楽しそうで、やっぱり自国の食のレストランがこんなに並んでいたらやっぱり嬉しいですね。
たくさん魅力的なお店が並ぶ中で、萬珍楼でランチをいただきました。なんでも友人が言うには何年か前に火災で焼けてしまい、その後建てられた建物だそうですが、でもいかめしい格調高い立派な建物で他の有名店よりもずっと厳かと、私は思いました。
ランチのあとは山下公園の方に歩き、クラシカルなホテルニューグランドのおしゃれなラウンジでお決まりのケーキセットを頂くことに。久しぶりの友とのおしゃべりも弾みました!帰路は、今度は電車ではなく横浜までは氷川丸の隣の乗り場からシーバスに乗りました。一気に海や空の青さに目が覚めるような気持ちの良さを味わいました。いろんな美しい景色にも出会え、横浜エリアを堪能する良い時間を過ごしました。
丸ノ内線と東横線が、新宿三丁目で結ばれたお陰で、横浜へは本当に行き易くなりました。fライナーという特急も走っていて乗り換えもなして元町中華街にも行けるようになりました。
昨日は私の誕生日。朝一番に姫路に住む友人からお誕生日おめでとうメールがあり、「お互いに1日、1日大切に過ごしましょうね」とありました。本当に年を一つ重ねるごとにそのことを実感します。これからも元気でこんなhappyな日が一日でも多いといいなぁ~なんて、思いました。
2017年10月21日のモーツァルトハウス(東京)
地元の音楽祭・・・♡♠♤
♪日本各地の音楽祭に今年もいろいろ行きましたが、自分の住む街、荻窪でも音楽祭が行われています。その名も「荻窪音楽祭」。11月9日(木)、10日(金)、11日(土)、12日(日)と、会場は杉並公会堂大ホール、小ホール、グランサロンでそれぞれ連日魅力的なコンサートが開催される予定です。
10日(金)18:30からは、30回記念ガラ・コンサートがあり、日本を代表する音楽家がスペシャルコラボとして、日フィル協力のもとで「荻窪音楽祭フレッシュアンサンブル」を結成して、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番(ヴァイオリン独奏 漆原朝子)や、シュターミッツのファゴット協奏曲(ファゴット奏者 鈴木一志)や、モーツァルト ディヴェルティメントニ長調などが演奏され、その他、若手演奏家も出演しての室内楽など楽しい企画がいっぱいです。
指揮・音楽監督は後藤悠仁さんです。日フィルのヴィオラ奏者だった方ですね。何年か前に知人宅でのホームコンサートでお会いし、それ以来でしたので、とても懐かしい。荻窪音楽祭の指揮・音楽監督に就任されているのですね。その後のご活躍ぶりに驚き嬉しい限りです。
芸術の秋にまさにうってつけの、我が街・荻窪での音楽祭。「クラシック音楽を楽しむ街・荻窪」というキャッチコピーのもと、皆がクラシックを気軽に楽しむ4日間となり盛り上がって続けていって欲しいですね。♡♠♤
2017年10月19日のモーツァルトハウス(東京)
爆クラ!新体験・・・♡♠♤
♪昨夜は代官山駅すぐそばのモンシェリー代官山B2にある変ったネーミングのカフェ&バー「晴れたら空に豆まいて」というお店での、湯山玲子さんpresents爆クラ!《第63夜》に加藤浩子先生がゲスト出演されるという事で、そのトークショーに行って来ました。開演は20時、そして場所は代官山と、何かとってもオシャレな大人の時間といった雰囲気を感じます。タイトルも「加藤浩子の2017年欧州オペラコンフィデンシャル~現場で今、何が起こっているか」という興味津々たるもの。夏のザルツブルク音楽祭でのクルレンツィスの「皇帝テイトの慈悲」のお話もたっぷり伺って来ました。
このテイトの公演を今夜の主宰者の湯山さんも実際に観て来られていて、クラシカジャパンで放映されたばかりの映像も流して歌手の話、演出の話、もちろん指揮者クルレンツィスの話など楽しく語ってくれました。ホットな感想がたくさん聞かせて貰え、時にはジョークを交え、おとなのハイセンスなおしゃべりと言った感じでした。終演は22時半を超す時間でしたが、会場はほぼ満席で熱気まで漂っていました。
時にはこんな遅い時間にオペラを肴に楽しむのも大人の愉しみ方、最近はめっぽう宵っ張りが苦手と思っていたのが日付を超えた帰宅も苦にならない程楽しい一夜でした。
ザルツブルク音楽祭の「テイトの慈悲」のプレミアの翌日の新聞は、現地では大きく一面でこの公演を取り上げていたそうですが、中央ヨーロッパではない、モスクワから1400㎞も離れたロシアのウラル山脈のふもとに位置する、ある意味僻地ともいえるペルミにある劇場の音楽監督であるテオドール・クルレンツィスがザルツブルク音楽祭に招かれての今回の「ティトの慈悲」、それだけでも話題になりますね。
この「テイト」は何点か特徴がある中で、1番の驚く点は本来のオペラにない音楽の「ハ短調ミサ」の「ベネディクトス」と「キリエ」などを挿入したこと、またテロ集団や移民にした設定、本来の話をまげて皇帝が死んでしまうというお話にしてしまった点等で、賛否がわかれたことは既に承知していました。が新たな創造物として生まれ変わり、より私たちに強いメッセージを届けたのだという前向きな感想に、納得はするものの、決まって心に引っ掛かるのは、「例えばミサ曲などの挿入などしなくても立派に成立していたオペラにどうしてそれをしなければならなかったのか」という疑問。それを演出家であるピーターセラーズに聞いてみたい。どうしてなのか・・と。
もしこのオペラのメーセッジをより現代人の我々の心に届くものにしたいのであれば、挿入曲など使わなくても従来の音楽で伝えるのにこそ演出家の手腕を発揮するべきでは・・、また未完でもない欠陥でもないオペラに挿入曲を持ってくると言うのは、これを誰もが勝手にやりだすと一体どういう事になるのか・・などの不安。それらの批判をすべて予測し、覚悟の上での上演であったことは間違いないでしょうが。現代社会からくる必要性という色彩も濃いのかも知れませんし、問題提起として受け取るべきかも知れませんね。
私たち周辺のモーツァルトファンからはこんな意見が聞こえて来ます。
2017年10月12日のモーツァルトハウス
深まりゆく秋!・・・♡♠♤
♪すっかり木々が色ずき始めた軽井沢。秋の訪れをそこかしこに感じるようになりました。芸術の秋を先取りするかのように10月7日から始まっていたオナーズヒル軽井沢での「創作作品展」。軽井沢に住む友人ご夫妻も訪ねて来てくれ、一緒に鑑賞に行って来ました。出品された作品は、油絵や、陶芸、墨絵、写真、木工パッチワーク、デコパージュ、押し絵等、敷地内の方々の様々なジャンルの作品が集まり展示されました。初めての試みです。
開催期間中は、全国的に雨模様の日が多く、また気温も一気に下がって、軽井沢も冬を思わせる寒い日でしたが、展示会を鑑賞がてら、お茶を飲みながらのコミュニティーを求めて立ち寄って下さる方も多く、このような企画をもっと増やしてほしいと言う声を多くの方からもらいました。
今後は、ジャンル別に分けての展示や、また読書会や朗読会、音楽鑑賞会や、生の音楽のスモールコンサートなど、様々なプランがあり、きっとこれから敷地内の方々の大きな楽しみの一つになるのではと思います。年末には、しばらくお休みとなっていた年末恒例の「餅つき大会」の再開が決まっています。オナーズヒルの住民としては今までのように明るい楽しい未来に思いを馳せることができた「創作作品展」であったと思います。担当の理事の方々に心よりお礼を申し上げたいです。
会場となった「センターハウス」は、内装も新しくし、小さなキッチンもしつらえたので、自由にお茶なども楽しむことができ、仲間と集まってお喋りを楽しむこともできる場所となりました。正面には雄大な浅間山の景色を望み、ゆったりと自然の中でくつろぐことができる貴重な場所です。今後はここからまた色いろな思い出のシーンが生まれていくことでしょう!
展示中では、好きな音楽を流すことができたので、勿論モーツァルトの音楽を!
2017年10月8日のモーツァルトハウス(東京)
クルレンツイスの「レクイエム」!・・・♡♠♤
♪夏のザルツブルク音楽祭で、オペラ「ティトの慈悲」と共に話題になったのが、鬼才クルレンツイス指揮&ムジカエテルナ演奏によるモーツァルト作曲「レクイエム」でした。
この放送が下記の通りテレビ放映されます。クラシカジャパンではなくNHKBSですので、より多くの方が観ることができると思います。
NHKBS プレミアムシアター
放送日:10月23日(月)深夜0時から
ご興味のある方は是非ご覧ください。
2017年10月6日のモーツァルトハウス
「ティトの慈悲」の感想は・・・♡♠♤
♪今年のザルツブルク音楽祭で最大の注目オペラとなった「皇帝ティトの慈悲」。演奏はムジカエテルナ、指揮はテオドール・クルレンツイス、演出はピーター・セラーズ。今をときめくクルレンツイスが自らのオーケストラであるムジカエテルナを引き連れて、ザルツブルク音楽祭に初デビューを果たした作品です。また演出はモーツァルトで言えば「ダ・ボンテ三部作」の演出で、演出界でのターニングポイントとなったと言われるほど大胆に新しい試みをし、我々を仰天させた演出家、ピーター・セラーズです。
音楽祭が終わってまだ間がない9月に、このオペラが祝祭大劇場で8月4日に上演されたものがクラシカ・ジャパンで放送されました。そのブルーレイ版のDVDを頂戴することができ、早速観てみました。
数々の驚く点がありましたが、この上演で最大のポイントとなったのは、本来このオペラにはないハ短調ミサK427が挿入されていることです。それだけではなく、アダージョとフーガK546、フリーメイスンの葬送音楽K477も挿入されています。そして、ストーリーですが、本来の筋は皇帝ティトの暗殺は失敗に終わり死ぬことは無く、寛容に赦して終わる、ハーッピーエンドのところを、赦しながらも最後は自ら死んでしまうというストーリーになっています。そしてここで葬送音楽K477が流れるのです。
歌手にも大きな特徴がありました。ティト、ビィッテリア、アンニオ、プブリオの4人は黒人の歌手でした。思い起こすと、セラーズはダ・ポンテ三部作でもアメリカのマフィアを舞台にし黒人歌手を登場させていました。
セストはテロリストで、合唱団も現代のテロリストや難民を思わせる衣装でした。舞台の背景の色は殆ど黒に近いので、衣装のカラフルさが印象的でした。
ハ短調ミサなどの挿入に関しては、違和感なく効果的に使われていてあっぱれという思いもありますが、反面、このような事をする演出が増えて来ると嫌だなという印象も持ちました。あるモーツァルト仲間からは、「他の曲を入れなくてもこのオペラは立派に成り立っているのに」と、本来の姿がやはり望ましいという、いともごもっともなご意見です。
しかし、演出家はこの作品の不十分さやモーツァルトが完成しきれなかったものをこのような形で補ったのだとも伝えられていて、それらをクルレンツイスとセラーズという、モーツァルトを知り尽くした人が創り上げたのだとしたら、「クルレンツイス&セラーズ版」というちょっと別物と考えて観るとしたら、観客もそれなりに満足のいくものになるものではないかと思いました。決して今はやりの「奇をてらったものではない」という事だけは理解できました。
終わってみての感想は、序曲からぐいぐいと引き込まれ、あっという間の楽しい3時間であったこと。車いす姿のセストが最期の場面で、救命装置をかなぐり捨てて「ローマの幸せのために」と自らの命を絶つまでの演技や歌も見所だったと思うし、ズボン役のセストがとても良かった。切れがあり、敏捷に動き回り新たなスター誕生かなと思わせるものでした。
とは言え、とにかく「賛否両論」の公演だったことは誰しもが認める所で、先日の講演会の終了後、生で直にこの公演を鑑賞してきた加藤浩子先生からは、「ハ短調ミサなど本来ない曲を挿入する、そのことに対し、賛否両論で、曲を入れたことを否定する人はいるのです」というようなことでした。
ザルツブルクまでは行けなかった私たちは、しかし、このブルーレイの綺麗な画面でこうして、一つの歴史を刻んだクルレンツイ&セラーズ版を鑑賞することができたので幸せに思っています。感謝、感謝です!
2017年10月5日のモーツァルトハウス
紅葉が始まっています!・・・♡♠♤
♪軽井沢の秋、次第に紅葉が始まっています。桜、漆、蔦、どうだんツツジ、マユミ、又低木の紅葉も早く、緑から日一日と秋色に染まって行くのを見るのも楽しみです。玄関わきのマユミや、黒船ツツジは今美しく紅葉して、目を楽しませてくれています。
久しぶりに行ったショッピングセンターはハロウィンのお祭りの装いでした。こぶしの木はもう赤い実をつけていました。秋ですね~。
2017年10月4日のモーツァルトハウス
芸術の秋!・・・♡♠♤
♪「オナーズヒル軽井沢 創作作品展」が間もなく始まります。敷地内の方々の作品(陶芸、絵画、写真、その他)の展示会です。主人も3点出品していますが、主人はただ好きで趣味で描いているものでお恥ずかしいですが、他の方々は力作ぞろいです。お近くの方はどうぞお立ち寄りになって是非みてくださいね。
会場の正面は雄大な浅間山、そして色づき始めた桜の木があり、美しい初秋の景色も楽しむこともできます。
軽井沢も寒くなって来ました。最低気温は7度くらいになり朝晩も相当冷え込む様になってきました。お鍋の季節の始まりですね。今夜は今年初めてのきりたんぽ鍋にしました。お酒はお隣佐久の銘酒「千曲錦」です。これからはお鍋と日本酒の「黄金コンビ」で身体の芯から温まりましょう!
2017年9月24日のモーツァルトハウス(東京)
北欧でのモーツァルト公演!・・・♡♠♤
♪スウェーデンのドロットニングホルム宮廷劇場でのモーツァルトのオペラ公演の変遷をたどっていくと、アルノルド・エストマン(指揮者)の存在なくは語れず、彼の功績は大きかったのではと思います。
エストマンは1939年、スウェーデン南部、デンマークのコペンハーゲンに面した港町マルメ生まれ。1979年にドロットニングホルム宮廷劇場の支配人に就任し、夏の間だけ18世紀のオペラを再現する音楽祭で最初のシーズンに「ドン・ジョヴァンニ」をプラハ初演版により上演、その際にはじめてオリジナル楽器を使用し、この試みは大成功を収め、ドロットニングホルム宮廷劇場とエストマンは世界中から注目され始めました。
翌1980年から芸術監督・指揮者に任命されたエストマンは、81年には「フィガロの結婚」、82年には「魔笛」、84年には「コジ・ファン・トゥッテ」を上演し次々と成功をおさめました。
就任以来、従来からのレパートリーをオリジナル楽器により演奏し、モーツァルト以外の作品も、ロッシーニやドニゼッテイのブッファなど、400席というこの劇場にふさわしい作品を選んでレパートリーを拡大し、ドロットニング宮廷劇場は北欧で最も重要なオペラハウスとして世界的に注目されました。特にモーツァルトオペラはスウェーデン放送とミュンヘンのバイエルン放送との共同制作によってTV放映もされました。
この劇場は、18世紀後半にロヴィーサ・ウルリカ王妃によって創設され、その長男で国王を継いだグスタフ3世によって隆盛期を迎えますが、この劇場の栄華も、1792年(モーツァルトの死の翌年)、グスタフ三世が舞踏会の最中に暗殺されてから、忘却の淵に沈んでしまいました。それ以降は閉鎖されたまま放置されていた。それがかえって幸いして18世紀と同じ姿で、全容を20世紀に伝えてくれたことになり、当時の舞台装置など完全に維持している世界でも数少ない劇場の一つになっています。
ベルディオペラの「仮面舞踏会」はこのグスタフ三世の暗殺がモデルになったオペラです。
こうしてみてくると、これら1980年代のこの劇場でのモーツァル作品を観たくなりますが、殆どがLDで録画されたもので、それらも絶版物が殆どです。先日の加藤浩子先生による協会での講演会「《ドン・ジョヴァンニ》の過去と現在」でも、エストマン指揮の「ドン・ジョヴァンニ」を紹介していて、ピリオド楽器による管弦楽団をわざわざ作り「ドン・ジョヴァンニ」を上演したエストマンは、ピリオド奏法でのオペラ上演のパイオニアであり、オペラの上演史上、歴史を刻んだことになります。しかし、残念ながら今ではこの公演もLDとして持っている方しか観ることができないものになっていると思います。
この後1990年上演されたこの劇場での「後宮からの逃走K384」は、あるモーツァルトの大先輩から頂いたことで手元にあります。今でもその方のことを思い出しながら観ることがあります。指揮者もピットに入っている演奏家たちも全員が18世紀の楽士のユニホームを着て、かつらを着けていて、劇場も18世紀そのままのモーツァルトの時代はこうだったのかと思いを巡らせられるオペラ映像です。本当に貴重なものを頂いたと改めて思うこの頃です。。。
2017年9月17日~19日のモーツァルトハウス(富山県・宇奈月)
アマデウス・モーツァルト、世界の宝!・・・♡♠♤
♪今年の宇奈月モーツァルト音楽祭で感激したことの一つに、林光作詞作曲の「モーツァルト賛歌」という曲の楽譜を頂戴したこと。「世界の宝、モーツァルト」と歌うこの曲は、林光氏の作詞作曲ながら、内々に仲間と楽しんだものらしく、どこをいくら探しても公には出て来ません。私自身この曲の存在を知らなかったので、宇奈月モーツァルト音楽祭で初めて聴き、仲間と歌っている方々に何処でこの楽譜が手に入るのか尋ねた所、惜しげもなく「どうぞ」とくださったのです。「光先生もさぞ喜んでいらっしゃると思います」と。光氏の直筆だそうです。
林光氏といえば、主宰するこんにゃく座での「魔笛」を観に行ったことがあります。日本語公演なので、光氏の訳詞のアリアは、「パ・パ・パ」や「モノスタトスのアリア」など、愛くるしい親しみに溢れたものでした。きっと光氏ご自身もきっと「愛の人」で、モーツァルトに相通じる部分があったのではと思います。
こんな風にこんな曲にも、こんな曲を知って歌っている方々にも出会える喜びも、宇奈月モーツァルト音楽祭ならではの素晴らしい魅力ではと改めて感じました。いろんな出会いが今年もあった音楽祭でしたが、心の中でモーツァルトは世界の宝!というメロデイがずっと鳴り響いています。素敵な余韻を今年も残してくれたモーツァルト音楽祭に心から感謝です。もう来年が楽しみです!♡♠♤
2017年9月17日~19日のモーツァルトハウス(富山県・宇奈月)
今年も行って来ました!・・・♡♠♤
♪富山県宇奈月温泉で今の時期毎年行われているモーツァルト音楽祭も、今年で8回目となります。宇奈月温泉がモーツァルトの生誕地、オーストリアのザルツブルクに似ていると始めた音楽祭です。年々温かみも楽しさも増しています。美しい黒部の景色、新鮮なお魚などのお料理、温泉と人々のぬくもり、演奏される曲はオールモーツァルトと、こんなに魅力に溢れた音楽祭が他にあろうかと、正直毎回思います。3日間毎日一日中モーツァルトの曲は聴いていても飽きると言う事はありません。
今年も台風上陸のニュースの最中、16日~18日まで、1日だけ雨に降られましたが、無事に3日間の幕を下ろしました。だんだん宇奈月温泉が日本のザルツに思えるようになってきました。また来年を楽しみに!ボランティアの皆さまも本当にお疲れ様でした!♡♠♤
2017年9月15日~21日のモーツァルトハウス
秋色の始まり!・・・♡♠♤
♪軽井沢にも早くも秋の気配が・・。「マユミ」という木が紅葉し始めて、赤い釣り花がたくさんなっています。玄関わきの最初は背丈ほどもなかった木でしたが、この木をみて植木屋さんが「この木は大切にしたほうがいい」と、言われた2本立ちの樹です。今では見上げるほど立派になり、夏に丹念に青いカメムシの一種が付くのを手で駆除していたお陰で、今花が熟して種子が顔を出してたくさん釣り下がってかわいい姿に。
2017年9月13日のモーツァルトハウス(東京)
11年目を迎えて!・・・♡♠♤
♪モーツァルトハウスも早いものでこの11月で満11年目を迎えます。一寸だけこの秋から冬にかけて定期改修を行います。足場をかけての外部の修繕が主です。そんなことで今年はミニコンサートやオペラの会が出来ませんでしたので、残るオペラ「皇帝ティトの慈悲」を鑑賞する会は来年に持ち越しです。モーツァルトのオペラ作品も、初期の作品を除けばこの「テイト」のみとなりました。
昨日はモーツァルト協会主催の講演会があり、講師に加藤浩子先生を迎えて「《ドン・ジョヴァンニ》の過去と現在」というタイトルでお話がありました。過去から現在までを、DVDやCDで主だった舞台を観、聴き比べをして、とても有益な時間でした。演出面でも一つのターニングポイントになったという、ピーター・セラーズ演出のダ・ポンテ三部作(1990年)のは観たことがありませんでしたが、他のDVDも今をときめくクルレンツィスのCDもほとんど持っているものなので、一度は観たり、聴いたものですが、順序立てて解説付きで場面場面をみせてもらうと、その上演の意味や良さがより深まって貴重な体験でした。先生にも久しぶりにお目にかかれて、またお話も出来て楽しい時間でした。
2017年9月12日のモーツァルトハウス(東京)
音楽祭もクライマックス!・・・♡♠♤
♪今年も、西は神戸、軽井沢周辺では草津、小淵沢、そして上田市など様々な場所で、いろいろな形でモーツァルトを楽しみました。今年最後になるであろう音楽祭は、第8回目となる「モーツァルト@宇奈月」で、富山県宇奈月温泉で開催されているモーツァルト音楽祭です。(開催期間は9/16~9/18)。ワンコインで楽しめる今年のオープニングオペラは「フィガロの結婚」で、9.16(土)15時~18時。他にも「ピアノと管弦による三重奏」K564&K502や、宇奈月カルテットが出演する室内楽のワンコインコンサートもあり、共にセレネ4階大ホールで行われます。
その他入場無料のプレミアムトーク「モーツァルトの協奏曲を語る」(音楽祭芸術監督:横島勝人)や、プロ、アマが自由に参加しているコンサートが、宇奈月温泉の様々な場所で、3日間繰り広げられます。そして最終日の締めは、音楽祭スペシャルコンサート(指揮:横島勝人)で、宇奈月アマデウス祝祭管弦楽団&合唱団による「交響曲第36番K425」と「レクイエムニ短調K626」の2曲が演奏されて、今年の3日間の幕が下ろされます。
ちょうど開催中の3連休は、台風18号の進路次第では大きな影響を受けるかも知れないので、今頃地元関係者はきっとやきもきしていることでしょう。交通機関も心配です。台風の影響もなく、みんながハッピーな笑顔で終わることを訪れる私たちも祈っています~。♡♠♤
2017年9月7~10日のモーツァルトハウス(秋田)
ふるさとに酔う!・・・♡♠♤
♪ふるさと秋田に行って来ました。3泊4日の旅でした。年と共に年々ふるさとは格別なものになっています。車窓からは田園風景がどこまでも続き、今稲穂が黄金色に輝き実りの秋ももうすぐです。田んぼが広がる風景のそのはるか先には、山々が連なり、そして真っ青な空に浮かぶ白い雲。そんな情景の中にどこからか懐かしい秋田弁が聞こえてくる。。胸がきゅんとするふるさとの原風景です。地元で食べる炊きたてのご飯は美味しくて、つい食べ過ぎてしまいます(お酒も同じ。)空気もおいしいし、全てが美味しい。
7月の末に計画していた秋田行きも、台風の被害で新幹線こまちが運休となり、予定していたものを全てキャンセルしました。その旅を9月に延期していましたが、朝晩はすっかり涼しくなっていて、真夏の景色にはない、頭を垂れ始めて来た稲穂の黄色いじゅうたんが待ってくれていました。
お米どころである秋田は勿論お酒も美味しい。今地元秋田での一番人気は「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)」(齊彌酒蔵店)。あきたこまちのお米で作るお酒です。
お酒のネーミングとしてはトップワンにしたいほど、私はその酒名も気に入っていますが、なんでも、雪の多い冬、東京からある作家が蔵を訪れ、帰りの車中で雪に埋もれた茅ぶき屋根の農家が点在している冬景色から「雪の茅舎」を酒名にしてみてはと言われたのだそうです。齊彌酒蔵は明治35年(1902年)創業、酒蔵は鳥海山を望む秋田県南西本庄市にあり、住宅、店舗、蔵の11棟は有形無形文化財に登録されています。秋田駅の土産コーナーには秋田の銘酒がたくさん並ぶ中、「雪の茅舎」は一番いい場所に置かれています。全国新酒鑑評会で、13回金賞受賞は秋田県1位の成績。
横手にある朝乃舞酒造の純米酒「田从(たびと)」は熱燗にぴったっりなお酒です。「美酒王国秋田」だけあって、それぞれ個性豊かなお酒が揃っていて、自分の口に合ったものをあれこれ探してみるのもまた楽しい。お酒売り場の隣は日本酒のショットバーがあって、気になるお酒をその場でお試しできるのも嬉しい。
「秋田はお米とお酒」だね・・とそんな印象ですが、あきたこまちのお米の駅弁もやっぱりおいしい。古くからある花善の比内地鶏の鳥めしはやっぱりふるさとの味。子供の頃父が大舘に出張に出かけては必ず買って来てくれた味。今も変わらず半世紀経ってもやっぱり美味しい懐かし~い味。思い出を胸に家路に着きました。
2017年9月5日のモーツァルトハウス
待望のモーツァルト映画・・・♡♠♤
♪「アマデウス」以来の本格モーツァルト映画が、公開決定となりました!生誕260年を記念して制作された本作は、ミロス・フォアマン監督でアカデミー賞8部門を受賞した映画「アマデウス」(1984)以来の本格的なモーツァルト映画です。
1787年にモーツァルトがプラハで「ドン・ジョヴァンニ」を初演したという史実に着想を得た作品。猟色家ドン・ジョヴァンニを主人公にしたオペラ創作の背景で繰り広げられる、華麗なる恋と陰謀のストーリーが、プラハの上流階級を舞台に描かれます。
映画の鍵となる傑作オペラの「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」を始めとする音楽を演奏するのは、プラハ市立フィルハーモニー管弦楽団。映画の舞台であるプラハを本拠地とする歴史あるオーケストラが華麗なる演奏で作品に華を添えます。
撮影は中世の街並みが色濃く残るプラハ市で全編ロケを敢行。チェスキー・クロムロフ城劇場をはじめ、実際にモーツァルトが訪れた市街や建物を映画の舞台として再現しているそうなので、こちらも本当に楽しみです。
映画「プラハのモーツァルト 魅惑のマスカレード」
公開は2017年12月2日(土)
2017年8月22日~30日のモーツァルトハウス
ザ・フルート・・・♡♠♤
♪フルート雑誌「THE FLUTE」159号の表紙は小山裕幾さんです。なかにインタヴュー記事も載っています。
フィンランド放送交響楽団の首席奏者を務めて4年目となった。フィンランドという、あまり日本人になじみのなさそうな土地に根を下ろすことに迷いはなかったのか?また音大ではなく慶應義塾大学へ行ってよかったというその理由など、簡潔な切り口で語っています。一つ一つの言葉に小山さんの人間味がにじみ出るインタビューです。
2017年8月22日~30日のモーツァルトハウス
夏のおわりの思い出・・・♡♠♤
♪今年も色いろな思い出を残しながら夏も終わりを迎えています。軽井沢では秋風も吹き始め、桜の木々の色づきも早くも始まっています。夏の終わりを告げる音楽祭といえば群馬県草津市で行われている「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」。今年も17日~ほぼ2週間開催されています。
38年前に天狗山スキー場のレストハウスで始まった音楽祭も、「音楽の森国際コンサートホール」という、素敵な専用の音楽ホールもでき毎年さまざまな世界的なアーティストを迎え開催され、歴史と規模と充実度を誇る、日本での音楽祭の先駆けともと言える音楽祭です。ここ最近はモーツァルトのプログラムがあると時々通っていましたが、今年のテーマは「モーツァルトの奇蹟~過ぎゆく時を超えて」。30年ぶりにモーツァルトがメインのテーマとなっています。
ウイーン時代の作品にスポットを当て、ミヒャエル・ハイドンやエマニュエル・バッハなど同時代の作曲家の作品なども紹介され、ウィーンフィルやバイエルン国立歌劇場の首席ヴァイオリニスト等も出演していて、過ぎゆく夏を惜しみながら公演を楽しみました。この音楽祭が終わると本当に夏も終わりです。。
今年も天皇皇后両陛下が軽井沢入りされて、軽井沢にご滞在中に大賀ホールや草津での音楽祭を楽しまれました。
2017年8月21日のモーツァルトハウス(東京)
高原の音楽祭・・・♡♠♤
♪草津音楽祭2017は、毎日がモーツァルト。今年のテーマは「モーツァルトの奇蹟~過ぎゆく時を超えて」。8/17(木)にオープニング・コンサートがあり、その後8/30(水)のクロージングコンサートまで連日にわたり魅力的なプログラムを繰り広げています。
「19世紀にはロマン派の音楽が始まるなか、モーツァルトはロマン的な誘惑に毅然として立ち向かい古典としての自分の音楽スタイルを貫き通しました。18世紀後半には、音楽が一般庶民の中にも、楽しみとして徐々に浸透し始める頃であり、モーツァルトのオペラ「魔笛」は大ヒットしました。本年の音楽祭では、特にモーツァルトの1781年から1791年のウィーン時代にスポットを当て、当時巷で演奏されたモーツァルトの予約演奏会や、編曲版も含めてその音楽を広くプログラムで紹介いたします・」(プログラムより)
群馬県草津町はドイツのビーティスハイムビッシンゲンと1962年に姉妹都市の締結を結んでいます。調べてみると、シュツットガルトに近いドイツ西南に位置する緑多い美しい街で、ベルツ博士の生誕の地です。温泉の効能と草津の高原の気候の素晴らしさを世界に紹介したのはベルツ博士でした。草津にはベルツ通りというベルツさんのネーミングの通りもあります。
いよいよ今週はこの高原と温泉の地、草津での音楽祭に私たちも出かけます。色々な方に「草津音楽の森国際コンサートホール」でお目にかかれますことを楽しみにしています。♡♠♤
2017年8月21日のモーツァルトハウス(東京)
クル様の来日!・・・♡♠♤
♪速報!2018年招聘アーティス情報・・・クル様、いよいよ来日します。テオドール・クルレンツィス指揮&ムジカエテルナ&ヴァイオリン:パトリツィア・コバチンスカヤ。(チャイコフスキープログラムを予定) 2019年2月です。
2017年8月20日のモーツァルトハウス(東京)
ザルツ夏の音楽祭、「ティトの慈悲」・・・♡♠♤
♪ザルツブルク音楽祭2017の速報が加藤浩子先生から届いています。オペラでは、マリオッテイ指揮、ドミンゴ主演の「2人のフォスカリ」(演奏会形式)、バルトリ主演のヘンデル「アリオダンテ」、クルレンツィス指揮、ピーター・セラーズ演出、モーツァルト「皇帝ティトの慈悲」、他にコンサート等を連日夏のザルツブルクで楽しまれています。
加藤先生の今年のザルツブルク音楽祭の最大の目的は、クルレンツィスの「皇帝ティトの慈悲」。「ダ・ポンテ三部作」をCD化し、大旋風を巻き起こしたクルレンツィスと、同じく20世紀の終わりに「ダポンテ三部作」の衝撃的ともいえる演出で話題作を提供してきたピーター・セラーズがタッグを組んで作り上げた、今期音楽祭の最大の注目公演です。オケもクルレンツイス率いるムジカエテルナと、役者も揃った感じです。
どんな公演になるかと始まる前から私はドキドキ、ワクワクで速報を楽しみにしていました。夏のザルツの音楽祭はまだ経験していません。この先も行けるのか、わかりません。
昨年チューリッヒ歌劇場で、直前に「後宮からの逃走」を降板したクルレンツイスでしたので、ちょっぴり不安もありましたが、「モーツァルト・オペラの上演のマイルストーンになりうる公演。」との、加藤先生のご感想に、ほっとしました。願わくばDVD化されて、鑑賞できなかった者もいつか観てみたいものです。
様々な試みもあったようですが、「演出家も、指揮者も、モーツァルトのスペシャリストであり、知り尽くしている。・・・だからこそ説得力をもつ解釈が出来たのだ。決して奇をてらったものではないのです。」という指摘も嬉しい。
ブログ:加藤浩子の(美しき人生)に詳しくアップしてくださっています。じっくりとご覧ください。
このクルレンツィス、2019年2月の来日公演が正式に決まったそうです。♡♠♤
下の雑誌は、ザルツブルク音楽祭とは全く関係のない、「モースリー・クラシック」の最新号。表紙がモーツァルトなのでつい買ってしまいます。「神童伝説」のモーツァルトについては礒山雅氏の執筆です。
2017年8月7日~18日のモーツァルトハウス
高原の夏休み・・・♡♠♤
♪涼しい緑の中にいると、日ごろなかなか進まない読書もはかどります。今が盛りのオレンジ色の「フシグロセンノウ」が緑の中でひときわ映えて、心も癒されます。
レタス生産高日本一の川上村産のレタスを頂きました。しゃきしゃき感がたまらなく、いくらでも食べられます。ドレッシングなどいりませんね。
佐久市中込にある「ぴんころ地蔵さん」は、健康で長生き(ぴんぴん)寝込まず楽に往生する(ころ)から「ぴんころ」と名付けられた長寿地蔵さん。ぴんころさんとして親しまれています。長野県は沖縄を抜いて、日本一の長寿県となりましたが、特にここ佐久地域は、健康長寿の里なのだそうです。北に浅間山、南に八ヶ岳に囲まれ、中央を千曲川の清流が貫流する高原の街です。
ぴんぴんして、ころりと大往生を願ってお参りして来ました。現代社会に生きる私たちみんなの願いですね!♡♠♤
ぴんころさんにお参りし、その後は「旧中込学校」を訪れました。明治8年に建てられた現存する最古の擬洋風学校建造物で国の重要文化財に指定されています。当時建築に要した費用のほとんどを村内の有志の募金で賄ったという、この地の人々の志の高さ、教育に対する情熱がうかがえます。アメリカで西洋建築を学んで帰国した地元出身の棟梁、市川代冶郎氏の設計だそうです。
丸窓にステンドグラスをあしらい、テラスがあり、ガラリ開き窓がグリン色で、白とのコントラストが綺麗です。またてっぺんには八角形の塔があり、太鼓を吊るして時を告げたそうで、「太鼓楼」と呼ばれています。明治の時代にこんなハイカラな学び舎で勉強できたなんて羨ましい~。明治8年頃には日本全国に洋風学校が建てられました。松本の開智学校も有名ですね。様々な変遷を経て、懸命な努力の末、こうして今に残してくれた人々に頭が下がります。。資料館が隣に併設されていて、その歴史も辿ることができます。
私たちのいる軽井沢町茂沢からは車で30分も走ると、水と太陽と緑がおりなす詩情溢れる里、佐久に行くことができます。健康長寿、教育への熱意、はたまた、フルーツ、野菜、川魚(佐久鯉)などの豊な食にも恵まれ、また美しい自然もある魅力溢れる場所です。中山道沿いには宿場も今も残っていて、歴史ロマンを訪ね歩くこともできます。オマケに佐久の地酒もおいしく、五郎兵衛米あり、温泉あり、スイーツの街でもあります。
下の写真は、地元に60年以上続く喫茶「明正堂」さんで、旧中込学校そっくりに真似て建てられたもので、「太鼓楼の家」と名づけられています。いつも中はクラシックの音楽が流れているのです。♡♠♤
2017年8月5日のモーツァルトハウス(東京)
「フィガロ」、その後・・・♡♠♤
♪ボーマルシェ三部作とは、「セビリャの理髪師」、「フィガロの結婚」、そして「罪ある母」です。「セビリャの理髪師」は、深窓の令嬢ロジーナにひと目ぼれしたアルマビーバ伯爵が、町の理髪師フィガロの加勢で、あの手この手で攻め、ロジーナを渡さじとする老医師との恋の知恵比べで、ロジーナをとうとう妻にするという痛快無比の傑作喜劇。
2作目の「フィガロ」はそんな伯爵も結婚してわずか3年で、ロジーナである伯爵夫人への熱も冷めてしまい、フィガロの結婚相手のスザンナにちょっかいを出して、変装した伯爵夫人をスザンナと思い込んで、言い寄っでしまったばかりに証拠を握られてしまい、最終幕では、当時の男社会では考えられないという、伯爵夫人の前にひざまずき、「赦し」をこうて、夫人は「私は従順ですから」とゆるし、有名な赦しのアリアで終わりとなる結末です。
そして3作目の「罪ある母」は、何となく「フィガロ」で匂わせていた伯爵夫人とケルビーノの仲ですが、伯爵の留守に1度だけケルビーノと過ちを犯したしまった伯爵夫人に子供ができ、その子供はアルマビーバ夫妻の子供として成長していくのですが、伯爵が浮気をしてできた子いて、この子供同士が恋愛関係になり、又、ケルビーノは大陸の戦争で重傷を負い死んでいくが、死ぬ前にロジーナである伯爵夫人に手紙を残すのですが、それを渡すように頼まれたベジャースなる人物が、伯爵の財産を狙っって巧みに陰謀を企む、この手紙をひょんなことから見てしまう伯爵、そこにフィガロとスザンナの夫婦が絡むといった、前作2作の喜劇からは程遠い、「不実な妻」とも「罪ある夫婦」ともいえる、ドロドロとしたお話です。
「セビリァの理髪師」はロッシーニ作曲の人気オペラですし、「フィガロの結婚」はダ・ポンテとモーツァルトにより、モーツァルトの代表作として今や不朽の名作オペラになっていますが、さてボーマルシェによる3作目の「罪ある母」とはどんなオペラなのかと興味が湧きますが、何でもウィーンで2015年に初演されたばかりで、それまで音としては全く残っでいなかったそうです。3幕ものの、ダリウス・ミヨー(1892-1974)という作曲家によるものだそうです。今後どんな運命のオペラかわかりませんが、今まで2作の陰で陽の目を見なかった不思議なオペラともいえます。
しかし、むしろボーマルシェの「セビリャ」や「フィガロ」が歴史に名を残す人気のオペラだっただけに「罪ある母」はタイトルだけでも知られて来たことが、ミヨーさんにとって幸運だったというべきでしょうか。因みに、「幸運だった私の一生」というダリウス・ミヨー著の本が残っています。
2017年8月3日のモーツァルトハウス(東京)
結婚記念日・・・♡♠♤
♪モーツァルトは1782年8月4日にコンスタンツエ・ウエーバーと結婚しました。父親の反対を押し切ってのことでした。ウィーンの聖シュテファン教会で結婚式を挙げましたが、父レオポルトは出席しませんでした。
「アロイジアから始まった父レオポルトのウェーバー家への否定的な姿勢は、歳月を経てやわらぐどころかますます頑なになり、それは手塩にかけて育てたモーツアルトが不本意なかたちで自分から巣立っていくことを通じて、さらに増強されていったのである。」(コンスタンツェ・モーツァルト:小宮正安著より)
モーツァルト夫人コンスタンツェ(1762年1月5日~1842年3月6日)の生誕250周年を記念して命名されたバラがあります。2014年春に発表され、色はグレーを帯び白ともピンクともクリームともいえない微妙な色彩で、何とも上品な感じの薔薇です。モーツァルトハウスで大切に育てていますが、今年は残念ながら咲いてくれませんでした。きっと終わった後の手入れがうまくなく、今年は咲かなかったのでしょう。枝切りをした主人は、きっと秋には咲くだろうと、何の根拠もないのに、慰めのように言っています。またあの綺麗なコンスタンツェの薔薇に会いたいです。 去年はこんなに綺麗に咲いてくれたのに・・・。
モーツァルト夫人を想像させる、華やかさの中にもきりっとした女としての強さもうかがえる感じがします。散り際も良くて、いつの間にか終わっていたといった感じがしました。またその姿に会える日を楽しみにして・・・。明日は、モーツァルトがそんなコンスタンツェと結婚した日、235年前のことです。♡♠♤
2017年7月28日のモーツァルトハウス(東京)
東京二期会2018/19ラインナップ・・・♡♠♤
♪2018年、2019年の東京二期会シーズンラインナップ、演目と上演日が発表されました。
そのなかで、モーツァルトのオペラが1本、「後宮からの逃走」が、期間は、2018年11月22日(木)/23日(金・祝)/24日(土)/25日(日)、指揮:下野竜也、演出:ギー・ヨーステンで、日生劇場で上演されます。
昨年も日生劇場で「後宮」がありましたが、演出が田尾下哲でした。今回の演出はギー・ヨーステンで、新制作となっています。最近このオペラの上演が増えて来ているのを感じて嬉しいのですが、しかし、このオペラは今まで、2006年の夏のザルツブルク音楽祭での上演では、演出が酷評されたり、また昨年のチューリッヒ歌劇場でも観るに堪えない演出のものを観て来たばかりなので、演出が特に気になるオペラといえます。
特にダ・ポンテ三部作や「魔笛」などとは違って、あまり今までその良さを知られてこなかった演目だけに、音楽の素晴らしさを生かした、いい演出で上演して欲しいものです。指揮の下野さんにも期待しています。上演は待ち遠しいですが、まだ先で来年、2018年、11月です。♡♠♤
2017年7月26日のモーツァルトハウス(東京)
秋田の被害・・・♡♠♤
♪23日早朝にかけての豪雨で秋田県も大きな被害に見舞われました。雄物川の氾濫で線路の崩壊があり、現在秋田新幹線は秋田の手前大曲駅までしか運行していず、大曲から先の秋田まではバスか、特別快速列車が走って対応しています。農地や家への浸水被害も多く、100億以上の被害額ではないかと言われています。。。
そんな中。。。秋田県知事は、被害を予知できる注意報などが出ているなか、お隣の宮城県でのゴルフのために22日からお出かけされ、県から何通も入っているメールも見ず、ゴルフを楽しみ、オマケにその後のお楽しみの「グイッと一杯」をしてしまったことにより、被害の大きさを知りながら運転できなかったからと翌日まで帰れず、その上、宮城からの帰路は大きな被害に見舞われた大仙市を通るため、3時間もの通行止めなどにより、大事な午後に開かれる会議にも間に合わず、大失態となりました。このニュースは結構大きく報道されて、秋田県民としては、本当に恥ずかしい。。。
佐竹知事といえば、秋田ではお殿様の異名をもち、佐竹藩角館北家の第21代目当主であります。「とにもかくにも、秋田藩は、おっとりとした大旦那のような風のまま、江戸期を過ごし、近代に入ったのである。おっとりとした大旦那と言えば、佐竹家そのものがそうだった」と司馬遼太郎著『街道をゆく:秋田県散歩・飛騨紀行』には書かれています。
更には、そんな佐竹家が不器用ながらお家潰しになってもやむおえない立場にありながら、家康による戦後処理において減封と国替えだけで済まされたのも、ただひたすらに家康の名家好みのお陰といってよいとも記されています。何かこれを読んでいると、江戸時代のお殿様は務められても、現代社会での政は無理そうと・・思ってしまいます。
江戸時代の秋田藩は名だたる米作地であること、日本有数の杉の産地であること、大小の河川が野をうるおし、水田を利しつつ日本海にそそぐ。それらの河口が河口港をなして、米と材木の積み出しを容易にさせて、北前船により江戸期、大阪へ回漕されて売られて現金となった。秋田藩は豊だったのです。それだけではなく、秋田は鉱山国で、銀山があり、金、鉛も産出しました。「米、木材、金銀」という江戸時代の一級品の富があり、誠に幸運な藩だったことになります。
少なくとも他藩のように窮迫することなく、恵まれていたことになります。でもそれは江戸時代のお話で、だからおっとりとしたお殿様風な知事さんで許される筈がありません。しっかり反省して、二度とこのようなことがないようにして頂きたいです。
今年の「あきたこまち」の収穫にも大きな被害を与えた今回の豪雨。秋には美しく黄金色になった稲がどこまでも続く「黄色いじゅうたん」のような秋田の景色が、私の心の原風景です。雄物川の氾濫で被害を受けた地域はちょうどこの田園地帯で、被害が大きくならないことを祈って、心から被害を受けられた方々にお見舞い申し上げます。
2017年7月19日~20日のモーツァルトハウス(神戸・大阪・京都)
佐渡オペラ鑑賞&大阪・京都の旅・・・♡♠♤
♪兵庫県立芸術文化センター・大ホールでの「コジ・ファン・トゥッテ」を観に出かけたのが3年前の2014年、あの時が初めての神戸への旅でした。今回は同じく佐渡裕プロデュースオペラ2017「フィガロの結婚」を鑑賞に行ってきました。芸術文化センターは、震災からの心の復興のシンボルとしてオープンしたもの。2017年、開館12周年を迎えます。
「佐渡裕オペラ」での、モーツァルト作品は「魔笛」、「コジ」と続いて「フィガロの結婚」で3作目、果たしてどんなだったでしょうか。
演出は、「コジ」と同様に、メトロポリタン歌劇場首席演出家のデヴィッド・ニース、舞台美術はロバ-ト・パージオラで、優雅で洗練された舞台を作り上げ、絵画を思わせる上品さがあって素敵でした。出演者は、10回の公演中、半々の5回づつ、オール日本人、オール外国人キャストを組み、アンニオ(晴雅彦)とバルバリーナ(三宅理恵)は全公演同じ。
阪神・淡路大震災から今年で22年経ち、7月に毎年開催の、今では夏の風物詩的な開催となっっている「佐渡裕オペラ」は、開催期間は7月14日~29日の長期間で、全10回の公演ながら、毎回満席の人気を博しています。地元だけではなく、きっと我々のように地元以外からの人も多いのかも知れません。この日も、1階には補助椅子がでていました。
随所に笑いを取り入れ、オペラ・ブッファ的な要素も充分楽しめた今回の「フィガロの結婚」、終幕では感動的なフィナーレで盛り上がりました!やっぱり「フィガロの結婚」は幸せオペラの最高峰!観客を幸せいっぱいにして幕をおろしました!♡♠♤
この夜は、大阪へ移動して関西では夏には欠かせない食材の鱧料理を堪能しました。はもの骨酒も美味しかった。暑い時期に鍋というのもかえって暑さを忘れていいものです。湯引きした鱧を梅酢で食べるのは本当にベストマッチングで、それを考えた日本人の味覚の鋭さ、完成度に脱帽で、食欲のないこんな時にたれの酸味が身体に沁みわたり、元気になれる気持ちがしました。関東地方では高級食材で、鱧はめったにお目にかかれないのに、こちらでは夏には欠かせない食材なのですね。食文化を味わう旅でもありました。
暑さが厳しい京都では、祇園祭の頃は、長いものを食べろと言う習慣が古くからあり、鰻同様に鱧も珍重されてきたのだとか。湯引きした鱧は、スーパーでも普通に売られているそうですから、季節の食材として広く愛されているのですね。大阪市の天神祭でも鱧料理は欠かせないそうです。
そして、翌日は朝から気温が上昇し、予想気温36度の京都へ。いよいよ念願となっていた「桂離宮のを拝観とあいなりました。
東京も連日の猛暑で、さらに梅雨も明け、もっと暑さ厳しい関西方面への旅となった今回の音楽ジャーニーの初回。本当に暑かったという印象です!その中で、渇いたのどにビールが今までにましておいしかったこと、「フィガロ」の音楽がなにより猛暑の身体を癒してくれたこと。そして「桂離宮」では、究極の日本の美にため息をつき、暑さもどこかに吹っ飛ばしてくれるほどの衝撃を味わったこと等、等。
これからが本格的な暑さとの戦いになりますが、これらの味わった爽やかな夏の体験を思い出し、力にして、これからの暑さを乗り越えたいと思います。
2017年7月10日~17日のモーツァルトハウス
せっせと庭仕事・・・♡♠♤
♪家の周りはすぐに草ぼうぼうに、庭仕事にいそしみました。モーツァルトハウスの周りは緑一色、モーツァルトの薔薇も終わりに近づきつつあります。
「モーツァルトの台本作家 ロレンッオ・ダ・ポンテの生涯:田之倉稔著」(平凡社新書)を読み見始めています。ダ・ポンテはウィーン時代のモーツァルトのオペラ、「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」の台本作家で、この3作はいわゆる「ダ・ポンテ三部作」と呼ばれています。
ダ・ポンテについては,自身が書いた『ダ・ポンテ回想録』という本が英語版であるのですが、こちらは邦訳はされてないので残念です。『ダ・ポンテ回想録』には、ウィーン時代のモーツァルトについての記述もあり、三部作についての誇りや、モーツァルトを褒めちぎったりしているそうですので、読んでみたいので、邦訳版がいつか出ると良いですね。
2017年7月18日のモーツァルトハウス(東京)
暑中お見舞い申し上げます・・・♡♠♤
♪梅雨が明け猛暑が続いています。暑い!暑い!を一日中何回も誰に言うともなしに言っている感じがします!熱中症対策でエアコンをずっと動かしてどうにか過ごしていますが、体調には充分お気をつけてお過ごしください。外出先で、入ったスーパーや飲食店で思いがけずにモーツァルトが流れてくると嬉しいですね。こんな時は一瞬でも暑さを忘れる瞬間です。先日はヴァイオリンとオーケストラのための変ロ長調K261が流れて来ました。おしゃれな曲ですね。ピアノとヴァイオリンで演奏されることもある、好きな曲です。こんな曲は清涼感があっていいですね。
それぞれ暑さの解消法はあるでしょうが、涼しい場所で、好きな水分補給をして好きなモーツァルトの曲を聴いて、どうぞ素敵な夏休みをお過ごしください!♡♠♤
2017年7月8日のモーツァルトハウス(東京)
モォツァルト広場・サマーコンサート・・・♡♠♤
♪秋田の「モォツァルト広場」でのサマーコンサートが7月25日(火)に行われます。昨年は第20回目の節目でしたが、今年は新たなスタートの第21回目となります。様々なジャンルの名曲が並んでいるプログラムは、他では味わえない魅力溢れるものになっています。出演者も秋田出身の演奏家であったり、新潟大学や山形大学で音楽を専攻したりと秋田にも馴染の演奏家が集結しています。みちのく秋田でこんな風にしてモーツァルト好きが集い、モーツァルトを楽しんでいるんですね。
日頃は、いつでも好きなだけクラッシックを聴ける環境にないかも知れない地方にあって、モーツァルトの素晴らしさに触れる貴重なコンサートですね。秋田駅から徒歩圏のゲストハウス「ヴァレリアーノ」で、午後7時開演です。
2017年7月7日のモーツァルトハウス(東京)
エマニュエル・バッハ、フルート協奏曲!・・・♡♠♤
♪7月6日(木)に紀尾井ホールで行われた「アンサンブル of トウキョウ2017」の定期演奏会、この日のプログラムは、ゲストにフルートの小山裕幾さんを迎えての「バッハ親子の協奏曲」。小山裕幾さんによるC、P,Eバッハ:フルート協奏曲ト長調Wq.169は見事な演奏でした。好きな曲でしたが、こんな演奏会に小山さんがゲスト出演してくれて本当に嬉しい。
指揮は金昌国さんで聴きましたが、前からこの曲はCDでよく聴いていて、久しぶりにこのメロディに触れ、改めて聴いていた頃が懐かしく思い出されて感動もひとしおでした。CDではオーレル・ニコレのフルートで、ネザーランドチェンバーオーケストラで聴いていた演奏も素晴らしく長い間の愛聴盤でした。このCDは輸入盤で、エマニュエル・バッハのフルート協奏曲4曲、オーボエ協奏曲2曲、ハープソロ曲1曲が入っていて魅力的です。
お父さんである、J.Sバッハ:ヴィオラ協奏曲(Va:大野かおる)、J.Sバッハ:オーボエ・ダモーレ協奏曲(Ob:青山聖樹)、J.Sバッハ:ヴァイオリン協奏曲ト短調(Vn:玉井菜採)なども聴きましたが、エマニュエル・バッハはモーツァルトやベートーヴェンに相当影響を与えた人ではと思いました。
七夕の前日の夜は、こうしてバッハの魅力に浸った一夜となりました。
2017年7月6日のモーツァルトハウス(東京)
35年ぶりの来日公演!・・・♡♠♤
♪モーリス・ペジャールが亡くなってから10年が経ちます。モーリス・ペジャールはモーツァルトのオペラ「魔笛」を舞踊化した人で、メルヘン的なかつ思想的な「魔笛」の要素をダンサーたちが見事に表現しました。「オペラの全曲を舞踊で表現する試みは、奇妙に思えるかもしれないが、人間の声は舞踊にとって、このうえなくすばらしいサポートであるし、また一方では舞踊の一挙一動はリアリズムを超越し、各旋律のもつ綿密な思想をさらに膨らませることができる。」と「魔笛」の演出振付に意欲的に取り組みました。
このバレエでの「魔笛」公演は、1982年ベルギー国立20世紀バレエ団の来日公演で実現し、東京文化会館大ホールで大成功を収めました。モールス・ベジャール氏の没後10年となる今年2017年11月には、モーリス・ベジャール・バレエ団と名前を改め、2度目の「魔笛」の日本公演が実現します。
公演日程はAプロ「魔笛」は以下の通りで、場所は東京文化会館、チケット発売開始:8月5日(土)。
11月17日(金)18:30、11月18日(土)14:00、11月19日(日)14:00、
バレエはどうもという人も、バレエ好きには垂涎の演目「魔笛」、9月にはバイエルン国立歌劇場来日公演「魔笛」もあり、オペラで、バレエでとモーツァルトの不朽の名作「魔笛」をこの秋、2作、趣を変えて楽しむことができます。バレエ公演でもモーツァルトの音楽の素晴らしさを充分楽しめます。♡♠♤
2017年7月3日のモーツァルトハウス(東京)
対照的な二つの敗戦!・・・♡♠♤
♪昨日は、実に対照的な2つの敗戦が・・・。
藤井聡太四段が30連勝ならず敗れました。着衣を整え、お茶で喉を潤して、深々と頭を下げて「負けました」と言ったその姿は、もっともっと強くなるという確信のもてる中学生とは思えないあっぱれな姿として映りました。
藤井4段は、史上最年少でプロ入り(4段昇級から)し、14歳2ヶ月での昇段は加藤一二三の14歳7ケ月を62年ぶりに更新する最年少記録。中学生でプロ入りを果たしたのは、加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明に続く5人目です。
そんな藤井四段に、「棋士人生はまだこれから!今始まったばかりで、そして勝負事には、勝ちか負けの二択しかない。だからこそ、つねにその先にあるものを見据えて観る人びとの魂を揺さぶる後世に残る棋譜を紡いでいただけたらと願う。」と、加藤一二三九段はコメントしました。
今やテレビに出る機会も増えて、藤井特需と自ら語るヒフミンの愛称で親しまれている加藤一二三九段は、29連勝の初戦を戦い敗れた人ですが、その後、「彼には欠点がひとつもない」「終盤に強い」「14歳にしては沈着冷静」そして「おやつを先に食べても全くマナー違反ではないですし、失礼でもないのですが、私がチーズを食べるのを待ってからチョコレートを食べ始めたことに対しては好感をもちました。藤井4段はなかなか、先輩に対する気遣いができていると感心しました。」など、このようなほほえましいコメントも送ってきました。
63年間の現役を引退した加藤一二三九段は引退会見でも、「うれしいことに藤井4段はありがたいコメントを出してくれていまして、自分の引退について「寂しい」と言ってくれました。私も引退は覚悟していることですから割り切っていたんですが、さすがに藤井少年から「寂しい」という言葉を聞くとホロッとして、哀感の空気が漂ってきて、非常にすばらしい後継者を得たと感動しました。」
一方藤井四段はというと、29連勝後のインタヴューで、デヴュー以来印象に残る対局を聞かれ、「やはり、初戦の、加藤先生に教えていただいた1局が印象深いですね。加藤先生の迫力ある闘志を盤の前で感じられたというのは貴重な経験だった」と述べている。
「名局は100年後も200年後も感動を呼ぶ、バッハやモーツァルトは名曲の数々を世界中の人々に大きな喜びを与えると同じように、おこがましいですが、将棋ファンにとって、私、私たちよりもトップの棋士たちがさした名局を残していけば100年経っても、200年経っても、人々に感動を必ず呼ぶと自信があります。」とヒフミンは語り、これからその名局を後世に残す作業を始めるのだとか。
どの道も厳しさがあればこそ、感動は大きい、モーツァルトも「ハイドンセット」6曲を血のにじむような努力の結実と表現した。藤井少年を「おっ、この少年なかなかすごい」と感心し、「優れた秀才型のすばらしい棋士」と評価したのも、レオポルトへの「あなたの御子息は、私がじかにあるいは評判によって知っている作曲家の中で、最も偉大な作曲家です。・・・・」と告げたハイドンの言葉を思い起こさせる。
100年どころか200年を過ぎてもモーツァルトを超える作曲家は現れていないことを考えると、藤井4段にもこれから名局を残す棋士として成長していって欲しい。長い棋士人生はいま、始まったばかりです。
2017年6月30日のモーツァルトハウス(東京)その2
6月最終日、晴れて決着!・・・♡♠♤
♪ごく近しい人々には、ポツリポツリと語ってはいた軽井沢での横領事件!このように書くと本当にまさか自分達がこのような事件にかかわることになるとは、いや、まさかこんな事件が身近に起こるとは・・・とそんな思いですが、でも実際に現実に起きたのです。事態の発覚から数年かかって民事訴訟を起こし、民事では結審したものの決着をみず、その後刑事事件としての訴訟までも何年か要し、ようやく起訴となり、横領事件として犯人(50代K女史)が逮捕されたのが昨年11月。当時は全国放送までにはならなかったものの、別荘地に起こった横領事件として現地ではテレビ、新聞で連日大きく報道されました。
裁判を経てどう決着するかと見守っていましたが、最期の判決の日を待たずに、数億数千万円の現金が今日返却されたのだそうです。被害額のほぼ満額です。弁護士の先生と一緒にこの事件の決着に、貴重な数年間を翻弄されてきた者としては、本当に祝杯ものの嬉しいニュースで、住民の努力の結実ともいえる結果です。
上記は、モーツァルトハウスがある”オナーズヒル軽井沢”での出来事ですが、この横領事件をきっかけに、今後このようなことが起きない手段として、3年ほど前から法人組合にしようと努力して来ました。司法書士の先生によれば他の地域に事例が一、二件あるだけで、別荘地でのそれも200を超える戸数での法人化はどこにも例がないのだそうです。法人化により、組合員による組合運営で、よりクリーンで安心、安全な環境を手に入れることができました。
住民の保証金や積立金を使い込み、挙句の果てには、ないものはないと返す意思も示さなかったK女史でしたが、最期はどうしても刑に服し前科がつくことは避けたかったのでしょう。この事件に費やされた時間を考えると腹立たしさはありますが、それにしても今日の空は灰色ながら心は決着をみた嬉しさで澄んだ青空の気分。
今日で一年の半分が終わります。今朝は選挙権なしで落胆し、このニュースで救われた6月30日となりました。人生いろいろです。。。。
2017年6月30日のモーツァルトハウス(東京)その1
消えた2票・・・♡♠♤
♪7/2の都議会議員選挙日が近づいてきました。公職選挙法第21条2項によると、選挙人名簿の登録は、住民票が作成されて3ケ月を経過しないとされないそうで、今回の都議会議員選挙の選挙権は我々夫婦には与えられないのです。
待っていても投票用紙が送られてこないことに気づき、杉並区役所に問い合わせした所、選挙管理委員会の担当者につながれて受けた説明では、現在の住所に登録して3ケ月に満たない為に都民としての投票権がないのだそうです。
去年10月までずっと、正確には通算50年以上杉並区の都民である主人は思わず「特例はないんですか??他県に半年間だけ行っていましたが、ずっと都民でした・・3ケ月に満たないと言っても10日足りないくらいです・・」と主張したようですが、「公職選挙法第21条に決められている事ですから」とぴしゃり・・・。
選挙のために引っ越してくる人がいるから3ケ月経過したものが条件になっていると補足説明されたようですが、そんな大それた意図もなく引っ越しをした者には何とも理不尽な結果となりました。今回に限らず、どんな選挙でも、選挙権を生かし意思表示したいものですが、明後日の選挙では都民でありながら都民になれなかった2票が悔やまれます。尚、住所を有しなくなった後4ケ月を経過しなければ登録はされたままだそうです。今回いろいろと勉強になりました。。。
2017年6月25日~29日のモーツァルトハウス
今年も咲きました・・・♡♠♤
♪可愛いモーツァルトの薔薇が今年も咲きました。咲き終わった後の手入れがうまく出来なくて、上手に育てているのか自信が持てないでいるのですが、一つ一つのお花を見ていると本当に可愛らしい~。モーツァルトの薔薇のピンク色も私の好きな色。例年より遅い感じですが、今年もちゃんと咲いてくれました!嬉しいです。。。
軽井沢は今が深緑真っ盛り!どこかしこ緑がいっぱいです!開店したばかりという素敵なカフェレストランに行って来ました。フランスに憧れているというオーナーが作った南仏風の素敵な外観と内装のお店で、ひと時プロヴァンスの風を感じながらランチを楽しんで来ました♡♠♤
2017年6月19日~23日のモーツァルトハウス(東京・小淵沢)
思い出の11年間・・・♡♠♤
♪昨日まで、小淵沢で開かれていた「リゾナーレ音楽祭2017」に参加して来ました。25年間に及ぶ長い間続いたリゾナーレ音楽祭がとうとうグランドフィナーレを迎えました。毎年楽しみに参加していた方々から惜しむ声に送られながら22日にその幕を下ろしました。
2006年から参加して以来、素晴らしい演奏家たちによる室内楽を愉しみ、八ヶ岳とアルプスを背景にイタリアの街をイメージして作られたホテルリゾナーレに滞在しての、快適なホテルライフという付加的な要素も加わり、上質な音楽と地元の食材を生かした贅沢な食事、演奏家や音楽愛好家との交流もあり、毎回私共に素晴らしい思い出を残してくれました。
今年が最後という事で、出演してきた延べ100人にも及ぶ総出演者の中核をなす演奏家が集い、今まで以上に力のこもった極上の演奏を聴かせてくれた3日間でした。25年間音楽監督を務めあげられた岡山潔先生に心からお礼とお疲れ様でしたと申し上げたい。
入り切れない程の人気だった午前に開かれるチャペルコンサートは今回は2回共ゆったりとしたスペースのロビーで行われ、1日目はモーツァルトの「フルート四重奏曲K285」とベートーヴェン「弦楽四重奏曲セレナーデ」、2日目は、モーツァルトの「オーボエ四重奏曲K370」、ベートーヴェン「弦楽三重奏曲ニ長調」で、両日の演奏者は、佐久間由美子(Fl)、玉井菜採(Vn),川崎和憲(Va)、河野文昭(Va)、小林裕(Ob)、白井圭(Vn)、山崎伸子(Vc)、で、このようなアーティストでの編成はリゾナーレならではの豪華さです。
本コンサートに及んでは、小林道夫(Pf)、野平一郎(Pf)、小山実稚恵(Pf)、伊藤恵(Pf)、漆原朝子(Vn)、砂原亜紀(Vn)、佐々木亮(Va)、吉野直子(Harp)、四戸世紀(Cl)、寺谷千枝子(メゾソプラノ)、平松英子(ソプラノ)、佐々木典子(ソプラノ)の面々も加わり、超豪華版での演奏を愉しみました。
「リゾナーレでまた来年も会いましょう」と、回を増すごとに交流の輪も広がり、共にこの音楽祭の楽しさを共有してきただけに、これが最期となると本当に寂しいという声が皆さんから聞こえましたが、惜しまれて幕を下ろすという事は、もしかして最高の終わり方なのかも知れません。
「始まりがあれば終わりがある」と、岡山先生からもお言葉がありましたが、フィナーレを迎えはしたものの、いつか形を変えて新たな始まりがあればいいなと願っています。
コンサート終了後ロビーで開かれる恒例の「ナイトサロン」の最終日は、最後に岡山先生が一人一人と笑顔で握手をし、感動的なシーンで幕を下ろしました。♡♠♤
フラワー祭りでピーマン通りが色とりどりのお花の鉢植えで埋め尽くされていて、この音楽祭のフィナーレを夢のような世界で華やかに印象付けてくれました。
22日には、以前モーツァルトハウスで演奏して頂いたことがあるピアニストの森田基子さんを囲んで、八ヶ岳のイタリアンでランチを。この日のナイトサロンでは白井圭さん(Vn)と美人ヴァイオリニスト3人というドリームメンバーによるモーツァルトの演奏もありステキでした!
19日(火)は協会の例会があり、シュッツさんのフルートで「フルート協奏曲」を2曲、「フルートとハープのための協奏曲」を愉しんだ翌日から昨日までの3日間は音楽漬けの夢のような時間でした。音楽は人々の生活に豊かさを与え勇気や幸せを与えるもの、その音楽の力をしみじみと感じた3日間でもありました。音楽を、モーツァルトを共に愛する仲間の存在の有り難さも感じた音楽祭でもありました。豊かな時を共に過ごした皆さまとまたどこかでお会いできますことを楽しみにしています!
2017年6月16日のモーツァルトハウス(東京)
バッハ親子の競演・・・♡♠♤
♪「アンサンブル of トウキョウ2017」の定期演奏会、7月6日(木)のプログラムは、ゲストにフルートの小山裕幾さんを迎えての「バッハ親子の協奏曲」。
J.Sバッハ:ヴィオラ協奏曲、J.Sバッハ:オーボエ・ダモーレ協奏曲、J.Sバッハ:ヴァイオリン協奏曲ト短調、そして、C、P,Eバッハ:フルート協奏曲(ソロ:小山裕幾)で、バッハ親子の魅力を堪能できます。このチケットはもうホールでの扱いがなく、アンサンブ of トウキョウ事務局に問い合わせして申し込みをしないといけないようです。
小山さんは、4月にフィンランド放送交響楽団をバックにバッハの管弦楽組曲を演奏し、大成功を収め納得のいく演奏だったそうです!9月からはソウル大学で教授代理として後進の指導にも力を入れる予定だそうで、今後はヨーロッパの大学の教授を視野に入れているそうですので、頼もしいですね。
2017年6月15日のモーツァルトハウス(東京)
感動の一夜・・・♡♠♤
♪昨夜は「大人の寄り道・N響 水曜夜のクラシック」に出かけて来ました。トン・コープマン指揮で、オールモーツァルトプロをN響で聴くというものですが、最後の「ジュピター」は本当に素晴らしかった。解説書にもありましたがジュピターは、「18世紀最高の交響曲とも称される傑作」。私の特に好きな曲です。感動の演奏の後は拍手をしながら胸がいっぱいになって涙が溢れそうになるのは私だけでしょうか。そして「あァ~、もう一遍聴きたい~」と思うのです。でも演奏との出会いはいつも一期一会のものと決まっていますから、同じというものはありえないのですね。コープマンは愛らしいおじいちゃまと言った感じで、何度も何度もペコンと深くお辞儀をしてそれがとても愛らしく、チャーミングで、こんな指揮者のモーツァルトは優しく皆を幸せに包み込む力があるんだなと思いました。水曜の夜のせいか、渋谷の街に寄り道してこんな音楽を聴いて帰る道はなんて幸せだろうと、原宿駅まで歩きながら思いました。
オペラ「魔笛」の序曲にはじまり、ウィーンフィルのソロフルート奏者、カール・ハインツ・シュッツさんのフルートで、同じくウィーンフィルのハーピストのシャルロッテ・バルツェライトさんによる「フルートとハープのための協奏曲」も素晴らしかった。シュッツさんの演奏するモーツァルトは何度か聴いていますが、立ち姿も貴公子的で(パユさんとはまた違った趣)、上品な完成された音色で、とにかく美しい。お二人共ウィーンフィルなので、ウィーンの薫りというものなのでしょうか。
20日には、東京文化会館小ホールで、日本モーツァルト協会6月例会にシュッツさんは出演されます。フルート協奏曲2曲と、ハーピストは篠原和子さんで「フルートとハープのための協奏曲」が演奏されます。楽しみです。♡♠♤
アンコールは「アイネクライネ」でしたが、オケで聴くこの曲は、楽器の厚みが増していつも聴いているものとは一味も二味も違い感動の余韻をより深めてくれました。
2017年6月13日のモーツァルトハウス(東京)
マエストロ・バッティストーニの活躍・・・♡♠♤
♪東京フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に昨年秋に就任したのは、28歳の若き俊英、イタリア人のアンドレア・バッテイストーニです。日本では「ナブッコ」で鮮烈なデビューをして、それ以降「リゴレット」などベルデイのオペラの指揮で成功を収め、オペラの指揮者としても活躍が目覚ましいです。さすがミラノ・スカラ座や、ベルリン・ドイツオペラなど有名なオペラハウスで活躍していた経験を持つのも頷けます。
28歳という若さも魅力で、市民合唱団の指揮も務めたりして、この春には四谷市民ホールでベルデイの「レクイエム」の指揮をしてチケットが完売という大成功という結果も残しています。今や引っ張りだこのマエストロ・バッテイさん。6月9日付の日経新聞夕刊の文化欄に彼の記事が載っていました。
=人間の感情 音楽で伝えたい=
「音楽は生き生きと人間の感情を伝えられる素晴らしいもの。その楽しみを伝えるために指揮者としての責任を果たしたい」と語る。著書として初めての「ぼくたちのクラシック」(音楽之友社)も出版されました。
次は9月には「オテロ」を指揮するバッテイさん、いつかモーツァルトのオペラの指揮を期待しています!
2017年6月12日のモーツァルトハウス(東京)
ワグナーの研究者・・・♡♠♤
♪山崎太郎氏著の「ニーベルングの指環」教養講座が人気です。東工大でのオペラ講座に参加された方のお話でも、先生のお話は、的確で、おもしろいと評判です。山崎先生はテノールとバリトンを合わせたテノリトンという声を自らの声として「フィガロの結婚」ではアルマヴィーヴァ伯爵のアリアを歌うなど、大変歌もお上手で驚きます。モーツァルトの「フィガロ」「魔笛」に次ぎ、この度11日には八ヶ岳のやまびこホールで、オペラ「カルメン」のドン・ホセ役を演じられました。
東京工業大学リベラルアーツ研究所教授で、ご専門はドイツ文学、ドイツオペラで、とりわけワーグナー楽劇研究では日本で第一人者ともいえる先生ですが、軽井沢のモーツァルトハウスでも、何曲か歌って下さったことがありそれも今では思い出です。その時は菜箸?がないかとおっしゃり、菜箸をお渡ししたらそれを指揮棒にして、個性豊かな指揮者さん達の真似を次から次としてくださり、その抱腹絶倒ともいえる光景は、今でも忘れられない思い出です。きっと大学では人気の先生で、講義も楽しいのではと学生さんたちを羨ましくなったりします。今回、ホセ役を聴きに行く事が出来ませんでしたが、これからも多方面での益々のご活躍をお祈りいたします。♡♠♤
2017年6月11日のモーツァルトハウス(東京)
美の伝道者たち・・・♡♠♤
♪東京クライス・アンサンブルによる「モーツァルトの深遠 第1回」を聴いて来ました。弦楽四重奏曲第14番ト長調K387、弦楽五重奏曲第1番変ロ長調K174、クラリネット五重奏曲イ長調K581の3曲が演奏されました。
第一ヴァイオリン奏者はそれぞれ曲を変えて3人登場しましたが、その音色を聴いているとヴァイオリンの音色が演奏者によって違いがあり、又第一ヴァイオリンのリードがいかに大きな要素になっているのかなど感じました。1曲目はハイドンに進呈したものだけに、珍しくモーツァルトも長い苦悩の末に作曲したもので技巧的な部分も多い曲、2曲目はモーツァルトの若さが生き生きと溢れた曲で、演奏者も澄んだ輝くような音色が求められる感じがしますし、最後のクラリネット五重奏曲は、重厚な深い味わいのあるものをその音色に求められるような気がしました。弦楽四重奏の4人、五重奏では5人がモーツァルトを理解し合い同じ気持ちになってモーツァルト賛歌を謳い上げないといけない、本当に真剣になればなるほど演奏するのは難しいだろうなと思って聴きました。
2曲目の第一ヴァイオリンを務められた漆原朝子さんは、後半に入る前にマイクを持って舞台に立ち、モーツァルトがいかに素晴らしい作曲家であったかを、様々な作曲家や、発明王エジソンが残された言葉などを引用して話されたのもとても印象的でした。
「モーツァルトの音楽は人々を幸せにし、明るい気持ちにさせ、モーツァルトを演奏する側としては聴いて下さる方々とその喜び、幸せを共有できることは、演奏家としてとても幸せな事です。」と話されました。この世に存在する美というものをモーツァルトは音というかたちで後世に残してくれた作曲家で、それを現在の我々が聴いているのは再現してくれる演奏者がいるからで、演奏家の方々は美の伝道者・・・と、そんなことを思いました。
このシリーズ「モーツァルトの深遠」は第2回が11月4日(土)、第3回は2018年4月14日(土)、その後第6回、2019年秋まで続く予定です。白寿ホール、14時開演です。
2017年6月2日のモーツァルトハウス(東京)
日常に思いを馳せる・・・♡♠♤
♪この所たて続けに邦画を2本観ました。1本は、山田洋次監督の「家族はつらいよ2」。昨年4月公開の「家族はつらいよ」の2作目です。山田洋次監督が21年ぶりに喜劇のメガホンをとった作品として昨年話題になりましたね。
その2作目のテーマは”無縁社会”。いつも家族に不満を持ち、喧嘩ばかりしていて、実は自分の幸せには気が付かないでいる・・。そんなことを感じさせる映画でした。
山田洋次監督は次のように語っています。『「喜劇」では死はタブーだが、「死」がもたらす、滑稽でバカバカしい大騒ぎを丁寧に描いた。観客は笑いながら、大笑いしながら、格差社会の重苦しさにふと思いをはせてくれれば・・』と、「喜劇」でありながら、起きていることは「悲劇」なのです。その重いテーマでの、その涙と、笑いを是非体験してみてください。
劇場では周りは自分と同年代か、もっとずっと上の方々で、それもご夫婦連れが多かったのにも驚きました。公開後すぐだったせいか、大勢の方々が観に来ていました。映画の平田家に自分の家族を投影させていたのかも知れません。
そしてもう1本は「追憶」。内容の感想はさておき、音楽を千住明氏が担当していましたが、音楽の力は映画でも大きいのだなと感じました。チェロやヴァイオリンの弦のソロが効果的に使われていて、そしてエンディングでは、美しいソプラノがずっと流れていて感動的でした。
チェロは藤原真理さん、ソプラノは市原愛さんです。帰って来て調べましたら、市原さんは日本モーツァルト音楽コンクール第一位、日本音楽コンクール声楽部門第2位など受賞していて、2015年の錦織健プロデユース・オペラ「後宮からの逃走」でブロンテ役を演じていた方でした。音楽も楽しめた映画でしたが、数々の名作を残してきた降旗泰男監督作品です。久しぶりの映画鑑賞でしたが、映画の余韻をさまざまに楽しんだ気がします。♡♠♤
2017年5月27日のモーツァルトハウス(東京)
からだが四つあれば・・・♡♠♤
♪5月27日(土)はいろんなことが重なった日でした。こんな時は体がもう1つあればと思いますが、その行けなかった1つが国立であった 歌劇者 第2回公演「コジ・ファン・トゥッテ~女も男もこんなもの~」でした。15時からくにたち市民芸術小ホールでの公演でした。
あのバリトン歌手の黒木博さんが指揮とあって、副タイトルからしても異色なオペラと思いましたが、マエストロのお茶目ぶり、いたずら過ぎる演出がいろいろあったようです。終盤のグリエルモのアリアで大変な事態となったそうで、歌い始めたグリエルモの音楽をマエストロが何度も止めて駄目だしを繰り返して、ほぼリハーサル会場になってしまった所で、業を煮やして舞台にマエストロの黒田さんが出て行ってこのアリアを熱唱してしまったそうなのです。巨大な声で重みのある歌声で、本物のグリエルモは茫然、フェランドが慰めながら退場といった事態に。マエストロはアリアを朗々と歌いきり、拍手喝采!(もちろんすべて演出)。指揮者が舞台をハイジャック?そんな感じです。
以前協会での講演会でも、茶目っ気たっぷりな一面を見せてくれていましたが、指揮者だけで終わるはずがなかった!またその後のコメントが、「人生を棒に振らないように、やはり歌って行きたいと思います」とはユーモアのあるコメント。楽しかった舞台が目に浮かびます。昨年に続いての黒田博指揮のオペラ、若手を育成したいという思いからだそうで、来年も続くのか分りませんが、もしあったら来年は他と重ならない様に、こんどこそ行って観たいと思いました。この日に集中してしまったイベントや講座や公演、そして旅行、身体が四つあればと思った日でありました。。。
2017年5月21日のモーツァルトハウス(東京)
省略の妙・・・♡♠♤
♪昨日はモーツァルト協会では珍しいマチネで、三澤洋史氏による指揮・解説で、オペラ「後宮からの誘拐」でした。モーツァルトがウイーンに移り住み、ヨーゼフ2世のもとドイツ語のオペラに初めて挑戦し、見事に大成功を収めたオペラで、その後もヒットを重ね、モーツァルトのオペラの中で生前に一番ヒットした作品だそうです。(当日の解説より)
初演は1782年7月16日で、モーツァルトがウィーンに住んだ翌年のことです。そして8月4日にコンスタンツェと結婚しました。コンスタンツェとの事がモーツァルトの生活の中で大きな比重を占めていた頃にできたオペラですね!
幕切れはセリムがベルモンテの父親と分かり一同喜びで終わるところを、モーツァルトは筋を大きく変え、セリムにとっては憎い敵の息子と判明しながら、ベルモンテに仕返しではなく、慈悲を与える幕切れにしました。フィナーレはこのセリムへの感謝の歌で、4人が交互に歌い、合唱し、繰り返されます。これがこのオペラの大きな魅力となっていて、私の最も好きな所で、この旋律で何とも幸せな気分になるのです。
昨日の例会は、このオペラをとても分かり易く上演してくれていて、文化会館小ホールに相応しい、オケではなくピアノ伴奏で、合唱も10人程度、時間も2時間一寸に抑えられ、協会の例会に相応しいコンパクトに纏められたという印象がありました。さすが三澤氏の長年の経験からの手腕と思いました。
このオペラは、講演会でも自身おっしゃっていましたが、「省略」がものをいうオペラなのだそうで、様々に「省略」されて今まで演出されてきたのだそうです。しかし、初演を観たヨーゼフ2世はモーツァルトに近寄り「音符が多いね」といい、「不必要な音符は一つもありません!」とモーツァルトが答えているシーンが、映画「アマデウス」にはありますが、元々はヨーゼフ2世にこんな印象を持たれたオペラを、「省略の妙」で見せてくださったわけで、本当に感謝です。
帰って来てから気が付いたのですが、セリム役を好演された秋本健さんは、先日信州国際芸術村での「椿姫」でジェルモン役をされていた方でした。セリムは台詞だけでしたが、ジェルモンでは素晴らしい歌声で、アルフレードの父親役を見事に演じ、「プロヴァンスの海と陸」、ブラヴォーでした!♡♠♤
2017年5月14~15日のモーツァルトハウス
楽しみました!信州ロマン・・・♡♠♤
♪五月オペラを楽しんだ後は、信州上田市真田地区にある角間温泉へ。144号線を菅平に向かい走り、角間温泉入口の道路標識を右折し、細い道を民家を抜けてずっと進んでいくとこの温泉の一軒宿「岩屋館」に辿り着きます。静かな静かな静かな秘湯というキャッチフレーズがぴったりで、ここでは川のせせらぎの音しか聞こえません。テレビも地デジは入らず、スマホも1階のロビー以外使えないので、俗塵を寄せ付けない大自然の中に建つ温泉宿と言った印象を一層強くもちました。
角間渓谷は東西6キロにも及び、この岩屋館はその一角に位置し、真田家の隠し湯で、又お茶をたてるために汲みに来たと言われる真田家の名水は柔らかい味で、館内のラウンジではこの名水で入れたコーヒーをいつでも味わうことができ、嬉しかったです。
温泉は国内有数の天然炭酸泉で、ふつふつとわき出てきて、「日本の秘湯」に選ばれています。炭酸泉は地上に噴出した際は無色透明ですが、空気に触れると、鉄分が酸化して茶褐色に変色するのだそうで、ぬるめながら入っているとじわじわ温まって来ます。連休明けで混まず、そこそこの宿泊客でしたので、ゆっくりとこのじんわりとあたたまってくるお湯に浸かることができました。四方をを渓谷に囲まれた大自然の中の露天風呂は野趣あふれ、野趣も過ぎた感があり、何か動物でも出没したらどうしようと思い、入れず、もっぱら内湯を愉しみました。
岩屋館に到着し、まず眼を見張ったのは、そそり立つ険しい断崖でした。猿飛佐助や雲隠才蔵など真田十勇士が修業したという伝説があり、時代のロマンを感じます。また旅館から少し歩くと岩屋観音があり、この旅館の名前にもなっている観音様で、険しい225段もの階段を登った先にあります。大きな洞窟のその中に堂を建て、坂上田村麻呂が、後の世の平安のために観音様を祀ったのだと伝えられています。大きな洞窟にすっぽりとうまっている岩屋に祀られている観音様は現在違う場所に移されているそうですが、225段の急な階段を登り、息を切ってこの御社に向いお参りすると何とも厳かな気持ちになりました。辺りは静まり返り猿飛佐助でも出て来そうな雰囲気です。
温泉よし、名水よし、俗塵から離れ、しばしですが心の安らぎがあった角間温泉。今が旬の山菜の天ぷらや、イワナの塩焼き、朴葉焼き、信州サーモンやイワナのお作り、そして上田の地酒などに舌鼓、「岩屋館」は「岩屋観音」の神秘さとあいまって、信州真田の歴史ロマンあふれる宿でした。
パッチワークのような新緑の山の景色も堪能し、ツツジやハナミズキなどもちょうど見ごろで、帰りに寄った真田氏館跡の御屋敷公園は600株ものツツジの群生が広がるツツジの名所でした。信州の春の空気を胸いっぱい吸い、身も心も洗われたような2日間でした。♡♠♤
2017年5月14~15日のモーツァルトハウス
高原で楽しむオペラ・・・♡♠♤
♪上田市にある信州国際芸術村「ホールこだま」で楽しむ五月オペラ。毎年気候のいい5月2週目の日曜日に行われるオペラで、今年で7回目を迎えるそうです。今年は「椿姫」、過去には昨年の「ラ・ポエーム」、「愛の妙薬」や「カルメン」2014年には「コジ・ファン・トゥッテ」も上演されました。
去年初めてこのオペラに接して、眼下に広がる雄大な景色と、高原の風、自然の花々、木々の美しさにも魅せられ「よし!毎年来よう!」と思ったのを思い出します。今年もその思いを抱いて行ってきました!
わずか300人程度収容の小さなホールですが、信州産のカラマツをふんだんに使い、地元の建築設計事務所の設計のもとに建てられた、自然と一体となったぬくもりのある建物にも魅了されます。オペラは字幕はありませんが、歌は原語で、ナビゲーターがいて、ナレーションを聞いているとストーリーはちゃんと把握することができます。ピアノ伴奏もホールの規模にあっていて、大きなホールで味わういつものオペラにはない、温かみや感動があります。出演者は二期会会員、新国合唱団員、藤原歌劇団員が出演し、地元のアマチュアの方々も合唱などで出演されています。
今年の「椿姫」はヴィオレッタ、アルフレードなど歌手の方もとても良かったです。昨年はミミ役が高橋薫子さんで、出演される歌手の方々は素晴らしいなと思います。来年はブッファという事で、まだ演目は公表されていないそうですが、来年、5/13(日)にも期待ですね。
ホールの周りは年間通して楽しめるお花畑になっていて、いつ訪れても楽しめる所。今年も丁度マロニエの赤い花が満開でした。上田と坂本竜馬とは三吉慎蔵を通して繋がりがあって、ここ「ホールこだま」にはこのような竜馬さんが座っていて面白いです。三吉慎蔵という人物は京都伏見の寺田屋事件の時に竜馬を救出した人だそうです。なにやら幕末にタイムスリップしたような気分です。。。信州上田竜馬会もあって、三吉家は今は慎蔵さんの曾孫さんにあたるそうです。
2017年5月12日のモーツァルトハウス(東京)
秋の音大オペラ・・・♡♠♤
♪毎年秋に各音楽大学で開催されるオペラは、殆どモーツァルトです。どうしてかなと思いますが、きっとモーツァルトは基本でもあり、教材的に価値があり、またより多くの人に親しまれ愛されているからではと思います。歌手の方にとってもモーツァルトは難しいけれど挑戦し甲斐のある、きっと学ぶうちに好きになるそんなオペラかなとも思います。
さて、今年は昭和音大のオペラにちょっと注目してみました。昨年は「コジ」でしたが、行かれた人のお話を聞くと大変好評だったようです。今年は「ドン・ジョヴァンニ」で10月8日(日)14時開演です。まだ詳細は知らされていませんが、演出がマルコ・ガンディーニという方で、昨年の「コジ」の演出もこの方でした。演出もなかなか良かったそうです。S席4800円、A席3800円、B席2800円というお手軽なお値段で楽しめまるのもいいですね。
「ドン・ジョヴァンニ」といえば、9月11日には、パーヴァ・ヤルヴィが指揮をし、N響との共演でコンサート形式で上演されます。歌手陣も若手を中心に世界的な歌手が参集しているそうです。
「音楽の中に人間の本質にかかわるすべてが網羅されている、その奥深さに驚嘆します。」とモーツァルトの音楽を語る指揮者パーヴァ・ヤルヴィ。こちらも注目です♡♠♤
2017年5月11日のモーツァルトハウス(東京)
連休最終日は・・・♡♠♤
♪軽井沢で人気の大澤邸でのコンサート。大きなパイプオルガンがあり、定期的にいろんな演奏家を呼んで自宅でコンサートを開いています。GW最後の5月7日は「古楽コンサート」と題して、歌や、オルガネット、クラヴィシンバルム、リコーダーなどといった珍しい古楽器での演奏を楽しみました。タイトルは「トリスタンとイズ~悲恋物語り~」でワーグナーの有名なオペラ「トリスタンとイゾルデ」の原型になっている悲恋のお話を、この様な様々な楽器のソロやデュオや歌で聴かせてくれました。楽しい珍しい体験になりました。
ここ大澤邸でのコンサートに行くと、地元の良く知った方々にたくさんお会いできるので楽しい。この日は朝に急なお誘いを受けたので、出かけたのですが、いろんな方にお会いできて嬉しかったです。
とうとうこの日で、連休も最終日となり、都会に戻る列車や道路は混雑しているようですが、もう家の辺りはいつもの静けさが戻って来ていました。
2017年5月9日のモーツァルトハウス(東京)
大きな決断の日・・・♡♠♤
♪1781年5月9日は、モーツァルトにとって決定的な出来事がありました。ウィーンでコロレド大司教との決裂を迎えた日で、解雇されたモーツァルトはこの日からフリーの作曲家としてウィーンで生きていく決心をした日なのです。
連休明け早々の5月9日に行われた三澤洋史氏による講演会『「後宮からの誘拐」について』は、こんなお話から始まりました。作品成立の背景はヨーゼフ2世のドイツ語オペラを奨励し始めたことが大きかったようですが、それがなぜモーツァルトは1作で終わって、「魔笛」までの10年間のブランクがあったのかなどもお話されたので勉強になりました。同じジングシュピールでありながら、「後宮」から「魔笛」への10年の間には、フランス革命等の影響もあり、貴族のための音楽から市民のための大衆音楽に変っていく大きな時代の流れもあったのだと感じました。
演出に関して、三澤氏のお話で印象深かったのは、「演出家が従来の通りで何もしないのでは意味がないが、クリエイテイブな何かを読み込んで付け加えるのはいい、むりやり作曲家の意図から離れてしまうのはどうか・・」とのご意見にはまさに同感で、むりやり本来の意味をへし曲げてまでも演出する昨今の演出に疑問を持つものとしては、我が意を得たりの感がありました。
モーツァルトのオペラはその解釈の多様性などの特質から、時代設定を変えたり、読み換え等される運命にありましたが、特にこの「後宮」もその運命に逆らえず、かつて生誕250年の記念の年のザルツブルクでの「後宮」の演出は、「2006年ザルツブルク音楽祭最大の問題作」と言われました。また昨年11月にチューリッヒ歌劇場で観て来た「後宮」もそれにひけを取らない程の問題作に思えましたが、モーツァルトがまさに青春真っ盛りで作曲した青春オペラで、トルコの音楽を取り入れ、息をのむほどの素晴らしい音楽性と、赦しのフィナーレに惹きつけられている者としては、どうぞこの音楽を生かした演出を・・・とお願いしたくなります。
そういう意味では、20日のモーツァルト協会の例会での本公演、三澤洋史氏の指揮、解説による「後宮からの誘拐」に大いに期待しています!♡♠♤
2017年4月28日~5月8日のモーツァルトハウス 軽井沢便り4
愛の人・・モーツァルト・・・♡♠♤
♪今年のGWは、旧軽井沢に滞在中の友人ご夫婦とホテルでランチを楽しんだり、八ヶ岳に住む友人ご夫婦が訪ねてきて、ワインを空にしながら7時間も音楽(モーツァルト)談義に花が咲いたり、佐久市の志賀という所にある35人収容のジャム工房で聴いたモーツァルトも強烈な印象で忘れられないし、途中の志賀城跡の辺りの桜並木の見事な美しさだったことなどなど、たのしいことがたくさんありました。
29日にジャム工房「ル・コタージュ」での「モーツァルトの愉しみ」というコンサートは、元N響のフルート奏者のトーク&コンサートで、終了後もモーツァルトは「愛の人」「次元の違う作曲家」「素晴らしい曲がたくさんあるからまだ聴いた事のない人はこれから聴いてみてください」とお話されて、このコンサートはGWのとても大きな思い出となったものでした。
友とも良く語り合い、そしてよく食べ、良く飲み、モーツァルトも聴き、温泉も楽しみ、おまけに油屋旅館の「モーツァルト文庫」にも出会え、かつてない程楽しんだGWとなりました。
2017年4月28日~5月8日のモーツァルトハウス 軽井沢便り3
唯一つの18世紀劇場・・・♡♠♤
♪世界でただ一つの18世紀劇場、ドロットニングホルム宮廷劇場。そこで上演された「後宮からの逃走」を観ています。モーツァルトの時代18世紀そのままの舞台で再現された真のモーツァルトといわれているものです。
劇場の収容人員はわずか300人程度で、古楽器を使い指揮者もオケの団員も18世紀の衣装、かつらをつけて演奏していて、当時の宮廷劇場の雰囲気がでています。
ミュンヘンの国立劇場の小ホールのキュヴィリエ劇場も18世紀にカール・テオドール候によって建てられ、モーツァルトの「イドメネオ」も初演された由緒あるホールですが、内装はそのままでも19世紀に舞台装置が改装されて、18世紀そのままの演出はできなくなっていることを考えると、このドロットニングホルム宮廷劇場は当時のまま上演できる劇場として貴重な劇場。緞帳が雲に乗った女神ミネルヴァが描かれていて、その顔はグスタフ3世の母ウルリカだそうです。
モーツァルト仲間の大先輩で、尊敬するある方の遺品として頂戴したこの「後宮からの逃走」。世界で1つしかない劇場での上演で、その貴重さをしみじみ感じ楽しんでいます。1990年上演、指揮はアルノルド・エルトマン、演出はハラルド・クレメン。
2017年4月28日~5月8日のモーツァルトハウス 軽井沢便り2
遅い春が・・・♡♠♤
♪今年は気温が低い日が続き、お花の開花も遅れていましたが、やっと玄関わきの自生の山桜が咲き始めました!すみれ、つつじ、芝桜、桜草といった春を告げる花々はこれからようやく可愛い姿を見せてくれます。
2017年4月28日~5月8日のモーツァルトハウス 軽井沢便り1
全てがそこにある・・・♡♠♤
♪全てがそこにある・・・モーツァルトの音楽はよくそう表現されます。今年は軽井沢に今までになく長い期間滞在したので新しい発見があり、モーツァルトと同じく、軽井沢は自然、芸術、歴史探訪の、どのジャンルも楽しめる、まさにそこに全てがある、そんな場所だと認識しました。
軽井沢町追分は宿場町で栄えた場所ですが、文人にも愛され、堀辰雄や立原道造の貴重な歌碑もあり、堀辰雄や芥川龍之介の泊まった「油屋」旅館もあります。油屋旅館は隣家からの延焼で昭和12年に焼失しますが、その時に立原道造は泊まっていて、堀辰雄は旧軽にある川端康成邸にたまたま遊びに行っていた時のことだったそうです。(油屋は翌年には建てなおされています)
現在の油屋は旅館の営業はしておりませんが、中には、小さなショップや、おしゃれなカフェもあって、昭和初期のレトロの香りのするところです。奥にどんどん行くとモーツァルトの書籍やCDなどがぎっしり並んだ一角が「モーツァルト文庫」なるものになっていて驚きました。CDも古本として値段がついていて買う事もできるのです。
浅間山の噴火などを経て、標高千メートルを超す場所にこれほどの広い平地としての地形が残っているのは軽井沢だけだと、以前「ブラタモリ」で知りましたが、その地形を利用して栄え、避暑や自然を求めて訪れる特に外国人に好まれ、発展してきた場所なのですね。
自然、文化、歴史・・ここにすべてがある軽井沢、モーツァルトと同じという結論に至りました。無理やりでしょうか・・・(笑)
2017年4月27日のモーツァルトハウス(東京)
予告!ようこそモーツァルトハウスへ・・・♡♠♤
♪今年のGW中、本日より5月8日までモーツァルトハウスに滞在予定です!万が一モーツァルトハウスにとお思いになる方がいらっしゃいましたら是非お越しください。ちっぽけな家ですがモーツァルトがいつも流れモーツァルトファンをお待ちしております。(連絡先は「アクセス」に記載)
標高1千メートルの山の中の一角に立つ、小さな小さなモーツァルトハウスですが、モーツァルトがあれば生きていけるという、モーツァルトへの愛だけで名付けた「軽井沢モーツァルトハウス」。自然の安らぎと、美しいモーツァルトの音楽がそこにあります。
ツツジのピンクと、イチゴやスミレの可憐な花々が優しく迎えてくれるはずです。♡♠♤
2017年4月26日のモーツァルトハウス(東京)
「毎日がモーツァルト」、その稀有な体験!・・・♡♠♤
♪「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」、いわゆる草津音楽祭の今年のパンプレットが届きました。今年のテーマは「モーツァルトの奇跡~過ぎ行く時を超えて」。特にモーツァルトの1781年から1791年のウィーン時代にスポットをあてて、当時の予約演奏会や編曲版も含めて、その音楽を広くプログラムで紹介するというものです。
長い間この音楽祭に通っていますが、こんなに連日モーツァルトの音楽が演奏されるのは初めてのこと。8月17日(木)~30日(水)までの2週間の期間中、「毎日がモーツァルト!」です。
こちらも宇奈月音楽祭と同じく、ここ草津は温泉も楽しめる所。標高も1000mを超え、8月も中旬を過ぎると高原の涼しさを超えて、秋風が肌に冷たく感じるほど。夏の終わりの郷愁の様なものを感じて、過ぎ行く夏を惜しむかのように開催される極上の音楽フェスティヴァルです。
好きなプログラムの日を選んで何日でも・・1回が日によって変わりますがほぼ4千円台、通し券は42000円で発売されています。ノーベル賞受賞者の小柴先生はこの通し券でお見えだったのでしょうか、ほぼ毎日2階の同じ席でお聴きになっていらっしゃいました。以前は私たちもいろんな方にお会いできて、時には一緒のペンションに泊まって仲間と楽しんだりしたものでした。
時が流れ、お互いの環境も変わり、そんなことも思い出になってしまいました。また新たな草津音楽祭メイトも出来るかも知れません。どなたかとまたご一緒できたらいいな~と思います。とにかく今年の草津音楽祭は凄い!モーツァルトファンにとっては、滅多にできない体験になりそうです。
2017年4月25日のモーツァルトハウス(東京)
究極の感動体験なるか・・・?♡♠♤
♪アカデミー賞8部門を受賞した不朽の名作映画「アマデウス」。全編に流れるモーツァルトの名曲にも魅了され、エンディングにはピアノ協奏曲第20番の第2楽章が感動的に流れてその美しいメロディに席を立てずにいたことを思い出します。天才モーツァルトに対してサリエリが発した「私は凡人のチャンピオン!」という言葉も印象的でした。
そんなムービー・オン・クラシックが日本に上陸し、11月に金沢、渋谷、神戸の3ホールに於いて実現します。映画「アマデウス」が上映され、全編に流れるモーツァルトの代表作を、オーケストラと合唱が場面に合わせて迫真の生演奏をする圧倒的な感動体験のコンサート。
日本では初めてですが、既に昨年秋、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで初演され大評判となり、その後パリやプラハなどのヨーロッパの主要都市でも大成功を収めてこれから18年にかけてもアメリカ主要都市で50公演以上が決まっているという注目のコンサートです。
11/3(金・祝)13時半開演 石川県立音楽堂コンサートホール、11/4(土)18時開演、11/5(日)14時開演 Bunkamuraオーチャードホール、11/11(土)17時開演、11/12(日)14時開演 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール。オケは、オーケストラ・アンサンブル金沢、アマデウス特別合唱団、指揮:辻博之。
「史上最高の音楽映画がオーケストラの生演奏で蘇る究極のLIVE!」果たしてどんな音楽体験になるのか・・!この秋の話題になりそうです。♡♠♤
2017年4月23日のモーツァルトハウス(東京)
2017-2018 新シーズン・ラインナップ・・・♡♠♤
♪METライブビューイングの来年度のラインナップが発表されました。嬉しい事に《魔笛》と《コジ》のモーツァルトのオペラ2本が入っています。《魔笛》はMETでの上演日は2017年10月7日、《コジ》は2018年4月14日。
《魔笛》はレヴァイン指揮、安定した歌手陣で、水準の高い舞台が期待できるのではと思います。《コジ》は新演出なので、こちらはちょっと心配ですが、ヨーロッパの歌劇場で、はやりのとんでもない演出はメトではあまり見受けられず、何とか最低ラインをクリアして欲しいですね。そういう意味ではリーズナブルな料金で観るオペラなので、たとえ失敗しても高いオペラ代ではないので心配ありません。そこもライブビューイングのよさでしょうか。
http://met-live.blogspot.jp/2015/10/2017-18.html
2017年4月22日のモーツァルトハウス(東京)
ショルティ「魔笛」崇拝者からの贈り物・・・♡♠♤
♪20日にあったバリトン歌手黒田博氏による講演会は、演奏者の立場でしか語れないであろうお話も飛び出して大変貴重なものでした。また素晴らしい歌声も披露してくださったのでオペラファンのみならずどんな人をも幸福感に包み込む珠玉ともいえる時間でした。
質問コーナーで、「フィガロ」での第3幕で伯爵、フィガロ、スザンナの間で発せられる「裁判に勝った・・」云々について突然出て来る「裁判」という言葉に戸惑うが、どういう意味なのかなど質問される場面がありましたが、モーツァルトのオペラに限らず、オペラは本当に筋を正確に追って行きたいと思っても、訳の分からない状態に陥ることがしばしばで、オペラ通のみならず、研究者の間でも、オペラの筋立ての細かい所はさておいて・・・・という場合が多いですね。背景にはオペラを一日の出来事としているのでどうしても無理があるからと説明されます。オペラはそんな風に考えるとそこが演劇(ドラマ)と違う所で、あり得ない出来事だけど音楽が素晴らしいから熱中出来ちゃうところ、それがオペラなのかも知れません。
没後200年の1991年にザルツブルクで上演されたショルティ指揮、ウィーンフィル「魔笛」の舞台でオペラの認識が変わり、この素晴らしい舞台体験によりモーツァルトのオペラ、とりわけ「魔笛」の魅力に取りつかれ、『私が1991年ザルツブルク音楽祭の「魔笛」を素晴らしいと思った理由(わけ)』という論文まで執筆してしまった森の都仙台に住む主人の友人から、ほっとするような写真が届きました。春爛漫の美しい風景です。
一目千本桜というそうで、東北線各駅停車で行く、宮城県柴田町という所に咲いている桜です。午前中にしか陽の光の関係で蔵王が映えないのだそうですが、青い空をバックに、遠く蔵王が良く映えて、桜と、足元の菜の花との美しいコントラスト、それに味のある貨物列車が色を添えていてステキです!今年は満足なお花見ができなかったので、有り難い一服の清涼剤になりました。♡♠♤
2017年4月21日のモーツァルトハウス(東京)
タンポポに思えたモーツァルト・・・♡♠♤
♪5月20日は協会主催の講演会があり、講師に黒田博氏をお招きして、「愛すべきモーツァルトオペラのバリトン役」~演者の立場から感じるバリトン役の輝き~というタイトルでお話がありました。日本でのバリトンの第一人者で、オペラでの輝かしい実績がおありで、モーツァァルトのオペラでもたくさんの役柄をされていて、歌声だけではなくその演技力でも多くのファンを魅了してきた方です。演奏者として、オペラのアリアのお話から、演じていての裏話まで、「研究者のお話は本を読めば分かりますが、演ずる立場の方のお話はなかなか聞けないから、貴重なこと・・」と、終了後の皆さんの反応でした。
黒田博氏といえば、2014年に大阪いずみホールでの「フィガロ」を観に出かけたことがあり、伯爵役を演じていたのが黒田氏でした。その年の秋は「フィガロ」尽くしの秋で、「フィガロ」の上演が何度か続いていましたが、オール日本人キャストで関西の歌手の起用も多く、期待して出かけた甲斐あり、名実ともに「浪速のフィガロ」を満喫したものでした。お話を伺いながら、そんなことを思い出し、あの時の伯爵である黒田さんを勝手にぐっと身近に感じて嬉しかったです。
その黒田氏は最初についた役がマゼットで、その後フィガロ、伯爵、ドン・ジョヴァンニ、レポレロ、グリエルモ、ドン・アルフォンソ、パパゲーノ、ザラストロ、弁者、などなど、そのラインナップを見ると、モーツァルトのオペラの主要な役を総なめされていて、その才能と器用さと、抜擢される期待度など、全てにおいて、今や二期会を担うバリトン歌手として最も活躍されている方ではないかと感じました。
その黒田さんのお言葉で印象深かったことは、モーツァルトの音楽は野に咲くすみれやタンポポのようだと思っていた。それはさりげなく自然に作られた感じからで、ベートーヴェンは手をかけ苦労の末に完成された盆栽のような音楽ですが、そんなタンポポのように思えた音楽が、深く知ることによりいつか大輪の花に変っていったという。キルケゴールは「モーツァルトの音楽を不滅にしている作品はドン・ジョヴァンニ」といっているそうですが、黒田氏自身もドン・ジョヴァンニ役の最後の地獄落ちが最高の快感だそうですから、今の日本での1、2のドン・ジョヴァンニ歌いなのかも知れません。次にモーツァルトのオペラを演じてくださる日が楽しみです。♡♠♤
2017年4月20日のモーツァルトハウス(東京)
ドレスデンでの「モーツァルト週間」・・・♡♠♤
♪2006年のモーツァルト生誕250年では、モーツァルトのお誕生日の頃、ザルツブルクはもちろん、お隣ドイツのドレスデンでも2月はじめに「モーツァルト週間」としてモーツァルトのオペラやコンサートが行われました。ドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオパー)で私達も「フィガロの結婚」と「コジ・ファン・トゥッテ」を観てきました。
そのドレスデンでの「モーツァルト週間」、今年はちょうど今4月に行われていて、「ドン・ジョヴァンニ」「フィガロの結婚」「「コジ・ファン・トゥッテ」、それだけではなく「後宮からの逃走」までも連日上演され、活況を呈しているそうです。音楽監督を務めているティーレマンや楽団はザルツブルクのイースターの方に行っていて編成は小さいものしかできない事情もあるようですが、ダ・ポンテ三部作と「後宮」をしているのですから最高です。
指揮者は三部作全てがマイヤー=ヴェルバの弾き振りで、このマイヤー=ヴェルバという指揮者、ヨーロッパではとても注目されている指揮者だとか。彼の通奏低音が素晴らしいそうで、それも自分で弾いたりするのですからなかなか他では見られない指揮者かも知れません。(昨年の「コジ」で、ジョナサン・ノット氏も自らハンマーフリューゲルを弾いていましたね)
新国でも二期会でも藤原でもどちらでもいいので彼を呼んでください!と、現地からのレポートを続けている加藤浩子先生は伝えていて、まだ30代、1981年生まれで、どこかのオケで彼を呼んでコンサート形式でモーツァルトのオペラというのもいいねっ!とまで仰っています。
でも演出は、ここでもどれも現代に置き換えられているもので、もう今やこれが主流なのでしょうか。前回のチューリッヒ歌劇場での体験は、私にとってトラウマになっているようで、わざわざ日本から出かけて変な舞台を観てがっくり~というそんな思いは出来たらしたくないなと思います。指揮が良くて、歌い手がよくて、演出はオーソドックス、そしてそれがモーツァルトのオペラなら最高!と、段々保守的!ともいえる感じになって来ています。
そんなことを思いながら、さて、いよいよ5月になるとメトロポリタン歌劇場での「イドメネオ」が始まります。ライブビューイングは5月6日(土)~12日(金)。(東劇のみ19日(金)まで上映)
ポネル演出で、指揮はレヴァイン、きっと期待を裏切らないでしょう!待ち遠しいです♡♠♤
2017年4月19日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトの深遠に迫る・・・♡♠♤
♪東京クライス・アンサンブルによる、室内楽ファン垂涎の「モーツァルトの深遠」のシリーズが始まります。第1回目は弦楽四重奏曲第14番 ト長調K387、弦楽五重奏曲第1番 変ロ長調K174、クラリネット五重奏曲 イ長調K581で、毎回6曲のモーツァルトの弦楽五重奏曲を柱に、管楽器が加わる作品も加わり、モーツァルトの深遠に分け入るシリーズです。
第2回目も、弦楽五重奏曲第2番、大好きなピアノ三重奏曲K502や、ホルン五重奏曲、ファゴットとチェロのためのソナタ等で素敵なプログラムです。
弦楽器奏者には、漆原朝子、景山誠治・裕子、玉井菜採、チェロは、河野文昭、花崎薫などで編成された東京クライス・アンサンブル。ブラームス、ドヴォルザークに続き、満を持してのモーツァルトシリーズがいよいよ始まります。
1回目は、6月11日(日)14:00開演 Hakuju Hall です。♡♠♤
2017年4月10日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト春の名曲・・・♡♠♤
♪モーツァルトは4月に素敵な曲を作曲しています。ウィーンに移って以降、1781年4月7日に「ピアノとヴァイオリンのためのソナタK397」、1791年には12日に「弦楽五重奏曲K614」を完成させ、1787年の19日には「弦楽五重奏曲K515」を、(このひと月後の5月16日には弦楽四重奏曲K516を完成)、1784年の21日には「ピアノとヴァイオリンのためのソナタK454」を、そして1786年には、日本ではゴールデンウィークの最中の昭和の日の29日に「フィガロの結婚」を完成させました。(1789年の29日には「デュポールの変奏曲」も完成)。
ここ数日の忙しさの中、ホッとする時間にはこんな4月に作曲されたモーツァルトの曲を聴いています。弦楽五重奏曲K515、614、そして翌月5月にはK516が作曲されていてこの季節は私たちに安らぎを与えてくれる曲がラインナップされています。こうしてモーツァルトが作曲したその時期にその曲を聴いてみる・・こんな楽しみも良いですね。あの名作オペラ「フィガロの結婚」は日本が心浮き立つ春爛漫の頃にモーツァルトが完成させたオペラなのです。♡♠♤
2017年4月6日のモーツァルトハウス(東京)
信州で味わうオペラ・・・♡♠♤
♪長野県上田市にある信州国際音楽村で毎年5月に行われるオペラ、称して「信州音楽村5月オペラ」。信州産のカラマツをふんだんに使って作られたというわずか300人程度の収容人員のあたたかいぬくもりに充ちた「ホールこだま」で楽しむ、地元の人々に根差したオペラです。
今年はヴェルデイの名作オペラ「椿姫」が上演されますが、昨年はプッチーニの「ラ・ポエーム」で、初めて5月オペラを鑑賞しました。眼下に広がる雄大な景色を満喫しながら高原の風を感じながら楽しむオペラにすっかり一目ぼれしてしまったものでした。5月の二週目の日曜日の午後開演で、季節も良く、ホールエントランス両側にはマロニエの樹が植えられていて、丁度赤い花が満開で、その景色の美しさにも心が浮き立つ思いがしました。
その夜は島崎藤村ゆかりの宿である「中棚荘」に宿をとり、りんご湯やにごり酒などの「千曲川旅情」の藤村の世界と共に、信州のオペラの余韻を楽しんだものでした。
さて「椿姫」を鑑賞後は、今年も信州のひなびた温泉宿に泊まり、オペラ&温泉をセットで楽しみたいな~。昨年「中棚荘」のおかみさんの「連休も終わり、深緑も今がちょうど盛りで、この時期が一番宜しい時です・・・」という言葉を思い出します。
さあ!デスカバー信州のオペラ&温泉の旅へ、今年も行こう・・・・・。
2017年4月5日のモーツァルトハウス(東京)
人気沸騰佐渡オペラ「フィガロの結婚」・・・♡♠♤
♪毎年兵庫県芸術文化センターKOBELCO大ホールで上演される、「佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2017」は、モーツァルト不朽の名作「フィガロの結婚」。7月14日(金)から最終日23日(日)まで8回上演されるもので、2月からチケットが販売開始されています。
オール日本人と、外国人歌手とのダブルキャストというのも注目です。2014年にはこの佐渡裕芸術監督プロデュースオペラの「コジ・ファン・トゥッテ」の上演の際にも神戸を訪れ鑑賞していて、その人気の凄さに度肝を抜かれた記憶があります。その時はこの「コジ」の公演直前にメトの舞台で大成功を収めた、ソプラノ歌手スザンナ・フィリップスが出演するとあってのフィーバーだったような気もしますが、8回の公演日があるのにもかかわらず、2千人を超す観客席が補助いすが出るほどの熱気でした。
今年は「フィガロの結婚」とあって、やっぱり出かけたい・・・。3年ぶりの兵庫でのオペラです。
この後は、京都に寄り道してどうしても今回訪れてみたいと思っている場所があるのです。それはブルーノ・タウトやヴァルター・グロピウスといった外国の建築家が、簡素さの中に美と深い精神性を表した建築及び庭園として高く評価し、広く日本でも知れれるようになった「桂離宮」。こんな世界に誇る日本の美を今もってまだ体験していないとは・・。随分前から行きたかった場所です。参観は予約制で、京都事務所参観窓口へ申し込みその後抽選になるので、現在その結果待ち。。。
7月の神戸~京都へのモーツァルトのオペラ鑑賞&αの旅、さてどんなのになるのでしょうか。。。
2017年4月4日のモーツァルトハウス(東京)
幸せな一日・・・♡♠♤
♪うららかな春の一日、素敵なランチを楽しみました。我孫子駅から数分のところに隠れ屋のように佇む「中むら家」は天ぷらやさんですが、懐石風に天ぷらと共に和食を提供してくれるお店で、清潔感のある落ち着いた雰囲気の店内もまた趣があって素敵です。
先日の「かじ池亭」での会食でお世話になり、またその時の写真集をつくってくださったりと素敵なご縁を頂いた方とのおしゃべりは尽きることがなく、本当に楽しい時間が過ぎてゆきました。短期間しか住まなかったし、いよいよ去る日までカウントダウンが始まってしまった我孫子ですが、話題になる美味しいお店や場所も数々あり、日々満ち足りた心で過ごすことができました。なんて幸せなこと、健康でいる事にも感謝ですね。
今日は気温もあがり、蕾だった桜も一気に開花し、待ちに待ったお花見にも最適な一日になりました。桜だけではなくモクレンの白、紫、黄色も鮮やかに春を彩っていて、春の甘い香りも漂ってきます。ご近所のお家の庭先に黄色のモクレンが咲き始めました。黄色いモクレンはエリザベスという別名もあるのだそうで、モクレンではこの黄色が一番好きかな~なんて思いながら写真に収めました。
「利休梅」という白い可憐なお花も見つけました。「利休梅」は原産地は中国で、明治末期に渡来したもので、茶人の利休には直接関係はないそうですが茶人好みの花に思えます。純白で楚々としていて愛らしいので茶花として好まれるのもわかりますね。春を愛でながら、お腹も、目も、心もすっかり充たされたそんな一日でした。○○さん、ありがとうございました!♡♠♤
2017年4月2日のモーツァルトハウス(東京)
コープマンのモーツァルト!・・・♡♠♤
♪水曜日の渋谷の夜には大人の心を躍らせる秘密がある・・・そんなキャッチフレーズで開催される「渋谷・大人の寄り道~N響水曜夜のクラシック」。4月、5月、6月と毎月1回あるコンサートの内、6月14日(水)は、〈気分爽快!コープマンのモーツァルト〉のタイトルのコンサートで、演目は、「魔笛」序曲、「フルートとハープのための協奏曲」、「交響曲第41番・ジュピター」と、モーツァルトの珠玉の3曲が演奏されます。N響とコープマン、そして今を時めくカール・ハインツ・シュッツ(ウィーン・フィルのソロ・フルート奏者)、シャルロッテ・バルツェライト(ハープ奏者)の共演はどんなでしょうか。モーツァルト好きには外せないコンサートですね。
日本モーツァルト協会の6月例会(6/20(水):18:45開演)には、このシュッツさんが登場して同じく「フルートとハープのための協奏曲K299」を演奏します。こちらは東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団とフルートは篠崎和子さんとの共演です。
水曜の夜に渋谷のNHKホールで開催されるN響によるクラシックコンサート、こちらも是非・・・♡♠♤
2017年4月1日のモーツァルトハウス(東京)
草津音楽祭、なんと今年はモーツァルト!・・・♡♠♤
♪第38回目となる群馬県草津温泉で開催される草津音楽祭の今年のテーマは、モーツァルト!題して「モーツァルトの奇跡~過ぎ行く時を超えて」。昨年のメモリアルイヤーであった260年+1の年に、満を持してモーツァルトを取り上げて貰えて、本当に万歳である!
14年前からこの音楽祭を楽しんできましたが、モーツァルトがこれほどのテーマになった記憶はないのです。湯煙漂う温泉地草津で繰り広げられる高原の音楽祭の今年の開催期間は、8月17日(木)~8月30日(水)までの2週間。爽やかな高原の風を心地好く感じながら、温泉と地元の温かな人情と共に楽しむ極上のクラシックの音楽祭は人気も高く、以前は空席もあったのに、今はそんなことが嘘のようで、早目に手配しないとチケットが完売してしまう程の人気です。。
パンフレットは4月下旬に完成、チケット売り出し開始は6月1日(木)ですが、ネット上にプログラムが載っています。軽井沢からは日帰り圏でもあり、毎年天皇皇后両陛下もご来訪されています。去りゆく夏を惜しみ、季節を感じる高原の音楽祭の今年はモーツァルト!今からワクワクします。♡♠♤
2017年3月28日のモーツァルトハウス(東京)
親密な対話に内包された陰影・・・♡♠♤
♪ピアノ三重奏は個人的には大好きなジャンル。ピアノに弦が加わって醸し出されるトリオの音色が好きなのかも知れません。昨日のモーツァルト協会の例会はそんな三重奏曲がそれも4曲も演奏されたのですから、私としては大満足な演奏会となりました。
いつも聴きなれているモーツァルトしかできないメロディのこれらの三重奏曲ですが、特に晩年に作曲されたK542、K548、K564は、モーツァルトが借金を盛んに申し込んだプフベルク家の集いのためや、出版が目当てに作曲されたと推察されるもので、円熟味をましたモーツァルトが「ジュピター」などの交響曲を作曲した創作意欲旺盛な時期の所産ともいえるもの。またK254やK502はいつ聴いても、何度聴いてもそのチャーミングさに惹かれてしまいます。
早春の朝、目覚めて陽光のあたる部屋で窓からの景色に目をやりながら、物思いにふける時、このK502やまたはK254が流れてきたらどんなでしょうか・・。また朝のコーヒーをゆっくりと楽しみながらK548やK564を聴いたらどんなでしょうか・・・。幸せな幸せな一日が始まるのでは。。。ピアノ三重奏曲は私にとってそんな朝のひと時にピッタリの曲です。
K564では、特に第二楽章のメロディが好きです。そして昨日の演奏では最終楽章のさり気なく終わる感じが何とも言えず素敵に思えました。(K564はあの名曲K563の弦楽三重奏の1ケ月後に書かれたものです)
いつも愛聴しているCDは、主人の友人が以前送ってくれたウォルター・オルベルツ(p)、カール・ズスケ(Vn)、マティアス・ブフェンダー(Vc)の盤。優雅な時間が流れて行きます。。。♡♠♤
2017年3月21日のモーツァルトハウス(東京)
ペイネのモーツァルト♪・・・♡♠♤
♪レイモン・ペイネ(1908年~1999年)は「ペイネの恋人たち」などその〈愛〉をテーマにメルヘンティック作風で世界的に知られたフランスのイラストレーター、漫画家でもあります。男女のラブラブ感が恥じらいもなく、ほほえましく表現されていて若い女性に人気があるのもわかります。
そのレイモン・ペイネ作品でタイトルが「モーツァルトのコンサート」に出会ったのは、軽井沢のある画廊ででした。コンサート会場から仲睦まじく出て来た恋人が「今日のコンサートは良かったね」などと語り合っているかのようで、後ろにはモーツァルトのコンサートのプログラムが掛かっているのが見えます。
他にもペイネには「愛の調べ」「愛の堅琴」「ハトのヴァイオリン」「秋のヴィオロン」など音楽をテーマにした作品が数々あります。軽井沢には「ペイネ美術館」があり、開館セレモニーにはペイネ夫妻も出席されたそうで、赤茶色の建物は設計者アントニン・レーモンドの自身設計のアトリエ兼別荘で、外観も内装も、そして周囲の雰囲気も軽井沢らしく素敵です。
「モーツァルトのコンサート」というタイトルのこの絵に画廊で出会ったあの時、「あとで~」と言い残して帰ってきてしまい、その後この作品は「在庫なし」「希少作品」として市場には私が知る限り出て来ません。(限定250部)また売りに出されたら教えて下さいとお伝えしてもう何年になるでしょうか。
ないと思うと欲しくなるものなのですね。。。♡♠♤
2017年3月19日のモーツァルトハウス(東京)
恐るべし編曲家フンメル♪・・・♡♠♤
♪幼い頃よりピアノの才能を発揮し、弦楽器奏者兼指揮者の父とヨーロッパでの演奏旅行を成功させたりする、何やらモーツァルトを思わせるような人物ですが、実はヨハン・ネーポムク・フンメル(1778年~1837年)で、8歳でウィーンに移り住み、すぐにモーツァルトに師事し、モーツァルトもその才能を認め、ある時期自宅に同居させていたといわれています。同居していたのは1786年から1987年ごろまでのこと、フンメルは作曲家でもあり、同世代のベートーヴェンの陰になり、死後は忘れられた作曲家にみえますが、実は同居中にモーツァルトから大きな影響をうけていて、ウイーン時代のモーツァルトのピアノ協奏曲7曲の編曲版を残しているのです。
モーツァルトのウィーン時代のピアノ協奏曲第20番からは、特に木管楽器が活躍する曲が多く、フンメルの編曲版はそれがとても生かされています。編成は、ピアノ、フルート、バイオリン、チェロで、この編成で録音されたモーツァルトのピアノ協奏曲第20番K466&第25番K503のCDは、現在ドイツ国籍の日本人のピアニスト、FUMIKO SIRAGA(白神典子)さんの録音で存在します。
注文してから2週間もかかって海を渡って届いたこのCDを聴いていると、フルートが美しいメロディを謳い上げ、ピアノ、ヴァイオリン、チェロとの室内楽に大変身したモーツァルトのピアノ協奏曲の魅力をガァーンと感じさせてくれます。こうして後世に室内楽編曲としてモーツァルトのピアノ協奏曲を残してくれたフンメルは凄いな~と思います。
フンメルは1787年にドレスデンで開いた演奏会では、モーツァルトのピアノ協奏曲K503をみずから演奏したそうですから、モーツァルトの門下生ともいえるフンメルの弾くモーツァルトのピアノ協奏曲、どんなだったか聴いてみたかったですね。。。♡♠♤
2017年3月17日のモーツァルトハウス(東京)
素敵なご縁の連鎖♪・・・♡♠♤
♪我孫子での生活も残り僅かとなったこの日、素敵なご縁のモーツァルト仲間の皆さまが我孫子でお食事会を開いてくださいました。「かじ池亭」という池のほとりに佇む素敵な洋館のレストランで、何でも上高地帝国ホテルのようにと設計者に依頼したものだそうで、その建物自体が息をのむほどすてきなもの。特に内装は前帝国ホテル(現在明治村に移築)の設計者ライトの意匠そのもので、広い木製の窓枠に、自然石やステンドグラスをうまくあしらい、窓からは池がみえ、池の周りの四季折々の植栽や花々を愛でることができ、本当に表現出来ないほどの素敵な空間です。お食事を楽しんだ後などはこの池の周りをゆっくりと散策も出来ます。
このレストランは、創業58年にもなるそうで、上州牛と特選車エビを提供し続けて来たお店でもあります。最初は国道6号線のサービスステーションとして創業し、レストランかあちゃんに店名を変更、その後自然環境に恵まれた今の場所に移転、店名も「かじ池亭」としました。ワインは牛久ワイナリー(茨城県)の白、赤を提供しています。
我々の記念撮影では、風流人ともいえるご主人が気軽にシャッターを押してくださって、お料理だけではなく、おもてなしにも心から和み、癒されました。
パリ郊外、ジベルニーの「モネの庭園」のよう・・・
2017年3月15日のモーツァルトハウス(東京)
待望の著~・・・・♡♠♤
♪小宮正安著『コンスタンツェ・モーツァルトー「悪妻」伝説の虚実』(講談社選書メチェ)がいよいよ3月11日に発売されました。「悪妻」というレッテルを貼られてきたモーツァルトの妻コンスタンツェ、それは果たして本当なのか、でもなぜそう呼ばれ続けてきたのか。その真実に迫るもの。
この本の執筆者である小宮正安氏を講師として、「『コンスタンツェ・モーツァルトー「悪妻」伝説の虚実』を基にしながら、彼女の人生をはじめ、彼女に関する受容史を紐解き、彼女が「悪妻」と呼ばれるようになった謎に迫る」という講座が朝日カルチャー新宿校で4月29日(土・祝)に開催されます。
書籍の表紙となっている図が魅力的です。今まであまり知られていない1910年に描かれたフーゴー・シューベルトの画で、タイトルは「新婚旅行の途上のモーツァルトとコンスタンツェ」。
内容と共に手に取ってみたい一冊です。
2017年3月14日のモーツァルトハウス(東京)
今年の宇奈月モーツァルト音楽祭~・・・・♡♠♤
♪日程が発表されました。湯けむりの街で開かれる地域色豊かな音楽祭。しかも演奏される曲は全てモーツァルト!年々内容も参加者の意識も向上して、訪れるこちらのテンションも上がります。2017年9月16日(土)~18日(月・祝)の3日間の開催です。今年のオペラは「フィガロの結婚」(ハイライト公演)です。音楽祭スペシャルコンサートは最終日の最後を締めくくるものでいつも観客と出演者がひとつになる感動的なステージです。
2017年3月12日のモーツァルトハウス(東京)
リゾナーレ音楽祭2017~グランドフィナーレ~・・・・♡♠♤
♪2006年から毎年年中行事にもなり、欠かさず参加してきた「リゾナーレ音楽祭」。私たち夫婦の極上の楽しみでした。その音楽祭も2017年6月に開催され最終回となるそうです。音楽監督の岡山潔先生のもと、様々な演奏家が集い、バロックから近現代まで、よく知る有名な曲から初めて聴く曲まで、また演奏家も国内外で第一線で活躍するアーティストとだけではなく、次代を担う若手の演奏家を迎えての稀有な贅沢ともいえる音楽フェスティヴァルでした。小淵沢のホテルリゾナーレの音楽ホールを舞台に3日間に渡って行われてきました。始まりがあれば、必ず終わりがある・・。そんなことをしみじみと感じ、寂しさがつのってきます。
今年の開催は6月20日(火)~22日(木)の3日間。今までと同様にチャペルコンサートやナイトサロンありで、コンサートは16時開始で、30分の休憩をはさんで3部構成になっています。たくさんの思い出と感動を私達に残してくださったことに感謝して、グランドフィナーレに参加したいと思います。私たちの音楽人生に大きな花を添えてくださいました。ありがとうございました!♡♠♤
2017年3月10日のモーツァルトハウス(東京)
あるオぺラ歌手の死・・・・♡♠♤
♪クルト・モル氏が5日に死去していたことがわかりました。ケルン近郊生まれて、バス歌手としてドイツの歌劇場で活躍後はザルツブルク音楽祭など国際的に活躍し、モーツァルトオペラでもおなじみの歌手でした。
特に印象深いのは、何と言っても「魔笛」でのザラストロ役でしたね。風格と言いその声と言いザラストロ役にピッタリと思っていたファンも多かったはず。ワーグナーやモーツァルトオペラで高い評価を得た歌手でした。
先日、1991年の没後200年のメモリアルの年に、メトロポリタン歌劇場で上演された「魔笛」を仲間と観たばかりでした。クルト・モルがザラストロ役で、指揮はレヴァイン、パミーナ役がキャスリン・バトル、タミーノ役がアライサと演出も演奏も歌手陣も全て素晴らしく、名演と言われている作品です。26年前の映像でしたが素晴らしかった。天上から「おお、イシスとオシリスの神よ」と2幕で歌うザラストロの声が聞こえてくるようです。。。。ご冥福をお祈りいたします。
2017年3月10日のモーツァルトハウス(東京)
鎮魂竹宵の集い2017・・・・♡♠♤
♪今日で東日本大震災から6年目を迎えます、ここ我孫子では今日と明日の二日間、あびこショッピングプラザで「支え合う未来へつづく道」と題して鎮魂のための大きなイヴェントが開催されています。
「環境にも人にもやさしい」竹灯りを灯して鎮魂の祈りを捧げます。今日は11時に川村学園女子大学の~ハンドベルの調べによせて~というオープニングで始まり、近郊の小学校、中学校の吹奏楽部や合唱部の演奏が続き、間に我孫子市長挨拶などもあって夕方5時まで「復興の祈りや励ましのメッセージ」を歌や演奏に託して届けられます。震災の翌年から続けられているもので、今年で6回目。
実行委員会メンバーが主体に様々な市内のヴォランティア団体が協力して行われているこの「鎮魂竹宵の集い」は、東日本大震災に学ぶ地域の防災を考え、地域がこの様なイヴェントを通して一つになり、住民の防災に対する意識を高めるという意義ばかりではなく、毎年忘れずにみんながこの日に起こった出来事に思いを馳せる・・そのことこそ一番大切と思うのです。「何をして欲しいとかは何もない、唯一つだけ、決してこの日のことを忘れないでほしい・・風化させないでほしい・・」と訴える被災地の声を聞いたことがあります。
駅前の市民プラザでは、「自らの命は、自らが守る 自分たちのまちは、自分たちで守る」を大きなスローガンにして、防災と災害時の対処法を考える「防災講座」や「災害時に役立つ体験コーナー」などもあります。
「陸前高田主権物産市」では陸前高田の銘酒「酔仙」の販売や、特産ワカメを使った「ワカメ汁」の振る舞いもあります!陶芸作家による陶芸展「東北魂(陶芸作家・リン氏:台湾出身)」や、「鎮魂祈りのトランペット大演奏」は我孫子市在住の杉木峯夫氏(東京芸術大学名誉教授)率いる特別編成のトランペット演奏で、明日12日15時15分~です。
我孫子市民の手で作るチャリティイベントが、少しでも復興の力になれば、そして決して忘れてはいませんというメッセージが遠く東北に届きますように・・・・。さあ、これから私も出かけてみます!このイベントに賛同した市民団体や小学校・中学校・高校・大学等の楽器演奏や歌声を聴くのも楽しみです!♡♠♤
2017年3月5日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト傑作オペラ万華鏡・・・・♡♠♤
♪4月開講の海老澤敏先生のモーツァルト講座は、久しぶりにオペラを取り上げての講座で、題して「モーツァルトの傑作オペラ万華鏡」です。
「西洋音楽史上オペラ作曲家としてもモーツァルトはヴェルデイやヴァーグナーを凌いでひろく親しまれています。とりわけウィーン時代の作品は傑作と評判が高く、世界中の歌劇場の舞台で重要なレパートリー(常時上演演目)として人気を保っています。
今期はそうしたオペラを中心にピック・アップし、その見事な映像を鑑賞して頂くほか、後世の文学者や画家、あるいは映画監督などによるモーツァルトのオペラ賛歌をご紹介しながら古典派オペラ不朽の魅力をお楽しみ下さい。(講師・記)
ウィーン時代の傑作オペラである「魔笛」や「フィガロ」、「後宮」のオペラを広い見地からその魅力をお話されるのではと楽しみです。
2017年3月4日のモーツァルトハウス(東京)
オペラ「狂おしき真夏の一日」・・・・♡♠♤
♪三枝成彰氏の新作オペラ「狂おしき真夏の一日」の製作発表記者会見が行われたそうです。三枝氏にとっては8作目となるこのオペラは「フィガロの結婚」へのオマージュとのことで、湘南の別荘地を舞台となって展開する新しいオペラだそうです。
台本:林真理子、演出:秋元康、美術:千住博、指揮:大友直人、キャストは、佐藤しのぶ、小林沙羅、小川里美、ジョン・健・ヌッチオ、大山大輔、ほか。
2015年には野田秀樹演出の「フィガロの結婚」のスザンナ役で全国10都市14公演に好演して、出光賞の受賞が決まったばかりの旬のソプラノ歌手小林沙羅さんも出演されるこのオペラは、東京文化会館で10月27日、28日、29日、31日、演奏は新日本フィルです。「フィガロの結婚」へのオマージュというオペラ、さてどんなものでしょうか・・・。
2017年3月3日のモーツァルトハウス(東京)
出光賞おめでとう!・・・・♡♠♤
♪第27回出光音楽賞の受賞者が発表されました。
荒木奏美さん(オーボエ/23歳)
小林沙羅さん(ソプラノ/33歳)
反田恭平さん(ピアノ/22歳)
おめでとうございます!
2017年2月26日~3月3日のモーツァルトハウス
早春の光を浴びて・・・・♡♠♤
♪3/1日早朝には、気象用語では「海老の尻尾」と言われる樹氷が軽井沢近辺で見られました。自然が創り出す美しい世界にみとれましたが、寒の戻りはあるものの、軽井沢にも着実に春が訪れているのを感じます。
昨年暮れに開業したばかりの、佐久市の公共施設「平尾温泉・みはらしの湯」にも行ってみました。珍しい「炭酸風呂」があって、血行促進、美肌効果、ストレス解消の効果まであり、保湿性は普通の温泉の数倍もあるそうなので、いい温泉が近くにできて、嬉しいなと思いました。露天風呂からの眺望は絶景で、はるか八ヶ岳連峰まで見渡せる素晴らしさです。やっぱりここでの楽しみは温泉も外せません。
その前日には、CD録音で急遽来日中の小山裕機さんが軽井沢にもみえてくださり、地元のフルーティストの方のレッスンをしてくださり、楽しい時間を過ごしました。小山さんはフィンランド放送交響楽団の、モスクワ、サンクトペテルブルクなどへの1週間のロシアツァーを終えられたばかりだそうで、お元気にご活躍のご様子で、新年から濃いプログラムで日々精進していますとのこと。フルートは演奏の才能だけでなく、指導者としての才能もお持ちなのだなと、レッスンを脇で聴かせてもらいながら思いました。早春の光を浴びて素敵な時間を過ごさせてもらいました。
2017年2月24日のモーツァルトハウス(東京)
奇想天外!抱腹絶倒歌劇・・♡♠♤
♪ウィリアム・S・ギルバート台本のアーサー・サリヴァン作曲の日本を舞台にしたオペラがあります。1885年(明治18年)にロンドンで初演されました。日本ではあまり知られていませんが、「ミカド」というこのオペラ(英国式オペレッタ)は19世紀のイギリスを席捲し、いまも世界中で上演されている人気オペラなのだそうです。以前田辺秀樹先生がこのオペラを紹介してくださる会(2015年9月)に参加したことで、私はこのオペラの存在を知りました。
全国各地の優れた作品を各地の舞台創造団体との共演で上演する「新国立劇場地域招聘公演」の2017年度公演は、びわ湖ホールのこの「ミカド」を招聘して上演されます。
「ミカド」は当時ヨーロッパで流行したジャポニズムに触発された作品で、王子と可憐な町娘がニッポンを舞台に繰り広げる身分違いの恋愛喜劇で、歌手はかつらを付け着物姿で出演し、快活で楽しい音楽に満ち溢れた英国が誇る傑作オペラだそうですが、日本では殆ど上演されないので貴重な日本公演かも知れません。初演されたロンドンの「サヴォイ劇場」では、672回も上演し、当時の歌劇史上2番目の上演回数を誇るものだったそうで、更に現在もしばしば上演されているのですから人気の作品だったことが伺えます。
舞台を遠い日本にすることで、当時のイギリス社会への風刺の毒気を和らげる意味や、荒唐無稽さで内容も許容される狙いもあったというこのオペラは、英語圏だけではなくドイツ語圏でも人気で、台本のドイツ語訳を「こうもり」の台本作者なども行っているそうです。日本で知っている人はまれで、たまたまヨーロッパに出かけた時に観る機会があって知ったという人もいました。
指揮は園田隆一郎、演出は中村敬一、日本センチュリー交響楽団でオール日本人キャストです。8月26日(土)、27日(日)の2日間、新国立劇場での公演です。
モーツァルト作品についての研究はこの様にピリオドなく進められていて、いつの間にかモーツァルトの作品から外されてしまう運命の曲もあります。でもいい曲です。今回はこの曲をじっくりと聴き、楽しんできました。それにしても、きっとオーデンセ市では愛着があって今でも「モーツァルト氏の曲」として愛されているのではないでしょうか・・・。2006年ザルツでの「M22」で、この曲は取り上げられて演奏されています。春の息吹を感じる私の好きな曲です。♡♠♤
2017年2月20日~23日のモーツァルトハウス
光と雪と真っ青な空のハーモニー!・・♡♠♤
♪今年の軽井沢はとにかく寒い!雪は少ないながら気温は氷点下まで下がる極寒の冬だったとか。それでも2月も半ばを過ぎると、ようやく明るい陽射しに春の兆しを感じさせてくれます。雪解けも始まり道路も乾いて来ています。
そんな早春の軽井沢を久しぶりに訪ねてみました。滞在中は氷点下11度まで下がりしばれる朝もありました。「今朝の冷え込みは凄かったですね!」とご近所さんにお話ししたら、「何の何の!今年の冬の寒さはこんなものではなかったですよ~。今朝の冷え込みなんて可愛いものです!」とのこと。厳しかった寒さがしのばれるお言葉です!
2017年2月19日のモーツァルトハウス(東京)
260年+1の愉しみ!・・♡♠♤
♪ぶらあぼ3月号で、「オール・モーツァルト・プログラム」のコンサートを見つけましたが、「モーツァルト生誕260周年」とあったので、今年もこんなコンサート企画があるんですね。場所は、東京オペラシティコンサートホール、タケミツメモリアルで3月30日(木)19時開演です。曲目は、「フィガロの結婚」の序曲に「魔笛」と「ドン・ジョヴァンニ」からアリア集、交響曲第1番K16や第41番「ジュピター」とバラエティーに富んだものでなかなか魅力的です。
2017年も明けて早いものでもう2月も下旬に・・・いつの間にか冬から春を感じる気候になってきました。春一番も吹いて春の薫りさえ感じます。神戸では「フィガロ」公演もあり、音楽の旅もできそうですが、生誕260年+1の2017年はどんな年になるのでしょうか・・・♡♠♤
2017年2月15日のモーツァルトハウス(東京)
2度目のグラミー賞受賞の快挙!・・♡♠♤
♪ピアニストの内田光子さんがグラミー賞の「最優秀クラシック・ヴォーカル・アルバム(ソロ)」を受賞しました。ソプラノ歌手ドロテア・レシュマンと発表した歌曲アルバム「シューマン・リーダークライス、女の愛と生涯/ベルク:初期の七つの歌」での受賞で、日本人としては史上初・2度目の受賞という快挙です。
1回目の受賞は、クリーグラント管弦楽団とによるモーツァルトのピアノ協奏曲第23番&24番でした。♡♠♤
レシュマンは、モーツァルトのオペラではお馴染みでの歌手で、かつては「魔笛」のパミーナ役を演じていて好きなソプラノ歌手の一人。幅広い役柄を歌い「フィガロ」のスザンナや伯爵夫人、「コジ」ではフィオルディリージなどたくさんのオペラに出演しています。2006年のザルツでの「M22」の「フィガロ結婚」では、スザンナ役はネトレプコで、伯爵夫人はレシュマンでしたね。でも私にとってはやっぱりパミーナ役の印象が強いです。「最優秀クラシック・ヴォーカル・アルバム(ソロ)の受賞ですから、きっと歌手としては大きな喜びでしょうね。モーツァルトとも馴染のアーティストお二人の受賞で嬉しいです。おめでとうございます!
2017年2月13日のモーツァルトハウス(東京)
ノット指揮「ドン・ジョヴァンニ」・・♡♠♤
♪昨年好評を博した演奏会形式のジョナサン・ノット指揮の東京交響楽団 オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」に続き、待望の2017年は「ドン・ジョヴァンニ」が上演されます。そのキャストが発表されました。今年は12月10日(日)会場はミューザ川崎シンフォニーホールです。昨年のように池袋芸術劇場での公演があるかは、詳細が発表されるまで分りません。今年も期待される公演です。
2017年2月11日のモーツァルトハウス(東京)
まだまだ続く冒険の旅・・♡♠♤
♪おめでたいとお祝いする年齢ではなくなった誕生日ですが、しかしこの日にかこつけて大勢で集まって美味しいご馳走を食べ、ワイングラスを片手にワイワイ楽しむのも悪くはない・・。そんな風にして誕生日の夕げを楽しむことができました。集まった3組の夫婦の夫どもはともにこの日がお誕生日で、喜寿、古希、古希+1と、残された日数は果てしなくある訳ではないが、しかしこれからも楽しく、愉快な人生を送れたら最高!といった面々。冒険の旅ともいえる私の人生もまだ続きます。。。
2017年2月10日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト「家族の肖像」・・♡♠♤
♪平凡社新書から2016年秋に出版された「音楽で楽しむ名画」(加藤浩子著)は、音楽と絵画を結びつけた画期的なご本として話題を呼んでいます。音楽も好き、そして絵の鑑賞も大好き!という方には、是非読んで欲しいと思います。すこぶる楽しんで絵画の世界に音楽の切り口でもって入り込んでいく事ができます。
我らがモーツァルトは、第2章〈モーツァルトの「家族の肖像が」〉で登場させています。音楽家の肖像と家族の肖像の合体としての時代の先駆けともなったものだとか。
ハンドブックタイプなのでハンドバックにポイと入れて歩ける便利さがあり、電車の中でもどこでも開いて、好きな所から読める、最寄駅に着いてもページを閉じられない面白さがそこにあります。「真面目な章もあれば、人物のエピソードを中心にした章もあります。けれどもどの名画にも「音楽」という通奏低音が、さまざまな距離を取りながら鳴り響いています。それを発見するひそかな歓びを共に、そして名画と音楽の新しい魅力を発見してもらえたら・・・・。」という著者の術中にはまってしまう一冊です。
2017年2月7日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト未完の作品・・♡♠♤
♪モーツァルト生誕250年の2006年のザルツブルク音楽祭では、モーツァルトの生誕を記念して「M22」として、未完の作品を含む22の劇場作品を上演しました。今まで上演の機会もなく埋もれていた未完の作品や断片にまで光を当てたので、画期的なことだったし、ザルツブルク音楽祭の歴史に残るものだったのではと思います。1幕だけで終わっていたり、1幕も未完のままだったりと、私など聞いたこともないタイトルのオペラが何作品もあり、驚きです。
そんな未完の作品「カイロの駝鳥」と「騙された花婿」を上演したザルツブルク音楽祭のDVDを鑑賞する機会がありました。この作品は、モーツァルト27歳の1783年の時に作曲されたもので、7月にはコンスタンツェを連れて里帰りをした年でもありました。この2つの作品は序曲やフィナーレがあったりなかったり、第1幕のみで終わっていて第2幕以降はないもので、これらを作品として上演したことを考えると、さすがザルツブルク音楽祭ならではと改めて貴重であったと思います。
演劇界の女優さんが進行役で出演し、ダンサーが大勢舞台で踊る場面が盛り込まれ、二つの作品では同じ歌手が役を違って出演していたり、間に「夕べの想い」のメロディが流れたりと、様々なアレンジが施されたものでした。作曲の着手は「カイロ」の方が早いそうですが、1部は「騙された花婿」、2部が「カイロの駝鳥」でした。「フィガロ」や「ドン・ジョヴァンニ」、また「コジ」のメロディがふっと現れてきたりして、やはりそこはモーツァルト作品、味わいがありました。演出はヨアヒム・シュレーマー、オーケストラはカメラータ・ザルツブルク、指揮はミヒャエル・ホーフシュテッター。
(2月オペラ・サークル解説書参考)
2部は、後半にアン・マレイが歌う「夕べの想い」があり、これは絶唱ともいえるものでした。舞台はモーツァルトの「レクイエム」が最後に演奏されて終わるのですが、誰の筆も入らないまさにモーツァルトが書き残したスケッチのみの演奏で、かつて聴いたことも、演奏された記憶も私にはないものだったので、それはそれは感動的でした。
「ラクリモサ」は8小節で絶筆となっていて、スケッチ通り、声部とヴァイオリンとバスのみで演奏され、続く「アーメン」はモーツァルトはフーガにして作ろうと思って残していたスケッチそのものの18小節で、最後は消え入るように弱くテンポも落として終わる、何とも印象的な終わり方でした。まさにモーツァルトの息絶えた姿すら想像してしまうような・・。
こうして有意義な時間を過ごさせて頂きましたが、またこのような未完の舞台作品を紹介して貰える機会もあるそうなので、楽しみです。。
2017年2月5日のモーツァルトハウス(東京)
長くつらい労苦の結実・・♡♠♤
♪2月のモーツァルト協会の演奏会は、モーツァルトがハイドンに献呈した6曲の”ハイドンセット”に付けられた献辞の中の言葉がずばりタイトルでした。1773年夏の”ウィーン四重奏曲”のあと10年近く弦楽四重奏曲から遠ざかっていたモーツァルトでしたが、1782年12月31日の日付をもつK387からまたこの分野を再開し、6曲の弦楽四重奏曲の最後の2曲の完成は1785年1月で、モーツァルトとしては異例の長期間を要したことになります。やはり”長くつらい労苦の結実”だったのでしょうか。この日はハイドンセット”の中からK387とK421、その他共にモーツァルト16歳の若さで書いたK155とディヴェルティメントK138の4曲が演奏されました。
(参考:ハイドンへの献辞のはじまり「わが親しき友ハイドンに。広い世のなかに、自分の息子たちを送り出そうと決心した父親は、彼らを、幸運によって最良の友となった今日の最も名高いお人の庇護と指導にゆだねるべきものと考えました。高名なお人にして、わが最愛の友よ、ここに彼の6人の息子がおります。彼らは、まことに、長く、苦しい労苦の結実でありますが・・・・W.Aモーツァルト1785年9月1日」)
ちょうどウィーンを訪れていた父レオポルトは、1785年2月12日に行われたハイドンセット後半3曲の演奏会にも立ち会い、そこでハイドンから「誠実な人間として神にかけて申しますが、あなたの御子息は、私がじかにあるいは評判によって知っている作曲家の中で、最も偉大な作曲家です。・・・・」という賛美の言葉を贈られています。モーツァルトが尊敬する師ハイドンからの息子へのこの賛辞は、父親レオポルトにとってどんなに名誉極まりないものであったことでしょう。そんなエピソードなども思い浮かべながらこの日、ウエールズ弦楽四重奏団の演奏を楽しみました。
最後の曲の最終楽章でワンフレーズを残して拍手が起こり、つられた様に周りも拍手をしてしまう場面がありました。ひとしきりほんのわずかな時間でしたが、その拍手が収まった頃に残りを演奏し終わるというハプニングです。
何年か前にフィンランド放送交響楽団の来日公演でシベリウスチクルスを聴きに行った時に、指揮者からの希望として「曲が終わってもすぐの拍手はお控えください。指揮者がすっかり手を降ろしてからお願いします」と開演前にアナウンスがあったのですが、すぐの拍手は余韻を大切にしたい者にとっては興ざめであって、演奏する側にとっても同じで、むしろ演奏者にとっても終わった後の拍手までの”間”はとても大切な時間なのではないかとも感じました。
昨年の旅で、シュトゥットガルト・リーダーハレと、チューリッヒ・トーンハレで2回コンサートを体験しました。演奏が終わり、指揮者が指揮棒を下し、一呼吸置いたいい”間”で観客の拍手が起こり、そのタイミング特に意識されたものでもなくごく自然にできているのを感じて、さすがクラッシックの本場で長い歴史のなかで培って生まれて来たものと感じました。
時によってはですが”日本は拍手が早すぎるのでは・・”とは前から思っていたことで、例会終了後、感想などを語り合う席で、「この習慣は歌舞伎から来ているのだ」という説を唱える方がいましたが、それも一理あるのかと思いました。「成田屋!」「中村屋!」「音羽屋!」などと大向こうから声が上がるのは、歌舞伎の劇を盛り上げるためであって、この風習というものがクラシックの鑑賞の世界にも入ってきたのでしょうか。。。。
演奏後の拍手までの”間”も、クラシックが生まれた本場から学び取ることも大切で、抜きんでて早く拍手というのではなく、良い演奏を聴き、感動に震えその余韻を楽しんでおもむろに拍手する一連の行為は、とても大切なもののように思います。そこで、「ワッシのお願いは、”終わってすぐのハクシュはお控えなすって・・・”」。
この日の例会での教訓ですね。。
2017年2月1日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトを最も崇拝したベートーヴェン・・・♡♠♤
♪モーツァルト12歳のオペラ作品、「バスティアンとバスティエンヌ」(K50)のイントラーダ(導入部)と、ベートーヴェンの交響曲第3番〈エロイカ〉はそっくりです。主題が同じかたちを持つことで有名です。「バスティアンとバスティエンヌ」は1768年に作曲されたもの。1800年代に「エロイカ」を作曲したベートーヴェンはこの「バスティアンとバスティエンヌ」を知っていたのでしょうか。不思議な偶然、それとも必然でしょうか・・・。
ベートーヴェンがウィーンを訪問した時にモーツァルトに会ったという伝説がありますね。1787年4月にウィーンを訪れたベートーヴェンはモーツァルトに会い、モーツァルトの前でピアノを弾きベートーヴェンに次第に興味を惹かれたモーツァルトは、次の間にいる友人たちに向かって「彼に注目していたまえ、この男はいつか世間の評判となることだろう!」と言ったという。ベートーヴェン16歳、モーツァルト31歳の時のことです。
歴史上の大作曲家であるモーツァルトとベートーヴェンが会っているというこの伝説を、ベートーヴェン研究家は誰一人として否定する者はなく、モーツァルト側も同じで、きっぱりと否定的な説を唱えるものは今もっていないという。然し、この伝説、どちら側にもこれについて何一つとして記録は残されていない。
ベートーヴェンのウィーンの滞在は1787年4月7日から20日までの2週間。この期間モーツァルトは多忙を極めていた時期といいます。モーツァルト自身が書き残した記録に則っている「モーツァルト年譜」にもベートーヴェンのウィーン訪問、二人の出会いについての記述は全くなく、もしモーツァルトがこの年少の音楽家の才能に後世の伝記家が語るように、驚嘆し、絶賛を贈ったならば書き残していただろうし、モーツァルトは批判ばかりでなく、賛辞にも冗舌であったはず。ベートーヴェンがウィーンを訪れたという4月7日から20日までという期間も、記録上は確証がないのだそうで、わずかに20世紀前半の研究家によって推測されたものだそうですから、ますますベールに包まれていますね。
最晩年に至るまでモーツァルトの崇拝者としてあり続けたベートーヴェン。筆写を通じてモーツァルト作品を研究し、「魔笛」や「ドン・ジョヴァンニ」の主題による変奏曲などの作曲で、自作の多くにモーツァルト作品の痕跡を残しました。ピアノ協奏曲の第20番の両端楽章のカデンツァを作曲したことでも我々モーツァルトファンにも馴染の作曲家。
ウィーンでの二人の出会いは後世に「ベートーヴェン・ロマン」を生み出しました。しかしながらモーツァルトとベートーヴェンの”沈黙”は何を意味しているのだろうか。海老澤先生の著である《二つの沈黙 モーツァルトとベートーヴェンの1787年》(「ベートーヴェン全集」第1巻:講談社・1998年)の中での「ベートーヴェンはこのウィーン訪問で、実際にモーツァルトに会うことはなかった」という確固たる説に同意したくなりますが、真実は何処に・・・、二人の大作曲家がウィーンで出会い、ピアノを弾きながら何を語り合い、演奏し合ったかなど、今を生きる我々後世の人々には空想を巡らせること自体が大きなロマンなのかも知れません・・・。♡♠♤
「バスティアンとバスティエンヌ」(K50)と〈エロイカ〉の類似点も然りである。「バスティアンとバスティエンヌ」はウィーンで上演はされなかったし、まして他で演奏された形跡もない。また写譜で伝わったという証拠もないという事実。卓出した作曲家同志だからこそ生み出したこの世の奇跡なのだろうか。。。。
参考:「モーツァルト講座~モーツァルト門下最優等生ベートーヴェン」
2017年1月30日のモーツァルトハウス(東京)
2017年佐渡オペラは「フィガロの結婚」・・・・♡♠♤
♪兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで毎年7月に上演されるオペラの演目が発表されました。今年は「フィガロの結婚」。佐渡裕芸術監督プロデュースオペラです。7月14日(金)、15日(土)、16日(日)、17日(月・祝)、19日(水)、21日(金)、22日(土)、23日(日)の8回公演。ダブルキャストで、日本人歌手としてスザンナ役で中村恵理さんも出演します。
2017年1月29日のモーツァルトハウス(東京)
文化の薫漂う街、我孫子・・・・♡♠♤
♪我孫子に引っ越して早や3ケ月。引っ越し早々に海外ツァーに出かけ、軽井沢ではオペラの会などのイヴェントもあったので、我孫子に腰を押し付けたといった感じが未だなく過ごしています。あと2ケ月もするとまた引っ越しを控えているので、このままの気持ちでここを引っ越してしまうのか・・・。そんな思いを抱くこの頃でしたが、そんな中、1月29日(日)に我孫子駅南口徒歩1分の我孫子市の公共施設「けやきプラザ」内のふれあいホールで素敵なコンサートがありました。昨年夏に軽井沢モーツァルトハウスでモーツァルトの演奏会をしてくださった原佳大さんの「新春ピアノリサイタル」です。
演目は前半はオールモーツァルトで、主催者である「NPO法人ふれあい塾あびこ」からのリクエスト曲だとお聞きしました。休憩をはさんで後半はシューベルトとリストを2曲。レクチャーコンサートなので、一曲づつ曲解説があり勉強になりました。
我孫子には以前少し住んだことがあったのですが、いつの間にかこんなコンサートホールが駅前に出来ているのにも驚きました。かつては手賀沼の風光明媚さから、大正時代には白樺派の文人や知識人などが好んで住んだという場所ですから、芸術、文化を育む土壌が出来ていたのでしょうか。コンサート終了後の原先生のお話では、「NPO法人ふれあい塾あびこ」は充実した活動や人材からその分野では一目置かれた存在なのだとか。鰻屋さんの美味しいお店も多くあるのもいいですね。
手賀沼湖畔には、旧柳宗悦邸「三樹荘」があり、柳宗悦を「生涯の最高の友人」と評した英国人の陶芸家バーナード・リーチの登り窯がその西側の高台にありました。三樹荘の名前の由来は、庭に3本の椎の大木があることからで、樹齢400年の3本の椎の木が当時のまま残っています。隣の敷地は今は空き地になっていますが、嘉納治五郎別荘跡で、少し歩くと「白樺文学館」や大正4年(1915年)から同12年まで暮らした志賀直哉邸跡があります。ここで「城の崎にて」、「和解」、「小僧の神様」などの作品が生まれました。
手賀沼の風景と我孫子の人情を愛した稀代のジャーナリスト杉村楚人冠が、明治末から昭和初期まで暮らした家もあり、今は記念館になっています。東京朝日新聞時代に夏目漱石とは同僚でしたので、漱石没後100年記念企画展「楚人冠と漱石~新聞と文学」が10月8日~2017年1月9日まで開催されていました。我孫子にはこんな魅力もあり、手賀沼湖畔の歴史や文化巡りをして、美味しい鰻屋さんと日本酒で締めを・・といったコースもいいですね。
そんな街、我孫子での原先生のコンサートには、松戸にある聖徳大学の「モーツァルト講座」の方々もたくさんお見えになり、楽しい交流の場ともなりました。コンサートも素晴らしく、皆さんの笑顔が印象的な一日となりました。私たちにとっては我孫子在住の素敵な思い出の一頁となりました。
2017年1月28日のモーツァルトハウス(東京)
お誕生日コンサート「交差する2つのコンチェルト」・・・・♡♠♤
♪モーツァルトのお誕生日の1月27日には、モーツァルト協会主催のコンサートがありました。幻想曲2曲(ニ短調K397、ハ短調K475)と、協奏曲2曲(第19番ヘ長調K459、第24番ハ短調K491)の4曲で、第19番の協奏曲を除いては3曲とも短調の曲が並びました。どの曲もモーツァルトのウィーン時代の作品で、短調の曲は同じ短調でもそれぞれ異なった特徴を持ち、常に新たな境地を開くというモーツァルトの意欲溢れる作品でしたので、お誕生日に相応しい曲に思えました。当日は「大入り」の紙も貼られ、昨年3月例会のミシェル・ダルベルトさんの時を超える観客数だったそうで、新春初の華やかな賑わいを感じました。
ピアニストは福間洸太郎さんで、東京交響楽団メンバーによるアンサンブルとの共演でした。福間さんは直前の1月15日の「題名のない音楽会」にご出演していて「むずかしいピアノ曲を弾く音楽家たち」というタイトルだったので、番組では超絶技巧を披露し、司会役の五嶋龍さんとのお話も楽しく、例会で生の福間さんの演奏を聴くその日を心待ちにしていました。
あまり演奏の機会のない10番台の協奏曲である第19番や、第2楽章があまりにも美しくK466と並んで短調作品であるハ短調の第24番との2曲は、特にピアノ協奏曲好きな者にとってはたまらないものでした。同じハ短調K457のソナタとセットで演奏されることが多い幻想曲K475を、この演奏会では、K491のハ短調の協奏曲とセットされていたのも心憎いプログラムに思えました。K475とK491との関連性を追究した福間さんの独自のプログラム構成だったのでしょうか。K491のカデンツァは、福間さんご自身作曲のもので、K475とドン・ジョヴァンニの序奏部分からモチーフを挿入したのだそうです。
こうして2017年の例会が始まりました。来月3月にはウェールズ弦楽四重奏団の演奏で、ハイドンセットのニ短調の作品K421が演奏されるので、こちらも今から楽しみです。♡♠♤
2017年1月27日のモーツァルトハウス(東京)
お誕生日おめでとう!・・・・♡♠♤
♪モーツァルトさんの261回目のお誕生日です。生誕261年目の今年もモーツァルトの音楽をたくさん聴き幸せな毎日を送れますように・・・・
今年は沖縄の”ふくぎや”のバームクーヘンでお祝いです。沖縄の大地と海が育んだ選りすぐりの食材である黒糖、塩、蜂蜜、卵をふんだんに使い丁寧に焼き上げた手作りのバームクーヘンです。
「バウム」はドイツ語で「木の年輪」のこと。一層ずつ丹念に生地を焼き重ねていくと、歳月を積み重ねた年輪のように職人さんの真心も積まれています。真心が幾重にも詰まったバウムクーヘンはまさに「幸せを呼ぶバウム」・・・モーツァルトさんの音楽も同じです。音楽で幸せの輪が今年も広がって行きます。♡♠♤
2017年1月24日のモーツァルトハウス(東京)
世界を酔わせる天才音楽家・・・・♡♠♤
♪モーツァルトの261回目の誕生日の1月27日が近づいて来ました。ザルツブルクのモーツァルトの住家の修復から20年になるので今年は修復プロジェクトに多額の寄付金で大きな貢献をした第一生命保険(株)が、2017年5月にイベントを実施するそうです。(モーツァルト愛用の弦楽器のチャイルドヴァイオリンとザルツ期に愛用のコンサートヴァイオリン2挺の、ヴァイオリンのミニコンサートや、モーツァルトの自筆譜や絵画など貴重な品々の展示)
開催日程(予定):2017年5月3日(水・祝)~5月9日(火)
第一生命保険日比谷本社1F(5月3日~5月8日)&ミューザ川崎シンフォニーホール(5月9日(火)、一日限定のコンサート)
モーツァルトの生まれた町ザルツブルクは、モーツァルトファンにとっては想像を超えた魅力ある町、ザルツブルクの町を歩けばモーツァルトが生きた18世紀の風景に必ず会えます。モーツァルトの生家は、一家が1747年から73年までこの建物3階の3部屋に暮らしていました。1756年1月27日にモーツァルトが誕生した「出生の部屋」も残されています。
又第一生命が多額の寄付をして修復がなされたモーツァルトの住家は、新市街マカルト広場にあります。建物2階の8部屋に暮らし、モーツァルト自身はウィーンに移り住む1781年まで住んでいました。第二次世界大戦で破壊され無残な姿になっていたこの建物は1996年に再建され、それから20年が経過しました。
ザルツブルクにはこのほか、オペラ「魔笛」を作曲した「魔笛の小屋」がモーツァルテウム財団の中庭にあります。元々はウイーンにあったものをここに移設したのですが、「魔笛」の依頼主の興行師シカネーダがモーツァルトが作曲に専念できるよう小屋を用意しここに閉じ込めて魔笛を完成させました。普段は公開されていませんが、事前に頼んでおけば見せてもらえるので、モーツァルトが座った椅子や作曲した机にじかに触れることができます。そして夏には世界中が注目する音楽祭「ザルツブルク音楽祭」が開催されます。モーツァルト没後51年目にモーツァルトの像が建立され、それを祝して開催されたのが始まりで、現在のザルツブルク音楽祭へと発展しました。今年の開催は7月22日~8月31日です。全日程のプログラムが発表されました。今年は何と言ってもクルレンツイス指揮の「テイートの慈悲」でしょうか。
2017年1月19日のモーツァルトハウス(東京)
火曜ドラマ「カルテット」は軽井沢が舞台・・・・♡♠♤
♪2017年1月17日(火)からスタートしたTBS火曜ドラマ「カルテット」はそのタイトル通り、4人の弦楽器奏者が織りなすドラマで、軽井沢と東京が舞台なっています。その第一話では、旧軽井沢銀座通りのさらに北にある軽井沢会のテニスコート付近の別荘がメイン舞台となり、ここで4人が共同生活を営む設定で、ふんだんに見慣れた場所が出て来ました。
ロケは12月にあったようで、ライブレストラン「ノクターン」は軽井沢燻製工房で、18号線バイパス沿いにあるのでいつも車で通っている場所。いつも行く「ツルヤ軽井沢店」では4人が演奏するシーンの撮影場所にもなっています。その他「軽井沢タリアセン」の塩沢湖畔や、「「カインズホーム軽井沢店」や、旧軽井沢銀ブラ時にいつも利用する駐車場の通りの路上もロケ地になっていて、私たちが軽井沢に行っていない間にこんなことがあったんですね。冬の軽井沢の風景がたっぷりです。
実際の演奏を担当しているのは、「QUARTET PAPAS クァルテット パパス」で、2012年、桐朋学園大学の同期生で結成。制作発表で出演者4人が手にしている楽器は、弦楽器専門店「(株)日本ヴァイオリン」のもので、世界に1セットしかない幻の名器が実際に使われたそうですから本格的です。
いつも行く「ツルヤ軽井沢店」で4人が演奏するシーンの撮影があったので驚きましたが、これからもロケ地の大半は軽井沢になるそうですからドラマの展開と共に楽しみです。物語は音楽を愛する4人が偶然出会いカルテットを結成し、恋愛などを展開しながら進んでいくのだそうです。
2017年1月18日のモーツァルトハウス(東京)
累卵の如きモーツァルト真贋・・・・♡♠♤
♪モーツァルトの楽譜が発見されても、果たしてそれが本当にモーツァルトの作品なのか、世界中の研究者があらゆる角度から調査し、未だどちらにもならず未解決のままになっている作品もあり、真作・虚作・偽作、そして改作?もあるのだそうです。
そういう作品の中で、モーツァルトの交響曲「ランバッハ交響曲」はモーツァルトの作品から父レオポルトの作曲となり、いややはりヴォルフガンゴ・モーツァルトの曲に間違いないと結論付けられた、所謂〈モーツァルト交響曲とりかえばや物語〉としても有名な曲です。
この作品は今ではレオポルトの作品を「新ランバッハ交響曲」とし、モーツァルト作品は「旧ランバッハ交響曲KAnh221=K6 45a」と識別されて、ホグウッド指揮で、エンシェント室内管弦楽団演奏でCD発売されているのでどちらも聴くことができます。
モーツァルト一家は旅行の際に修道院などに泊めてもらうと、一宿一飯の恩義にお礼としてパート譜を寄贈したそうで、この曲も1768年にウィーンからリンツ経由の帰路の折、ベネディクト派の修道院に一家は泊まり、そのお礼として進呈したもので、当時聖職者たちはシンフォニーやセレナード、ディヴェルトメントといった世俗的な器楽曲の演奏も楽しんでいたそうですので、きっと彼らの手でモーツァルト親子の曲も演奏されていたのでしょう。
ランバッハの修道院で発見されたこの楽譜はその地名に因んで「ランバッハ交響曲」と呼ばれるようになりましたが、発見者はオーストリアの音楽学者フィッシャーで、1923年のことでした。その後1964年に、モーツァルト学者の娘で同じく音楽史研究家のアンナ・アマーリエ・アーベルト女史によって、ランバッハ修道院が父親レオポルトの名で所蔵している別の4楽章からなるト長調交響曲の作品の方がモーツァルト自身のもので、モーツァルトとされていたメヌエットなしの3楽章の方は父レオポルトという説を発表し、事態は一変したのです。(写譜家が父親と息子の名を誤って書き違えたとした)こうしてフィシャーが40年以上も前に紹介した3楽章の作品が「旧ランバッハ交響曲」でレオポルト作品となり、4楽章の作品が「新ランバッハ交響曲」でモーツァルト作品となりました。
ところがこのアーベルト女史の「とりかえばや物語」も1982年2月には更に新しい大転回をするのです。このランバッハ交響曲のパート譜一揃いが発見され、その表題には《シンフォニア、ヴァイオリン2、オーボエ2、ホルン2、ヴィオラとバス、ザルツブルクのヴォルフガンゴ・モーツァルト、ハーグにて、1766年》しかも、このタイトルの筆跡はレオポルト・モーツァルトのものであったので、これによって、1923年にランバッハ修道院で見つかった「旧ランバッハ」がやはりモーツァルトの真作であると認められるに至ったのです。そして、当初アインシュタインが推定した1768年初めにモーツァルトが作曲したのであれば、第3楽章は形式的に不自然であるというアーベルトが指摘した問題も、ハーグで1766年に作曲されたことで大旅行の折の〈ロンドン交響曲〉やオランダで作曲の〈交響曲第5番〉など3楽章という楽章の構成や形式などとの共通点があることから、その問題も氷解されたのです。
(「モーツァルト百面相~その謎解き~ 講師:海老澤敏 第7回講座より)
この楽譜はドイツのバイエルン地方の私人のコレクションの中からたまたま発見されたそうですが、一時は「写譜家が父と子の名前を書き間違えた」としてレオポルトの曲になったこともある3楽章からなる、今や正真正銘モーツァルト作曲の曲「旧ランバッハ」を聴くと、耳に慣れたモーツァルトらしさに溢れた素敵な曲で、気持ちが高揚して来るのを憶えます。食事と部屋を提供してくれたお礼とはいえ筆写譜を置き土産にしてきたモーツァルトとレオポルト、それだけでも夢のある素敵なドラマです。
背景にはモーツァルト研究家の壮大なドラマをも感じる〈とりかえばや物語〉の「新ランバッハ」と「旧ランバッハ」。その曲をまず自身の耳で聴き、じっくりとそのロマンを味わいたい・・・。きっと好きになります。。。♡♠♤
2017年1月16日のモーツァルトハウス(東京)
2016/2017ラインナップ発表!・・・・・♡♠♤・・♡♠♤
♪新国立劇場の来期のラインナップが2017年1月12日に発表されました。残念ながらモーツァルト物は1本もありません。これからの楽しみは、2017年4月20日(木)~4月29日(土・祝)の「フィガロの結婚」ですね。指揮はコンスタンティン・トリンクス、演出はお馴染みのアンドレアス・ホモキ、伯爵はピエトロ・スパニョーリ、伯爵夫人はアガ・ミコライで、フィガロ役は楽しみにしていたマルクス・ウエルヴァ(12月のノット指揮「コジ」のグリエルモ役)が降板したので残念です。伯爵はスパニョーリなのでこちらに期待して行こうと思いますが、演出は何度も再演している白い箱のもの。
一般発売日は1/14(土)でもう発売開始しています。このあと新国でのモーツアルトオペラがしばらくないのは寂しいですね・・・
軽井沢大賀ホールの「春の音楽祭」のラインナップも発表されていますが、こちらも残念ながらモーツァルトはどのプログラムにも入っていません。生誕260年を過ぎた今年はヒートダウンするのでしょうか。。。
2017年1月15日のモーツァルトハウス(東京)
知れば知るほど・・・・♡♠♤
♪ここの所、モーツァルト周辺の作曲家の作品を聴く機会が増えています。ひとつは同時代のオペラという事で、グルックという作曲家のオペラ「オルフェウスとエウリディーチェ」のDVD鑑賞、もうひとつは「モーツァルトが出会った音楽家たち」というタイトルの講演会で、モーツァルトが出会った作曲家とクラヴィーア作品に焦点をあてて、講師はピアニストの小倉貴久子さんです。
どちらも直接モーツァルトではないにしても様々な影響を与え、与えられた作品だったり、作曲家だったりするので、知れば知るほど興味が湧いてきました。小倉貴久子さんは、作曲家順にその作品をCDや、時には生のご自身の演奏で聴かせてくれ本当に中味の濃い、直ぐ一杯になってしまう脳みそを持ったものにはこぼれそうなほどの知識を得てしまい、大変でした。小倉さんの講演会は3回シリーズでこの日が最終回でしたが、今後も年一回位のペースでこれからも続くとのことで、楽しみです。
グルックのオペラ「オルフェウスとエウリディーチェ」は素晴らしい作品で、グルックをDVDでこうしてちゃんと聴いたのは初めてだったので、その美しい音楽に心が洗われました。
グルックとモーツァルトとのエピソードはいろいろあり、モーツァルト12歳の時、ウィーンで作曲したオペラ「フィンタ・センプリーチェ(見てくれの馬鹿娘)」は妨害に会い上演されないまま葬られてしまいましたが、その妨害にグルックも加担したといわれていたり、又そんなこともあったせいか、10年後の母とのパリ滞在の時には、グルックはウイーンからパリに住んでいたので、レオポルトは手紙で「グルックとは付き合わないように」といった忠告もしていました。1781年モーツァルトがウィーンに移り住んだ時には、グルックも前前年からパリからウィーンに戻っていて、既に67歳になっていて押しも押されぬ宮廷音楽家としての地位を築いていました。
ウィーンでは、新婚のモーツァルト夫妻を自宅の昼食に招いたこともあったそうですし、グルックのオペラ〈思いがけない巡り合い〉の「われら愚かな民の思うは」による10の変奏曲ト長調K455という作品をモーツァルトは残しているくらいですから、この頃は穏やかな付き合いになっていたということでしょうか。「イドメネオ」「後宮」「ドン・ジョヴァンニ」には、グルックの「アルチェステ」から引用の痕跡があるそうですから、同時代の作曲家というくくりでは、間違いなくモーツァルトに大きな影響を与えた作曲家といえます。
(1/10のオペラ・サークル、1/15の講演会の解説書参考)
「オルフェウスとエウリディーチェ」のあらすじは、オルフェオが妻エウリディーチェの突然の死を悼んでいる所に愛の神アモーレが現れて、冥界から妻を取り戻すことを許すが、地上に戻るまで決して妻の顔を見てはならぬ、それを破ると今度こそ永遠に妻を失うと約束させられる。連れ出すまでは上手くいくが途中どうして顔を見ない、抱きしめてくれないというエウリディーチェの不満は極に達し、オルフェオはとうとうアモーレとの約束を明かしてしまう・・・。オルフェオは妻のその怒り、不満にアリアで応える場面があるのですが、それを聴きながら、「魔笛」のパミーナのアリアを思い出していました。口を利かないタミーノにかなしみのあまり切々と歌うパミーナのアリアは「魔笛」の最も私の好きな所で、シングシュピールのオペラでありながら、この様な深刻ともいえるメロディを、突然入れて来る所こそ天才モーツァルトしかできないこと・・と思っている私は、このオルフェオとエウリディーチェのアリアをモーツァルトならどんなメロディに仕立てたのかと、心からそれを聴きたかったと思ったものでした。
観賞したDVDは、チェスキー・クロムロフ城のバロック劇場での映像でした。チェスキー・クロムロフはプラハから200キロ南に位置する世界遺産になっている場所。2012年の「モーツァルト週間」でウィーン~ザルツ~プラハの旅でチェスキー・クロムロフ訪れていたのでバロック劇場を懐かしく思い出しました。世界で現在に残る宮廷劇場の二つあるうちの一つだそうで、もう一つはスウェーデンのストックホルムのドロットニングホルム宮廷劇場で、ここで今年8月にはミンコフスキー指揮で「コジ」が上演されます。行ってみたいですね。。。♡♠♤
2017年1月9日のモーツァルトハウス(東京)
年の初めは・・・・♡♠♤
♪成人の日の今日は雨も上がってお出かけ日和となり初詣に行って来ました。湯島天神さんに初詣し、天神下の天ぷら天庄でお昼をして、みはしのクリームあんみつというのがここもう何年も続いている私の初詣コースです。今年はその後上野に回り国立西洋美術館での「クラーナハ展」も鑑賞してきました。ドイツルネッサンスの数々の絵画に触れ心もみたされ清々しい気持ちに。湯島天神さんには今年も幸せな一年でありますようにという願も届きますように。
2017年1月6日のモーツァルトハウス(東京)
森田耕一郎メモリアルコンサート・・♡♠♤
♪年明け最初のコンサートは東京文化会館小ホールでのコンサートでした。国際的なプロジェクトに参加し活躍していた国立天文台教授だった森田耕一郎氏が南米チリで悲劇の最期を遂げられてからはや4年半が過ぎたそうです。チリのアンデス山中の「アルマ望遠鏡」の建設プロジェクトの一員として重要な役割を担っていた最中で、ALMA完成直前の2012年5月7日の出来事でした。
森田氏はチリに赴く前は野辺山宇宙電波観測所でも活躍をされていて、ここの観測所でのお仲間にはクラシックを愛する方が多くいて、森田氏ご自身もそのお一人でヴァイオリンとヴィオラを弾かれ仲間との合奏も楽しまれていたそうです。後に森田夫人となる基子さんとはアマチュアオーケストラで知り合い、そこでバッハのブランデンブルク協奏曲第5番を華やかに独奏チェンバロを弾いたのが基子さんだったそうです。
世界の名だたる天文学者を集めたドリームチームに迎えられてチリに赴任した森田氏は水を得た魚のように活躍し、忙しいながらもチリのワインを楽しみながら音楽を楽しんでいたそうで、サンティアゴのアパートには日本から持参したヴィオラが残されていました。
私たちは森田夫人の基子さんとは野辺山近くに住む友人の紹介で出会い、ご縁があって軽井沢のモーツァルトハウスでピアノを弾いてもらうプチコンサートをさせてもらったことがありました。テノリトン(テノールとバリトン)を歌う山崎太郎氏とのジョイントコンサートでした。2014年のことですからもう足かけ3年前になってしまいます。
耕一郎さんは基子さんと結婚されてからも「基子の音は抜群だね」といって基子さんのピアノを愛していたそうで、この日基子さんの独奏でドビュッシーの〈水の反映〉と〈月の光〉の2曲演奏されましたが、耕一郎さんへの献曲でした。この日のプログラムは全て耕一郎さんの馴染の曲ばかりで、モーツァルトのディヴェルティメントK136は、かつてヴィオラのパートを耕一郎さんが受け持っていたものだそうで、また私が特に感動したのは、シューベルトの〈アルペッジョーネ・ソナタ〉イ短調で、耕一郎さんがヴィオラ、基子さんがピアノで共演されたお二人にとっては忘れられない思い出の曲です。シューベルトがアルペッジョーネという楽器のために作曲したものですが、ほとんど普及することのないままに消えた楽器で、この曲が消えてしまうのを惜しんでチェロやヴィオラ用の譜面が作られた曲なのだそうですが、お二人にピッタリなチャーミングなステキな曲でした。お二人を結びつけた正に縁結びの曲で、お二人での演奏で聴きたかったと心底思い涙が溢れました。
最後はシューベルトのピアノ五重奏曲〈ます〉を演奏して幕を下ろしましたが、悲惨な事件に巻き込まれての突然の死から今日まで、残されたお子さんお二人と森田夫人の基子さんはたくさんの心優しい、篤い思いに支えられ、励まされて来たといいます。そのたくさんの方たちの思いが込められたメモリアルコンサートでした。
基子さんのピアノの音色は温かく私達を包み込み、天上の耕一郎さんもきっと聴き入っていたことでしょう。
2017年1月5日のモーツァルトハウス(東京)
明けましておめでとうございます!・・♡♠♤
♪連日穏やかなお天気に恵まれて良いお正月でした。今年もいろいろな事に、いろんな人に感謝して一日一日を大切にして過ごしていきたいです。世界情勢、また国内も今年は大きな変動の年になるかも知れないというのが大方の予想ですが、私たちはいつも通りに地に足を付けて毎日をしっかりと生きていくことが大事かなと思います。時にはモーツァルトに癒され勇気を貰いながら・・・。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
2016年12月30日のモーツァルトハウス(東京)
どうぞ良いお年を!・・♡♠♤
♪今年も色いろな事がありました。楽しいことも、悲しいことも、そして決して忘れられない位感激したことも。友との再会、懐かしい恩師との再会、大変だったけどやり遂げて嬉しかったことも。色々な人にも助けられました。有り難かったことも山ほど。モーツァルトを語りながら時を忘れてお酒を飲んではしゃいだことがやっぱり一番楽しかった時間かな。でもコンサートやオペラなど素晴らしい舞台で感激したこともたくさん。生だけではありません、METのライブビューイングでも感激したっけ。そして何と言っても久しぶりだった行ってよかった海外旅行。
モーツァルト生誕260年だった今年、講座面でも充実していました。1月27日のモーツァルトの誕生日の海老澤先生の「モーツァルト天才の魅力」から始まった「シリーズ・モーツァルト生誕260年」は、講師のリレーでは礒山雅先生がトリを務められ、28日開催の「生誕260年 モーツァルト最後の4年」で見事1年間のシリーズを終えました。暮れも押し迫っているのに、70人を超える受講生が集まり、モーツァルト最後の4年のお話に耳を傾けました。私たちにとっても今年最後の講座となりました。
モーツァルトの晩年は決してみじめなものではなく、人気の衰えも、貧乏でも、まして制作に翳りがあった等という事はない。お金に困ったのも、収入以上に贅沢をし尽くした結果、作曲も三大交響曲を書くなど充実し、また新たな音楽への試みさえ見られ、精神面でも充溢して晩年の3年間は高収入が続いていた。
クリストフ・ヴォルフ氏の「モーツァルト 最後の四年」の訳者として、従来の解釈を変える新説に至った要点を、分かり易く説得力のある内容でお話してくださいました。先生のお話にはホッとする部分があって、もやもやが晴れたあとの爽快感さえあり、心も軽く教室を出ました。帰りは私だけではなく気持ちはみんな同じだったらしく、「こんなお話で明るい気持ちになった」「気分が軽くなったわ」「来てよかったね」などと、感想を言い合って笑顔で別れました。モーツァルトを愛する者の気持ちはみんな同じ。
残すところ今年もあと2日、今年の聴き納めは、礒山先生の講座で聴いた最期の三大交響曲で決まりです、心酔して3曲をフルに何度も聴きながら今年は終わりです。(1791年作曲のピアン協奏曲第27番K595も最後の年のモーツァルトの好調を意味するものとして重要な曲です)
交響曲3曲は、3曲通して聴き慣れてしまうと、1曲だけだどどこか物足りない。。39番から始まり、41番のジュピターの最終楽章で完結するという通説にも頷けます。
拙いHP「軽井沢モーツァルトハウス」に偶然にも入り込んでしまった方や、いつも開いてくださっている方々に心から感謝して、今年の「軽井沢モーツァルトハウス」は今日で終わりとします。
2017年が明るい喜びに充ちた一年になりますように・・・皆さまの御健康とご多幸をお祈り申し上げます。また来年いつかどこかでお目にかかれるのを楽しみにして。どうぞ良いお年をお迎えください!
2016年12月25日のモーツァルトハウス(東京)
メリークリスマス・・♡♠♤
♪今日はクリスマス、今回の旅では音楽から離れて、全く予想だにしなかった本場のクリスマスマーケットも体験できました。クリスマスまでのほぼ1ケ月間クリスマスマーケットは開催されるのです。ドイツのシュトゥットガルトは11月23日が開催初日で、またフランス北東部、ドイツとの国境に位置するアルザス地方のストラスプールやコルマールでもちょうど初日を迎えていてこれ等の町がツァーの行程に盛り込まれていてラッキーだったと思います。
アルザス地方はぶどう畑が続くワイン街道でも有名ですが、冬はクリスマス一色に彩られることでも有名な所。まさにクリスマスの町なのです。ドイツ文化に大きな影響を与え、またフランス国内でも独自の文化が育まれた場所です。両国のワイン文化を享受した、個性豊かでピュアなアルザスワインは世界の人々に愛されていますね。ここではドイツに近いと言ってもフランスということで赤ワインもおいしく楽しむことができました。
パステルカラーの木組みの家が建ち並び、伝統的な古い町並みが残り、「絵本から抜け出てきたおとぎの国」と例えられ、まさにそこはメルヘンチックな世界。そして世界遺産に登録されている町ストラスプールのクリスマスマーケットはフランス国内最古のものだそうで、クリスマスシーズンは宿の予約が難しいくらい多くの観光客が集まるのだそうです。マーケットにはアルザス地方の工芸品や伝統菓子等が並び飾り付けも素敵です。サン・トマ教会という12世紀に建設されたゴシック建築の教会にはモーツァルトが弾いたというオルガンが置いてありました。
ワイン街道をストラスプールから南下すること70キロの町コルマールは、ドイツ・ルネッサンスの代表的な画家グリューネルヴァルト(1470?~1528年)の祭壇画があることでも知られる町で、ウインターリンデン美術館にわざわざこれを見にを訪れる人もいるという。第二次大戦の激戦地でありながら、コルマールは奇跡的に戦禍を免れたため、木組みの家の街並みや石畳の道など中世からルネッサンにかけての面影が色濃く残っています。ここからスイスの国境まではすぐで、スイスのバーゼルを通り、私たちは旅の最後の目的地チューリッヒに向かったのです。
華やかに美しくイルミネーションが灯り、大勢の人がヴァン・ショウ[仏語](ホットワイン)を片手にクリスマスの夜を楽しんでいる光景が目に浮かぶようです。♡♠♤
2016年12月23日のモーツァルトハウス(東京)
ベーズレへの手紙をしたためた町・カイスハイム・♡♠♤
♪当時はカイザースハイムと呼ばれていたカイスハイムという町も今回訪れました。ミュンヘンからアウクスブルクにまず行き、それからカイスハイムに向かいました。カイスハイムはモーツァルトが1778年にマンハイム・パリ旅行の帰りに寄った町で10日間ほど滞在しています。モーツァルト22歳のことです。
マンハイムからモーツァルトは、カイスハイムのシトー派の修道院の修道院長と同行していて、モーツァルトはこの修道院に滞在しました。現在は刑務所になっている建物です。修道院が刑務所になっているなんて、何とも奇妙な感じで、中を見学したのですが、ある建物の一部から「ここから先は刑務所で、今も実際に使われています」との説明を受けましたが、天国と地獄が同居のような印象をもちました。
レオポルトの手紙によるとこの修道院長なるアンゲルスブルッガー二世はアウクスブルク生まれで〈名演奏家たちの大愛好家〉と紹介されている人物です。モーツァルトにこの修道院は外観上はたいした印象を与えなかったようです。(海老澤先生著の「モーツァルトの生涯」によればクレムスミュンスターのごとき大修道院を知っているからではとのご指摘です)
この町に滞在中にモーツァルトはアウクスブルクに住むベーズレに短い手紙を書いています。これから自分が向かうミュンヘンに会いに来て欲しいと懇願する手紙です。ミュンヘンにはかつて思いを寄せたアロイジアがマンハイムから移り住んでいました。結局モーツァルトはミュンヘンでアロイジアへの求愛は実らず失恋に終わり、ミュンヘンに来ていたベーズレと共にザルツブルクに戻ることになるのです。足かけ3年にものぼったモーツァルトの旅行、マンハイム・パリ旅行は終わりを告げました。
また、カイスハイムは、パリでモーツァルトが版刻させていた6曲のヴァイオリン・ソナタ(K301、302、303、304、305、306)の印刷譜が、ここカイスハイムに送られて来たという事実も残されている場所でもあります。この楽譜を携えてモーツァルトはミュンヘン入りし、選帝侯妃にこの楽譜集を捧げました。
アウクスブルク~カイスハイムと周ったミュンヘンからの日帰りツァーは、ミュンヘンから同行したベテランのガイドさんでも、「長い間ガイドをしていますが、こうしてカイスハイムを案内するのは初めて。。」とのことで、この地まで足を延ばす観光客はないということでしょうか。そう考えると又は期待できない本当に貴重な体験であったと改めて思います。
マンハイムからの帰りモーツァルトはどんな思いでこの地に立ち、これからのことをどう思って過ごしたのか、またベーズレへの手紙に込めた思いとは・・等に思いを巡らせてしまいますが、小さな美しい、そして修道院と刑務所のあるカイスハイムをいまでも懐かしく想いだします。
その夜、キュヴィリエ劇場での「コジ」を控え、渋滞に合わない様にと祈りながら後にした町、カイスハイム・・・この日のモーツァルトに、あなたはウィーンで大成功を収めるのですと伝えたい・・今でも世界中の人々に愛されているのですとも・・・♡♠♤
2016年12月22日のモーツァルトハウス(東京)
今年もあと僅か・・・・♡♠♤
♪モーツァルト生誕260年、そして個人的には軽井沢モーツァルトハウス10周年の記念の年であった2016年もあと残すところ僅か。お蔭様で260年の記念に彩られた印象深い中身の濃い一年になりました。海外旅行にも久しぶりに参加し、生誕260年記念の数々の感動的な体験も出来ました。元気で日々過ごすことができ、充実した思い出深い年になって良かったなと思います。
今回参加したモーツァルトツァーは、昼間は精力的にモーツァルトの足跡を訪ね歩き、夜はコンサートやオペラ観賞、また宿泊地は4ケ所あり移動日もあって、大変充実した旅ではあったものの、肉体的には正直結構過酷な旅でもありました。旅行中は精神的な楽しさと数々の感動で肉体的な疲れをすっかり忘れて行動していましたが、帰ってからは、疲れがどっと出てしまい風邪をひいたりと大変でしたが、それもまた今となっては思い出です。今回の旅は80歳を超える方が何人も参加されていて、そのお元気さには驚かされ、我々もこれではいけないと元気をもらった思いがします。とにかく楽しい思い出満載の旅で、行ってよかったと心から思います。あまりに素晴らしかったので、もう今回の旅をもって海外旅行の締めにしてもいいと思えるほどでしたが・・・。そうはいってもそれもそのうちウズウズと、また行きたい虫が起きてくるのでしょうか。
夢にまで見た有名歌劇場でのオペラ鑑賞やコンサート体験はもちろんのこと、今回の旅の収穫はモーツァルトゆかりの土地を訪ねることができたことでも大きな満足感となっています。毎日毎日が観光だけに終わらず、常にモーツァルトを感じ、意識して過ごしている感触・・・。(こういう感覚は既成のツァーではそうはない)。父レオポルトの生誕地アウクスブルク、そしてカイスハイム、ルートヴィヒスブルク、また南仏のストラスプール、またチューリッヒなどがそれで、モーツァルトが宿泊した修道院が残っていたり、食事をしたレストラン、オルガンを弾いたと言われる教会といった、何年何月に誰と一緒かなど資料として残っているので、ヨーロッパ中を巡っていたモーツァルトやモーツァルト一家に思いを馳せ、残された手紙の文面から読み取るだけだったその風景が、その地に自分が立つことで鮮明になり、肌で感じたその感動は旅行から帰って何日も経った今でも失せることなく続いています。
レオポルト生誕の地アウクスブルクに、モーツァルトは3回訪れていて、最初はモーツァルト一家のパリ、ロンドン旅行の際の1763年6月22日~7月6日まで(14日間、モーツァルト7歳)、母とのパリ・マンハイム旅行が2回目で、1777年10月11日~10月28日まで(15日間滞在、モーツァルト21歳)、そして、1781年には「イドメネオ」の初演で滞在していたミュンヘンから父レオポルトと共に、3月7日~10日まで訪れました。
アウクスブルクは、従妹ベーズレとの出会いの場所でもあります。21歳のモーツァルトは19歳のベーズレと父の生まれ故郷で知り合い、楽しい時を過ごしました。ここからパリ・マンハイムへ向かわなければならなかったモーツァルトにとってこの地を去る時はベーズレと悲しい別れがあったのです。その先で交わされたのがのちに有名となるベーズレ書簡ですね。そういえばアウクスブルクはコンスタンツェの面影はなく、ベーズレ嬢がここでは主役でした。ここアウクスブルクはレオポルトトとベーズレと、モーツァルトの町なのです。。
夜は国が直営するビアホール「ホーフブロイハウス」へ。体育館ほどの広いレストランではバンド演奏も行われています。大きなビールジョッキ、ミュンヘンではやっぱりこれで乾杯!
2016年12月16日のモーツァルトハウス(東京)
《比類なき芸術の極み》12月例会・♡♠♤
♪日本モーツァルト協会の12月例会はラ・ルーチェ弦楽八重奏団による演奏会。曲目は弦楽五重奏変ホ長調K614、ハ短調K406、ハ長調K515の3曲でどれもモーツァルトの名曲揃い。年末今年最後の例会に相応しい聴きごたえのある重厚な曲を楽しみました。2013年に結成されたラ・ルーチェ弦楽八重奏団は東京芸術大学、桐朋学園大学で学ぶ8人によって形成され、それぞれが国内外のコンクールでの受賞歴をもつ若手演奏家。まさに未来を感じる精鋭たちで、コンセプトは”今だからできる音楽を楽しむ。”
K406、K515の演奏の第一ヴァイオリンを務めたのは今まで個人的にも注目してきた大江馨さんで、個性豊かなK406の短調の曲やK515というモーツァルトファンにとって耳たこののような名曲を見事ともいえるリードと感性で素晴らしいモーツァルトの世界を披露してくれひときわ絶賛を浴びていたように思います。日本音楽コンクールで優勝以後、慶應義塾大学に在学しながら桐朋学園大学で研鑽をつみ、また海外への留学などもし、より音楽の世界が広く、深くなったのでしょう。何よりもたゆまぬご努力の結果と思いますが、モーツァルトへの真摯な姿勢をも、こうして聴く人の心を打つのかも知れません。大江さんのお誕生日は1月27日でモーツァルトと同じで、自身モーツァルトのことを「常に私にとって最も思い入れのある作曲家です」と、この日のプログラムにも書いています。。
本当に素晴らしい演奏会で今年を締めることができました。若いメンバー「ラ・ルーチエ弦楽八重奏団」による、”いまの私達だからこそできるモーツァルトの音楽”を充分堪能できました。いつの日かまたこんな風に聴かせて貰える日があることを楽しみに~。大江さん始め皆様のこれからのご活躍が楽しみです。♡♠♤
2016年12月15日のモーツァルトハウス(東京)
譜面台に残された楽譜とは・♡♠♤
♪ピアニストの中村紘子さんが天国に旅立たれたのが今年7月26日のこと。中村紘子さんゆかりの演奏家が集まりメモリアルコンサートが開催されました。海野義雄(ヴァイオリン)、堤剛(チェロ)や浜松国際ピアノアカデミーから羽ばたいた上原彩子、河村尚子、また横山幸雄、漆原啓子らも出演し、個人の思い出の詰まった名曲の数々が奏でられ、中村さんを偲んだそうです。(12月11日(日)午後2時:サントリーホール)
故人が亡くなった時にピアノの譜面台に置かれていたのがモーツァルトのピアノソナタK310だったそうです。華やかな演奏活動の中で、ショパン、チャイコフスキー、ラフマニノフの名曲が中心的なレパートリーであった中村紘子さんでしたが、主を失った自宅のピアノに残されていた楽譜はモーツァルトのK310だった・・・印象的です。やはりモーツァルトだったのか・・・。そのモーツァルトのK310もこの日上原彩子さんにより演奏されたそうです。。。。
2016年12月15日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトを愛す・・・「家庭画報1月号」・♡♠♤
♪何気なく出かけたショッピングで思わぬ雑誌を発見してしまいました。その雑誌は「家庭画報1月号」で、《生誕260年、世界を酔わせる天才作曲家 モーツァルトを愛す》という特集記事が載っています。おまけに、モーツァルト名曲全17曲のCD付です。
全30ページにも及ぶ特集記事も、内容はさておき、ザルツなどの写真が綺麗でファン心理がくすぐられます。本屋さんでは立ち読み不可なので、(ゴムバンドがかかって開かず)、ちょっとだけここで写真を披露します。
付録のCDはいわゆるいいとこどりですが、「フルートとハープのための協奏曲」の演奏は、ジャン・ピエール・ランパル(フルート)、リリー・ラスキーヌ(ハープ)でパイヤール指揮によるパイヤール室内管弦楽団のもので、名盤ですね。オペラの「フィガロ」「コジ」「ドン・ジョヴァンニ」などもムーティ指揮、ウイーン国立管弦楽団などで、「コジ」では私の好きな第1幕のフェルランドのアリアも入っていて、収録時間77分のCDも満足いくもの。お値段は特別価格、1400円です。
それにしても、2017年1月号が、どうして《生誕260年・・・・》なのかな?世界文化社から新春特大号で、只今発売中です!
2016年12月14日のモーツァルトハウス(東京)
ノット指揮「コジ・ファン・トゥッテ」の余韻・・・・♡♠♤
♪11日に観たノット指揮、都響、コンサート形式の「コジ」が素晴らしかったのでその公演の余韻にまだ浸っています。コンサート形式だった故か、音楽がより鮮明に心に鳴り響いたせいもあるかも知れません。普段はカットされる第2幕のフェルランドのあまり聴く機会のなかったアリアを聴けたのも貴重だったし、台詞もレチタティーヴォもカットなしでたっぷりと聴かせてくれました。これでS席が12000円はお得です。
今回出演の歌手は全員外国人で、しかもザルツなどの大舞台で歌っているトーマス・アレン、マルクス・ウェルバなどで、唯一残念だったのが、スウェーデン生まれの私の好きなミア・パーションが病気のため降板したことでしたが、がっかりすることなく歌手陣は遜色なく素晴らしかった。演出に縛られることがない分自由に動き回り、伸び伸びと聴衆の方に歌いかけていてこちらも観ていて聴いていて楽しかった。凄いキャリアの持ち主の歌手陣なので、演技もやり慣れているから細かい指示など不要なのかも知れません。(いくら自由にとはいても、やはりまとめ役はアレンにお願いしたそうですが、リハーサルもスムーズで短時間で終わってしまったそうな)
又この「コジ」はソリストはわずか6人の物語。登場人物が少ないし、合唱も小さな編成なのでコンサート形式に向く作品なのだそうです。そういえばわずか800席にも満たないキュヴィエリ劇場でこの「コジ」を観て来ましたが、今思い出すとあの劇場にピッタリのオペラだったという感じがします。
この公演を観終わった聴衆の感想には、「変な演出でがっかりするよりよほどマシ」といった声も多かったのではと思いますが、舞台装置がないだけでそれなりの演出はあったように思いますが、元にすっかり戻れたカップルと、何となく空々しいカップルと、どうしたらいいのか我々聴衆に答えを求めるような終わり方・・・ノットさんの言葉を借りれば「《コジ》には答えがない。だからヒューマンなんです!」ということになります。
モーツァルトの音楽は今までのようにただ崇高なものと讃えられるだけの音楽ではなく、血も涙もあるそんな人間の心理を、美しい音楽で表現しきった作曲家モーツァルト。コンサート形式という手段を使い、歌手が楽器と対話できるような、そしてお客様に歌いかけられるような形でと、今回の「コジ」の舞台は実現しました。素晴らしい舞台でした。
下の写真は、美しいきらびやかなロココ調のキュヴィリエ劇場での現代ものの「コジ」で、2016.11.23に鑑賞したもの。
2016年12月11日のモーツァルトハウス(東京)
満足度200%!ノット指揮「コジ・ファン・トゥッテ」・・・・♡♠♤
♪この日池袋芸術劇場での「コジ」は素晴らしかった。コンサート形式なので、歌手の歌に集中して堪能でき、オケが舞台上なので、オーケストラピットに入っているより音楽への臨場感があり音楽がよくわかると言ったメリット、またコスパも良く、この値段でこの内容!という程の大満足感。横になって歌ったり、転げまわったり、また台の上に上がったり下がったりしながら歌うという演出を観ることが続いていたので、すっきりと立って客席にきちんと向かい合って歌手が歌う、当たり前のことが逆に新鮮で、コンサート形式というのはいいな~と認識を新たにしました。
休憩中にお会いした加藤先生のお話では、つい直近だと北とぴあでの寺門氏指揮の「ドン・ジョヴァンニ」もそういう意味ではコンサート形式で(演出も寺門氏)とても良かったそうで、私たちは丁度旅行中でしたので観ていませんが、チケット代もコンサート並みで安いのも有り難いですね。(先月のウイーン歌劇場のムーテイが6万円を超えるのと比較したら、ウィーンがいくらいいと言っってもね・・・・)
モーツァルトの音楽は、ただ綺麗、美しいとだけ評価していては他がみえてこない、血も涙もある人間的な音楽なのだと語るジョナサン・ノット。この日の指揮者であり、ハンマーフリューゲルも担当しました。「客席と舞台が一体化する特別な体験ー」とコンサート形式を位置づけ、ミューザ川崎の空間がこういうコンサート形式のオペラにピッタリと惚れ込んで、会場は決まったのだとか。
その9日の川崎での公演は空席が目立ったという情報も入っていたので、心配していましたが、11日の芸劇での公演はほとんど空席はなく、圧倒的な人気の内に終わり、カーテンコールでは万雷の拍手で、それも鳴りやまず、本当に近年稀にみる興奮の舞台体験となりました。
オペラは指揮者と言うけれど、オペラで何より大事なのは音楽(最近は演出家が前面に出て目立ち過ぎ)、その音楽を巧みに操り、おまけにハンマーフリューゲルまで自ら弾き、オーケストラと一丸となったジョナサン・ノット氏は素晴らしかった。オケと歌手が対話しているかのようで、まさにこれがモーツァルト!これからダ・ポンテ三部作をと意欲を見せているので、本当に今後も楽しみです。何故「コジ」を一番最初に選んだかの質問には、「コジ」が一番難しいからだそうで、この上演で「コジ」を好きになってくれたら、後の2作には必ずいらしてくれるし、成功するに違いないと。(この日のプログラムノートは加藤浩子先生)
モーツァルトのオペラのどれが一番かは、最後に観たものが一番という人もいますが、昨日の「コジ」の魅力はそれだけではなく、フェッランドとフィオルディリージの二重奏も本当に素晴らしかった、オーボエが静かに奏で始め、フィオルディリージがとうとう陥落する場面では必ず涙するという男性を私は知っているので、その方をお見かけしたので、昨日もきっと涙したに違いありません。大粒の涙が溢れたかも知れません。私はツァーから帰って来たばかりですが、メトの「ドン・ジョヴァンニ」といい、昨日の「コジ」といい、日本でも感動の日が続いています。♡♠♤
2016年12月10日のモーツァルトハウス(東京)
Koechel Numbers and the Age of Mozart・・・・♡♠♤
♪モーツァルトが作品を書いた年齢を推測する公式があるのをご存知でしょうか。ケッヘル番号÷25+10=作曲時のモーツァルトの年齢 。これに当てはめると、アイネ・クライネ・ナハトムジークのK525は、525÷25+10=31、すなわちモーツァルトが31歳の時の作品。こうしてやってみるとほとんどが不思議と当たっているのです。10歳からは平均して1年間に25曲を作っていたからこの数式が成り立つのでしょうか、不思議です。そして初めに考え付いた人はすごいと思います。
この数式、誰が初めに気がついたのか?気になりますね。音楽学者のニール・ザスラウという人という説もあるのですが、海老澤先生の講座では、先生はニール・ザスラウご本人から、「授業を受けていた大学院生が言っていた」と教えられたのだとか。またネット上では、コリン・フォックスという教授の名前も出て来るとか。(ニュージーランドやオーストラリアで教鞭をとっていた人物)
海老澤先生の講座で、「モーツァルト標題曲一覧」というものも頂きました。ジャンル別に標題が載っていて、「協奏曲」のジャンルのヴァイオリン協奏曲第4番K218には、《シュトラスブルガー》という標題が付くのだそうです。ストラスブール(フランス語読み)で流行っていたものをモーツァルトが取り入れて作曲したのだそうです。3番もちょっとその傾向があるそうですが、ストラスブールといえば今回の旅で訪れ、一泊した場所でもあります。
今回の旅と密接な関係の曲だったことを知り、ついちょっと前に観て来た美しい南仏アルザス地方のこの町の風景を思い出しながら今度この曲を聴いてみます。。♡♠♤
2016年12月6日のモーツァルトハウス(東京)
素晴らしきかな!MET「ドン・ジョヴァンニ」♪♪♪・・・・♡♠♤
♪モーツァルトさんの命日の翌日はMETライブビューイングで「ドン・ジョヴァンニ」を観ました。どの歌手もそれぞれ素晴らしく、演出も特別変わったところもなく、ルイージの指揮も見事なもので、文句のつけようのない満足いく「ドン・ジョヴァンニ」でした。最近はこうしてライブビューイングを観る限り、ガッカリさせられることはあまりなく、「安心して観ることができるね!」というのが大方の観客の感想の様です。さすがメトですね。
ドン・ジョヴァンニのキーリンサイドは幕間のインタヴューで長々と持論を展開して知的な面を覗かせていて面白かった。他の出演者もキャラクターもよさそうで、次回はレポレロ役だというマゼットも大柄でうまかったし、いつも存在感のないオッターヴィオが、今回は力強く、頼りがいのある貴族になっていて、私だけではなく他の方からの感想でも良かったと好評でした。
私はやっぱり、ドンジョヴァンニ役は、ダルカンジェロか、クヴィエチェンが好きですね。数年前は世界一のドンジョヴァンニ歌いと称されたクヴィエチェンが今回のツァーで、バイエルン国立歌劇場では「フィガロ」で伯爵を演じましたが、本当に素晴らしかった。「フィガロ」の伯爵のアリアの方がドン・ジョヴァンニ役のアリアより聴きごたえがあり、すっかりまいってしまいました。あ~、もういちど聴きたい!!
「フィガロ」は喜劇ではあるけれど、ポネルの演出にしても終始笑いを取って観衆を沸かせると言ったものではない様に思いますが、今回バイエルン歌劇場で観た「フィガロ」はコメディタッチでどの歌手もその辺のコミカルな演技が上手く、乗っていて、伯爵夫人のダムラウも伯爵役のクヴィエチェンも滑稽で、地元の観客も大笑いで反応し、広く大衆に愛されているオペラというものに接したような気がしました。とにかく楽しい舞台でした。
ロイヤルオペラのライブビューイングでは、「コジ・ファン・トゥッテ」が上映されます。(12/9から、TOHOシネマズ日本橋などで上映))こちらは有名スターは出ていないようですが、若手で高水準、設定を現代に替えた演出ながら見応えのあるものになっているそうです。(試写をご覧になった加藤先生の評)「コジ」は時代を超えて現代人にも通用する不変のオペラ、それに素晴らしい音楽をつけたモーツァルト。11日にはノットさんの「コジ」も楽しみです。
2016年12月5日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトさんの命日である・・・・♡♠♤
♪今日はモーツァルトさん225回目の命日であります。静かにひっそりとモーツァルトさんの音楽を聴きながらその日を過ごす人も多いと思います。が、日本広しと云えど12月5日に毎年アニバーサリーコンサートをしているモーツァルト愛好家の団体があることをご存知でしょうか。私のふる里である秋田にある「モォツァルト広場」がそれで、しかももう22回も続けているのです。
12月5日には総会、その後パーティ&ミニコンサートというのが主な内容ですが、一人静かにモーツァルトを聴くも良いですが、仲間ととも同じ思いでモーツァルトさんの音楽を聴き、語り合い、偲ぶ、これも命日に相応しい何と羨ましい過ごし方でしょう。
「モォツァルト広場」の会員数は80名程。作曲家があまたある中で、モーツァルトさんを愛する人たちの会がふるさとにも出来ていることに私は感動してしまいました。それを教えてくださったのはピアニストの久元祐子さん(名誉会員であります)でもう10年以上前になりますが、それ以来、この拙HPでもこの広場のことを知って貰いたくずっとリンクを貼ってきました。
秋田にはまだ実家があり、両親のお墓参りもあってこれからも訪れる場所ではありますが、秋田人の誇りともいえるモーツァルト愛に溢れる代表の加藤明氏や、「モォツァルト広場」の存在は、私をこれから先もふるさとと結び付けてくれる大きな力になってくれるような気がします。神様からのプレゼントでしょうか。
今年は、7月24日には20周年記念のアニバーサリーコンサートがあり、久元祐子さんによる「ピアノ協奏曲第27番K595」の他「フルートとハープのための協奏曲K299」、「ホルン協奏曲K412」ほかが演奏されました。次の25thに向けて益々のご発展をお祈りしたいと思います。
2016年12月2日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト生誕260年記念ツァーを終えて♪♪♪・・・・♡♠♤
♪11月19日(土)~10日間の旅から予定通り11月28日(月)に無事帰国しました。東京が思ったより寒いのに驚きました。ミュンヘンから最終地チューリッヒまでの全行程中、雨は一度も降らず、気温は異常ともいえる毎日10℃を超える暖かな日が続き、ガイドさんからも奇跡と感嘆されるほどお天気には恵まれた旅でした。覚悟して持って行っていた厚手の防寒着には袖を通さずに済み嬉しい誤算となりました。逆に我々が帰ってからミュンヘンは-6度まで気温が下がり、これからは平年並みの寒い気温の日に戻るのだそうです(日本は留守中雪が降ったそうです)。また前日まで航空会社がストライキをしていたルフトハンザでしたが、我々の出発の日には動き出して、予定通りのフライトとなりツァーの席も全員確保でき帰って来ることができました。振り返れば、ラッキー尽くしで、モーツァルトさんのご加護としか思えません。生誕260年を祝って訪れた日本人我々を歓迎してくれた結果でしょうか。とにもかくにも疲労困憊ながら感動の10日間の旅でした。
初日のミュンヘン・バイエルン国立歌劇場での「フィガロ」はクヴィエチェン&ダムラウの伯爵夫妻の素晴らしさに圧倒され夢のような「フィガロ」体験でした。またイドメネオ初演のキュヴィリエ劇場は、ロココ調の世界一美しい劇場といわれ、オペラ観賞はあまり体験できないと聞いていた劇場だけに、此処で「コジ」を鑑賞できたのは大きな喜びでした。コンサートについては、シュトゥットガルト・リーダーハレでのR・ヤーコブス指揮、フライブルク・バロックオーケストラでのモーツァルト「レクイエム」、チューリッヒ・トーンハレ(大ホール)での、オーボエ協奏曲K314(オーボエ奏者・F・ルルー)などを堪能し、特にチューリッヒ・トーンハレのホールは、演奏の素晴らしさのみならず、歴史を感じさせるシューズ型のホールの音響の素晴らしさ、ヨーロッパの伝統を感じさせる佇まいにも感動を憶えました。
今回の旅のクライマックスであるチューリヒ歌劇場での「後宮」はどうだったかというと、これは余りにも我々をがっかりさせる演出で、音楽だけがモーツァルト、中身は別物!といったもので、今置かれているヨーロッパのオペラ界の演出の現実に触れた思いがしました。仲間同士のこれのどこが「後宮」なのだ・・・という我々の感想など露と消えていく感じの周りの落ち着き払った雰囲気でした。クルレンツイスが降板したのもこの辺の演出面での事があってのことかと、おぼろげながら察した感がありましたが、かえってこれも旅の思い出を印象深くしてくれたのかも知れません。しかしながら憧れのチューリッヒ歌劇場でのオペラ観賞は夢のようで、今となると夢が叶った喜びしかありません。
名門歌劇場やコンサートホールでの音楽鑑賞のみならず、今回はモーツァル縁りの地を訪ねるという感動もありました。レオポルトの生まれ故郷アウクスブルク、モーツァルトが訪れ数々のエピソードを残す町、カイスハイム、ルードヴィヒスブルク、ストラスブール(フランス)などがそれで、教会のモーツァルトが弾いたというオルガンや、また宿泊した場所、レストランなどを直に訪ねこの目で感じて来たことは大きな喜びでした。
おまけにドイツ国内でも気候的に恵まれ、ヨーロッパでも名だたる文化的な美しい都市ミュンヘンや、クリスマスマーケット開催中で、息をのむほど美しく彩られたドイツ国境の世界遺産であるストラスブール、コルマール、そしてスイスの屈指の芸術文化の街でもありながら金融、大学などの教育機関も多いチューリッヒ湖畔のチューリッヒなど、観光としても中味の濃い眼を見張る旅でもありました。何と充実した旅であったことでしょう。それに加えて、ルートヴィヒ2世の建てたノイシュヴァンシュタイン城までオプションで参加し、体力的にこれ以上は無理という限界まで達した旅でした。各地では、外観だけではなく内装も素敵な優雅な由緒あるホテルに恵まれ、食事やワインなども楽しみ)、ツァーの皆さまとの交流もあり、また明日に向かっての大いなる英気を養う事が出来た旅とも言えます。
機会があれば写真付きで後日旅行記でもと思います。旅行中に目にしたヨーロッパの街並みの美しさに、未だ酔っている感があり、目の前の現実にちょっとまだついて行っていない感じです・・・。
バイエルン国立歌劇場(上)&チューリヒ歌劇場(下)
2016年11月17日のモーツァルトハウス(東京)
ヴォジョレーヌーヴォー解禁日に・・・・♡♠♤
♪11月17日午前0時に解禁になったばかりのヴォジョレーヌーボーを上野のイタリアンレストランで賞味しました。協会主催の講演会の打ち上げで、講師の先生を囲んで音楽のお話は尽きず、ツァー出発の前々日の夜にも関わらず、ついつい遅くまでみなさまとの時間を楽しんでしまいました。理事長の三枝先生も参加されたので、初めてお隣で直接お話を聞かせてもらう機会を得ました。読書好きで幅広い知識をたくさんお持ちで、いい刺激を受けました。講演会の質問の時間には、日本と西欧との農業の差異からくる芸術に対する姿勢のお話などにも三枝先生は言及され、勉強になりました。和気藹々とした雰囲気の講演会に、打ち上げ会でした。そして甘い香りの爽やかな後味のヴォジョレーヌーヴォーも美味しかったです。
来年2017年のザルツブルク音楽祭では、この日も話題となったモーツァルトの3大オペラのCD録音で革命児となっているクルレンツイスが「ティートの慈悲」を指揮するそうで興味津々ですね。観賞を盛り込んだツァーの企画もあるかも知れません。オケはムジカエテルナ(自身が結成)だそうですから、多分今回の様なキャンセルは確率的には低いでしょうとのことです。スウェーデンのドロットニングホルムの宮廷劇場でのミンコフスキー指揮の「コジ」も魅力的ですし、来年モーツァルトツァーに参加をと考えている人はマークしておいた方がいいかも知れません。
行ける時に行った方がいい!海外旅行はチャンスが出会いであり、決心のしどころ。時期は7月末か、8月初旬です。私たちはヨーロッパの夏の音楽祭にはまだ行ったことがないのです。♡♠♤
2016年11月15日のモーツァルトハウス(東京)
オペラ史上最高の喜劇劇「フィガロの結婚」・・・・♡♠♤
♪ウィーン国立歌劇場の引っ越し公演の「フィガロの結婚」の最終日を鑑賞しました。チケットの売れゆきが芳しくないとの前評判など何のその、席はほぼ満席で、開場時間から大勢の人の波で、この公演への期待の高さが伺えました。
ポネルの演出は歴史に残る定番ともいえる名演出なので、何の不安もなくモーツァルトの音楽に身を委ねることができ、最後の4幕まであっという間の時間で、これぞオペラという幸せな時間を堪能しました。カーテンコールでは、観客総立ちで拍手が鳴りやまず、最終日だったので、オケのメンバーも舞台に登り、「SAYONARA」「see
you again」の文字が大きく点灯し、感動的なシーンとなりました。観客は口々に「良かったね!」と満足し、チケット代の高さで今回躊躇していた私たちでしたが、この様な感動を貰うと「やっぱり来てよかった!」と大きな満足感で幸せな気分に浸り家路に着きました。前評判では今回の会場となった「神奈川県民ホール」への不満が多く聞かれ、それでやめたという方もいたようですが、どういう事情でこうなったのかは分かりませんが、出来れば都内でと願いますね。ただ関西方面からの方々は終演後新幹線で帰るのは楽だったのでしょうか。
久しぶりに聴くウィーンの音色は典雅で、ムーテイの横顔をみながらオペラ鑑賞できる席だったので、ムーテイの指揮棒も滑らかでフィガロを知り尽くし、オケや歌手ともあうんの呼吸で芝居が進行している感じでした。
2006年のモーツァルト生誕250年の時に、ザルツの祝祭劇場でこのムーテイ指揮の記念コンサートを聴いた10年後に、こうして「フィガロ」でムーテイの指揮に出会え、あの時には10年後のこと等想像すらしていなかったので感慨深いものがありました。私達のモーツァルト人生は、あの時、あの生誕ツァーのあそこから始まっていると言っても過言ではなく、その後いろいろなご縁がありましたが、加藤浩子先生やツァーのお仲間とのご縁の始まりが、今の私たちの原点のように思います。
2016年11月13日のモーツァルトハウス(東京)
至福に充ちた奇跡の瞬間・オペラ「後宮からの誘拐」・・・・♡♠♤
♪ジングシュピールのオペラとして「魔笛」の陰に隠れていた「後宮からの誘拐」ですが、ようやく最近になって舞台にかけられるようになってきました。今日は日生劇場でこのオペラを楽しんできました。昨日午前中と午後に偶然にも11日に既に鑑賞された方から「ブー」と聞いていて折角楽しみにしていたのに、なんだ残念!そんな気持ちで出かけたのですが・・・。
確かに、アリア以外は日本語なのも違和感があったし、舞台の色彩は綺麗で垢抜けたセンスを感じながらも、オスミンが5人もいたり演出もどことなく自分としてはすっきりせず何とも言い難い気持ちで1幕、2幕と終わったのですが(休憩が2回)、3幕が始まりフィナーレが近づくにつれて、モーツァルトの音楽の素晴らしさが全開、その圧倒される音楽の力によって感動の幕切れとなりました。終わってみれば「何たる音楽!」。モーツァルトの「後宮」のこのフィナーレで私はいつもここで感動しない人がいたら会ってみたい!そんな気持ちになるのです。
今日のオケは読響で、指揮者は川瀬賢太郎、「オペラは指揮」と掲げている専門家の言葉が蘇りましたが、オーケストラが指揮が素晴らしかった。劇的なこのオペラのストーリーに寄り添い、時には激しく情感豊な音で盛り上げていて気持ちが良かった!
カーテンコールで、指揮者が「私達はチャレンジしたのです。この難しいモーツァルトのオペラにチャレンジし今できる精一杯の事をしました」とでも言っている様に私には見え、感無量の表情が印象的でした。演出家も同じなのでしょう。最終日だったせいもあったかも知れません。大きなチャレンジをやり終えた安堵感ともいえる表情をしていました。とにかく聴いてもらわなければモーツァルトの良さは伝わらない、そういう意味ではこの「後宮」へのチャレンジに大きな拍手を送りたいと思います。3日間ほぼ満員の観客にモーツァルトの音楽が伝えられたのだから素晴らしい。スポーツ選手がいう「今できる事を精一杯するだけ」という精神で、今まで先人たちが出来ずにいた難しいモーツァルト作品「後宮」を若い力によって上演されたのだから大きな成果かなと思います。オスミンは日本人では難しいと言われ、またコンスタンツエの長大なアリアを歌い上げるには大変なことでしょうし、それをオール日本人キャストで成し得た事は今後のこの作品の上演へときっとつながることでしょう。「芸術はチェレンジである!」
解説書には「後宮」はモーツァルトから私たちへの奇跡の贈り物とありました。憎しみの連鎖をどこかで断ち切らなければ世界の平和を築く事はできないというモーツァルトからのメッセージは、現在に生きる我々をすでにモーツァルトは予言しこのオペラの結末を残してくれたのか・・・。もっともっと上演されるべきオペラではと思います。
憧れのチューリッヒ劇場で、この「後宮」のオペラを観るという、本当に夢ではないかと思う事がもうすぐ起こります。チューリッヒで時間が止まってくれたら・・・と思う私です。どんなふうに歌手が歌い、どんなふうに指揮者が指揮し、オケが演奏するのか、・・・・すべてが楽しみでなりません。♡♠♤
2016年11月8日のモーツァルトハウス(東京)
ウィーン国立歌劇場の室内楽を愉しむ・・・・♡♠♤
♪いよいよ11日から始まるムーティ指揮、ウイーン国立歌劇場の日本公演「フィガロの結婚」。11日(木)が初日で、13日(日)、15日(火)が最終日です。昨夜はその同歌劇場管弦楽団を母体とするウィーン・フィルのメンバーによる室内楽を愉しみました。ウイーン・フィルの第一ヴァイオリン&第二ヴァイオリン奏者に、ヴィオラ、首席チェロ奏者に、フルート奏者といったメンバーによる、フルート四重奏曲ニ長調K285、K285b、弦楽四重奏曲ニ長調K499「ホフマイスター」、弦楽四重奏曲変ロ長調K589「プロイセン王第2番」の4曲が演奏されました。
アンリ・ゲオンがフルート四重奏曲K285の第2楽章を表現した「蝶が夢想している。それはあまりにも高く飛び舞うので、紺碧の空に溶けてしまう。ゆっくりとしてひかえ目なピッチカートにより断続されながら流れるフルートの歌は、陶酔と同時に諦観の瞑想を、言葉もなく意味も必要としないロマンを表している・・・・」をまたしても思い出してしまいましたが、温かな心地好い適温の温泉にでもつかっているような安らかな心地にさせられ、暫し至福の時間を味わいました。モーツァルトの四重奏は、このようにどれかの楽器が自己を主張する訳でもなく、調和と質のいい音で上品に演奏されるべき音楽なんだと改めて感じ入りました。これほどの品の良い音を奏でることができるのは、ウインフィルの伝統を守り抜いてこそで、やはり世の東西を問わず天下一品の音かなと思いました。演出がピッタリのはまった飛び切りいいオペラを鑑賞したように、モーツァルトの音楽をピッタリの音で表現しつくして貰えた満足感がありました。
久しぶりに都会を離れ郊外の生活を楽しんでいます。お隣がショッピングセンターなので買い物が本当に便利になりました。活気があり、もうクリスマスのイルミネーションも始まっています。
2016年11月7日のモーツァルトハウス(東京)
指揮者変更のお知らせ・・・・♡♠♤
♪今回の旅行の大きな目玉でもあり、楽しみであったツアー最終日チューリッヒ歌劇場での「後宮からの誘拐」の指揮者が変更になりました。出演予定だったクルレンツイスが病気のため全公演を降板し、代役はグライドボーン音楽祭出演や欧米の数々の劇場、オーケストラに出演の新進気鋭のクリストフ・アルトシュタットとなりました。
指揮者のみならず、お目当ての歌手が直前にキャンセルされるなどよくあることなのでしょうから仕方ありません。。若手の指揮者アルトシュタットが思いがけず素晴らしい指揮をして終わってみれば大満足の「後宮」になるやも知れません!
アウクスブルクやノイシュヴァンシュタイン城のオプシャナルツアーの申し込みもすませ、今回のツアーのもう一つの楽しみでもあるアルザスワインのメッカ、ストラスブールでの夕食は、元三ツ星レストランで、ワインリストも圧巻というお店「オ・クロコディル(Au
Crocodile)」が第一候補となっていて、美食家もお勧めのお店だそうですからかなり期待できそうです。
クルレンツイスご本人は今回の降板を「慚愧に堪えない」と述べているとか、こちらも彼の指揮でなくなったのは残念至極ですが、第一日目のダムラウ、クヴィエチェンらが出演の「フィガロ」などを楽しみに・・・。いよいよ出発は来週です。♡♠♤
2016年11月3日のモーツァルトハウス
20周年に向けて・・・・♡♠♤
♪思いがけずモーツァルトハウス10周年と、主人の古希のお祝いして頂き感激でした。相当気が早いですが、10年後のモーツァルトハウス20周年、そしてモーツァルトさん生誕270年に向けて元気に日々を重ねていきたいと改めて思います。モーツァルトさんがあれば幸せ!そのスタイルを続けたいですね!
プレゼントのモーツァルトベアがあまりにかわいくて~。嬉しいことに可愛らしいモーツァルトグッズが増えました。酒蔵七賢製の日本酒のスパークリングは珍しいもの。
これからいよいよ出発が近づいてきたモーツァルトツァーへの準備へ猛ダッシュです。。。。♡♠♤
2016年11月1日~2日のモーツァルトハウス
「イドメネオ」観賞会その1・・・・♡♠♤
♪美しく秋色に彩られた景色の中、モーツァルトのオペラ「イドメネオ」の観賞会をすることができました。加藤先生ご夫妻とそして気心の知れた方々と過ごすとっても贅沢な時間です。「イドメネオ」はオペラセリアに属し、骨董品扱いされるような一見地味なオペラですが、選んだDVDは、1982年にメトロポリタン歌劇場で初演の、ジャン=ピエール・ポネル演出、指揮がジェームス・レヴァイン、当時の超豪華スターであるパヴァロッティ、コトルバシュ、シュターデ、ベーレンスといった面々が出演し、世界中がびっくりしたという歴史に残る名舞台です。いまこうして改めて鑑賞していても、これ以上の舞台を今後期待するのは難しいかなと思う程素晴らしいものでした。モーツァルトの音楽の素晴らしさを生かした演出、歌手の力に感嘆し、来年2017年5月に同じくメトで再演されるこの舞台のライブヴューイングへの大きな期待となりました。絶対見逃してはなりませんね。(イドメネオ役はマシュー・ポレンザーニ、5/6~5/12まで上映、東劇のみ19日(金)まで)
翌日はワイナリー「Rue de vin:リュー・ド・ヴァン」(お隣の東御市)へ。収穫期真っ盛りのぶどう畑を散策し、ランチはあたたかい薪ストーブとポトフと楽しい歓談で身も心もあったかくなりました。皆さん運転手を尻目にシャルドネやピノ・ノワール(?)などを美味しそうに楽しんでいました。信州の秋と音楽とをお腹いっぱい満喫した2日間となりました。皆さまありがとうございました!
2016年10月25日~11月4日のモーツァルトハウス
秋たけなわのモーツァルトハウスin軽井沢・・・・♡♠♤
♪あたり一面錦繍に彩られたモーツァルトハウス!今年も秋色に包まれる美しい時期を迎えました。モーツァルト生誕250年の2006年に誕生したモーツァルトハウスin軽井沢も今年10周年を迎えました。ここでコンサートをしたりオペラ観賞会をしたり、思い出もたくさん!今年は主人の古希と10周年と、モーツァルト生誕260年と重なってお祝いムードとなった1年でした。モーツァルトの音楽があって存在する小さな家です。軽井沢からしなの鉄道2つ目、信濃追分駅から車で8分、軽井沢のはずれの山の中ですが、お近くまでお出での節はぜひお立ち寄りください。
2016年10月24日のモーツァルトハウス(東京)
もうすぐ!クルレンツィス「ドン・ジョヴァンニ」・・・・♡♠♤
♪ダ・ポンテオペラの第3弾「ドン・ジョヴァンニ」のCDがもうすぐ発売されます。11月9日発売です。「フィガロの結婚」、「コジ・ファン・トゥッテ」と続き、話題となったクルレンツイス版も締めは「ドン・ジョヴァンニ」です。何でも一度録音したものを全部なしにして、また始めから録音し直したほどだそうで、追究しつくしたモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」という事になります。
このクルレンツィスの指揮で「後宮からの誘拐」をチューリッヒ歌劇場で来月26日(土)19時開演(現地時間)で鑑賞して来ます。どんなオペラになっているのか、またチューリッヒ歌劇場は、過去にアーノンクール、メストの指揮、歌手ではバルトリなどが出演し、モーツァルトのオペラでも名演を残している名門オペラ歌劇場です。モーツァルト生誕260年記念企画の音楽ツアーの最後にとっておきの楽しみが待っています。♡♠♤
ダ・ポンテ三部作の最後を飾る”ドン・ジョヴァンニ”は、モーツァルトが罪と死の問題に精魂を傾けた時代を超越した人間ドラマ。どんな時代のオペラを演奏しても、綺麗ごとではない、生々しい人間のドラマに変えてしまうというクルレンツィスが、どんなモーツァルトを聴かせてくれるのか。発売が待ち遠しい期待の新作です。(ネット解説より)
是非聴いてみてください!
2016年10月21日のモーツァルトハウス
定番!ポネル演出のモーツァルトオペラ!・・・・♡♠♤
♪演出家ジャン=ピエール・ポネルはダ・ポンテ三部作だけではなく、モーツァルトのオペラ演出家としても、時代を超えて素晴らしい演出作品を残しています。それらはDVD化されて今でもその舞台芸術を楽しむことができます。その定番ともいえるポネル演出の「イドメネオ」が来年METで上演されます。ライヴビューイングは2017年5月6日~12日まで。これは本当に楽しみですね。このポネル演出の「イドメネオ」はメトロポリタン歌劇場で1982年に初演されたもので、指揮はジェイムス・レヴァイン、装置・衣装もポネルが担当しました。そして何と言っても驚きはイドメネオ役をルチアーノ・パヴァロッティが演じました。その他当時の豪華メンバーを揃え(イリア:イリアナ・コトルバス、イダマンテ:フレデリカ・フォン・シュターデ、エレットラ:ヒルデガルト・ベーレンスなど)、今まであまり知られていなかったモーツァルトのオペラ「イドメネオ」を、レヴァイン指揮で、更にこの様な豪華なメンバーで、それもMETで上演したことは当時大きな話題となったようです。これくらいのことをしないとこのオペラを知らない世のオペラ好きが観に来ないだろうと、興行側、特にポネルの読みでもあったようですね。
歴史を刻んだこの公演は、1982年11月6日のメトロポリタン歌劇場でライヴ収録されDVD化されています。
画面は少々古く、音響も現在の録音盤よりも若干落ちますが、この「イドメネオ」を今年のオペラの会の観賞に選びました。来年2017年上演もレヴァイン指揮で、マシュー・ボレンザーニが主役を務める舞台への期待で胸が膨らみますが、まずこの1982年盤のポネル&パヴァロッティで予習をと思います!
2016年10月20日日のモーツァルトハウス
多彩な解釈「フィガロの結婚」!・・・・♡♠♤
♪大好きな「フィガロの結婚」は、ダ・ポンテ三部作として他の2作「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」と好みが分かれることで、とかく話題にもなります。「私はドン・ジョヴァンニ派」、「いや、私はやっぱりフィガロ!」といった感じです。コジも最近は人気も高まって来ていて、何と言っても重唱の素晴らしさにノックアウトされます。このオペラのクライマックスともいえるフィオリディリージとフェルランドの重唱はモーツァルトの音楽の美しさの極みで、観客の誰もがこのメロディに心酔する部分です。モーツァルトファンはどれが一番好きですか?という質問には答え難く、どれもが素晴らしく、ある方に言わせるならば、最後に観たものが一番!となるそうです。要は、どれもが素晴らしいと言う事ですね。
そうはいっても、いつ観ても幸せオペラの最高峰と思えるオペラは、私の中ではやっぱり「フィガロの結婚」、フィナーレで幸せにして貰えるのは「魔笛」と「後宮からの誘拐」かな。そんなフィガロを加藤浩子先生が11月17日に講演会で取り上げてくださいます。タイトルは「「フィガロの結婚」の過去と現在」。
音楽的にはクレンペラーからクルレンツィスまで、演劇的にはポネルからマルターラーまで、さまざまな録音、舞台をご紹介し、本作の無限の可能性の一端に触れていただければと考えています。(先生のブログより)
楽しみですネ!
2016年10月18日日のモーツァルトハウス
幸せオペラの定番!・・・・♡♠♤
♪辺りが日々秋色に変化していくそんな景色の中で、オペラ「フィガロの結婚」のDVDを観て幸せな気分になっています。2014年にメトロポリタン歌劇場で上演されたもの。レヴァイン指揮で伯爵がマッティ、その他のキャストもみんな素晴らしくメトならではのハイレベル。リチャード・エアの演出も1930年の第二次世界大戦前に置き換えた時代背景で、これもなかなかお話の辻褄があっていて面白い。舞台装置も、衣装もおしゃれだし、素敵です。クラシカジャパンで放送されたものを録画して主人の友人が送ってくれました。いつもこうして出色のものは送ってくださいます。
ライヴビューイングで観て、感激したものを、こうして又じっくり自宅で繰り返して鑑賞できるのは本当に嬉しい。幸せオペラの代表格「フィガロの結婚」大好きです!♡♠♤
2016年10月16日~20日のモーツァルトハウス
秋色の軽井沢・・・・♡♠♤
♪今年の軽井沢は夏から長雨が続き、例年にない湿気に悩まされました。ようやくカラッとした秋晴れの日も多くなって来てホッとしています。これから安定した秋晴れが続いて欲しいですね。木々は日々色づいてきていて、眼が覚めるとあたりの芽吹きに驚く日が続く春先の新緑と同じく、この時期も昨日より今日、今日より明日と周りの木々の色の移り変わりに眼を見張り驚かされます。軽井沢はこれからの1週間が紅葉のピークだと言われています。次に訪れる来週、どんな秋色になっているんでしょうか、楽しみです。
2016年10月12日のモーツァルトハウス(東京)
神童モーツァルト誕生・・・・♡♠♤
♪この日は日本モーツァルト協会10月例会へ。ロンドン・ソナタ連続演奏会で、K10~15まで6曲全曲を演奏するなどめったになく、それを考えたらこの演奏会でしか聴くことのできない貴重な機会のように思いました。なにせモーツァルトが8歳の時の作品です。西の大旅行でロンドンに滞在していた時に作曲し、当時の王妃シャーロットに献呈したもの。フルートではなくヴァイオリンで演奏されることもあります。例会ではチェンバロが栗田口節子さん、木製の柔らかな音色をもつフルートを神田寛明さんで、神童モーツァルトの才能と意欲を余すところなく、素晴らしい演奏で表現してくださいました。
「ロンドン・ソナタ」連続演奏は、ホールと、演奏家の理解と力量に恵まれないと実現できないのではと感じました。以前このロンドンソナタ全曲演奏を計画し、演奏家の方から(特にピアノからでしたが)全曲演奏にクレームが入り、実現できずやっと3曲だけで終わった経験があります。少年時代のモーツァルトの曲だけでは完成度も低く、聴衆を飽きさせずに聴かせるのは難しいと言うのが理由だったように思います。
最後まで、木管フルートとチェンバロの柔らかな優しい音色で、我々の聴衆の心を惹きつけた演奏家のお二人に心から拍手をお送りいたします。それにしても8歳の神童モーツァルト恐るべしですね。
2016年10月11日のモーツァルトハウス(東京)
凡庸のチャンピオン!サリエリの物語・・・・♡♠♤
♪久しぶりに映画「アマデウス」を観る機会を得ました。我々とてDVDを持っているので時折観る事はあっても今まで10回にはなっていないのに・・・。この日は「アマデウス」を学生時代から50回は観ているという、正に隅から隅まで知り尽くした凄い方の解説付きで鑑賞するという幸運に浴しました。
たくさんの資料のなかの「シーン解説」では劇中に流れるモーツァルトの曲の全リストまで作って下さっていて、ますますこれからの観賞が楽しく、大いに参考にさせてもらおうと思いました。プラハでは映画の撮影場所も訪ね歩き、資料に纏めてくれました。
我々も以前モーツァルト足跡ツァーでは地図を片手に、モーツァルトの住居や、演奏した場所など探しながら歩き回った思い出がありますが、はたから見ると地図を片手にうろうろモーツァルトの足跡を訪ね歩く我々の事は奇妙に思えるかも知れませんが、しているこちらは本当にそれが楽しいのですから仕方ありません。
あとがきにありました印象的な言葉。(当日の解説より)
ネヴィル・マリナー:「映画館で観客がエンドクレジットが流れ終わるまで待ち、皆コンサートの時のように拍手した。音楽が映画に勝利した瞬間だ。モーツァルトという作曲家を紹介できた。コンサートで百年かかったことを我々はこの映画で成し遂げたのだ」
ピーター・シェーファー:「大勢の若者が作品を観に来てくれたことがうれしい。世界一の作曲家の映画をね」
残念ながら、ピーター・シェーファー(原作・戯曲)、ネヴィル・マリナー(指揮・音楽監修)共に今年故人となってしまいました。音楽、映画史上に燦然と輝く映画「アマデウス」を我々に残してくれたことに心から感謝したい!そしてこのように解説付きでこの映画を紹介してくださった方にも改めてお礼をと思います。
ピーター・シェーファー(1926年ー2016年6月6日没)
ネヴィル・マリナー (1924年ー2016年10月2日没)
2016年10月10日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト音大オペラも花盛り・・・・♡♠♤
♪10月の声を聞くと、目に入る周辺の景色も秋色に感じます。10月と言えば音大のオペラ公演が毎週のように続きますね。それも今年は知る限りモーツァルト尽くしです。8日(土)、9日(日)は、上野の東京藝術大学奏楽堂と、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワで、偶然にも同じ出し物「コジ・ファン・トゥッテ」でした。15日(土)、16日(日)は国立音楽大学講堂大ホールでは「ドン・ジョヴァンニ」。(料金が微妙に差があり、芸大、S席5000円、昭和音大、S席4800円、国立音大、S席3000円)
10月はこの様な音大のオペラ観賞も隠れた通の楽しみ方かも知れません。芸術の秋の幕開けの10月に集中しているのも特徴ですね。
8日(土)の昭和音大「コジ・ファン・トゥッテ」は予想をはるかに超えた充実した公演だったそうです。見逃したことが悔やまれますが、まだ体験した事のない昭和音大のテアトロ・ジーリオのホールはオペラ公演にピッタリな程よい大きさのいいホールだそうですので、いつか体験してみたいですね。
音大オペラは残念ながらがっかりする時もありますが、コンサート並みの手軽な料金でオペラを楽しむことができ、将来性を感じる歌手の一生懸命さにも迫るものがあり、それを応援する意味でも注目して行きたいですね。
「・・・それにしても天才モーツァルトはどれほど先を見ていたのだろうか。時代が進み、人間観察がどれほど複雑になっても、なぜか彼の音楽は古くならないのだ。」(昭和音大オペラ公演プログラム:小畑恒夫氏解説より)
2016年9月23日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト講座も花盛り・・・・♡♠♤
♪コンサートやオペラだけではなく、モーツァルト関係の講座が年末に向けて目白押しです。朝日カルチャー新宿校では生誕260年を記念して、1年間シリーズ化していますのでこれから12月までまだまだ講座が続きまます。9/23は、モーツァルトの「レクイエム」 さまざまな版を聴き比べる(講師 音楽評論家:船木篤也)、10/8は、モーツァルトのピアノ音楽 ピアノソナタ9番イ短調KV310をめぐって(講師 作曲家 東京芸術大学教授:小鍛冶邦隆)、12/28は、モーツァルト 最後の四年 百年河清を俟たずに(講師 国立音楽大学招聘教授:礒山雅)、10/28、新モーツァルト入門(講師 海老澤敏)、漆原朝子のヴァイオリンの世界 モーツァルトとベートーヴェン (講師 ヴァイオリニスト 漆原朝子 ピアニスト 野田清隆)、等
12/28(水)の礒山先生の「モーツァルト最後の四年」は、クリストフ・ヴォルフ著「モーツァルト最後の四年」の訳者として、この画期的な新説によって改められたモーツァルト像を、その論拠を確認しつつお話したいと思います(講師記より抜粋)というもの。副題が「百年河清を俟たずに(ひゃくねんかせいをまたずに)」です。1月27日のモーツァルトのお誕生日に海老澤先生の講座でスタートしたモーツァルト生誕260年記念講座シリーズも、2016年の最後は礒山先生で締めくくられます。
10月からの海老澤敏先生のモーツァルト講座のタイトルは「モーツァルト百面相 その謎解き」です。芸術の秋は講座も充実しています!
2016年9月19日のモーツァルトハウス(宇奈月温泉)
ヴォランティア主導!・・・・♡♠♤
♪宇奈月モーツァルト音楽祭は、もともと町おこしとして始まり、主に黒部市に住む人々の熱意あふれたヴォランティア活動で成り立っています。行政主導ではない、ヴォランティア主導であるところが他では類をみない誇るべき特徴と言えます。この度、北日本新聞社から「音楽を通して文化を発信していることが地域に根ざしている」として「地域社会賞」を受賞の予定だそうです。黒部市の街づくり協議会も大きく貢献しています。
全員が「自分のできることをする」を基本とし、無理をせず、楽しくそれぞれ仲間を尊敬しながら活動している。そんな姿勢に感動を憶えます。「我々はそれぞれをリスペクトしているんです」、そんな仲間意識の中で生まれたモーツァルト音楽祭、素晴らしいモーツァルトの音楽と共に更に発展していくことを祈らずにはいられません。
ハイライト形式で、今年初めて試みられたオペラ「ドン・ジョヴァンニ」は、チケット代がワンコイン(500円)でも話題になりましたが、これが予想外の好評を博し、来年以降「フィガロの結婚」「コジ・ファン・トゥッテ」と続き、3年後のちょうど10回目となる音楽祭では「魔笛」が予定されているとか。訪れる我々の楽しみはこれからも続きそうです♡♠♤
2016年9月18日のモーツァルトハウス(宇奈月温泉)
モーツァルトの涙雨!・・・・♡♠♤
♪11月17日(土)~19日(月・祝)まで3日間開催された今年の宇奈月温泉でのモーツァルト音楽祭は、生憎の雨の中での開催となりました。雨に降られたのは7回目となった今年が初めてで、そう言えばお天気には恵まれていて雨の記憶はありませんでした。今年は雨も烈しくなりトロッコ電車も停まった時もあったそうで、今までの経験上から、雨対策が足りなく、対応に追われ反省点も多く残ったのだそうです。3日目の最終日に行われた打ち上げの懇親会にも参加させて頂いたお陰で、この様な開催中のエピソードなども聞くことができました。
アマチュアもプロも参加できるこの音楽祭は、町のいろいろなスポットでモーツァルトが演奏され(屋外もあり)、町じゅうにモーツァルトのメロディが流れ、温泉の湯けむりとモーツァルトが上手くマッチして他では決して味わえないものとなっています。「出演者が楽しく演奏でき、幸せな気持ちで帰っていく音楽祭」にしたいと始めたこの音楽祭も、年々内容も、参加者も、そしてボランティアの方々も充実してきて、今ではオペラ、交響曲、レクイエムと全て演奏される音楽祭に成長しました。ここ宇奈月温泉を除いて、世界中どこを探してもこのような町はないので、モーツァルトの生誕地ザルツブルクに似ていると始めたこの町の人々も、いつかこれを自慢にザルツブルクを表敬訪問したいのだそうです。(音楽監督;横島勝人氏の弁)
モーツァルトの音楽でひととき温泉地:宇奈月温泉が芸術の香り漂う町になる・・・。素敵な事ですね。行政ではなく全てがボランティアの方々の熱意と愛情で成り立っているのも素晴らしい事。人々との交流を通じてそのあったかさに心がほっこりするのです。温泉だけではないぬくもりがそこにあります。
前事務局長の上田氏の挨拶に「今年の雨は7年目を迎えたモーツァルトさんのうれし涙!よくぞ続けているな~と天上からずっと見ていてくれたに違いないからその涙雨では」とありました。本当にその通~りです。
最後を飾る音楽祭スペシャルコンサートのプログラムは、交響曲第40番ト短調K550、レクイエムニ短調K626でした。レクイエムの「ラクリモサ(涙の日)」では自然に目頭が熱くなりましたが、聴衆もそんなうれし涙だったような気がします・・・・。これからもずっと続いていって欲しい!来年も又会いにゆきます。
セレネ1階ロビーで19日にピアノと歌とヴァイオリンを披露したカップルは、高校が同じだったという地元出身の二人、一度も歌のレッスンは受けたことがないという男子大学院生がバリトンの素晴らしい歌声と、ヴァイオリンソナタK301を披露してくれ、モーツァルトのK301はいつか演奏したかった曲!と話してくれました。最初はまばらだった聴衆が次第に膨れ上がって大勢の立ち見まででて、熱心に聴き入っている光景を見ると、やっぱりモーツァルトの力ってすごいな!と思いました。
わこ&梨子さんはお姉さんが第1回目からの出場で、来年は大学生になるそうで、妹さんも来年は高校生、お二人の演奏は年々素晴らしいものになってきていて、音楽祭と共に成長してきたお二人ですね。
最後に、ここ富山県は鱒ずしなしでは語れませんね!今人気となっている「炙り鱒ずし」大辻や製です。♡♠♤
2016年9月18日のモーツァルトハウス
初秋の雨!・・・・♡♠♤
♪久しぶりの軽井沢。あいにくの雨です。スーパーには皮ごと食べられる「ナガノパープル」「シャインマスカット」など秋の味覚が並び、季節の移ろいを感じます。今年は全国的かも知れませんが、雨が多い年ですね。晴れた日が8月上旬を除いて数えるほど。気温も低めです。
明日からは宇奈月温泉でのモーツァルト音楽祭へ。どんなにスケジュールが混んでいても、どうしても外せない音楽祭です。モーツァルトの音楽、温泉、美味しいお魚、そして景色の美しさ、地元の人々との触れ合い、どれをとっても替えがたく、全てがそこにある・・・・・語り尽くせない魅力を秘めた唯一無二の音楽祭。7回目となった今年の音楽祭、楽しみです!
2016年9月9日のモーツァルトハウス(東京)
秋の講座あれこれ!・・・・♡♠♤
♪加藤浩子先生著「オペラでわかるヨーロッパ史」(平凡社新書)は本も好評で、このタイトルの朝日カルチャーセンター・新宿校での講座の受講生も回を追うごとに増えていて、私は第2タームから参加していますが、皆さんの関心の高さを感じています。講座終了後は、近くのお店で先生も参加してお茶などをご一緒する時間もあり、こちらも先生の魅力でしょう、活況の様相です。10月からはシリーズ第4タームとして「イタリアの歴史とヴェルディのオペラ」と続くそうです。
そして早稲田大学エクステンションセンターでは、オペラ講座「オペラと現在の名指揮者たち」という講座が5回シリーズで始まり、第1回目はテオドール・クルレンツイスで加藤浩子先生が担当します。2回目以降はウィリアム・クリスティ、アントニオ・パッパーノ、アンドレア・バッティストーニ、その他の名指揮者たちと続き、それぞれ音楽ジャーナリスト、音楽評論家が講師となっています。
1回目(11/22)は、オペラ「フィガロの結婚」「コジ・ファン・トゥッテ」といったモーツァルトのオペラの録音が話題となり、現在シベリアを本拠地として活躍中の指揮者テオドール・クルレンツイスのその演奏がいかに斬新かなど過去の演奏と比べながら紹介するというもので、ちょうど私達は旅行中ではありますが、チューリッヒ歌劇場でこの指揮者による「後宮からの逃走」を観賞している頃です。生クルレンツイスに期待です♡♠♤
2016年9月8日のモーツァルトハウス(東京)
秋のモーツァルトその2!・・・・♡♠♤
♪この秋はモーツァルト生誕260年のせいか、コンサートもオペラ上演もモーツァルト物が多いのが目につきます。10年毎にこうして紀念の年として取り上げられるのもモーツァルトだからこそなのかも知れません。朝日カルチャー新宿校でもシリーズとして260年記念講座が今年一杯続きます。
2016年9月7日のモーツァルトハウス(東京)
クルレンツイスの「ドン・ジョヴァンニ」発売!・・・・♡♠♤
♪クルレンツイス指揮のCD版「ドン・ジョヴァンニ」が発売されるそうです。いよいよという感じで楽しみです。このオペラをどんなふうに指揮して録音したかワクワクします!
2016年9月6日のモーツァルトハウス(東京)
聴き比べの妙!・・・・♡♠♤
♪オペラ名場面 映像による聴き比べのシリーズも第6回目。前半はツェルリーナ第2幕のアリア「薬屋の歌」を映像で聴き比べ、12通りもの歌手と演出を楽しみましたが、演出の変遷も味わった思いがしました。最初はうぶな村娘のツェルリーナだったのが、どうも近年の演出ではしだいに大胆で女っぽくなって男の人を悩殺するようなポーズまでする様になってきて、驚くばかり・・・。
後半はハ短調ミサK423のソプラノ独唱の本来ザルツブルクに里帰りの際コンスタンツェが歌ったとされるものを聴き比べました。こちらも感動的でとにかく美しいモーツァルトの旋律に涙するような場面も。こちらは6曲聴きましたが、アーリーン・オージェ(1990年)が素晴らしいと言う方あり、ジュリー・フックス(2012年)の柔らかなマリア様の様な顔と表情に魅せられた人あり、私は、ガーディナー指揮、ミア・パーションの輝く、どこまでも透き通った歌声に感動してしまいました。この映像は2008年のノーベル賞授賞式典の時のもので、王族の前で披露しています。パーション自身もスエーデン出身だそうです。「コジ」でのお姉さん役や、「フィガロ」ではスザンナ役でDVDでもお馴染みの歌手ですね。とにかくきれいな声で、フルート、ファゴット、オーボエの管楽器との協奏が美しく崇高そのもの。本当に素晴らしかった。モーツァルトのミサ曲はオペラのアリア的で世俗的とされ、酷評されてきた時代もあったようですが、そんなことを考える方がおかしいというもの。「真実なもの、崇高なものは聖俗を問わない」という解説に納得です!
この後の懇親会は上野の精養軒で行われ、和気藹々とした雰囲気で、モーツァルトへの日頃の思い、知識の披露、情報の交換など、何もかもがモーツァルト尽くしで、楽しい一日を過ごしました。モーツァルトを好きになってこそ味わえる幸せな時間でした。皆さまにに感謝です。♡♠♤
2016年9月5日のモーツァルトハウス(東京)
酒席ピアニストに乾杯!・・・・♡♠♤
♪田辺秀樹先生が、この秋ご自身のCD発売を記念してピアノリサイタルをされます。場所はサントリーホール・ブルーローズ(小ホール)です。11月の旅にも同伴して頂こうとお願いしたようですが、このリサイタルがあってご無理だったそうで、従って我々は旅行中なのでお伺いできず残念です。昨夜素敵なチラシが届きました。入場者全員に新発売のCD(2800円)をプレゼントされるそうです。
2012年まで一橋大学大学院言語社会学科教授(ドイツ語、言語文化論担当)でモーツァルト関連の著書も多数おありで、大学を退職されてからも、講演等でお忙しくされていて、小淵沢での「リゾナーレ音楽祭」でもピアノを披露され、昨年は軽井沢のモーツァルトハウスでも、ウィーンのホイリゲやカフェに流れる名旋律を我々の前で弾いてくださりパーティの締めを湧かせて下さいました。知る人ぞ知る名ピアニストさんです。自称”酒席”ピアニストの田辺先生、待望の初CD記念コンサート!盛り上がることでしょうね。♡♠
2016年9月4日のモーツァルトハウス(東京)
秋のモーツァルト!・・・・♡♠♤
♪猛暑が去り、朝晩だけでも汗ばむ気温からいくらか解放されてくると、ホッとすると共に、秋にむかうこの時期にはいつもノスタルジックなものをも感じます。でも気落ちする事はありません。芸術の秋が待っています。各劇場や音楽ホールではモーツァルトの出し物が充実しています。大いに楽しみましょう。今までオペラでは「フィガロの結婚」ばかりが続いたり、片寄ったりする年もありましたが、今年はまんべんなくそれぞれ楽しめそうで嬉しいです。
日生劇場ではモーツァルトのオペラではマイナーだった「後宮からの誘拐」があり、東京芸術劇場とミューザ川崎では「コジ・ファン・トゥッテ」、北とぴあさくらホールでは「ドン・ジョヴァンニ」また音大や芸大でのオペラ公演では、芸大は「コシ・ファン・トゥッテ」、国立音大は「ドン・ジョヴァンニ」とモーツァルトオペラが続きます。そしてウィーン国立歌劇場の引っ越し公演は「フィガロの結婚」です。
これらオペラのラインナップをみているだけでも充実しています。やはり今年は生誕260周年効果でしょうか。(これ以外にもあるかも知れませんが)
予定している11月出発の「モーツァルト生誕260年記念企画 南ドイツ~フランス・アルザス~チューリッヒ10日間」のツァーでは、ミュンヘンで「フィガロ」、「コジ」(キュヴィリエ劇場)、チューリッヒで「後宮からの誘拐」の3本のオペラ観賞が含まれていますが、日本での公演はこの旅行と重なっていて観ることができないものもあり、残念ですが、そうでないものはできるだけ出かけたいものです。
日本国内だけではなく、最近は欧州でもダ・ポンテ三部作を取り上げている劇場や指揮者が目立ちます。ドレスデン国立歌劇場は、来年2017年から三部作をとりあげ、2017年3月には「ドン・ジョヴァンニ」、スウェーデンのドロットニングホルム宮廷劇場では昨年からミンコフスキー指揮で、この三部作上演が始まっていて、昨年は「フィガロ」で今年は「ドン・ジョヴァンニ」でした。
加藤浩子先生はこの公演を今観に行かれていて、来年はミンコフスキー指揮の「コジ」を入れたツァーを計画中でその下見だとか。このドロットニングホルムでの「ドン・ジョヴァンニ」と、アムステルダム国立美術館でみたレンブラントの「夜警」についてご自身のブログに載せています。どちらもいろいろな解釈を許容する深みがあって、それが「傑作」の条件の少なくともその一部を構成しているのではないかと、興味深い~。。♡♠♤
2016年8月31日のモーツァルトハウス(東京)
通の暑気払いはクエで!・・・・♡♠♤
♪寒い時期の鍋や刺身ではお馴染みだそうですが、「クエ」という魚は実は夏場から秋の味の評価が高い魚なのだそうです。天然ものは漁獲高が少なく、とにかく貴重だそうで、島根産のそんな「クエ」を塩焼きで頂きました。大きく見かけは悪くても美味なお魚で驚きました。同じ日本海側でも秋田では見たこともないお魚です。
日本の津々浦々の産地から選りすぐって野菜などの素材を集め、調理して提供するお店が渋谷の並木橋にありました。並木橋といえば「なかむら」と言わせるほどの、数少ない和食を銘酒とともに提供する知る人ぞ知る人気のお店なのだとか。そんなお店に連れて行って頂き、晩夏の一夜を夏の思い出を語り合い、またこれから迎える芸術の秋への思いも馳せながら、極上の逸品と共に一献を傾けました。
「クエを食ったら他の魚は食えん」といわれるクエは、味は白身で淡泊ながらしっかりとした味で皮も厚め。平政や北海道産の新さんまのお造り、ふる里秋田からのジュンサイの酢のもの、生で頂くなす、焼き鱧と白うりのサラダ、そしてお店の評判となっている人気のポテサラやコロッケ、メンチカツに至るまで全て美味でした。接客も行き届き、お店の活気もあり、板さんたちの情熱さえも感じるいいお店でした。「一白水成(いっぱくすいせい)」を頂きにまたいつか・・・♡♠♤
2016年8月27日のモーツァルトハウス(東京)
日本人なら一度は読んで欲しい小林秀雄「モオツァルト」・・・・
♪何度も読んでいる人もいれば、実はまだ・・という人まで、モーツァルトを語るには外せない、小林秀雄著「母上の霊に捧ぐーモオツァルト」。昭和21年12月30日に「創元」から刊行されました。
モーツァルトを語った戦後すぐの評論としては見事で、伊豆の大仁の丘の上に籠って最後を書きあげたそうである。シンフォニー第39番のフィナーレは伊豆の大仁の朝の雲だと表現された。「ジュピターの最終楽章を聴くと、モーツァルトがシンフォニーをもう書かなくなったという意味もわかるね」と云ったそうである。道頓堀で鳴り響いたシンフォニー40番ト短調のことやランゲの絵についての表現など様々なエピソードを我々に伝えてくれたことでも忘れがたいものとなっている。
また読みたくなってきました。。。。♡♠♤
2016年8月23日のモーツァルトハウス
長い夏休みもいつかは・・・・♡♠♤
♪予定を早めて帰京の日となった今日は、行く夏を惜しむかのように良く晴れて、名残惜しさもひとしおとなりました。今年も宇奈月温泉でのモーツァルト音楽祭には軽井沢経由となるため、次回はその頃かも知れません。今年の夏を惜しむツーショット写真です。
2016年8月21日のモーツァルトハウス
フルートが響いた日・・・・♡♠♤
♪この日も朝からさんさんと日が輝き、森の中にあるモーツァルトハウスですが、こんな日は木々からのこもれびが眩しく感じる程です。さてこの日はフルートのレッスン会場となり、モーツァルトハウスにも久々に美しいフルートの音色が響き渡りました。これからこんな風に頻繫にフルートが聴ける日がくるといいなと思いました。
長い間いろいろな雑用と言ってはなんですが、拘束されていたこともあった主人も、ようやくこれからは好きな絵を描いたり、フルートを吹いたり、そんな好きな事に時間を使っていって欲しいと思います。以前はよくしていたことですが、フルート仲間が年に何回か集まり、その都度合奏を楽しんだりしていました。またそんな日が来てほしいですネ♪♪♡♠♤
2016年8月19日のモーツァルトハウス
久しぶりの晴れ間・・・・♡♠♤
♪早朝まで雨だったお天気もこの日は日中はよく晴れあがり、小諸にあるカフェ&レストラン「クレッセント」へ。この時期だけの「桃パフェ」が絶品とのことで、友人であるご夫妻が予約をして連れて行ってくれました。お店は元々は別荘だったそうで、エントランスもとても風情があり、隠れ屋的な趣で人気があるのも頷けました。看板は意識的にか、あまり人目に付かない様にかけてあって奥ゆかしい~。息子さんとお母様だけのお二人だけでやっているので、予約でいつもいっぱいなのだそうです。メニューは多彩で、パスタもドリアもとても美味しかった。ピザを目当てにいらっしゃるお客様もいるそうで、メニューはどれもはずれの無いのでは。また是非行ってみたいお店です。
小諸は思ったより近く、裏道を車で走ると自然豊かな信州らしい景色が続き、思わずもっと走っていたくなります。あっという間の帰り道でした。シーズン中は混んだ軽井沢を離れてちょっと遠出をしてみるのもおしゃれな過ごし方かも知れません~♪♪
2016年8月18日のモーツァルトハウス
霧に包まれて・・・・♡♠♤
♪軽井沢アウトレットの人気はすざましい!それに伴って道路の渋滞も半端ではなく、移動にいつも頭を痛めています。普段の軽井沢町の人口はほぼ2万人、それが夏のいっときだけ20万人になるのだそうです。10倍の人が一挙に膨れ上がるのですからどこも混む筈です。霧がたちこめ、雨も一時激しいこの日もアウトレットは凄い人の波。駐車場も一杯です。
この日の夜は、駅に近いホテルサイプレスという所でフルートの山口直美さんが生の演奏をしていらっしゃると聞き、出かけてみました。シーズンだけにホテル内も活気があり、生演奏が聴けるレストラン兼カフェテラスも満席でした。こんな風に生の演奏を楽しみながらのお食事もいいもので、山口さんはモーツァルトのK334のメヌエットや魔笛のアリア等を演奏してくれて、静かな軽井沢の夜をしっとりと愉しむことができました♡♠♤
2016年8月15日のモーツァルトハウス
爽やかな高原の風・・・・♡♠♤
♪軽井沢は8月に入って不安定なお天気が続いていました。すっきりしないお天気の中「軽井沢森の音楽祭2016 in ハーモニーハウス」に行って来ました。4日目のこの音楽祭の最終日を飾ったのは世界的に活躍するフルーティスト小山裕幾さん、ピアノ斎藤龍さんによる「森にこだまするフルートの調べ」
主宰者から最初のご挨拶があり、この音楽祭を今年初めて開催してみて、今後はお盆の道路が混むこの様な時期を避けて開催して欲しいとの要望が多かったそうで、これを考慮して来年は時期をずらしたいとのお話でした。
会場となったハーモニーハウスは、元々日本の音楽教育に生涯を捧げたエロイーズ・カニングハム氏が音楽を学ぶ若者のために1083年に建設した練習兼音楽ホールで、名建築家吉村順三の設計によるもの。ある時期から使用されないままになっていましたが、建物の維持・保存のためのプロジェクトの一環としてこの音楽祭が今年から始まりました。
軽井沢の静謐な空気の中、森の緑に囲まれたホールにこだまするフルートとピアノの調べは、しばし心が洗われるような極上の時間となりました。
最後の曲カプースチンのフルートソナタは凄い曲でした。ジャズとクラシックとの融合の作曲家だそうで、難曲そのもの、ピアニストの斎藤龍さん曰く、今までやってきた曲の中でもかなりの難曲で大変だったそうで、頭が音の洪水になったそうです!でも貴重ともいえる超絶技巧の曲の演奏に私達聴衆は何はともあれ大満足!お二人の素晴らしい演奏にギュッと魂を奪われたようなコンサートでした。
日本に戻って間もない小山さんは、時差ボケもあったのでしょうが、本番前の前日にはリハーサルの合間をぬってモーツァルトハウスにも立ち寄って下さいました。何とも爽やかなお二人に接することができ、今年の夏の思い出の1頁となりました。
2016年8月10日~23日のモーツァルトハウス
残暑お見舞い申し上げます・・・・♡♠♤
♪猛暑が続いています。立秋とはいえ暑さはまだまだこれから。体調には充分お気をつけてお過ごしください。涼しい場所で、好きな水分補給をして、好きなモーツァルトの曲を聴きながら過ごすのが何よりです。
先日ある人から「モーツァルトはどのジャンルでも素晴らしい曲を残している作曲家だそうですね!」と言われ、思わず顔がほころんでしまいました。そうなんです!と即反応した私はきっと嬉しそうな顔をしていたんだろうな~。こんな時には暑さを一瞬でも忘れている時です。
暑さの解消法はやっぱり好きな事をして過ごすこと。どうぞ素敵な夏休みをお過ごしください!♡♠♤