軽井沢 Mozarthouse News

2013年~2015年

2015年5月6日のモーツァルトハウス

5月の「偉人カレンダー」は・・・♡♠♤

2009年に始まり、一人の偉人の筆跡で一年を構成するシリーズの「偉人カレンダー」の今年は世界中から熱烈に愛されているヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの登場です。今日はその5月を紹介いたします。カレンダーの上は、従妹マリーア・アンナ・テークラ(愛称ベーズレ)宛の手紙で、1780年5月10日付ベーズレと思われる女性が描かれています。

モーツァルトが生涯に書いた手紙は400通以上。家族の手紙も加えれば、その数は1755年から91年にかけて、1200通以上にもなると言います。相当数消失したとはいえ、それでも膨大な数の手紙が残され、後世にとってこの上ない幸せなことでした。幼いモーツァルトの旅の様子を報告したレオポルトの手紙に始まり、アロイジアへの愛の手紙や、ベーズレ書簡、又母の死を伝えるパリからの手紙、ミュンヘンやウィーン、プラハやフランクフルトの旅先から綴られた手紙。更には身につまされるあの借金申し込みの手紙など・・・・。

レオポルトは「おまえの手紙はまるで小説のようだ」と息子にいったという。モーツァルトの人生そのものが稀有なドラマ、その手紙からもそれが伝わってきます。

2015年5月6日のモーツァルトハウス

コンスタンツェ・モーツァルトの香り・・・♡♠♤

モーツァルト夫人コンスタンツェ(1762年1月5日~1842年3月6日)の生誕250周年を記念して命名されたバラをご存知ですか。2011年ローマ国際コンクールFL部門金賞他を受賞し、2014年春に発表されました。色はグレーを帯び白ともピンクともクリームともいえない微妙な色彩なのだそうです。何とも上品な感じがしますね。花径は8~10㎝と中大輪。

香りはといえば、シャンパンのようなフレッシュなトップノート(グラスに注いだ時に最初に立ちあがる香り)にバニラも感じさせるフルーティなものなのだそうです。何とも香しいかな~早くその香りを確認してみたいですね。このばらは只今注文中で近々届きます。モーツァルトハウスに植えていつかご紹介できたらと思います。やはりモーツァルトの薔薇の側に植えてあげたいですね ♡♠♤   

2015年5月5日のモーツァルトハウス

春のよろこびと共に!・・・♡♠♤

桜のピンクと新緑の緑が目に鮮やか!お花も一斉に咲き誇っています。モーツァルトハスの少年モーツァルト達(リヤドロ)も緑に映えて嬉しそうに奏でています。ようやく訪れた春のよろこびですね。

昨日の大賀ホールでのチョン・ミョンフンのモーツァルトピアノ協奏曲23番は途中思いがけないアクシデントがありました。第一楽章で一時中断したのです。指の調子が悪いとのことで謝りもう一度始めましたが、ご病気だったのか分りませんが、体調のせいかもしれません。。しかしその後はベートーベン7番を指揮し、アンコールにはシューマン「アラベスク」、ベートーベン「エリーゼのために」をピアノ独奏してくれ大変な感動を与えてくれました。「指が思う様に動かず申し訳ない」という挨拶にはごまかしのきかないモーツァルトの曲というのもあるでしょうが、正直に音楽に向き合う真摯な姿も見たように思いました。

ちょうど期せずして大賀さんと開館記念に一緒に植樹したという枝垂桜が、川沿いに立っていてちょうど見事な満開の花を咲かせていましたが、この日見えていた大賀夫人に捧ぐとして弾いた「エリーゼのために」は愛のこもった温かな演奏でした。29日のバッテイストーニの日にも感じたことですが、軽井沢に大賀ホールがあることで、こうして沢山の夢や希望を与えてもらっている事を有り難く感じた日でもありました。

2015年5月4日のモーツァルトハウス

魅力満載!大賀ホールその2・・・♡♠♤

今日の公演は、チョン・ミョンフン弾き振りのモーツァルトピアノ協奏曲23番とベートーベン交響曲7番。即日完売となったもので、苦労して手に入れたチケットだけに、我々にとっても「春の音楽祭」のハイライトを迎えた気分です。この日は連休の真っただ中で追分から大賀ホールまで所要時間4時間。道路は超殺人的に渋滞し、この日は歩いたほうが早かったかもしれません。八ヶ岳から朝早く出発したはずの友人夫婦はこの渋滞にあってしまい、本当にお気の毒でした。連休中や、お盆期間の軽井沢は抜け道利用しか難を逃れる方法はないようです。開演に遅れる人も多く、チョン・ミョンフンはそれを考慮してかプレステージで、「きらきら星変奏曲」を弾いてくれました。

休憩の時に、29日の公演で大人気を博した指揮者バッティストーニと友人夫妻と思い出の記念撮影が出来ました。この日もレセプションとこの公演の為に来軽し、気さくに周辺の人々と談笑していました。
晴天が続き、新緑も美しく推移し気持ちのいい軽井沢ライフが送れています。。

2015年5月2日のモーツァルトハウス

春爛漫!小諸なる古城のほとりを訪ねて・・・♡♠♤

新緑まばゆい小諸懐古園へ。藤村記念館(谷口吉郎設計)、小山敬三美術館(村野藤吾設計)、小諸義塾記念館などを見学。建築界の巨匠の建築物も見所でした。藤村は小諸義塾の教師として7年間ここ小諸に住み「千曲川旅情の唄」や「椰子の実」などを残しました。小山敬三画伯(文化勲章受章、小諸市名誉市民)が1975年に建設し、作品と共に市に寄贈したという美術館では「白鷺城」「浅間山」連作を鑑賞。千曲川の美と小諸が生んだ芸術にとっぷりと浸りきった春の一日でした。

小山敬三美術館は、画伯の作風を建築に表現し、芸術品としての評価の高さから、設計者である村野藤吾氏に毎日芸術賞が贈られています。ここから見下す千曲川は「眺望百選」になっていて、木立の間から眺める千曲川は心のふる里ではないでしょうか・。。。

2015年4月29日のモーツァルトハウス

魅力満載!大賀ホール春の音楽祭・・・♡♠♤

4月29日(祝)、大賀ホールで若き鬼才バッティストーニが指揮デビューの日。感動的な公演でした。「アルルの女」「チャイコフスキー5番」の演目は次第に熱を増して、観客と舞台が一つになり、最後は拍手と歓声の嵐に!2002年にハーディングが芸術監督に就任した時以上にホールが活気と熱気に包まれたように思いました。バッテイストーニの大賀ホールデビューに立ち会えて幸せでした。記憶に残る一夜となりましたが、世界から引っ張りだこのバッテイストーニの演奏がこうして軽井沢でも聴くことができるのも大賀ホールがあってのこと、大賀さんにも感謝したいです。当日は東京から新幹線で見えていた加藤浩子先生にばったり!会場は満席の大フィーバーで、終了後も興奮冷めやらない雰囲気を感じました。

花と緑の春満載の大賀ホールはこれから魅力いっぱいです!5/4はチョン・ミョンフン弾き振りのモーツァルト23番とベートーベン7番です。 

2015年4月25日のモーツァルトハウス(東京)
天下の奇勝:メテオラとモーツァルト・・・♡♠♤
ギリシャのメテオラにヴァールラアム修道院があり、この修道院群はユネスコの世界遺産になっています。ヴァールラアムは東方教会(ギリシャ正教)の修道院の一つで、西暦紀元4世紀から5世紀にかけての偉大な教会博士のひとりであるヨハネス・クリュソストモスのゆかりの修道院です。ヨハネス・クリュソストモスとは、そのすぐれた雄弁によって「金口博士」と呼ばれ、説教はその名の通り「金が口から迸り出る(ほとばしりでる)」の如くであったそうである。

このヨハネス・クリュソストモスの祝日が1月27日に定められている事により、ヨハネス・クリュソストムス・ヴォルフガング・テオーフィルス・モーツァルトなる洗礼名がモーツァルトに与えられたのです。

「だが、私はいまだかつてこの金口博士聖クリュソストモスの肖像画を見たことがなかった。私の直観はこの聖人のイコンが聖なる共和国アトスか、ここメテオラのヴァールラアム修道院で求めることができるのではないかとの一種の託宣のようなものであった。1971年のアトス訪問の折にはそんな意識もなかった私だが、今度のメテオラ探訪で、私はようやくその望みを果たしたのだ。修道院の売店にはこの聖人のイコンは見当たらなかった。私は執拗に探してもらうように頼み込んだ。しばらく時間がかかったが、倉庫の中で眠っていたイコンがやっと見つかったと持ち出してくれたのだ。私の家には書棚にそのイコンが二つ飾られ、私のモーツァルト研究の毎日を見下し、見守ってくれているのである。」(日本ギリシャ協会会報 第119号:2008年8月「私のギリシャ憧憬:海老澤敏」より)

《レクイエムの系譜Ⅰ》の第2回目、今日はこのメテオラのヴァールラアム修道院で手に入れたという金口博士:聖クリュソストモスの肖像画を先生は持って来られていて、何と私たちに見せてくださいました。このギリシャの奇勝であるメテオラを海老澤先生は三度も訪れ、そしてこの公教会の最もすぐれた教父の一人として尊ばれている聖ヨハネのイコン(聖像)に出会えたのである。

2015年4月22日のモーツァルトハウス(東京)
予告!「初夏の爽やかコンサート in 軽井沢」・・・♡♠♤
このページでも何度かご紹介済みの大須賀恵里さん(ピアノ)と松田理奈さん(ヴァイオリン)のお二人をお招きして、ここモーツァルトハウスにおいて「初夏の爽やかコンサート」を開催します。ピアノとヴァイオリンの素敵なお二人のデュオのコンサートになると思います。

季節はちょうど軽井沢に爽やかな高原の風が吹く初夏、シーズンでもありますので、軽井沢にお出でになっているモーツァルトの好きの方にも、この機会にぜひモーツァルトハウスにご来訪いただきたく思います。モーツァルトの著書も多い田辺秀樹先生にはコンサート前にお話をして頂く予定です。モーツァルトの薔薇も盛りの頃で、庭では可憐なピンクの花が太陽を浴びて咲き誇っていることでしょう。。
松田理奈さんは第73回(2003年)日本音楽コンクールのヴァイオリン部門の1位で、この年には小山裕幾さんがフールト部門で1位になっています。入賞記念ツァーでピアノは大須賀恵里さん、松田さん,小山さんとは日本各地をご一緒に回った思い出もおありとのこと。いつか共演される姿を又拝見したいものです。

大須賀さんはこれから夏にかけて「蓼科クロイツェル音楽祭」などご出演を控え、又松田さんは今月29日には、N響デビューとなる『N響オーチャード定期第84回』のソリストとしてのご出演もあり、二人共ご活躍の日が続きます。

田辺先生のお話、お二人の素敵なデュオ、そしてモーツァルト仲間との又とない交流の場となるよう願って、楽しみにしております。どうぞご参加ください。コンサートの詳細につきましては後日お知らせの予定です。♡♠♤

2015年4月20日のモーツァルトハウス(東京)
永遠のモーツァルト・・・♡♠♤

モーツァルトは私たちに何を残してくれたのだろうか
モーツァルトはそもそも、自分の死後の名声とか作品の生命というようなことについて、思いを致したことがあったのだろうか。希望を未来に託すようなロマン派的な芸術家意識は、少なくとも彼の手紙を読む限りではまったくみられない。しかし、思えば、あの「Arslonga,vitabrevis(芸術は長く、人生は短し)という言葉が、モーツァルトの場合ほどぴったりする例は少ないだろう。このヒポクラテスの言葉は、元来は「(究めるべき)技術はたくさんあるのに、人生はかくも短い」という意味の慨嘆の言葉だった。しかし今日ではふつう、人の命の短さに対する芸術の永遠性という意味で使われる。モーツァルトの場合はこの言葉が、その転じた意味においてばかりでなく、おそらく、その本来の意味においても、まさにふさわしかったに違いないのである。

モーツァルトを愛する人々へ
思えばニッセン、ヤーン、それにケッヘルといった、モーツァルト研究の基礎を築いた人々の多くが、音楽の専門家というよりは、いわばアマチュアの人々であった。この事実は、何か我われを嬉しい気持ちにさせないだろうか。そう、彼らはみな、何の専門家であるよりもまず、モーツァルトを熱烈に愛する人々だったのだ。没後200年を経た現在、私たちは、モーツァルトの曲のすべてを、いつでも好きな時に聴くことができるようになった。このような時代に生まれ合わせたことを喜びながら、彼の音楽に心をこめて耳を傾けよう。人々が真剣に聴いてくれることーそれこそがモーツァルトにとって、つねに最大の喜びだったのだから。(小学館:モーツァルト全集第15巻、「永遠のモーツァルト」:構成/田辺秀樹)

心がからっぽな時も、心がうつろな時も、やり切れない思いを抱えた時も、又嬉しさで心がはじけそうな時も、どんな時も、モーツァルトは心の友として永遠なのです。モーツァルトがあるから生きていける、モーツァルトに出会えてよかった・・そんな思いが込み上げてきました。。。。

2015年4月17日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルト室内楽編曲版の魅力・・・♡♠♤

この日は午後から磯山雅先生の講演会「モーツァルトのピアノ協奏曲~その発展史をたどる」の第1回目「少年期からウィーン時代初めまで」を受講、夜はヤマハ銀座ビルコンサートサロンで、「4人で奏でる交響曲」という素敵な室内楽のコンサートがあるので、それを聴きに出かけました。ダブルヒッターです。

礒山先生の講演会は、モーツァルトのピアノ協奏曲はいかなるものかを、作曲の時間軸に従って追いながら講義していただくもの。第1回目はピアノ協奏曲の第1番から第9番<ジュノム>K271までのお話をされました。ウイーン時代初期11番、12番、13番までの予定でしたが、それは次回に繰り越されました。11番からの3部作はモーツァルト自身の思い入れも深い曲なので、楽しみは次回の講座への持ち越しとなりました。

ピアノ協奏曲はモーツァルトの作曲は遅く、17歳末にようやく最初の協奏曲K175を作曲しました、交響曲では既に25番まで進行していた時期です。満を持しての作曲だったのですね。ヴァイオリン協奏曲第1番K207と頃を同じくしますが、第1楽章の構成パターンはこのK207のコピーで、第2楽章も酷似なのだそうです。近い時期でこれほど似た曲を作るのは、オーボエとフルートの協奏曲以外では珍しいとの事。
又<ジュノム>K271だけが、ピアノが最初から入る曲で、前例もなく、これ以降も二度と行っていないので、新機軸というよりは、おそらくモーツァルトのユーモア、遊び心からであろうと先生の見解。きっと特別な人(大切な女性)の為に書いたという説を先生も支持。愛を込めた行いだったんですね~。そう思って聴くと、<ジュノム>にはロマンを感じます。

さて、夜は、モーツァルトの三大後期交響曲39番、40番、41番を、室内楽用にフンメル(1778~1837)が編曲し、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、オーボエで演奏されるという、極めて貴重な演奏会でした。このような室内楽用編成は19世紀に大いにもてはやされ、サロン風なコンサートとして貴族の館などで楽しまれたもの。この日も当時の雰囲気そのままのスペースで味わうことができました。モーツァルトの交響曲だけに優雅で荘厳な調べが、ピアノと管と弦楽器とに見事に調和しハーモニーとなって、その時代に我々をいざなってくれているようでした。

過去に、「レクイエムニ短調」や「交響曲40番ト短調」を編曲版で聴いたことが有るのを思い出しましたが、「レクイエム」はカール・ツエルニーがピアノ用独奏用に編曲したもの、また40番はムーツィオ・クレメンティによる編曲版で、フルート、ヴァイオリン、チェロにピアノの編成でした。

この日の銀座での演奏会は、素晴らしい息の合ったメンバーによる演奏で、モーツァルトの曲の魅力と編曲版の魅力を改めて存分に味わった夜となりました。又聴く機会があればと願っています。♡♠♤

2015年4月14日のモーツァルトハウス(東京)

「若き才能とアマデウス」・・4月例会・♡♠♤
若手の実力派ピアニストとヴァイオリニストの共演で、モーツァルトのヴァイオリンソナタとピアノソナタの演奏会が4/23(木)に東京文化会館小ホールであります。
金子三勇士(ピアノ)&成田達輝((ヴァイオリン)
・ロンドイ短調K511
・ヴァイオリン・ソナタホ短調K304 
・ヴァイオリン・ソナタイ長調K526
・ピアノ・ソナタハ長調K330
・きらきら星変奏曲ハ長調K265

4/23(木) 開演:18:45 二人の共演楽しみです。♡♠♤

2015年4月11日のモーツァルトハウス(東京)

生と死の交歓の響き「レクイエムの系譜Ⅰ」が開講しました・・・♡♠♤
新学期を迎えて、モーツァルト講座「レクイエムの系譜」の第Ⅰ期が始まりました。新たな受講者もふえて、この期も楽しく学んでいこうと思います。

レクイエムなる語は死者を悼む行為、またその音楽として現代では広く用いられている。だが元来この語はカトリック教会の典礼の一つであり、そのミサの音楽(聖歌)であった。その音楽としての〈レクイエム〉の始原から18世紀のモーツァルトまでの流れを辿る。(講師:海老澤敏・記)
第Ⅰ期では、〈レクイエム〉とはなにか、から始まりバロック以前の〈レクイエム〉を辿り、その後第Ⅱ期では、バロック期のレクイエムの諸相から、そしてモーツァルトの〈レクイエム〉となって最終回です。半年に亘る12回の講座を聞き終えた時に、さてどんなモーツァルトの「レクイエム」が待ち受けているのか、未知の姿のモーツァルトの「レクイエム」に出会える、それを楽しみに辿る旅です。

(「海老澤敏著:レクイエムのためのレクイエム」より)
〈レクイエム〉はもともとカトリック教会が11月2日の《信仰者の死者の記念》(二級祝日)に執り行われるミサ典礼の入祭文の最初の言葉「レクイエム・エテルナム・ドナ・エイス・ドミネ(主よ、永遠のやすみを彼らに与え給え)」の冒頭の言葉であり、それがこの死者のためのミサを指示する用語となった・・・・この《信仰者の死者の記念》の祝日をはじめて記念して行事が行われたのは、西暦998年、聖オディロネ大修道長によって、フランスの名高いクリュニーのベネディクト派修道院においてであり、そこから次第に全教会に広まっていったという。

写真:モーツアルト《レクイエム》K626総譜初版扉絵(海老澤敏所蔵)

2015年4月9日のモーツァルトハウス(東京)

「夢中落花」を詠んだ歌(西行)・・・♡♠♤
昨日は冬に一気に逆戻りしたような寒い一日でしたが、桜が咲いているその枝に、5年ぶりに降ったという雪が積もり、桜が本当に寒そうにしていました。これは桜を擬人化したもの・・・・。

西行法師の歌に「春風の花を散らすと見る夢はさめても胸のさわぐなりけり」というのがあって、私はこの歌が大好きで、この桜の季節の頃になるといつも思い出します。西行には「ねがわくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月の頃」という、あまりに有名な歌がありますが。

在原業平も「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」という歌を古今集に残しています。もしこの世の中に桜というものがなかったらば、どんなにか春の心はのどかであったろうに。と嘆息したのであるが、むろん桜を愛するあまりの逆説である。「夢中落花」の歌で表現した西行の歌と、そこには長調と短調の違いがあるだけで、根本的な発想には大変よく似たものがあると思う。と、白洲正子氏は「西行」の中に書いています。業平も西行におとらず桜を愛していたのでしょう。その桜を愛おしむ熱いものが読み手に伝わってきます。

「おのづから花なき年の春もあらば何につけてか日を暮すべき」という歌は、「端正にして美麗なること、眼の及ぶところに非ず」と公家の日記に絶賛されたほどの美人で、西行にとっては待賢門院の再来のように思われたであろう、上西門院というお方が詠んだ歌とか。

花の散る夢を見て胸騒ぎをしたり、花の咲かぬ年は気落ちしてなすすべもなかったりといった虚脱感など、桜は何と古から日本人の心を掴んで離さなかった花なのでありましょうか。こういう古の歌に触れると、尚更、現代に生きる私たちも桜がいっそう愛おしいものに思えてきます・・・・。
「親鸞(しんらん)上人絵詞伝」よりもう一首、「明日ありと思う心の仇桜、夜半(よわ)に嵐の吹かぬものかは」
桜は明日もまだ美しく咲いているだろうと安心していると、その夜中に強い風が吹いて散ってしまうかもしれない。明日はどうなるかわからないという、世の無常を説いた戒め。

久しぶりに晴れ渡った今日は、散りゆく桜を今一度愛でて心にそっと刻み込む日かも知れません。・・・・・・・モーツァルト弦楽五重奏曲K516のアレグロが浮かんできます・・・・・。♡♠♤

2015年4月8日のモーツァルトハウス(東京)

井上道義×野田秀樹のコラボの行方?・・・♡♠♤

音楽と演劇界の巨匠がタッグを組み、新しい「フィガロの結婚」が誕生!しました。お二人のこの舞台にかける意気込みを語ったチラシが届いているので、紹介します。
以前、野田氏の演出したヴェルデイの「マクベス」を観た井上氏は、野田氏には悲劇があっていない、悲劇よりも難しい喜劇をやる人だと思い、いくつかの候補を持ち込み、実現まで時間がかかったものの、このオペラ「フィガロ」の上演が決定したそうな。野田氏は、やはり「フィガロ」の作品の奥深さからか、おもしろくなり、本来の芝居の新作に当てる時間まで「フィガロ」に時間をかけてしまった。しかし、自分が面白いとのめり込んだ時は、たいていその成果として面白いものが出来るに違いない・・・。と語っています。

この野田秀樹氏演出の「フィガロの結婚」は、はたしてどんな演出なのか、期待と一抹の恐ろしさ???で、どきどきしますが、何点か特徴的な試みがなされています。主人公のフィガロ〈フィガ郎)とスザンナ(スザ女)など、日本人であること(庭師アントニ男なども)。このフィガロでは、日本人は日本語で、西洋人はイタリア語で歌うことが自然な設定にできないかと考えたという点。また副題の「庭師は見た!」という切り口も野田氏の発明で、この着目点も何かいつもと違う「フィガロ」になりそうな予感が・・・。そして、字幕にも注目で、野田氏自身がつくった字幕なのだそうです。

以上の事を鑑みると、誰も観たことがない新しい「フィガロ」であることは間違いなさそう。野田氏の「男女のありとあらゆる恋愛事情の中で、いろんな感情が網羅されているところ、言っている言葉とは裏腹な音が出ているところが圧倒的に面白いですね。そこの部分をどう見せるか」と語っているのが、大いに気になりますが。

全国10都市13公演、音楽界と演劇界の夢のコラボレーションオペラ、井上道義×野田秀樹、二人の鬼才が放つ、新フィガロの結婚は、果たして観て良かったと思うか?又は観ない方がいい?、観ないと分からないので、とにかく行くしかない(私たち)・・・という感じでしょうか。

〈庭師アントニ男よりみなさまへ〉
今宵は、懲りない「男と女」のお話を、この庭師がいたします。ところは長崎、港の見える丘。時は黒船来航の世。その黒船より、フルーツ、ピアノ、ダンス、牛鍋、オペラ、そして西洋人が降りてまいります!

さて、見てのお楽しみ・・・。

東京公演は、ミューザ川崎、2015年6月17日(水)18:30~  芸術劇場、10月24日(土)14:00~、10月25日(日)14:00~  となっています。

2015年4月6日のモーツァルトハウス(東京)

玉ちゃんバスで行く「室内楽セミナー」・・・♡♠♤

以前にも参加したことがある「TAMA音楽フォーラム 室内楽セミナー」のご案内が届いています。東京藝術大学名誉教授であり、神戸市室内合奏団の音楽監督、リゾナーレ音楽祭、六花亭ホールなどのプロデュースなど、意欲的な活動を 続けている岡山潔氏が、若手演奏家育成を目的とし、室内楽のセミナーやコンサートなどを定期的に開催しています。そのホールである、「スタジオ・コンチェルティーノ」は玉川学園駅より徒歩15分か、又は「コミュニティバス(玉ちゃんバス)を利用して行きます。海外のアーティストたちとのパイプも太く、ここでのコンサートには海外からの著名な演奏家も登場します。
「TAMAフォーラムを支える会」の会員にもなりましたので、モーツァルト関係のセミナーがある時は出来るだけ出かけたいと思います。第50回、5/23(土)には「モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364」の公開レッスンが、講師が今井信子さん(Va)で開催されます。

2015年4月5日のモーツァルトハウス(東京)

素晴らしき若者たち・・・♡♠♤

昨日、よみうり大手町ホールでのコンサートを終えたばかりの大須賀恵里さん(ピアノ)と4人の期待の若手ヴァイオリニストの4人。違う作曲家4人の曲を伴奏で支えた大須賀さんのピアノとヴァイオリンのそれぞれのハーモニーは本当に素晴らしかった。出かけて本当に良かったなと思いました。

そのお一人である松田理奈さんは、4/29(祝)に、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲で、『N響オーチャード定期第84回』にソリストとしてN響と初共演されます。

大須賀さん(ピアノ)と4人の若きヴァイオリニストたちの面々♡♠♤

2015年4月4日のモーツァルトハウス
若き精鋭たち・・・♡♠♤ 
Andiamo(共に歩もう!の意)Ⅲ 大須賀恵里ピアノ室内楽シリーズ第3回 ~未来を嘱望される若者たちを迎えて~ 2015.4.4(土)14時開演 よみうり大手町ホール

今日は大須賀恵里さんのピアノで、ヴァイオリンの弓新(ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第1番 ニ長調)、南紫音(フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調)、正戸里佳(ラヴェル:ヴァイオリンソナタ ト長調)、松田理奈(ブラームス:ヴァイオリンソナタ 第1番 ト長調作品78”雨の歌”)の、それぞれ素晴らしい演奏を聴きました。

新しく出来たばかりの、よみうり大手町ホールは音響も素晴らしく、木をふんだんに使ったホールは、音を優しく包み込む柔らかさを感じました。地下鉄からのアクセスも良く、これからの公演が楽しみです。
4人のヴァイオリニストさんは、世界的な大きなヴァイオリンコンクールで受賞歴のある俊英ばかり。最後のブラームスのヴァイオリンソナタは、ブラームスからクララシューマンに捧げられた曲。この曲、特に第3楽章に深い感銘を受けたクララは「あの世にもっていきたい」と述べたという。私はクララになった心持になり、第3楽章の優美かつ感傷的な「雨の歌」の旋律には、思わず胸にあついものが・・・。

2015年4月3日のモーツァルトハウス
旅立ちの時・・・♡♠♤

4月は、旅立ちの月。就職して社会人としての第一歩、新入生としての第一歩、進級あり転勤あり、様々な形で環境の変化がつきまといます。そして桜の季節・・・何となく周りのこんな変化に刺激をうけ、新たな気持ちでにさせられる・・そんな月でもあります。

さて、ヨーロッパにいたモーツァルトはどんなだったのでしょうか。ウイーンやザルツブルクには春はまだちょっと遠く、ようやくクロッカスの花が咲く頃でしょうか・・・。
さて、4月のモーツァルト自筆のカレンダーです。K383(467a)の譜面上で何やら計算をしています。

4月「数字の書かれた譜面」

2015年4月2日のモーツァルトハウス
お奨めカツカレーは懐かしい味・・・♡♠♤
お母様の代からごひいきという中軽井沢にある「福幸亭」というお店を、軽井沢通の友人が、今回教えてくれたので、早速ランチに行って来ました。メニューの豊富さが際立ったお店ですが、「カツカレー」がお薦めとの事。カレーとご飯が別になっている所が「福幸風」なのです。シジミのお味噌汁も付き、野沢菜と大根のお漬け物もなかなかで、長い間馴染客に愛されてきたことが納得のできるお店でした。

ランチの後は、大賀ホールへ。GW中に大賀ホールで開催される「春の音楽祭」の4/29(祝)のチケットをようやくゲット!指揮者バッティストーニが大賀ホールにデビューを飾る公演です。それに、モーツァルトピアノ・ソナタ全曲演奏会のチケットも(7/4第2公演分)これからシーズンに向けて、大賀ホールだけではなく、町じゅう賑やかさを増していきます。

雪をまだまだらにかぶった浅間山。風はひんやりしますが、軽井沢にも春がすぐそこまで・・・。これから、こぶし、きぶし、芝桜、すみれ、GW後半には山桜、そしてみつばつつじ・・・と続き、春爛漫の季節を迎えます。

2015年4月1日のモーツァルトハウス
小さな春が軽井沢にも・・・♡♠♤
久しぶりに訪れた「軽井沢モーツァルトハウス」。フキノトウがこんなかわいらしい花をもう咲かせていましたよ。

2015年3月24日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトがあるだけで幸せ・・・♡♠♤

今朝は一寸冷え込見ましたね。でもテラスからは真っ白に雪をかぶった富士山が美しく輝いていました。昨日は例年より3日早い開花宣言がだされ、春は着実にすぐそこまで来ているのを感じます。

そんな今日はこの曲、モーツァルト「ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K414」がピッタリの朝です。アルフレート・ブレンデル(ピアノ)、アルバン・ベルク四重奏団の演奏です。ピアノ協奏曲を、ピアノと弦楽四重奏用に編曲した版で聴いています。この曲のもつモーツァルトの際立った美しい軽やかなメロディが、ピアノと弦楽四重奏という編成でより鮮明に透き通るように、耳に届きます。大好きな曲の一つです。何て愛らしいメロディなのでしょう。モーツァルトがウイーンに進出した翌年1782年11月3日にアウエルンハンマー家にて初演されたと考えられています。K413、K414、K415と連続したこれらの3曲をモーツァルトは父レオポルトへの手紙で「やさしすぎもせず、むずかしすぎもせず、ほどよい中間を保っています・・・」と語っています。

さて、軽井沢ニュース、2015年3月13日発行 第139号の「軽井沢の別荘人」第17回として、我々夫婦が紹介されました。「軽井沢モーツァルトハウス」の看板と、愛車(ナンバー1756)と写った”モーツァルト気違い”の我々が載っています。お恥ずかしい限りです。どうぞこれをご覧になったモーツァルトが好きな方は、近くまでおいでの節はどうぞお立ち寄りください。
この世で、モーツァルトがあるだけで幸せ・・・というふたりです。。

2015年3月20日のモーツァルトハウス(東京)

こころの玉手箱~モーツァルト全集・・・♡♠♤

今日の日経新聞夕刊文化面、「こころの玉手箱」に「モーツァルト全集」というタイトルを見つけました。歴史学者である五味文彦氏のエッセイの5回シリーズ最終回、「入院中聴き、文学読み解く」です。2年前に救急車で運ばれ、血腫がくも膜や硬膜の下に溜っているとの診断で入院、血腫が吸収されるのを早くするには、「絶対安静、、物を考えるな」という指示が出された、「物を考えるな」とは困り果て、CDプレーヤーで音楽を聴くことにし、それが「モーツァルト全集」だったそうである。退院されても尚、2ケ月間ずっと聴いて過ごされたそうである。

この「モーツァルト全集」は、五味氏が「まんが日本の歴史」シリーズのシナリオを書いた際に、お礼として出版元の担当者から贈られたもので、モーツァルト没後200年記念として1991年に、小学館・フィリップス国際共同出版されたもの。全15巻、監修が海老澤敏、エリック・スミス、小学館が創立70周年記念企画でもあり、音楽出版史上最大のモーツァルト全集でした。CDは178枚、多彩な執筆陣による書籍全15巻も豪華で、軽井沢モーツァルトハウスでもバイブル的な存在になっています。

その後、絶対安静も解かれ、執筆はよいとのことから休養期間には、モーツァルトを聴きながら「枕草子」の研究もされたそうです。そのことで文学作品にこそその書かれた時代の物の考え方が良く分ると気付かされ、結果、文学作品を歴史的に読み解く作業を行う様になり、その分析は今でも続いているそうである。

入院中の心の癒しにもなり、その後の研究にも影響を与えた「モーツァルト全集」・・・・私も改めて愛おしくなった気がしました。

2015年3月19日のモーツァルトハウス(東京)

本日発売「音楽の友4月号」・・・♡♠♤

「大須賀恵里ピアノ室内楽シリーズ第3回~未来を嘱望される若者たちを迎えて~」のコンサートの取材記事が本日発売の音楽の友4月号に載っています。

コンサートは4月4日(土)よみうり大手町ホールで14時開演です。左の写真のアップが昨日紹介できなかった正戸里佳さんです。

2015年3月18日のモーツァルトハウス(東京)
極上の喜び・・・・♡♠♤
昨日はダブルヘッダーで、前半はモーツァルトのオペラの講義、夜は、ある素敵なお宅のサロンで、極上の演奏を聴き、終了後は華やかなそして温かな雰囲気のホームパーティを楽しむ、贅沢で幸せな一日となりました。

オペラの講義は、所属している日本モーツァルト協会の主催で、音楽評論家の堀内修氏の『見い出される悲哀~「ドン・ジョヴァンニ」と「コジ・ファン・トゥッテ」=2つのオペラ・ブッファの新しい上演がとらえる悲しみ』というテーマで、東京文化会館の会議室でありました。

ダ・ボンテ三部作で「フィガロの結婚」と同じオペラ・ブッファなのに、ちょっと意味合いの違いを感じるのが「ドン・ジョヴァンニ」と「コジ・ファン・トゥッテ」ですね。最後は盛り上がって終わっているのに、なぜか心が浮き立たない、沈んだ気持ちになるのだと堀内氏は話されました。確かに幸せオペラとは言い難いものがあります。「コジ」は元のカップルに戻っても、ぎこちなさが残るし、もうすっかり以前の様にはなれない辛さがにじみ出ているのを感じてしまい、実際そういう演出も多いです。「ドン・ジョヴァンニ」は主人公の地獄落ちがあるのですから、こちらも音楽は別として、ストーリー的には幸福感で終われるものではありません。

独自表現できる可能性を多く含み、自由度の高さがモーツァルトオペラの大きな要素であり、最近では芸術家として指揮者も、歌手も、上手くなっていて、演出家も多彩な解釈で演出し、聴衆の私たちにとって、「考えさせられるオペラ」にグレードアップしてきたのを、近年感じると締めくくられました。
こうして3回シリーズの堀内氏のオペラ講座は終了しましたが、映像をふんだんに使い、先生の解説内容に映像での説得力も加わり、毎回本当に楽しくモーツァルトのオペラを学ぶことが出来ました。

夜行われたサロンでの演奏会は、ピアノが大須賀恵里さん、大きな国外で権威あるヴァイオリンコンクールで入賞を果たし、海外留学の経験もあり、個々の魅力を充分持ち備えた素晴らしい若手演奏家である南紫音さん、松田理奈さんがご出演されました。大須賀さんはお二人の国内外のコンクールにもご一緒され、近くで成長をずっと見守られてきた方でもあります。

大須賀恵里ピアノ室内楽シリーズ第3回~未来を嘱望される若者たちを迎えて~は来月4/4(土)よみうり大手町ホールで、バイオリンが弓新さん、南紫音さん、正戸里佳さん、松田理奈さんがご出演されるコンサートです。間違いなく未来を担っていく実力者たちです。とても楽しみです。
大須賀恵里さんが、この他にもファイスブックに楽しい写真を載せてくださっています。

素晴らしい迫力の演奏でした。そして素敵な女性の方たちです。左から、松田理奈さん、大須賀恵里さん、南紫音さん。右の写真の両側は、メトロポリタン歌劇場管弦楽団の専属ハーピストの安楽真理子さんの御両親様です。真理子さんはメト・ライヴヴューイングの「ナクソス島のアリアドネ」などで画面に大きくアップされますね。

2015年3月10日のモーツァルトハウス(東京)

世界のコンサートホールベスト10に・・・・♡♠♤
英ガーディアン紙に先日発表された「世界のコンサートホールベスト10」に、日本からは東京オペラシテイコンサートホールが紹介されていました。当然のようにベルリン・フィルハーモニーやウイーンの楽友協会ホール、ボストン・シンフォニーホール、2015年1月オープンの超近代的なフィルハーモニー・ドゥ・パリ、英国は、マンチェスターのブリッジウォーターホール等、ブラジルやニュージーランドにも良いホールがあるのですね。フィンランドのシベリウスホールもベスト10入りしています。
先日、モーツァルト連続演奏会を聴いたサントリーホールの音響の良さを改めて感じましたが、総合的ないろいろな要素で選んだベスト10なのでしょうね。

またまた日本人が快挙です!パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールで、横浜市の毛利文香さんが2位に入賞とのニュースです。毛利さんは桐朋学園大学音楽学部を経て、現在は慶應義塾大学文学部2年生。このコンクールでは1999年に庄司紗矢香さんが史上最年少で優勝していて、2006年に正戸里佳さんが3位に入賞しています。

2015年3月8日のモーツァルトハウス(東京)

シンフォニー全曲演奏会・・・迫力の音楽変遷のドラマ・・・・・・♡♠♤
昨日(7日)から始まった、モーツァルト交響曲全曲演奏会、1日3公演を2日間6公演で、モーツァルトの交響曲の全曲を演奏しようというもの。世界的に見ても稀なイベントともいえるものに立ち会う事ができました。素晴らしい体験をさせてもらい、関係者に感謝の気持ちでいっぱいです。この様な企画は、準備の段階から実行までのご尽力はいかばかりであったかと察せられ、頭がさがります

私たちは2日間6公演の内、初日は15番K124から第21番K134までを、サントリーホール・ブルーローズで、又翌日2日目は、38番K504「プラハ」から最後の高みの極みといえる41番K551「ジュピター」までを大ホールで聴きました。最後のジュピターで交響曲半世紀に亘る旅を終えましたが、モーツァルト交響曲の進化をまるで音楽のドラマで辿る様な稀有な体験でした。この様な体験はきっともう二度と出来ないのではと思うだけに、この場に立ち会えた喜びは大きかったです。

1955年1月27日のモーツァルトの誕生日に、ザルツブルク国際モーツァルテウム財団の日本支部として誕生した「日本モーツァルト協会」の主催で、創立60周年記念公演だけに、ザルツブルク国際モーツァルテウム財団からはライジンガー博士も同席されていました。

初期の頃の滅多に演奏されない曲を聴きながら、モーツァルトは最後にジュピターというあの人類が達し得ない高みにまで到達してしまい、そのモーツァルトの比類なき才能に、人間誰もがついて行けなかったのではないか、との思いを新たにしました。ジュピターとは、ヨハン・ペーター・ザロモンが後に名づけたという、ギリシャ神話の最高神ゼウスのローマ神話での名・ユピテルの英語読みであるという。それがギリシャ的な造形美と堂々とした風格を持ったこの曲にピッタリで定着したもの。

全曲演奏会を通じて、特にジュピターは素晴らしく、また強烈な印象を残しました。それは昨日第1番からモーツァルトの交響曲の変遷(初期のバロックの伝統から発した作品から、完成された晩年へ)を辿って来たからこそ、改めて感得することができた、遙かなるモーツァルト交響曲の高みなのでしょう。これが、モーツァルトが我々に残してくれた最後の交響曲であり、そして18世紀最高の交響曲なのだという、その才能への感動ともいえる思いが観客の心に響き、最後にホール全体が万感の拍手の渦に包まれたのだと思います。私はこのジュピターに導かれてモーツァルトを好きになったので、これ以上の交響曲はこれ以降、これからもこの世には存在しないと固く信じています。

それにしても、初日演奏したシアターオーケストラ トーキョーは、1日で全26曲、2日目の東京フィルハーモニー交響楽団は、全19曲で、指揮者は3名づつ、2日間6名で、我々に最高の演奏を聴かせてくれた2つのオケと指揮者達に心からの賛辞を贈りたいと思います。特に後期4大交響曲を演奏した東京フィルハーモニー交響楽団の団員の熱演と指揮は、歴史にのこるものでした。そして第4楽章の演奏は超アレグロともいえるスピード感で、未だかつて聴いたことのないフィナーレの迫力に満ちた圧倒的に素晴らしい演奏でした。♡♠♤

2015年3月6日のモーツァルトハウス

交流の有り難さ・・・・・・♡♠♤
今回は軽井沢滞在中に、地元の情報誌「軽井沢ニュース」の取材?を受けました。モーツァルトハウスの事を記事にしてくださるそうで、モーツァルト三昧の日々を送っているという夫婦として紹介して下さるというものらしいです。有り難い事ですので、東京での「モーツァルト交響曲45曲全曲演奏会(3/7、8:サントリーホール)」のことや、7月には、軽井沢大賀ホールでも、モーツァルトのピアノソナタ全曲演奏が行われるなど、モーツァルトがらみの話題もこの際お話しました。この春10周年を迎える「大賀ホール」ですから、このコンサートには東京方面からも大勢見えるかも知れません。

久しぶりの軽井沢では、日頃なかなかお会いできない方々にもお会いでき、充実した日々でした。モーツァルトに出会えてよかったと思える瞬間です。軽井沢でも、もっとモーツァルトの輪が広がって行くと良いなと思います。帰る日に撮った写真の後ろには、雪をかぶった浅間山がみえます。


左:3月のモーツァルトの筆跡のカレンダー 

2015年3月5日のモーツァルトハウス
春の日差しを・・・・・・♡♠♤

一面真っ白の雪景色、久しぶりに訪れたモーツァルトハウスでしたが、まだまだ寒さが厳しく、薪ストーブを焚いて温まる毎日。でも日差しは春の温かさ、晴天の日はどんどん雪が解け始めています。

とんかつ「侘助(わびすけ)」は、以前から美味しいと評判の、軽井沢在住の友人ご夫妻がイチオシのとんかつやさんです。ようやく連れて行って頂きました。アツアツの揚げたてのヒレカツを頬張り、大山盛りキャベツに自家製のソース、それに大きなあさりの入ったお味噌汁に御漬け物、どれをとっても嬉しくなるばかりのオイシサ!。厚みのあるヒレカツで、女性でも食べやすいようにちゃんと半分に切ってあります。20人弱の椅子席があり、インテリアもシンプルで、おしゃれです。国道18号線バイパス沿いにあるお店。「日本一のとんかつ」といわれているとか、そんなお店です。♡♠♤

2015年3月1日のモーツァルトハウス(東京)
「死とはどんなものだとお考えですか?」・・・・・・♡♠♤
-死とは・・・・、モーツァルトを聴けなくなることです。
モーツァルト賞讃の言葉としてよく使われます。真実を言い当てていて、そうだと頷かずにはいられない・・・。生きているうちにモーツァルトを楽しまなければ・・と思わせる所も・・・。

先日、仲間との宴の会で、さてこの有名な言葉は誰の言葉?という話題になり、アインシュタインに決まっていると思いきや、古くはアフリカのシュバイツアー博士と思っていた時があったが、ノーベル物理学賞で、モーツァルト愛好家で有名な小柴昌俊先生が、物理学者のアインシュタインの言葉だとおしゃったのを、直接講演で聞きましたとか、いや、神学者のカール・バルトではないか・・、それを書いてある新聞の切り抜きを持ってるとか。

その後、いろいろ調べて下さる方がいて、それによれば、相対性理論で名高い物理学者、アルバート・アインシュタイン(1879-1955)、そのいとこ(いとこではないという説もあり)の、音楽学者のアルフレート・アインシュタイン(1980-1952)、それにカール・バルト(1886-1968)等の説があるのだと言います。

1966年に白水社から初版が出版され、その後1995年に新装復刊された「モーツァルト頌」(吉田秀和・高橋英郎/編者)には、アルバート・アインシュタインの言葉として紹介されています。私はこの「モーツァルト頌」が今我々がこの言葉を知る、そもそものきっかけとなったものではないかと思うのですが・・(もし、これ以外をご存知の方がいらしたら教えてください)

但し、「モーツァルト頌」のこの言葉の後には但し書きがあって、「出典は不明であるが、編者の記憶により引用しておく。」となっています(1995年、復刊版)。。要するに高橋英郎氏、吉田秀和氏、どちらかの記憶によるものというのです。出典は不明でも、又たとえ誰の言葉だったとしても、生きた言葉として我々に語り続けています。
さて、あなたが「生きるとはどういうものだとお考えですか?」と問われたら、どう答えますか?「生きるとは・・・・、モーツァルトを聴くことです。」でしょうか・・・・。


2015年2月26日のモーツァルトハウス(東京)
「嗚呼、モーツァルト生の喜び」日経新聞朝刊・・・・♡♠♤
日本モーツァルト協会は設立60周年を迎え、今年はいろいろなコンサートホールで記念コンサートが催されます。今日の日経新聞朝刊「文化」欄に、副理事長である日和崎一郎氏がエッセーを寄稿しています。

それによると、大学時代は喫茶店でモーツァルトを聴き、浸るうちに、モーツァルトのとりこになっていた。日本モーツァルト協会には、1955年の協会設立の3年目となる58年に入会するも、社会人となってからは時間がなく3年間で退会。海外赴任などもあり帰国して90年に再入会しようと思った時には、「入会待ちが数百人いると断られた」そうで、当時会員数は1000人を超える人気作曲家にモーツァルトはなっていた。93年まで続いたその背景には、1980年代の映画「アマデウス」の大ヒットや、また1991年のモーツァルト没後200年などが大きく影響していたと語る。その後バブルは崩壊し、協会の会員数は減り、ようやく95年に再入会を果たし、現在は理事会のメンバーとして活躍されているが、いつも気さくな笑顔が印象的な方である。
〈モーツァルトのオペラではめったに人は死なない。「音楽は楽しくなければならない」との信念に共感する。・・・・・・モーツァルトは生きる喜び。生涯聴きつづけたい〉全く同感である。

2015年2月24日のモーツァルトハウス(東京)

「聞く楽しみ」を味わった思い出・・・・♡♠♤
モーツァルト愛好家の長老として親しまれ、、以前モーツァルト好きに独自の解説付きでCDを聴く場を提供してくれていた方がいて、いつからかこの会は主宰者である宮長さんのお名前から「宮長セミナー」と名付けられるようになり、月1回のペースで開催されるこの会に有志が集い贅沢な時間を過ごしました。作曲家、演奏者、オケ、楽器、年代、時代背景など宮長さんの優れた感性で曲を解説し、厳選されたCDを流し、ただ集まったものは、その場でひたすらじっと耳を傾ける・・・。
宮長さんは2004年7月、87歳でお亡くなりになりましたが、お亡くなりになる直前の6月26日までこの会は続き、第54回目が最期となりました。私たちは第32回(2002年3月9日)から参加し始め、ほとんど毎回参加しましたが、B5版の紙に丁寧に手書きされたレジメは、今でも全て大切に保存しています。

この宮長セミナーはその後は「沖ミュージックサロン」と名を換え、年4回のペースで後継者である世話役の手で受け継がれています。CDの鑑賞だけにとどまらず、今は大きなスクリーンでのオペラやDVD観賞など多彩な内容になり、素晴らしいスピーカーやオーデイオ装置で聴く、聴き比べも、沖ミュージックを舞台に依然として続けられています。愛好会の有志の発表の場ともなり、モーツァルトの名盤や、時にはモーツァルトから離れて秘蔵の曲を披露する場だったりと、時代と共に姿は変わってきましたが、終了後の懇親会は宮長さん時代からのもので、今でも楽しい交流の場としての年輪も重ねています。

加藤浩子先生が、オペラ「フィガロの結婚」のCDでの聴き比べについて書かれているのをブログで拝見し、私はこの「聴く楽しみ」の体験を思い出しました。私たちにとって懐かしい忘れることの出来ないセピア色の思い出であり、宮長さんは当時次回第55回目のセミナーの準備までされていたそうですから、今も続いているこの「沖ミュージックサロン」のことは、きっと天国で喜んで見ていてくださることでしょう。
いつの日か、最終回となった54回目の「宮長セミナー」を再現して、「聴く楽しみ」を教えてくれた宮長さんを偲んでみたいと思いました。

(以下が最終回第54回のレジメの抜粋です。曲解説は除いています)

第54回宮長セミナー
日時 2004年6月26日(土) 14:00~16:00
場所 沖ミュージックサロン
テーマ「モーツァルトの弦だけの室内楽の名曲を聞く」
プログラム
1、ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲NO2 変ロ長調 K424(1783)・・
演奏のヴァイオリンはフランスの名手デュメイとヴィオラの名手コセの水ももらさぬ協演を展開します。

2、弦楽四重奏曲NO17 変ロ長調 K458「狩」(1784)ハイドンセット第3曲・・
演奏のアルバンベルク四重奏団は1970年にウイーンの音楽大学の若手教授たちが結成した四重奏団で技術もセンスも最高の名手たちです。

3、弦楽五重奏曲 NO3 ハ長調 K515(1787)・・・。
演奏ラルキブデッリは、オランダの古楽器の名手を、古楽器チェロのアンナー・ビルスマ(1934年生まれ、古楽器チェロの第1人者)が結集したもので、モーツァルト時代の音を今に伝えてくれるすぐれた楽団です。

4、弦楽四重奏曲NO23 ヘ長調 K590 「ペルシャ王第3番」(1790)・・・
演奏のアルバンベルク四重奏団は1971年にデヴューして1996年には25周年を迎えたわけですが、この間実に充実したアンサンブルを求め、あらゆる四重奏曲を録音して室内楽ファンを楽しませてくれました。弦楽四重奏はとっつきにくい方もあると思いますが、この機会に弦楽四重奏曲をもっと聞かれるようにおすすめ致します。

今も懐かしい手書きの解説書 

2015年2月23日のモーツァルトハウス(東京)

心の清涼剤・モーツァルト・ディヴェルトK136・・・・♡♠♤
モーツァルトの数あるディヴェルトメントの中で圧倒的な人気を誇っているのがK136ですね。サイトウ・キネン・フェスティヴァル松本で、アンコール曲で決まって演奏される曲としても有名になりました。恩師である故斎藤秀雄先生との思い出の曲だからと指揮者である小澤征爾さんは語っています。モーツァルトファンなら誰でも好んで聴く、親しみやすい曲です。

そんなディヴェルトメントK136が演奏されるコンサートが2/28(土)に東京文化会館小ホールであります。ディヴェルトメントニ長調K136、ディヴェルトメントニ長調K131、交響曲第18番ヘ長調K130が演奏されます。

演奏は、「ラ・バンド・サンバ」で、「楽しい、いかした」という意味の合奏団で、18世紀のモーツァルト時代のディヴェルティメントをノリよく楽しむという事で結成された若手の合奏団です。主なレパートリーはモーツァルトのディヴェルティメントや室内楽で、編成は弦楽合奏から管楽六重奏、管弦楽のアンサンブル、クラヴィーアを交えた編成まで多様です。
しばし、清涼剤ともいえる心を弾ませてくれるモーツァルト、ディヴェルトメントK136を、初期の交響曲と共に、フレッシュなメンバーによるノリの良い演奏で楽しむのもいいかも知れません。♡♠♤

2015年2月22日のモーツァルトハウス(東京)

北の都・札幌に響くモーツァルト・・・・♡♠♤

北海道のお菓子と言えば「六花亭」ですね。北海道の豊な恵みのを使ってチョコレートなどの美味しいお菓子作りをしているお店です。可愛い花柄の包装紙や紙袋は何とも愛らしく気分を明るくしてくれます。(釧路出身の坂本直行氏の草花の絵をモチーフにしている。)

その六花亭が7月に札幌駅前の本店に本格的な室内楽ホール「ふきのとうホール」を誕生させます。7/5~31までオープニングフェスティヴァルが開かれ、世界の一流のアーティストがこの初舞台を踏みます。音楽監督は、お馴染みの岡山潔先生で、杮落としとなる7/5(日)のオープニングコンサートは「ウィーンフィルの至宝」と題してR・ホーネックと神戸市室内合奏団が出演する「オールモーツァルトプロ」です。

岡山潔先生は、リゾナーレ音楽祭で我々にはお馴染みですが、出演者もリゾナーレ音楽祭でお馴染みの演奏家たちです。漆原朝子(ヴァイオリン)、佐々木亮(ヴィオラ)、佐久間由美子(フルート)、山崎伸子(チェロ)、小林道夫(チェンバロ)、佐々木典子(ソプラノ)、野平一郎(ピアノ)等、など・・・。
7/24(金)には「フルートの新鋭 小山裕幾 リサイタル」と題して、小山裕幾さんも出演されます。ピアノの斎藤龍さんとの共演です。若々しい演奏楽しみですね。。。。お菓子だけではなくこの様なホールを作る六花亭の社会貢献事業、いいですね。六花亭のお菓子では、特に焼き菓子「さくさくカプチーノ/霜ただみ」と「いつか来た道」が好きです。さくっとした食感とバターの風味がたまりません。。。

2015年2月21日のモーツァルトハウス(東京)
天ぷらの極意、早乙女哲哉氏の「是山居」・・・・♡♠♤

「みかわ是山居」は早乙女哲哉さんが揚げる天ぷらのお店、以前は茅場町にありましたがここ門前仲町にお店を構えてもう数年になります。茅場町時代から通っている食通の友人からこのお店の話は、何度も克明に聞かされていて、NHK「プロフェッショナル、仕事の流儀」で取り上げられて以来予約が入らないお店になってしまい、又今では外国からのお客さんも多くなったとか。そんな念願のお店で、今日はちょっと遅れた誕生祝の食事会です。

とにかく美味しかった。車エビ、海老の頭(人によっては身より美味しいと言う人がいてもおかしくない)、墨烏賊(季節によりアオリイカ)、鱚、雲丹の大葉巻き、フキノトウ、ふぐの白子(これは逸品)、穴子、野菜(アスパラ、さつまいも、椎茸、なす、ししとうから2種)、最後は小柱たっぷりかき揚げ丼にシジミの味噌汁に香の物、カウンター席8席だけに、目の前の揚げ場で揚げてくれる職人芸を目の前にしながら、その芸術品を味わい、少々の冷酒(開運)でいい気分に・・・。江戸前にこだわり、徹底して江戸前の天ぷらを提供する「みかわ」の天タネたちの味の濃さ、自己主張の強さに舌を巻きましたが、天ぷら職人の匠の技に触れた悦びの一夜でもありました。
日本の食文化の粋は、やっぱり、すし、天ぷら、うなぎ、でしょうか・・・。

外観にも陶製の捻った棒のブロックや歪んだ瓶など、店内もステンドグラスやイタリアンハットの形をした真鍮製の換気扇など、早乙女氏の芸術の趣味が満載です。(右はふぐの白子の天ぷらすだち添え)

2015年2月20日のモーツァルトハウス(東京)
圧倒された指揮者バッティストーニの「リゴレット」・・・・♡♠♤

モーツァルト好きの我々がモーツァルト以外の作曲家のオペラを観るのは滅多にないのです。(お恥ずかしい・・・)久しぶりに、そのモーツァルト以外のオペラを観に出かけました。昨日開幕した、東京文化会館大ホールでの二期会オペラ、ベルディ作曲「リゴレット」です。
指揮者である、アンドレア・バッティストーニの評判を聞いていたので、及ばずながら、私たちもぜひその素晴らしさを体感してみたいと思いました。評判通り、序曲から引き込まれてしまいました。若々しい瑞々しい感性に彩られた指揮にオケも嬉々として演奏し、また歌手も全力でそれに応え、オール日本人キャストながらイタリアオペラの真髄を見せてくれました。

特に印象深かったのは、第2幕の、リゴレットが娘ジルダを返せと迫る悲痛のアリア〈悪魔め、鬼め〉は、怒りから懇願へと移るリゴレットの心の様を音楽にのせて描写したバリトンの名アリアですが、これには思わず涙が・・・。最後にそっと音を置いて行くバッテイストーニの見事なまでの音作りは絶妙でした。ベルディには社会から排斥された人間を主人公にした作品がいくつかあり、この作品「リゴレット」は身体不具者の道化師が主人公で、世間から見下げられる彼の内面の心の叫びが、まさに音楽の力で聞こえてくるようでした。

合間に加藤先生とお会いし、少しお話出来たのですが、「インタビューで話していた通り、ドラマティックな所は、ドラマティックに、そして抑えるべき所は抑えて・・・と」指揮者の力を讃えていましたが、さまざまな魅力を湛えた若き鬼才バッティストーニ、良いですね。。。。♡♠♤

所で、このバッティストーニ、大賀ホールでの「春の音楽祭」にも登場します。この春から東フィル首席客員指揮者に就任し、これからますます注目の指揮者です。彼の生まれ故郷ヴェローナの野外円形劇場(野外オペラ)で培われた広大なスケール観が、大賀ホールでどう発揮されるのか(大賀ホールは700程度の客席数)、チャイコフスキーの交響曲第5番などが演奏されます。

2015年2月19日のモーツァルトハウス(東京)
日本の食文化を英国に~「獺祭」、「浦霞」も・・・・♡♠♤

和食や日本酒の魅力を英国に広めるイベントが17日、ロンドンの日本大使館で開かれ、エリザベス女王のシェフや英国会議員らが日本の食文化を堪能したそうですが、その席で振る舞われたお酒が「浦霞」(宮城県)、「獺祭」(山口県)などだったとか。日本式の乾杯から始まり、豆腐料理の前菜や和牛ステーキに舌鼓をうち、英国側の出席者もさぞや満足されたことでしょう。いずれ、英国女王陛下にもお薦めいただき、これらの「和食の職人芸」をお気に召して頂けるといいですね。(日経新聞2/19朝刊記事”窓”から」

和食だけではなく日本酒は、今やアメリカやヨーロッパでもブームになっていて、パリやロンドンでは「日本酒バー」が人気だとか。これからもっと日本の美酒が英国に上陸するといいですね。白鶴酒造は「ワイングラスでおいしい日本酒」として「大吟醸」というお酒を発売しています。テレビのコマーシャルでも良く見ますが、白ワインの感覚で味わえるのも日本酒の魅力です。

「獺祭」は正岡子規が自らを獺祭書屋主人と号したり、その名前の由来からして奥が深く、その味わいはまだ試したことはありませんが、「浦霞」も東北のお酒なので、どちらもいつか、おいしい日本食と一緒に味わってみたいですものです。いずれもネットでのお取り寄せも可能です。日本酒ブーム、もっと広がっていって欲しいです。♡♠♤

2015年2月18日のモーツァルトハウス(東京)
クルレンツィスの「フィガロの結婚」盤の新しさ、その魅力を探る~♡♠♤
歌手の歌唱法、又演奏法にもこだわり、新しいスタイルを生み出したクルレンツィス盤の「フィガロの結婚」。何かと話題になっています。ディスクについて加藤浩子先生のブログを興味深く読ませて頂きました。2/16付の〈シュワルツコップ~ケルメスまで~「フィガロの結婚」60年の変遷〉です。とかく昨今は映像でオペラの観比べをしがちですが、機会があればディスクでの「フィガロの結婚」の聴き比べ等もしてみたいものだと興味がそそられました。「フィガロの結婚」だけではなく、他のオペラでも演奏の変遷を一緒に耳で辿ってみたいし、そのような機会がどこかであるといいなと思いました。。

クルレンツィス盤で伯爵夫人を歌うのは、バロックオペラのプリマドンナ、ドイツのソプラノ歌手ジモーネ・ケルメスです。2幕と3幕でうたう伯爵夫人のアリアを聴いていると、「ノン・ヴィブラートの声が自然に湧き出て、その声が透明度を保ったまま、語るように歌いつつ、繊細なプリズムのように細やかな色彩、表情を浮かべるケルメス」と、加藤先生は表現されましたが、これがこのクルレンツィス盤に惹きつけられる魅力なのだと実感させられます。しずか~に心に響いてきて、心が落ち着きます。

いよいよ二期会オペラ劇場、注目の指揮者アンドレア・バッティストーニ登場するヴェルディ「リゴレット」があす開幕します。WEB版ぶらあぼに、特別インタビュー記事が載っています。20日に鑑賞しますが、その日が待たれます。

2015年2月16日のモーツァルトハウス(東京)
オペラは戯曲、台本、音楽と三重の解釈から~♡♠♤

最近受講のオペラ講座は、2月11日にあった2回目となる堀内修先生の「モーツァルトの4つのオペラと《父親》像、そして成長物語」でした。モーツァルトのドイツ語オペラには「イドメネオ」、「後宮からの逃走」、「魔笛」、「ティートの慈悲」(魔笛とティートはほぼ同じ時期に作曲)の流れがあり、そのオペラの中の父親像から、モーツァルト自身における父親からの独立を垣間見ようというもの。又、父親像というテーマを、実際上演されたオペラのDVDの場面で確認しながら、「バスティアンとバスティエンヌ」から始まるモーツァルトの4作以降、ワーグナーの「パルジファル」へ到達したドイツオペラの成長物語にも、先生は関連付けてお話されました。

来月「後宮からの逃走」を観る予定なので、特にこのオペラでの父親像に興味が湧きましたが、セリム(太守)は父親に擬せられ、父親の敵でありながら、最後はベルモンテとコンスタンツェ2人を許し、逃がしてやるというのがオペラの設定。実際は、父親レオポルトは息子モーツァルトのウイーンでの独立を許さず、結婚も認めようとしなかった。ザルツ時代の今までの恩を感じながらも独立をしようとしたモーツァルトについてお話され、第3幕「宿敵の息子が今私の目の前にいる」(2013年ザルツブルク音楽祭:マルターラ-演出)を鑑賞しました。

最近の演出家の行き過ぎた解釈や、読み換えなどにも、比較的理解があり、去年物議を醸した新国でのミキエレット演出「イドメネオ」については、日本より先のウイーン上演時の映像を観て”最初は日本で受け入れられるかという不安もあったが、終わってみればなかなかいい演出で説得力があった”との堀内先生の感想でした。

今お借りして読んでいる「モーツァルト《フィガロの結婚》読解~暗闇からの共和国~水林章著:みすず書房」は、研究者の立場から、ボーマルシェの戯曲、それに基づくダ・ポンテの台本、モーツァルトの音楽という三重の歴史的聴取を通じて、このオペラを啓蒙のオペラとして炙り出す斬新なアプローチの蔵書です。「フィガロの結婚」とはまず何よりも音楽であるという先生のスタンスに好感を覚える深みのある一冊です。

2015年2月14日のモーツァルトハウス(東京)

今期フィギュアスケート、プログラム使用曲は・・・ ♡♠♤

禁止されていたボーカルが今期のフィギュアスケートのプログラム使用曲から解禁になり、今まで使えなかっただけに今期は歌声の入った曲を使う選手が目立ちます。韓国ソウルで昨日から「四大陸選手権」が始まりましたが、そんな中で純粋のクラシック曲を使っている選手に好感を持ちます。(勝手な個人的な好みです)日本代表の宮原知子選手はショートプログラムにモーツァルトの魔笛の曲を使っています。振り付けは、ローリ-・ニコル。
オペラの曲を使う人は多く、「カルメン」が断トツ、荒川静香選手はトゥーランドットから「誰も寝てはならぬ」の曲のプログラムで見事金メダルに輝いたので、一躍この曲も有名になりましたね。

モーツァルトの魔笛をショートプログラムに使った宮原知子選手のプログラムは素敵です。モーツァルトの軽やかで明るく楽しい魔笛のアリアのアレンジで、それに気持ちから軽やかに乗っていけば、演技も上手くついて来るといった感じがします。今日も高得点をマークし、1位でショートプログラムを終えました。これからも成功していい点数を上げていって欲しいです。毎回この「魔笛」の曲に乗って滑る宮原選手の演技をみるのも楽しみです。

さて今日はバレンタインデイです。モーツァルトさんにとつい今年もたくさん買ってしまいました。。。。。♡♠♤

2015年2月11日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトは職人?ベートーベンは芸術家?・・・ ♡♠♤

1/30付のある記事が意外な波紋をよんでいます。「モーツァルトは職人、ベートーベンは芸術家」と述べた作曲家三枝成彰氏の発言です。日本モーツァルト協会主催のモーツァルトの交響曲全45作品を2日間で完全演奏するという記者会見の席上での発言でした。
「モーツァルトは職人、ベートーベンは芸術家。14歳違いの2人の間にはヘーゲルの哲学が存在し、音楽の芸術としての価値観が生まれた。今回その差異を確かめる」と話す。(日経新聞朝刊、〈文化往来〉より抜粋)
この記者会見に同席していた方によれば、三枝氏は過去にベートーベン全曲演奏などにも関わってきた作曲家だけに、この二人の違いに着目しての発言だろうとのことでしたが、果たしてその”差異”とは?。結果も知りたいところです。

京都、みやびのふる里という地元野菜の店から京野菜が届きました。九条ネギ、聖護院大根、土ごぼう、京ゆずとみんな美味しそうです。。これを使い思い切り、野菜料理で腕を振るおうと思います。。。熊本からは「くまモン」のお菓子までも。かわいいくまモンには癒されます・・・。今日は主人の??回目のお誕生日です。

2015年2月10日のモーツァルトハウス(東京)
《後宮からの逃走》、時代を超越した教えとは・・・ ♡♠♤

ジングッシュピール〈後宮からの逃走〉は本当に好きなオペラです。特にフィナーレに感動します。人間賛歌ともいえるモーツァルトの音楽に、溢れて来る感動を抑えることが出来なくなります。音楽には平和への教えがある、それをこのオペラに感じるかどうかは自由ですが、私は数あるモーツァルトのオペラの中で、このフィナーレに、平和という尊いものの教えがある様な気がするのです
復讐ではなく、あえて善行をもってする。。。という太守の寛大な宣告がこのオペラのフィナーレを飾ります。かつてはデルモンテの父は太守の敵であった、そのことが判明してデルモンテは絶体絶命となるが、太守は迫害者の敵の息子であるデルモンテに対して復讐ではなく、許し、そして釈放すると宣言する。それも自らも愛するコンスタンツェと一緒に。太守の許すという寛容性を讃えて幕を下ろすこのオペラは、復讐の連鎖を繰り返す現代人の愚かさを私たちに教えてくれている様に思えます。音楽の力によって。

初演は、1782年7月16日、ウィーンのブルク劇場にて行われ、台本は、クリフトフ・フリードリヒの台本を、断りなしにゴットリーブ・シュテファニーが自由に改編したもの。後で烈しく抗議を受けたそうですが、この台本を気に入り創作意欲を掻き立てられたのがモーツァルトでした。
「なんという運命だろう!なんという悲しみ!」と自分のためにコンスタンツェまで殺してしまう運命を嘆くベルモンテに、コンスタンツェは死ぬのもまた楽しいと慰める。ともに死んでいく幸福を二重唱で歌い、そのあとで太守は「復讐ではなく、あえて善行をもってする」と、ベルモンテ他3人の釈放を宣言する。「あなたのご恩はけっして忘れません」とベルモンテが歌い始めるフィナーレは何度聴いても喜びに震えます。

めったに上演しないオペラだけに3月の東京文化会館での錦織健プロデュース「後宮からの逃走」には期待が大きいです。こんな時だからこそ、平和の持つ大切さを我々に伝えるオペラであってほしい。太守は台詞のみで、難しい役ですが、この公演ではベテランのバス・バリトン、池田直樹さんが登場します。

2015年2月9日のモーツァルトハウス(東京)
意欲的な音楽活動の証・・・♡♠♤

1784年2月9日、モーツァルトはウィーンにおける積極的で意欲的な音楽活動を物語る、ある重要なできごとを始めました。モーツァルトは一冊のノートを記入し始めたのです。その表紙には〈わが全作品の目録。1784年2月より1・・・年・月にいたる。ヴォルフガング・アマデーウス・モーツァルト〉と記されています。モーツァルトは、自らの作曲活動を記録する事を思いつき、それを実行に移した日が、1784年の今日2月9日です。この「全自作品目録」は左ページには作曲の日付と番号、右ページには曲頭の数小節が書き込まれているもので、モーツァルトの作曲家としての几帳面さも伺えます。
「全自作品目録」に記入された第1曲目の曲はなんだったのでしょう。ほかならぬ《クラヴィーア協奏曲 変ホ長調K449》でした。この自筆譜はベルリン国立図書館に所蔵されていて、〈ヴォルフガング・アマデーウス・モーツァルト作曲、バルバラ・ディ・ブロイヤー嬢のために、1784年2月9日、ウィーンにて〉とあります。ブロイヤー嬢は、モーツァルトの愛弟子の一人でもありました。

「全自作品目録」の最初の記入がクラヴィーア協奏曲であったことも象徴的でもあります。なぜなら、モーツァルトのウィーンでの音楽活動を支える最大の武器がほかならぬクラヴィーア協奏曲でもあったからです。予約演奏会などを何度も開き、予約者でいっぱいだったといいます。モーツァルトはこの後クラヴィーア演奏家として、そしてクラヴィーア協奏曲の作曲家として、この音楽の都ウィーンでしばらくの間目覚ましい活躍を展開して行くのです。

1784年2月より1・・・年・月にいたる。「1・・・・年」はモーツァルトの何を表しているのでしょうか・・・・。ブランクとした点点がぐっときます。。。。この1784年からモーツァルトに残された日は、7年後の1791年12月までだったのです。

2015年2月8日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトに心酔したホフマンとは・・・♡♠♤

エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン(1776年~1822年)は、ドイツの作家、作曲家、音楽評論家、画家、法律家と、多彩な分野で才能を発揮した人物で、主に後期ロマン派を代表する幻想文学の奇才として知られています。本名はエルンスト・テオドール・ヴィルヘルム・ホフマンでありながら、モーツァルトを敬愛するあまり、ヴィルヘルムに代えてアマデウスを加えて勝手にこの様な筆名にしたのはあまりにも有名です。特にこのホフマンが熱愛したのが「ドン・ジョヴァンニ」でした。「ドン・ジョヴァンニ」はイタリア語で上演されましたが、ホフマンはつねにスペイン語で「ドン・ファン」と呼んでいました。

1810年にハンベルク劇場の支配人補佐となり、当代きっての黄金時代を迎えたこの劇場で才能を発揮し、作曲家・舞台装飾家などで活躍しました。1812年にこの劇場を去りますが、この年「ドン・ファン」の構想を練り、のちに「カロ風幻想作品集」第1巻に所収されて出版しました。
この〈「ドン・ファン」-旅する熱狂家の遭遇した不可思議な出来事-〉は『黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ』(光文社古典新訳文庫:大島かおり訳)で読むことができます。

色事師ドン・ファン伝説とは異なり、ホフマンの見るドン・ファンは、超人的な自己を貫徹しようとした悲劇的英雄であり、それまで重視されてきたドンナ・エルヴィーラに代わって、ドンナ・アンナが凌辱の苦悩にもかかわらずドン・ファンへの愛によって彼の魂を救済にみちびく女性として描かれ、ホフマンによってドンナ・アンナは、ドン・ファンの対極に立つ人間だとされました。無垢な心で悪魔もなにひとつ手出しできない存在がドンナ・アンナだと重要視したのです。そしてこの「ドン・ファン」のなかで、又興味をひくのは、ドン・オッターヴィオについてで、「ただの優男で、華奢なめかしこんだ小男、屋敷にいたはずで最初の騒ぎですぐ駆けつけて父親を救えたはずなのに、まずはおめかしが先、それにそもそも、夜そとにでるなぞいやなのか。」と手厳しい解釈です。
ドンナ・アンナか、ドンナ・エルヴィーラかという議論は今でもあり、評論家でも解釈は様々です。演出家もしかり・・・。しかし、ドンナ・アンナが重要な存在になったのはホフマンが最初で、これ以降19世紀から20世紀にかけていろいろな説が展開していきます。こうしてとりわけ「ドン・ジョヴァンニ」を賛嘆してやまなかったホフマンが残した解釈は、当時画期的であり、その後のこの作品の理解に大きな影響を与えたことになるのです。

あれほど奔放な空想を特徴とする文学作品に比べ、ホフマンの音楽作品は奇をてらったところがないのだそうです。ホフマンの頂点を飾るオペラは「ウンディーネ」、この美しい音楽を聴いていると、この後ホフマン作品に触発されて創られた音楽、演劇、映画は枚挙にいとまがないのは、現代的な芸術活動のありようをすでにホフマンは先取りしていたということを感じます。そして、そのホフマンが誰よりも賛美を捧げたのが、他ならぬモーツァルトと言うのも、モーツァルトの作品にも同じことがいえるということなのでしょうか。

2015年2月1日のモーツァルトハウス(東京)
ぶらあぼ2月号に《後宮からの逃走》 錦織健プロデュース♡♠♤

東京文化会館やその他各地で2月から3月にかけて公演が始まるモーツァルトのオペラ《後宮からの逃走》の記事が、ぶらあぼ2月号に特集されています。錦織健がプロデュースを手掛け、自らがベルモンテ役で舞台に立ちます。このオペラ、ストーリーも勿論音楽も最高に好きなオペラですが、なかなか日頃上演機会がないものなのです。モーツァルトがウィーンに活躍の場を移し、音楽の都ウィーンで晴れて最初に作ったオペラで、青春モーツァルトを感じる若さあふれるもの。笑いあり、又涙ありでハッピーエンドのストーリーが何と言っても感動的です。

〈後宮〉の舞台は18世紀のトルコで、海賊に誘拐され、太守の後宮に監禁されたコンスタンツェを救おうと、婚約者ベルモンテがスペインからはるばる乗り込み、太守の番人オスミンがコミカルに絡み、最後は太守の赦しで若い二人は結ばれてハッピーエンドに・・・。日本人ではなかなか難しい役どころのオスミン役に志村文彦、台詞だけで普段役者さんが演じる太守にはベテラン、バス・バリトンの池田直樹が登場。最も注目のコンスタンツェには、数々の受賞歴のある佐藤美枝子が、音楽監督・指揮には現田茂夫と、音楽仲間とのいいチームワークで、最高の和製《後宮からの逃走》を見せてもらいたいものです。東京文化会館での公演は3/13(金)、15(日)、チラシも個性的です。

2015年1月30日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト交響曲全45曲演奏会

モーツァルトの交響曲全45作品を2日間で完全演奏するという、世界でもまれな試みが、3月7日、8日にサントリーホールを舞台にして開催されます。モーツァルトが8歳で作曲した交響曲1番から、最後の41番「ジュピター」まで、番号の無いものも含めて年代順に演奏されます。一日3公演、2日間で演奏時間は全6公演で計18時間に及ぶもの。全6公演の通し券もあり25000円です(枚数限定)。この機会に生で全曲を聴いてみようと思う、マニアックな方にはまたとないチャンスです。

日本モーツァルト協会創立60周年の記念公演で、日本で初、いや世界初という試みだそうですが、最近後期交響曲集をブリュッヘン指揮、18世紀オーケストラ版で愛聴しているので、3/8(日)サントリーホール大ホール(18時30分開演:指揮大植英次)の公演は、後期三大交響曲+プラハK504なので、是非行ってみようと思います。交響曲を4曲一気に聴くというのはどんな体験になるか、今から楽しみです。♡♠♤
軽井沢大賀ホールでは、交響曲全曲演奏とは別に、モーツァルトピアノ・ソナタ全曲演奏会が7/4(土)、7/5(日)にピアニストに横山幸雄、仲道郁代で、こちらも日本モーツァルト協会主催で60周年記念公演の一環として行われます。7/5、16時開演の演奏会では、K310イ短調を、それぞれのピアニストの演奏で聴き比べを楽しむことができます。

2015年1月27日のモーツァルトハウス(東京)
今日はモーツァルトさんのお誕生日です♡♠♤
今年で259回目のお誕生日を迎えます。

今年のお誕生日はこの曲、「ピアノ協奏曲第25番ハ長調をK503」を選び聴いています。2006年、生誕250年の祝賀コンサートで聴いた曲もこの曲でした。リッカルド・ムーティ指揮、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団、ピアノは内田光子さんでした。感動的な光景が蘇ります。拍手の中、指揮者とソリストのお互いを信頼し合って抱擁する姿も印象的でした。

今聴いている曲は、昨年の「クラシックCDアワード2014」で第1位に選ばれた、アルゲリッチのピアノ、アバドの指揮、モーツァルト管弦楽団で、2013年3月にルツェルン音楽祭でライブ録音されたものです。こちらも、指揮者とソリストとの長い間築きあって来た信頼、愛情を感じる演奏です。アルゲリッチもモーツァルトを弾くとこんなになるんだと、その適応力に感心したという評もありましたが、プロコフィエフやラヴェルといった演奏を初期の頃していた二人が最期に到達したカタチだったのでしょうか。アバドは、亡くなってしまったので、尚一層この二人の到達点ともいえる演奏は心に響いてきます。とても温かみを感じ、モーツァルトさんにも聴いて欲しい、今日のお誕生日にふさわしい1枚です。

2015年1月24日のモーツァルトハウス(東京)

2015/2016 ラインアップ発表!

新国立劇場の2015/2016シーズンのラインアップが発表されました!オペラ芸術監督飯守泰次郎氏の第2シーズン、芸術監督の視点がより鮮明に示され多彩な演目が並びました。今期のモーツァルトのオペラは「魔笛」、2016年1月にオール日本人キャストで上演されます。これまで新国立劇場で主要な役を数々歌ってきた実力歌手陣に期待したいですね。指揮はウィーン出身のロベルト・パーテルノストロが新国立劇場初登場です。
公演日は、2016年1/24(日) 1/26(火)、1/28(木)、1/30(土) 6:30開演は1/26(火)、その他は2:00開演。

昨日紹介したランキングに上ったCDが届き、早速聴いています。4位にランキングされたブリュッヘン指揮の2010年の盤ではなく,、1988年盤と古いですが、その魅力は充分です。この盤には第38番「プラハ」や「フィガロの結婚」の序曲も入っています。38番からこうして通しで聴くと、それぞれの良さが鮮明に心に届くのを感じ、感動します。特にモーツァルトの後期三大交響曲はセットになっている様な気がします。モーツァルト自身ももしかしたらこれを意識していたのかな~と思う程です。

フィガロ結婚の序曲もクルレンツィスのと聴き比べてみるのもいいですね。どちらも、モーツァルトに対する愛情を感じ、それぞれの良さが充分伝わって来ます。。。。。

2015年1月23日のモーツァルトハウス(東京)
CD屋さんが選ぶ〈クラシックCDランキング2014〉・・・・♡♠♡

続々と注目のCDが出て来るクラシック音楽の新譜。それを扱うCD屋さんに2014年のベストCDを選出してもらった「クラシックCDアワード2014」。嬉しい驚きですが、モーツァルト物の4枚のディスクがほぼ上位を占めています。モーツァルトの後期三大交響曲(アーノンクール指揮、ブリュッヘン指揮)や、話題のクルレンツィスの「フィガロの結婚」、アバド&アルゲリッチの「「ピアノ協奏曲第20番&25番」がランキングされています。

〈モーツァルトのランキング〉
5位、クルレンツィスの「フィガロの結婚」、目の覚める爽快さ!考え抜かれた今後のスタンダードになり得るフィガロ
4位、ブリュッヘン指揮 モーツァルト:後期三大交響曲、古楽の名匠ブリュッヘンが到達した温かみのあるモーツァルト
3位、アーノンクール指揮 モーツァルト:後期三大交響曲、 枯れないアーノンクールによる、刺激的なモーツァルト
1位、アルゲリッチ(ピアノ)&アバド(指揮) モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、第25番 アバドとアルゲリッチという両名手が到達した安らぎに満ちた感動的名演

今愛聴しているクルレンツィスの「フィガロの結婚」は記憶に残る名盤だと思いましたが、5位に入りました。モスクワからも遠く、まだあまり知られていないペルミ国立歌劇場の録音です。このクルレンツィス盤の「レクイエム」についても、個性的ながら、劇的な面は成功していると評価している声も聞きますから、続いて出された「コジ」にも興味が湧いてきますね。4位のブリュッヘン指揮 モーツァルト:後期三大交響曲のディスクは、只今品切れで時間がかかりそうですが、いつか手に入れたいですね。1位に輝いたピアノ協奏曲20番&25番の「すごく温かい」という印象に惹かれます。アバドの晩年を飾る完成度の高い1枚です。聴いてみましょう♡♠♡

2015年1月22日のモーツァルトハウス(東京)
究極のドキュメンタリー映画「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」・・・♡♠♡

録画してあった「オランダ美術紀行-もう一人のフェルメール20世紀最大の贋作事件をおう!-」も観終わり、「みんなのアムステルダム国立美術館へ」の映画も観たので、やはり続いて今日は渋谷ル・シネマで上映中の映画「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」を観に出かけました。お天気が悪いので映画日和となったのか、午前11時開演に大勢集まっていて席はほぼ満席。前日ネットで予約していたから良かったですが、ちょっと驚きでした。

ロンドンの中心、トラファルガー広場にある年間500万人以上が訪れる世界トップクラスの美術館、ナショナル・ギャラリーの内部にさまざまな角度から焦点を当て、その魅力に迫るというもの。巨匠フレデリック・ワイズマン監督が、30年もの構想を経て、その愛される秘密に迫ったもの。創立は1824年という190年の歴史をもつ英国初の国立美術館です。所蔵されている絵画は巨匠たちの傑作が揃う「名画の宝庫」で、画面で観ても、そのコレクションはため息が出るばかりです。

この映画は、美術館の日常をこっそり覗きみをしているような感覚で、個性豊かな専門家たちのギャラリートーク(有名絵画の説明)は特に興味深く、名画の謎に迫ったり、高度な修復技術など、それらが臨場感あふれる映像で堪能できます。終了は2時15分で、たっぷり3時間15分休憩なしです。それを承知で鑑賞しないといけません。終わってみれば、、レンブラント、フェルメール、ミケランジェロ、ダヴィンチ、ティツィアーノ、ターナー、ドガetc・・・・心に美しい絵画が刻み込まれ、しばらくはその至福感に浸りました。この映画、クインズイングリッシュにも魅了されます。

2015年1月20日のモーツァルトハウス(東京)

英国ロイヤルオペラ「ドン・ジョヴァンニ」のタイトルロールはダルカンジェロ・・・♡♠♡

2015年9月に来日するの英国ロイヤルオペラは、指揮がアントニオ・パッパーノ、上演するオペラは、ヴェルデイ「マクベス」とモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」です。「ドン・ジョヴァンニ」のタイトルロールは、ダルカンジェロで、今旬のドン・ジョヴァンニ歌いといわれているので、楽しみなような気がします。演出はカスパー・ホルテン(2014年2月新演出)です。(この演出の評判はどうだったのでしょうか。。。。)

ダルカンジェロは、モーツァルトのオペラでは、お馴染みのバリトンで、「コジ・ファン・トゥッテ」のグリエルモ、「フィガロの結婚」のフィガロ、「ドン・ジョヴァンニ」ではレポレロ役を、個人的には知っていますが、このドン・ジョヴァンニ役を観るのは(聴くのは)初めてです。2008年のウイーン国立歌劇場の引っ越し公演(リッカルド・ムーティ指揮)で「コジ・ファン・トゥッテ」を観ましたが、その時のグリエルモを演じたのがダルカンジェロでした。演出もロベルト・デ・シモーネでオーソドックスな演出で、また歌手もその時点で考え得る最高の組み合わせの布陣(フリットリー、キルヒシュラーガー、シャーデ、)で、夢の様な舞台でした。今でも私の中では、生で観たオペラの中でこれ以上のものはなかったし、最高の舞台でした。
そのダルカンジェロのドン・ジョヴァンニ、どんなでしょうね。ヴィラゾンがドン・オッターヴィオ役で登場するのも楽しみです。存在感のあるオッターヴィオになりそうですね。

日程は、9/13(日)昼、9/17(木)夜、9/20(日)昼

予定される主な配役
 ドン・ジョヴァンニ:イルデブランド・ダルカンジェロ
 レポレロ:アレックス・エスポージト
 ドン・オッターヴィオ:ローランド・ヴィラゾン
 ドンナ・エルヴィーラ:ジョイス・ディドナート
 ドンナ・アンナ:アルビナ・シャギムラトヴァ
 ツェルリーナ:ユリア・レージネヴァ
 マゼット・マシュー・ローズ

2015年1月19日のモーツァルトハウス(東京)
魅惑のオランダ美術館♡♠♡
1/11に放送されたBS朝日「オランダ美術紀行-もう一人のフェルメール20世紀最大の贋作事件をおう!-」を録画したので、それを見ていて、オランダの美術館の魅力を再認識させられました。アムステルダムには、アムステルダム国立美術館、ゴッホ美術館、デン・ハーグまで足を延ばせばマウリッツハイム王立美術館があります。マウリッツハイム王立美術館はフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の絵がある美術館です。またマウリッツハイム王立美術館は建物も写真で見るとその美しさに魅せられます。(2014年6月にリニューアルオープンしたばかり)
デン・ハーグはモーツァルトの足跡を訪ねる意味でも外せない街ですね。イギリスからの帰路、1765年9月から66年1月にかけて、モーツァルト一家はここハーグに滞在しました。現在アムステルダム、ロッテルダムに続く、オランダ第3の都市ですね。またここハーグから電車で30分足らずの位置には、デルフト焼きで日本人にもお馴染みのデルフトがあります。デルフト焼きは16世紀にイタリアから陶器であるマヨリカの製法が伝わり、その後オランダ東インド会社を通じて中国から磁器が伝わったことがきっかけとなり、日本からも伊万里が輸入され、その影響もうけつつ、独自の陶器として発展してきました。デルフトブルーは日本人も好きな人が多いですね。
ヨハネス・フェルメールはここデルフトに生まれ、有名な「デルフトの眺望」という絵を描いています。「デルフトの眺望」もマウリッツハイム王立美術館に所蔵されています。旅心がまたくすぐられます。

この番組からオランダ美術館に魅了され、今上映中の話題の映画「みんなのアムステルダム国立美術館へ」(渋谷・ユーロ・スペース)を観に行って来ました。アムステルダム国立美術館は素晴らしく、建物そのものが美術品です。レンブラントの「夜警」、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」など、美術王国オランダが世界に誇る至宝を所蔵し、そのコレクションもパリのルーブル美術館、ロンドンの大英博物館にも匹敵するオランダ最大の国立美術館です。
何十年も前に行った時、ゴッホ美術館はゴッホの絵だけで美術館が存在する事が驚きだったし、その贅沢な鑑賞に感激し、国立美術館では、レンブラントの「夜警」の大きさにも目を見張りました。絵の中にレンブラント自身を書き入れていると教えられ、探しあてたりしたのも思い出します。
1999年6月に竣工したゴッホ美術館の別館は、黒川紀章が設計した建物で、浮世絵が特別展示されています。
美術館の裏側を描いたドキュメンタリー映画、この「みんなのアムステルダム国立美術館へ」の映画だけではなく、「ナショナル・ギャラリー英国の至宝」も1/17日から封切されています。(Bunkamuraル・シネマ)映画館だけでしかみられない、美術館の素顔を見ることが出来ます。この舞台裏をみたら、きっとあなたも訪れたくなる!

アムステルダムには、忘れてならない、オーケストラ・ランキングでは、ベルリン・フィル、ウイーン・フィルと共に常にベスト3を占め続けているロイヤルコンセルト・ヘボウ管弦楽団があります。 チューリップとチーズと風車だけの国ではない、オランダの魅力を再発見しましたが、オランダのもつ大きな魅力の芸術、その陰には日本文化の影響(和紙、浮世絵、焼き物など・・)もあったのです。。。♡♠♡

2015年1月18日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトシリーズ最終年・・・・♡♠♡

大阪いずみホールのモーツァルトシリーズは今年最終年を迎えます。ラインナップ速報が届きました。モーツァルト30歳から亡くなる35歳までの作品がテーマで、きら星のように輝く名曲が並ぶ時期です。その名曲を選りすぐりの奏者が堪能させてくれます。いずみホール2015年シリーズのメイン企画です。

9/30、演目:弦楽四重奏曲K575プロシャ王1番、K458《狩》、弦楽五重奏曲K515 ハーゲン弦楽四重奏団&川本嘉子(ヴィオラ) 11/28、オペラ魔笛、12/5、演目:クラリネット協奏曲K622、ピアノ協奏曲第27番K595、交響曲第38番K504《プラハ》 ポール・メイエ(指揮・クラリネット)、アンドレアス・シュタイアー(ピアノ)、いずみ・シンフォニエッタ大阪 2016/2/27、レクイエムK626 ウイーン楽友協会合唱団、大阪フィルハーモニー交響楽団

磯山雅先生の3年間にわたるシリーズもこれで最後となります。モーツァルトの作品をザルツブルク時代から始まり、パリ、マンハイム、ウイーンへと繋いで辿り、名曲を名演奏で聴かせてくれた貴重な企画でした。お蔭様で2年間、私たちも年1回ではありましたが大阪に通い、楽しみました。願ってもない思い出です。今シリーズもどれも極上の演目ばかりです。できたら行きたいです。♡♠♡

2015年1月17日のモーツァルトハウス(東京)

震災から20年・・・・

神戸・淡路大震災から1月17日で20年、その時に生まれた人たちが20歳を迎えたことになります。震災の起きた時刻のちょうど午前5時46分、神戸市中央区の東遊園地では、震災で犠牲となって亡くなった人々を追悼するろうそくが灯され、大勢の人が集まり平和と安全を祈りました。そのすぐ脇には、1991年に建てられたモーツァルト像があります。

震災が起きた1995年のこの日、モーツァルト像も地震にあいながら、被害を受けることなくその姿を変えることはありませんでした。ずっとその後の20年も見守って来たことになります。

ちょうど1年前の1月、神戸を訪ねた際、この像に会いに東遊園地を行ったことを思い出します。直ぐ近くには、5時46分を差したまま止まった時計がそのまま残されていました。この悲惨な震災を忘れる事のない様にと、あえてこのまま残されているのだとか。

神戸は復興して綺麗なビルが立ち並び、見た目は元の姿に戻り、人々の生活も平安を取り戻したかに見えますが、まだまだ実際は残された課題、困難が大きいと、この日の関連報道番組も伝えていました。震災を知らない神戸市民が4割を超えたそうです。

震災からの心の復興のシンボルとしてオープンしたのが兵庫県立芸術文化センターで、今年は開館10周年の節目を迎えます。昨年はこのホールでのモーツァルトの公演を聴きに2度行ってきましたが、いつも満席で、活気にあふれていて驚きましたが、神戸の人々の豊かな交流の場として、又本物の舞台芸術がもつ醍醐味を届けることで、きっと大きな役割を果たしてきたんだなと感じます。


今年は日本全国、様々な場所で上演予定の<井上道義×野田秀樹 二人の鬼才が放つ。新フィガロの結婚。誰も見たことのない新しいオペラの幕が開く。>の舞台もここ兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールで、2015年6/6(土)、7(日)に上演されます。幸せオペラの代表格の「フィガロの結婚」」を神戸の人々に楽しんで貰い、もっと元気になって貰えたら、モーツァルトさんも喜ぶでしょうし、我々モーツァルトファンにとっても嬉しい事です。♡♠♡(東京公演はミューザ川崎シンフォニーホールで、6/17(水)に上演予定です。)

2015年1月13日のモーツァルトハウス(東京)

昨今の演出は、許容範囲かどうか・・・?♡♠♡
旅行から帰って翌日はモーツァルト協会主催の講演会でした。音楽評論家の堀内修氏による3回シリーズの講演会です。今日のテーマは「フィガロの結婚」の楽しみ、オペラの楽しみ~現代オペラの、多様な上演と多様な見方について。会場は東京文化会館の会議室です。

オペラは多様な上演、多様な見方が出来るものだが、「フィガロの結婚」はその中でも多様な見方が出来る代表的なオペラであるのは、今までそうだと充分実感している。その多様な見方を裏付ける部分をDVDで観賞しながら、先生はお話されました。説得力のあるセレクトで、その辺はさすが音楽評論家、いろいろな舞台での場面を選んでいてそれらを観ながらだったので、とても興味深く、楽しかったです。
フィガロにはすべてがある・・先月大阪での磯山先生のモーツァルトシリーズのフィガロの結婚の副タイトルもそうだった。とにかく全てがあるのです。それが具体的には権力争い、階級闘争、男と女、和解、エロテイシズム、嫉妬、愛の喜び、許し、・・・と枚挙にいとまがありませんが、だからこそ時代など関係なくいつの世でも、どんな人種にも愛されるオペラなのでしょう。

しかし、そんな事より、フィガロで忘れてならないのはやはりなんといっても音楽の力だと思います。音楽で全てを表せる作曲家だった偉大なモーツァルトがあればこそのお話です。

講演後の仲間との話で、オペラは総合芸術だが、歌手がまずうまくないと面白くない、歌が上手であれば、立派な舞台となるが、一方反対の、他がいくら良くても歌手がイマイチなら観るに堪えないもの。一同頷きあいました。まあ最も、軽井沢のオペラの会で見た「後宮からの誘拐」のザルツ版(演出:ヘアハイム)はあのくらい話を変えてしまうくらい演出家がやってしまうと、歌手のうまい下手どころの話ではなくなってしまいますが、、、
舞台の評価は、最終的には観客の許容範囲の内か外かによる、という堀内先生の締めのお言葉も印象的でしたね・・・・。

2015年1月12日のモーツァルトハウス(島根)

ラフカディオ・ハーンと城下町を訪ねて・・・島根2日目♡♠♡
2日目は、城下町松江を散策しました。松江城は天守閣が現存していて、重厚な石垣も当時のままです。全国の現存する天守閣は12で、その一つである松江城は、天守閣の平面規模では2番目、高さでは3番目、古さでは5番目とのこと。明治の初め、全国のお城はほとんど取り壊されたが、松江城天守は、地元の豪農、旧松江藩士ら有志の奔走によって山陰で唯一保存され、今では松江のシンボルとして親しまれています。お堀を遊覧船でめぐることもできます。天守閣をてっぺんまで登り、松江市内を展望しました。

茶人であった藩主によってお茶文化が根付き、ここ松江には銘菓が多いのも驚きです。京都、金沢、松江は日本三大和菓子処なのです。松平七代藩主・松平治郷(まつだいらはるさと)が独自に流儀を確立した茶道の一派である不昧流(ふまいりゅう)は、現在でも継承されていています。

小泉八雲記念館や武家屋敷もめぐって、しっとりと落ち着いた、歴史を感じさせる松江がすっかり好きになりました。静かなたたずまいで、住んでいる人々の営みも、穏やかな感じがします。山陰地方の特色なのでしょうか。お団子屋さんもたくさんあって、「ぶぶだんご」を「へれん小径」という茶房では、いろりで焼いて出してくれ、こうばしくてアツアツを頬張りました。たかが団子とあなどるなかれです。ラフカディオ・ハーンを呼びにくいので、松江の人たちはヘレンさんと呼んで親しんだそうです。ーぶぶだんご ヘレン小径で ひとやすみー

明治37年(1904年)に亡くなるまでの14年間小泉八雲は日本で過ごし、東京、神戸、熊本とここ松江と4ケ所の都市に住みました。松江には1年3ケ月弱暮らし、その内約5ケ月住んだという小泉八雲旧居を訪ねましたが、八雲が住んだままで保存されているのはここ松江の小泉八雲旧居だけだそうです。松江の人々に愛された小泉八雲、こうして大切に記念館として貴重な資料と共に、面影をいまに残しています。

大学1年の時訪れて以来、○○十年ぶりに訪れた山陰の都、出雲・松江でしたが、昨年末からの伊勢神宮、京都、大阪と、日本の良さ、美しさを再発見する旅はまだ続そうです。

2015年1月11日のモーツァルトハウス(島根)

スイッチバックは想定外の一畑(いちばた)電車♡♠♡
この連休を利用して、出雲・松江の旅をしてきました。さすが山陰までは距離もあり飛行機を利用し、降り立った空港は「出雲縁結び空港」で、出雲の神様がおわします出雲大社への玄関口となっている空港です。


出雲大社にお参りし、この日の宿泊先であるしんじ湖温泉までは出雲大社前駅から一畑電車に乗り30分ほど。地元島根東部地域一帯を走っているのは一畑電車で、ホテル、百貨店、食品部門の会社まで経営し、様々にここ地元で貢献している会社のようです。宍道湖の北側沿いを通るので進行方向の右側、湖の見える席にすわっていたら、途中の駅でスイッチバックが始まりました。ちょうど夕暮れに迫る時刻に電車に乗ったので、夕日に映える湖の景色が絶景でしたが、背中側になってしまいました。この電車にはカウンター席もあり、この景色を見ながらお酒などを楽しんでいる人もいました。このスイッチバックは大誤算でした。

しんじ湖温泉のホテルの展望大浴場も気持ちよく、ずわいがに丸ごと一杯の夕食にも大満足でしたが、何より我々を喜ばせたのは、入ってすぐ耳に入って来たモーツァルトのメロディでした。館内は勿論エレベーター内、廊下、そして食堂と流れているのはモーツァルト。2日間ともいつもモーツァルトでした。フルート四重奏曲、交響曲プラハ、フィガロの結婚、デイヴェルトメント136、、、、翌朝の温泉へ行く際に、流れていたのはジュピターのファイナーレ、最高にきもちのいい朝となったのはいうまでもありません。このホテルも「ホテル一畑」で、客室からも宍道湖が眺められ、モーツァルトの音楽での歓迎も受け、願ってもない感動的な旅となりました。。。♡♠♡

2015年1月8日のモーツァルトハウス(東京)

妥協のないオペラ録音・CD版〈フィガロの結婚〉♡♠♡

加藤浩子先生のブログで見つけた、先生お薦めのCD版〈フィガロの結婚〉を聴いています。

この〈フィガロ〉は準備と実際の製作につぎ込まれた時間の長さと野心の大きさという点で、史上最も妥協のないオペラ録音と紹介されています。10年もの歳月をかけて生み出されたこのCD〈フィガロの結婚〉は音がとてもクリアで全録音がスタジオ録音となっています。この録音に情熱を注いだギリシャ出身の鬼才テオドール・クルレンツィスという人物にも今注目が集まっています。

このクルレンツィスは現在、ロシアはウラル山脈の西のふもとに横たわるペルミにあるペルミ国立オペラ・バレエ劇場の芸術監督を務めています。ペルミはシベリアにも隣接した、ヨーロッパの最東端の都市で、かつては工業の中心地として栄えていたものの、衰退し、この都市の再生・復活させる手段として、ペルミ国立オペラ・バレエ劇場は建てられました。2011年のクルレンツィスの着任以来、ペルミ国立オペラ・バレエ劇場でのオパラやバレエはペルミでの革命といわれるほど今ヨーロッパでも注目される劇場なのだそうです。

ロシアではモーツァルトは滅多に演奏されることはなく、しかし、クルレンツィスは第一に優先すべきはモーツァルトだとし、2011年9月に〈コジ・ファン・トゥッテ〉を初演し、ロシアを代表する全国紙に「私たちはもうモーツァルトを聴きにザルツブルクまで旅する必要はなくなった」といわしめたといいます。

近年中に、モーツァルト、ダ・ポンテオペラ三部作を録音することになっているそうで、この〈フィガロ結婚〉はその第一弾です。まずはじっくり、この〈フィガロ結婚〉を味わってみようと思います。♡♠♡

2015年1月5日のモーツァルトハウス(東京)

お箸の使い始め・・♡♠♡

今日は仕事始め。願ってもない晴天にも恵まれて、今年一年のいろいろな事への意欲も自然に湧いてきます。
暮れにお参りした伊勢神宮の内宮に続く「おはらい町通り」は、おみやげ屋さんがたくさん並んでいて楽しい場所でした。当時の建物をそのまま残しているので、江戸時代のお伊勢参りを体感できるスポットでした。その通りにあるお店、手作り箸工房「遊膳」で名前付きの「お箸」を買って来ましたのでお正月から使い始めました。御社やヒイラギのイラストがあしらわれていてお伊勢参りの御利益がありそうなお箸です。今年は美味しいものをこのお箸で味わって・・・。佳いこともたくさんありますように。

伊勢神宮御料酒「白鷹」(左)赤福本店(右)


2015年1月4日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトを知る・・その2♡♠♡
若くしてこの世を去ったハッツフェルト伯爵。彼はヴァイオリン名手でもありモーツァルトと音楽で固く結ばれた心友でもありました。このモーツァルトの心友には、自身の最期に関して、ある「音楽雑誌」にあまりに印象的な〈故人追悼略伝〉が残されています。

彼の病気は絶え間なく、かつ苦痛が烈しいものであった。そのいずれをも、彼は、キリスト教者にふさわしい勇気と真の哲人的な沈着さで耐え忍んだのである。その生命がもう危ういと知らされた時、この恐ろしい知らせによって動揺させられなかったのは、皆の中で彼唯一人だったといい、又、驚くべきことに、彼は最期の時でさえ、「自分の死の床のまわりに立つ者たちに、幾度となく、自分がやがてまもなく見捨てていかねばならぬ愛する人たちの悲しみの方が、自分自身の死よりもずっと自分を悲しませている」と冷静、かつ沈着にに断言したということである。その沈着さは最後の息を引き取る時までなお失われることなく、その情景は、立ち会っていた者たちにとって、心を押し砕かれるようなものであったといいます。

ハッツフェルト伯爵の薄命の生涯は、〈新モーツァルト全集〉の最初の編集主幹・故エルンスト・フリッツ・シュミットがその研究成果を「アウグス・クレメンス・ハッツフェルト伯爵」(『モーツァルト年鑑1954年収載)』で紹介し、その中の「音楽雑誌」の〈故人追悼略伝〉に収録されています。この「音楽雑誌」はモーツァルトの死後発見された〈遺品目録〉の蔵書の中に存在し、モーツァルトはこの記事から情報を得ていて、心友ファン・ハッツフェルト伯爵の感動的な死の情景が、死にゆく者の崇高ともいうべき姿がモーツァルトの胸を打ち、心を捉えていたことは明らかだったといいます。

2014年の年の瀬も押し迫った12月27日に受講した「モーツァルト講座」で、モーツァルトにこの様な心友がいたこと、その彼の為に「イドメネオ」に友情の証として特別にオブリガート・ヴァオリンの曲を捧げるべく作った事などを知りました。またこのハッツフェルト伯爵の薄命の生涯も知りました。この日の講座は、聴いた者の心に深く刻み込まれたに違いありません。モーツァルトの生涯、そのものが稀有なドラマなのだと思わずにはいられません。これらのドラマが人間モーツァルト作曲の曲に大きな影響を与え、時代をも超えて人の心に響く音楽となったのだと思いました。モーツァルトの生涯こそが稀有なドラマ・・・心に響く言の葉である。(参考:海老澤敏著「モーツァルトの生涯・あとがきに代えて」)

最後にクラヴィーアの為のロンドK511を聴きました。このイ短調の曲はモーツァルトが亡くなったハッツフェルト伯爵を悼む思い、素敵な思い出をダイナミックに描いた曲と言われています。以前モーツァルト愛好家の長老が「モーツァルトは何も知識はいらない、感じればいい・・・」という言葉を残していますが、背景にあるドラマを知ることで、モーツァルトの音の世界をそれぞれの感性で聴く楽しみの助けにはなるのかなと思いました。学ぶ喜び・・・かな?そんなことを実感した去年最後の講座でもありました。♡♠♡

追記:ハッツフェルト伯爵の肖像画をここに載せられないのは残念ですが、すらりとした美男子の、誰しもが認めるであろう品格を漂わせる風貌の持ち主でした。若さ、美貌、身分、収入、才能、知力、それに卓越した心情といった現世における魅力を全て兼ね備えている、ともありました。

2015年1月3日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトを知る・・その1♡♠♡
モーツァルトはオペラ「イドメネオ」を1786年3月13日の夕べにウイーンのカール・アウエルスベルク公爵邸で、自らの指揮で再演しました。王子イダマンテはミュンヘン初演時にはカストラートが歌いましたが、貴族たちが出演する私的なこの再演時にはテノールに変更されたため必要な修正が加えられました。その一つが第2幕1場のアルバーチェのアリアをイダマンテのアリアに差し替えられたことです。このシェーナとロンド《もういいの、みんな聞いてしまったわー心配しなくともいいのです。いとしいひとよ》K490は、『全自作品目録』では「ヴァイオリン独奏付のシェーナとロンド、ブリーニ男爵とハッツフェルト伯爵のために。伴奏はヴァイオリン2、ヴィオラ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、およびバス」と記録されています。

テノールでイダマンテ役を歌った人物であるこのブリーニ男爵は、このページの2014年7月27日付で紹介した、ヨーロッパで初めてモーツァルトの記念碑を自身のロベレートの館の中庭に作った人物に他ならないのです。そしてハッツフェルト伯爵はヴァイオリンの名手で、ウイーンのシューラー通りのモーツァルト家をしばしば訪ね、名高いあの〈ハイドン四重奏曲〉をモーツァルトと共に演奏し、モーツァルト自身がこの傑作をもはやハッツフェルト伯爵以外の演奏では殆ど聴こうとしなかったほど深く結ばれていた人物なのでした。
演奏を通してかたく結ばれた友情を記念して、モーツァルトはこの伯爵の為にイダマンテのアリアのオブリガート・ヴァイオリンの美しい旋律を書きました。

「イダマンテが歌うこのロンドは独奏ヴァイオリンの前奏や伴奏、あるいは間奏に飾られてたとえようもなく美しい。「ため息をついていらっしゃるのですか」と歌うイダマンテ役のブリーニ男爵の声音には、フォン・ハッツフェルト伯爵が弾くヴァイオリンの溜息の音形が重なるのを聴けば、この挿入曲が原作のオペラとは何の必然性もないとする後世の批判など、いったいなんの意味があるというのだろうか(中略)その伯爵の弾奏はいかばかり感動的なものであったろうか。その場で指揮し、また弾く二人の間に交わされる友情の音楽、それは決してはかないものではなかった。1回限り響いては消えて行ったものの、不滅の友情の鳴り響く記念碑となった」(海老澤敏著「モーツァルトの生涯・あとがきに代えて」より)

ハッツフェルト伯爵がモーツァルトのいるウイーンを訪れたのは1786年の初めであった。ただいつどういうふうにモーツァルトと出会い、親しくなったかは定かではないが、ちょうど「フィガロの結婚」の作曲に専念していたモーツァルトとはただちに打ち解けた親密な友情関係で結ばれたのでしょう。
しかし、このイドメネオの感動的な上演からわずかばかりの後、モーツァルトと同年のやっと31歳になったばかりの1787年1月にこのハッツフェルト伯爵は不治の肺膿痬でこの世を去ります。

ハッツフェルト伯爵は亡くなる前の年の1786年4月初めにアイヒシュタットへと帰っていきましたが、ウイーンは彼にとって忘れがたい地となり、移住を願い出、その結果切なるその願いは1787年1月31日に許可されるのであるが、その日が伯爵の埋葬の日となったのです。なんとかなしいお話でしょう。

2015年1月2日のモーツァルトハウス(東京)
馴染始めた浪速の都・大阪・・・・♡♠♡

2年前から頻繁に行き始めた大阪。京都からあまり西に足をのばすことはなかったのですが、兵庫県立芸術文化センターや大阪ではいずみホール、ザ・シンフォニーホールなどでのモーツァァルトのコンサートやオペラを鑑賞に行き始めたのがきっかけです。出かける回数が増すごとに馴染んできた感じがします。

日経新聞元旦[第三部]に、大阪へ傾倒し始めた我々に興味深い記事が載っていました。「新春対談 変貌する都市」建築家・安藤忠雄氏と芥川賞作家・柴崎友香氏との対談です。
その中に先月行って来たばかりの大阪市中央公会堂について、安藤氏:見て感動し、誇りの思った記憶が心の中にあり、変わらずに残ってほしい。柴崎氏:私も高校時代に合唱大会をした大阪市中央公会堂への思い入れは深い。
そして銀橋(桜宮橋 大阪市)や、大阪駅についても語られていました。銀橋とは大川に架かる橋で、1930年完成、国会議事堂や法隆寺修復に関わった武田五一の設計で、当時日本最大のアーチ橋だった。アーチ橋が銀白色に塗装され、銀橋とも称されている。

大阪駅は、新駅舎と複合施設の大阪ステーションシティが開業し、東西180m、南北100mの大きな屋根がシンボルとなっている。大阪駅は大阪のイメージを大きく変え、新シンボル的な場所となった感じがします。

もう一つこの対談で興味深かったのは、ベネッセアートサイト直島です。まだ行ったことがないのと、ここは多くの人から薦められている場所でもあるからです。瀬戸内海に浮かぶ直島は安藤氏が美術館の設計を手掛けた。地下に建設した「地中美術館」やホテルと美術館を併設した「ベネッセハウス」、現代芸術家が改装した古民家を作品化する「家プロジェクト」からなる。ここへの旅もぜひ実現したい。

銀橋(桜宮橋)は両岸に財務省造幣局・毛馬桜之宮公園という桜の名所をかかえ桜の頃には大阪城の天守閣を背景にライトアップされた姿は特に美しいそうです。大阪の美への興味がそそられます。

2015年1月1日のモーツァルトハウス(東京)

明けましておめでとうございます・・♡♠♡
新年が明けました。2015年が素晴らしい一年になりますように、気持ちを新たに2015年もMozarthouse Newsを少しづつでも充実して行きたいです。そして今年も更なる新たな、音楽、仲間、場所等の出会いが生まれる年になりますように・・・・。

そんな思いを後押しする様に、2つのニュースをご紹介します。

軽井沢大賀ホールは今年開館10周年を迎えます。もう10年になるのですね。今年はゴールデンウイーク中、記念のコンサートが目白押しです。
話題の指揮者アンドレア・バッティストーニが大賀ホールの舞台に立ちます。東フィルを指揮し、演目はチャイコフスキー交響曲第5番です。又5/4(月)にはチョン・ミョンフン指揮で、演目はモーツァルトピアノ協奏曲第23番(弾きふり)、ベートーベン交響曲第7番です。先行予約は1/31(土)~。北陸新幹線も開通していて、北陸からのお客様多いのかしら。。。。早目にゴールデンウイークの予定を立てないと・・・。軽井沢の春の幕開けはこのホールから始まりそうです。

二つ目のニュースは、これも北陸新幹線開通に関連しますが・・・。今年の「宇奈月モーツァルト音楽祭」での「魔笛」の上演日が決まりました。9/19(土)14:00 宇奈月温泉セレネ大ホール。2年の歳月をかけて取り組んでいる「魔笛」を八ヶ岳の異色アマチュアオペラ団体、オペラ・ルステイカーナが丹精込めて上演します。モノスタトス役の植松さん、弁者とタミーノ役の2役を演ずる山崎太郎先生などが出演し、この「魔笛」をどういうものに仕上げて見せてくれるか、期待したいです。。大型連休の真っただ中なので、こちらの予定を早めにたてる必要があるかも知れません。
その他、2年続けて出かけた、いずみホールでの磯山雅先生の「モーツァルトシリーズ」も今年3年目を迎えます。2013年:克服(ザルツブルク)、2014年:充溢(ウイーンⅠ)と続いたシリーズも、今年2015年は「超越」、モーツァルトのウイーン後期から没年に向けての作品が演奏される筈です。又魅力的な演目があればこちらも出かけて、このシリーズを締めくくりたいものです。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

ウィーンのモーツァルト(予約演奏会の模様/1785年頃)

2014年12月29日~30日のモーツァルトハウス

年末番外編・・♡♠♡
早々に終わりとした今年のMozarthouse Newsに番外編として軽井沢の歳末記を付け加えておきます。

良く行く御代田のあるミートショップのこの日の様子です。年内に入るとまず整理券が配られ、希望の品をまず紙に書き、それをもって並ぶというシステムになっていました。店内が混雑しているのにも驚きです。ずっと年末も利用しながらこんな光景は初めてです。さすが、人気店です。

2014年最後のツーショット。。。。来年が楽しい年であるように、願いを込めて・・・・

2014年12月27日のモーツァルトハウス(東京)

音楽で幸せに満ちた一年を・・♡♠♡
今年も残り僅か・・・。いろんなことがありましたね。。。。でも日常の基本はいつもそばに音楽がありました。音楽で結ばれた人々がいて、たくさんの幸せをもらった年でもありました。関西方面への音楽鑑賞の旅は今年も続き、周辺への旅行も楽しみました。又各地での音楽祭への参加も年中行事になりつつあります。海外の音楽祭にも機会があったら行ってみたいですね。

今年も音楽を通して楽しい出会いのあった年でもありました。そのご縁を大切にしながら来年も「絆」を深める年にしていきたいです。
来る新しい年が音楽で幸せに満ち溢れた一年であります様に心からお祈りして、これで今年のMozarthouse Newsは終わりとします。

今年も「軽井沢モーツァルトハウス」の扉を開けて下さいました皆様、ありがとうございました。
2015年も、どこかのコンサートホールで、そしてオペラ劇場で、軽井沢モーツァルトハウスなどなどで、また元気な姿で皆さまにお目にかかる日を楽しみにしております♡♠♤
来年はひつじ年、「明(メー)」と、明るく新たな気持で、またスタートします。。

2014年12月25日のモーツァルトハウス(東京)

メリークリスマス・・・♡♠♡
今年は東京で穏やかなクリスマスを過ごしています。K502の「ピアノ三重奏曲」は良いですね・・・。ピアノの軽快なタッチと、ヴァイオリンとチェロのハーモニーが最高です。何て素敵なメロディだろうと思います。この曲を聴いていると心が生き生きと弾みます。クリスマスの曲はこれで決まりです。ミニデコレーションケーキもこんなに可愛らしい・・・。

「ピアノ三重奏曲変ロ長調K502」は大好きな曲の一つです。ピアノ、ヴァイオリン、チェロという編成のこの曲をサロン風な場所でいつか聴いてみたい・・・。♡♠♡

2014年12月21日のモーツァルトハウス(東京)

《カーサ・モーツァルト》での優雅なひと時・・・♡♠♡
原宿駅から徒歩数分の所に、《カーサ・モーツァルト》があります。前の通りは「モーツァルト通り」と名付けられ、建物にはモーツァルトの横顔の装飾も施されています。モーツァルトがお好きなご夫妻がヨーロッパ各地を訪ね歩き集めたモーツァルト関連の書籍、資料を展示するために作った建物です。現在はその3階部分を展示室兼サロンとして音楽愛好家の交流の場として利用されているのです。

私たちはこの日初めてこの《カーサ・モーツァルト》にお伺いしましたが、ライプツィヒのオークションで競り落とした絵画と、またボーデン湖の南に住むあるご老人から買ったという、大きな2枚の絵がまず目をひきます。ボローニャにある黄金拍車勲章をつけたモーツァルトの絵の複製もあります。BECHSTEINS(グランドピアノ)が置かれ、席は30席ほど、この日は田辺秀樹先生が集まった私たちを前に講義をしてくれ、その後ピアノも演奏してくれました。パリにはシャンソンがあり、ウィーンにはウィーナーリーダーというウイーンの町の歌があるそうです。その「ウィナーリーダー」についてのお話でした。生の演奏もあり、又本場ウィーンのホイリゲ(ワイン酒場のこと)で歌われている映像のDVDを見たりして、大変貴重な時間を過ごすことができました。

ウイナーリーダーとは・・・時代は19世紀後半(1870年代以降)~20世紀前半(1930年代)、演奏スタイルは「前歌」と「リフレイン」からなる、伴奏は小編成の楽団。シャンソンは愛の歌であるが、シャンソンとの大きな違いは愛の歌は少なく、酒の歌、人生の歌が多い。青春の歌ではなく、大人、老境の歌。郷土であるウィーンという町への強い愛着、過ぎ去った古き良き時代への懐古の思いを自嘲的・自虐的アイロニーを込めて歌う・・・・。
年齢を重ねた今、愛をうたうシャンソンも良いが老境を歌い、人生を懐古する「ウィナーリーダー」に魅せられたわが身がありました・・・。「この世はただ役割を演じているだけ、それが終わればおさらばするだけ・・死を深刻に捉えないで、今生きているうちに楽しむことさ・・・」こんな歌をワインの少し酔い加減で歌ってみたい、、、、

2014年12月19日のモーツァルトハウス(東京)
室内楽を楽しむ・・・・♡♠♡  アーテイストサロン”DOLCE"「宮村和宏ミニリサイタル」19時開演
~オールモーツァルトプログラム~ オーボエ四重奏曲K370 オーボエ協奏曲K314(編曲:宮村和宏) セレナーデK361(オーボエ五重奏版)
本格的な冬の寒さを感じるようになってきました。そんな寒い中、心がホットになる素敵な室内楽の調べを楽しんできました。
モーツァルト唯一のこの《オーボエ四重奏曲K370》は、1780年暮れから1781年3月まで滞在したミュンヘンで、名オーボエ奏者フリードリヒ・ラムの為に作曲された曲です。モーツァルトはオペラ「イドメネオ」K366の上演のためにちょうどミュンヘンに滞在していた時のことですね。この時フリードリヒ・ラムは宮廷楽団のオーボエ奏者でした。モーツァルトの時代に貴族たちが音楽を奏でて楽しんだサロン風の雰囲気の場所でこの曲が演奏され、目をつむって聞いているとその時代にタイムスリップしたようでした。改めて素敵な曲だなと思いました。

解説書を読んでいたら、この曲はコンチェルタントな精神と室内楽的な精神の融合という点では、晩年の《クラリネット五重奏曲K581》に匹敵する曲であると書かれていました。うーん成る程・・・。
《オーボエ協奏曲ハ長調》は、1777年にザルツブルクのオーボエ奏者ジュゼッペ・フェルレンデイスの為に作曲されました。唯この曲はその後モーツァルトがフルート用に簡単にハ長調をニ長調に書き直して《フルート協奏曲K314》としたので有名ですね。最初2曲依頼されながら、1曲は作ったものの、2曲目は既にあったオーボエ協奏曲を編曲しただけだったとは・・・。モーツァルトも手抜き?したのでしょうか?それとも時間がなかったから?
しかし、今もって《フルート協奏曲K314》も《オーボエ協奏曲ハ長調》も共に永遠に輝く名曲である。

オーボエ奏者である宮村和宏さんは、今年モーツァルト没年の年と同じ年を迎え、それが理由なのか春頃からモーツァルトを演奏したくてたまらなかったそうです。・・・来年以降もこのメンバーでもっとモーツァルトを演奏して行って欲しいですね・・・。

2014年12月18日のモーツァルトハウス(東京)
コラム「こころの玉手箱」から・・・オペラ歌手 錦織健♡♠♡
『モーツァルトに通じる洗練』としてオペラ歌手の錦織健さんがイラストレーターの天野喜孝さんのイラストを紹介しています。自らがプロデユーサーと歌手を兼ねる企画「錦織健プロデュース・オペラ」のパンフレットをずっと天野さんが担当しているそうです。「コジ・ファン・トゥッテ」から始まり、生誕の年の06年には第3弾「ドン・ジョヴァンニ」、来年2月~3月に東京や大阪などで上演する第6弾としての「後宮からの誘拐」とモーツァルトの作品が多く、それらのパンフレットを全部天野さんが手掛けている。天野さんのイラストを使ったパンフレットは、やはりちょっと異色な感じがして、目を引きますね。

「ルネッサンス風というか、地味な中世から渇望した華やかさというか、独特の世界が広がる。それはモーツァルトの音楽に通じる感覚だと思う。・・・・・・・・天野さんのイラストは古いヨーロッパの香りに満ちている。僕が理想とする舞台にぴったりだ。」(日経新聞夕刊、2014.12.18から)

地方ではオペラを見る機会が少ないことを実感し、そこで小規模で予算を抑えつつ、歌手陣はトップクラスをそろえて全国を巡回しようと計画し、始まったというこのオペラシリーズ。このパンフレットのイラストと一緒に楽しみたいものである。

2014年12月15日のモーツァルトハウス(東京)

作曲家のオリンピックの頂点は・・・・♡♠♡

「音楽が存在しなければこの世に意味はない」とモーツァルトは言っているそうですが、「モーツァルトあってのこの世」ではとモーツァルトを愛する者は思います。ラジオで初めてジュピターを聴き、フィナーレの素晴らしさに脳天を打たれたようになり、以後片っ端からモーツァルトの音楽を聴き始めた遠い過去の出来事が懐かしく思い出されます。ピアノ協奏曲第20番を聴き、衝撃のあまり椅子から立ち上がれなかったと告白する人もいます。何時の頃からか、いやずっと前からモーツァルトの音楽はいつも傍にあって、私の永遠の友だったように思います。
ヘルマン・ヘッセが「モーツァルト、彼の存在こそが、この世界には意味があるということを意味している」という言葉を残しています。武者小路実篤の言葉に「天に星 地に花 人に愛」というのがありますが、「天に星 地に花 人にモーツァルト」でもいいのではないかと、私は思っています。

東京文化会館小ホールの改修工事も終わり、リニューアル後椅子も新しくなったこのホールでのコンサートに行って来ました。演目はモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番ト短調K478、2番変ホ長調K493、そしてピアノと管楽器の為の五重奏曲変ホ長調K452です。ウイーン時代のモーツァルトが新しいジャンルとして手掛けた作品です。ピアノ四重奏曲ではこの2曲をモーツァルトは残していますが、どちらもピアノと弦のアンサンブルが奏でる名曲です。ホフマイスターから依頼され作曲しましたが、3曲の約束が結局2曲で終わったのは、最初の1番の曲について難しすぎて買い手がつかないとホフマイスターが判断したからといいます。同じ年には、先程のピアノ協奏曲20番K466やハ短調の「幻想曲」K475が書かれました。この頃からモーツァルトは聴衆の好みに合う親しみやすいものより、もっと芸術性の高いものを目指し始めたと考えられています。演奏は「フォーレ四重奏団」。ネーミングは「室内楽こそが音楽の唯一の真の形式であり、個性のもっとも真正な表現」と語った作曲家、ガブリエル・フォーレに因るといいます。

2014年12月14日のモーツァルトハウス(東京)

朝吹英和著「蝉時雨」(ふらんす堂)♡♠♡

朝吹英和さんの著書「蝉時雨」が出版されましたのでご紹介します。今まで「青きサーベル」「光の槍」「夏の鏃」と句集を刊行されてきた朝吹英和さんが、「時空のクオリア」に続くエッセイ集として、この度ふらんす堂から上梓したのがこの「蝉時雨」です。遠き日へ降りる階段蝉時雨  とご自身詠まれた句がありますが、朝吹少年が遠き日の夏休みに浴びた蝉時雨のシャワー、生命の尊さと一回限りの生への限りない思いがこの本のタイトルになっているのでしょうか。
誕生から現在に至る様々な場面で出逢った方々との「ご縁」に感謝しつつ、筆を執ったと綴られたこの本は、手に取って読めば読むほどその奥深さが伝わってくる思いがします。
本を読み進めていくと、朝吹さんが生を受けて様々な場面で出逢った方々との「ご縁」の連鎖により、並み外れた豊かな時間を過ごしてこられたのを感じます。人生豊かに過ごすというのはこういう事をいうのかと思ったりします。

思い起こしてみると、我々夫婦と朝吹さんとの「ご縁」の始まりは、やはり「モーツァルト」、若くして世を去った天才演奏家「加藤恕彦」、そして「軽井沢」だったように思います。それ以降お付き合い頂き、「ワイン」だったり、時には「オペラ」だったりその都度キーワードは違えど、その「ご縁」にいつも感謝するばかりですが、最近では「笹吟」というお店を気に入ったので「笹吟贔屓仲間」にも入れて貰えるのかも知れません。これからは「旅」というキーワードの「ご縁」も増やしていけたら更に幸せです。

著書の中の、「ねずみの通し穴」に出て来る源光庵の「悟りの窓」(丸窓)、「迷いの窓」(角窓)のことや、圓通寺庭園等への深い造詣には感銘するばかりですが、源光庵も圓通寺も京都を訪れた際外せない場所で、何度も足を運んでいる我々にとっては心の原点にもなっている場所でもあります。一語一句奥深くありながら、文面には懐かしい、人としての温もりを感じます。
折にふれて、さり気ない温かいお心配りや優しさを何度も体験しました(奥様からも)。心の豊さからなのでしょうか・・・・。その答えは全てこの本の中に見つかるのかも知れません。

ネットショップは、他にもありますが、http://furansudo.ocnk.net/product/2081

2014年12月13日のモーツァルトハウス(兵庫)

再び兵庫芸術文化センターへ♡♠♡KOBELCO大ホール 2014年12月13日(土)15時開演
演目:フルート協奏曲第1番ト長調K313、フルートとハープのための協奏曲ハ長調K299、交響曲第31番「パリ」 兵庫芸術文化センター管弦楽団、指揮:ユベール・スダーン
今年二度目となる兵庫:西宮北口にある兵庫芸術文化センター大ホールへ、1回目は今年7月にオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」(指揮:佐渡裕)を観に来ました。伊勢市からは、今度は近鉄特急で大阪難波行きに乗り、鶴橋経由で大阪へ。大阪を経由して阪急神戸線特急を利用し、西宮北口へは2時間40分程で着きました。ユベール・スダーン モーツァルトへの旅3回シリーズの今日は「パリ」編の演奏会です。

2千人を超す集客を誇る会場も、ほぼ満員。土曜日の午後の公演だから頷けます。「2曲の協奏曲はちょっときつい・・」とは終了後のフルートの小山さんがもらした言葉。演奏家にとってはこの名曲2曲は集中力もかなりのものが必要でしょうし、まして大きなホールなので音の大きさにも気くばりがいるだろうし・・・。聴く方はこんな幸せはありませんでしたが・・・。小山さんはこの公演の為に来日し、翌日にはもうフィンランドにお帰りとか。向こうではすぐ団員としてのリハーサル、本番と、スケジュールが控えているのだそうです。これから寒さが厳しい土地なので身体に気をつけて務めて欲しいと思いました。


2014年12月12日のモーツァルトハウス(三重)
古の悲話「阿漕」を通過し伊勢市へ♡♠♡
新幹線の名古屋駅で下車し、JR鳥羽行きに乗り、伊勢市駅に降り立つと、伊勢神宮外宮(げくう)の参道がすぐ目の前です。昨年2013年に、20年ごとの式年遷宮を終えたばかりの伊勢神宮は前から一度はお参りしたいと思いながらまだそれが叶わずにいた場所です。今回の関西旅行をチャンスに、その思いを遂げるべく伊勢市に向かいました。

名古屋でみえ号に乗り換えて1時間半ちょっとでその伊勢市に着くことが出来ました。途中に「阿漕」という駅名がありました。能にも「阿漕」(世阿弥作曲)があり、「伊勢の海あこぎが浦に引く網も たびかさなれば人もこそ知れ」と歌にも詠まれた場所です。調べて行くと西行法師の出家の意味にまで及び「源平盛衰記」にも登場してきます。

阿漕が浦は、伊勢神宮へささげる神饌の漁場で、現在の三重県津市阿漕町の海岸一帯を「阿漕ヶ浦」といいます。禁漁場であったのに、そこで夜な夜なひそかに網を引いていた漁師が、発覚して海に沈められたという哀話が伝わっている所です。
この伝説からさまざまな話が創作され、「阿漕ヶ浦」の名は世間に広まり、室町時代の「源平衰退記」では、「あこぎ」を「度重なること」の比喩として使い、近世以降は「しつこいさま」の意味で使われるようになりました。

「あこぎ」という詞は厚かましいとか、しつこいとかの意味で今でも使われますね。白洲正子著「西行」の「あこぎの浦」の章を帰ってからまた取り出して読んでみましたが、西行の「永遠の女性」は鳥羽上皇の中宮、待賢門院であり、その思いを断ち切れずに出家を決心したのも、この歌に詠まれた「たびかさなればひともこそ知れ」によるものである、など書かれています。漁師の話がいつしか西行の悲恋の恋歌となって、「あこぎ」という詞と西行とは切り離せないものになっていたのですね。

私は当時これを読んで、西行が手の届かぬ人とは知りながら、辛く烈しい恋心を抱かずにはいられなかったという、この待賢門院璋子の面影を求めて、その御影が嵯峨の法金剛院にあると知り、ひとり訪れたことがありました。のどかな、心やすらぐいいお庭があり、夏の蓮の時と春の花の咲く時には賑わいをみせるものの、それ以外はひっそりとしていて、しだれ桜の中に「紫しだれ桜」と名付けられた桜の木が1本あり、それは濃い紅しだれ桜で待賢門院のような感じの花だといいます。いつかまた今度はこの桜を訪ねてふらっと行ってみたいと思っているお寺さんである。

伊勢神宮は2千年の昔から神様が鎮座される場所として崇められ、尊ばれていました。お伊勢参りは日本人の心の故郷だったのでしょうね。私たちもいにしえの人々に思いを馳せ、半日かけ、外宮~内宮をお参りしてきました。日本人が大切に受け継いできた歴史がそこにありました。

お参りの後には、内宮の「おはらい町通り」や「おかげ横丁」もぜひ歩いて欲しい場所です。江戸時代の建物を保存し再現した貴重なスポットです。「赤福本店」では赤福3ヶとほうじ茶のセットが供されていて、お土産もいいですが、やっぱり赤福は当時のお伊勢参りの人と同じくここで、こうして、味わいたいものです・・・。

2014年12月10日のモーツァルトハウス(東京)

「偉人の生涯と筆跡カレンダー」を求めて♡♠♡

ミサワホーム作成の2015年版のカレンダーを昨日ご紹介しましたが、かなり大判の立派なものです。実際店頭(東急ハンズ)で見てきました。カレンダーに付録として付いた説明書が手違いで届いていない為、買わずに帰って来ましたが、モーツァルトの筆跡にとても愛着が湧きました。各月には、愛称ベーズレへの手紙、レオポルトに宛てた新年の手紙の他に、8歳で初めて書いた自筆譜も取り入れられていて、カレンダーの数字はモーツァルトの筆跡です。これらはオーストリア、ドイツ、イギリス各国から入手し、ザルツブルクの国際モーツァルトテウム財団の全面的な協力のもとに収集したものだそうです。住宅建設専門のメーカーさんのこだわりに敬服します。

2009年から始めた一人の偉人の筆跡で一年を構成するシリーズ、過去には夏目漱石(2009年)、宮沢賢治(2010年)、レオナルド・ダヴィンチ(2011年)フィンセント・ファン・ゴッホ(2012年)パウル・クレー(2013年)竹久夢二(2014年)、と一人の偉人の生涯と筆跡にスポットをあて、月ごとに様々な角度から紹介するスタイルになっています。過去には輝かしいカレンダー展の受賞歴もあります。偉人の筆跡には隠された才能を感じ、その筆跡は実に味のあるものばかりです。

来年2015年版に初めて作曲家が登場し、その作曲家がモーツァルトという事です。確かに、モーツァルトの筆跡は、それだけで絵画の様な、音楽記号そのものが絵であり、デザインであることが筆跡から伝わってきます。カレンダーを通して、歴史や芸術の世界にいざなわれるという嬉しい体験も出来ます。月をめくるのが楽しみになるカレンダーです。東急ハンズネットショップで購入したのでそのうち届くでしょう。楽しみです。

2014年12月9日のモーツァルトハウス(東京)

来年のミサワホームのカレンダー、何とモーツァルトの筆跡です!!!・・・♡♠♡

モーツァルトカレンダーもいろいろありますが、ミサワホームが作った来年のカレンダーはモーツァルトの筆跡のものです。伊東屋さんと東急ハンズで販売もしていて2000円で購入できます。下記のHPで覗くだけでも覗いてみてください。ミサワホームに関係している方はいいですね・・・。手に入るかも知れません。

イタリア・ジェノバからチョコレートのお土産が届きました。老舗のチョコレートです。1780年創業とありましたから、モーツァルトの時代の人も食べていたのですね。モーツァルトさんもこんなチョコレートを食べていたのでしょうか・・・。珈琲にも、ワインにも合います。

2014年12月8日のモーツァルトハウス(東京)

コンスタンツェ・モーツァルトと「悪妻伝説」の誕生・・・♡♠♡
「悪妻」「悪妻」といつも叩かれている、モーツァルトの妻、コンスタンツェ、なぜ悪妻なのか・・といつも疑問なのです。本人同士しか分からないこと、だから勝手な推測や憶測でしか分かり得ないことなのに、そこはやはり偉大な天才作曲家モーツァルトの妻という事で、何かと言われてしまうのですから、可愛そうなお話です。決してモーツァルトから不満の言葉や、行動は記録されていないのですから、「いいではないですか・・」と言いたいのですが。・・・

その日頃の疑問に何か手掛かりが得られるかと期待し、今日は小宮正安先生(横浜国大准教授)の講演会に行って来ました。タイトルはズバリ【コンスタンツェ・モーツァルトと「悪妻伝説」の誕生】

前から疑問に思っていたのですが、ザルツブルクの聖セバスティアン教会の墓地に、コンスタンツェと隣り合わせに、義理の父のレオポルトのお墓がありますが、モーツァルトの姉のナンネルのお墓は別の場所、ペーター教会の墓地にあります。どうしてなのか。コンスタンツェとナンネルは、仲が悪かったから、同じ墓地には入れなかったとか、でもじゃあなぜレオポルトはコンスタンツェと同じ場所に一緒に埋葬されているのか・・・。先生のお話では、聖セバスティアン教会の共同墓地が閉鎖されると聞いたナンネルは、ペーター教会に埋葬してと遺書に残してあったとか。それまでの埋葬はセバスティアン教会の墓地が一般的だったということです。

この日の講演は、はコンスタンツェの生誕の地(ツェル・イム・ヴィーゼンタール)を訪ねたお話から生い立ち、モーツァルトの妻時代、未亡人時代、ニッセンとの再婚に至るまで、歴史的背景を踏まえてコンスタンツェの人生を辿りました。
「悪妻伝説」はこちらも歴史が古く、1850年代のニーメチェック、オットーヤーン、アーベル、アルフレートアインシュタインなどコンスタンツェの伝記もたくさんあり、この受容史からどうしてここまで、コンスタンツェは悪妻になったのか、ここまでどうして彼女をこきおろすのか追究するべく、片っ端から関連の本を読んでいると、先生は述べられました。それらを纏めてご本を出されるそうですが、先生独自の新説で「悪妻伝説」が覆されるのでしょうか・・・期待して待ちたいと思います。

今回興味深かったのは、コンスタンツェの生誕の地、ツェル・イム・ヴィーゼンタールという初めて聞く地名の町でした。先生はこの講演直前にこの地を訪ねた際、日本からわざわざコンスタンツェの生誕の地を訪ねてくれたという事で、観光協会関連の方々の大歓迎を受け、翌日の新聞にも大きな写真付きで載ったのだそうです。チューリッヒからバーゼルへ行き、そこからローカル線でドイツに入り、延々乗り、その終点がツェル・イム・ヴィーゼンタールという町なのだそうです。小さな小さなまちで、ホテルもわずか一軒だけ、この日の講演会場である「文京シビックホール」にすっぽりはいってしまう位の町だそうです。こんな小さな狭い町で、官吏をしていた父の娘として1762年に生を得たコンスタンツェは、1764年両親と共に次なる地、マンハイムへと移住します。そこでマンハイムに求職活動に来ていた運命の人、モーツァルトと出会うのです。

ツェル・イム・ヴィーゼンタールは今町おこしとして、コンスタンツェ生誕の地として売り出そうとしているのだそうで、ホテルにもコンスタンツェ、いろいろなものにコンスタンツェと名前を付けて・・・・。また行ってみたい病が起きてきました・・・♡♠♡

2014年12月7日のモーツァルトハウス(大阪&京都・嵐山)

浪速の歴史的建造物・・・♡♠♡
オペラと浪速の夜を楽しんだ翌日は、大阪を代表するレトロな建造物の見学から始まりました。このページでも紹介ずみの「大阪市中央公会堂」です。中の見学は出来ましたが、見たかった大ホールには入れず、ガラス越しに中を覗くだけでした。大正時代にロシア歌劇団の「アイーダ」の公演や、イタリア歌劇団「椿姫」などの公演が行われ、又ヘレンケラーやガガーリンなど各界著名人の講演会も行われた歴史あるホールで、モダンなシャンデリアや金箔に覆われた舞台縁、豪華なカーテンなどその重厚で荘厳な雰囲気に心を奪われてしまいました。
正面から見た建物は圧倒されるものがあります。

このあたり中之島界隈は「建築ツァー」でも人気のスポットで、歴史的建造物が建ち並んでいる場所です。淀屋橋駅に降り立つと、日銀大阪支店、遠くにフェステイバルホールの大きな建物が望め、土佐堀川沿いに歩くと、大阪市役所、大阪府立中之島図書館、公会堂、東洋陶磁美術館などが並んで建っているのが分ります。夜はこの時期「OSAKA光のルネサンス」というイルミネーションが楽しめます。夜だとライトアップされたレトロな建物が尚一層光に彩られ、綺麗だろうなと思いました。

今回耐震補強工事中で周囲を仮囲いされていて、また、休館日だったので中に入れませんでしたが、大阪府立中之島図書館も外観はルネッサンス様式で、内部空間はバロック様式の格調高い建築物でした。円柱に支えられた正面はギリシャ神殿を思わせる造りです。明治37年に第15代住友吉佐衛門氏の寄付によって造られそうで、国の重要文化財に指定されているそうです。実業家の私財の「社会への還元」というのがこの様に行われていた事にも感動した旅でもありました。またいつかぶらぶら歩いて、大阪人の気風の良さにも触れてみたいと思いました。。。

途中は、また大好きな京都にも立ち寄り、初冬の嵯峨野散策というオマケつきの旅となりました。

2014年12月6日のモーツァルトハウス(大阪)
浪速のフィガロと心斎橋の夜・・・♡♠♡
【モーツァルト未来へ飛翔する精神「ここにはすべてがある!いずみホール・オペラ2014〈フィガロの結婚〉」:大阪いずみホール(14時開演)】の観賞の旅から帰って来ました。舞台は東西の実力派歌手を集めての活気あふれる「和製フィガロ」で、会場は超満員の大盛況。心から大阪での「フィガロの結婚」を堪能できました。演奏会形式ながら演出家粟国淳の手腕による舞台づくりも的を得ていて、以前ヴェルデイの「仮面舞踏会」を同氏の演出で観たことがありましたが、モーツァルトの演出を手掛ける演出家として今後マークして行きたいなと思いました。地元関西で活躍中の歌手が多く出演していたせいで観客の声援も大きく、観客と舞台が正に一体となって楽しめた「浪速のフィガロ」でした。「このオペラの中には随所にモーツァルトの驚くべき才能が隠されている。例えば、フィガロが足をくじいたという場面での音楽、またマルチェリーナが母だと知った時の音楽など、その状況にあった音楽を造り出せるモーツァルトの天才ぶりを再発見した」という一緒に鑑賞したフィガロ熱上昇中という方の感想に、なるほどと頷くばかり・・・。フィガロの結婚はいつ観てもフィナーレでは心から幸せ感が満ちあふれて来て、やはりオペラの中ではフィガロが「幸せオペラ」の最高峰かなと思いました。

さて、オペラの鑑賞後はすでに夕闇もせまり、フィガロを肴に?楽しい宴の時間となりました。大阪心斎橋で「うどんちり」を登録商標にしている「にし家」で、身も心も温まりました。吟味された食材による料理の数々にアルコールも進み、ほろ酔い気分に・・・。このあたりは別名アメリカ村と呼ばれるほど、オシャレなバーがある所で、旅先の解放感も加わって「オールド・コース」というバーにも行き、大人の隠れ家的な空間で、好みのリキュールを頼んで、浪速での夜の締めくくりとなりました。

このカクテル、金柑をベースにしたものという事でオーダーしたもの。。あまりの美味しさにすっかり気に入ってしまい、帰り際に、マスターに何のリキュールを使っているか、聞いた所「コアントローです」との答え、かんきつ類にはかんきつ類のリキュールを・・通な組み合わせ??、かんきつ系が好きな自分好みの味にすっかり参ってしまいました。客の好みに合わせてさり気なく提供してくれるバーで、すっかり身も心も溶け込んでしまいました。

2014年12月5日のモーツァルトハウス(東京)

命日の景色・・・
今日の東京はすっきりとした晴天です。都会も秋色ですね。右手先にはまっ白に雪化粧した富士山が望めます。外に出てみると意外なほど風が冷たかったです。

1791年12月5日零時55分、モーツァルトは亡くなりました。今日がその日です。(日本時間ではちょっと違ってきますが・・・)モーツァルトの訃報は、ドーヴァーを超えて、ロンドンにも届けられました。その訃報に接したヨーゼフ・ハイドンは、日記帳に「1791年12月5日に、モーツァルト死す」とのみ記しています。しかし、同月20日付で、マリアンネ・フォン・ゲンツィンガーに宛てた手紙の中では、次のように書いています。「偉大なモーツァルトが死んでしまったことが本当なら---もちろん私はそんなことを望みませんが、---彼を胸に抱けないのが残念でなりません。後世は百年たってもこれほどの才能を再び得ることはないでしょう。」
そのハイドンは翌年1月にはモーツァルトの保護者であったプフベルクに宛てにも次のように書いています。「私は彼の死を聞いて、ただ茫然としてしまい、神がこれほどまでに早く、かけがえのない人物をあの世に召されるなどは信じることができませんでした。----親愛なる友よ、どうか当地でまだ知られていない(モーツァルトの)作品の目録を私に送って下さるようお願いいたします。これらの作品によって、彼の未亡人がお金を得ることができるように、考えられるだけの努力は惜しまないつもりです。私はこの気の毒なご婦人に、三週間前、自分で手紙を書きましたが、それは、あの方の愛児が然るべき年齢になられた時に、無償で、私の最大限の努力を払って、作曲をお教えし、いささかなりとも父親の代わりが務まるようにして差し上げたい。」といった内容でした。

こうしてモーツァルトの死は、親しい人だけではなく新聞などを通じて一般の人にも大きな衝撃となって伝えられていくのです。〈モーツァルトの町〉プラハにもその知らせは届き、12月14日、聖ニコラス教会でモーツァルト哀悼の荘厳ミサがとりおこなわれました。ドゥーシェック夫人もその美しいソプラノで、親しい故人を偲んだといいます。
その後コンスタンツェは、1908年にゲオルク・ニーコラス・ニッセン(1761~1826)と再婚しました。ニッセンは1797年にコンスタンツェ宅に寄宿して知り合い、モーツァルトを敬愛し、コンスタンツェを助けて様々な努力を惜しまなかった人物です。ニッセンは又初めてのモーツァルトの伝記となる「W・Aモーツァルト伝」を完成させた人でもあります。ニッセンは後世に「コンスタンツェの夫」としてだけでなく、最初の「モーツァルト伝」を世に残した人としても、私たちの記憶に残ったのです。ザルツブルクの聖セバスティアン教会の墓地に、ニッセンはコンスタンツェの隣で、「モーツァルトの未亡人の夫」として、眠っています。♡♠♡(参考:「モーツァルトの生涯:海老澤敏著」)

2014年12月3日のモーツァルトハウス(東京)
モーゼス・メンデルスゾーンとモーツァルト・・・♡♠♡
モーゼス・メンデルスゾーンはロマン派初期の作曲家フェーリクス・メンデルスゾーン・バルトルディの祖父として知る人ぞ知る人物です。18世紀最高のユダヤ人哲学者として際立った存在でした。
モーツァルトは1787年4月4日付で父レオポルトに送った有名な最後の手紙に次のように書いています。「死は(正しく考えますれば)ぼくたちの生の真の最終目的でありますから、ぼくは、この人間の真実で最良の友と、数年来、非常に親しくなっています。そのため、その姿は、ぼくにとって、ただ単に悲しいものでないばかりか、まったく心を安らかにし、慰めてくれるものなのです!・・・・・・ぼくは、(まだとても若いのですが)、明日にはもう生きていないのではないかと考えるのです。・・・・この幸福を、ぼくは毎日創造主に感謝し、そして心からぼくの隣人たちのいずれにもそれを祈っているのです。」
この文章がメンデルスゾーンの著書「哲学論集」全2巻(1771年)のなかで展開される死の思想との直接的な関係が見られるとする考えと、それをさまざまな意味、そして形で否定する考えとの対立が、近年も続いているのだそうですが、海老澤先生はきっぱりと前者の立場を打ち出しています。
又、モーツァルトの死去の際作成された遺品目録の中にも、このモーゼス・メンデルスゾーンの代表的著書「フェードンあるいは魂の不死性について」があります。モーツァルトがこの著書を読んだか論議が行われているそうですが、こちらも先生はモーツァルトの愛読書であったと確信していると述べています。

「モーツァルトは生粋の音楽家である。従って本など読まない。また音楽以外のことには無関心だった」とは永らく信じられてきた俗説である。モーツァルト自身が語っている言葉「そういう時にはぼくはいつもポケットから本を取り出して、-----ザルツブルクでいつもそうしていたように、読書をします。」(1777年12月20日付レオポルト・モーツァルト宛)を私はかたくなに信じる者である。また彼が遺した遺品目録の中にはおそらく40点80冊もの書物が列挙されている。」「海老澤敏コレクション- 知られざるモーツァルト・・・モーツァルトとその時代(モーツァルトが出会った王侯貴族、文人そして音楽家たち[文人・その他の音楽家篇](カタログより)

「これらの遺品目録を一瞥する時、私たちはほかならぬモーツァルトの精神生活の一面を垣間見ることができると信じることもできるのではなかろうか。ひときわ光り輝くメンデルスゾーンの名著が彼モーツァルトの死生観の血となり、肉となったものであることは疑いがないとすでに述べたとおりである。」(海老澤敏著「モーツアルトの生涯」より)
11月8日(土)~11月23日(日)に武蔵野市立文化会館展示室で開催された「海老澤敏コレクション 知られざるモーツァルト」での数々の展示品の中に、メンデルスゾーンの肖像(ヴェーガー作版画)、著書「フェードンあるいは魂の不死性について」、「哲学論集」もありました。これらの資料を直にこの目で私たちは見ることができました。これらを通して、モーツァルトの生涯に影響を与えたに違いない人々との関係を幸いにも垣間見ることができ、大変貴重な体験となりました。その中でも、このメンデルスゾーンの著書がモーツァルトに与えた影響が特に印象深く、心に残りました。

2014年12月1日のモーツァルトハウス(東京)
カール・バルト(神学者)とモーツァルト・・・♡♠♡
スイス・バーゼル生まれの神学者であるカール・バルトは、「天使たちが神を賛美しようとして、ほかでもない、バッハを奏するかどうか、これには絶対の確信はもてない。・・・・けれども、彼らが仲間うちで相集まったときには、モーツァルトを奏し、そのとき神様もまた、その楽の音を、ことのほか悦んで傾聴なさるだろうこと、これは確かだ」という言葉を残しています。
1957年に新教出版社から出版された、カール・バルト著「モーツァルト」(小塩節訳)で紹介され、また小塩節さんの著書である「モーツァルトへの旅」や「愛の人モーツァルト」などでも語られている有名な一節です。カール・バルトは、1886年にスイス・バーゼルで生まれ、1968年に同じくバーゼルで亡くなりました。しかし最後は「ここがどうしてザルツブルクでないのだ」と言って息をひきとったのだそうです。モーツァルトの崇拝者だったのですね。

吉田秀和著「モーツァルトを求めて」の中にも、カール・バルトについての記述があります。《「私は恐れるのだが、天上の神が喜んできくのは、バッハではなく、たぶんモーツァルトの音楽だろう」といったのは、神学者カール・バルトだった。心が乾燥している時はモーツァルトへの手がかりはない。音は空しく耳の傍を駆けていってしまう。しかし、彼をきく用意が、私の知らない何かの機微によって心のどこかで整っている時は、こんなに素晴らしい音楽はない。その「心の耳」が、いつどこでどういうふうに、開かれたり、閉ざされたりするのか。それは、私たち自身にも、よくわからないことだ。》

吉田秀和著「モーツァルトを求めて」の中に出て来る、この一節はとても衝撃的でした。思いあたることがあったからです。私は今年初めてある体験をしました。モーツァルトの音楽が受け入れられず、遠ざけたいと思った時期がちょっとあったのです。最高の音楽だったものが、そうは思えず、遠ざけていたもの・・・。それは「心の乾燥」だったのでしょうか。それを気付かせられた思いです。
「心が整っている時は、こんなにすばらしい音楽はない」というのも真実のように思えます。モーツァルトに限らず、まずおのれの心が整っているかどうか、即ち心のコンディションの良し悪しが、何事にも大きく影響するという事なのでしょう。
その心の耳が開かれ、ウエットな心にこそ、芸術は深くしみいり、自らの人生をより豊かなものに塗り替えてくれる・・・。それがモーツァルトを聴く「こころ」なのかな・・・。

2014年11月30日のモーツァルトハウス(東京)
ゲーテとモーツァルト・・・♡♠♡
歌曲「すみれ」K476は、モーツァルトによる歌曲のうちゲーテの詩が用いられた唯一の作品です。短い曲ですが、原詩のストーリー展開に応じ、細かい転調を繰り返し、その場面ごとに物語がドラマティックに表現されています。「夕べの想い」とともに、モーツァルトの歌曲の傑作として挙げられます。
そしてモーツァルトは最後の部分に2行付け加えています。

楚々と立つすみれを描写する冒頭、陽気な少女が登場する軽快な調べ、そしてすみれはこの少女に摘まれたいと望み、その少女に踏み付けられる残酷なシーン、それでもすみれは幸せだったと喜びを歌う音楽、どれも本当に見事です。そして最後にモーツァルトは2行だけ付け加えました。哀れなすみれ、・・それは本当にかわいらしいすみれだった・・・と。

さて、1763年から始まったモーツァルト一家の西方への大旅行の途中、8月18日にフランクフルト・アム・マインで幼い姉弟の演奏会が催され、その観客の中に当時14歳のゲーテがいました。晩年のゲーテとの対話を記録したエッカーマンは、有名なエッカーマン著「ゲーテとの対話」の中に次のように書いています。「その時、彼は旅行の途中で演奏会をしたのだ。私自身は14歳の頃だったが、髪をきちんと整えて、剣をつけた小さな男の子を今でもまだはっきりと思いだすよ」1830年2月3日の日付をもった個所である。このように、ゲーテはモーツァルトに会ってはいませんが見ているのです。

所で、ゲーテはモーツァルトの作曲した「すみれ」をはたしてどう思っていたのでしょうか。残念ながらその記述は何処を探してもなく、分りません。ゲーテのすみれにはいろいろな作曲家が曲を付けています。ゲーテは1832年に亡くなっていますから、モーツァルト作曲の「すみれ」を聴いていない筈がなく、少なくとも初版は見ている筈と言います。モーツァルトが詩に曲を付けているのに、それなのに一度も触れていないのが、不思議です。。。。。

ゲーテは、1791年から1817年まで26年間、ヴァイマルの宮廷劇場の監督を務めています。この時代、最も多く上演した作品は、モーツァルトの作品でした。その上演数は280回にものぼり「魔笛」が82回と一番多く上演され、「ドン・ジョヴァンニ」68回、「後宮からの誘拐」49回と続いています。「魔笛」を愛し、続編まで作ろうとしていたゲーテ。「すみれ」につけた2行をはたしてどう思っていたのでしょう・・・。解き明かしたい疑問ですね。。。

2014年11月28日のモーツァルトハウス(東京)
こだわりのプログラムで巡るモーツァルトの旅・・・・♡♠♡ユベール・スダーンモーツァルトの旅〈パリ〉KOBELCO大ホール 2014年12月13日(土)15時開演
いよいよ来週は兵庫県立芸術文化センターでのコンサートを聴きに出かけます。その前の週のいずみホールと2週続けての関西方面への鑑賞旅行となります。兵庫でのコンサートの演目は《ユベール・スダーンモーツァルトの旅パリ編》のオールモーツァルトプロ。それに、フルートのソリストはフィンランド放送交響楽団の首席フルーティストの座に就いたばかりの小山裕幾さんが来日しての出演とあって、期待で今からワクワクして来ます。演目は、フルート協奏曲第1番ト長調K313、フルートとハープのための協奏曲ハ長調K299、そして交響曲第31番「パリ」。モーツァルトの名曲揃いですね。ヨーロッパまで聴きに行く事を思えば、新幹線で新大阪までは、なんのその・・・でしょうか・・・・
2010年に慶應義塾大学理工学部を卒業して、スイスバーゼル音楽院に留学し、現在も大学に籍を置きながら、今年9月に述べ130人の中から現在のオーケストラのポジションを得た小山裕幾さん。そもそもアジア人がヨーロッパのオケのそれも首席のポストを得るのは大変なことの様です。現地の新聞にもアジア人初として、大きく写真入りで載ったそうです。勿論、小山さんの地元紙である「新潟日報」も「難関突破 欧州有数トップ フィンランド楽団首席奏者に」と、長岡出身の小山さんの世界への第一歩を讃えて報道しました。初オーディション挑戦での難関突破に、本人も「外国人である自分の演奏を認めてもらって嬉しい、身の引き締まる思い」と語っています。

このオーディション、小山さんは以下の様に述懐しています。
初めてのオーディションということもあり相当なストレスだった。そもそもアジア人がヨーロッパのオーケストラの首席のポジションを得るのはすごく難しいという話を聞いていた。初日は演奏者が見えないように仕切りのようなものがあって、なんだかどこに向かって演奏していいのかわからなかった。これが2回。10時から19時くらいまでかかった。

2日目は、オーケストラの団員皆で審査する形式で行われた。第1ラウンドはモーツァルトの協奏曲ト長調1楽章とオーケストラスタディ(有名な曲のソロ演奏)。ここでは10人から3人に絞られる。第2ラウンドは室内楽(木管5重奏)とオーケストラスタディ、ここで2人に。

決勝は指揮者とオーケストラスタディ。指揮者が「ここはこういう風に吹ける?」と注文をしてそれに答えるというもの。精神的にも肉体的にもかなりハードな2日間4回ラウンド戦だったが集中力が切れず、吹き切ることができた。

又、小山裕幾さんは、理工学部1年生の時に、「藤原賞」という賞を受賞されています。以下が賞状の文面です。
「貴君は優秀なフルート奏者の登竜門として、国際的にも評価されている神戸国際フルートコンクールにおいてコンクール史上最年少かつ日本人として初めて第一位を獲得しました。さらに、バッハ・ショパン等の作品での音分布の時代的特徴の解析や音楽をマルコフ過程とみなすことによる作曲の試みなどによりJSEC審査員奨励賞を受賞した。音楽活動に留まらない芸術と科学を結びつけるこのような試みは理工学部生の範とするところであります。よってここに記念品を添えて表彰します。」

又、平成19年度は、慶應義塾大学塾長奨励賞にも選ばれています。受賞理由として・・・。「フルート奏者としての音楽活動が高く評価され、将来を嘱望されるクラシック音楽家に贈られる第17回出光音楽賞を受賞し、新潟県知事表彰を受けた。同君は理工学部に在学しながら、日本を代表するフルート奏者として広く活躍しており、その文化芸術活動における顕著な実績は、義塾の誇りとするところである。」

音楽コンクールの数々の受賞もすごく、更にこのような素晴らしい受賞経歴があるのに、さらっとしている所が小山さんの魅力でもあります。見習いたいところです。2015年11月には「フィンランド放送交響楽団来日公演」があるそうです。オケの団員としての姿をみることができますね。♡♠♡

2014年11月24日のモーツァルトハウス
寒さに耐えて可憐に咲くばら・・・・♡♠♡
周辺の木々はすっかり葉っぱを落としてしまった初冬のモーツァルトハウス。そんな中で、モーツァルトのバラがけなげにも咲いていました。それもほんの一輪だけ。気温は朝方の最低気温はマイナスにもなるのに、寒さにも耐えて・・・。

2014年11月22日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト幅広い交遊関係を探る展示会・・・・♡♠♡
♪-海老澤敏コレクション- 知られざるモーツァルト・・・モーツァルトとその時代(モーツァルトが出会った王侯貴族、文人そして音楽家たち[文人・その他の音楽家篇])の展示会が日本モーツァルト研究所企画で只今開催中です。読書家であったモーツァルトの愛読書を紹介したり、オペラ詩人・台本作家たちとの出会い、モーツァルトを支えた演奏家たち、その他、フリーメイスン・モーツァルトを取り巻く盟友たち、名作オペラの初版譜を眺めたり、モーツァルトに育てられた弟子たち・・とジャンル別に海老澤先生の貴重なコレクションが展示されています。モーツァルトと彼の同時代の人々との接触や幅広い交遊関係の資料を基に、モーツァルトの生涯にどう影響を与え、与えられたかを探る大きな手掛かりになるまたとない機会かと思います。入場無料です。武蔵野市民文化会館展示室にて、明日11月23日(日)が最終日です。お近く、又沿線にお住いの方は是非どうぞ。開館10時、閉館は18時です。

2014年11月21日のモーツァルトハウス(東京)
メト「フィガロの結婚」再考(最高)・・・♡♠♡
今日も上映中のメトライブ・ヴューイング「フィガロの結婚」の続きです。感動がまだ冷めやらぬ・・といった感じです。このフィガロの結婚に対しては、絶賛の声が多く、観たものが「最高の舞台」と讃えています。いいオペラの上演と言うのは、本当に人を感動させるものと実感しました。最高のものに触れた時人間は涙する・・・。特にフィナーレでは重唱とオケが異常なほどの盛り上がりとなって感動の渦となり、思わず胸があつくなりました。人間賛歌ともいえるモーツァルトの音楽の素晴らしさでしょうか。

所で、ライブ・ヴューイングは、恒例のルネ・フレミングの出演者へのインタヴューも聞きどころでもあります。伯爵夫人(マジェスキ)はこのインタヴューの中で「モーツァルトの音楽の中に全てが入っている」といった発言をしていました。また3幕での大アリアについては「自分を信じてやるだけ、深呼吸して全てを出して、そして終わったらハァーという感じ?」と笑いました。ルネ・フレミングも何度もこの役は演じているので、実感できたのでしょう、大きく頷いていました。オペラ歌手はその瞬間に自分の全てを懸けて歌い上げる・・・アスリートのような気持ちで、一つのアリアに臨んでいるんだなァと感じ入りました。いずれにしても、インタヴューは、ルネ・フレミングの司会ぶりも見事だし、いつも色々な発見があって興味深いです。。

本当は、もっともっとこの感動に浸っていたい所ですが、12月6日、大阪いずみホールでの「フィガロの結婚」も控えています。こちらはオール日本人歌手によるもの、今が旬の歌手陣です。タイトルは「ここにはすべてがある!歌劇《フィガロの結婚》K492」というもの(伯爵夫人の発言に似たものを感じます)。磯山先生(企画)、河原忠之(指揮、プロデユース)、栗国淳(演出)でどんな「フィガロ」になるか・・・・。さて、因みにケルビーノ役の向野由美子さんは、かつて2008年6月7日、軽井沢モーツァルトハウスに於いてのホームコンサートに出演してくださいました。ソロやバリトンの星野淳さんとのデュエットなど、モーツァルトの名アリアを数々歌って下さり、その歌声を懐かしく思い出します。♡♠♡

2014年11月20日のモーツァルトハウス(東京)
幻となった、モーツァルト紀行、パリ~ブルゴーニュ~リヨン~ジュネーブの旅・・・

1791年の今日、11月20日にモーツァルトは再起不能の病床につき、この日から病気は一進一退をくりかえしながら次第に重くなって行きます。昨年も同じことを書きました。又今年もこの日がやって来ました。東京も日に日に秋色を深め、街路樹の銀杏もしだいに黄色味を増していくこの時期、モーツァルト終焉の地となったウイーンの初冬の景色は、どんなだったのでしょうか・・・。

モーツァルトは西の大旅行(1764年4月23日~66年11月29日)の帰路、パリ~ディジョン~リヨン~ボーヌ~ジュネーブ~ローザンヌ、ベルンのルートを辿り、ミュンヘンを経由して故郷ザルツブルクに帰りました。このパリからのこのルートを辿ったのは、モーツァルトが10歳の時、レオポルト、お母さん、姉のナンネルも一緒のモーツァルト一家での旅でした。

このモーツァルト一家の足跡を訪ねるツァーを来年の実施を考えて、何か月もかけて計画しました。一緒に行く人を募ろうとしていた矢先に、あえ無く、この計画は断念となりました。。。そんな幻となってしまった旅は、パリでは、オペラ座(バスティーユ)で魔笛を鑑賞し、パリ管弦楽団のコンサートでモーツァルトのピアノ協奏曲20番ほかを鑑賞、ロマネスク美術と建築を訪ねるには外せない街デイジョン観光をし、ボーヌではブルゴーニュワインの産地で本場のワインを楽しみ、リヨンでは、リヨン国立歌劇場で大野和士指揮のオペラを鑑賞し、そして、スイスの美しい景色へと旅は続くのです。

旅は行く前と、旅行中、そして帰ってから・・3回楽しむものと言われますが、結果実現こそしなかったものの、計画中は旅行中のわが身を想像し、ワクワクするような実に楽しい時間を過ごしたような気がします。一生懸命見積もってくれた旅行会社さんや、賛同してくれた方に本当に感謝しています。いつか絶対また仲間と出かける旅をしたいです。その夢だけは捨てずに・・・・楽しみに・・・・♡♠♡

2014年11月19日のモーツァルトハウス(東京)
歌手陣、抜群の演技力・歌唱力・・結末は最高にハッピー・・・メト「フィガロの結婚」♡♠♡
10月18日に、メトロポリタン歌劇場で上演した「フィガロの結婚」が只今ライブヴューイングで世界に配信されています。このオペラ、演出はリチャード・エアで新作、現代ものという事で、恐らくお金をかけないで背広を着せ、舞台も簡素と思いきや、全く予想に反して、現代ものでも、演出と音楽とがこんなにもマッチしたなら、感動的な素晴らしい舞台が出来るのだと思い知る舞台となりました。時代は1930年代の設定だそうで、無駄がないのに、細部に凝ったセンスの良い舞台装置、そしてエロテイックな部分もありながら、そこはコミカルでもあり、最高に面白い大人の上質さも感じさせてくれました。
歌手陣は、演技力・歌唱力、そしてチームワークも良く、楽しそうに、モーツァルトの極上の音楽にただ乗って行くだけ!といった調子。演ずるものが最高に楽しんでいれば観ているこちらも楽しくハッピーにならない筈がない・・。こんなフィガロをもしかしたらモーツァルトは望み、思い描いていたのかも知れません。そして最後はハッピ-な結末へと!どのカップルもみんな幸せで楽しそう・・・舞台全体をモーツァルトのフィナーレのメロディが包み込み、メトの観客もスタンデイングオベーションでした。

ペーター・マッテイは、はまり役で期待通りの伯爵ぶり、フィガロ役のアブドラザコフも生き生きとしたフィガロを好演し、ケルビーノ役のイザベル・レナードはひときわ大きな声援を浴びていました。スザンナ役のペーターゼンは演技も細やかで大人っぽいスザンナ?伯爵夫人は直前に交代劇(ポプラフスカヤが降板)もあったため、メトデビューをこの舞台で果たしたマジェスキでしたが、長身で品があって嫌いではなかったし、全員が息が合っていたのも印象的で、軽快で楽しい、これぞフィガロの真骨頂といった舞台でした。
指揮のジェイムス・レヴァインは、フィガロの指揮は75回目ということで、もはや最高の境地に達したかのようで、病から復帰してオペラ史上、歴史の残る名舞台を作り上げたかのような気がします。まだの方は、明日が最終日です。絶対にお見逃しなく・・・。

2014年11月15日のモーツァルトハウス(東京)
歴史的建造物を訪ねて・・・大阪師走の旅♡♠♡
来月はいずみホールでの、磯山雅先生「モーツァルトシリーズ」の「フィガロの結婚」(演奏会形式)鑑賞の為に大阪に行きます。大阪は二人共、今まで馴染がない場所で、修学旅行でしか行ったことがなかった位です。昨年も2回コンサートを聴きに大阪に出かけましたが、結局、京都方面に立ち寄り、大阪はコンサートを聴くだけ、食事だけ・・なんていった感じでした。さて、折角行くのですからどこか大阪で見所などないものかと、心がけて探していました、NIKKEIプラスONEの特集で、一度は訪ねたい赤レンガ建築が紹介されていて、その1位が「大阪市中央公会堂」でした。赤レンガの壁に青銅のドーム屋根が印象的な上に、威風堂々と中の空間も素晴らしいとありました。。行ってみたいですね・・・・。大阪市中之島地区にあり、ひときわ目を引きそうな建物です。

大阪市中央公会堂は、大阪・北浜の株式仲買人だった岩本英之介が現在の価値で数十億円にもなる莫大な私財を大阪市に寄付して1918年(大正7年)に建設されたもの。懸賞金付き設計競技(今でいう建築のコンペ)で岡田信一郎氏の案が一等に決定し、東京駅の設計が代表作である辰野金吾氏らが岡田氏の案を基に実施設計をしました。1919年(大正8年)にはロシア歌劇団の「アイーダ」の公演や、1922年(大正11年)には声楽家、三浦環「お蝶夫人」、1923年(大正12年)にはイタリア歌劇団「椿姫」などの公演があり、オペラ界にも歴史を残している建造物です。下記のHPでも、歴史を感じさせてくれる佇まいに出会う事が出来ます。ぜひご覧ください。

2014年11月14日のモーツァルトハウス(東京)

捧げてもらいたい曲???〈どうしてあなたを忘れよう〉・・・2014年11月15日(金)武蔵野市民文化会館小ホール〈モーツァルトのアリアを歌う〉19時開演  出演:鷲尾麻衣(ソプラノ) 藤木大地(カウンター・テナー) 大藤玲子(ピアノ伴奏) お話:海老澤 敏

久しぶりにコンサートアリア「どうしてあなたを忘れよう/心配しなくてもよいのです、いとしいひとよ」K505を聴きました。「フィガロの結婚」の初演(1786年)で、スザンナ役を歌った、ナンシー・ストレースが翌年の1787年に英国に帰国する際、モーツァルトがピアノのオブリガートを伴う別れの曲として作曲し、告別コンサートで披露した曲です。モーツァルト自身がピアノを弾きました。管弦楽をバックにピアノと歌と絡み合いながら美しさと格調を湛えつつ進行するこの作品には、ストレースに対するモーツアルトの特別な思いが感じられます。このような切々とした別れの歌を捧げられたらどうでしょう・・・。まして、そしてモーツァルトのピアノの序奏付きで自分がステージで歌うとしたら・・。ストレースの気持ちになって、想像するだけでも胸が震えます。因みに、ストレースのメモリアルは、ロンドンのテムズ川に面した、セントメリー教会にあると言います。もしロンドンに行く事があったら、モーツァルトの足跡として、訪ねてみたいスポットですね。。。。。

このアリアは、又オペラ「イドメネオ」にも由来します。ウイーンでの上演時にはイダマンテ役は、カストラートではなく、テノールが歌いました。第2幕1場でテノールが歌うイダマンテの歌詞「どうしてあなたを忘れられましょう、他の人と結ばれて生きていけとおっしゃるのですか?」だけを取り出して、新たにソプラノ用として作曲したのがこのK505です。この時のイダマンテのイリアを思う気持ちとモーツァルトは自分の気持ちを重ねあわせたのでしょうか。

この曲は、ストレースが得意でなかったコロラトゥーラの部分をピアノが代行する形を取って華やかさを添えていて、歌の音域もやや低めに書かれているのも特徴なのだそうです。この曲がベルカンサやバルトリといったメゾ・ソプラノによって歌われるのもその為とか。反対に「魔笛」の夜の女王を得意とする、グルヴェローヴァやナタリー・デセイといったコロラトゥーラの名歌手たちはこの曲を歌う事はないそうです。

2006年、モーツァルト生誕250年の紀念コンサートで、バルトリが歌うK505は、管弦楽がウイーンフィル、指揮ムーテイ、ピアノは内田光子という夢の共演でした。直前にルネ・フレミングがこの曲を歌えないと降板し、バルトリが歌ったのはこの様な理由からだったのでしょうか・・?。ザルツブルク・祝祭劇場での宝物のような思い出です。♡♠♡

2014年11月13日のモーツァルトハウス(東京)

読書家モーツァルトが生んだ「イドメネオ」・・・

モーツァルトは読書家であったといいます。フランスの思想家フランソワ・ド・フェヌロン(1651-1715)の書いた小説「テレマークの冒険」は18世紀に広く読まれ、モーツァルトもイタリア旅行中の、1770年16歳の時にこの小説を読んでいて、この中に出てくるイドメネウスの神話を良く知っていたのでしょう。作家フェヌロンは、父レオポルトが尊敬する作家であり、西の大旅行の帰路のパリでは、フェヌロンのお墓に詣でています。レオポルトとフェヌロンは女子教育の大切さを同じく感じていた人だそうで、レオポルトは彼の偉大さを伝え、イタリア語の訳でモーツァルトにこの本を読ませました。

1781年、ミュンヘン選帝侯カール・テオドールから依頼され、謝肉祭の為のオペラとしてモーツァルトが作曲した「イドメネオ」は、このフェヌロンの小説「テレマークの冒険」に基づいています。モーツァルトは当時ザルツブルクにいた台本作家ヴァレスコと何度も手紙で緊密な連絡を取り合って、台本に多くの手直しを加えながらこのオペラの上演をしました。又、イドメネオ役の最年長のアントン・ラーフはマンハイム時代から知っている仲とはいえ、年齢による衰えや、又その他の歌手の技量に合わせて作曲をする必要があり、このあたりにもモーツァルトの苦労があったようです。いろいろな書き換えがあり、初演がどういうものであったかはっきりしない部分もあり、今でも議論が続いているオペラであること間違いないです。そんなところも演出家泣かせ、言い換えれば、独自の解釈で演出してしまう要因にもなっているような気がします。

でも、モーツァルトはこの「イドメネオ」というオペラは好きだったのかも知れませんね。ウイーンに移り住んだあとも、伯爵邸で上演を試みたりしています。
所で、この「テレマ-クの冒険」は、日本では、朝倉剛訳で、滝廉太郎が生まれた年、音楽取調掛が生まれた年でもある1879年(明治12年)に、現代思潮社から出版されています。これを読まれた方は日本でどの位いるのでしょうか・・。もし読まれた方がいたら、モーツァルトと同じ小説を読んだということになります。ネット書店で今でも手に入れることが出来ます。。。。

2014年11月12日のモーツァルトハウス(東京)

シューベルト:四手のための作品D940はシチリアーナのメロディ・・・

久しぶりに四手のピアノ曲を聴きました。曲はシューベルトの幻想曲ヘ短調D940。四手のピアノ作品のジャンル屈指の傑作と言われています。連弾用鍵盤楽器作品は、17世紀初めころからイギリスで書かれ始め、モーツァルトも、四手のためのソナタK19dという作品を、9歳の時にイギリスで書いています。モーツァルト一家を描いた有名な絵では、父レオポルトはヴァイオリンを手にし、亡くなった母は額縁の中、姉ナンネルとモーツァルトはピアノの連弾をしていますね。その後、ザルツブルク時代とウイーン時代に計5つのソナタを残しています。特に有名なのがモーツァルト、2台のピアノの為のソナタ ニ長調 K448ですね。1781年11月23日に行われたアウエルンハンマー邸の音楽会で、弟子のヨーゼフ・アウエルンハンマーと共演するために作曲したものです。演奏会でもよく演奏される曲です。

”歌曲王”シューベルトは”連弾王”ともいわれ、35曲に及ぶ多彩な充実した作品が、彼によって生み出されました。シューマンは友人への手紙で語っています。「シューベルトの歌曲の素晴らしさはよくご存じでしょうが、私は、彼のピアノ作品、とりわけ四手のための作品に対して、少なくとも同等の評価を捧げるものです」

シューベルトのD940は、恋心を抱いた女性に捧げられた作品。印象的な冒頭は、モーツァルト「フィガロの結婚」の第4幕、バルバリーナが歌う「落としてしまったの・・・」にそっくりです。シチリアーナのピンの歌はこうして、時を経て1828年、シューベルトの亡くなる直前の作品によって、繰り返し奏でられる旋律となりました。素敵な曲でした。。。♡♠♡

2014年11月11日のモーツァルトハウス(東京)

重要文化財「銅御殿」との出会い・・・映画「ミンヨン 倍音の法則」♡♠♡
主人公ミンヨンは亡き祖母が残した古い一枚の写真(祖母の親友一家を撮った戦時中の写真)に心をとらえられ、夢のなかでその時代に戻っていく・・・ミンヨンはその祖母の親友が住んでいた屋敷を探し当てるのであるが、その撮影の舞台に使用されたのが「銅御殿(あかがねごてん)」である。
文京区小石川五丁目、湯立坂の脇に門があり、「銅御殿」とは通称で、「旧磯野家住宅」として大正元年(1912年)に竣工し、2005年に重要文化財に指定された近代和風建築の傑作です。この映像に出て来る建築物が「銅御殿」だと解説書で知り、興味をそそられました。

「銅御殿」とは・・・実業家磯野敬が、予算と工期に制限を設けず、棟梁:北見米造(当時21歳)に設計・施工を担当させ、木曽の檜やベルギーから輸入のガラスなど、当時の贅の限りを尽くして、7年の歳月をかけて建設された住宅。屋根や外壁に銅板を使ったことにより、通称「銅(あかがね)御殿」と呼ばれるようになりました。
施主磯野氏の注文は、「寺院風」「耐震性」「耐火性」の三点だけで、その他お金の制限を付けなかった為、材木の為に一山丸ごと買ったり、世界中から必用資材を買い集めたと言います。庭石は伊豆から船に陸揚げし、大きいものは牛4頭で引いて運んだものもあるとか。この様な建物が、関東大震災にも耐え、空襲からも免れ、さまざまな危機(3.11も)があった中で良好な状態で、都内に保存されている事は貴重なことと思います。

映画ではこの住居内の撮影もあり、内部のベルギー産のガラスを使った戸や、雨戸の開閉シーンなど、この映画を印象深くしていました。威風堂々としたこの表門の前にヒロイン、ミンヨンが立つシーンも印象的です。しかし、残念なことにこの建物の直ぐ隣に高層マンションが建ってしまっています。この建設には様々な反対の運動(訴訟も)あったようですが、12階建のマンションが2011年に竣工しています。

銅御殿を施工した棟梁:北見米造とはどういう人なのでしょうか・・・残した建造物はこれ一点で、調べても出てこないそうですが、ただこの後は、彫刻家高村光雲の弟子となったとか、「宗国」という茶名をもつ茶道会館の創設者とか、断片的な人物評や記述はあっても、まとまった経歴は見当たらないそうです。北見米造は、銅御殿を全てに優れた建物と誇り、50年経てば文化財に、100年経てば必ずや国宝になる建物と信じていると、言残したそうです。

2014年11月10日のモーツァルトハウス(東京)

映画ミンヨンの主人公の感性・・・♡♠♡
10月11日より映画「ミンヨン倍音の法則」(岩波ホール)が上演中です。全編モーツァルトの音楽に満ちた作品です。既にこのページでも以前ご紹介しました。テレビ演出家として活躍し、その作品は数々の賞に輝きながら、NHKを退職後は人々の前から姿を消し、常に旧作の上映会は満席になりながらも、新作のニュースは聞くことはなかった佐々木昭一郎監督。20年の沈黙を破る待望の新作、佐々木氏初めての映画作品でもあります。

主人公は韓国在住のミンヨン、日本語、英語が堪能、又目鼻立ち、立ち振る舞い、そして発声抜群の声の魅力、映画を観て、一瞬にしてこのヒロインの魅力にはまった感じです。
ミンヨンは早稲田大学に留学していて、佐々木監督は早稲田大学でこのミンヨンに会った瞬間、次回作はいつになるか見当もつかないけれど、主人公はミンヨンで行こうと決めたのだそうです。2010年から足かけ5年の歳月をかけて映画は完成されました。

出演者は、今までの佐々木監督の作品と同様に、全く演技経験のない一般の人たちですが、それが魔法にかかったように、圧倒的な存在感を感じさせてくれています。ストーリーも夢の中の出来事で、飛躍があり、時々どういう意味か観るものが戸惑うこともありましたが、終わってみれば、夢だからこその本音や訴えが真のものに思え、この映画の奥行きとなって、心に浸透して来ます。劇中の使用音楽は佐々木監督の選曲によるもので、モーツァルトの名曲を全編に使っています。ジュピターで始まりジュピターで終わり、そして何度も出て来るピアノ協奏曲第22番のメロディ。佐々木監督は「この映画で音楽の豊かさを表した」とありましたが、この現代社会の歪んだ状況に対し、モーツァルトの音楽こそが心を癒し、強いメーセッジとなって我々に届くんだとと納得しました。
モーツァルトが倒れる2日前に初演し、最後の作品となったK623「我らが喜びを高らかに告げよ」もこの映画で流れます。「こんなに張りのあるメロディがどうして亡くなる直前にできたのか・・・」とミンヨンが言います。そして流れるメロディ・・。そのシーンは感動的です。この曲はもしかしたら250年先に生きる我々にこそ、最後にモーツァルトが残してくれた作品なのかも知れません。

「映画好き」は勿論「モーツァルト好き」にはお勧めな映画ですが、帰りは頻繁に流れるジュピター、ピアノ協奏曲22番第3楽章を、つい口ずさみながら家路につくことになるでしょうね。そしてミンヨンの声にまた会いたくなります。上映時間2時間20分、モーツァルトの極上のメロディが身体に沁みわたる夢の時間をどうぞお楽しみください。
岩波ホールにで12月12日(金)まで

2014年11月8日のモーツァルトハウス(東京)

最後の作品に込めたものとは・・・
今年もモーツァルトが死の床につく日である11月20日が近づいてきました。その直前の11月15日にモーツァルトは自らの作品目録の最後の作品となる「K623 フリーメイスンのためのカンタータ」を完成させます。

ここの所、モーツァルトを取り上げたテレビ番組が続いて放送されています。「井上芳雄 ウイーン音楽紀行~素顔のモーツァルト」、「ザ・プロファイラー モーツァルト知られざる苦悩の日々」です。もう放送終了(再放送有?)してしまいましたが、録画したものを昨日見ていたら、「ザ・プロファイラー モーツァルト知られざる苦悩の日々」の中で、K623がモーツァルトの完成された最後の作品として流れました。曲のほんの一部でしたが、「我らが喜びを高らかに告げよ」のタイトルの通りに、清涼な響きの中に、高らかにモーツァルトの世界が歌われている曲です。死の床の、わずか2日前の18日には自らが指揮台に立って初演された作品・・・・。優れた劇的な作曲家モーツァルトが最後に到達した高みでしょうか。これこそ真のモーツァルトの白鳥の歌とよばれるべき作品と思いました。

2014年11月7日のモーツァルトハウス(東京)

待ち遠しい、METライブビューイング「フィガロの結婚」・・♡♠♡
11月15日(土)~11月21日(金)まで、いよいよMET・ライブビューイング「フィガロの結婚」が上演されます。今年のMETのオープニングの作品で新演出です。。指揮台にはMET音楽監督ジェムズ・レヴェインが立ちます。数々の情報が下記のサイトで観ることが出来ます。「新演出」というのには、昨今不安が付きまとう様になっています・・・・。楽しいフィガロであって欲しいですね。サイトで予約し、席も確保されての鑑賞をお勧めします。又いろいろと感想など、お聞きしたいものです。

2014年10月31日のモーツァルトハウス

秋の薔薇がモーツァルトハウスにも咲きました・・♡♠♡

初めて秋の薔薇が蕾を付けました。秋の薔薇は、香りも強く、形は春の薔薇より小さめながら、気温が低いせいで長い間楽しめるとのこと。何年もかかって、モーツァルトの薔薇も秋にもやっと咲くようになりました(三輪程・・・)。嬉しいな~。この日帰ってきてしまったので、この先を見てあげることが出来ません。きっと人恋しく可憐に咲いていることでしょう・・・・。♡♠♡

(左:秋の山野草を活けてみました。右:この日咲いたモーツァルトの薔薇)

2014年10月27日のモーツァルトハウス

秋色に誘われて・・♡♠♡

都会よりもぐんと身近に秋を感じます。森の中のモーツァルトハウスもすっかり秋色に染まっていました。。。♪♪♪

2014年10月25日のモーツァルトハウス(東京)

フィガロだらけのこれから・・・・「フィガロの結婚」オペラ上演が続きます♡♠♡
2015年、全国10都市で新演出の「フィガロの結婚」が、指揮・総監督;井上道義&演出:野田秀樹で上演されるというホットなニュースを教えて頂きました。5月~6月(前期)、10月~11月(後期)とに分けて各地で上演されるそうですが、どんな演出なんでしょうね・・・。ちょっと怖い感じ?もしないわけでもありませんね。オペラ演出家として野田秀樹さんがどんな演出をされるか注目です。そして、メトのライブビューイングでは新作「フィガロの結婚」も11/15~始まります。こちらも楽しみです。又12月には大阪いずみホールで「ここにはすべてがある!歌劇《フィガロの結婚》K492」もあります(いずみホール、音楽デイレクター:磯山 雅氏のモーツァルを旅する3年間のシリーズ物で、大阪に東西の実力派が集結して、このモーツァルトの不朽の名作を演じます)
次から次と「フィガロの結婚」が続きます。いずみホールの「フィガロの結婚」では、大阪まで行って来ます!

メトの「フィガロの結婚」上映期間:2014年11月15日(土)〜11月21日(金) 
昨年も10月から11月にかけて「フィガロ・フィガロ・フィガロ」だったような気がします。今年も同じで、秋には毎年「フィガロ」が楽しめて幸せです。♡♠♡
最近は山崎太郎先生の影響か、3幕目の初めの伯爵のアリア”hai gia vinta la causa”が好きになりましたね。どんな伯爵役がどんな風にこのアリアを聴かせてくれるのか・・・。このオペラの聴きどころでもありますね。このアリアは伯爵としての色いろな感情が絡み合って、表現力も求められるし、聴きごたえもあります。この秋もどんな「伯爵のアリア」が聴けるか、楽しみです♡♠♡。因みに、メトの伯爵役は、ペーター・マッテイ、大阪では黒田博が演じます。

2014年10月22日のモーツァルトハウス(東京)

「ドン・ジョヴァンニ」・・・モーツァルトが描く永遠の誘惑者ドン・ファン物語  新国立劇場での「ドン・ジョヴァンニ」公演、10/22日(水)14時開演
先月鑑賞の「イドメネオ」は少々消化不良だっただけに、とても楽しみにしていた「ドン・ジョヴァンニ」公演。初演を観ているので、演出にも何の不安もなく、心からモーツァルトの音楽に陶酔できるというもの。今回やはり注目したのは、ドン・ジョヴァンニ役のアドリアン・エレート。前回は世界一のドンジョヴァンニ歌いと評価が高いクヴィエツェンが演じました。つい比較しがちですが、エレートのドン・ジョヴァンニはスマートで清潔な色気と言うか、そこは物足りなさを感じる人もいるでしょうが、貴族の品位を感じ、こんなすっきりとしたドンジョヴァンニもいいものだ・・と聴衆の心をがっちりと掴んだ感じがしました。休憩時間に何人かの「ドンジョヴァンニ通」の人からお話を聞きましたが、概ね好評でした。前回のオッターヴィオ役には不満が残りましたが、ファナーレは高音も伸びやかで最後までいいテノールを聴かせてくれました(昨年「コジ」のフェルランド役)。その他の歌手も、ドンナ・アンナ役のカルメラ・レミージョといい、エルヴィーラ役のアガ・ニコライといいみんなそれぞれ素晴らしく、今回は歌手陣は良くバランスのとれていて、満足でした。唯、レポレロ役のロレンツォ・レガッツオが降板し、彼のレポレロを観たかったなとちょっと残念に思いました。いつか来日して又新国の舞台に立って欲しい歌手ですね。(過去に新国立劇場「フィガロの結婚」でフィガロとアルマヴィーヴァ伯爵の両方を好演しています。)演出はグリシャ・アサガロフ。最後にも出て来る大きなお人形さんの意味は、とっても意味深です。お分かりの方がいたら教えて下さい・・・・。

2014年10月17日のモーツァルトハウス
嬉しい来訪者とは・・・・
春にご家庭のご事情で来訪が取りやめになっていたピアニストさんが、この秋やっと訪ねて来てくださいました。ご一緒に山崎先生と写真を撮らせて頂き嬉しかったです。

朝からよく晴れあがった秋晴れの日に、小さなコンサートをしました。モーツァルトハウスではいつも音楽が奏でられ、音楽が流れる、賑やかな楽しい集いの家にやっぱりしたいですね。いつもいつもお声を掛けられないので本当に残念に思う方もいらっしゃいますが、又の機会にはぜひいらしてください・・・・。

2014年10月16日のモーツァルトハウス

小さな秋を訪ねて・・・・♡♠♡

いつも行く肉屋さんは御代田にあり、向かいには大きな駐車場を備えたパン屋さんがあります。そこからの浅間山の景色は雄大です。キャベツ畑が広がる先に浅間山が見えます。
モーツァルトハウスの周辺もかすかに色づいてきていて、本格的な秋の訪れを、日の差し方でも感じますね。明日、明後日とちょっとしたパーティを控えているので、今日は食材の買い出しです。

2014年10月10日のモーツァルトハウス(東京)

素敵なコンサートのお知らせです。「4人で奏でる交響曲」♡♠♡
モーツァルトの交響曲を、オーボエ、ヴァイオリン、ピアノ、チェロという4人の楽器編成で演奏される珍しい演奏会のご案内を頂きました。めったにというか、殆ど聴くことが出来ない音楽会です。
フンメル編曲によるモーツァルト交響曲全六曲コンサートは、会場がヤマハ銀座コンサートサロンで、2014年10月10日(金)と12月10日(水)で、ともに19時開演(開場:18時30分)です。
2回目の12月10日(水)には、交響曲第39番K543、40番K550、「ジュピター」K551の三大交響曲が演奏されます。

どんな交響曲を聴かせてくれるのか、すごく楽しみですね。♡♠♡

2014年10月9日のモーツァルトハウス(小淵沢)

2014年リゾナーレ音楽祭・3日目♡♠♡

いよいよ今日は東京に戻る日、朝食はワイワイグリルで地元野菜などフレッシュな食材を使ったお料理を思いっきり堪能しました。

帰りは小淵沢の道の駅に立ち寄り、新鮮な野菜を買い出し、家路につきました。

今年も、音楽と、八ヶ岳の美しい環境と、音楽仲間との交流とを大いに楽しみ、思い出いっぱいの「リゾナーレ音楽祭」となりました。この季節のフィナーレともいえるリゾナーレ音楽祭は今年もこうして終わりました・・・。又来年も元気に、又お会いしたいものです。それを楽しみに・・・・。♡♠♡

2014年10月8日のモーツァルトハウス(小淵沢)

2014年リゾナーレ音楽祭・2日目♡♠♡

2日目のお楽しみはまずチャペルコンサートから。晴天率の高い八ヶ岳だけあって今日も当地は晴天。軽井沢の天候とは違い、湿気の無いカラッとした爽やかさ!

今日のコンサートのハイライトは、2部の最後に演奏されたシューベルト弦楽五重奏曲ハ長調、岡山潔弦楽四重奏団にチェロの山崎伸子さんが加わり、45分にも及ぶ大曲で、シューベルトの最晩年の作品で、室内楽の最高峰に数えられる名曲。演奏者の熱のこもった演奏に、聴く方も思いっきり力が入ってしまいました。終了後チェロの河野文昭さんにお会いしたら「もっと演奏の機会があるといいのに、なかなか演奏されない曲で残念」とおっしゃっていました。リゾナーレ音楽祭はこのように貴重な音楽体験が出来るという魅力も!

久しぶりにリゾナーレ音楽祭をご一緒した嘉子さんは、このイタリアをイメージした街にピッタリで、まるで「コジ」のフィオリデイリージのよう!

この日の夕食は、日本料理のお店に送迎付きで出かけました。珍しい留羽(るう)という名前のお店は、地元のきのこや山菜を使った創作料理が自慢、あけびとふきのとうの握りは美味しかったし、かものローストをルバーブソースで頂くのもなかなか良かったです。焼酎は自家ブランドもありました。板前さんが息子さんで、お母さんがおもてなしの感じのいいお店でした。

この日は皆既月食なので、コンサートの合間、合間にみなさん空を見上げてお月様鑑賞となりました。がタイミングが悪く、お月様は姿を見せず残念でした。お月様に因んで、ナイトサロンでは「月」をテーマに何曲か演奏されました。クラリネットで「おぼろ月夜」、又ヴァイオリン2本で「荒城の月」をいろいろなヴァージョンで・・・。「モーツァルト風」「ジャズ風」「タンゴ風」「浪速のおっさん風」まで飛び出し、さすが息のあったお二人ならではで、ナイトサロンも大いに盛り上がりました。最初と最後はやはり「正調」でした。こうしてこの日も音楽三昧の一日が終わり、お腹も心も一杯に満たされ、お休みの時間となりました。明日はチャペルコンサートを聴いたら今年のリゾナーレ音楽祭ともさようならです。。。。

2014年10月7日のモーツァルトハウス(小淵沢)

2014年リゾナーレ音楽祭♡♠♡

今年も素晴らしい演奏の数々を堪能してきました。7日から始まった小淵沢でのリゾナーレ音楽祭は9日まで3日間開催され、我々は今年は2泊3日で参加しました。

かぼちゃの黄色と、蔦のグリーンと赤のコントラストが日に映えてきれいですね。イタリアの町をイメージして設計されたピーマン通りは、今テーブルにかぼちゃが置かれてハロウィンの雰囲気に。いろんなオシャレなお店があって、ショッピングも又リゾナーレ音楽祭の楽しみです。夜になるとこんな感じに。

第1日目のコンサートは、ハイドンの弦楽四重奏曲「日の出」から幕が開き、ヴェートーベンのホルンソナタから編曲したチェロソナタ、初めて聴く作曲家のローラ作曲、ヴァイオリンとヴィオラの三重奏や、コダーイの「セレナーデ」のダイナミックな演奏を楽しみ、2部のスタートは大好きなモーツァルトのフルート四重奏曲にうっとり、後半の締めくくりはヴェートーベンの名曲「大公」をじっくりと聞きました。その合間のイタリアンでのお食事は、美味しい甲州産の深い味わいのカルヴェニソーヴィニヨンの赤ワインと一緒に、お話も弾みました。
恒例のサロンコンサートでは、お馴染みの田辺秀秀樹先生がピアノを演奏されたり、演奏者の舞台では見られない素顔が垣間見られて楽しい時間です。小山実稚恵さんは笑い上戸の一面が。翌日のチャペルコンサートではモーツァルトの曲を2曲も演奏してくれるので、こちらも楽しみに。。。おやすみなさい。

2014年10月4日のモーツァルトハウス

素晴らしき仲間たち♡♠♡ムージカ エマセネボー  山口直美フルートリサイタル in 軽井沢大賀ホール
山口直美フルートリサイタルを大賀ホールに聴きに行って来ました。山口さんは軽井沢のクラシック演奏家ユニット「ムジカ エマセネボー」でフルートを担当している軽井沢在住の演奏家です。「ムジーカ エマセネボー」は、信州で生まれ育った3名と、そこに憧れて生活を始めた2名で、その素晴らしい生活環境のなか、じっくりと自分達ならではのスタイルをつくって活動している演奏家たちで、フルート、クラリネット、ピアノ、マリンバ、パーカッション、10弦ギターという異色の構成です。

群馬交響楽団、プラハ放送交響楽団等でフルート奏者として活躍された大嶋義美さんも登場して演奏された、「2本のフルートとピアノのためのリゴレット幻想曲」は、ピアノと2本のフルートが織りなすオペラリゴレットの世界へすっかり引き込まれてしまいました。ドップラーの作曲です。ピアノ伴奏でのモーツァルトフルート四重奏曲も素敵でした。山口さんのフルートの音色は素直な優しい音色で、お人柄が現れているんですね。最後の曲として、10弦ギターを加えて、ギターの情熱にのせてピアソラ作曲「タンゴの歴史」が演奏されました。

大賀ホールのロビーではプレコンサートもあり、ここ軽井沢でクラシックの音楽を通して、このように絆を深めている演奏家たちの姿に思わず感動してしまいました。ますますお互いを高め合いながら楽器を超えた音楽世界を我々に披露して下さることを期待しています。これからも応援したいです。

久しぶりに出かけた大賀ホールは、周辺が少しずつ色づいて来ていました。これからは本格的な紅葉シーズンですね。。。

2014年9月30日のモーツァルトハウス(東京)
ミキエレットの演出は才気渙発の舞台???~二期会「イドメネオ」日経新聞夕刊
9月も最後の日、、今年も残すところ3か月。。。。日も短くなり黄昏時には物憂い気分になります。
そんな日の夕方、先日新国立劇場で観た二期会「イドメネオ」の記事を読みました。

【歌劇「イドメネオ」は、24歳のモーツァルトの力作。4半世紀、前までは「古くさくて退屈」など不当な低評価を受けたが、近年は音楽とドラマの充実が見なおされ、上演の機会が増えている。世界一流歌劇場や音楽祭で活躍する気鋭のイタリア人ダミアーノ・ミキエレットの演出は、現代的な衣装と装置で、登場人物の心象をえぐりだす。------好悪はわかれるだろうが、まさに才気渙発な舞台。結末のバレエ音楽による出産のパントマイムは、秀逸なアイディア。】(9/30(火)日経新聞夕刊16面:オペラ、「生と死の混在と連鎖」(音楽評論家 山崎浩太郎)

上記は、全文を紹介しないで一部抜粋で申し訳ないが、結末の出産シーンを「秀逸なアイディア」と表現しているのには、一瞬愕然とした。先日宇奈月温泉で田辺先生からもこのパントマイムの出産シーンについては否定的な見解をお聞きしたばかりだっただけにショック!私たちの周囲は賛否両論戦わすような人間は無く、知る限りこのシーンで感動したというモーツァルト愛好家はいなかったのですが・・・・。
この公演、指揮者の準・メルクルの指揮が優っていた点と、それぞれの歌手の力演は認めます。それとしいて言うなら、これだけの話題性を持って日頃上演される機会のない「イドメネオ」が上演されたことに、意義を感じるといったところでしょうか。。。。この新聞記事、いかがですか???。もっとモーツァルトの音楽性に突っ込んだ解説が欲しかった気がしますが・・・。

2014年9月24日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトの音楽に導かれて~映画「ミンヨン 倍音の法則」~

「ミンヨン 倍音の法則」という映画をご存知ですか。佐々木昭一郎さん(元TVディレクター・映画監督)の20年ぶりの作品で初の映画作品とのことです。
この映画の記事を9月24日(水)付け日経夕刊(夕刊文化18)を読み知りました。この記事からこの映画にモーツァルトの音楽が使われていることも知りました。「モーツァルトの音楽は倍音の極みだ。ミンヨンに合った弾んだ音楽にしたかった」と語っています。
オフィシャルサイトの公式予告編では、モーツァルトのピアノ協奏曲第22番変ホ長調の第3楽章が美しく流れていて感動的です。10月11日(土)岩波ホールで一般公開します。

「主人公ソウルの女子大生ミンヨンが大好きなモーツァルトの音楽にみちびかれてソウルから日本へ。ミンヨンが歩む旅。国を越え、時を超え人の望みにこだまする。孤高の作家佐々木昭一郎が創る映像の交響詩」

2014年9月20日~21日のモーツァルトハウス(冨山県:宇奈月温泉)その2
宇奈月温泉の源泉、黒部渓谷の秘湯を訪ねて!
トロッコ電車に乗って「黒薙温泉駅」で下車、そこから620m崖を登ること約25分あまりで、山間の秘湯「黒薙温泉」に到着します。この温泉は開湯慶應4年、1868年というもの。湯量の多さで有名なあの宇奈月温泉の源泉(大口径のパイプで引いているのです)と言うから驚きます。昨年はこの駅で下車しながら、温泉に入浴は出来ずに帰って来ました。温泉マニアのある方に教えたら、「あーあそこは行ったよ、いい温泉だよ」と言われていた温泉だけに、今年は念願叶い満足でした。ただこの山道は相当きつく、翌日以降のふくらはぎの筋肉痛は覚悟の上で出かけないと・・・。
1軒の宿泊施設があり、混浴の露天風呂が1つ、男湯、、女湯の内湯の他、女性用の露天風呂があります。露天風呂からの眺めは絶景で、野趣あふれたもの、これは1度体験すると病み付きになりそう。露天風呂からの写真撮影は禁止されていたので、残念!景色の写真はなしです。

昼食には、車で30分位走って「魚の駅:生地(いくじ)」へ。ここではくろべ漁業協同組合の「とれたて館」でさまざまな焼き魚定食(冬二の詩)、白海老のかき揚げ丼(色白娘)など地元の魚が味わえます。

セレネ大ホールでは、15時開演の音楽祭スペシャルコンサートがありました。交響曲41番K551ジュピター、レクイエムK626のプログラムです。会場は満席で補助いすも出るほどの人気。大好きなジュピターと、そしてモーツァルトの最後の作品レクイエムの鎮魂の歌が、大ホールの観客の一人一人の心に響きわたって行くのを感じ、感動しました。
今年も、こうして温かい地元の方々のぬくもりと、モーツァルトの音楽と、そして温泉、海の幸というおまけまでついて、大いに楽しんだ音楽祭でした。来年もまた絶対来ようと思いながら、(毎年そう思わせる何かがあるのです)宇奈月温泉を後にしました。田辺秀樹先生始め、音楽祭に加えてモーツァルトを軸に仲間や先生との交流などもあり、大変有意義な旅となりました。まだの方、来年は是非ご一緒したいものです。

2014年9月20日~21日のモーツァルトハウス(冨山県:宇奈月温泉)その1
今年も行って来ました!宇奈月モーツァルト音楽祭
毎年楽しみにしている宇奈月温泉でのモーツァルト音楽祭。今年は5回目を迎えました。心配したお天気も上々で、2日間とも願ってもない晴天に恵まれました。お昼前に宇奈月温泉に到着し「カフェ・モーツァルト」へ。そこで八ヶ岳から見えていた田辺秀樹先生と合流し、ここでブランチを摂ってからからいよいよ音楽祭を楽しむことに。オペラ・ルスティカーナ有志による「魔笛のつまみ食い!」や、お馴染み山崎太郎先生ご出演の「フィガロの結婚・一人3役」など、ホテルのロビーでの臨場感にあふれるステージを大いに楽しました。来年はオペラ・ルスティカーナによる「魔笛」の公演が予定されております。

モーツァルトさんのコスチュームの可愛らしい女性と一緒に写真を撮らせてもらいました。

今年もこの音楽祭を通じてモーツァルトをご縁の様々な方々と交流を深めることが出来ました。今回は田辺先生とずっとご一緒させて頂くことができ、本当に幸せな2日間でした。カフェモーツァルトでは先生より先日の新国立劇場での「イドメネオ」のご感想などもお伺いする事が出来ました。先生のご感想です。「イドメネオというオペラはモーツァルトは第6版まで残しているオペラで、長いレティタティーヴォやアリアに何度も手を加えて、劇的なものにするためにモーツァルトが推敲に推敲を重ねたにも関わらず、今回の演出は最終稿ではなく、前のものを使っていて、神の声も長すぎますね。また最後の場面のバレエ音楽に余計なパントマイムをつけていて、イリアの出産など理解できない・・・」など、隣でそれを伺い、思わず納得の頷き(宇奈月)をした次第でした。田辺先生はこんな風に何でも気さくにお話してくださる先生で、本当に有益な楽しい時間でした。翌日もご一緒してトロッコ電車に乗り、「黒薙温泉」で日帰り入浴し、戻って来る予定です。こうして初日は終わり、翌日の晴天を願いました。

2014年9月16日のモーツァルトハウス(東京)
極上の、酒と肴と音楽談義は、人生最高の栄養???・・・
この夏はヨーロッパ各地でコンサートやオペラ鑑賞、またバッハツアーなどを楽しまれていた加藤先生ご夫妻。漸く帰国され、その「帰朝報告会」も兼ねて仲間が集まりました。場所は「酒処・笹吟」の凄さ!で既にご紹介済みのSAKEと季節の逸品が自慢のお店。今回はコース料理を提供して下さり、逸品の数々を心ゆくまで堪能させて貰いました。突き出しに始まり、鯛のお出しがきいた椀物や、さんまの炊き込みご飯など、どれもこれも割烹料理屋さん顔負けの絶品ばかりで、我々を唸らせてくれました。心づくしのお料理と美味しいお酒が楽しい集いの会を更に盛り上げてくれました。本当にに感謝です。


楽しいお話はつい先日観たばかりの新国立劇場での「イドメネオ」から始まり、ペーザロのロッシーニ祭りから、プッチーニ・フェステイヴァル、はたまたザルツブルク夏の音楽祭、北ドイツバッハツアーとホットな耳寄りな音楽情報から、果ては美酒「獺祭」(ダッサイ)の名前のいわれなどまであり、博識者あり、華麗な音楽キャリア保有者ありで、さまざまな話題が飛びかい、人生を謳歌する方々に囲まれて、我々夫婦は圧倒されながらも、幸せな、一夜となりました。♡♠♡
つい調子(銚子)に乗ってお酒の杯も進むというもの・・・と言うのは参加者のツブヤキです。。
今や世界に誇る和食と日本酒と、そして楽しく語り合える仲間にこの日も完全に乾杯(完敗)でした。二番煎じでスイマセン!今回ご都合がつかず参加できない方もありましたが、次回は是非ご参加くださいね。お待ちしています。。。♡♠♡

2014年9月15日のモーツァルトハウス(東京)

オーソドックスな演出で絶賛の「魔笛」・・・さいたまシティオペラ

さいたま市文化センター大ホールでの、さいたまシティィペラ第23回公演、オペラ「魔笛」をみに行って来ました。お目当てはこの日「夜の女王」役に出演する東中千佳さん。八ヶ岳に住む友人夫婦が惚れ込んで応援しているソプラノ歌手です。当日は伴侶であるテノール歌手の土崎さんもお見えでした。

祝日でもあり、会場は超満員、オーソドックスな演出に、武蔵野音楽大学の衣装・舞台協力もあり、シンプルで神聖な魔笛の舞台に相応しい好感のもてるものでした。数日前の「イドメネオ」の後だけに、こういう演出にホッとします。。歌手の方々も皆さんのびやかに歌っていて、市民に根差した敷居の高くないオペラと言った感じで、もう23回も続いているなんて、さいたま市民の興味の高さを感じます。さいたま市文化センター大ホールは、音響も良く、立派なホールでした。南浦和駅から徒歩7分です。

演出は十川稔氏で、2015年3月にはモーツァルト作曲の同じシングシュピールのオペラ「後宮からの誘拐」を演出の予定です。錦織健プロデュースオペラvol6として、3/13、15に東京文化会館他で上演されます。
「後宮からの誘拐」はあまり上演機会のないもの、またどんな演出になるのか、興味をそそられます。

2014年9月12日のモーツァルトハウス(東京)

新国立劇場二期会オペラ「イドメネオ」・・・現代ものに置き換えの演出は??!!
普段あまり上演されないモーツァルトのオペラ「イドメネオ」の上演がありました。ウィーンの伝統「アン・デア・ウィーン劇場」と二期会の初の共同制作で、名指揮者、準・メルクルが円熟したタクトで、また世界を席巻するミキエレットの演出が注目されました。

時代はトロヤ戦争の終結直後のクレタ島から、すっかり現在のどこかの国の戦場に置き換えられ、神話から構想を得た物語は、現代の国と国との争いを連想させ、戦争のあとの破壊された血なまぐさい(実際流血がありました)荒廃した海岸の砂場が舞台です。最初から現代ものと警戒して出かけましたが、何とも後味の悪い満足のいかないものでしたが、同じ演出家の再演を繰り返している「コジ」といい、日本の新国でもこのような演出が続いてくると、もう抵抗できないのかと感じます。終了後は「ぶー」も期待しましたが、「ブラボー」が飛びかっていて、概ね観客は満足したのだと感じ、日本にも色いろな感性の人が出て来たのだと思いました。本来は人々が喜びのうちに新王イダマンテの戴冠を讃えて幕となるところ、イリアが出産し新しい命が繋がったという特別なエピローグがあり、このあたりになるとモーツァルトの音楽のオペラと言うよりは、観客はまず演出家の勝手な解釈に賛同するか、しないかになって来るように思いますが・・・。

モーツァルトにとって待望のミュンヘンの宮廷からのオペラ依頼となったこの「イドメネオ」というオペラは、いうまでもなく、オペラセリアという系譜に属し、元々はヴァレスコという神父作の台本にモーツァルトが作曲し、1781年、モーツァルト25歳の誕生日の2日後の1月29日にミュンヘンで、モーツァルト自らの指揮で初演されたものです。セリアという貴族的保守的な劇の中で、人間の愛こそが、血筋も階層も、いわばすべて宿命的なものを揺り動かすという、革新的な主題を音楽で表現しました。モーツァルトはザルツブルクにいる父レオポルトと、ヴァレスコと頻繁に手紙のやり取りをしながら台本そのものを手直しさせ、自らの考えで台本を推敲し、最終的には演出の指示も行ったという、モーツァルト自身大いに張り切って作曲に臨んだオペラと言えます。モーツァルトの得意とする音楽による性格や心理の的確な描写も見事で、イダマンテの恋人イリアの優しさと、嫉妬に狂う王女エレットラの激烈さを鮮明に描き分け、のちのウイーン時代の傑作オペラを予見させるあらゆるものを、このオペラの中に感じとることが出来ます。

この「イドメネオ」はモーツァルトの人生の舞台をウイーンに移すきっかけとなり、人生をも大きく変える境目となったともいえるオペラ。生誕250年のザルツブルクのM22でも3大オペラ「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」&「魔笛」に並んで大きく注目され、やっとそれ以降上演回数も増え、注目を浴び始めてきました。
犠牲としての愛を前提に、全ての人物がモーツァルトの「愛」で満たされているこのオペラ、この「イドメネオ」のオペラの上演機会を今後もっと増やして、モーツァルトのこのオペラの美しい音楽を、音楽を引き出すような演出で、もっともっと多くの人に聴いてもらいたいと切に思います。


2014年9月6日のモーツァルトハウス(東京)

演出の力! 巨匠ジョルジョ・ストレーレス演出・パリ・オペラ座「フィガロの結婚」~渋谷文化村「ル・シネマ
8月日本橋TOHOシネマズで見損なっていたパリ・オペラ座の「フィガロの結婚」をようやくこの日観ることが出来ました。評判通り、本当にいい舞台でした。演出は20世紀を代表する演出家のジョルジョ・ストレーレス。オーソドックスな演出ながら、細部にまでこだわった、このオペラ作品の本来の楽しさを充分に味わえる、極上の「フィガロの結婚」でした。やはりこうしてメトやヨーロッパの劇場で長い間再演され続けている演出は、いつの時代にも愛される良さがあるのだと痛感しました。何の余計な気負いも、神経を使わなくても、心からモーツァルトの音楽に身を委ねられる・・・。音楽で気持ちが豊かになる・・・それらを邪魔することなく、演出されている。基本的な事とはいえ、昨今のオペラの演出はそうではなく、演出家が何か新しいことを試みなければオペラの発展はないと考えているのか、良く分かりません・・・。

歌手陣もベテラン有り、今超人気歌手有りと、こちらも安心して楽しみました。伯爵のリュドヴィック・テジエという歌手は初めて聴きましたが、声量も抜群で、演技力もあり、存在感があり、いいなと思いました。フリットリーの伯爵夫人は品格と美貌と両方兼ね備えて、伯爵夫人にあっていました。スザンナ役のシウリナは、2006年のモーツァルト生誕250年のザルツでのM22の「イドメネオ」に出演し、イリア役を歌い、とても印象に残っていた歌手です。4幕のアリアは、聴きほれてしまいました。舞台も余計な色彩を使わず、ブラウン系で、物憂い夕方の雰囲気などを通じて、全体的に上品に纏められていました。その中でワインレッドの伯爵と伯爵夫人の衣装がとてもきれいでした。
メトのライブ・ヴューイングの成功に追随するように始まったパリ・オペラ座のライブ・ヴューイング。今回初めて体験しましたが、今後も楽しみです。。。♡♠♡

2014年9月9日のモーツァルトハウス

晩夏の軽井沢を訪ねて・・・・♡♠♡

東京もすっかり秋めいてきた頃、早い秋を訪ねて軽井沢に行って来ました。
空の高さや、空気、木々の緑にもそこはかとなく秋を感じました。夏も終わりなんだなと実感しました。(朝の最低気温が10℃を切る日がありました。)
あさまふうろ、萩など、紫の秋の草花に出会って来ました。水無月の白い花が満開でした。

2014年9月6日のモーツァルトハウス(東京)

緑あふれる自然との調和・・・・世田谷美術館♡♠♡

世田谷区、緑豊かな砧公園の一角に佇む世田谷美術館は、前から一度行ったみたかった場所。戦後の建築界の第一人者である、内井昭蔵氏設計の建築物としても有名な美術館です。只今、「ボストン美術館 華麗なるジャポニス展」を開催中です。

浮世絵に魅せられた西洋の画家たち、特に印象派の画家たちは日本の美に魅了され、19世紀後半から20世紀にかけてジャポニスムが西洋で花開きました。今回クロード・モネの「ラ、ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ:1875年)」はぜひ観てもらいたい作品です。扇子を振り上げている構図といい、緋色の打掛のリアリズムには目を奪われます。多くの人がこの3メートル近い大きな絵の前から離れず見入っていました。その他、ゴッホの「ムーラン夫人ゆりかごをゆらす女」、ムンク「夏の夜の夢(声)」、モネ「睡蓮」などが公開されていて、印象派の画家たちに日本の美が与えた影響がいかに大きかったのかを感じます。

ボストン美術館は、日本の浮世絵をはじめとして、日本美術の貯蔵は10万点を超え、東洋美術の殿堂と称されるほどで、その日本美術のコレクション数は世界一なのだとか。それに貢献した人物として、モース、フェノロサ、ビゲロー、岡倉天心らの名があげられます。岡倉天心は、1910年にボストン美術館の東洋部長として現地滞在し、彼の名を冠した「天心閣」という日本庭園が今も残されています。
この美術展は、6/28~9/15(祝日)まで開催されています。この日は平日なのに入場者は多く、人気の「セタビ カフェ」はお昼時のせいか混んでいました。

ボストン名物の、ミートボールにトマトソース、チーズをかけたものを挟んだドッグ。美味しかったです♡♠♡、今後は、京都美術館、名古屋ボストン美術館と移動します。

2014年8月31日のモーツァルトハウス(東京)

懐かしきパリ・マンハイム旅行、メスの町とは・・

「ヴュルツブルク・モーツァルト音楽祭」と「シュヴェッツィンゲン音楽祭」のニュースを書いていて、2008年の「モーツァルト足跡ツアー、パリ・マンハイム旅行」を思い出しました。2008年5月20日~31日まで11泊11日の旅でした。

2008年5/20に夜行便のエールフランスで成田を発ち、パリ・シャルルドゴール空港に到着、乗り継いでフランクフルト迄行き、そこから列車で最初の目的地、マンハイムに向かいました。マンハイムは落ち着いた街でした。マロニエの木に花が咲いている時期で、ヨーロッパで見る初めてのマロニエの花に感激したのを覚えています。それもどれも大きな木で、歴史の重さを木々からも感じましたね。
マンハイムに3泊し、パリに向かう途中、フランスのメスという街に立ち寄りました。ここは水辺と緑に囲まれた美しい街でした。ドイツの国境にも近く、フランス・ドイツのどちらとも合併した過去のある、3000年もの長い歴史のある街とか。高さ42m、13世紀から16世紀にかけて建設されたゴシック建築の傑作の大きな教会があって、ヨーロッパで最大の面積を誇るステンドグラス(6500㎡)があるので有名です。マルク・シャガール作のステンドグラスに目を見張りました。サン・テチエンヌ大聖堂で、神のランプと称されているそうです。いつかは、ここのパイプオルガンをモーツァルトは弾いたそうですが、このメスという街にモーツァルトが寄ったという記録はどこにあるのかわかりません(書簡集を調べてみようとまだしていません)

ここメスは日本人のある建築家で一気に注目を集めるようになりました。それはパリの総合文化施設のポンピドウー・センター分館のポンピドゥー・センター・メスが2010年に開館、設計は日本人建築家:坂茂氏が参加したグループが手掛けたことに因ります。(日本でもTVで大きく報道されました)ガラス張りの窓から街が一望でき、まるでピクチャーウインドウの様なのだそうです。ポンピドゥー・センター・メスは我々が訪れた2008年以降の建物だけに、見ることはできませんでした。

こうしてマンハイムからパリに向かう途中に寄ったメスと言う街・・。駅にはロッカーが無く、駅前の雑貨屋さんに交渉の末、我々(計7名)のスーツケースを預かって貰い、街を散策したのも思い出です。たった数時間の滞在でしたが、この美しいフランスロレーヌ地方の首都で、キッシュロレーヌで有名なこの街がなぜか懐かしいですね。パリ東駅からTGVで1時間10分、パリから真東に320キロで、日帰りも出来ることから、ぜひもう一度訪ねてみたい気がします。。。

マンハイムからパリに向かう日の朝、ホームで・・・

パリでの懐かしい写真です。左は、「野田岩 パリ店」で、この日は奮発して日本の味を楽しみました。鰻はオランダから空輸しているそうです。

メスはこんな絵はがきのような街でした。左がメス駅です。

このツアーの企画・主催・幹事は播磨克彦さんでした。故人となってしまい、懐かしさで胸があつくなります。


2014年8月28日のモーツァルトハウス(東京)
ヨーロッパ、魅力ある都市の音楽祭とは・・・・。
モーツァルト生誕250年ツァー、その後、モーツァルト週間(モーツァルトの誕生日の1月27日を挟んで、生誕地ザルツブルクで繰り広げられる音楽祭)の旅など、いつも利用している旅行会社さんから、魅力あるヨーロッパの音楽祭の情報を頂きました。一つは「ヴュルツブルク・モーツァルト音楽祭」、あと一つは、「シュヴェッツィンゲン音楽祭」です。

ヴュルツブルクは、ロマンティック街道の北の起点で有名な場所。バイエルン州で、ミュンヘン、ニュールンベルク、アウグスブルクに次いで4番目に人口が多い都市です。8世紀に司教座が置かれたことにより発展したこの街は、見どころも多いのです。世界遺産に登録され、バロック建築で最も美しいと称されるレジデンツ、華麗な装飾とマリア像で有名なノイミュンスター教会、そして、橋の欄干に12体の聖人像がならび、プラハのカレル橋を思わせるアルテ・マイン橋、歴代大司教の居城・マリエンベルク要塞など、見ごたえのある建築物ばかりです。このレジデンツで、毎年春から夏にかけてモーツァルト音楽祭が開催されるのです。またワイン好きにはたまりませんね、ここヴュルツブルクは、フランコニア地方で造られるフランケンワインの集積地でもあり、春と秋にワイン・フェスティバルも行われているのです。ワインと建築を堪能できる古都、そんな場所で、「モーツァルト音楽祭」が毎年開かれているのです。あまり知られていませんね・・・。アクセスは、フランクフルトからIC特急で約1時間10分、ミュンヘンから約2時間です。

さて、次は、シュヴェッツィンゲン 。ここはプファルツ選帝侯カール・テオドールの夏の離宮として建設され、今でも美しいロココ調の劇場が現存している所です。「シュヴェッツィンゲン音楽祭」は、ここをメイン会場とし、その他一部の教会音楽のコンサートはシュパイアーの大聖堂とトリニティ教会で行われているそうです
ロココ劇場では、2種類のオペラ公演が行われ、1つは新作オペラの初演で、もう1つはバロック時代・古典派時代の埋もれたオペラの復活上演だそうです。

ハイデルベルクの南西約10キロ、マンハイムから15キロに位置するシュヴェッツィンゲン ですが、わずか電車で20分足らずのマンハイムも忘れてはならないでしょう。モーツァルトが求職のために出かけた「パリ・マンハイム旅行」の重要な場所です。私たちは2008年にこの街を訪れました。モーツァルトは1777年10/30~1778年1月23日まで、このマンハイムに滞在しています。当時のマンハイムは、音楽や演劇の盛んな文化都市として栄えていました。ここで宮廷音楽家になりたかったモーツァルトでしたが雇用は実現しませんでした。悲しいお話です。しかし、アロイジアへの恋が芽生えた胸キュンの街でもあります。又アロイジアの為に作曲した数々の作品が誕生した街でもありますね。ライン川とネッカー川が合流する地点に位置し、市域はライン川の右岸、ネッカー川の両岸に広がる美しい街でした。私たちのとっては、楽しかった旅の思い出の地でもあります。

この二つの音楽祭、どちらもお花で満ち溢れ、ヨーロッパの街が最も美しい季節と言われている、5月から6月にかけて開催されています。また日没時刻も遅く、たっぷり終日を遅くまで楽しめるゴールデンシーズンです。「ヴュルツブルク・モーツァルト音楽祭」は、1922年、指揮者のヘルマン・ツィルヒャーによって創設され、ザルツブルク音楽祭と並んで歴史をもつ音楽祭。「シュヴェッツィンゲン音楽祭」は、1937年にロココ調劇場の修復がなされ、1952年に音楽祭が創設されました。ギドン・クレーメルやチェチーリア・バルトリのような国際的な演奏家が出演、バーバラ・ヘンドリックス、フリッツ・ヴンダーリヒ、テレサ・ベルガンサなどは駆け出しのころに音楽祭に出演したそうです。
来年のこの音楽祭のプログラムの発表は、12月頃とのことです。街の魅力と、音楽祭と両方楽しめる、ヨーロッパでの音楽祭・・・こんな音楽祭をモーツァルトの足跡を訪ねながら体験してみたい・・・夢はいくつあってもいいですよね♡♠♡

2014年8月27日のモーツァルトハウス(東京)

夏を彩るモーツァルト愛の物語・・・(ファイナル・インフォメーション)METライブビューイングアンコール2014
東劇で、只今「ドン・ジョヴァンニ」と「コジ・ファン・トゥッテ」のアンコール上演中です。「ドン・ジョヴァンニ」は明日29日(金)が最終日です。いま世界一のドン・ジョヴァンニ歌いと評価の高いマリウシュ・クヴィエチェンが出演、指揮はファビオ・ルイージ。人気沸騰したプロダクションです。まだの方はファイナル・チャンスです。どうぞお見逃しなく・・・。

「ドン・ジョヴァンニ」
8/26(火)・27(水)-18:45  8/28(木)・29(金)-10:30  
「コジ・ファン・トゥッテ」
8/26(火)・27(水)-10:30 8/28(木)・29(金)-14:30 9/6(土)~8(月)-14:30 9/23(火・祝)-14:30

2014年8月26日のモーツァルトハウス(東京)

Goodnews! パリ・オペラ座「フィガロの結婚」再上演~渋谷文化村「ル・シネマ
東京に戻って来たばかりですが、留守中に嬉しいニュースが届いていました。先日TOHOシネマズ日本橋で見損なっていた「フィガロの結婚」が9月5日~12日まで渋谷文化村「ル・シネマ」で上演されるとのこと。せっかくのチャンスなので、この機会を無駄にしない様、最終日を避けるのは勿論、事前にネット予約の上出かけるつもりです。この情報を寄せて頂いたAさんに感謝しますし、「最近は熟年層に人気のこの劇場、ネット予約をしてから出かけるべし」とのアドバイスにも、痛み入ります。劇場でバッタリとお会いしたいものです・・・。

2014年8月22日のモーツァルトハウス(秋田)

ハスが満開に、秋田千秋公園お堀・・・♡♠♡
秋田市民の憩いの場となっている「千秋公園」は、秋田城主佐竹公のお城があった場所。桜の名所でもあります。大きな広小路通りに面してそのお堀があり、そこに今がちょうどハスの花が満開でした。ずっと「大賀ハス」と思っていましたが、千葉から譲りうけた「大賀ハス」はほんの一部で、別の場所で栽培されていて、違う種類なのだとか。見た目では、大きな違いはないようですが、「大賀ハス」というと2000年の時を越えて花を開いたという、ハスの種子の生命力や古代へのロマンを感じ、胸が躍るのかも知れません。高校時代、ここを通っって毎日学校に通いました。見飽きていた景色なのに、年齢と共に、又久しぶりに帰ったふるさとなだけに、その風景は特別懐かしいものに思えます。

お堀の向かいには、「秋田県立美術館」が建っています。藤田嗣冶の「秋田の行事」という、壮大な壁画が有名です。
「設計コンセプト」(美術館HPより)
秋田県立美術館は、幅20m余にも及ぶ「秋田の行事」をはじめとする公益財団法人平野政吉美術財団の所蔵する作品の展示をメインとしながら、秋田市の中心市街地にある千秋公園を望む地といった特徴を活かし、「ここにしかない魅力のある美術館」をコンセプトに設計されました。また、旧県立美術館の持つ最大の特徴であり県民の皆様の心に溶け込んでいる三角形屋根に呼応するように、三角形をモチーフとしたデザインになっています。設計者は、独学で建築を学び、プリツカー賞、文化勲章など数多くの賞を受賞し、国内はもとより海外からも高い評価を得ている安藤忠雄です。

「秋田の行事」とは(美術館HPより)
1936(昭和11)年7月に平野政吉が建設構想を打ち出した美術館の壁を飾るため、翌年の1937(昭和12)年に制作された作品である。藤田は「秋田の全貌」「歴史的秋田の意味」を描くことを意図し、約半年間、頻繁に秋田を訪れ取材を重ねた。平野邸のあった外町に視座を据え、外町から眺望した「秋田」を描き出した。秋田の祭りと祈り、暮らし、産業、歴史が、祝祭と日常の対比のなかに、色彩豊かに展開する壮大な壁画である。油彩 キャンパス 365.0×2050.0cm  作成年:1937年

2014年8月19日のモーツァルトハウス(秋田)

1756ナンバー、初の帰省・・・♡♠♡
残暑の厳しい都会から逃れるようにふるさとに帰省していましたが、今年の日本海側は、雨ばかりでお天気には恵まれませんでしたが、涼しくてホット一息ついてきました。”ふるさとの味”も堪能してきました。

決まっていく行く場所は「秋田市民市場」。ここを一回りすると、朝獲れたての、水揚げされたばかりの魚が並んでいて、どれも新鮮でつい食べたくなります。秋田に帰っては、これが何よりの楽しみなのです・・・・。ハタハタは男鹿半島で捕れる秋田ならではの魚。他の産地ものも見かけますが、やはり秋田産がブランドです。最近は以前と比べて結構高級魚になってしまいましたね・・。地元以外の方はハタハタというと、しょっつる鍋でと思う方も多いようですが、醤油と酒、砂糖といったたれに漬け込んで、焼いて食べるのも、イチ押しの食べ方です。。地元の人しか知らない食し方かも知れません。「ハタハタは味がしみにくいので、お醤油にちょっとお味噌を足して漬け込むといい」と母から教えられた通り、我が家はずっとこれが定番です。毎日食べてもあきない”ふるさとの味”です。

こうして食べるハタハタは、ご飯のおかずには勿論、秋田のお酒にもピッタリ。銘酒「高清水大吟醸」でキュットいっぱいやりながら、このハタハタをつまみに・・・。たまらないですね・・。

車を買い替えていたので今年の秋田の帰省は、新車で初の長距離ドライブとなりました。ナンバー1756での初の故郷入りとなり、この車に搭載された「オートクルーズ機構」、「車間距離自動設定機構」、「30㎞以内自動停止機構」を使っての快適なドライブとなりました。

2014年8月15日のモーツァルトハウス(東京)

幻のレモンケーキ・・・
8月6日のこのページに登場の奥さまは、大のお料理上手。そして八ヶ岳のご自宅の庭でお野菜も作っています。この日は、ミニトマトだけではなく、ズッキーニやいんげんも持ってきてくれましたが、梅干しも自家製の上、梅酒までも作ってしまうのですから、驚きです。そしてケーキもレパートリーがたくさんあって、レモンケーキはお得意の一つ。そのレモンケーキのレシピーを頂き、型もプレゼントしてもらったので、私もレモンケーキに挑戦しましたが・・・。

右の写真の二つ並んだ左が私、右は頂いたもの。焼き過ぎなのか・・・。こんな感じ。ふくらみが違いますね。でもお味はまあまあでした・・・。再度挑戦します。。。

2014年8月14日のモーツァルトハウス(東京)

パリ・オペラ座「フィガロの結婚」~TOHOシネマズ日本橋・・・の大失敗

この日が最終日だったパリ・オペラ座の「フィガロの結婚」。開演10時に合わせて出かけたのに、ちょうど直前でソルドアウト!となり、不運にもジ・エンドとなりました。途中、何人かの知人に会い、急がないと席がなくなっちゃうよ・・と言われながら駆け込んだのに、まさに寸前で終わりとなりました。その後も、戻った人が何人もいましたが、初めてのTOHOシネマズ日本橋は多分席がそんなに多くないのではと思いました。観賞された方から、評判をいろいろ聞いていたので、期待して出かけていただけに残念でした。。。

午後からは雨模様で、近くをぶらつき帰って来ましたが、新しく開発されたきれいな街並みと、歴史を兼ね備えた日本橋に、新時代への歴史の息吹を感じました。
見損なった我々の為に以下の情報を寄せてくれました。

10月3日~10月9日に以下の劇場であるようですよ。

・TOHOシネマズ流山おおたかの森

・   同    ららぽーと横浜

・   同    川崎

この情報をくれた兵庫の知人が、日経新聞に掲載された兵庫県立芸術文化センターでの「コジ」の記事を送ってきましたので、ここに載せておきます。

2014年8月11日のモーツァルトハウス

涼を求めて~お盆の軽井沢散策

夏の軽井沢は年々混んで来て避けていましたが、涼を求めて何となく来てしまった軽井沢・・・。スーパー「ツルヤ」の混雑ぶりは、駐車場も、店内も相当なもの。ベンチで一呼吸です。

家族の誕生祝の食事会の為に、この日は旧軽井沢の万平ホテルへ。創立120年を誇るだけあって、佇まいにも風格を感じます。レストランのステンドグラスは見ごたえがあります。
我々は今日は離れにある京料理のお店で夕食を頂くことに。

母はこの万平ホテルのカフェで頂く、サンドウイッチとコーヒーが本当に好きでした。又連れて来たかったなぁと思いました・・・・。

2014年8月8日のモーツァルトハウス(東京)

公開中!パリ・オペラ座「フィガロの結婚」~TOHOシネマズ日本橋

暑い東京に戻ってきたばかり・・・・。本当に暑いですね。高原の夏が思い出されます。そんな日に、「フィガロの結婚」の大きな広告が今日の日経新聞夕刊に載っていました。14日(木)まで、日本橋三越前・コレド室町、TOHOシネマズ日本橋にて絶賛公開中です!

出演者は、ルカ・ピサローニ、エカテリーナ・シウリナ、バルバラ・フリットリほか。古典的な演出で期待が持てますね♡♠♡
METライブビューイングのアンコール上映(東劇のみ)の、「ドン・ジョヴァンニ」 「コジ・ファン・トゥッテ」も間もなく始まります。楽しみですね。上質なオペラを観て、暑さを乗り切りましょう!

2014年8月7日のモーツァルトハウス

夏の思い出は、モーツァルトの輪から・・・♡♠♡
ちょっといつもより長居をしたモーツァルトハウスでの休日・・・。やっぱり思い出はモーツァルトがご縁で結ばれた方たちとの交流かな~。それと軽井沢独特の山野草(ふしぐろせんのう、山百合、そばな、白根せんきゅう、しもつけ草etc)にも出会えたこと。くろイチゴの収穫もできました。
会えないで帰らなければならず、気にかかっていた軽井沢在住のご夫婦に、帰り立ち寄ったスーパー「ツルヤ」でばったりお会いしました。立ち話程度でも、こうしてお会いできて本当に良かった。次回こそゆっくりとお会いしたいものです。

涼しさは木々のお陰・・・。それでも日中は軽井沢でも30度近くにもなります。


2014年8月6日のモーツァルトハウス

自然とのたわむれ・・・♡♠♡
朝晩の涼しさは、やはり高原ならではのもの・・・。鳥のさえずりもモーツァルトのメロディに聞こえてきます。


八ヶ岳に住む友人夫婦が愛犬(ココちゃん)を連れて訪ねて来てくれました。こんな宝石の様な、朝、庭で採れたというトマトもいっぱい持ってきてくれました。。。


ワインと音楽で結ばれた大切なお友達夫婦に、ワンちゃんも加わって。一緒に「魔笛」のDVDを楽しみました。


2014年8月4日~5日のモーツァルトハウス(小淵沢)

夏の象徴、ふしぐろせんのう、山百合が咲きました・・・♡♠♡

急遽小淵沢に住む知人のお誘いを受け、この日は途中小淵沢の「道の駅」にある延命の湯で一汗かいてから、泊りがけで知人宅へ。NHK朝の連続テレビ小説「「花子とアン」は地元だけにこんなお菓子がたくさん・・・。また、柳原白蓮の句碑もありました。本名葉山連子は佐佐木信綱に師事し、昭和33年にこの地を訪れ詠ったものだそうです。


2014年8月1日のモーツァルトハウス

久しぶりに、信濃追分・天ぷら「きどぐち」へ・・・♡♠♡
秘かに気に入っている天ぷら屋さんがあります。信濃追分にある「天ぷらきどぐち」です。小さなお店ですが、東京の天ぷら「天國」の看板がお店の中にかけてあります。きっと店主さんはこちらで修業されたのでしょうか(聞いてみた事はありませんが・・・)。お昼はたいてい開店時刻と同時に満席になってしまうので、早目に行かないと心配です。カウンター席もあり、一人で一心に天ぷらを揚げているご主人を目の前にして、頂くのも格別です。手際の良さなど、見入ってしまいます。余計な会話などいらず、美味しい天ぷらを提供するという職人さん気質を感じる避暑地でのとっておきの空間です。

今年は、このMozartHouseNewsにも時々登場されるAさんご夫妻とお昼をご一緒しました。夜はお酒でも頂きながらゆっくりと寛ぐのもいいかな~。またご一緒したいものです。(写真は昨年夏に行った時に撮ったものです)


2014年7月31日のモーツァルトハウス

最後の一輪・モーツァルトの薔薇・・・♡♠♡
暑さを逃れてきたモーツァルトハウス。殆ど終わっていたモーツァルトの薔薇でしたが、一輪だけ残ってきれいに咲いていました。私たちを待っていたかのよう・・・。
庭の掃除から、家の周りの草取りから、忙しそう・・・。家の中では久しぶりに、「モーツァルト全集」を取り出して、聴いています。

2014年7月30日のモーツァルトハウス(東京)

暑中お見舞い・・・♡♠♡

毎日暑い日が続きますね。連日冷房の部屋に閉じこもってばかりいないで、これから数週間は、涼気を求めて東京を出たり入ったりしようと思います。
皆さま、猛暑の折、どうぞくれぐれもご自愛ください。

2014年7月29日のモーツァルトハウス(東京)
ミュンヘンはモーツァルトにとって・・・♡♠♡
今日もまた行ってみたい街のお話です。ミュンヘンも行ってみたい街ですね。こちらはなぜかと言うとビールが美味しいのも勿論ありますが、キュヴィリエ劇場というモーツァルトのオペラ「イドメネオ」を初演した劇場が今でも残っているからです。この劇場はロココ様式でドイツで最も美しいオペラハウスと謳われています。劇場はレジデンツに隣接されていますが、このレジデンツは1918年に最期の王ルートヴィヒ3世が退位するまで、14世紀から約500年にわたってバイエルンの選帝侯や王の居城だった場所で、歴代の君主によって増改築が続けられてきました。現在はこのレジデンツ、博物館として公開されています。

毎年、6月と7月には、有名な音楽祭であるミュンヘン・オペラフェステイバルが開かれています。1875年にモーツァルトのオペラと、ワーグナーの楽劇、並びにリヒャルト・シュトラウスのオペラを上演するための音楽祭として発足したものです。いつかミュンヘンを訪れて、実際このキュヴィリエ劇場でモーツァルトのオペラを観てみたい、それが願いです。

今年のミュンヘン・オペラフェステイバルは、7月24日にバイエルン国立歌劇場で「フィガロの結婚」、7月25日は、このキュヴィリエ劇場で、バイエルン国立歌劇場管弦楽団メンバーによる室内楽、モーツァルトのセレナード第10番「グラン・バルティータ」ほかが演奏されました。このプログラム鑑賞ツアーに知人が参加しています。今頃はザルツブルクです。明日30日にはザルツブルク音楽祭で、モーツァルト劇場(旧祝祭小劇場)で上演される、「ドン・ジョヴァンニ」を楽しむ予定になっています。羨ましい~ですね。。。帰ってきたらうんとお話を聞かせてもらいたいものです。♡♠♤

モーツァルトが「イドメネオ」をミュンヘンで初演したのは、1781年1月29日。モーツァルト自身の指揮で行われました。イドメネオは親友ラーフ、イダマンテはカストラートのデル・プラートが歌いました。
このオペラ上演のあと、いよいよモーツァルトは、1781年3月12日、ミュンヘンを発ち、大司教コロレドの指示で、ウイーンへと向かいました。そのまま、ウィーンへと移り住むことになるのです。

2014年7月28日のモーツァルトハウス(東京)

またもや西でのモーツァルト魅力のプログラム~ユベール・スダーンモーツァルトの旅♡♠♡

兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールで、9月から3回シリーズで、「ユベール・スダーンがこだわりのプログラムでお届けする、ウイーン、パリ、プラハをめぐるモーツァルトの旅」のコンサートがあります。羨ましいですね。
第1回
2014年9月27日(土)は、ピアノに小菅優、ピアノ協奏曲第25番、交響曲第41番ジュピターほか
第2回 
2014年12月13日(土)は、フルートに小山裕幾、ハープに山宮るり子、フルート協奏曲第1番、フルートとハープのための協奏曲、交響曲第31番「パリ」
第3回
2015年2月7日(土)は、ソプラノに松田奈緒美、「皇帝テイートの慈悲」からアリア「夢に見し花嫁姿」、「ドン・ジョヴァンニ」序曲、交響曲第38番「プラハ」、「皇帝テイートの慈悲」序曲ほか※全公演、午後3時開演

先日体験したばかりの兵庫県立芸術文化センターでの、ユベール・スダーンのモーツァルトの旅のプログラムは,、3回共モーツァルトファンにとっては、魅力的です。特に第2回の小山裕幾さんの出演するプログラムは聴いてみたいです・・・・。

2014年7月27日のモーツァルトハウス(東京)

後世のモーツァルト賛美がはじめて形象化された場所~ロヴェレートブリーディ男爵別邸中庭♡♠♡

ロヴェレートは、いつかは訪れたい街です。なぜかといえば、ジュゼッペ・アントーニョ・ブリーディなる男爵によって、ヨーロッパで一番最初にモーツァルトの記念碑が建てられた場所だからです。1825年のことです。その記念碑は、ロヴェレート郊外のブリーディ男爵別邸の美しい中庭に建って、〈調和の小神殿〉と名付けらています。冷たい大理石の碑ではなく、天才を神として祭るようなものになることを望み、記念碑は円形の基盤の上に囲われない小神殿の形でたっています。また、同じ庭園内の、記念碑からごくわずか離れたところに、別な〈モーツァルト記念碑〉も造られました。墓標を模した石碑には「音楽的思考の力に依る魂の支配者」と刻まれ、さらに、「音楽の君主であり、憧れの的である最良の友のために」という碑銘の石碑をも置かれています。感動的ですね。

このジュゼッペ・アントーニョ・ブリーディなる男爵はどんな人物で、モーツァルトとはどんか繋がりがあった人なのでしょうか。1763年生まれ、ロヴェレートの銀行家であり、熱意をもって音楽を愛した愛好家であったそうです。そのブリーディとモーツァルトが互いに相識ったのは、ブリーディが20歳の時にウイーンに移り住んだ時で、その後、モーツァルトと親交をむすぶこととなったのです。

彼は、クラヴィーアも弾き、また歌も上手かったそうです。1786年3月16日、ウイーンの大貴族カール・アウエルスペルク侯爵邸でモーツァルトのミュンヘンでのオペラ「クレ-タの王イドメネオ」の私演が行われた時には、このブリーデイ男爵がタイトルローのイドメネオ役を歌ったのだそうです。玄人はだしの歌手であり、それ以上に芸術の真の識者であったのだそうです。

ブリーデイ男爵はモーツァルトの死後も、コンスタンツエやモーツァルトの遺児たちと親しくし、よく面倒を見てくれたのだそうです。コンスタンツエの第二の夫ニッセンとも親交を保ち続け、ニッセンの「モーツァルト伝」にも協力を惜しまなかったそうです。この様な人物だからこそ、世界でもっとも古い二つの記念碑を造り、モーツァルトの偉業を後世に伝えたのですね・・・。ここロヴェレートでは、モーツァルトの人と音楽とを讃える音楽祭も催されています。やっぱり、いつか行ってみたい場所ですね。。。

2014年7月25日のモーツァルトハウス(東京)
「ませた」作曲家の真骨頂~「コジ・ファン・トゥッテ」 in 兵庫♡♠♡
先日観て来た「佐渡コジ」は最近に稀な生での実に満足のいくオペラ上演だったように思います。ホールの良さに加え、欧州でも目覚ましい活躍を続けている指揮者佐渡裕プロデユース、またキャストは国際的な舞台で活躍する歌手たちが集合、演出家も、舞台美術も一流どころが加わり、文句の付けどころがないものなっています。
観ていて楽しい、笑いを誘う演出もあり「コジ」を滑稽に、「浮気」か「変心」か?手に汗握る恋の心理戦に仕立てています。心憎いですね。。。そして最大の見せ場である”陥落”の瞬間も最高に甘美なものに描かれていて、ロマンチック!!。さすがの長女フィオルディリージもまさかの”陥落”うっとりしてしまいます。「コジ」は現在人の心に一番寄り添う、生身の人間味に溢れたオペラと言えるのかも知れません。もしかしたら、モーツァルトはこの事も予測していたのかも・・・・。

このフィオルディリージ役を演じたスザンナ・フィリップス、歌声も風格も容姿も、この役にピッタリなように感じました。こういう素晴らしいのを見てしまうと、暫くはこれ以上のものはないでしょうから、せいぜいメトのアンコール上演で、再度楽しんだ方がいいかも知れません。
モーツァルトは「ませた」作曲家である。とくに人間の感情に対する感性は、飛び抜けて深く、鋭かった。-----その感性は時とともに加速度的に磨かれた。モーツァルトはひとの何倍、何十倍もの人生経験を重ねたからである。モーツァルトの驚嘆すべき音楽作品は、作曲の技術の技巧の巧みさに、鋭敏な感性と濃密な人生経験が重なった成果だと思う。それがとりわけ豊饒な実りをもたらしたのが、音楽による人間のドラマであるオペラだった。モーツァルトのオペラには、彼以外の誰もなしえなかった、細やかな人間観察がちりばめられている。モーツァルトのオペラが時空を超えて愛されるひとつの理由は、たぶんそこにある。
(「モーツァルト、その人生とオペラ~「ませた」作曲家の真骨頂」:加藤浩子、当日の解説書より)

近年の「コジ」人気、しばらく続くかも知れませんね。。。

2014年7月24日のモーツァルトハウス(大阪~京都)
リスニング・ルームは贅沢な癒しの空間・・・大阪夜の体験♡♠♡
「コジ」の終了後、訪れたのは、大阪の超高層マンションのあるスポット・・・。マンションの一室にこだわりのオーディオ装置を贅沢にこらし、リスニング・ルームなるものを持っているモーツァルトがご縁で知遇を得た、ある方からのお誘いがあったからです。我々の宿泊先はこのマンションから歩いて数分のあるホテル。こだわりの「音」を楽しみながら、「コジ」の感想にはじまり、バッハから、モーツァルトのオペラの話まで、好きなをワインを飲みながらの音楽談義は止まるところがなく続きました。

2日目は、ゆっくりホテルを出発し、京都に立ち寄り、ちょうど祇園祭の「後祭りの巡行」が終わったばかりで、その雰囲気をちょっぴり味わい、三嶋亭のすき焼きなども楽しみ、早々に家路に着きました。(熟年夫婦には36度を超える暑さは酷です)京都三嶋亭は、池波正太郎さんの著作本にも登場するお店。 こちらの牛そぼろのしぐれ煮は 白いご飯に少し掛けて頂くと 甘辛の濃い目の味付けで お箸が進みます。..新幹線改札を入った売店でも扱っています。

「コジ」の鑑賞から、大阪での知人との音楽交流、ヨーロピアン溢れるホテル滞在、京都では祇園祭の余韻と、おまけに「京の味」の楽しみなどなど・・色いろな予定外の楽しみも加わって今回の旅は、私たちに音楽で元気になるようにモーツァルトさんが与えてくれたプレゼントとも思える旅でした。次回もモーツァルトの西での公演を探して、又行きたいものです・・・。♡♠♤

2014年7月23日のモーツァルトハウス(兵庫:西宮~大阪)
最高にオシャレな舞台・・・「コジ・ファン・トゥッテ」 in 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

人、人、人の波、4階席まである、2千人を超す集客を誇るこの大ホールは超満員、1階席では補助席まで出るほどの熱気!それも7/18~27日間で8回もの公演があるのにこの人気。どこからこんなに人が集まってきているのかと驚きました。それもそのはず、我々も東京から新幹線でわざわざこれを観に来ているのですから・・・・。鑑賞した日は平日、指揮者:佐渡裕の人気もさることながら、メトの舞台で大ブレイクしたばかりの、スザンナ・フィリップスの登場が、想像するに最大の理由ではと思います。カーテンコールの拍手もすごかった・・・。
阪急西宮北口駅直結のアクセスの良さ、デザインの素晴らしさに加え、この熱気に、初体験者はまずビックリ。、関西には、びわ湖ホールやこんなオペラ上演に適した素敵なホールがあって羨ましい。こんなホールでの公演なら、又来たいなァ~と思いました。♡♠♡

さて、今回の、「佐渡裕芸術監督プロデユースオペラ2014」は、記念すべき10作目に「コジ」を取り上げました。「魔笛」の上演から7年ぶりのモーツァルトのオペラなのだそうです。(佐渡さんは「コジ」をモーツァルトの中で、最も好きな作品と語っています)

演出は、これもまた、メトロポリタン歌劇場首席演出家のデヴィッド・ニース、優雅で洗練された舞台、また舞台美術のロバ-ト・パージオラは絵画をあしらうだけにして、特別な舞台装置を置かないシンプルだけれど、本当に美しい舞台を作り上げています。「来てよかったねと」とまずは隣の夫に語りかけたものでした。この瞬間に立ち会えた幸せを感じ、周囲の熱気と共に心からモーツァルトのオペラを楽しむことが出来ました。

今回初めて訪れた芸術文化センターは、震災からの心の復興のシンボルとしてオープンしたもの。来年は開館10周年の節目を迎えます。阪神・淡路大震災からも来年は20年、人々の豊かな交流の場として、本物の舞台芸術がもつ醍醐味を届けることで、その役割を着実に果たしてきたことを、この「コジ」の公演を通しても感じることが出来ました。それを感じ得た事もここを訪れた大きな収穫だったと感じます。芸術は人々を悲しみから救い、大きな勇気を貰えるもの・・・私たちも、ここの所続いていた心と体の疲弊から解き放され、笑いとスリル溢れるラブ・サスペンス「コジ・ファン・トゥッテ」の、遊び心溢れる傑作に、すっかり酔いしれました。思い切って来てよかった・・・。
所でこのオペラ、ちょっと前までは敬遠され、酷評さえ受けるオペラだったのに、すっかりモーツァルト4大オペラとしての格もあがり、21世紀の今では、演出家はもとより、指揮者、演奏者までもが最も関心を寄せ、ラブコールを送るオペラ作品となりました。今頃モーツァルトさんはこの現象をどうみているのでしょうネ・・・。想像すると楽しいですネ・・・。「コジ・ファン・トゥッテ~女はみんなこうしたもの~恋人たちの学校・・恋のレッスン、始めましょう」は27日(日)まで。♡♠♡

2014年7月22日のモーツァルトハウス(東京)
「ドン・ジョヴァンニ」出演変更の知らせ・・
新国立劇場で上演予定の「ドン・ジョヴァンニ」については、このページでも何度もご紹介していますね。
レポレロ役は新国立劇場「フィガロの結婚」でフィガロとアルマヴィーヴァ伯爵の両方を好演したロレンツォ・レガッツオでした。が、このレガッツオが出演しなくなりました。とても残念です。2006年のパリオペラ座での「フィガロの結婚」でも、フィガロ役を演じていて、今回のレポレロ役を期待していたので、返す返す残念です。理由は下記の通りです。。。
【出演者変更のお知らせ
レポレッロ役で出演予定していたロレンツォ・レガッツオは、本人の芸術上の理由により出演できなくなりました。代わってマルコ・ヴィンコが出演します。】

何となく意味ありげで分からないですね。具体的な理由は何なのでしょうか。。。。。。指揮は重鎮ラルフ・ヴァイケルトが新国立劇場3回目の登場となります。演出はグリシャ・アサガロフ。タイトルロールは新国立劇場で「コジ・ファン・トゥッテ」「こうもり」に出演し、幅広い表現力が魅力のアドリアン・エレート。
公演日は、10/16(木) 10/19(日)、10/22(水)、10/24(金) 10/26(日)。午後2:00開演は10/19(日)、10/22(水)、10/26(日)、その他は午後6:30開演。

2014年7月21日のモーツァルトハウス(東京)

現今のモーツァルト・オペラ演出の誤謬(ごびゅう)を批判する・・・・図解雑学「モーツァルトの名曲」より

今手元に置いて、モーツァルトの音楽を楽しんでいるものに、「絵と文章でわかりやすい!図解雑学シリーズ・モーツァルトの名曲」があります。
この本の編著は海老澤敏先生。「はじめに」の中から、文章をご紹介致します。
「2006年におよそ50冊を超えるモーツァルト本が刊行されたが、その多くは旧態依然たる伝説・神話を垂れ流しさえしている。そんななかで誕生した本書は、夥しいモーツァルトの作品のなかから注目すべき作品を各ジャンルにわたって厳選し、それらの名品を注意深く聴きこむことによって、モーツァルトの響きと精神とに接近し、それを読者諸兄姉自身のものとしていただくよう努めた。モーツァルトの生誕の歩みも、また生き様も、音楽家としての技術や人間表現を学んだ度重なる旅も、また彼が出会ったさまざまな人たちや彼をとりまく当時の社会状況も思想的背景も、彼の芸術の理解には必要不可欠の知識であり、そうした予備知識は音楽の理解の助けにはなることはあれ、決してそれを妨げることはない。」

Part1〈モーツァルトを知る〉の豆知識の中で、現今のオペラ演出の誤謬に対して、先生はこう批判しています。
「現在、とりわけヨーロッパを席捲しているのはこの作曲家の劇作品に対する根拠に乏しい読み換えの流行であろう。彼のオペラは上演をもって完結する舞台芸術である。だが、モーツァルトのオペラの台本と音楽とは永続性をもった不変の文化財であろう。そうした原典(テキスト)を尊重しないで、いたずらな変更が演出面で際立って目につく今日この頃である。
 原典の深く真摯な解読と正鵠を射た解釈は、いたずらに奇をてらう演出とは別物であり、異質なものであろう。ちなみに〈モーツァルト生誕250祝年〉の2006年にはザルツブルクの夏の音楽祭で彼の全音楽劇が取り上げられたが、その多くはまったく笑止千万な演出を観客に押し付けているのが実態といえよう。

 人間の行為と感情の機微に触れたモーツアルトの劇作品の表現世界を、優れた歌手や指揮者とともに感動的に提示してくれる真摯な演出家の登場に期待しよう。」

〈モーツァルト生誕250祝年〉の2006年のザルツブルクの夏の音楽祭での、モーツァルトのオペラ作品の演出は、概ねモーツァルトファンを落胆させるものが多かったように思います。「後宮からの誘拐」は、ザルツブルク音楽祭の最大の問題作と批判となりました。シュテファン・ヘアハイムが現代風の演出にアレンジして話題を集めたものです。モーツァルトハウスでのオペラ観賞会でも、全く支持をえられませんでした。。。こういう演出を、わざわざザルツまで出かけて観た人の気持ちを思うと、やり切れませんね。心からモーツァルトの音楽に「酔える」そんな演出を、先生と同じく期待するものであります。。

2014年7月19日のモーツァルトハウス(東京)

夏を彩る26愛の物語・・・METライブビューイングアンコール2014

8/9(木)~9/26(金)東劇にて、「ドン・ジョヴァンニ」と「コジ・ファン・トゥッテ」のアンコール上演があります。「ドン・ジョヴァンニ」は一番のドンジョヴァンニ歌いと評価の高いマリウシュ・クヴィエチェン、指揮はファビオ・ルイージ。人気沸騰したプロダクションです。アンコール上演とは楽しみですね。かたや、「コジ・ファン・トゥッテ」は5月に上演されたばかりのもの。フィオルディリ―ジ役のスザンナ・フィリップスの好演が光っていましたね。レヴァイン指揮復活としても話題になりました。夏休みを利用して観に行くのもいいですね。

さて、我々は、このスザンナ・フィリップスが出演する公演に合せて、関西方面にオペラ鑑賞旅行にでかけます。初日の「コジ」を観た大阪に住む知人から、「スザンナ・フィリップスは初日にも関わらず素晴らしく聴きほれました。これを聴くだけでも東京から来る価値あり」のメールがあり、今から益々楽しみです。この知人、オーディオルームなるものを自宅に構えています。今回はこちらにも寄らせて頂く予定です。。梅雨明け後の猛暑に負けないよう、謳歌して来ます。

2014年7月16日のモーツァルトハウス(東京)
重厚でスケールの大きな室内楽の響きの世界・・・
古典派の室内楽で、一番人気があったジャンルは弦楽四重奏曲でした。ヨーゼフ・ハイドンはこのジャンルを室内楽の最高峰として位置付け、形式的にも、内容的にも充実させ、83曲もの曲を残しました。弦楽五重奏曲については、それでは、どうだったのでしょう。多くの作品が残された訳ではないのです。ハイドン、0曲、モーツベートーヴェン、2曲、モーツァルトは6曲です。ハイドンは「誰も注文しなかったため」作曲していないし、ベートーヴェンも初期の習作2曲、モーツァルトは1773年から死の年まで全部で6曲を作曲、重厚でスケールの大きな室内楽の響きの世界をつくりだし、このジャンルを最高の古典派室内楽曲にまで高めました。

1787年5月16日(K516なので、海老澤先生は神の予感では・・と言います)、モーツァルトは父の死を感じとりながらト短調五重奏曲を作曲します。アンリ・ゲオンは〈死の五重奏曲〉と呼び、父の死と関係づけました。でも、この曲はフィナーレには長調となって飛び立っていくのです。それもまた第1楽章と同じアレグロで疾走する。ベートーヴェンの曲の様に、苦悩の末に歓喜を勝ちとるのとは違い、叶えられない願いのような切ない響きが秘められているとし、アインシュタインはこの第4楽章の転調を、「慰めなき長調」と表現しました。(参考:ナツメ社「モーツァルトの名曲」)

何度もこの曲を聴きながら・・・モーツァルトの生と死の絶妙な音楽表現を感じとり、これが、モーツァルト的な彼岸の世界なのかと・・・・。
このト短調五重奏曲とハ長調五重奏曲のペアは、ト短調交響曲(40番)とジュピター交響曲(41番)のペアと、同じ調性や完成度の高さから、並び称されてきましたね。さて、あなたはどっち派?長調派 or 短調派?

2014年7月14日のモーツァルトハウス(東京)
NYフィル音楽監督、指揮者 L・マゼール氏死去・・・
世界的な指揮者で、ニューヨーク・フィルハーモニックなど多数の名門オーケストラを率いたロリン・マゼール氏が13日、肺炎の合併症のため米南部バージニア州の自宅で死去した。84歳だった。来日公演も多く、95年には阪神大震災の被害者を励まそうと、ピッツバーグ交響楽団を率いて神戸市で慈善コンサートを開いた。今年7月~8月の国際教育音楽祭「PMF]に参加の予定だったが健康上の理由で取りやめていた。「日経2014.7.14(月)夕刊より」

日本人にもとりわけ馴染の深い指揮者でした。日経にも載りましたし、各紙大きく取り上げたのではないでしょうか・・・。

2014年7月13日のモーツァルトハウス(東京)
ト短調作品「不出来に終わる珍しい傑作」とは・・・?
モーツァルトは1787年4月19日に、弦楽五重奏曲ハ長調K515を完成し、そのおよそひと月遅れて、5月16日に第二作としての、ト短調K516を完成させました。この弦楽五重奏曲ト短調K516に、フランス20世紀のカトリック詩人、アンリ・ゲオンは〈死の五重奏曲〉という標題を与えました。なぜでしょうか。ゲオンは、4月4日付の有名な「死は、ぼくたちの生の真の最終目的でありますから、ぼくはこの人間の真実で最良の友と、数年来非常に親しくなっています。----」と書いた父親レオポルトへの最後の手紙と、既に重い病床についている父親レオポルトの死というものを、この手紙が書かれた時期と時を同じくしたこの作品と結びつけました。そしてこの作品についてゲオンは「不出来に終わる珍しい傑作」というふうに表現したのです。その意味はこの曲のフィナーレにあり、いともあっさりと短調から長調の世界に移るその豹変ぶりをゲオンは「失敗」と捉えたのです。

古来このフィナーレをめぐって、さまざまな議論がたたかわされてきました。ゲオンは、アダージョの序奏に続くト長調のアレグロを「作品を歪曲しようと専念している最悪の敵が思いついたかのように貧相である、技巧的には成功したかも知れないが、このアレグロは他の楽章に比べて聴くものを失望させる。モーツァルトの気まぐれが彼の傑作中の最も感動的な結末を台無しにしてしまったのである」といったのです。

今読んでいる磯山先生の「モーツァルトあるいは翼を得た時間」では、これについて、「しかし、われわれはむしろト短調とト長調の表裏いったい、その速やかな交代こそがこの五重奏曲の含蓄を深めていると、解釈するべきではないだろうか?疾走は、飛翔に通じる。疾走は、飛翔によって完成する。すなわちこの五重奏曲においては、疾走ー飛翔という二重のイメージが、曲に内側から浮力を与えているのだ」第1章:ト長調の飛翔 ト短調の疾走より

昨日の海老澤先生のモーツァルト講座で、図らずもこのK516についてのお話があり、「アンリ・ゲオンはこの曲については、第1楽章に尽きる。後はいらないと「モーツァルトの散歩」で語っている。アインシュタインもゲオンの影響だと思うがそれに近いことを言っているが、第4楽章があるから第1楽章が生きる。死の疾走する想念からの逃走、その死の思いがこの4楽章に生きている」と、先生が結びに語ったのが印象に残りました。

2012年1月、ルーテル市ヶ谷コンサートホールで、「岡山 潔 弦楽四重奏団」&川崎和憲(ヴィオラ)でこの曲を聴きました。まさに第4楽章での、短調の序奏から長調への豹変を目の当たりにし、その見事な演奏に、感動し聴き入ったことを思い出します。私もやっぱりこの第4楽章の長調で終わるフィナーレが大好きです。モーツァルトの音楽はさまざな解釈を手掛かりにして、自分の解釈で好きなように聴くことができる所が素晴らしさではないでしょうか。特に短調の世界は「自分の世界に出会う」そんな気持ちで向き合っていいのではないかと、強く思いました。。。。

2014年7月6日のモーツァルトハウス(東京)
変わりゆく愛の姿・・・オペラ「「コジ・ファン・トウッテ」の魅力♡♠♤
今日は、「コジ・ファン・トゥッテ」のお話。台本作家ダ・ポンテのモーツァルトオペラ三部作の最後の作品です。1790年1月26日にブルク劇場で初演されました。
今読んでいる磯山雅先生の「モーツァルトあるいは翼を得た時間」は、随所に目からうろこの感があります。第Ⅵ章は《コジ・ファン・トゥッテ》、副題が「モーツァルトの愛の賛歌」となっています。このオペラの人気は近年とみに上昇して、個人的には大好きなオペラになっていますが、当時から不評だったことは有名なお話。ベートーヴェンは怒って価値を認めませんでした。「フィデリオ」において夫婦の愛は永遠に続くと訴えたベートーヴェンとすれば、このオペラのストーリーを軽薄すぎると我慢出来なかったのも頷けます。がしかし、戦後特に1970年代くらいからさまざまな解釈でこのオペラがたくさん上演されるようになってきました。にもかかわらず、この作品に対する位置づけは、いまだ曖昧で、この作品のもつ一見きわめて「不道徳」なストーリーが多くの「コジ」論の歯切れを悪くさせていると、磯山先生は指摘します。モーツァルトのオペラにわれわれが感動を受けるとき、「台本は悪いが音楽はすばらしい」という感じ方はありえない、なぜならば、モーツァルトの音楽は舞台上の動きや登場人物の喜怒哀楽とつねに密接に、微妙にかかわりあいながら流れていて、その音楽に身を委ねいつしか一体となってしまう、モーツァルトがつねにドラマにおける音楽と台本の一体化をめざし、台本の作成にも、つっこんだ関わりをもっていていたからで、この作品はその意味からも最もモーツァルト的な作品だとしています。

この「コジ・ファン・トゥッテ」のオペラ、忘れてならないのは、R・シュトラウスはこのオペラの《たわむれの恋》の美を認め、オペラの本質的な力である、心を変える力にあふれるオペラを賛美しました。かつて蔑まれたオペラは、いまはモーツァルトの傑作で、同時になおも解決されない問題を持つ、不思議な愛の力をもたたえるオペラなのです。
この「コジ・ファン・トゥッテ、」5月にメトのライブビューイングで観たばかり、今月18日からは、佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2014として、兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで上演されます。メトで大評判となったばかりの、フィオルディリージ役のスザンナ・フィリップスが、この舞台にも登場します。。スザンナ・フィリップスの生をねらって、兵庫に観に行って来ます。このオペラの多彩なアンサンブルと心ゆさぶる愛の調べに浸るために・・・・。♡♠♡

2014年7月4日のモーツァルトハウス(東京)
高原の音楽祭・・・「2014草津夏期国際音楽アカデミー&フェステイヴァル」♡♠♤
「草津夏期国際音楽アカデミー&フェステイヴァル」は今年で35回目を迎えます。今年のテーマは、「リヒャルト・シュトラウス生誕150年~ミュンヒェン・ウィーン・ドレスデン~」。会場は草津音楽の森国際コンサートホールで、8月17日(日)~30日(土)の期間開催されます。


草津夏期国際音楽アカデミー&フェステイヴァルは、毎年テーマを決め、その年のテーマに沿ってコンサートを行っています。
今年のテーマは、「リヒャルト・シュトラウス生誕150年~ミュンヒェン・ウィーン・ドレスデン~」です。作曲家として後世に名を残したリヒャルト・シュトラウス。当時ウィーンを始めミュンヒェン、ドレスデンの歌劇場で指揮者としても活躍しました。これまでも取り上げられる作品の多くは大編成の管弦楽曲が主で、室内楽の作曲家としてはあまり認識されていませんでした。今回、当音楽祭では彼の若き時代の室内楽作品に焦点を当て、モーツァルトの再来といわれたリヒャルト・シュトラウスの初期の傑作作品を中心にご紹介します。(パンフレット、「今年のテーマについて」より抜粋)
期間もほぼ2週間、草津の町全体が音楽で満ちあふれる様を、温泉の湯けむりと共に肌で感じるのも、湯の町草津ならではのもの。一度行ったらやめられない高原での音楽祭。皇后さまも毎年お見えになります。
草津には早くも秋の風が・・・そんな心地良い早秋の風を、温泉、そして好きな音楽と共に満喫出来ます。詳しくは下記のHPをご覧ください

2014年7月4日のモーツァルトハウス

ルビー色のさくらんぼが今年も届きました♡♠♤
「村忠果樹園」さんが丹精込めて作ったさくらんぼです。山形、天童市の果樹園さんです。


村形忠悦さん

季節の贈り物ですね。摘み取ったばかりのさくらんぼです。村形さんの愛情がたっぷり・・、甘いはずです。プラム、ラフランス、、りんごの摘果も終え、美味しいフルーツの出荷が続くそうです。直送でしか味わえない美味しさです・・・。♡♠♤

2014年7月3日のモーツァルトハウス
「モーツァルトのバラの館」になっています・・・
モーツァルトハウスのモーツァルトのバラが、今満開になっています。
可愛いし、本当に綺麗な色。花にも名前を付けたくなりました。やっぱり「パミーナ」かな・・・・。

今年もこんなに咲きました。そして高さもこんなに高くなって・・・。すっかり背を越されてしまいました。♡♠♤

2014年6月27日のモーツァルトハウス(東京)
加藤浩子先生の「コラム」~大野和士と名歌手が魅せるフランスオペラの名作

日経新聞、6月26日(木)の夕刊、「Classic Promenade」にフランス国立リヨン歌劇場「ホフマン物語」について加藤浩子先生の記事が載っています。リヨン国立歌劇場の首席指揮者で抜群の集中力と統率力で、劇場メンバーからの信頼も厚い大野和士が、来月いよいよ本格的なオペラ公演を披露するそうです。演目はフランスオペラを代表する傑作「ホフマン物語」。昨年12月にこのプロダクションを現地で振り、大成功を収めたのだそうです。日本での上演は7月、Bunkamura オーチャードホールです。

、上記の件もそうですが、Kさんからモーツァルト自身が少年時代にリヨンに寄っているとのご指摘があり、調べてみました。モーツァルト少年時代の「西方への大旅行」のパリからの帰路、1766年夏、この中部フランスの町リヨンにモーツァルトは立ち寄っています。約4週間滞在し(7/26頃~8/19頃)、コルドゥリエ広場のホールでの定期演奏会に出演したりもしました。この劇場は今も現存するんでしょうか。名うてのワインの産地ですね、此のあたりは・・・。ワイン好きとしてはいつか行ってみたいものです。ちなみに、モーツァルトはこの町で絞首刑の執行を見ているそうです。怖いお話です。少年モーツァルト10歳の夏のことです。その後ジュネーブ、ローザンヌ、ベルン、チューリッヒ、ミュンヘンのルートを辿りそして11/29、故郷ザルツブルクへと帰路に着きました。(出典:小学館モーツァルト全集。モーツァルトの旅)

2014年6月25日のモーツァルトハウス(東京)
SAKEの奥深さを知る・・・・「酒処・笹吟」の凄さ!
音楽だけではなく、色いろなキーワードでお付き合いを深めさせて頂いているAさんご夫妻に、お酒は勿論お料理も飛び切りお勧めのお店に連れて行って頂きました(特に奥様が東京でイチオシのお店だとか・・)。NewsWeekの「SAKE」特集に載ったこともあるという、とっておきのお店です。

お料理は、食材の組み合わせがそれぞれ絶妙で、たくさんある手書きのメニュー表から選ぶのは、どれもこれも美味しそうで大変!迷ってしまいます。この日は、はもを使ったお料理を何種か頂き、「はもと冬がんとじゅんさいのすり流し」「はもとアボカドの梅肉和え」「豚肉とはものマヨネーズあえ」「はものにゅうめん」等、ゴーヤも「ゴーヤと桜えびのかき揚げ」「ゴーヤのポン酢和え」など美味しく調理されています。又お造りも、あおりいか、こち、シマアジと何とも贅沢なこと、その他、「シマアジのかぶと焼き」、「賀茂なすの田楽みそ焼き」、「阿波尾鶏とトマトのバルサミコソース和え」など、どれもこれも絶品で、割烹料亭で味わうお料理に思えました。お料理が美味しいとやっぱりお酒がさらに進みますね♡♠♤

お酒はといえば、好みや希望を言えばちゃんとそれに合った銘柄を薦めてもらえます。例えばそれが「フルーティで白ワインのような感じ・・・」などとちょっと幼稚で恥ずかしいような注文にも、千葉県の蔵元の「直汲み(じきぐみ)一喜」を持ってきてくれました。感激ですね。日本全国の銘酒を揃えたそのメニュー表にも、お店のこだわりを感じます。

、明るい、侘びとモダンが一体化した店内で、白衣を着た割烹修行中と思える人が、きびきびと立ち働いていて、好感がもて、またこれがお店のいい雰囲気を醸し出しています。御ひげのご主人も気楽にカウンターに座ったお客さんとお喋りしていて、アットホームな感じです。
それにしても、日本酒には、やはり日本料理だなァ~、世界に誇れるそんな日本の文化に、そしてそれらをさり気なく、こだわりで提供している「笹吟」の凄さに乾杯!!!
Aさんご夫妻にも完敗(乾杯)です♡♠♤またいつの日か日本文化の奥深さをご指南ください。。。。。

2014年6月23日のモーツァルトハウス(東京)
今年も行きます!宇奈月モーツァルト音楽祭
冨山県宇奈月温泉で、毎年行われている「湯の街ふれあい音楽祭 モーツァルト@宇奈月」も今年で5回目を迎えます。今年は9月20日(土)、21日(日)の日程での開催です。山や川に囲まれた宇奈月は、モーツァルトの生誕地のオーストリアの古都ザルツブルクに似ていると感じていた街の有志たちが、2010年にはじめた音楽祭です。プロもアマも、モーツァルトを愛する演奏家たちが宇奈月に集う!他に類を見ない、地元に人々の熱い思いもギュッと詰まった、いまや、モーツァルト好きにも外せない音楽祭に成長してきました。


9月21日(日)にはセレネ・大ホールに於いて(15時開演)、宇奈月アマデウス祝祭管弦楽団(指揮:横島勝人)による、交響曲第41番 ハ長調 ジュピターK551、レクイエムニ短調K626 (合唱:宇奈月アマデウス祝祭合唱団)の演奏があります。こちらは一般席1000円で聴くことが出来ます。その他、色いろな場所で、コンサートが開催され、ホール以外での演奏は全て無料です。宇奈月の山や川、温泉にモーツァルトの音色が響く2日間、(詳細は8月上旬に決定)。今年も楽しみです来年には新幹線も開通しアクセスがぐんと楽になりますね。♡♠♤

2014年6月22日のモーツァルトハウス

ようやく今年も咲き始めました~モーツアルトのバラ

毎年楽しみな、モーツァルトのバラ、今年もようやく咲きはじめ、その可愛い姿に癒されています。

今回は、昨日の友との再会の為に2泊3日でとんぼ返り。。。それでも可愛い、可憐な花々に出会えてやっぱり何より嬉しい。来てよかった。♡♠。次に来るときは今咲き始めた花に加えて、どんな花が咲いてくれているんでしょう。楽しみですね。

2014年6月22日のモーツァルトハウス

秋田おばこ大集合!!♡♠新緑の軽井沢に♡♠
6月は軽井沢が一番美しい季節といわれていますね。そんな梅雨の晴れ間の爽やかな季節に、秋田から何と”秋田おばこ”が集合しました。場所は離れや的なレストランとして軽井沢でも超人気のイタリアン「プリモピアット」。久しぶりの再会に、まずは、スパークリングワイン、ビール、白ワインと思い思いのお酒で乾杯!!。秋田の女性はお酒も強いんです。ランチから「グイ~、グイ~」と気持ちいい程の飲みっぷり!。日常から離れ、高原のオシャレなお店で昔ながらの女友達と囲むテーブルは、もう最高に幸せな時間です♡♠


この日のパスタランチのメニューは、長野産SPFポークのグリエをジャガイモのピューレと共に、デザート、ワタリ蟹のリングイネトマトソース

地元地方局の元人気アナあり、秋田市民市場の人気店の現役看板娘あり、なんたってみんな秋田美人!!?、いくつになっても元気はつらつ若さいっぱい!朝7時のこまちで秋田を出発し、軽井沢着10時半、千住博美術館巡りをし、軽井沢での昼食後は草津、伊香保と温泉巡りの2泊3日の、「大人の休日倶楽部」を利用しての旅。きっと笑顔、笑顔、又笑顔の旅行になることでしょう。私はランチの後軽井沢駅でお別れ・・・。思い出話に花が咲き、時折秋田弁も飛びかい、気分はすっかり女学生!あっという間に時間は経ち、お別れとなりましたが、懐かしい友との再会は、ほろ苦く、甘酸っぱい味のするリキュールの味かな~。「せば(それでは)、またね!」と別れの挨拶はやっぱり秋田弁でした。♡♠♤

食事中は、モーツァルトの音楽が流れていた「プリモピアット」。は今年10周年を迎え、お店の前にはお祝いのお花が飾られ、私たちを歓迎してくれているかのようでした。お酒もお料理も美味しかった!!ごちそうさまでした。

2014年6月19日のモーツァルトハウス(東京)

「フィガロの結婚」、許しのアリアの魅力とは??!!♡♠♤

「ドン・ジョヴァンニ」に続いて今日は「フィガロの結婚」のお話。ある音楽評論家の先生に言わせると、大学やカルチャーセンターの講座での反応は、この「フィガロの結婚」は長い故に、途中必ずと言っていいほど寝てしまう人が多いのだそうです。そう言われてしまうと、モーツァルトのオペラの代表作といわれているだけに、形無しです。でも最後の伯爵夫人が歌う許しのアリアは「音楽史上最高の名旋律」とたたえる人の何と多い事か。この旋律でノックアウトされるのは、特に男性に多い様に、私には思います。以前、許しのアリアがたまらないと意気投合した紳士諸氏を目の当たりにしたことがあります。

モーツァルト生誕250年の年に、私の所属する会がモーツァルト生誕250年記念号を刊行し、「私の愛好曲 ベストテンの発表」をしました。会員が3曲づつ愛好曲を選び、その集計結果も合せて発表したのです。その順位はここでは書きませんが、会員にとって、3曲を厳選するという事はすごく過酷な事でした。そこで分かったことは自分自身についてですが、3曲とも同じ曲を選んでいた方は、一人もいませんでした。ただ、2曲まで同じ方がやっと一人だけいて、やはり好みが似ているのだと、親近感を覚えました。「自分とぴったりという人はいないもんなんだなァ」とこの時始めて気が付きました。

因みに、私のベスト3は、ピアノ協奏曲第23番K488、クラリネット協奏曲K622、ヴァイオリンとヴィオラの為の協奏交響曲K364でした。この他、好きな曲はたくさんあれど、今でも変わらずやっぱりこの3曲が好きです。

2014年6月17日のモーツァルトハウス(東京)

「ドン・ジョヴァンニ」は超美味しい酒宴のおつまみ??!!♡♠♤
モーツァルトのオペラのなかでも超人気作品に「ドン・ジョヴァンニ」があります。時々モーツァルティアン同志でも「フィガロの結婚」か「ドン・ジョヴァンニ」かで、好みが分かれる所でもあります。従って初対面の時に
「どちらがお好き?」とさりげなく聞くことでその方をまず知る上でも大変参考になる事項でもあります。でもこの好み、その時の気分にもよります。「フィガロにはまっている時もあれば、、やけに最近ドン・ジョヴァンニが良くなってきたとか・・・」要はどちらも、甲乙つけがたく素晴らしいという事。結論はないのです。

先日ある酒宴で、「ドン・ジョヴァンニのオッターヴィオは理想の夫、2曲のアリアは女心にはたまらないわ」と日頃はおとなしそうに見えるある女性?が言ったかと思うと、人生経験豊かなそうなドゥシェク夫人風?の女性は「オッターヴィオは典型的な腑抜けな男性」とバッサリ!!。おまけに「ドン・ジョヴァンニは男性からすると憧れの存在なんですって!」こうなると日頃おとなしい?先程の女性は心の中で「悪事の果てに最後は地獄落ちするのにどうして理想???」と中々理解の範囲を超えて来ます。「レポレロにカタログを見せられ強烈な女性遍歴を知っても追いすがるエルヴィーラは理解できないし、父親を殺害されているのに、惹かれていくドンナ・アンナ、果ては、結婚式の直前にも関わらず心がなびくツェルリーナも訳わかんない・・・」になって来ますが、そこはオペラ、特にモーツァルトのオペラは筋などどうでもよく、音楽に身を委ねてさえいれば最高に幸せな気分になれるもの。そして最後の落ちは「女性は3人の女性の性格を全て持っているんですって・・・」とあるモーツァルティアンの大御所であり、高名な紳士として有名だった方のお言葉が披露されて、ジ・エンドとなりました。

真面目か?おおらかさか?経験度か?はたまた人生観か?深層心理にまで及ぶ「ドン・ジョヴァンニ」論、また続きをしたいものです♡♠♤


新国立劇場での「ドン・ジョヴァンニ」公演は、10/16(木)19(日)22日(水)24(金)26(日)。指揮:ラルフ・ヴァイケルト、演出はグリシャ・アサガロフで、前売り開始は7月12日(土)10:00~です。
「モーツァルトが鮮やかに描く永遠の誘惑者ドン・ファンの物語」、とくとご堪能あれ♡♡♡

2014年6月6日のモーツァルトハウス(東京)

大阪・いずみホールのモーツァルトシリーズお奨めです!!♡♠♤

2月にもこのページでお伝えしました磯山雅先生のモーツァルト企画、「モーツアルト~飛翔する精神~」が2年目を迎えます。大阪いずみホールでの公演です。今年は「充溢」と題してウィーン時代の1781年-1786年までのモーツァルトの作品を取り上げます。

「モーツァルトのウィーン時代を季節にたとえるとすれば、今年取り上げる1781-1786までは、春から盛夏までだ。フリーの芸術家としての希望と不安の中で船出したモーツァルトは、人気絶頂のピアニストになり、作曲家としての名声を高めてゆく。そんな上昇期、20代後半のモーツァルトが生み出した名曲が、5つのコンサートに構成される。そのそれぞれに最高の演奏家を起用できたのが、今年の自慢である。--------------
「目来へ飛翔する精神」を、遺憾なく描いてくれるはずである。」 いずみホール 音楽ディレクター 磯山 雅(チラシより抜粋)

いずみホールは大阪城公園に隣接した、緑とよく調和した素敵なホールでした。昨年出かけた時は加藤浩子先生とばったりお会いし、お互いにびっくりしたことが思い出されます。また予期せず、どなたかにばったりなんていう事があるかも知れませんね。チラシは取り寄せないと手に入らず、残念ですが、HPに詳しく載っています。ご覧ください。

2014年6月6日のモーツァルトハウス(東京)

バルバラ・フリットリーの伯爵夫人、パリ・オペラ座ライブビューイング♡♠♤

パリ、オペラ座の「フィガロの結婚」のライブビューイングがTOHOシネマズ日本橋で8/8ー8/14まで上映されます。

「演出の巨匠ストレーレルの古典的なプロダクションを、現役最前線の歌手たちが新しい生命力を与えて見事に蘇らせた《フィガロの結婚》。柔らかな色調、登場人物たちの穏やかな動きの中で、貴族と庶民の「知恵比べ」がユーモアたっぷりに表現されてゆく。伯爵夫人を優雅に歌うフリットリ、威圧的な伯爵を余裕で演じるテジエと共に、若いカップルのピサローニとシウリーナが市民層の活気を大いにアピール。小姓ケルビーノはめきめきと頭角を現してきたデエ、バルトロとマルチェッリーナには大ベテランのロイドとマレーと配役も万全の名舞台」(公開サイトより)

演出は、20世紀後半を代表する巨匠:iジョルジョ・ストレーレル。古典的な演出でパリだけでなく、他の劇場でも再演を重ねている演出です。フリットリーの伯爵夫人がやはりみどころでしょうが、他も魅力的な歌手が揃っています。パリ・オペラ座のライブ・ビューイング、まだ体験していないので、ぜひ行って観たいですね。
キャスト:ルカ・ピサローニ/エカテリーナ・シウリーナ/リュドヴィク・テジエ/バルバラ・フリットリ/カリーヌ・デエ

この後、ディアナ・ダムラウの「椿姫」も上演される予定です。

2014年6月5日のモーツァルトハウス(東京)

音楽祭のパンフレットが届きました♡♠♤

小淵沢にあるホテルリゾナーレの「音楽の森ホール」で毎年行われている「リゾナーレ音楽祭」、今年で22回目を迎えます。
今年は2014年10.7~10.9の3日間行われます。


岡山潔先生が音楽監督を務める「リゾナーレ音楽祭」、今年も魅力的なプログラム満載です。毎夜のナイトサロン、チャペルコンサートも好評ですね。同じホテルに泊まって、仲間と一緒に楽しむ事ができるのも魅力です。いつものメンバーに加えて、今年はクラリネットの四戸世紀さん、フルートの佐久間由美子さんなども出演されます。楽しみです。

2014年6月4日のモーツァルトハウス(東京)

ディヴェルティメントK334、「公開リハーサル」♡♠

紀尾井シンフォニエッタ東京と、ウイーン・フィル コンサートマスターのライナー・ホーネックとの待望のアンサンブルがついに実現!その演目の一つであるモーツァルトのディヴェルテイメントK334の「公開リハーサル」が本番のホールである紀尾井ホールであり、それに誘って頂き、参加することができました。大変貴重な体験をさせてもらいました。曲目がK334とは、大好きな曲で願ってもない嬉しい体験となりました。K334はモーツァルトらしいメロディが散りばめられた、モーツァルティアンにとっては珠玉の1曲と言えます。その「リハーサル風景」では勿論ホーネックさんも自らヴァイオリン弾いてくださり、その音色も楽しむことが出来ました。

舞台上でのリハーサルは英語で行われ、こちらまで言葉は遠く、聞こえてこないこともあり、具体的な指示は想像するばかりでしたが、時折団員の笑い声が聞こえ、終始和やかなリハーサル風景で、あっという間の2時間でした。
指示をうけるとその後の演奏が変わっていき、次第に音楽が作り上げて行かれる様を体感することができました。何を意図しているか即座に理解し、演奏に反映させるという難しいことを演奏家の方たちは身に着けているんだなと感心するばかり・・・。シンフォニエッタのメンバーの方々は、ソロでもご活躍のかたが多く、アンサンブルとソロとの醍醐味をどちらも経験されている実力派揃いです。紀尾井シンフォニエッタ東京&ライナー・ホーネックとの本番である、「第95回紀尾井シンフォニエッタ東京定期公演」は、6/6(金)開演:19時、6/7(土)開演:14時です。それとは別に6/10(火)には「KSTアンサンブル2014Withライナー・ホーネック」として、モーツァルトの《フィガロの結婚》と《ドン・ジョヴァンニ》より「序曲」や「アリア」の弦楽四重奏版や、「弦楽五重奏曲K614」等が演奏されます。こちらも期待できますね。

四ッ谷駅から紀尾井ホールまでの道は、緑も多く桜や紫陽花など季節のお花も楽しめる場所でもあります。いま紫陽花が美しく咲いていました。♡♠


2014年5月30日のモーツァルトハウス

最高の舞台!メト・ライブビューイング「コジ・ファン・トゥッテ」♡♠

軽井沢で、メトロポリタン歌劇場でのオペラ「魔笛」(1991年)の魅力に浸ったばかりですが、ちょうど上演中のメト・ライブビューイング「コジ・ファン・トゥッテ」が、今日はその最終日。観た方からの評判は上々で、見逃してはならぬと最終日にやっと鑑賞することができました。

「コジ」の魅力は何と言っても、アンサンブル!6人の出演者がそれぞれソロを2曲、重唱をそれぞれ2曲づつ披露しますが、そのアンサンブルがこのオペラのたまらない魅力になっています。今回のメトの公演は若い美人姉妹が素敵です。長女役のスザンナ・フィリップス、次女役のイザベル・レナードともに若くて魅力的。こんなに若いキャスティングで観る「コジ」はそうないような気がします。加藤浩子先生の鑑賞後の感想にもそのことが書かれていて「作品の「真髄」を掴んだ若手歌手」とこの若手の起用についても触れています。
ジェームス・レヴァインの病後の復帰の指揮としても話題になっています。レヴァインの指揮は、「レチタティーヴォの場面の音楽が冴えて、ドラマティックな緊張感にあふれていたのが素晴らしかった」という先生の評に全く同感でした


メトのライブビューイング「コジ・ファン・トゥッテ」、やはりモーツァルトの音楽が素晴らしい。音楽(旋律)が人間の感情に寄り添うように流れてきて、モーツァルトは人間の感情を音で奏でることのできる天才だと改めて、この「コジ」のオペラで再確認しました。それを表現する歌手陣とそれを支えるオケの素晴らしさにもただただ感動するばかり。オペラはこうでなくっちゃ~。演出もごくオーソドックス、舞台もきれい、鑑賞を邪魔する要素が何もなく、安心して集中できるのが、よかったですね。

私たちにとっては、来シーズンの「フィガロの結婚」も今から楽しみです♡♠♡♠

2014年5月25日のモーツァルトハウス

今回も主役はやっぱり美味しく上等なお酒!モーツァルトオペラの会 in 軽井沢

シャンパンや、ワインなど、パーティには美味しいお酒があってこそ楽しめるもの・・・。今年も堪能しました。青梅の銘酒、木桶仕込み「澤乃井の‘彩は‘(いろは)」は、ふるさと秋田から取り寄せた「ハタハタ寿し」との相性も良く、ついついいい気分になって・・・。♡♠♡♠


2014年5月25日のモーツァルトハウス
モーツァルトオペラの会 in 軽井沢
    今年はモーツァルトのジングシュピールの傑作「魔笛」   

お天気もまずまず。爽やかな新緑の中でモーツァルトのオペラを楽しむことが出来ました♡♠

軽井沢での「オペラの会」は今年で5回目。メンバーも宿泊先も、今までとちょっと違い、そして内容も盛りだくさん!で一味違った趣向の「オペラの会」となりました。参加された皆様のお陰で、なんとか2日間を無事終えることができました。♡♠♤。今回取り上げたモーツァルトのオペラ「魔笛」は、「魔笛狂い」がいるほど魅力に溢れた、モーツァルト最晩年のオペラ。ジェイムス・レヴァイン指揮、メトロポリタン歌劇場、モーツァルト没後200年の1991年版の映像を皆様と一緒に楽しみました。パミーナ役が当時メトで活躍中のキャスリン・バトルです。。美しく、透き通る歌声がパミーナ役にピッタリで、メルヘンテイックなメトならではの舞台美術も見所でした。

  に更に詳しく掲載

2014年5月24日のモーツァルトハウス

Preモーツァルトオペラの会 in 軽井沢

明日の「オペラの会」を控えて、今日は忙しい日。
モーツァルトの看板からお掃除!、窓ふき、変に伸びている枝切りと、色いろな仕事がいっぱい。

お肉の買い出しも終わり、食材も次第に揃ってきました。


モーツァルトハウスの周りの木々は、黒船つつじが散り始めを迎えています。そしてすみれが可憐な花をつけています。お花が少ない時期ですが、新緑独特の、緑のグラデュエーションをが目を楽しませてくれます。


2014年5月8日のモーツァルトハウス(東京)

「コジ・ファン・トゥッテ」を、兵庫県立芸術文化センターで・・・♡♠

佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2014で、今年はモーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を取り上げて上演されます。観に行きたいですね♡♠♡

公演日は、7月18日(金)、19日(土)、20日(日)、23日(水)、25日(金)、26日(土)、27日(日)いづれも14時開演です。

会場は、芸術文化センター KOBELCO大ホール

関西には、びわこホールなど、魅力的なオペラの殿堂があって、出かけたくなってしまいます。京都、奈良、大阪、神戸など観光も兼ねると魅力も倍増しますね。周辺の魅力的な観光地を訪ねながらの、佐渡裕芸術監督の指揮による珠玉のモーツアルトオペラ鑑賞旅行、食指を動かされます・・・♡♠♡

2014年5月4日のモーツァルトハウス

観るほどに、聴くほどに、深く癒されるオペラ「魔笛」
今年軽井沢で開く「オペラの会」は、モーツァルトのオペラ「魔笛」を取り上げます。前から気にはなりながら「魔笛」は大事に取っておいたもので、今年は満を持してといった感があります。好きな人は心底好き!それと同時に、決まって「魔笛はどうも苦手・・」とおっしゃる人も・・・。何とも好みがわかれるオペラです。それはメルヘンティックなお伽噺的な要素と、人間の奥深い所にある愛、許し、といったフリーメイソン的な精神が入り混じっているからなのでしょうか。私にもよく分りませんが、でもこのオペラは、疲れた心に、しみじみと染み渡る、崇高な音楽が何より魅力です。特に、ザラストロが歌うアリア、「この聖なる会堂には復讐など存在しない」は、いつもこの場面になると「魔笛」のオペラの孤高さが伝わって来て、心が高鳴るのを覚えます。大好きなルネ・パーペが歌うそれが私にとっては最高で、この世の薄汚い世界のことなど忘れてしまいます。本当にモーツァルトの音楽は素晴らしいと改めて思います。都会の喧騒から逃れ、緑のなかで、鳥のさえずりと、爽やかなそよ風を感じながら、モーツァルトのオペラ「魔笛」を聴く・・・・。GW中、最高のオアシスでした♡♠♡

手元にあるDVDを全部今回観比べました。一日中「魔笛」の音楽に浸りながら過ごし、感じました。モーツァルトは没後200年以上たっても、こうして聴く者を癒してくれる、永久不滅の作曲家なのだという事を・・・・。

ザラストロも、タミーノもパミーナも、そしてパパゲーノもいいけれども、やっぱり注目は「夜の女王」、ディアナ・ダムラウ、ナタリー・デセイ、ルチアーノ・セッラ、とどれもそれぞれが素晴らしい。

「夜の女王」役、ナタリー・デセイ、(パリ・オペラ座2000.12)

「夜の女王」のディアナ・ダムラウ(2006年ザルツブルク祝祭劇場)。

ダポンテ三部作、「後宮からの誘拐」と続いた軽井沢での「オペラの鑑賞会」も今年で5回目を迎えます。「魔笛」は、オペラ・セリアでもなく、オペラ・ブッファでもなく、「後宮からの誘拐に」と同じ「ジングシュピール」というジャンルです。「バスティアンとバスティエンヌ」にはじまり、「後宮からの誘拐」を通って「魔笛」へとおよぶ、ジングシュピール。モーツァルトの「魔笛」は、単にお伽噺では終わらない、多彩な音楽要素も加わって発展させた、ジングシュピールの最後の帰結を示す作品です。。皆さんで鑑賞するのがとても楽しみです。♡♠♡

2014年5月2日のモーツァルトハウス

まずは看板修復から・・・♡♠♡

今年の冬は軽井沢も大雪だったそうで、雪のためでしょうか、木の枝が折れているのが目につきます。そして「軽井沢モーツァルトハウス」の看板も傷んでいて、修復が必要でした。まずその仕事から始まりました。


何とか看板もきれいになりました。一生懸命枝の処理もしました。

2014年4月28日のモーツァルトハウス

ようやく芽吹きの頃を迎えています♡♠♡

ゴールデンウイークにかけて久しぶりに軽井沢に来ました。新緑はまだちょっと先ですが、春の息吹を感じる花々が咲いていました。

2014年4月24日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を、メト・ライブビューイングで♡♠
「メトロポリタン・ライブニューイング」は5/24(土)から5/30(金)までモーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を上映します。上演場所、時間等は下記のHPをご覧ください。

上映期間:2014年5月24日(土)〜5月30日(金)

指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:レスリー・ケーニッヒ

出演:スザンナ・フィリップス(フィオルディリージ)、イザベル・レナード(ドラベッラ)、ダニエル・ドゥ・ニース(デスピーナ)、マシュー・ポレンザーニ(フェルランド)、ロディオン・ポゴソフ(グリエルモ)、マウリツィオ・ムラーロ(ドン・アルフォンソ)

上映時間(予定)
:4時間5分(休憩1回)


2014年4月13日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルト「クラリネット五重奏曲」「弦楽四重奏曲第15番」-日経新聞「ディスクレビュー」-

4月11日(日)の夕刊「ディスクレビュー」の欄にモーツァルトのCDの記事が載っていましたので、紹介します。

キングインターナショナルから発売されたこのCDには、晩年の傑作「クラリネット五重奏曲」と、ハイドンに捧げたハイドンセットの中でも、唯一短調の作品「弦楽四重奏曲第15番」が入っています。

「世界最高の女性ビオラ奏者といわれるタベア・ツィンマーマン、世界的なチェロ奏者ジャン=ギアン・ケラスらのアルカント・カルテットの室内楽曲。クラリネットはイェルク・ヴィトマン。優雅で叙情的なこの2曲でも、彼らにかかると精緻で鋭敏な演奏になる。無駄をそぎ落とした細かくて明確な音の線が、重なり合い、寄り添い合いつつ、作品の構造美を精細に描く。シャープな切れ味のモーツァルトだ。」(日経夕刊文化14より)

弦楽四重奏曲第15番ニ短調K421は、モーツァルトの短調の作品の中でも最もペシミスティックな内容をもつ1曲になっています。1783年6月中ごろに書かれたと推定されていて、第3楽章のメヌエットは6月17日のコンスタンツェの第1子ライムント・レーオポルトのお産の頃に書かれたと、コンスタンツェ自身が後に語っています。この推定時期に関しては、タイソンの用紙研究でも支持を得ているのだそうです。
4楽章からなるこの曲、そう思って聴くと、第3楽章のメヌエット、第4楽章のシチリアーノ風のリズムによる主題など、魅力的な部分がいっぱいあって、ハイドンセットの中では、つい第17番の「狩」や第19番の「不協和音」に耳が行きたがりますが、この曲のファンも多いのです。「ウイーン弦楽四重奏団」演奏のCDを愛聴しています。♡♠♤

2014年4月12日のモーツァルトハウス(東京)

開講日は「神童の世界」から

この日が新テーマでの開講日となった、海老澤敏先生の「モーツァルト講座」。私たちは2006年4月から受講していますから丸8年が過ぎ、9年目を迎えました。モーツァルトの作品だけではなく、人物像など、海老澤先生の長いモーツァルト研究の中から、1年間テーマを定めて掘り下げて進めてゆくこの講座は、ある時には相当マニアックになり、「難しすぎる」とか「いつも右から左だわ」とかの声も聞こえることも・・・・。そうなんですが、じっと聞いているとその時は難しくとも、いつかそういえばそんなような様な事がと、何度も繰り返し聞いていることにより、理解できることもでてくるのです。何とも不思議な魔力の講座です。

さて、今回は冒頭先生から「今まであまり掘り下げ過ぎたものもありましたので、少し一般的なお話に戻して今期はしてみようと思います」とお話があり、今期テーマは「モーツァルトの生涯と芸術」。
「モーツァルトの傑作・名品をさまざまなジャンルからピック・アップしながら、彼の生涯を辿り、作品の聴き所、観どころをお話しいたしましょう(講師:記)」というものです。

初回のこの日、教室に入って驚いたのは、いつもよりも席が相当埋まっていて、別の教室に間違って入ってしまったかと思ったほど。テーマが分かりやすく、馴染み易かったのでしょうか。人気のほどが伺えます。さて当愛好会でも宣伝した甲斐があったのか、お一人愛好会から参加されていたので、このお講座のお仲間が増えて嬉しく思いました。

第1回目は「神童の世界」-最初のソナタ、最初のシンフォニーを聴く-から始まりました。これから全12回、モーツァルトの生涯をたどりながら、モーツァルトの作品を聴いて行きます。
名曲とともに語る「モーツァルトの生涯と芸術」は第2・4土曜日15:30~17:30です。朝日カルチャー新宿校

ナツメ社の海老澤敏=編著「図解雑学シリーズ モーツァルトの名曲」がこの日特別に紹介され、販売されました。20曲収録のCD2枚付きです。絵と文章でわかりやすく、ハンドブックなのでちょっと持って歩くのに便利です。プレゼントにも良いかも・・・♡♠♤

2014年3月24日のモーツァルトハウス(東京)

真相!オーストリア国歌、真の作曲者は・・・

先日3/22の講座で海老澤先生から、質問していたオーストリア国歌についてご説明を頂きました。。先生はとてもお忙しい中、資料となるコピーをいろいろ渡してくださいました。本当に有り難く思いました。

それらを纏めてみますと、モーツァルトの作曲とされてきたオーストリア国歌ですが、最近の研究ではモーツァルトの作曲ではなくヨハン・ホルツァーという説が有力とのこと。

私はK623「我らが喜びを高らかに告げよ」だと思っていたのがまず未熟な間違いで(本当に申し訳ありません)、K623ではなく、K623aのフリーメイスン歌曲「われら手に手をとって」という曲が国歌として考えられてきた曲でした。K623aはフリーメイスンの集会を閉じる時の歌曲としてカンタータK623の後、歌われました。事実K623が初演された時も、閉会の際にこのK623aが歌われました。しかし、初版だけで伝えられていること、K623の最期の調性とこのK623aの調性が異なること(この点を特に海老澤先生は強調してらっしゃいました)、伴奏形態が異なること、K623の自筆楽譜の最後にモーツァルトが「fine(終わり)」と書いていること、書法がモーツァルトらしくないことなどから、現在では他人の作、すなわちヨハン・ホルツァーと考えられているのだそうです。ということで、K623aはモーツァルトの「偽作」なのだそうです(これは秘書の渡辺氏のお話)

コンスタンツエが利益上、モーツァルトのフリーメイスンの仲間であったヨハン・ホルツァーの曲をモーツァルト作として出版した可能性も大きいとも資料には書かれています。ただ、この曲の旋律は当時から親しまれ、1946年以降別の歌詞(パウラ・フォン・プレーラドヴィック作)でオーストリア国歌にされたのだそうです。歌詞についてもいろいろあるようですが、それはここでは触れません。
オーストリアが生んだ最大の作曲家がモーツァルトであることは間違いないことで、オーストリア国歌がモーツァルトの曲であるべきなのにと、私は率直に思い残念です。モーツァルトの曲が国歌なんて何と羨ましいことかと・・・それをあえてそうしないなんて・・。ヨハン・ホルツァーさんには悪いですけど・・・・。誠に残念です。

2014年3月19日のモーツァルトハウス(東京)
アン・デア・ウィーン劇場&二期会オペラ劇場との共同制作「イドメネオ」
名指揮者、準・メルクルが円熟したタクトで、また世界を席巻するミキエレットの演出で、モーツァルトのオペラ「イドメネオがこの秋上演されます。ウィーンの伝統「アン・デア・ウィーン劇場」と二期会の初の共同制作公演です。

演出家ダミアーノ・ミキエレットといえば、2011年と2013年の新国立劇場での「コジ・ファン・トゥッテ」の演出が思い出されますね。キャンプ場での2組のカップルの恋物語です。チラシを見る限り現在にすっかり置き換えた演出です。「イドメネオ」はオペラセリアの部類に属しますので、いったいどんな演出になっているのか・・・。しかし、一方では、「イドメネオ」は通常あまり上演される機会がなく、せっかくの機会、こわいもの見たさに観て来ましょうか?????
上演日は、9月12日(金)15:00、13日(土)15:00、14日(日)13:00、15日(月・祝)13:00となっています。

2014年3月18日のモーツァルトハウス(東京)

小山裕幾さん、フィンランド放送交響楽団入団が決まったそうです。
バーゼル音楽院に留学中のフルート奏者の小山裕幾さんは、この9月からフィンランドの名門フィンランド放送交響楽団への入団が決まったそうです。ヘルシンキ・フィルハーモニー交響楽団と並んでフィンランドを代表するオーケストラですね。ヘルシンキに居を構え、暫くは大学があるバーゼルとを行ったり来たりの生活になるそうです。おめでとうございます。どこかのオケに所属して活動したいとおっしゃっていたので、それが叶って本当によかったです。もっと高みを目指して夢を叶えて行きたいと、ご本人はまずこれを演奏家としての第一歩としたいと、話しているそうです。

今年9月にはふるさとの新潟県長岡に於いて、まずはそのお披露目リサイタルがあるそうです。地元の皆さんの期待が大きな励みになることでしょう。日本だけではなく、世界を代表するフルーテイストを目指して、まずは第一歩となりますように・・・。楽しみです♡♡

2014年3月17日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を、メト・ライブビューイングで♡♠
「メトロポリタン・ライブニューイング」は5/24(土)から5/30(金)までモーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を上映します。上演場所、時間等は下記のHPをご覧ください。

指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:レスリー・ケーニッヒ

出演:スザンナ・フィリップス(フィオルディリージ)、イザベル・レナード(ドラベッラ)、ダニエル・ドゥ・ニース(デスピーナ)、マシュー・ポレンザーニ(フェルランド)、ロディオン・ポゴソフ(グリエルモ)、マウリツィオ・ムラーロ(ドン・アルフォンソ)
上映時間(予定):4時間5分(休憩1回) MET上演日:2014年4月26日 言語:イタリア語

「コジ」はいつ観ても楽しいオペラ、ぜひ行ってみましょう。

2014年3月16日のモーツァルトハウス(東京)
「スタジオ・アマデウス」をご存知ですか?♡♠♡♠

スタジオ・アマデウスは、オペラ演出家鈴木敬介氏によって、1995年に建てられたオペラスタジオです。東急田園都市線:桜新町駅 徒歩7分の所にあります。以来ここから多くのオペラが巣立ってきました。
当時オペラのための充実した稽古場がなく、都内のみならず郊外を転々とし、その都度道具も片づけなければならず、歌手もスタッフも、大変な苦労をされて稽古に励んでいたそうです。それを解消するために建てられ、このスタジオでオペラ界発展の為に、若いアーティストを育成するのが夢だった鈴木氏はそれを果たせぬまま、一昨年他界されました。奥様である鈴木嵯峨子氏がその志を引き継ぎ、昨年、多くの方々の賛同を得てスタジオ・アマデウスに於いてのオペラ研究所「オペラアカデミー イン S.アマデウス」を設立しました。

鈴木嵯峨子さんが主宰して、こうして昨年発足した「オペラアカデミー S.アマデウス」、今期取り上げたオペラは、モーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」です。9月の本公演に向けて取り組んでいる「コジ・ファン・トゥッテ」を、本公演の「前期発表会」として、コンサート形式で、4/26(土)にここ「スタジオ・アマデウス」に於いて上演します。詳細は下記の通りです。

オペラアカデミー イン S.アマデウス 前期発表会(コンサート形式) W.A.Mozart「コシ・ファン・トゥッテ」よりイタリア語(字幕付き) 2014年4月26日(土) 開演午後2時 場所 スタディオ・アマデウス
出演 2013年度研修生
   Fiordiligi:相島 百子(ソプラノ)    :湯浅 桃子(ソプラノ)       Despina:別府 美沙子(ソプラノ)   :中本 椋子(ソプラノ)   Dorabella:吉田 貞美(メゾソプラノ)     Ferrando:清水 徹太郎(テノール)      :渡辺 大(テノール)   Guglielmo:大山 大輔(バリトン)    Don Alfonso:町 英和(バリトン)   コレペティトル:高瀬 さおり(音楽スタッフ)  
:高橋 健介(音楽スタッフ)
   :巻島 佐絵子(音楽スタッフ) 指揮:秋山 和慶  監修:森島 英子   一般2000円、学生1000円 申し込みは下記HPからできます。サポーター会員になって支援も出来ます。

スタジオ・アマデウスは鈴木敬介氏のライフワークとしていた「モーツァルト」の名を冠して命名されたそうです。アマデウスという名前だけでもご縁を感じ支援していきたくなりますね。又、演出付き、舞台装置をつけての本公演は9月7日(日)の予定です。

2014年3月9日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトの音楽はウイーンの街のよう・・・♡♠♡♠

TAMA音楽フォーラム レクチャーコンサート 「モーツァルトとウィーン」 講師:深澤亮子  15時開演 スタジオ・コンチェルティーノ

芸大を退官されて、ご自宅の一角に素敵なスタジオを建てられた岡山潔先生が、毎回世界の第一線で活躍の演奏家や作曲家・音楽学者を講師として迎え、セミナーを中心に活動している「スタジオ・コンチェルティーノ」。東京都町田市東玉川学園の緑に囲まれた場所にあります。今回はピアニストの深澤亮子さんをお迎えして、前半はモーツァルトピアノソナタ第10番ハ長調K330、幻想曲ニ短調K397、ピアノソナタ第11番イ長調K331(トルコ行進曲付)の演奏があり、後半は「モーツァルトとウィーン」というタイトルでお話してくださいました。

スタジオは2階席もあり、70人収容のホールです。

この日のお話は、具体的なピアノの奏法から、若くしてウィーンへご留学された時のお話から、モーツァルトにはどう向き合えばいいかなどなど、興味深いお話が続きました。印象に残ったのは「モーツァルトは技巧を凝らすよりもより自然に弾くこと、でもその自然が難しい、薄っぺらくならないように、それでいて技巧に走らず・・・奥深く理解していないととうてい弾くことはできない・・・」と、そして「ウィーンの街に似ていますね、モーツァルトの音楽は。バランスが良く取れていて、機能的で、センスがよくて、ウィーンの街はそんな計算しつくされているけれど、わざとらしくなくセンスに溢れた町・・・モーツァルトそのものです」とおっしゃいました。思わず同感。
最後はアンコールとして、ヴァイオリンの岡山先生とヴァイオリンソナタ ホ短調K304の演奏があり、ホール一杯に響きあったその音色は、それはそれは素敵な演奏で、夢見心地に聴きほれてしまった至福の時間でした。

途中にあった梅林。

2014年3月2日のモーツァルトハウス(東京)

古楽作品に生命吹き込む♡♠♡♠  ベルリン・バロック・ゾリステン with エマニュエル・パユ 2月26日サントリーホール 19時開演 

ベルリン・バロック・ゾリステンは、1995年にライナー・クスマウルとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者で創設した古楽アンサンブル。今回は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターをつとめたことがあるダニエル・ゲーテがヴァイオリン&ディレクターとして同行、フルート奏者はエマニュエル・パユという楽しみにしていたコンサートに行って来ました。

演目:J.Sバッハ ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050
    テレマン フルート協奏曲 ニ長調 TWV51:D2
    J.Sバッハ 管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV1067  他


サントリーホールの舞台上で、躍る様に巧みにフルートを操るエマニュエル・パユ。テレマンのフルート協奏曲では光彩を放つ名技を披露して絶賛されています。最後の管弦楽組曲では、これもパユが大活躍し、パユはフルートの持ち味をいかんなく発揮し、「聴くパユ」と「見るパユ」の両方の魅力を聴衆に見せつけてくれました。この日はほぼサントリーホールは満席。日本での人気の高さも見せつけてくれました。

当夜の演奏は、モダン楽器による古楽への取り組みの一つの可能性を極限まで突き詰めたものといえるだろう。「日経新聞 夕刊から」

2014年3月1日のモーツァルトハウス(東京)
浅田真央選手へ  I'm proud of you ♡♠♡♠

浅田真央選手のフリーの演技を録画したものを毎日観ています。演技が終わって真央ちゃんが天をみあげる最後の場面になると胸がいっぱいになり、必ず涙になります。未だにいつ観てもそこにくると毎回泣かされます。何と感動的なシーンだったことでしょう。未だに私は「ソチロス」でその感動を引きずっていて、まだ何だか落ち着いて物事を片付けられない状態です。この日のことも実は今日3月17日に書いています。ようやっとHPを何が何でも更新しないと~と、踏ん張ってパソコンの前に座りました。

日経新聞の3/1(土)の夕刊に、作詞家の阿木燿子さんが寄せている「あすへの話題」の記事が気に入りました。

「その瞬間、テレビを観ていた日本人の多くが悲鳴を上げただろう。ソチオリンピック、フィギュア女子ショートプログラムで浅田真央選手の結果が告げられた瞬間だ。まさかの16位。メダル獲得は絶望的な順位だ。私はテレビの前で絶句し、神様は何て意地悪なのだろうかと嘆いた。・・・・・・・・・・・・翌日のフリー。真央さんは最高の演技で、観客を、いや、世界を魅了した。滑り終わった直後、万感の想いが込み上げて来たのだろう。天を仰ぎ涙を流し、その後笑顔になった。その笑顔の何と美しかったことか。
最悪のショートから、最高のフリーまでの一晩。真央さんはどうやって心を立て直したのだろうか。。金メダル以上の感動をありがとう。いや、それじゃ足りない。こうも付け加えたい。I’m proud of you.日本人として、私はあなたを誇りに思います。
その言葉を私も心から贈りたい。I’m proud of you.日本人として、私はあなたを誇りに思います。

2014年2月21日のモーツァルトハウス(東京)
真央ちゃん、最後は最高の笑顔で♡♠♡♠

ソチオリンピックのフィギュアスケートが終わりました。私の中でソチはこれで終わりです。「団体戦」を皮切りに、男子シングル、女子シングルと続き、今朝の女子シングルのフリーまで、日本時間では真夜中の競技でしたがずーとテレビで応援して来ました。寝不足になりながら、たくさんの悔しさ、感動、涙がありました。真央ちゃんが最高の演技、最高の笑顔で終われたことが本当に良かった。4年前のバンクーバーでは銀メダルながら「自分の納得のいく演技が出来なかった」と、悔し涙を流した真央ちゃんも、このソチでは、結果はメダルもなく6位なのに、「満足する演技が出来た、自分の求めていた事が出来た、支えてくれた人に恩返しができた」と最高の笑顔でした。演技のあとにこらえ切れずに流した涙は、悔し涙ではなく、それはやり切ったう嬉し涙で、どれだけの日本人がこの涙を見て一緒に涙したことでしょうか。この時の瞬間視聴率は深夜1時なのに19%だったとか。

「金」メダルに輝いた羽生選手はなまじな言葉では称えられない程、心技体全てにおいて素晴らしかったし、高橋選手も引き込まれる、感情のこもった高橋選手でなければできない世界を演じきりました。振り返ると同じ6位でメダルこそなかった真央ちゃんと高橋選手も金色に輝くメダル以上のものを、私たちに届けてくれました。今後引退すると、この2人の演技がもう見られなくなると思うと、寂しくなります。

フィギュアスケートは、最高の芸術作品。スポーツでありながら、スポーツではない。音楽、振り付け、そして技、それぞれがバランスのとれた総合芸術に思えます、それが美しく、得点にもつながるプログラムを完成させた時に、私たちは選手に最高の賛辞を与え、そして感動するのです。オペラの演出家と同じく、振付師さんの名前もちゃんと出すべきではないでしょうか。。

それにしても、ショートでまさかの失敗をして16位。誰しもがフリーを演じきれるのだろうかと案じた24時間後には、ロシアの作曲家、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番に乗って、別人のように冒頭のトリプルアクセルを決め、次から次と6種類の3回転を決めて行った真央ちゃん
バンクーバーから4年、「バンクーバーでは自分の演技が出来なくて悔しかった、ソチは自分の集大成、最高の演技で終わりたい」と言い続けてきて、それを成し遂げた真に強いその姿に、メダル以上のものを私たちは貰った気がします。よく頑張ったね!!感動を有難う♡♡

2014年2月18日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトさんにもチョコレートを♡♠♡♠

連日、ソチオリンピック観戦しています。。。。

羽生選手、金メダルおめでとう!!!

2014年2月13日のモーツァルトハウス(東京)

ボローニャ歌劇場フィルハーモニーの芸術監督に日本人が♡♠♡♠

国際的に活動しているオペラ指揮者吉田裕史さん(45)が、イタリアのオーケストラ「ボローニャ歌劇場フィルハーモニー」の芸術監督に就任することことが11日、分かった。文化庁関係者によると、同国の著名なオーケストラで、日本人が芸術監督に就くのは初めてという。(日経新聞2014.2.12.朝刊より)

2014年2月12日のモーツァルトハウス(東京)
オーストリア国歌、真の作曲者は・・・・
始まったソチ冬季オリンピック、スノーボード男子ハーフパイプで、10代の二人がソチの夜空に次々と舞い、日本に待ちに待った初メダルをもたらしてくれました。感激しましたね。何度見てもこの二人の物怖じしないで、この大舞台で果敢に自分の出来ることに挑戦し、発揮できたその姿に誰しもが拍手を惜しまなかったですね。「緊張しなかった」「気持ちよく、楽しめた」というのにも、若さっていいなと思いますね。段々それが出来なくなるのですよね、悲しいことに・・・。

さて、ようやくこの二人が表彰台にのり、表彰式もテレビで放送されるようになってきました。そこで気になるのが、各国の国歌ですね。オーストリア国歌は以前この頁でも書きましたが、モーツァルト作曲の小カンタータ「我らが喜びを高らかに告げよ」K623とだといわれています。この作品はモーツァルト最晩年、「全作品目録」に記録した最後の作品にあたります。すなわち、モーツァルトが確固としてた意識を持って完成した最後の作品です。フリーメイスンの為に書かれ、また作詞は同じフリーメイスンの盟友のひとりであった「魔笛」の台本作家のシカネーダーです。

しかし、このオーストリア国歌、近年の研究では真の作曲者としてヨハン・ホルツァー(1753~1818)の名前も挙げられています。タイトルは「山岳の国、大河の国」、作詞はプレーラド・ヴィック」とされています。
オーストリアの国歌の歴史は18世紀後半までさかのぼり、その後辿るヨーロッパの歴史と共に、幾多の変遷を経ることになります。

オーストリア国歌は本当にモーツァルト作曲のものなのか?この疑問を海老澤先生にお尋ねしようと思っていた2/8の講座が雪の為休講となってしまいました。。。次回22日にはぜひともお聞きしたいです。

2014年2月11日のモーツァルトハウス(東京)

お誕生日はモーツァルトヴァイオリン協奏曲の日 ♡♠

今日は建国記念日です。。この日お誕生日を迎える人が我が家にはいます。先日3日早く、大荒れのお天気の中でお誕生会をしましたが、今日で6?歳を迎えます。

周りにお誕生日が10月生まれや8月生まれの多い中、2月11日、K211のケッヘル番号になれる羨ましい人です(勝手にお誕生日をケッヘル番号に置き換えているだけです。モーツァルトキチとお笑いください)。K211は、モーツァルトヴァイオリン協奏曲の第2番で、モーツァルト19歳の時にザルツブルクで作曲されました。ヴァイオリン協奏曲というと3番から5番までが特に有名で、演奏されることが多いですが、1番、2番も聴いてみると好きになる良い曲です。今日はこの日にちなんでK211のCDを聴きながら、この曲が出来た背景などを調べてみたりしています。

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲は5曲ありますが、そのうち4曲は1775年6月から12月にかけて、故郷ザルツブルクで作曲されています。ニ長調K211(作曲日:6月14日)、ト長調K216、ニ長調K218、イ長調219の連作で、モーツァルトの代表作になっています。1番変ロ長調K207だけが最近の研究で「1773年」の作とされています。この1番変ロ長調の作品から、ちょうど2年以上経ってに完成されるこの一連の協奏曲の自筆譜には全て完成年月日が記されています。何のために、誰のために作曲されたものかはわかっていないそうです。
フランス的な優美なギャラント・スタイルを用い(第2楽章がオペラ・アリアのようなメロディーを持つこと、終楽章がフランス式のロンドで、中間部に短調部分を持っている事等)、若きモーツァルトが、実り豊かな旅の経験を生かし、更に故郷ザルツブルクでの音楽体験を反映させ、次へ大きく芸術家として羽ばたこうとする19歳のモーツァルトの姿がそこにあります。

ピアノ協奏曲は、1773年(17歳)から1791年(死の年)にわたって、連続的に書かれています。それなのになぜヴァイオリン協奏曲はこの時期に集中し、その後モーツァルトは書かなかったのでしょうか。特定の演奏家の為に作曲する事が多かったモーツァルトにとって、そのような関係の人がいなくなってしまったのが一つの要因なのか、わかりません。、自分自身か、または、当時、ザルツブルクのコンサートマスター、ブルネッティのために書かれたとも言われていますが・・・。

海老澤先生は、いわゆる「ザルツブルク協奏曲」についてこう述べています。これらのヴァイオリン協奏曲が私たちの関心を捉えるのは、その急速な発展過程であろう。第1番から第5番までの道程は古典派ヴァイオリン協奏曲の成熟の姿の活写ともいえるものである。「モーツァルトの生涯:白水社より」
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲は教材的にも優れていて、コンクールの課題曲になることも多いですね。世界のの三大教則本のひとつになっている「ヴァイオリン教則本」は父レオポルがつくったものです。モーツァルト自身もヴァイオリンは得意だったはずだし、ヴァイオリンソナタを42曲も作ったモーツァルトなのに、なぜウイーン時代に協奏曲には手をつけようとしなかったのでしょうか・・・。

2014年2月9日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトヴァイオリンソナタに挑む~フルートリサイタル 紀尾井ホール 14時開演

ピアニスト菊池洋子を迎えて、フルーテイスト高木綾子がモーツァルトのヴァイオリンソナタに挑戦しました。モーツァルトの曲はヴァイオリンソナタに限らず、プロの演奏家にとって大変難曲であることを感じさせられました。勿論楽器の違いによるアンサンブルの難しさに加えて、特にメロディ―がシンプルなフレーズに入ると、音のつながり・モーツァルト独特の軽やかなテンポ・天上を駆け巡る様な喜びを表現することが、如何に難しいのか痛感させられます。フルートの楽器で難しいとされている、滑らかで歯切れの良い(タンギング)高音部の奏法もひとつのポイントになって来ますが・・。ともあれ、多くの演奏家が躊躇する中、、フルートでヴァイオリンソナタに挑戦したことは、称賛されるべきことと思います。そして共演者は、2008年モーツァルト国際コンクールにおいて日本人として初めて優勝し、その後もモーツァルト弾きとして定評のあるピアニスト菊池洋子を迎えたことで、とても聴きごたえのあるコンサートになっていました。

《演目》
モーツァルト:ソナタホ短調K304(原曲 ヴァイオリン・ソナタ第28番)
モーツァルト:ソナタニ長調K306(原曲 ヴァイオリン・ソナタ第30番)
モーツァルト:ソナタイ長調K526(原曲 ヴァイオリン・ソナタ第42番)
その他フルート・ソロ邦人作品

フルート:高木綾子
ピアノ:菊池洋子

2014年2月8日のモーツァルトハウス(東京)

25年ぶりの大雪!積雪20㎝以上にも

都内は朝から雪が降りやまず、お昼前から一面雪景色に!気温もあがらず震え上がってしまう寒さです。今もまだ降り続いて、これから暴風雪になるそうです。こんな悪天候で、3時半からあった海老澤敏先生のモーツァルトの講座も休講になってしましました。

夜予定していたお誕生日の会を昼に急遽変更して午前中に「うなぎ石ばし」へ。江戸川橋から歩いて7.8分の明治43年創業の、ミシュラン一つ星の知る人ぞ知る「鰻」の老舗です。お客の顔を見てから、やおら鰻をさばきはじめるのですから、待つこと1時間以上、もしコース料理だとたっぷり2時間はみないといけません。スピード時代の現代でも、こんなお店がまだあるんですね。。

お昼のコースはこれに最初ざる豆腐が付きます。


11時半に席に着き、待つこと1時間以上、やっと待ちに待った白焼き(醤油、わさび付き)が出てきました。その後主役の蒲焼が登場。ふわっとした鰻に絶妙のたれ、そして程よくたれがしみ込んだよく炊き上がったご飯・・・待たされただけに美味しさもひとしおです。茶わん蒸しは、えび、かにが入りゆずの香りをきかせた上品なお味こんな悪天候の中でも、椅子席の空くのを待っているお客さんが何人もいらっしゃいました。
3時半からの講座に間に合うように朝日カルチャーセンターへ。着いたら休講の知らせ。このお天気ならと納得して帰って来ました。

帰るころには雪も激しくなって、歩くのもやっと。冬場は鰻に油が乗って一番おいしい時期だそうです。美味しい鰻を食べ、温まったお腹も心も、帰りは東京とは思えないこんな風景に震えあがってしまいました。明日は晴れることを祈って・・・・。(写真は東高円寺:蚕糸の森公園の雪景色です)

2014年2月6日のモーツァルトハウス(東京)

パンフレットが届いています♡♠♡♠

秋には今年もまた、モーツァルトのコンサートが大阪:いずみホールであります。昨年に続く、モーツァルトの生涯を3年に分けて辿る磯山雅先生の壮大な企画の2年目です。「モーツァルト飛翔する精神 2013克服」に続き、今年のテーマは「2014充溢ウイーンⅠ」というもの。充溢したウイーン時代(1781-1786)の作品を取り上げて演奏されます。オペラ「フィガロの結婚」やセレナード「グラン・パルティ-タ」、交響曲「リンツ」「プラハ」、ピアノ協奏曲第15番、23番などなどプログラムは魅力的過ぎます。公演会場が大阪:いずみホールなのが何とも恨めしいですが、大阪城のある大阪城公園という深い緑に隣接されたいずみホール。そこで聴くモーツァルトの魅力も捨てがたいです。一度はまたモーツァルトを聴きに出かけてみたくなります。演奏者も一流の面々です。

軽井沢大賀ホールから届いた「春の音楽祭」のパンプレット。4/27~5/6のゴールデンウイーク期間のものです。

今年も早いもので一月が過ぎました。2月はソチオリンピックで大騒ぎしているうちにあっという間に終わってしまいそうです。ショッキングなニュースもありましたが、フィギュアスケートの選手、特に高橋大輔選手には、余計なことは考えずに、演技の表現力に全てを掛けて、独自の素晴らしい世界をみせてあっと言わせて欲しいです。ガンバレ!!!

2014年1月27日のモーツァルトハウス(東京)

「日本モーツァルト協会」1月例会はモーツァルトの誕生日♡♠♡♠

《シュタードラーに捧げた最後の奇跡》
チャールズ・ナイディック指揮&クラリネット、東京フィルハーモニー管弦楽団、
演目:弦楽のためのアダージョとフーガ ハ短調K546、交響曲第21番イ長調K134;交響曲第27番ト長調K199、クラリネット協奏曲イ長調K622   2014年1月27日18時45分開演  会場:東京文化会館小ホール

この日モーツァルトのお誕生日でもあり、また今年初めての例会という事もあって、会場である東京文化会館小ホールはほぼ満席。圧巻はやはりこの日最後に演奏された「クラリネット協奏曲」。名手チャールズ・ナイディックのふくよかで柔らかなバセットクラリネットの極上の音色に、東フィルのオケが絶妙に溶け合って、モーツァルト最期の協奏曲の円熟した世界に我々を誘ってくれました。特に第二楽章(アダージョ)は、目をつぶって聴いていると天国を思わせる音楽に思えました。この世の薄汚いいざこざ、ぐち、不平などが何とちっぽけな意味のないことか・・・。心が洗われるような思いでした。音楽の素晴らしさですね。モーツァルトの音楽は常に人間としての生きる道をおのずと示してくれる、そんな心を豊かにしてくれるタブレットのような気がします。

アンコールとして演奏されたクラリネット協奏曲のアダージョ。
モーツァルトの友人名クラリネット奏者アントン・シュタードラーの存在によって大傑作クラリネット五重奏曲や死の年の奇跡としてこのクラリネット協奏曲が生まれたのです。田辺秀樹先生の弁では、モーツァルトは特に下降するメロディが美しいそうで、この曲のアダージョのテーマはその典型なのだそうです。あまりにも美しく叙情に満ちたメロディに、聴く者が天上の世界にいざなわれたようでした。

2014年1月26日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルト258回目のお誕生日前日♡♠♡♠

1月27日はモーツァルトさん258回目のお誕生日。明日がその日です。

8年前の2006年、モーツァルト生誕記念コンサートをザルツブルクの祝祭劇場で聴いたのも1月26日この日でした。丁度この時にオーストリアは欧州連合理事会の議長国になっており、モーツァルトの誕生日の1月27日にEU理事会が開かれ、欧州主要国の政治家がここザルツブルクに集まりました。これらのMVPが生誕記念コンサートに参加したために、私たち旅行客はチケットが取れず、前日のゲネプロの鑑賞となったのです(後でそれは聞かされた話・・)

この会議の内容は、後に、愛好会でこのツアーに共に参加された草壁孝也さんが教えて下さいましたが、「ヨーロッパの音」と題されていたそうです。何やらモーツァルトさんと関係ある内容のようですね。
議長であるヴォルフガング・シュッセル首相の演説では、ヨーロッパ憲章とモーツァルトを結びつけて各国の首脳に訴えたようですが、無理やり政治とモーツァルトを結びつけても賛同はあまり得られなかったようです。

「戦中・戦後の音楽の政治利用」というタイトルで、日経新聞書評にエリック・リーヴィ-著:白水社「モーツァルトとナチス-第三帝国による芸術の婉曲-」について、音楽学者:岡田暁生氏がこう書いています。
「興味深いのはむしろ、、戦後オーストリアによるモーツァルトの、ほとんど恥知らずな政治利用である。---------オーストリアの多くの都市が、実際はナチズムの巣窟であったたにもかかわらず、である。モーツァルトの音楽は、まさにそのコスモポリタニズムの故に、戦後オーストリアが「自分たちはナチスとは違う」というポーズをとるための金看板として、利用された。国境を超えたオーストリア的友愛のシンボルへと、奉られ始めたのである。政治による文化利用ほど度し難いものはない。」政治に翻弄されたのですね、モーツァルトは。

2006年1月26日、ザルツブルク祝祭大劇場での「モーツァルト生誕記念コンサート」は、ムーテイ指揮、ウイーンフィルによる、勿論オールモーツァルトプログラム。ピアノ協奏曲のソリストに選ばれたのは内田光子で、日本人として誇りに思いましたし、「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」はギドン・クレーメル(ヴァイオリン)とユーリ・バシュメット(ヴィオラ)の素晴らしい演奏、そしてトーマス・ハンプソン(バリトン)、チェチーリア・バルトリ(メゾ・ソプラノ)による 「どうしてあなたをわすられようか」「彼をふりかえりなさい」「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」オペラ「フィガロの結婚」より「こっちの勝ちだと」オペラ「ドン・ジョバンニ」より「手を取りあって」などに酔いしれました。

この日、祝祭大劇場を埋めた観客は誰しもが「モーツァルトとナチス」やこの日のEU理事会等とはなんら関係なく、むしろモーツァルトの音楽さえ聴いていれば、世界は平和だと信じることが出来る記念すべき一夜だったのです。

もう8年も前になったのですね・・・・。感動が蘇ります。モーツァルトの旅「生誕250年記念の旅」に詳しく載せています。

2006年、ドレスデン:ゼンパーオパーの前で、ツアーの皆さんと・・・懐かしい写真です♡♠♡♠

2014年1月22日のモーツァルトハウス(東京)

吉野弘さん死去

「祝婚歌」などの詩で知られる詩人の吉野弘(よしの・ひろし)さんが15日午後9時48分、肺炎のため静岡県富士市の自宅で死去した。87歳。山形県出身。葬儀・告別式は密葬で行った。喪主は妻喜美子(きみこ)さん。 石油会社に勤める傍ら、川崎洋さんと茨木のり子さんが創刊した詩誌「櫂」に参加。谷川俊太郎さん、大岡信さんらと交流した。30代半ばに退社してからは、コピーライターに転じた。 在職中に携わった労働運動体験に根ざした詩を発表。平易な言葉で人々に呼び掛けるような詩は、他者への柔らかいまなざしに満ち、日常にある不条理をすくい取った。(共同通信1月20日)

「祝婚歌」「夕焼け」「奈々子へ」などの詩を残した吉野弘さん、大好きな詩人の一人でした。山形県酒田市ご出身の方でした。「祝婚歌」はいつの頃からか、いつも口ずさんでいました。「夕焼け」は自分を投影しているようで、吉野さんを身近に感じたりしました。今回ニュースで奥様のお名前が喜美子さんと知りました。お名前が自分と同じだけではなく、字も同じと言うのはめったにないことです。

祝婚歌をここに紹介して、心からご冥福をお祈りしたいと思います。


祝婚歌  吉野 弘

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうが
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい

2014年1月22日のモーツァルトハウス(東京)

2014/2015 ラインアップ発表!

新国立劇場の2014/2015シーズンのラインアップが発表されました!オペラ次期芸術監督に決まった飯守泰次郎氏、次期舞踊芸術監督は大原永子氏、新しい芸術監督のカラーが打ち出された新制作を含むオペラ、バレエの数々です。注目は何と言っても、モーツァルトのオペラ。今期はモーツァルトのオペラでは「ドン・ジョバンニ」が10月に上演されます。
タイトルロールは新国立劇場で「コジ・ファン・トゥッテ」「こうもり」に出演し、幅広い表現力が魅力のアドリアン・エレート。レポレロ役は新国立劇場「フィガロの結婚」でフィガロとアルマヴィーヴァ伯爵の両方を好演したロレンツォ・レガッツオ。ドンナ・アンナ役は同役でアバドやハ-ディングとの録音もあるカルメラ・レミージョが新国立劇場初登場。昨年「コジ」でフェルランド役で注目を集めたパオロ・ファナーレが、ドン・オッターヴィオを歌います。指揮は重鎮ラルフ・ヴァイケルトが新国立劇場3回目の登場となります。演出はグリシャ・アサガロフ。

公演日は、10/6(木) 10/19(日)、10/22(水)、10/24(金) 10/26(日)。2:00開演は10/19(日)、10/22(水)、10/26(日)、その他は6:30開演。
ぜひ行きましょう。

2014年1月21日のモーツァルトハウス(東京)

心の底からゆるしをこいたくなる音楽とは・・・・

加藤恕彦さん著「ではまた」の余韻がまだ続いていますが、著者がモーツァルトの「クラリネット・クインテット」を聴いた日の事をこんなふうに手紙に書いています。

「演奏のほうはくり返しまちがえたりしていましたが、それにもかかわらずほんとうにすばらしい演奏でした。他の弦4人がクラリネットによりそうように、そしてクラリネットがみなを暖かくつつみこむように・・・・。まだ若いのにほんとうに邪心のない、つつしみ深く、いつくしみと愛とにあふれたけんそんな人だということがにじみ出て、ほんとうに涙を流しつつききました。何か心の底から「ごめんなさい」とゆるしをこいたくなるような音楽でした。モーツァルトをひくには何よりもこの心境が必要だと思い、またこんな音楽がしばしばきけるのをたいへん幸いに思いました。」1958年11月21日<この心境>より

著者がランパルのなまを初めて聴いた日でもありました。この日ランパルのフルートの曲と一緒にこの「クラリネット・クインテット」が演奏されたのでしょう。
2014年1月18日(土)、ルーテル市ヶ谷に於いて「日本モーツァルト愛好会」の例会がありました。この日最後に演奏された曲もこの「クラリネット・クインテット」でした。日本を代表する名演奏家(岡山潔弦楽四重奏団)による弦と、名手四戸世紀さんのクラリネットの響きは、新年の始まりに相応しい、集まった会員の心の奥ににしみいるものでした。

「弦4人がクラリネットによりそうように、そしてクラリネットはみなを暖かく包み込むように・・・。」モーツァルトは慈しみの愛にあふれた音楽なのだと感じます。そしてこんな音楽を聴ける私たちは幸せなのだと思います。でもしかし、加藤恕彦さんの演奏するなまのモーツァルトを聴くことが出来なかった私たちは本当に不幸だと思いました。せめてセルボに建つ墓地を、いつの日かお参りしたい・・・・・。

2014年1月20日のモーツァルトハウス(東京)

「ではまたは天国での再会を約する言葉・・・・。

加藤恕彦さん著「ではまた 愛と信仰に生きた若き音楽家の手紙」をお借りして読んでいます。「アルプス山嶺に消ゆ」や「留学日記」は読んで知っていましたが、「ではまた」という本の存在は知りませんでした。改めて加藤さんの芸術への愛、それを見守る親の愛、このふたつの愛がいっぱい溢れたたくさんの手紙を読んでいると、その世界がなんと美しく天国のように思えることかと、「序」に書かれた田中澄江氏の言葉がすんなりと心に収まります。読み進めるのは、悲しい結末があるのを知っているから辛いながら、何と人間として気高く生きられたのだろうと清々しい気持ちにさせられながら、この世から去ってしまったことへの限りない寂しさ、切なさを感じます。

巻末にあるご両親の加藤元彦さん、静枝さんの文章によれば、「アルプス山嶺に消ゆ」に載っている以外の手紙を見られた田中澄江氏が、もう一冊手紙集を出版するよう聖パウロ女子修道会に推挙されたのだそうです。また私共として一言ふれておきたいこととして、手紙と言うものは個人的なものであって出版などすべきものではないことは私共も十二分に心得ているが、それをあえてするには多少の理由があるとして、「恕彦が渡欧する時、手紙はつとめて書きなさい、それもただ通りいっぺんのものでなく、他日、もし自分の欧州観とか、音楽論、さては信仰問題などまとめてみようと思うような時に材料になるようなことを書くとよい。そんな気があるならば大切に保管しておいてやるよと約束した。もちろん忙しい留学生活に手紙などなかなか書いて来ないだろうと内心思っていたところ、案に相違して留学中に実に2百数十通の手紙を両親あてに書いて来た。そして1963年に私共がかの地に恕彦夫妻を訪ねた時、話がたまたま手紙のことになり、ママは君の手紙を切手一枚はがすことなく保存しているよと言ったら、ぼくも家からの手紙はちゃんとこんなにしまってある。そんな価値はあるかどうかはわからないが本になるねとかれはいった。このような意味でかれの手紙が出版されることについては、かれ自身もそれほど不服ではないような気もするし、またこういう青年がいたことをだれかひとりでも知ってくれればと思って、あえて出版した次第である」としています。

内容は、第一章 羽田出発からコンセルバトワール入学まで(1958年9月~同年11月)、第二章 コンセルバトワール時代(1958年11月~1961年3月)、第三章 モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団(1961年6月~1963年8月)となっていて、各章ごとに田中氏自らの解説もあり、その文章は田中氏の著者への深い信頼、尊敬の溢れるものになっていて、読む者の心を更に揺さぶります。
音楽家、信仰者としても一流ながら、人間としても何と気高く崇高な方であったのか・・・・。読んでいる自分が粗末すぎてこれでいいのか、精一杯おのれの人生を全うしようとしているのかと、問うてしまいます。
「ぼくは要するに人生の価値判断の基準は自分自身のうちにしか存在しえないように思えるのです。自分が最善をつくしてみた結果が世間的に立派なものでなくても、それで美しいと思うのです」1962年2月10日の母への手紙より

モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団に入団した折に、両親をヨーロッパに呼ぶための資金として毎月5万円ずつの貯金を決め実行し、その2年後にその旅行は実現されました。
二か月半にわたる両親のヨーロッパ旅行は、著者の両親に捧げて最高にして最後のプレゼントになりました。その楽しかったヨーロッパ旅行から帰ってわずか一か月半後の8月24日の夜、ロイター通信社からの外電を受けた共同通信社からの電話で、このまだ楽しみ冷めやらぬ両親のもとに悲報は届けられたのです。

「では また」で最後の手紙は終わっています。
「いつものように彼は書いた。だが、それが天国での再会を約すことばになろうとは・・・・。残された者にとって、言いようない悲劇だった。しかし、短い年月を、かくも充実して生きたふたりにとっては、はかないこの世の名声を越えて、天上の栄光の舞台に上る門出ではなかったか」~背表紙から~

このご本を朝吹さんからお借りして読ませて頂きながら、手元に置いておきたい希望が募り、アマゾンなど古本を探してみました。20倍の値がついているのはともかくとしても、汚れや傷、、黄ばみなど痛みが激しいものがほとんどで、買うのをやめました。が、朝吹さんはきれいに読まれていて、我々二人して読んでしまって、借りた時と同じ状態でお返ししなければ申し訳ないと思いました。次第に歳月が経ち忘れられ行くかもしれないと思うにつけ、このような貴重なご本をこれからも大切にされ、読み継がれて行く事は、加藤さんご一家にとって、この上ないお幸せなことではないかとしみじみ思いました。加藤さんのご実家の近くにお住まいの朝吹さんは、恕彦さんのお姉さまのご消息をいつも案じていらっしゃいます。

2014年1月14日のモーツァルトハウス(東京)

フィガロと歌舞伎??
「《フィガロ》を礼拝堂風のホールで歌舞伎に」

「徳島県鳴門市の大塚国際美術館内にあるシスティーナ・ホールで2月14日~16日、新作歌舞伎「満月阿波噺(まんげつ あわのよばなし) フィガロ」(6回公演)が上演される。2009年から行われている「システィーナ歌舞伎」の5回目で、3年連続出演となる片岡愛之助はじめ上村吉弥、中村壱太郎らが出演する。同ホールはバチカンのシスティーナ礼拝堂を原寸大で立体再現したもので、ミケランジェロが描いた天井画や正面の壁画「最後の審判」も陶板に原画の写真を転写して再現されている。この特殊な空間で上演された「伽羅紗(がらしゃ)」や「石川五右衛門」は他劇場で再演されている。今回は、恋人に横恋慕する伯爵を夫人と共に懲らしめる従者フィガロを主人公にしたオペラ「フィガロの結婚」をモチーフに創作する。1作目から作・演出を手掛ける水口一夫は「モーツァルトの名曲をいかに歌舞伎にするか。弦楽四重奏やチェンバロの音に歌舞伎の下座を組み合わせたり、役者にも歌ったりしてもらう。毎回、空間をどう使うか苦心するが、今回は花道を使う」と話す。愛之助も「どれだけ引き出しを持っているか試されるが、挑戦する楽しさがある。もちろん歌います。これからも再演できる作品を創っていきたい」と意欲を見せる。」日経新聞(2014年1月14日夕刊)『文化往来』より

徳島県の鳴門市にシスティーナ・ホールがあることを初めて知り、驚きました。そこでモーツァルトの「フィガロの結婚」を歌舞伎役者が演じようとしているのです。モーツァルトの音楽は時代を超え、ジャンルを超えて生き続けている音楽なのかも知れません。。。観てみた~い。
この公演、徳島県鳴門市、大塚国際美術館内、システィーナ・ホールにて、2月14日~16日、全6回公演です。

2014年1月11日のモーツァルトハウス(東京)

「私の履歴書」に懐かしいお名前が・・・・

日経新聞の「私の履歴書」に指揮者:小澤征爾氏が登場しています。8回目(2014.1.9)に加藤恕彦さんの名前が出てきました。

「とにかく、ヨ-ロッパへ行こうとフランス政府給付留学生の試験を受けた。僕と、桐朋オーケストラのフルートで弟分の加藤恕彦が最終審査に残った。語学ができて優秀な加藤が受かり、ぼくが落っこちた。羽田で見送るのはまた僕だった。パリ国立高等音楽院に入った加藤から届く手紙を読んではジリジリした。・・・・・・・・」

今後小澤さんはまた加藤さんの事に触れるのだろうか・・・興味の涌くところです。

加藤恕彦さんとは・・・・1937年東京に生まれる。11歳の時、林リリ子についてフルートを習い始める。1950年、慶応義塾高校普通部に在学中の頃、NHKのオーディションに合格、斎藤秀雄氏指導の「桐朋学園オーケストラ」に参加。1958年慶應義塾大学文学部英文科を2年で中退後、世界的に権威あるパリ・コンセルバトワールフルート科に留学。在学中‘黄金の笛の魔術師‘ジャン・ピエール・ランパルに認められ、異例の知遇を受けた。
1960年フルート科第1位首席で卒業。同年世界のトップ・クラスが集まる、「ミュンヘン国際コンクール」で第2位に入賞した。。さらに翌年、伝統あるモンテカルロ国立歌劇場管弦楽団首席フルート奏者に迎えられた。
演奏ごとに絶賛をあび、全ヨーロッパの音楽批評家から「若き天才の誕生」とさわがれた。しかし彼のめざましい成長は、天分に負うだけでなく、妻マーガレットの陰ながらのはげましがあったからである。彼女は、彼と同じく、コンセルバトワールでオーボエを勉強していた。彼は、はじめて会った時から、彼女の上品でしとやかな人柄に強く魅かれた。
5年間の恋がみのって結婚した二人には、洋々たる前途が開けているかに見えた。しかし半年後の1963年夏、悲劇はおとずれた。アルプスに登った二人は人々の前に、二度と姿を現さなかったのである。加藤恕彦26歳、愛妻マーガレットの遺体は未だ発見されていない。共に悲しい運命であった。

※故加藤恕彦・マーガレット夫妻の死を悼み、輝かしい才能を記念するためにパリ・コンセルバトワールには「加藤恕彦・マーガレット賞」が制定されているそうです。

2014年1月6日のモーツァルトハウス(神戸)

最終日は神戸へ♡♠♤

三宮駅から700mの東遊園地にモーツァルト像があります。没後200年(1991年)に全国有志の協力によって建設されたものだそうです。

「神戸モーツァルト」はウイーン菓子のお店。20年以上も前からやっているそうです。モーツァルトの「クラリネット協奏曲」「フィガロの結婚:序曲」や「トルコ行進曲付きピアノソナタ」の楽譜がお菓子に巻かれています。内装もモーツァルトグッズが並んでいて、私たちも嬉しそうですね。

新しい年2014年の幕開けに相応しい京都、神戸を満喫した旅でした。「日本に、京都があってよかった」まさにそういった気分でした。京都はいつ訪れても、何度訪れても期待を裏切らない奥深さと魅力を持つ古都といえます。飽きない魅力と、品格さはモーツァルトと共通している点かも知れませんね。

また訪れる日を楽しみに・・・。

2014年1月5日のモーツァルトハウス(京都)

京都二日目は・・・大徳寺~今宮神社~哲学の径~永観堂~南禅寺~祇園

北区紫野にある今宮神社、疫病を鎮圧のために創設された御社としてよく知られていますね。そしてあぶり餅でも有名です。参道両側に二軒のあぶり餅やさんがあって、いつも行列になっています。今回は右側の「あぶりや」さんで「あぶり餅」を食べました。たれが秘伝なんでしょうね、香ばしく焼かれた餅と、白みそ、黄粉等のたれとのハーモニーが何とも美味しい・・・・ここに来たらやっぱり食べないと・・・♡♠♤

南禅寺の「奥丹」で湯豆腐を。今の時期は夕方5時には閉まってしまいます。

ぎおん小森で「わらびもちぜんざい」を。(白川に架かる赤い橋を渡るとすぐ右手にあります)白川南通りを夜そぞろ歩くと、京都祇園の独特の風情が・・・・。


ワンランク上のホテル「京都オークラ」。イタリア人設計の重厚な佇まいです。17階のレストランでの朝食は眺望抜群です。

2014年1月4日のモーツァルトハウス(京都)

古都京都は魅力的な町・・・「日本に、京都があってよかった」。「ここに来なければ、今ごろ何してた?」「きっと、こたつでうたた寝してた」今回京都を訪ねて目についたポスター。言い当ててますね。京都に来た気分を・・・。

 京都市では,「国家戦略としての京都創生」の機運を更に盛り上げるため,京都創生の担い手である市民の皆さんと全国の京都ファンに向けて,京都の情景等を使用し,京都が日本の財産,世界の宝であることをアピールするポスターを作成しています。そのキャッチコピーが「日本に、京都があってよかった。」

又、JR が京都旅行へ誘う宣伝文句は「ここに来なければ、今ごろ何してた?」「きっと、 こたつで、うたた寝してた」

お正月気分をそのままに、京都2泊3日の旅に出かけました。今回の大きな目的は京都のお正月を楽しみつつ、神戸の「モーツァルト像」と「神戸モーツァルト本店」を訪ね歩くこと。

清水寺の賑わい
大好きな「石塀小路」で。右は八坂神社

京都タワーもお正月の装いに。ホテルグランヴィアのロビーはお正月の飾りが綺麗。

2014年1月2日のモーツァルトハウス(東京)

A Happy New Year!

皆様のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます  今年もモーツァルトと共に過ごす日々を楽しみに・・・・・・。どうぞ宜しくお願い致します。

2014年1月4日の富士山(新幹線の窓から)

2013年12月27日のモーツァルトハウス(東京)

今年最後に寄せて・・・・

今年は、色いろな場所でモーツァルトの音楽を楽しんだ年と言えます。
3月にはモーツァルト「フルートとハープのための協奏曲」が新潟市民芸術文化劇場(ユートピア)で演奏されるという事で、新潟市へ、6月には昨年以来2度目となるびわ湖ホールへ。「フィガロの結婚」の上演があったからです。9月には大阪シンフオニーホールでのモーツァルト「フルート協奏曲」を聴きに大坂に出かけました。10月には、これはモーツァルトではありませんでしたが京都神護寺での、生まれて初めてとなった鎮魂のための声明と音楽とのコラボを体験しました。そして11月は大阪いずみホールでの「フルートとハープのための協奏曲」を聴くべく再び大阪に。フルートの小山裕幾さんを応援しているからというだけではなく、小山さんが演奏するモーツァルトと言う今を聴きたかったし、その機会を貴重なものと思えたからです。その間にも、富山県宇奈月温泉での「宇奈月モーツァルト音楽祭」や、山梨小淵沢での「リゾナーレ音楽祭」などを通して、色いろな方たちと音楽の絆を深めることが出来た充実した年でもあったともいえます。

来年には年明け早々、京都から神戸に出かけてきます。京都のお正月は以前に行っているので、今回は神戸にも足を伸ばして、神戸市東遊園地に建つ、「モーツァルト像」を観てこようと思っています。実は以前からとても気になっていたのです。そして、その後は「神戸モーツァルト本店」に寄り、(モーツァルトのお菓子を焼いているお店です)この音楽家の名前を冠しているお店に敬意を表して来たいと思っています。1/4~の京都2泊3日の「ミニモーツァルトツアー」です。きっと新たな発見や感動があることと思います。

♪ 神戸東遊園地に建つモーツァルト像。
「この像は、偉大な音楽家W.Aモーツァルトを追想し、没後200年記念として全国有志のご協力により建設されたものです 1991.11.2」この様に記されている記念碑


迎える新年もまた、モーツァルトを基軸に皆さんと更なる「絆」が深くなればと願っております。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
新年が皆様にとってより良い年でありますようにと願いつつ、今年のMozarthouse Newsはこれで終わりです。来年お一人お一人にまたお会いできる日を楽しみにしています。

2013年12月20日のモーツァルトハウス(東京)

この日の雪をかぶった富士山


「メルク修道院」のお土産として頂きました。お洒落な入れ物です。

2013年12月14日のモーツァルトハウス(東京)

弦楽四重奏曲K80《ローディ》の凄さ・・・

弦楽四重奏曲《ローディ》はモーツァルトの最初の弦楽四重奏曲で、第1回目のイタリア旅行(1769年12月~71年3月)の折に、最初の目的地ミラノからボローニャに向かう旅の途中に宿泊したローディで作曲されたものです。モーツァルト14歳の時ですね。自筆譜に、「アマデーオ・ヴォルフガンゴ・モーツァルト作の四重奏曲。1770年3月15日の夜7時、ローディにて」と、珍しく時刻まで明記されています。

この日は、2ケ月あまり滞在したイタリア前古典派器楽の中心地ミラノを出立した日であり、モーツァルトはたった今離れたばかりのミラノの音楽体験を、おそらくこの地で初めて知った弦楽四重奏曲に定着しようとしたのでしょう。でもそれは凄いことです。モーツァルトだからこそできたことで、こうしてモーツァルトは旅で得た音楽体験を作曲に即反映できた人でした。

第4楽章からなるこの《ローディ》、作曲された時は緩-急-メヌエットとイタリア風の3楽章にまとめられていました。フィナーレとしてフランス風の「ロンド-」楽章を書き足し、ウイーン風の4楽章形式に拡大したのは、最初からかなりの期間を経た1773年から74年頃と推測されています。

14歳のモーツァルトが、イタリア・ミラノ旅行で得た音楽体験から作曲した最初の弦楽四重奏曲《ローディ》。4楽章だけ作曲時期が離れているところから、不統一感があることは否めませんが、かえって彼の独自性を感じさせてくれます。緩-急への変容も素晴らしく一度聴くと誰もが好きになってしまいます。3楽章から4楽章への不統一感も、かえってモーツァルトらしさとなって心に残ります。。

この稀有な曲は、弦楽四重奏曲K465「不協和音」、クラリネット五重奏曲K581と共に、「日本モーツァルト愛好会」2014年1月例会(ルーテル市ヶ谷・1/18(土))で、「岡山潔弦楽四重奏団」の方たちによって演奏される予定です。楽しみですね。

2013年12月12日のモーツァルトハウス(東京)

呑兵衛さんにはコーヒーがいいようですよ・・・

「コーヒーで肝硬変改善」ドリップ毎日1杯以上    日経新聞12月11日朝刊

忘年会のシーズンを迎え、お酒を飲む機会が増えますね。そうでなくても普段も飲んでいますから、この時期は肝臓も大変です。。でもそんな呑兵衛さんでも毎日一杯ドリップ式のコーヒーを飲んでいたらいいそうです。肝細胞が壊れると上昇するアラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)という酵素量が、ドリップコーヒーを1杯以上飲んでいた人は飲んでいない人に比べて、1年後のALT値が正常値を維持していたり、低下した人が多かったそうです。でもこれ、缶コーヒーやインスタントコーヒー、カフェインが入っていないコーヒーを飲んでいた人ではあまり効果がなかったそうですが。

毎日の朝1杯のドリップコーヒーいいですね♡♠。1杯と言わずつい何杯もおかわりして・・・これからも大いに続けましょう!

 ~この日のモーツァルト~
 1785年12月12日この日モーツァルトはヴァイオリン・ソナタ(第41番)変ホ長調K481を完成しました
この作品が書かれた1785年の後半、モーツァルトはオペラ「フィガロの結婚」の作曲に忙殺されていました。そのため7月以降の作品の数が著しく減っています。このような状況のなかでもいくつかの作品が生まれています。ピアノ四重奏曲「ト短調」K478、ピアノ協奏曲「変ホ長調」K482等です。この変ホ長調K481は作曲の動機などは知られていません。翌1786年にはウイーンのホフマイスターから単独で出版されています。

所で、モーツァルトの時代は珈琲はどんなだったのでしょう・・。モーツァルトさんも好んで飲んだのでしょうか・・・・。

2013年12月6日のモーツァルトハウス

クリスマスももうそこまで・・・

晴天が続き、毎日浅間山がよく見えます。木々はすっかり落葉し、浅間山のなだらかな裾野までくっきりと見ることができます。

もうすっかりクリスマスモードです。


そんな頃のツーショットです。

2013年12月5日のモーツァルトハウス
哀しみの日・・・

「レクイエム」未完のまま、1791年12月5日、午前零時55分、コンスタンツエとその妹、ゾフィーに見守られ、モーツァルトはその生涯を閉じました。そしておそらく、7日午後3時、聖シュテファン大聖堂内の十字架礼拝堂で、モーツァルトの遺骸は最後の祝福をうけ、市門外の聖マルクス墓地に埋葬されました。(一般には葬儀は12月6日とされている)

モーツァルトが死んだ晩は、暗く、また荒天であり、また葬儀の時も大風が吹き荒れはじめ、雷雨となった。雨と雪が同時に降り、あたかも自然が偉大な音詩人の同時代の人たちとともに、不平を鳴らしているかのごとくであった。

この日の浅間山

モーツァルト哀悼
モーツァルトの死は、その衝撃をしだいに広くヨーロッパ全土へと、波紋のように伝えていった。コンスタンツエは、生前夫モーツァルトが愛用していた「記念帳」に、次の一文をみずから記しています。

いとしい夫よ、私にとっても、またヨーロッパ全土にとっても、忘れることができないモーツァルト。
あなたも、今は、幸せでございましょう。---永遠に幸せでありますように!本年の12月4日から5日にかけての真夜中の1時に、あの方は36歳で去ってゆかれました。---ああ!あまりにも早過ぎるのに!
この素晴らしい--でも恩知らずの世を----ああ、神様!
8年もの間、優しい限りの、この世では断ち切ることのできぬ絆が、私たちを結びつけていました!
ああ!やがて永遠にあなたと結ばれる日が参りますように。
                            あなたの悲しみに暮れる妻 コンスタンツエ・モーツァルト

(以上「モーツァルトの生涯:海老沢敏著」より」

2013年12月1日のモーツァルトハウス(東京)
寄る辺なき不安からの疾走~文芸別冊「モーツァルト」

先日京都でお会いした久能木さんから教えて頂いた本です。9月30日が初版ですから、もう古くなってしまった情報ですが・・・。中でも片山杜秀氏のインタヴユー記事「モーツァルトを語る」が特に面白いと薦められました。河出書房新社から文藝別冊として出ています。どうぞ本屋さんで手に取ってパラパラしてみてください。もっと読みたくなってきっと買ってしまいます。。。。

2013年11月30日のモーツァルトハウス(東京)
世界三大オケ来日公演聴き比べは?
世界の三大オーケストラが今月、相次ぎ来日しています。3人の評論家が聴き比べをし独自の基準で採点した結果が、2013年11月26日(火)の夕刊に載っていました。

ウイーンフィルを率いてきたのは、クリスティアン・ティーレマン、一方ロイヤル・コンセントヘボウ管はマリス・ヤンソンス。そしてベルリンフィルハーモニーはサイモン・ラトル。それぞれが理想的な指揮者との組み合わせ。

「今回、オケの機能性、奏者の名人ぶりで一番しびれたのは、サイモン・ラトル指揮のベルリン・フィル(20日、ミューザ川崎)だった。プロコフィエフのバイオリン協奏曲はコンサートマスターの樫本大進がソロを担当。難曲をものともせず、美音で表現豊かに弾きこなす。そして初演から100年のストラビンスキーの「春の祭典」。記念年にふさわしい一糸乱れぬ出来。管弦楽演奏の頂点を聴いた思いだ。指揮者の解釈では最年長ヤンソンスが最高点。ラトル、ティーレマンは2人が追究する音作りをどう判断するかで、4人の点にはばらつきがあった。(編集委員:小松潔)夕刊文化 16面

2013年11月29日のモーツァルトハウス(京都)

久しぶりの再会は京都で・・・♡♠
毎年夏に軽井沢でホームコンサートをされている久能木さんは、実は28年間京都住まいもされています。この日は東京への帰り道、京都で途中下車し、秋の京都を訪ねがてら久能木さんともお会いできました。「市内は我が庭」とおっしゃる方ですから、いわゆる地元の人が知る人「穴場的」な場所をご存じで、いろいろ案内してくださいました。

建築家ヴォーリス設計の純北京料理店「東華菜館」は鴨川を挟んで真正面に京都南座が見え、西には東山の山々が望める、京都らしい景色を楽しみながらのお食事が出来る場所。内装も手を加えず、特にエレベーターは日本最古とのこと、全てがとてもクラシックな趣です。ゆったりと食事を楽しみながら、久しぶりの久能木さんのクラシック講話を満喫し、その後は高級旅館「俵屋」の別館ともいえる茶房へ連れて行ってくださいました。超モダンな中に和のエッセンスも取り入れた空間でしばしまたおしゃべり・・・。

あっという間に帰りの時刻に。。。。。慌てて帰りの時間を変更して、次は京都福寿園の本店へ。お茶だけではなくフロア別にフレンチも頂けます。内装デザインは尼﨑博正(京都造形芸術大学教授)
1946年生まれ、京都大学農学部卒業。農学博士(京都大学)。日本庭園・歴史遺産研究センター所長。文化庁文化審議会専門委員(名勝部会)ほか。1992年日本造園学会賞受賞。2008年京都府文化賞功労賞受賞。

ほうじ茶フロート

慌ただしく京都駅から新幹線に飛び乗り、東京へ戻ってきましたが、大阪では青春のモーツァルトの名曲の数々を聴き、加藤先生とばったり会うというハプニング、そして病後の久能木さんへのお見舞いに寄った筈の京都で、すこぶるお元気なお姿の久能木さんにも会え、お陰で京都のお寺、お庭巡りと一味違った京都を散策することができ、心に残る旅となりました。こうして今回の大阪・京都の音楽付きの旅は、2013年仕納めに相応しい有意義なものとなりました。

2013年11月28日のモーツァルトハウス(大阪)

ライトアップされた大坂城を眺めながら・・・・「モーツァルト 未来へ飛翔する精神」

「モーツァルト パリの青春」大阪いずみホール 開演19時 
指揮:金聖響 ピアノ:福間 洸太郎 小山裕幾(フルート) 福井麻衣(ハープ) 日本センチュリー交響楽団

いずみホールは、大阪城公園のすぐわきに建っていて、すぐそばには淀川と大阪城、それと公園の緑がとてもマッチしていて魅力的な雰囲気を醸し出しています。内装も素敵です。ばったり加藤浩子先生にお会いし、「こんなところで・・・」とお互いにビックリ!先生は、磯山先生に依頼された、モーツァルト講座をコンサート前にされたのだそうです(一般公開されたものではなかったので、知りませんでした・・・)。

コンサートは「パリの青春」というタイトル通り、指揮者、ソリストと出演者が若々しく、瑞々しい演奏を聴かせてくださいました。モーツァルトの「青春」を音で体感させられた一夜でした。

我々の座席の真ん前に座って演奏していたセカンドヴァイオリニストの方が、帰り大坂(梅田)駅までの電車でもお向かいに座っていらして、これもビックリ!この日は嬉しい驚きが続きました。。。。

2013年11月27日のモーツァルトハウス(東京)

今年最後の旅行は・・・・♡♠

モーツァルト 未来へ飛翔する精神 シリーズ 「モーツァルト パリの青春」大阪いずみホール 開演19時

今年も残すところ一か月とちょっと・・・。何かと気忙しいですね。。。。
そんな中、今年最後であろう西でのコンサートの為、明日から大阪・京都と行って来ます。

「モーツァルト旅する3年間」と題して、いすみホール音楽ディレクター:磯山 雅さん企画のシリーズものとして、2013年は「克服」ザルツブルク、2014年は「充溢」ウイーンⅠ、2015年は「超越」ウイーンⅡと、オールモーツァルトプログラムで3年間かけて名曲を綴って行きます。

11月28日(木)公演のシリーズ2、「パリの青春」は、初期のピアノ協奏曲の最高傑作ともいえる「ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K271《ジュノム》や、当時流行した二つの楽器を主役にした「フルートとハープのための協奏曲ハ長調K299」、また、マンハイム楽派とパリの音楽を強く意識したこの時期を象徴する「交響曲《パリ》第31番ニ長調K297」などが演奏されます。ソリストは、現在海外を拠点に活動を繰り広げている若手の名手揃いです。

帰りは秋の京都をちょっぴり楽しんで来ようと思います。。。。

2013年11月24日のモーツァルトハウス(東京)

フィガロ・フィガロ・フィガロ・・・♡♠
北とぴあ「「フィガロの結婚」 指揮:寺神戸 亮 管弦楽:レ・ボレアード(オリジナル楽器使用)   11月24日(日)14時開演 北とぴあさくらホール

1787年1月、モーツァルトは、プラハから「フィガロの結婚」上演の依頼を受け、コンスタンツエを伴ってウイーンからプラハに向かいました。プラハからモーツァルトは1月15日付で友人のゴット・フリート・フォン・ジャカンに宛てて手紙を書いています。「・・・・当地じゃ、フィガロの話でもちきりだし、弾くもの、吹くもの、歌うもの、口笛吹くもの、すべてフィガロだらけさ。オペラ観に行くといやあ、いつもいつもフィガロっきり、いつまでもフィガロさ。----」モーツァルトにとって大きな自慢だったに違いありません。
モーツァルトの来訪を13日付のプラハの新聞も次のように報告しています。「昨夕、われわれの偉大にして親愛なる作曲家モーツァルト氏がヴイーンより当地に着いた。われわれが信じて疑わないのは、ボンディーニ氏がこの人物に敬意を表して、彼の楽才が生んだ人気ある作品「フィガロの結婚」を上演し、われわれの名声嘖々たるオーケストラがひき続きその技術の新たな証左を必ずやもたらすだろうことと、またプラハの鑑識眼豊かな住民諸氏が、この作品をくりかえし聴いているのもかかわらず、まことに数多く立ち会われることである。---」

モーツァルト夫妻が参列しての「フィガロの結婚」K492の上演はは17日に行われました。新聞でも希望が表明されていたモーツァルト自身の音楽会はその翌々日19日に催され、あの「プラハ交響曲」(第39番ニ長調K504)が紹介され、自らクラヴィーアを弾いての即興曲が3曲が披露され、最後を飾ったのは、他ならぬ「フィガロ」の愛好曲<もう飛ぶまいぞ>によるものでした。さらにモーツァルトは22日には「フィガロ」を自ら指揮したのでした。(「モーツァルトの生涯」海老澤敏著 抜粋)

10月には新国立劇場で「フィガロの結婚」、11月17日にはモーツァルト愛好会での例会でミニ「フィガロの結婚」を臨場感あふれるホールで体感し、そしてさくらホールでの本格的なホールオペラ「フィガロの結婚」と、「フィガロ・フィガロ・フィガロ」と鼻歌まで出てくるほどフィガロに浸ったこの一ヵ月間でした。趣向が違えど、どの公演も素晴らしかったです。このオペラ、何度聴いても飽きず、その深い魅力にはまり込んでいくようです。。

2013年11月23日のモーツァルトハウス(東京)

都内も秋らしくなってきました・・


三鷹駅前のイルミネーション♡♠♤

海老澤敏 所蔵の初版譜で弾く「モーツァルトと同時代人」  2013年11月23日(土)武蔵野市民文化会館小ホール 19時開演
フォルテピアノ:小川京子  プレ・トーク:海老沢敏

モーツァルトと同年代の作曲家、ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガー(1738~1809)と、ムーツィオ・クレメンティ(1752~1832)の曲を演奏する珍しいコンサートに行って来ました。場所は三鷹駅から徒歩15分の武蔵野市民文化会館。駅前広場はクリスマスモードでライトアップされていて、早くも年の瀬を感じます。

ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガーはモーツァルトよりはるかに年長の作曲家・理論家であり、モーツァルトの末子フランツ・クサヴァーの先生であり、ベートーヴェンの師としても知られています。クラヴィーアのための六つのフーガ集より、最後の2曲を聴きました。

ムーツィオ・クレメンティは、1781年クリスマス・イヴに皇帝ヨーゼフⅡ世の御前演奏でモーツァルとト競演した人であります。この日演奏されたソナタ 変ロ長調のうち、作曲し、自ら競演したと言われている2曲が演奏されました。この日の競演については、モーツァルトは相手を酷評し、逆にクレメンティは後年モーツァルトを高く評価しています。
モーツァルトは、このクレメンティの第一楽章アレグロ・コン・プリオの冒頭主題の音形を、これから10年後に作曲している『魔笛』K620の序曲主部に用いています。

後半は、ロンドイ短調K511と、モーツァルトソナタの中で、短調の曲としてはK310イ短調とともに双璧をなすK457と、同じ短調でよく一緒に演奏されるK475幻想曲が演奏されました。モーツァルトと同時代の作曲家たちの作品を、モーツァルトがウイーン時代に愛用したアントーン・ヴァルターが1781年頃製作したフォルテピアノのレプリカ(モーニカ・マイ、1988年製)で聴くという、めったに実現されない演奏会でした。
「武蔵野市民文化会館展示室」では、現在、海老澤 敏コレクション モーツァルト展「モーツァルトとその時代」-モーツァルトが出会った王侯貴族、文人そして音楽家たち-と題して展覧会が開かれています。(開催期間 12月1日(日)迄)

2013年11月21日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトと(※)ファラデー ♡♠

日本経済新聞:11月20日(水)夕刊1面・下段「あすへの話題」に標記のテーマが掲載されていました。

筆者は東京理科大学教授の黒田玲子氏。内容が損なわれてしまうとまずいので、以下にそのまま書き写します。

  ロンドン在住のころ、勤務先のキングス・カレッジのテムズ河を挟んだ真向かいにあるナショナル・シアターにたまに出かけた。そこで観たピーター・シェーファー原作、ピーターホール演出の劇「アマデウス」が、今でも忘れられない。その後、映画化され、もちろんそれも観た。
 
オーストリア皇帝ヨーゼフ2世に仕える作曲家サリエリは、彼の前に現れた天真爛漫で品のない若者、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの作曲家としての天賦の才能を見抜き、激しい嫉妬に苛まれる。彼の死を願い、モーツァルトの父親の亡霊に扮してレクイエムの作曲を迫りと、モーツァルトのイメージを壊すような、それでいて魅力的な筋書きで、音楽もよかった。
1991年はモーツァルト没後200年。命日の12月5日には、匿名の依頼により作曲され未完に終わったこの最後の作品「レクイエム K.626」が、ザルツブルクとウィーンの大聖堂で演奏され、ウィーンフィルの演奏は世界に中継された。この年には、日本でも記念演奏会が催され、CDが発売されたので、記憶されている人も多いだろう。

ところで、1791年はモーツァルト没年だけでなく、電磁気学・化学分野で、さらに、科学の社会への普及においても、私たちに大きな影響を与えた偉大な科学者、「マイケル・ファラデー」の誕生の年でもあった。しかし巷ではあまり話題にならなかった。サリエリを苦悩させた、天の声としか思えないモーツァルトの美しい旋律は、私たちの心を揺さぶり、楽しませてくれる。モーツァルトの音楽が好きな私だが、ファラデーの偉大な業績がそれ程知られていないのはちょっと残念だ。

(※)ファラデーは一般的に、所謂「電磁誘導の法則」で知られている。高校の物理などで初歩的に教えられることが多いですが、電磁気学の元になるもので、「磁石をコイルに近づけたり遠ざけたりすると、コイルに電流が流れる。この現象を電磁誘導といい、電磁誘導による起電力を誘導起電力その電流を誘導電流という。電磁誘導を取り扱うために、新しく磁束:Φ[Wb]という物理量を定義した」ということになる。

もっと別の言い方をすれば、「磁束の時間変化にマイナスを付けたものが回路に誘導される起電力である・・とする法則」ともいえる。
一般的にΦ=B×S=μ×H×S(B=磁束密度、S=磁界が貫く断面積、μ=誘磁率、H=磁界)が成り立つ。

日経新聞は「夕刊」が面白い!!!

2013年11月20日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルト最期にむかって・・・・

11月も末になってくると、12月5日の命日までモーツァルトの最期が近いんだな・・・と胸が重苦しい時期を迎えることになります。

1791年の今日、11月20日にモーツァルトは再起不能の病床につき、この日から病気は一進一退をくりかえしながら次第に重くなって行くのです。そしてとうとう12月5日・・・・・・帰らぬ人となるのです。。今日から12月5日まで、私たちモーツァルテイアンは「最期に向かって・・・」と過ごすことになります。。

義妹のゾフイーが病床のモーツァルトについて、後に手紙として記したものが残っています。私たちはその記述からモーツァルトの最期の様子を知ることが出来ます。
それは1825年4月7日の日付をもち、コンスタンツエの再婚相手ゲオルク・ニーコラス・フォン・ニッセンと、実の姉コンスタンツエの二人に宛てた手紙で、ウイーン楽友協会に保存されています。モーツァルトの死の証人の一人であるゾフイーによって書かれた点で貴重な資料となっています。
(この手紙の全文は「モーツァルトの生涯」(海老澤敏著)の第11章「最後の時が鳴る」の中で全文が紹介されています。)

本格的な冬の訪れと共に、しのびよるモーツァルトの認めたくない「死」。。。日暮れも早くなり、そうでなくても気持ちが沈みがちなこんな時期に、モーツァルトの「死」は容赦なく迫って来るのです。。。。。。

2013年11月15日のモーツァルトハウス

こんな景色を後にして・・・・。次回はすっかり落葉して、きっと冬の装いになっていることでしょう。

2013年11月14日のモーツァルトハウス

うば百合(左)は中に種子がいっぱい詰まっています。


気持ちのいい秋晴れ 車も紅葉色(ヴェネチアン・レッド)になりました。

2013年11月12日のモーツァルトハウス

浅間山もすっかり秋の装いに・・・・

光に季節のうつろいを感じます。

2013年11月11日のモーツァルトハウス
すっかり秋色♡♠

落ち葉の掃除から始まりました。「偽りの男庭師」がほうきを振り回して落ち葉と格闘しました。

落葉松もこんなに金色に紅葉して、青空に映えています。


最低気温はマイナスまで下がり、薪ストーブを焚いて暖まりました

2013年11月4日のモーツァルトハウス(東京)

4日間で仕上げたシンフォニーとは?♡♠

10月26日の欄でも触れましたように、1783年7月、モーツァルトと妻コンスタンツエは、結婚後初めてザルツブルクへ里帰りしました。ここでの滞在は3ケ月程になり、10月26日にはモーツァルトは誓約した「ハ短調ミサ」の演奏も終え、10月29日に二人はいよいよザルツブルクを発ってウイーンへの帰路に着きました。ナンネルがどのような思いで弟ヴォルフガングと義妹コンスタンツエを見送ったものかは定かではないし、父親レオポルトもまたどんな思いがあったかは知るすべもありません。しかしレオポルトはウイーンでもう一度息子に相まみえることになるのですが、ナンネルが弟の姿を見たのはこれが最後となったのでした。

ウイーンへの途中モーツァルト夫妻はリンツに立ち寄りました。ウイーンで世話になったトゥーン伯爵の邸がそこにあり、伯爵から帰りにリンツに寄るよう招かれていたからでした。10月30日にリンツに到着したモーツァルトは、演奏会を開くことを求められる。しかしコンサートを開くといっても、交響曲が手元に1曲もなく、猛烈なスピードで新作を仕上げなければならなかったのです。音楽会は11月4日に行われました。交響曲「リンツ」と呼ばれるK425の作品は、こうしてわずか4日間と言う短期間で仕上げられたことになるのです。ハ長調の堂々たる響きからは、慌ただしく短期間に書き上げられたことを想像させるものはもじんもありません。

トゥーン伯爵邸の中庭から撮った写真、右は、トゥーン伯爵邸にあるモーツァルト像
(2010年、ウイーン、リンツ、ザルツブルクの旅から)

交響曲第36番ハ長調「リンツ」K425とは・・・・・・

第一楽章では、主部とは関係のない素材による序奏を置いているのも初めての試みでした。これはその後の第38番、第39番でも使われる手法で、当時としては斬新な試みでした。更に、金管楽器が沈黙し、田園的な雰囲気を醸すのが普通だった緩徐楽章においては、トランペットやティンパニを使用したことも新たな音世界を追究する試みとして注目されます。一般的にこの曲は、形式あるいは旋律的にモーツァルトのシンフォニー曲の中でも最もハイドンの影響が濃い作品と言われていますが、モーツァルトならではの独自の手法が盛り込まれ、愉悦感溢れる軽快さと優美な気品の備わったこの曲は、4日間で仕上げたとは真に驚くべき作品となっています。

2013年11月4日のモーツァルトハウス(東京)

ある作曲家の個展を訪ねて♡♠11月4日(祝/月)14:00~ Hakuju Hall

「アダージョとアレグロ」~モーツアルトへのオマージュ♡♠♤

この日個展を開かれた平井京子さんとはひょんなことからご縁を頂き、「平井京子個展Ⅳ」を聴きに今日は白寿ホールへ。

この日演奏される曲の中に2006年、モーツァルト生誕250年に、モーツァルトへのオマージュとして作曲した曲「アダージョとアレグロ」が演奏されると聞いていたからです。

その他。能や歌舞伎、民話など日本の古くから伝わる「お話」や、物語が生まれるその雰囲気などを作曲者が自由な観点から作品にしたものなどを聴きました。


白寿ホールは、若かりし頃住んでいたことがある、代々木八幡界隈・・・東急本店に続く懐かしの道をぶらぶら散策しました。途中おしゃれなお店(テオブロマ)で、イチジクやレーズンなどをブランデ-に漬け込んだ焼き菓子を買いました。

2013年10月27日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルト最後のピアノ三重奏曲K564♡♠♤

モーツァルトは生涯でピアノ三重奏曲を13曲書いていて、様式的に3つの時期に分けられます。第1期は1764年にロンドンで書かれた6曲(K10~15)、第2期は1776年のK254が属します。第3期は1786年の3曲(K496、K498、K502)と1788年の3曲(K542、K548、K564)です。

この中のK498は曲の冒頭からクラリネットの音色の魅力が十分に生かされている曲で、ケーゲルシュタットと別名呼ばれ、演奏される機会が多い人気の高い曲です。ボーリングをしながらモーツァルトが書いたといわれていますね。遊び好きなモーツアルトらしいエピソードです。

1788年に書かれたK564はモーツァルトのピアノ三重奏曲の最期の作品になります。K548から、3か月半ほど隔てて完成しました。

 ~この日のモーツァルト~
1788年10月27日この日モーツァルトはピアノ三重奏曲 ト長調 K564を完成させました。
始めからピアノ三重奏曲として計画されたものではなく、ピアノ・ソナタとして書かれたと長い間考えられてきましたが、現在ではこの曲は演奏用のパート譜が先に書かれ、しかるのちに総譜が浄書されたものと考えられています。ピアノだけの草稿の一部は現在もベルリン国立図書館に残されています。ピアノ声部と弦の声部の協奏はたくみであり、モーツァルトの手法のたくみさをまざまざと示している作品です。前の作品と同様に、プフベルクの家で演奏するために作曲されたのではと考えられています。フィナーレにシチリアーノ風の主題が用いられています。

2013年10月26日のモーツァルトハウス(東京)その2

誕生日は、壮大な未完成曲「ハ短調 ミサ」初演の日♡♠♤

ウイーンに定住した2年目、1782年夏に、モーツァルトはコンスタンツェ・ウエーバーと結婚しました。父レオポルトはその結婚には大反対でした。息子がまだ自活できる保証のない今、結婚は早すぎると考えたからです。そこでモーツァルトは「コンスタンツエと結婚できたら、新しいミサ曲を作曲して、ザルツブルクに帰還して彼女に歌わせて曲を同地で演奏しよう」との誓いをたてました。しかし、実際に作曲は1783年1月に行われたが、モーツァルト夫妻がザルツブルクに向けて旅立った際には完成しておらず、その後も完成をみることはなかったのです。

そして1783年10月26日に曲は未完のまま、ザルツブルクの聖ペテロ教会で初演されました。ソプラノ独奏は予定通りコンスタンツエが受け持ちました。モーツァルトはようやくコンスタンツエとの結婚にまつわる誓約を成就しました。

この曲にその後様々な補完版が作成され、演奏もされていますが、モーツァルトが自らの気持ちから作曲に着手したことから、この曲は他の宗教作品とは別の魅力を持っています。

「この偉大な未完のレコードに初めて針を落とした時の感動は今でも忘れられない。LPレコードが出始めてまもない頃の事件だったが、その最初の1小節で、文字通り”慄然”となり鳥肌の経つのを感じたものである。ーーーーーーーー「ハ短調ミサ」の出だしも、ハ短調の主三和音という単純な音を使ってモーツァルトは背筋の寒くなる様な効果をもたらすが、それと同時に、これに続いて起こってくる異様な音の世界の見事な予感となっているーーーーー表面的には幸福そうなこの時期、何がモーツァルトをとらえていたのだろうか。」(モーツァルトベスト101:石井宏essayから)

父親レオポルトに、妻、コンスタンツエの音楽家としてのその素晴らしさを知ってもらうというねらいで、この曲を作曲したモーツァルト。壮大な未完成曲に終わってしまいました。。。。未完ではありますがこの曲の魅力ははかり知れなく、何より新妻コンスタンツエへのモーツァルトの愛情を感じないわけにはいきません。アインシュタインは、「高貴な未完成作」と呼びました。
私の誕生日には、1783年こんな曲が初演されていたのです。

2013年10月26日のモーツァルトハウス(東京)その1

ヨハン・クリスティアン・バッハを偲ぶ曲♡♠♤

大バッハ、ヨハン・ゼバスティアンの末っ子で、1762年以来ロンドンで活躍していたクリスティアン・バッハ(1735-82)。モーツァルトは1764年~1765年に滞在したロンドンで、このクリスティアン・バッハの影響を大きく受けました。1782年1月1日に亡くなった知らせを受けて、モーツァルトはレオポルトへの手紙の中で「イギリスのバッハが亡くなったことはもうご存知ですね?---音楽界にとってなんという損失でしょう!」と書いています。

それから3年後の1785年10月に作曲された「ピアノ四重奏曲1番ト短調K478」と、その翌年1786年1月、クリスティアン・バッハの命日の頃に書かれた「ロンドニ長調K485」は、クリスティアン・バッハの「作品11の6」の旋律をモティーフにしています。心酔した師への追悼の意が込められているのでしょう。

イングリット・ヘプラーの弾く「ロンドニ長調K485」は何とも美しく、心に響いてきます。「アレグロ」でも、作品の背景を熟知した演奏家の手によると、「爽やかな速さ」「なつかしさ」のこもったものになるのだという事を今回痛切に感じ、演奏家にとってどんな事情で作品が生み出されたのか・・・これを認識することが、とても大事なことなのだと感じました。

所で、モーツァルト作曲K107は、「クリスティアン・バッハのソナタによる、3つのクラヴィーア協奏曲ニ長調、ト長調、変ホ長調」です。これらの3曲は全てクリスティアン・バッハのソナタをモーツァルトがクラヴィーア協奏曲に仕上げたものです。原曲はバッハの「6曲のクラヴィーア・ソナタ 作品5」から第2、第3、第4で、編成は管楽器なしで弦だけの合奏にクラヴィーアです。モーツァルト自身のカデンツァを挿入しています。

このようにモーツァルトは生涯に亘ってバッハやヘンデルをはじめとして同時代者たちの曲を勉強や研究のために、他人の作品に筆を加えています。そうした各種作品に、自作の編曲も加えてピック・アップし、モーツァルトの編曲者としてのベテランぶりを鑑賞してみようというのが海老澤敏先生のモーツァルト講座の今期のテーマ、「名編曲者としてのモーツァルトを追う」なのです。

10月から来年3月まで、11回にわたって、(知られざる傑作たちの世界)を追究していきます。楽しみです!

2013年10月22日のモーツァルトハウス(小淵沢)

リゾナーレは秋が深まっていました♡♠♤

音楽祭から3週間、「清春芸術村」を訪ねる途中にホテルリゾナーレに寄ってみました。ピーマン通りでは、平日なのに結婚式があり、ウエデイングドレスの花嫁さんが記念写真の撮影をしていました。結婚式のシーズンなのですね。。。

2013年10月22日のモーツァルトハウス(小淵沢)
秋色の「清春芸術村」を訪ねて♡♠♤
芸術家の育成の場として建設された集合アトリエ《ラ・リューシュ》は芸術村のシンボル的な建物です(写真右)。1902年にギュスターヴ・エッフェルの設計によってパリに建てられ、シャガールなどエコール・ド・パリの画家たちを輩出したアトリエ兼住居と同じ設計で、1981年、ここ芸術村にも建てられたものです。
ルオー礼拝堂(写真左)は白樺林の中を進むとあります。20世紀最高の宗教画家である、ジョルジュ・ルオーを記念して建設された礼拝堂です。入口扉上のスタンドグラス「ブーケ(花束)」はルオーの作品です。また祭壇背後の壁に掲げられた木彫のキリストの十字架(17世紀)は、ルオー自身が彩色したものです。白樺林の中にスーッと立っているこの礼拝堂は本当に美しく、設計者は谷口吉生氏。

1983年に礼拝堂と同じく谷口吉生氏の設計で建てられた清春白樺美術館もあります。

光の美術館(2011年開館)は清春芸術村開村30周年を記念して安藤忠雄氏の設計で建設された美術館です(写真左)、茶室「徹」(2006年4月完成)は阿川弘之氏が命名したお茶室で、茶室を支える檜は清春芸術村に植わっていた樹齢80年の木を倒して使用し、高さ地上4m、室内は1,7坪。芸術村ならではの遊び心溢れたお茶室です。設計は建築史家藤森照信氏(東京大学教授)、哲学者谷川徹三を記念して建てられました。

その他、この芸術村には、梅原龍三郎のアトリエを東京新宿から移築したものがあり、小林秀雄の愛した「枝垂桜」等があり、見所が満載です。前回ここを訪ねた時は、まだ建設されていなかった「光の美術館」を今回見学したくて訪れてみました。。たった6点のアントニ・クラーベの作品を展示するために建てられたこの美術館は、人口の照明が一切なく、自然光のみで鑑賞する設計になっていて、安藤忠雄氏の得意とする「光」の美術館です。必見と思います。
リゾナーレ音楽祭の帰りに立ち寄る等、お薦めのスポットです♡♠♤

2013年10月8日のモーツァルトハウス(東京)
田辺秀樹先生「モーツァルト オペラの面白み」最終回 2013年10月8日/東京文化会館大会議室
 「楽屋落ち」の流行・・・・『劇場支配人』をめぐって

5回にわたって繰り広げられた、田辺先生のオペラ講座の今日は最終回。モーツァルトの「劇場支配人」は、1786年2月7日にウイーンのシェーンブルン宮殿におけるオペラ合戦において、ヨーゼフ2世から依頼されて、モーツァルトは「劇場支配人」、サリエリは「はじめに音楽、つぎに言葉」という歌劇を作曲し、上演しました。オペラの<楽屋落ちもの>とは、芸術の<自己言及的現象>で、練習風景、オーディション、オペラの舞台裏、劇場支配人(インプレサーリオ)ものをいいます。流行の背景としては、オペラの爛熟、マンネリ化、閉塞状況などがあげられるのだそうです。普通のオペラにも見られるそうで、さまざまな遊戯的趣向がそれだそうです。<音楽レッスンの場面><余興の場面>など、例えば「ドン・ジョヴァンニ」の2幕で、フィガロの結婚のアリアを歌う場面がありますが、そのような悪ふざけみたいなものを挿入するということのようです・・・。。
ワーグナーの「タンホイザー」の歌合戦、オペレッタ「こうもり」の劇中劇と時代が移っても取り入れられて行きました。
特にシュトラウスは、「コジ・ファン・トゥッテ」を高く評価すると共に、18世紀の様な遊戯的なものを取り入れようとした作曲家で、「ばらの騎士」や「ナクソス島のアリアドネ」、「カプリッチョ」にそれが現れています。

モーツァルト作曲の「劇場支配人」のDVDは残念ながら皆無のようで、2006年のザルツブルク音楽祭でのものは、演出がお勧めできるものではないということで、ユーチューブから探し出してくれたものを鑑賞しました。
序曲は、ペーター・マーク指揮、スイス・イタリア管弦楽団、本篇は、コリン・デーヴィス指揮、ロンドン・バッキンガム宮殿での演奏(1991年)
いずれも貴重な演奏を楽しみました。

今回の「楽屋落ち」という視点もそうですが、5回に渡って田辺先生ならではの、興味深い見識に溢れた講座内容でした。「オペラの面白み」を十分に伝えて頂く貴重なものとなりました。.続編が待たれます♡♠♤

2013年10月6日~7日のモーツァルトハウス(京都)
声明とフルート、ギターの共演  京都市高雄山神護寺金堂 開演14:00  
ギター:日渡奈那 フルート:小山裕幾 メゾソプラノ:Ilektra Platipoulou  声明:高野山・南山進流声明グループ

秋は紅葉で有名な京都神護寺。 紅葉にはちょっとまだ早く、ましてこの日の京都の気温は35度!驚く暑さです。 神護寺は、京都駅からバスで1時間ほど、またバス停からは徒歩で清滝川を渡り、又その先は長い階段を上ってようやく到着するという、うっそうとした木々の中にそびえる壮大なお寺です。その金堂で素敵なコンサートがありました。 (「秘仏 五大虚空蔵菩薩御開扉」国宝五大虚空蔵菩薩の特別拝観付きです)

声明とギター、フルートの共演(作曲:平井京子)は全く想像もつかない初めての音楽でしたが、アルトフルートとギター、それぞれの楽器の特性を生かした旋律が、声明と絶妙なコラボレーションを醸し出していました。本来、仏教空間で西洋音楽の流れにあるものを奏でることは、異質なものになるのでしょうが、私達の耳には自然に入ってくる様な気がしました。神護寺金堂の空間で違和感なく、むしろ心地よく感じられました。大変貴重な体験となりました。

夕食は、すき焼きやさん「モリタ屋」で。ライトアップされた京都タワーが良く見える席で、ボリューム満点のお肉の関西風すき焼きを賞味し、京都の夜を楽しみました。

翌日は、京都駅からJR奈良線で南下し、二つ目の駅:稲荷で下車して目の前の「伏見稲荷大社」へ。稲荷山にも登り、有名な千本鳥居をくぐって山頂の一ノ嶺(上社・標高233m)まで登って来ました~。途中四つ辻という地点からの京都の町の眺望は見事です。ここからの眺めは一望の価値があります。外人さんの姿がものすごく多い~。大鳥居さんを含め、外国の人には異文化を感じるのでは。。。。この日の京都の気温は30度。4㎞に渡るお山巡りは、季節外れの暑さでしたが、頂上に吹く風は爽やかで心地よかったです。

その後、伏見稲荷から北東の「泉涌寺」へ。美しい「楊貴妃観音像(重要文化財)」があり、歴代天皇の陵墓があり、「御寺(みてら)泉涌寺」とも呼ばれている皇室ゆかりのお寺さんです。東山三十六峰の一嶺、月輪山の麓に静かに佇む泉涌寺は、緑と青い空を背景に真に美しい姿を見せていました。

泉涌寺:仏殿、寛文8年(1668年)徳川家綱によって再建された唐様建築の代表作です。堂内の天井には狩野探幽筆の雄壮な蟠龍図が描かれています。また毎年3月15日奉掲の「大涅槃図」は、国内随一の巨大作です。

「京都高雄:神護寺金堂」での「声明とギター、フルート」のコラボは大変貴重な体験となりました。来年はこの曲がスイス国内数か所で演奏される予定とか。日本国内も広島、長崎、そしてその他の各地を回り、原爆と震災の鎮魂のコンサートとなるそうです。
日本の寺院、神社、声明という日本の文化にも触れる、心に残る貴重な旅となりました。


2013年10月1日~2日のモーツァルトハウス(小淵沢)

2013年リゾナーレ音楽祭♡♠♤

今年も行って来ました・・数えてみれば、何と7回目!(右はメゾソプラノの寺谷千枝子さん)

ワイワイグリルでの朝食は、新鮮な食材が満載で、超ボリューム満点の人気のもの!広い窓から差す明るい日差しに、リゾート気分も充分味わい、お腹もいっぱいです!!

今年はヴェルディ・ワグナー生誕200年とあってモーツァルトの曲はそれ程多くなかったのですが、やはり一流の演奏家による珠玉の演奏は心に残るものでした。又、恒例の若手演奏家によるチャペルコンサートや一日の最後を飾るナイトサロン・コンサートでは、寛いだ中で楽しさが溢れて来て、幸せな時間を頂きました。第1日目のコンサート(Ⅱ)でのモーツァルトの「ピアノ三重奏曲 ト長調 K.564」とチャペルの「セレナード第13番 ト長調 アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も勿論良かったのですが、コンサート(Ⅰ)のバロックシリーズでJ・C・バッハの「四重奏曲 ト長調」、J・ハイドンの「チェロ協奏曲  第1番 ハ長調」が出色でした。特にチェロの遠藤真理さんの、小柄な体からは想像もつかないような太く深い響きの音色には、心地よい感動を覚えました。

2013年9月27日のモーツァルトハウス(東京)

オペラ仲間としてお付き合いさせて頂いているO氏から、美味しそうな蜂蜜が届きました。この蜂蜜は「L‘ABEILLE(ラベイユ)」という蜂蜜専門店のもので、荻窪を本店とし全国展開している店です。世界中の養蜂家を訪ね、花畑や巣箱、工房を巡ります・・ラベイユのひとつひとつのはちみつには、たくさんの物語が詰まっているそうです。

2013年9月21日~22日のモーツァルトハウス(冨山県:宇奈月温泉)

今年も行って来ました!宇奈月モーツァルト音楽祭
このページで何度も紹介している、宇奈月温泉で行われている「モーツァルト音楽祭」。
今年は、3日間の開催中、延べにして7000人の人が演奏会場を訪れ、17会場で445人の演奏者によって様々なコンサートが繰り広げられました。宇奈月の豊かな自然とモーツァルトの素晴らしい音楽とが溶け合って、今年も多くの人々に生の音楽に触れる感動を与えてくれました。

出色なのは、山梨県北杜市在住のオペラ好きのアマチュア団体の「オペラ・ルスティカーナ」の音楽祭では初めてのオペラの上演があったこと。アマチュアオーケストラのアルテ・ハイマート合奏団をバックに上演した「フィガロの結婚」の熱演は聴衆を驚かせ、大いにこの音楽祭を盛り上げていました。


宇奈月温泉駅からほど近い所にある「カフェ・モーツァルト」。ここのマスターは、映画「サウンドオブミュージック」を観て以来、ずっとザルツブルクは宇奈月に似ていると何十年も思い続けてきた方です。音楽祭の実行委員長を初回から2回目まで務められた方でもいらっしゃいます。水が美味しくブレンドにもこだわった極上のコーヒーを頂きました。いろいろな写真を見せて説明してくださり、ザルツと宇奈月が似ていることを証明してくださいました。熱い思いがこちらにも伝わって来ました。。


お昼は、「きときと庵」という処で、富山名物の鱒ずしと白エビの天ぷらを頂きました。鱒ずしはご飯の上に鱒が載っているのが一般的ですが、ここの鱒ずしは鱒でご飯を包む「包み鱒ずし」を出している珍しいお店です。去年これを食べてから「包み鱒ずし」にすっかり惚れ込んでしまい、きときと庵:銀座店(一応要予約)まで買いに行きました。とにかく美味しい~♡♠♤

モーツァルトも街を歩いています。。。

翌日トロッコ電車にも乗りました。開湯 慶応4年 1868年、黒薙温泉の看板を見つけました。「黒部渓谷の秘湯」で宇奈月温泉の源泉なのだそうです。露天風呂もあり、野趣あふれる温泉のようです。これを愛好会で有名な「日本酒と温泉通」に話したら、「ああ2回ほど行ったことがあるよ~。とってもいい温泉だよ~」とのこと。やっぱり「通」は違いますね。紅葉の秋は素晴らしい眺めになるそうで、いつか機会があれば・・・。宿泊施設もあり、日帰り入浴もできます。


2013年9月16日のモーツァルトハウス(東京)

台風一過・・・・

大型の台風18号が日本列島を襲いました。今回は大型なだけにその径も大きく広範囲に渡って影響があったのですが、特に観光地である京都の桂川が氾濫して、有名な渡月橋も相当ひどい状況でした。秋の紅葉を控えて付近の観光に携わる人たちには本当に気の毒なことです。私達も来月6日には高雄山神護寺迄、小山裕幾さんのコンサートを聴きに行くだけに気になるところです。東京はそれ程被害がなかったようですが、上の写真は台風が去った後の空。西の方角に見える富士山、東に見える新宿の都庁を中心とした超高層ビル群が見えます。

2013年9月15日のモーツァルトハウス(東京)

今年のイグ・ノーベル賞は・・・

人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の今年の授賞式が12日、米ハーバード大で開かれた。

 心臓移植を受けたマウスにオペラを聴かせると長生きすることを見つけた帝京大医学部の新見正則准教授(54)ら7人のチームが医学賞に、タマネギの催涙成分を作る酵素を新たに発見したハウス食品の今井真介研究主幹(56)ら6人のチームが化学賞に、それぞれ選ばれた。

 心臓移植手術をしたマウスは免疫を抑制しないと拒絶反応が起き、平均7日で死んでしまうが、帝京大の新見准教授らが移植後7日間にわたりオペラ「椿姫」を聴かせると、平均で26日間生きた。モーツァルトなら20日間、アイルランドの人気女性歌手エンヤの歌だと11日間だった。

 長生きしたマウスの体内では、免疫を抑制する細胞が増えていた。

 一方、ハウス食品の今井研究主幹らは、レトルトカレーの開発中、タマネギの催涙成分としてすでに知られている酵素とは別に、もう1種類の新たな酵素を発見、2002年に英科学誌ネイチャーで発表した。その後、新たな酵素の働きを止めることで、切っても涙が出ないタマネギを作ることに成功している。

オペラ好きで特に「椿姫」を良く聴いていると人は,免疫力が強く、長生きできるのでしょうか。モーツァルトも音楽療法という健康法がありましたが、今度は「椿姫」・・・。所で、モーツァルトは何の曲を聴かせたのか知りたいですね。

2013年9月14日のモーツァルトハウス(東京)

La musique de France ~フランス音楽の扉を開く~  東京ニューシティ管弦楽団 第90回定期演奏会 2013年9月14日開演14:30
        指揮:アンドレイ・アニハーノフ
        フルート:小山裕幾
      ラヴェル:マ・メール・ロア
      ジョリヴェ:フルートと弦楽合奏のための協奏曲
      ラヴェル:管弦楽のための舞踏詩「ラ・ヴァルス」
      ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ラヴェル版)

東京芸術劇場で上記プログラムのコンサートがあり、愛好会の仲間数人と聴いて来ました。フランス音楽自体にはあまり興味がなかったのですが、その日はフルートの小山裕幾さんがソリストとして呼ばれているため、期待して出かけました。聴衆としてもあまり馴染がない曲だけに、批評めいたことをいう事は難しいのですが、ロシア出身の指揮者にとって、フランス風味の音楽はどうなのかなと感じた所です。唯、「緩・急・緩・急」が「叙情・活力・神秘・緊張」となり、かつ超絶技巧の全てが行かされた「ジョリヴェ」の曲を難なく演奏した小山さんの力量には、常に進歩し続ける現代を代表する若手フルーティストの面目躍如たるものだと感じた次第です。それだけでも行った甲斐があるのかなと思いました。
芸術劇場は改修後初めて訪れたのですが、流石に日本を代表する立派なホールでした。

2013年9月12日のモーツァルトハウス(東京)

ザルツブルク音楽祭出演のN響に称賛

9/5(木)日経新聞朝刊「文化往来」の記事を紹介します。

ザルツブルク音楽祭は今年、日本と仏教にスポットを当て、そのトリとなったのが8月25日のNHK交響楽団の公演だ。常設楽団としては日本初となる。武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」では、中村鶴城(琵琶)、柿境香(尺八)の緊張感に満ちた掛け合い、オーケストラがきらきらとした輝きをさしはさむ。ザルツブルク出身の詩人ゲオルク・トラークルの語句に、津波で子を喪った母のイメージを重ねた細川俊夫の委嘱新作「嘆き」では、シャーマンに見立てられたソプラノ歌手、アンナ・プロハスカが重々しい語りと絶叫を往還。広大な海を思わせるオーケストラの深みや、うねりと対峙した。
ベルリオーズの「幻想交響曲」は堀正文、篠崎史紀、山口裕之の3人のコンサートマスターが勢ぞろい、指揮のシャルル・デュトワは楽団の自発性を生かしつつ鮮やかな棒さばきで全編を描ききった。---アンコールの「ファランドール」(ビゼー)では会場から足踏みも出た。大舞台での正確かつ緻密な演奏に「他の大楽団との比較に尻込みする必要はない」(地元のディ・プレッセ紙)など、称賛の声が上がった。

2013年9月10日のモーツァルトハウス(東京)

「モーツァルト オペラの面白み」 
モーツァルトのオペラ あなたはどこまで知っている?田辺秀樹先生 怒涛の5回連続講演会 2013年9月10日/東京文化会館大会議室

4回目となったこの日、【「イドメネオ」の真価】と言うテーマで行われました。「イドメネオ」は、モーツァルトのオペラでは良く知られているダ・ポンテシリーズに比べると上演機会がそれ程多くないのですが、当時としては珍しいコロラトーラのアリアや、エレットラのアリアなどの今までにない斬新な試みが随所に表れている作品だという事が良く分かりました。「オペラセリア」の最高傑作といわれながらも、そのジャンルの枠を破って広げていく「破壊」において傑出している・・・これが正しく他のオペラと違うところなのだと改めて認識できた講座でした。
次回は最終回(第5回)で10月8日です。

ミュンヘン版では削られた、最後の場面の激しいまでのエレットラのアリア、のちの「魔笛」の夜の女王のアリアにつながるものがある・・・とは田辺先生の弁。

故郷ザルツブルクの宮廷ではオペラ作曲の可能性を見いだせなかったモーツァルト。1780年、ミュンヘンの選帝侯カール・テオドールからオペラ・セリアの依頼が舞い込みました。このチャンスにかけ、モーツァルトは父レオポルトとの手紙のやり取りをしながら、この「イドメネオ」のという作品にこれまでの経験の全てをつぎ込み、推敲を重ね、完成させました。青春時代の集大成ともいえる作品なのです。

歌劇「イドメネオ」K366は、いずみホール(大阪市)に於いて、12/14(土)16:00開演で、シリーズ:モーツァルト 未来へ飛翔する精神(監修:磯山雅)の第4回目として、演奏会形式(原語上演/字幕スーパー付)で公演が行われます。


2013年9月9日のモーツァルトハウス(大阪)

大阪の味はなぜか551ジュピター???
大阪の街を歩いていると、いたるところに「551蓬莱」の赤い看板が目につきます。新大阪の駅の待合室に座っていると、お土産に買ったのか、551蓬莱の紙袋を下げた人が、あちらにも、こちらにも・・・。
蓬莱は、京都駅、京都伊勢丹の地下にもお店があって、豚まんを買う人でいつも行列しています。大阪:なんば駅の近辺には、本店はじめ3件もの蓬莱のお店があって、お店の前に椅子があって、そこに座って豚まんを頬張っている人達も・・・・。
551の由来は、もともとの℡番号が551だったことからゴーゴーイチ→ここがいちばん→551蓬莱となったようです。(蓬莱冊子より)
重くて大変ですが、京都の帰りには必ず買って帰っていましたが、大阪が本場なので、やっぱり買って来てしまいました。


翌朝のホテルからの大阪の空。良く晴れて青空が美しかったです。2人では、初めて足を踏み入れた大阪の地。すっかりおのぼりさん気分の旅でした。

2013年9月8日のモーツァルトハウス(大阪)

小山裕幾さんのモーツァルト「フルート協奏曲 第2番 ニ長調」K.314

大阪交響楽団 第78回名曲コンサート~ヨーロッパで活躍する日本人ソリストたち!~大阪:ザ・シンフォニーホール 17:00~

指揮:高橋 直史(ドイツ在住、エルツゲビルゲ歌劇場音楽総監督)、フルート:小山裕幾(スイス・バーゼル在住) 管弦楽:大阪交響楽団

プログラム
シューマン:歌劇「ゲノヴェーヴァ」 序曲 作品81
モーツァルト:フルート協奏曲 第2番 ニ長調 K.314
ボルヌ:カルメン幻想曲 
シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 「ライン」



9月8日(日)大阪:ザ・シンフォニーホールで昼の部(13:30~)と夜の部(17:00~)と2回の公演がありました。2000人近く入る会場はほぼ満席近い状態。日曜日の昼下がり、こうしてクラシックコンサートを楽しもうとしている人が多いことに驚きました。

ホールへは、メタセコイアの林を通り抜けて行きます。。新緑も紅葉も綺麗だろうな~。コンサートへの期待がふくらむ素敵なエントランスです。

小山裕幾さんの「フルート協奏曲」は、カデンツァを全て自作でまとめた素晴らしいものでした。ギリギリまで取り組んだというそのカデンツァは聴きごたえがあり、小山さんならではの物。音楽は一期一会。一音一音聴きもらすまいと、集中してしまいます。2曲目のボルヌの「カルメン幻奏曲」の難曲を難なく吹き、拍手がやまず、3回も舞台に小山さんは出てきました。そしてアンコールに、テレマンの「ファンタジー」を独奏してくださいました。


作曲家の平井京子さんは、かつて小山さんのフルートから放たれるのびやかな音が、風のように弧を描き、聴いている自分の頭上を飛び交い飛び舞って行く、その時の印象を元にして「風つかい」という曲を、小山裕幾委嘱作品として作曲した先生でいらっしゃいます。楽屋で偶然お会いしたので、一緒に写真を撮らせて頂きました。
平井京子作曲:「声明とフルート&ギターのための慰霊の音楽」は10月5日、6日に  高野山・京都市 神護寺で小山さんのフルートで初演されます♡♠♤

2013年9月4日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトグッズが届きました♡♠♤

ウイーンに行った方のお土産を友人が送ってくれました。

「フィガロの結婚」のアリアの楽譜のナプキン、ランゲのモーツァルトの肖像画の絵ハガキ、モーツァルトハウスで使わせていただきます。。。。

2013年9月3日のモーツァルトハウス(東京)

宇奈月モーツァルト音楽祭が近づいてきました♡♠♤

パンフレットが届きました。

北陸新幹線が開通する2015年春には、富山まで2時間9分、今よりぐっと時間が短縮されます。宇奈月まで2時間足らず・・・。
2015年からはもっともっと多くの人が、今より簡単にこの音楽祭に参加できるようになります。

今年は、愛好会からは代表はじめ、一組の夫婦、我々と数人がこの音楽祭に一緒にでかけます。
実行委員長の上田洋一さんからもお手紙頂き、出演者と実行委員、地元関係者との交歓会があるそうで、その会にもお誘い頂きました。新たな交流が生まれ、モーツァルトを懸け橋にして音楽の輪が広がってゆきます。

「手作りの音楽祭で、予算も人手も足りませんが、背伸びをせず、出来る範囲で、楽しもうと思っています。そして少しでも音楽の(モーツァルトの)素晴らしさを人々に知ってもらい、私自身も勉強したいと思っております。モーツァルトに感謝しながら、頑張ります。」山田洋一さんのお手紙はこう結ばれていました。

応援したいですね!!

2013年8月28日のモーツァルトハウス(東京)
音楽の輪はうれしきかな・・・
このページでもすでにご紹介しております、「対話で知る ヴェルデイとワーグナー」 講師 加藤浩子(音楽評論家 慶應義塾大講師)&山崎太郎(東工大教授・ドイツ文学者)の講座が、8月31日(土)に朝日カルチャー新宿校で午後3時半~5時半にあります。

このお二人の対談は、今年3月に新国立劇場で開催し好評だったものの続編のようですが、先生からメールでご案内があり、「映像、音源を交えながら、2人の対比、共通点、人間性などを、3月の時とはアプローチを違えながら、お伝えする予定です」とありました。
ヴェルディ&ワーグナー生誕200年も、後半にさしかかり、両先生から更に深いiお話が聞けるのではと楽しみです。もしお時間ありましたら、ぜひお越しくださいとは先生からのメーセッジです。

所で、加藤先生のお相手となる山崎太郎先生は、つい先日八ヶ岳でオペラ「フィガロの結婚」の伯爵役をされた方でもあります。今回加藤先生の対談のお相手と知り、驚きました。山崎先生は演技力抜群で、おまけにお声も良く通り、アドリブで振りをつけたりと中々のセンスの持ち主でした。ワーグナー楽劇の研究者でいらしたんですね。そしてダブルキャストで後半の伯爵役を務めた植松さんも、翌日のオペラのオケ合わせの為に丁度八ヶ岳から上京される日なので、お誘いした所ご夫妻で参加されます。それに我々の数少ない軽井沢での音楽仲間であるワーグナー協会の会員や、愛好会のオペラ好きの会員など、さままな音楽の輪で結ばれた仲間がこの講座に集まります。いろんなことがきっかけで、こうして輪が広がっていくのですね。嬉しいことです。

終了後は先生主催の茶話会もあります。お時間のある方はぜひどうぞ。♡♠♤

申し込み先:朝日カルチャー新宿校(03-3344-1945)

2013年8月27日のモーツァルトハウス(東京)
ふるさとはありがたきかな・・

12日から行っていた秋田から、やっと昨日東京に戻って来ました。母の新盆、法事があり今年は2週間以上の長い滞在となりました。むこうではしだいに都会が恋しくなり、帰って来たら来たで、瞬時に昨日までいた故郷が懐かしくなる~不思議なものです。。。空気も澄みきっていて、毎日新鮮な野菜をもりもり食べ、美味しい魚もさまざまあって、のんびり、ゆっくり、時間におわれることも、緊張することもない日々でした。田舎モードから都会モードに切り替えるにはしばし時間がかかりそう・・・。

何といっても次第に恋しくなったのは、生のモーツァルトのの音楽かな・・・・
気を取り直して、またMozart house Newsをぼちぼち始めますので、暫しの夏休み、どうぞお許しください。

所で、9月、10月は我が家も遠征が続きます。
大阪:ザ・シンフォニーホールでのコンサート(大阪)(9/8~9)、宇奈月音楽祭(富山)(9/21,22)、リゾナーレ音楽祭(山梨)(10/1.2)京都高雄山神護寺金堂でのコンサート(京都)(10/6.7)その合間に都内のコンサート、新国のオペラなど等・・・・。芸術の秋を楽しもうと思います♡♠♤

2013年7月27日のモーツァルトハウス

オペラ・ルスティカーナ公演 オペラ「フィガロの結婚」 2013年7月27日(土)八ヶ岳やまびこホール 15時開演
オペラ・ルスティカーナは、山梨県北杜市在住のオペラ好きのアマチュア団体。9月21日(土)冨山県宇奈月温泉で開かれるモーツァルト音楽祭にて、アマチュアオーケストラのアルテ・ハイマート合奏団と「フィガロの結婚」を上演します。八ヶ岳やまびこホールで、ピアノ伴奏付きで、その前哨戦ともいうべき公演が行われました。事務局長の植松さんからお招きを受けていたので、私達はこの公演の日を指折り数えて楽しみにしていました。あまりに気持ちが勇んでしまい、2人とも3時開演を2時と間違え、早々に公演会場のやまびこホールに着いてしまう失態も。

さて、公演はというと、エネルギッシュで、楽しく、日本語で歌われているので、内容はわかり易く、「オペラはちょっと」という方でも思わず引き込まれる面白さがありました。
総監督の森眞由美さん、ダブルキャストでフィガロ役のご主人ともにお医者さまで、東京でオペラ公演をもう30公演もしたご経験がおありとか。常連さんもいて、500人もの観客がいた時もあったとか。。ダブルキャストで伯爵役には東工大の山崎太郎先生(専門はドイツオペラ、とりわけワーグナー楽劇研究)もいらっしゃいます。オケのアルテ・ハイマート合奏団の団員もお医者様始め、医療関係に従事されている方だとか、宇奈月の公演で指揮をされる根本先生にも今回お目にかかることができました。

皆様美声で、歌唱力、演技力抜群でいらっしゃいます。年齢層が30代から70代というのも驚きです。客席から見ているより、舞台に立って自分も歌えるものなら歌ってみたいと、思わせてくれるほど、ご出演の皆様は生き生きと楽しそう・・・・。

八ヶ岳にもお家があり、皆さんとも懇意にされている田辺秀樹先生(一橋大学名誉教授、専門:ドイツ文学、音楽文化論、モーツァルトの著書多数)もおみえになっていて、前のお席で「ブラボー」を何度か発しておいででしたが、先生は終了後、「お話を上手に処理されていましたね」と、複雑な場面での筋立てを、うまくわかり易く日本語で纏め上げたことに感心されていました。

オペラ「フィガロの結婚」はとかく長く、お話も辻褄があわず、特に初心者は途中から眠くなってしまう場合も多いと聞いていましたが、ユーモアたっぷりに演じ、観客を笑わせる所は大いに笑わせ、そして最後の「許しのアリア」でしっとりとさせるという、「オペラブッファ」の真髄をみせてくれたような気がしました。ここに至るには大変な練習、ご努力があったと思いますが、前日には、地元新聞社の取材も受けたそうですが、アマチュアでもこんふうに楽しめるオペラをみて、監督がおっしゃるオペラのすそ野が広がる大きな一歩かと思いました。
宇奈月での本公演を楽しみにしています。

ホールは、八ヶ岳らしく木目が美しく、音響も抜群です


山崎太郎先生と加藤浩子先生の講座があります。
対談で知る「ヴェルディとワーグナー」
日時:2013年8月31日(土)15:30~17:30
場所朝日カルチャー新宿教室

2013年7月26日のモーツァルトハウス

嬉しい贈り物

素敵な器を頂きました。小樽:北一硝子の器です。北海道旅行のお土産に頂いたものです。選んでくださった方の、ピュアなお人柄が伝わってくる器です。
色いろな食材を入れて楽しんでみました。シンプルなので何にでも合いますね。♡♠♤

左は生ハム、クリームチーズ、エビのオードブルです。右は主人の大好物の「ソルダム」です。見るとまだ下の写真のように実は固く青いのですが、皮をむくと真っ赤な赤ワイン色の果肉なのです。酸味が強く、苦手な人も多いでしょうが、食感がいいので好きになりました。。ポリフェノールもたっぷりで、ヨーグルトによく合います。

我が家で採れたくろイチゴ(自生)です。アントシア二ン、ポリフェノールも豊富で、美容と健康に良さそうです。まだこんなに少ししか採れませんが、ガラスの器に入れるとまた映えます。。。。

2013年7月25日のモーツァルトハウス

山百合の香りに包まれて・・・・



元々我が家には自生の山百合がありましたが、たったの2本だけでした。ところがどうも山百合にとってはこの土地が気に入ったらしく、毎年少しずつ増え続け、今では全部で数十本という数になりました。大きく成長したものには1本で6~7個の花をつけ、中にはその重みに耐えきれず土に接する程のものもあります。そういう場合は支柱を立ててやりますが、一般的な自生の山百合は生える場所が草むらの中が多いので、お互いにもたれかかって成り立っているようです。それにしてもこれだけ一斉に花をつけ始めると、むせかえるような芳香が庭中にたちこめて、まさに山百合の里になったようです。・・・山百合の傍でワンショット・・・

2013年7月24日のモーツァルトハウス

軽井沢高原文庫 朗読会

朗読 「死の淵の愛と光」 お話 加賀乙彦「死刑囚、正田昭を語る」 出演:坂本岳大 岩崎大(Studio Lifu) 矢代朝子 * 加賀乙彦、

会場:軽井沢タリアセン内 旧朝吹山荘「睡鳩荘」

2013年4月1日にオープンした「中軽井沢図書館」のオープニングでも4人のトークショーがありました。軽井沢高原文庫館長で、作家で、精神科医でもある加賀乙彦さんと、軽井沢演劇部のコラボの朗読会が、この夏、軽井沢タリアセン内「旧朝吹山荘」にて行われます。有名な建築家ヴォーリスさん設計の貴重な建築物である朝吹山荘、この夏初めて訪れてみます。

2013年7月22日のモーツァルトハウス(東京)

残してくれたものの大きさ・・・・・

愛好会の第2代目の代表が15日ご逝去されました。突然の訃報でした。
1980年に数人の有志が集まって始めた当愛好会、創設からご尽力され、2代目代表として2001年まで務めてくださいました。

「モーツァルトに出会ったお蔭で、どれだけ人生が豊かになったことか・・・」がいつもの口癖でしたね。
モーツァルトの旅行を奥様とご一緒に何度もされ、コンサートを楽しみ、音楽祭にも出かけ、常にモーツァルトの音楽にご夫妻で浸りきったご生涯でした。「モ」という文字を見ただけで反応してしまうんだよね・・・とおっしゃっていた笑顔も言葉と共に蘇えります。

ご自宅にお邪魔した時、モーツァルトの旅で訪れた場所を描かれた油絵を、何点か見せて頂いたことがありました。奥様の染色画もあり、感動した私達はもっと多くの方たちに見てもらいたいと、厚かましくをお願いしたのです。
「モーツァルトゆかりの地をを巡る旅-展」~旅の思い出を絵にしました~はこうしてを開かせていただきました。2010年の春のことです。「僕は画家じゃないから・・」と何度もおっしゃられていました。若い私達に押し切られたように、きっと承諾してくださったのだと思います。その後時を経て、「無理をいって展覧会を開かせて頂いて有難うございました」と改めてお礼を申し上げることもなく、今日に至ってしまったことが悔やまれます。

でも、2ケ月ほどの展覧会開催中、軽井沢オナーズヒルのクラブハウスのロビーでの展覧会に、延べにして、100人もの人が訪れたことになります。ご覧になったお一人、お一人の心の中に福田さんの絵は今でもきっと生きていることでしょう。
展覧会の為にと、新たに描いてくださった絵がありました。その「ト短調のウイーン」というタイトルの絵は今、モーツァルトハウスに飾らせて頂いております。

「モーツァルトハウス」にと、沢山の貴重な蔵書も頂きました。例会の度に、数冊づつ紙袋に入れて、持ってきてくださるのです。主人が持って帰り易いようにというお心遣いからでした。福田さんのモーツァルト歴を物語る、それらの貴重な書物もモーツァルトハウスの宝物です。

最近は「レクイエム」をよく聴いていらしたそうで、その日も息子さんはずっとCDをかけていたそうです。
天国でモーツァルトさんに会えるよう、モーツァルトの写真を入れたという、ご家族のその願い通り、今頃はきっと、生のモーツァルトさんに出会えて、肩を並べて、楽しそうに尽きない談笑をしていらっしゃることでしょう。
「君のことはよく知っていたよ・・・。ず-と天上から君のことを見ていたから・・・」と言っているモーツァルトさんの声が、私には聞こえてくるようです。

モーツァルトへの愛、ご家族との愛、愛に包まれた人生を全うされた福田さん、そんな福田さんと愛好会という会の一員でいられる幸せを味わせて頂き、私達は本当に幸せでした。有難うございました。
今は、ただただ、心からご冥福をお祈りするばかりです。


福田邦夫絵画展 「モーツァルトゆかりの地を巡る旅 展」~旅の思い出を絵にしました~は、このページの最初にあります。

2013年7月14日のモーツァルトハウス(東京)

対話で知る ヴェルデイとワーグナー  
講師 加藤浩子(音楽評論家 慶應義塾大講師)&山崎太郎(東工大教授・ドイツ文学者)


昨日、朝日カルチャー新宿校に出かけ、加藤先生のお講座のちらしを見つけました。

日時:2013年8/31 1回 土曜 15:30~17:30 受講料 会員 3360円 一般 3990円

今年は、19世紀のオペラを変えたイタリアとドイツの2大巨匠、ヴェルデイとワーグナーの生誕200年、ヴェルデイとワーグナーの魅力を、共通点、相違点を含めて専門家の2人が対談で紹介して下さいます。楽しみですね♡♠♤

2013年7月13日のモーツァルトハウス(東京)

真作か贋作か分かれる反応
暑い暑い東京に又戻ってきました。
今日は新宿の朝日カルチャーセンターでのモーツァルト講座の日。「モーツァルトー真作と疑作・偽作の狭間」の6回目。

2004年11月、ザルツブルク郊外のバード・イシュルの旧家に所蔵されていた楽譜が競売にかけられ、その中からモーツァルトの交響曲の楽譜を楽友協会が発見しました。第三者によって書き写されたものですが、表紙に「ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトによるニ長調交響曲」と書かれています。このニ長調交響曲は、指揮を前田二生氏、新東京室内オーケストラで、2005年4月12日紀尾井ホールで世界で初めて演奏されました。モーツァルトの作品と思えるかどうか、アンケート調査までしながら、この曲の真贋について鑑定を進めていくといっていましたが、その後未だ結論は出されておらず、楽友協会は、この曲を真作と決定されるまでは、演奏しないと決めているそうです。。この日の、紀尾井ホールの聴衆の反応も半々に分かれたそうであります。

もしこの曲、モーツァルト作曲だとしたら、ロンドンとか、ハーグで、8歳から9歳にかけての作品と考えられるそうです。
決して悪い曲とは思えないこの「ニ長調交響曲」。しかし、モーツァルトらしいメロディと感じないのは、私達だけではなく、先生も・・・・。別の人が作ったのでは・・・?ザルツブルクのモーツァルトの同時代のダーフィット・ヴェスターマイヤーの作としても、この曲は知られているそうで、ますます分からなくなります・・・。
「真作」の決定は、やはりあくまでも「自筆譜」であって、「筆写譜」では駄目なのです。。。。

2013年7月10日のモーツァルトハウス

満開の薔薇に囲まれて・・・
猛暑を逃れて、涼みにきた軽井沢・・・・。暑いんです!ちょうど行ってる間は、夕方になっても涼しい風が吹かないのです・・・

それでも、丁度満開となった「モーツァルトのばら」を眺めて、しばしテラスで夕涼み♡♠♤

2013年7月8日のモーツァルトハウス
草取りも大事な仕事・・・・


着いた翌日は、すっかり草の生い茂ったモーツァルトハウス周辺のまず草取りから。。。。

カメラを向けるとこの始末・・・・


2013年7月1日のモーツァルトハウス(奈良)

女神(ミュウズ)に逢いに秋篠の里に、、、♪♪

瀬戸内寂聴の「寂聴古寺巡礼」を読んで、初めて私がこの秋篠寺を訪れたのはいつのことだったのだろう・・・。
最初は友人を誘って3人で、次は姉を連れて、今度は夫を連れて、20年足らずの間に3回行っていることになります。そこまでして逢いたくなる伎芸天さまとは・・・。伎芸天像はその名の通り、絶世の美女の上、美術家文芸家等の間に広く讃仰者を集めている芸事の天女さまなのです。うち仰ぐ伎芸天の美しさが人間的で、久々に逢う恋人に胸をときめかせているような心持に、どうしてもなってしまうのです。

このお堂の中の一番左端に、伎芸天さんはすうっと御立ちになっていらっしゃいます。
堀辰雄もかつてここを訪れ、こう書き残しました。

「いましがた、ここの少し荒れた御堂にある伎芸天女の像をしみじみと見てきたばかりのところだ。このミュウズの像はなんだか僕たちのような気がせられて、わけてもお慕わしい。赤い髪をし、おほどかな御顔だけすっかり香にお灼けになって、右手を胸のあたりにもちあげて軽く印を結ばれながら、少し伏し目にこちらを見下ろされ、いまにも何かおっしゃられそうな様子をなすってお立ちになっていられた。----

此処はなかなかいい村だ。寺もいい。いかにもそんな村のお寺らしくしているところがいい。そしてこんな御堂のなかに、ずーっと昔から、こういう匂いの高い天女の像が身をひそめていてくだすったのかとおもうと、本当にありがたい。」

まるで久々に逢う恋人のよう・・・そんな胸のときめきをもって美しいお顔をみあげました。奈良には有名な大伽藍が数々あって、それはそれで立派ですが、そういう名刹を訪ねながら、ほとんど人の訪れないひっそりとしたこんな小さなお寺さんを訪ねるのも好きなのです。秋篠の里はいつも人影はまばらで、物の音がほとんどしない。今度も時間が止まったような静けさに包まれていました。

まだ幾千年、ここに佇みつづけられるであろう伎芸天さんに、またいつの日か逢いに行ってみたい・・・。

2013年6月30日~7月1日のモーツァルトハウス(滋賀&奈良)

幕切れはすごい盛り上がり・・・「フィガロの結婚」バーゼル歌劇場引っ越し公演♪♪

予想外の面白さ、洒脱な演出で、モーツァルトの音楽も踊っていました。。。。

心配して出かけたびわ湖ホールでの今回の「フィガロの結婚」。果たして、ユーモアがあり、息の合った実力派の歌手陣により、現代ものながら、満足できるものでした。行った甲斐があったというもの。

2度目となった琵琶湖のほとりに建つこのびわ湖ホールは、西に比叡山を望み、眼前には琵琶湖の美しい湖面、廻りの木々の緑と、絵画の様な景色に包まれた魅力的なホール。都会の喧騒から離れて非日常を感じる贅沢な空間です。前回の秋の紅葉の時とまた違った姿を見せてくれました。


都会では味わえない空間を楽しみ、オペラにも最高に満足し、まずは旅行の一日目は終わりとなりました。
さて、2日目は久しぶりに奈良へ出かけてみました。奈良は丁度9年前の2004年6月に訪れて以来です。予告通り、秋篠寺~興福寺~唐招提寺というコースを回りました。

「しゃしゃんぼ」の前で(右)・・・ちょうど白いお花が咲いていました。

唐招提寺は2004年は修復中でしたので、完成してから初めて訪れました。ほとんど人がいなく、静けさの中に、ぽつぽつと修学旅行の学生さんの姿があるだけ。金堂には、中央に盧舎那仏座像、西方に十一面千手観世音菩薩立像、東方に薬師如来立像と配され、偉容さに圧倒されます。多種の蓮の花が植えられていて、丁度その姿も楽しむことが出来ました。

唐招提寺と言えば、「御影堂」に収められている国宝「鑑真和上像」を忘れることはできません。。毎年6月6日の開山忌舎利会の前後3日間だけ「御影堂」が一般公開され、東山魁夷画伯の障壁画と共に、「鑑真和上像」を参拝することが出来ます。でも、いつでもこの像を参拝できるようにと「レプリカ」を作り、この春から「鑑真和上御身代わり像」として「開山堂」で公開されていました。いつでも鑑真さんに会う事が出来るようになりました。大きなガラス張りのお部屋の中で、静かに目を伏せて座しておられる鑑真和上さん。そのお姿に時のたつのも忘れて仰ぎ見入ってしまいました・・・・・
オペラ鑑賞の喜びだけではなく、奈良巡りをし、興福寺の阿修羅像、秋篠寺の伎芸天像、唐招提寺でも多くの仏像にも会え、奈良とモーツァルトとのコラボともいえる大変充実した旅となりました。またこんな旅をしてみたいです♡♠♤

2013年6月29のモーツァルトハウス(東京)

間近になりました!バーゼル歌劇場「フィガロの結婚」2013年6月30日15時開演 びわ湖ホール

明日はびわ湖ホールでのバーゼル歌劇場「フィガロの結婚」を鑑賞に出かけます。昨年秋以来2度目のびわ湖ホールです。
ハラハラどきどきなのは演出です。舞台は貴族の館から現代アメリカの高級住宅へ移し替えたものなのです。衣装も全く現代的!どうなることやら・・・です。そしていくぶんエロティックな演出でもあるらしいです。。。。

「現代アメリカという舞台設定の中で、スザンナや、そして伯爵夫人さえも、随所で性的な魅力をふりまいて観客をドキッとさせるのだから。ただし本質的には決して「読み替え」演出ではない。注意深く見れば、それぞれのキャラクターには、原作に忠実な造形が与えられていることが分かる。
歌手はみな演技を含めて達者。突出した声の持ち主こそいないものの、普段から同じ場所で公演を打つ仲間が多いとあって、息のあい方は抜群だ。こういう劇場が自分の街にあったら、さぞ楽しいに違いない」(2013年6月25日読売新聞)

期待と、恐ろしさを胸に明日は出かけます。鑑賞した翌日は、久しぶりに奈良を訪れ、秋篠寺の「伎芸天像」や、平成の大修復からまだいっていない唐招提寺、時間があったら興福寺の「阿修羅像」にも会って来たいと思っています。

この公演は、富山、愛知、東京(28日)と続き、びわ湖ホールは最終公演です。  

2013年6月26のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトならではの品格に満ちた作品・・・・K543
1788年6月26日、225年前の今日、モーツァルトは「交響曲第39番変ホ長調K543」を作曲しました。

39番、40番、41番(ジュピター)と続く、あまりにも有名なモーツァルト三大交響曲。この三作品はわずか2ケ月足らずのうちに生み出されたと言われています。この<三大交響曲>は、長い間作曲の契機、目的、連作としての意図などほとんど当時の記録がなく、謎に包まれてきました。「注文もなく、直接の意図もない。あるのは永遠への訴えだけ」とアインシュタインは語っています。

その中の、変ホ長調39番は、最も古典的で美しい曲です。クラリネットを使い、木管楽器群の豊かでみちたりた響き・・・
同じ変ホ長調の三重奏曲(ディヴェルティメント)K563を思わせる彼岸的な美しさは、その後の交響曲をもってしても、並ぶものはありません。

特に第3楽章メヌエットに、モーツァルトはクラリネットを用いていて、その透明でまろやかな響きの旋律の美しさに酔ってしまいます。

ある刺激に対して受け止めた感覚が、別の感覚器官の反応を引き起こすことを「共感覚」というそうです。文字を見て色を感じるとか、形を見て味を感じるとか様々ですが・・・特に音楽を聴いて色を感じる知覚の事を「色聴」と言う様です。このメヌエットを聴いて何色を連想するか・・・・それぞれが考えてみました。ある方は、緑濃い周囲の環境もあったのでしょうが「萌え出る緑」をイメージし、別の方は、少し哀調を帯びたクラリネットの澄んだ音色に「紫色」を思い、様々です。音楽に「色」を感じるということを教えて頂きました♪♪

2013年6月22のモーツァルトハウス
散策路の補修工事をしました・・・

崖・損傷部分に浅間石積み、桜の倒木処理を行いました。


この周辺には、鳴子ゆり、しもつけ草、半鐘ずる、白根せんきゅうなどが咲いていました。


2013年6月21のモーツァルトハウス

大事な収穫期を迎えています・・・・?

モーツァルトハウスにはいくつかの収穫期があります。
タラの芽、山椒、えびがらイチゴ、くろイチゴ、そして、うぐいすかぐらというグミみたいな、甘い小さな赤い実などの収穫時期です。

このうぐいすかぐらが丁度たくさんなっていました。収穫して早速ジャムにしてみました。


「うぐいすかぐらムース」を作ってみました。。。。。

2013年6月20のモーツァルトハウス

咲き始めました~モーツアルトのバラ

モーツァルトのバラがどうなっているかと軽井沢にやってきました。
ちょうど咲き始めたばかりのようで、ちらほらと蕾が開き始めています♡♠♤

最初は小さかったのに、今では随分背も伸びて私達のの身長を超えるようになりました。
今年も、これから暫くの間、楽しませてくれそうです♪♪

2013年6月18のモーツァルトハウス(東京)

「ヴェルディ」ーオペラ変革者の素顔と作品ー

加藤浩子先生のご著書「ヴェルデイ」(平凡社新書14周年)を早速拝読しました

ヴェルディ生誕200年の2013年、そのヴェルデイ通の加藤浩子先生が、満を持して愛するヴェルデイの素顔と作品に迫った、記念碑的ともいえる新書を上梓されました。

内容は三部構成になっていて、「第一部 人間として作曲家として」では知られざる作曲家ヴェルディの素顔について、常に今まで「神話」と「伝説」に満ちていた彼の素顔に迫っていて、先生の正に真骨頂です。第二部は「現代に生きるヴェルディ」、多くの「生:なま」に接して、旬の指揮者や歌手へのインタビューをも常に試みている著者でしか知ることが出来ない貴重な音楽情報も満載です。第三部は「ヴェルディ全オペラ作品」と続きます。特にこの三部では、著者による他の作曲家、モーツァルトやワグナー、ロッシーニなどとの比較なども分かりやすく解説されていて、我々には大変興味深い所です。

「泣けるオペラはヴェルデイから始まった!」、音楽による人間のドラマとしてのオペラを創造したヴェルデイ、その残した功績は、オペラ作曲家の地位向上等、種々さまざまありました。私が知っていた「憩いの家」の創設だけではなかったのです。。。。
初心者にもわかり易く、読み応えのある、著者の音楽への愛情と知識に満ちた、お薦めの一冊です。

2013年6月12のモーツァルトハウス(東京)

歌手が変わればこんなにも・・・・?新国立劇場「コジ・ファン・トゥッテ」 新国立劇場オペラ劇場開演:14時

震災の年の2011年6月に初演されたダミアーノ・ミキエレット演出の「コジ・ファン・トゥッテ」、今回はその再演です。キャンプ場を舞台に繰り広げられる二組のカップルの恋物語です。前回も観ていますが、決して評判のいい演出ではありませんでした。が今回は歌手陣が充実していて、驚くほど印象が違っていました。フィオルディリージにミア・パーション、ドラベッラにジェニファー・ホロウェイ、デスピーナに天羽明恵、フェルランドにパオロ・ファナーレ、グリエルモにドミニク・ケーニンガー、ドン・アルファンソにマウリツィオ・ムラーロという布陣で、パーションは調子が今一つでいつもの実力を出し切れていない感じはあったものの、フェランド役の若手テノールは注目に値し、脇人もそつがなく、大変満足なものになりました。

結局オペラは音楽がまずあって、その音楽さえ十分に聴かせてもらえたら、演出はその邪魔さえしないものであればいいのだという、言い尽くされてきた事を、身をもって体験した舞台となりました。思い起こすと、原発を理由に外国からの歌手が次々と降板し、新国立劇場でのオペラ上演もままならなかった2011年でした。この「コジ」もその影響を大きく受けたオペラでした。代役ばかりのキャストで、観客の心も、舞台も沈みがちだったのかも知れません。今回は歌手陣の充実で、歌に吸い込まれていると、こんなキャンプ場での演出にも違和感がなく入っていけた気がします。

この日、偶然加藤浩子先生にもお会いできました。加藤浩子先生のツイートを載せておきます。

「新国コジファントウッテ終演。とても充実した公演でした!ミキエレットの演出は、2011年に制作されて評判になったもので、舞台を現代のキャンプ場でのできごとに設定。音楽ともマッチし、遊び心のある素敵なプロダクション。フィオルディリージ役のパーションはじめ歌手も揃い、アベルの指揮も最高」加藤先生ツイッターより。

我々の席は4階の最上席、それでも大満足でした。。。。。

2013年6月6のモーツァルトハウス
モーツァルトオペラの会 in 軽井沢
    今年はモーツァルト若き日の傑作「後宮からの誘拐」   

モーツァルトハウスの庭には、丁度クリン草が可愛い花を咲かせていました。

今年も軽井沢で「オペラの会」を開くことが出来ました。色々なことがありましたが、また仲間とモーツァルトのオペラを楽しんで、参加の皆さまからいい刺激とエネルギーを貰いました♡♠♤。それにしても「後宮からの誘拐」はモーツァルトの青春をオペラにしたような、瑞々しさと透明感溢れる音楽が魅力です。コンスタンツエ役のグルベローヴァ30代のDVDで、全盛期を懐かしんで観ることができました。

  に更に詳しく掲載

2013年6月5のモーツァルトハウス

パーティの準備はまずテラスの掃除から♪♪


パーティの時のお肉は全てカタヤマミートショップのもの、ローストビーフ用に切って貰いました。


二階に「似顔絵コーナー」を設けました。


こんなワインを頂きました。音符が首の所についていて「fugue」とは「遁走曲」という意味でしょうか。。。。


2013年6月3のモーツァルトハウス

栃の木(マロニエ)の花を楽しんで・・・・
オナーズヒルから御代田までの道は山里を思わせる懐かし~い心の故郷ともいえる景色が楽しめる場所でもあります。アカシアの花や、ソバの花も楽しみです。そして丁度今頃は小さな「養蜂所」があって、そこでマロニエもみることができます。盛りは過ぎていましたが、きれいなお花です。5月末にドイツのマンハイムからパリに旅行した事がありますが、見事なマロニエの大木にいっぱい花がついていて感動したのを思い出します。


2013年5月30日のモーツァルトハウス
久しぶりの軽井沢はイチゴ、サクラソウの花が咲いていました・・・・

モーツァルトのバラはまだこんな蕾です・・・

2013年5月27日のモーツァルトハウス(東京)

シュルツさんを偲んで・・・・
ウイーン・シュルツ室内合奏団 モーツァルト:フルート協奏曲全曲演奏会
  武蔵野市民文化会館 小ホール  19時開演
ヴォルフガング・シュルツさんが出演予定だった今日のコンサート。体調不良で、ワルター・アウアーさんに変更になっていましたが、病気療養中のシュルツさんは3月28日に永眠されたそうです。こころよりご冥福をお祈りいたします。


プログラム

フルート協奏曲第1番 ト長調 K313
フルート協奏曲第2番 ニ長調 K314
フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K315
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K299

代役となったのは、ウイーン・フィルの首席フルート奏者のワルター・アウアーさん。今日のプログラムは、フルート協奏曲の1番と2番を一緒に聴けおまけにフルートとハープのための協奏曲という、何とも贅沢なめったにないもの。おそらくチケットは完売だったのでしょう。

「フルートとハープのための協奏曲」はパープが吉野直子さん、いつ聴いても素晴らしい曲です。シュルツさんもきっと今日ここのどこかで聴いていてくれているんではという吉野さんのお言葉で、アンコールにグルックの「精霊の踊り」を皆で演奏してくださいました。心のこもったその美しい音色に最後は拍手が鳴りやまず、スタンディングオーベンションになりました。
1番ト長調を聴くと、加藤ひろ彦さんを思い出してしまいます。。。

ウイーンの偉大な音楽家がまたひとり、惜しまれてこの世を去って行きました。。。。

2013年5月27日のモーツァルトハウス(東京)

京料理は大好きな味・・・♡♠♤

どこかに寄って何か食べて帰ろうという時、いつもの家のご飯に近いものをと思って探すと、意外に難しいものです。そんな時行くのが、新宿高島屋タイムズスクエア14階にある「福ろく寿」。気軽に京料理が楽しめるお店です。特に「和牛石焼御膳」は味もボリュームも、食材のバランスも気に入っています。サービスも満点で、スカイツリー、また東京タワーまで見渡せる席に座るとその景色までご馳走です。夜景もロマンテイック!♡♠♤

2013年5月26日のモーツァルトハウス(東京)

光心の日本画展 岩手の郷愁”宮古への想い”~106号線に魅せられて
 会場:横浜市神奈川区民文化センターかなっくホール ギャラリーA
昨年に続いて、光心さんの個展にお伺いしました。♡♠♤

          光心さん、無心さんと。

木蓮は地球上で最古の花木といわれ、1億年前から今の姿のままなのだそうです。花が蓮の花に似ていることから”木蓮”と名付けられたそうな・・・”木蓮”のシリーズ、どれもすべて素敵でした。

震災から2年、いつも宮古にお帰りになるたびに通るふるさとの景色を、光心さんは絵にされました。
「ふるさとの 母のおもかげ 重なりて 忘るるなかれ あの日あの時」。 昨年1月に他界されたお母様と、震災に会ったふるさとを思って詠んだうたです。
どれも心のこもった素敵な作品ばかりで、本当に幸せなひと時でした。♡♠♤

2013年5月26日のモーツァルトハウス(東京)
音楽祭のパンフレットが届きました♡♠♤

「草津夏期国際音楽アカデミー&フェステイヴァル」は今年34回を迎えます。今年のテーマは「リヒャルト・ワーグナー生誕200年~私はどこから来たのか~」
今年は「歌劇王」リヒャルト・ワーグナー生誕200年のメモリアル・イヤー。ワーグナーは誰に影響をうけ、そして影響を与えたのか。ワーグナーに影響を与えた作曲家たちの作品、そしてワーグナー自身の名曲が取り上げられます。
期間:2013年8月17日(土)~31日(土)


小淵沢にあるホテルリゾナーレの「音楽の森ホール」で毎年行われている「リゾナーレ音楽祭」、今年で21回目を迎えます。
今年は2013年10.1~10.3の3日間行われます。

草津音楽祭に毎年出演され、音楽祭の顔ともなっていたW.シュルツさん、お亡くなりになってしまい、悲しいことにシュルツさんのフルートはもう聴くことが出来なくなってしまいました。8/29(木)は「管楽アンサンブルの夕べ~W.シュルツに捧げる」というタイトルで管楽アンサンブルでの演奏会が、また8/31(土)のクロージング・コンサートでは、現在音楽監督の西村朗さん作曲の「ヴォルフガング・シュルツ氏の思い出に寄せるアダージョ」が演奏されます。

2013年5月11日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト作と間違われた曲とは・・・
ケッヒェルさんさえも間違ったという、ある時期までモーツァルト作と思われてきた曲があります。そうです、誰もが良く知っている「モーツァルトの子守歌」です。
そもそもの間違いの始まりは、コンスタンツェの再婚相手ニッセンの「モーツァルト伝」(1828年)において、その付録にこの曲「モーツァルトの子守歌」として楽譜と歌詞が収められたことによります。その後モーツァルトの曲として広く人々に膾炙していきました。

本当の作曲家はベルンハルト・フリース。ドイツの医師&音楽愛好家です。19世紀を通してモーツァルトの曲と思われてきた曲が、一方でどうもモーツァルトの作品としてはおかしいのではという疑問も立ちはじめ、様々な論議が戦わされ、種々の研究が試みられ、結果歌曲史の研究者マックス・フリートレンダーによって1796年にフリースによって書かれたものと結論づけられたのです。
それ以降、モーツァルトの歌曲集からも外され、ほとんど歌われなくなってしまった「モーツァルトの子守歌」。

この「モーツァルトの子守歌」は、モーツァルトの作品でないものが、あるきっかけでモーツァルトのものと信じられ、そして歌われ親しまれていったケースを端的な形で示しているのだそうです。また親しまれていった理由は、親しみやすい曲、単純な旋律が、まさにモーツァルト的だと受け止められ、またシューベルトをはじめ有名な作曲家たちに、この種の愛らしい作品があったため、そうした曲をモーツァルトにも要求したためではないかということです。

朝日カルチャー、新宿校の海老澤敏先生のモーツァルト講座、今期は「モーツァルトー真作と疑作・偽作の狭間」です。ハイドンの時代にも多くの作品が群小作家によって生み出され、後世でも偽作・贋作が横行した。モーツァルトの場合も例外ではなく、モーツァルトの真作と比較しながら疑わしい曲、偽造された曲を紹介、また解説をこれから9月までしてくださいます。

2013年5月8日のモーツァルトハウス

モーツァルトが懸け橋に・・・「フィガロの結婚」全幕上演

このページでも何度も紹介している宇奈月モーツァルト音楽祭、今年は八ヶ岳在住の知人のオペラ愛好グループが「フィガロの結婚」を全幕上演します。この音楽祭でのオペラ上演は初めてのこと。私達の知人である植松さんはこのグループの事務局長でこの参加を決めたキーパーソン。昨日モーツァルトハウスを訪れ、先日北日本新聞の取材をうけた、その記事が載った新聞を持ってきてくれました。

「モーツァルトを愛する同じ思いを持つ人たちと一緒に活動し、音楽祭の盛り上げに貢献できれば幸せ」とは、植松さんの談です。
今年は9月21日~23日に開催し、この公演は21日午後1時半から、宇奈月国際会館セレネで行われます。

プレゼントのブーゲンビリア、大好きなピンク色でお部屋も明るくなります。レーズンなどドライフルーツや木の実がたっぷり入ったパウンドケーキもお手製で頂いたものです。ラム酒がきいていて、お茶にもお酒にもよく合うとは主人の談。毎日ワインを飲みながらケーキも厚切りで、美味しそうに食べています。

2013年5月7日のモーツァルトハウス
モーツァルトを共に楽しむ喜び・・・・
モーツァルトハウスの周辺は、今すみれがたくさん咲いています。それを摘んでガラスの花瓶にいけてみました。
今日は八ヶ岳在住のご夫妻が軽井沢までいらして、モーツァルトハウスを訪ねてくださいました。嬉しい・・・♡♠♤

この日、夕食を共にしたレストランは、今までランチでは良く行っていた「イタリアンレストラン:ジンガラ」。佐久ICのすぐそばです。雄大な浅間山の眺望と、ピザがおいしく、またリーズナブルな料金が気に入っていましたが、夜景もとても綺麗でロマンチック!お薦めしたいレストランです

これらに肉、魚料理がさらに加わって、エンドレスに飛び出す楽しいな会話と、運ばれてくるご馳走に一同満腹になって、気が付くともう閉店時間に!!
運転しないといけない主人は、大好きなワインが飲みたくても飲めず恨めしそう・・次は代行で???私はペーパーなので・・・


モーツァルトとワーグナー、そしてオペラをこよなく愛するご主人と、その喜びを心から共有している奥様、素敵なまたエネルギッシュなご夫婦に乾杯(完敗)です♡♠♤

2013年5月5日のモーツァルトハウス
満開の桜の中で聴くモーツァルト~
ちょうど桜が満開になりました。周辺の桜は自生が殆どで山桜です。うすいピンクが何とも控え目で美しいのです。西行法師の「ねがわくば花のしたにて春死なむ・・・・」の歌が思い出されますね。

パラソルを出して、モーツァルトを聴いていると、鳥のさえずりもモーツアルトのメロディを一緒に楽しんでいるように聞こえてきます♡♠♤

この日の夜は「ホテルサイプレス軽井沢」で軽井沢で活躍中の演奏家たちが出演しているラウンジコンサートを聴きに行きました。
出演は小平真司(クラリネット)斎藤明子(10弦ギター)山口直美(フルート)、横山晴子(マリンバ)の面々。

連休中の軽井沢でこんな風に身近に音楽を楽しめるなんて、貴重な時間を過ごすことができました。地元軽井沢で地道に活動を続ける4人のメンバー、これからも期待を込めて注目して行きます♡♠♤

2013年5月3日のモーツァルトハウス
モーツァルトの生前最も上演された作品、オペラ「後宮からの誘拐」

ストーリーは単純で、たわいないながら、このオペラの素晴らしさは言葉では言い表せません。
17,8世紀に流行っていたオリエンタリズムのトルコ・ブームに乗って、モーツァルトがウイーンで作曲し、1782年7月16日ブルク劇場で初演したドイツ語のオペラです。登場人物はテノールとソプラノが二人づつ、ベルモンテとペドリルロ、コンスタンツエとブロンテ、それにせりふだけの役の太守セリム、バスのオスミンの6人です。時の皇帝ヨーゼフ2世の啓蒙思想の精神を根底に、トルコという異文化に対する高い理念と庶民の本音がうまく表されていて、モーツァルの生存中最も上演されたオペラといいます。

もともとバス歌手にフィッシャーという素晴らしい歌手がいて、モーツァルトはそれを意識してオスミンのアリアを作曲したといいます。しかしなかなかこのアリアを歌い上げる歌手が日本人にはなく、それがあまり日本での上演機会がないことの理由になっているのだそうです。(残念・・・・)

「このオペラの成功についてはどうぞ心配なく、私はウイーンの市民にうけるすべを知っていますから!」とモーツァルトはナンネル宛の手紙(1781年9月19日付)の中に書いています。
モーツァルトはオスミンに魅力的なアリアを歌わせることにより、庶民である市民の心をより掴むことができると思っていたのです。オスミンとブロンテの敵同士が喧嘩しながらでも唱和する二人のアリアはとても素敵です。オペラだからこそできること、これこそがオペラの特権でしょうか・・・・・。

先日田辺秀樹先生の講座「啓蒙主義オペラの理念とホンネ・・・・『後宮からの逃走』をめぐって」を聴講したばかりで、先生のお話を思い出しながらこのオペラのDVDを楽しみました。

ゲーテも愛したモーツァルト作品。26年間ワイマール歌劇場の監督を務めていたゲーテは、この「後宮からの誘拐」については、自身の演出で初演し、その後何度も上演を繰り返したのだそうです。最初はそれ程でもなかった廻りの反応も回を追うごとにかわってきたといいます。

「報復よりも善行をもって報いることのほうが、はるかに大きな満足だということを、おまえの父親に伝えるがよい。」太守がベルモンテに伝える最後の場面。そしてベルモンテの「・・・・なんという驚きでしょう!」
大好きな大好きな場面ですそしてその素晴らしいメロディに酔いしれましょう。。

所で、今年が生誕200年となる作曲家、ワーグナーとヴェルディ。この二人の生誕を記念して、軽井沢丸山珈琲本店で「ワーグナーブレンド」と「ヴェルデイブレンド」を販売中です。

丸山珈琲本店、販売と喫茶室が隣り合わせになっています。

お庭でサービスドリンクのカプチーノで一服・・・。

2013年5月3日のモーツァルトハウス

新緑のモーツァルトハウス


芝桜、すみれがちょうど綺麗です
軽井沢に来た時は、倒木でせっせと薪づくりに、大忙しです。

2013年5月2日のモーツァルトハウス

贅沢な空間~静寂な佇まいのなかで~~♡♠♤

軽井沢に来て2日目、今日は、軽井沢文学の舞台にもなった幸福の谷に続く矢ケ崎川のそばに建つ知人宅にお邪魔しました。
周辺の樹木の落葉松、こぶし、メタセコイアなど緑に囲まれた豊かな自然から、代々大切に培ってきた歴史の重みを感じます。

いつものように楽しい音楽談義に花が咲き、風のそよめき、時折聞こえる鳥の声にすっかり時の経つのを忘れてしまう程。。。

モーツァルトの珈琲カップで頂く珈琲は、音楽の都にでも行った心持に・・♡♠♤他にバート―ベン、ブラームスなど音楽家シリーズで揃っているのだそうです。どれもそれぞれ素敵です。

オープンしたばかりの「軽井沢ニューアートミューージアム」で只今開催中(2013.4.11~9.23)の「わたし超スキッ!! 草間彌生展:世界を感動させた自己愛」。今回展示のかぼちゃの作品と絵とのコラボで生まれたケーキもご馳走になりました。

「軽井沢ニューアートミューージアム」は総ガラス張りをベースにカラマツ林をイメージした白い柱をデザイン的に林立させた構造で、さわやかな高原リゾート地・軽井沢に心地よく溶け込んでいます。軽井沢駅から目抜き通りをまっすぐ、徒歩ほぼ7分という好立地、ショップもレストランも充実しています。

ゆったりとした時間を過ごしたA邸での昼下がり、新しい軽井沢での思い出の1ページがまた加わりました。

2013年5月1日のモーツァルトハウス

モーツァルト文庫の充実

かねてから考案中の書庫が完成しました。近くの建具やさんにお願いし作ってもらいました。

モーツァルトに関する貴重な書籍をモーツァルトハウスに寄贈して下さるかたのお陰で、今では絶版などで手に入らない書物もたくさんあります。
2階への階段の上り口に作ることができました。まだ入りきれないのもありますが、どうにか一か所にこうしてまとめて置くことができました。

追々「モーツァルトハウスの本棚」に載せていくことにします。

2013年4月19日のモーツァルトハウス(東京)

ミュンヘンの伝統、芳醇な響きに心を委ねる・・・モーツァルト「クラリネット五重奏曲」

サントリーホール ブルーローズ(小ホール)「室内楽コンサートwith眞鍋佳子」2013年4月19日15:30開演

ドイツ名門ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者らで結成された室内楽団によるコンサート。
今回来日しているミュンヘン・フィルは日本各地でコンサートをしますが、すべてオーケストラによるもの。この室内楽コンサートはこの日限りの特別なもので、サントリーホールのエグゼクテイブ・プロデユーサー眞鍋佳子氏による解説付きです。

眞鍋氏によると、モーツァルトの生まれたザルツブルクとミュンヘンはすごく近く、モーツァルトが子供の頃パリに行く時もミュンヘン経由でした。住む人の気質もザルツブルクとミュンヘンは似ていて、何よりミュンヘンには、当時最高レベルのオーケストラがあり、モーツァルトはミュンヘンの宮廷に就職したくて、就職活動もしましたが、実現できなかった。モーツァルトはミュンヘンが好きだったのだと。
今回演奏された曲はモーツァルトの「クラリネット五重奏曲」。モーツァルトの室内楽の中の最高傑作ですね。

会場はサントリーホール ブルーローズ。シャンデリアが美しい室内楽ににピッタリな会場です。
ミュンヘン・フィルの歴史を遡ると、マーラーが自作の交響曲第4番と第8番を初演し、20世紀前半にはドイツを代表する大指揮者フルトヴェングラーもミュンヘン・フィルでデビュー。戦後は、名匠ルドルフ・ケンペや、巨匠セルジュ・チェルビ・ダッケが音楽監督を務め、オーケストラの響きを磨けあげ、黄金時代を築いてきたのだそうです。

その芳醇な響きに身も心も委ね、ミュンヘンの音の香りを楽しんできました♡♠♤。。

終了後にはサイン会も

2013年4月18日のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトの意図は・・・?

昨日新国立劇場で観たオペラ「魔笛」、ヒロインのパミーナと鳥さしパパゲーノ、この二人が歌う二重奏はとても素敵です。パミーナが「愛を感じる男たちには・・・」と歌いだすあの二重奏です。「魔笛」を愛したベートーベンが、<チェロとピアノのための「7つの変奏曲」>の主題に用いたのもこのメロディです。正規のカップルでない二人にモーツァルトは素敵なアリアを残しました。「魔笛」のアリアの中でこの二重奏が特に好きと言う方も多いはず。

モーツァルトはこのように、正規のカップルでない二人に素晴らしいアリアを書いているのも特徴です。「後宮の誘拐」では、ブロンデとオスミンにも。

また、「コジ・ファン・トゥッテ」では、こちらも正規のカップルでないグリエルモとトラベッラ、フェランドとフィオルデイリージに素晴らしい二重奏があります。二人の姉妹は哲学者ドン・アルフォンゾに自分たちの恋人への愛を試されたのに、逆に真実の愛に目覚め、本当に求めていた恋人は別の人だったと気が付いたといえるのかも知れません。近年は色々な演出に出会いますが、元のさやに戻らず、ニューカップルで終わる結末も増えて来て、むしろほっとすることがありますが、其れこそがモーツァルトの意図した所だったのかも知れません。。。深く読み取ると、奥が深いですね。特にフェランドとフィオルデイリージは惹かれあうのが理解でき、結ばれて欲しいカップルに私には思えます。

キャンプ場で繰り広げられるミキエレット演出の「コジ・ファン・トゥッテ」。2010年/2011年シリーズに続いて2013年6月に新国立劇場で再演されます。
2011年には東日本大震災があり、多くの出演者が原発を理由に次々と出演を取りやめ、このオペラもその影響を大きく受けたことを今思い出します。。。。。。

2013年4月17日のモーツァルトハウス(東京)

 モーツァルト作曲オペラ「魔笛」 新国立劇場14時開演

人を惹きつけてやまないオペラ「魔笛」~♡♠♤

ゲーテがこの作品について語った言葉があります。「「魔笛」のテキストをけなすには教養はいらないが、良いと分かるには深い教養が必要だ」と。テキストを書いたのは当時ヨローッパ各地を巡業していた旅一座の座長兼歌手のシカネーダー。このシカネーダーの台本にモーツァルトが曲をつけることにより、民衆に受けるためだけではない誰からも愛され、大人から子供まで楽しめる不朽のメルヘンオペラ「魔笛」が誕生しました。

「この作品が人を常に惹きつけてやまないのは、作品の中に全てがあるから・・・・」と今回の指揮者ラルフ・ヴァイケルトは言います。フランス革命の周辺への影響、啓蒙的で古典的教養の理想主義、フリーメイソンの思想など「魔笛」はさまざまな要素がいっぱいつまった玉手箱のような作品なのです。

「魔笛」は18世紀にドイツで生まれた民衆的な歌劇「ジングシュピール」。それ故お伽噺的要素が協調され、さまざまな演出が試みられてきました。思い起こすと、2010年にベルリンとドレスデンで同じ時期に「魔笛」の観比べをした経験があります。舞台でなわとびをしたり、ヒロインのパミーナはつなぎの衣装で顔は隈取のメイクだったり、3人の童子がピエロの格好だったりと・・・・、せっかく遠くまできてこんな演出のを見せられるとはと少々腹立たしくなった苦い思い出があります。がその後海老澤敏先生から《モーツァルトのオペラ、特に「魔笛」は「フリーメイソンの思想」と「お伽噺的な要素」の二面性を持った性格があり、最近はそのお伽噺的要素をより強調して現代人を喜ばせる方向に持って行く傾向がある。逆にそれだけ多様な解釈が出来るモーツァルトのオペラは実に奥深いと解釈する事も出来るのではないか》との解説を頂きました。この手の演出はドイツで特にこの傾向が強いと聞きました。今回の演出は、この体験を払拭するするべく、安心して納得して楽しめるものでした。

演出はミヒャエル・ハンぺ、キャストはオール日本人。ザラストロ役に名バスの松居浩、モーツァルトテノールでお馴染み、タミーノ役は望月哲也、パミーナ役に砂川涼子、夜の女王役は安井陽子、そしてパパゲーノはこちらもはまり役の萩原潤、そして指揮者はオーストリアの名匠ラルフ・ヴァイケルト。
4階席からは立体的な舞台がより迫力を増し、合唱の響きも堪能でき、人物があまりに小さいマイナス面を上回る楽しみがありました。(料金も手軽ですし・・・)音楽を楽しむにはもってこいのお席で、余程の目当てのスター歌手でかぶりつきを狙わないのであればお薦めです♡♠♤

公演は残すところ2公演、19日(金)6:30、21日(日)2:00と続きます。

2013年4月10日のモーツァルトハウス(東京)

甘い香りに包まれて~♡♠♤

我が家は今、夕方になると、むせ返るような甘い香りに包まれています。リビングにある幸福の木に花が咲き、その花は夕方近くになると甘い香りを放つのです。現在大小合わせて4本の幸福の木があり、毎年どれかの木に花が咲き、この様な香りに包まれるのですが、今年は2本の木に同時に花が咲きました。香りから春の訪れを感じています。

所で、1995年にフランスの港町ナントにて誕生した「ラ・フォル・ジュルネ」、今や東京以外でもいろんなところで開催されているのをご存知でしょうか。2005年に東京、2008年に金沢、そして2010年に新潟とびわ湖に上陸、2011年からは鳥栖でも開催しています。
新潟で開催される「ラ・フォル・ジュルネ 新潟2013」は何と「モーツァルト-Mozart-」がテーマです。
プレ公演4月21日(日)・26日(金)、本公演4月26日(金)~28日(日)、オールモーツァルトプログラム!

うれしいときも、悲しいときも、苦しいときもいつもあなたのそばにいてくれる友人のような音楽、それがモーツァルト!新潟の人々にもこの機会にモーツァルトを心ゆくまで味わって、生涯の友モーツァルトに出会えるよう、心から願っています。♡♠♤

「ラ・フォル・ジュルネ 新潟2013」

2013年4月7日のモーツァルトハウス(東京)

宇奈月モーツァルト音楽祭 ~湯の街ふれあい音楽祭~ モーツァルト@宇奈月
山や川に囲まれた宇奈月は、モーツァルトの生誕地ザルツブルクに似ていると街の有志たちが始めた「宇奈月モーツァルト音楽祭」。今年で4回目です。2013年のパンフレットが届きました。

今年は、9月21日(土)、22日(日)、23日(祝日)の日程で開催されます♡♠♤楽しみですね。

2013年4月6日のモーツァルトハウス(東京)

朝日カルチャー新宿校からのご案内

2013年4月9日(火)13:00~14:30 フェニーチェ歌劇場「オテロ」の魅力 講師 加藤浩子

フェニーチェ歌劇場「オテロ」 オーチャードホールでの日本公演を前に加藤浩子先生が解説してくれます。

(受講料 会員2940円 一般3570円)

2013年4月20日(土)16:00~17:30 ピアノとヴァイオリンのためのソナタを夢の協演で 
講師 ピアニスト 深澤亮子 ヴァイオリニスト 瀬川祥子 音楽プロデューサー 中野 雄 

【プログラム】
シューベルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナチネ3番ト短調op.137 D408
モーツァルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調K454 
ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調NO.10 op.96

この講座では、3大作曲家のピアノとヴァイオリンのためのソナタを、名手による夢の協演で楽しむことができます。
陽春の土曜の昼下がり、稀有な機会をぜひご一緒に。
(受講料 会員3990円、一般4620円)

4/9の講座では、加藤浩子先生が朝日カルチャーのお講座に久々に登場します。魅力的なお話が聞ける筈です。
お申し込みは朝日カルチャーセンター(03-3344-1945)へ

2013年4月4日のモーツァルトハウス

晴天のなか、小布施散策へ

今日は久しぶりのドライブ。小布施へ出かけました。何年か前に行って食べた「竹風堂」さんの栗おこわを又食べたくなったからです。
そしてもう一つの目的は「信濃製菓」さんのおやき、特にお季節限定である「雪菜おやき」を買って帰ろうと思ったからです。

まずは、竹風堂さんの2階のレストランででランチを。室内はゆったりとしていて、趣のある清潔な明るい感じが気に入っています。まずはお目当ての「山家定食」を。ニジマスの甘露煮がついていてこれが又美味です。

「栗の小径」を通って小布施の「かんてんパパ」のショップへ


「福栗焼き」は栗餡の真中に大きな栗が!小布施味麓庵(みろくあん)謹製の栗菓子です。

「竹風堂」さんは、実は軽井沢にもあるのです。旧軽銀座への入り口のロータリーの所です。でも時間に余裕がある時は小布施本店まで行ってみるのもまた楽しいものです。メニューも豊富で、栗ソフト、栗アイスクリームも楽しむことが出来ます。

途中、素敵な和紙のお店も見つけました♡♠♤

2013年4月2日のモーツァルトハウス

久しぶりの洗車は気持ちよさそう♡♠♤

長い寒い冬も終わり、ようやく暖かい日も多くなった軽井沢へやっと行って来ました。

先ずは久しぶりの洗車をして、気分もようやく春に・・・・

だんこうばい、フキノトウ、きぶし・・・と春の花も咲き始めました。


オナーズヒル温泉からみた浅間山

2013年3月27日のモーツァルトハウス(東京)

人命が何より大切・・・

桜が一気に咲くほどだった春の陽気も長続きせず、ここ数日冬に戻った様な寒い日が続いています。花粉症、気温差による風邪、風疹などこの時期うっかりすると体調を崩してしまいがち。お気をつけください。そんな私も、昨日から喉が急に痛み出し、体調が今一つでさえない所ですが、ユーチューブで落語を楽しんでいます。

先日、都の重要建造物にも指定されている老舗蕎麦屋「藪蕎麦」が火災にあいましたが、当時従業人、客と合わせて50人もの人が中にいたのに、けが人はひとりもいなかったそうです。人命が何より大事という事で、「論語」の「厩焚けたり」を思い出し、落語で「厩火事」を聞いて楽しんだという訳です。

「厩焚(うまやや)けたり。
子、朝より退きて曰く、人は傷(そこ)なえりや、と。
馬を問わず。

「ある時、孔子の家の馬屋が焼けた。役所から帰った孔子は尋ねた。『人に怪我はなかったか』と。その場では馬については尋ねなかった」の意。

焼けた品物が大切か、それとも人間の方が大事か、孔子は、役所から戻って火事を知り、馬の事は心配しないで、まず「人に怪我はなかったか」と問われました。孔子は、真っ先に「人をそこなえりや?」と問い、日頃大切にしていた名馬よりも人命をを大切にしていたということです。

このお話は落語の「厩火事」の原点になっていて、ユーチューブで楽しむ事が出来ます。圓楽師匠が面白かったです。噺家さんは一流ともなると違いますね。最後の落ちで唸らせてくれます。

落語も奥が深~いのです

2013年3月22日のモーツァルトハウス(東京)

「柿の種」は伝統の味からハイカラな味に♡♠♤

左はホワイトチョコがかかっています。右はカフェオレ味が従来の柿の種にコーティングされていて、どちらもとてもおしゃれな味に・・・・。
新潟名物柿の種も随分お洒落に変身したものです。お店には何種類もの味の柿の種が並んでいて、どれにするか迷うほど。

ワインのおつまみにもピッタリでした。旅はこんな出会いがあるから楽しいですね

 ~この日のモーツァルト~
 1784年3月22日この日モーツァルトはピアノ協奏曲第16番二長調451を完成しました
この協奏曲は、K450の1週間後に催された第3回予約演奏会の為に作曲されました。トランペットとテインパニーが加わったことにより祝典的な気分、スケールの大きな構想は「大協奏曲」にふさわしく、交響的な書法を示している点で注目されます。一般にこの協奏曲から交響的統一体としてのピアノ協奏曲が始まったとみなされています。初演は1784年3月31日、モーツァルト自身のピアノ独奏により、トラットナーの館においての予約演奏会で行われました。

2013年3月16日のモーツァルトハウス(新潟

珠玉の名曲「フルートとハープのための協奏曲」を聴きに、新潟へ!
新潟日報「メデイアシップ」開業記念NHK交響楽団新潟公演 
2013年、3月16日 18時開演 リュートピア新潟市民芸術文化会館コンサートホール

「新潟日報」の新社屋落成を記念してのN響新潟公演。日本屈指のオーケストラと、新潟県出身の若手演奏家がソリストとして共演して、モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」や、ドヴォルザークの「交響曲第8番」などが演奏されました。ホールは今年15周年を迎えた「リュートピア・新潟市民芸術文化会館」。2000人を収容する音響抜群のホールです。

フルートのソリストは長岡市出身の小山裕幾さん、ハープは新潟市出身の山宮るり子さん。新幹線で2時間というアクセスの良さもあって、またとない機会を逃してはと、行って聴いてきました。欧州を拠点に活躍中の地元出身者の演奏を聴こうと、会場はほぼ満員で大勢の人、人、で圧倒されそう。

「フルートとハープのための協奏曲」はモーツァルトの中でも名曲中の名曲。「アマデウス」の映画の中で、サリエリが楽譜をバタンと落としてしまう場面が有りましたね。そのアンダンテについて、「優雅、典雅」という言葉を音楽にしたら、こんな感じかな、という気持ちにさせてくれます・・・・と解説書にありました。やや悲しげなメロディーとフルートとハープの解け合う響きに魅了され、終わってみれば、いつの日かまたこのオケ、ソリスト、このホールでこの曲をもう一度聴きたいものだという思いに・・・。生の演奏は一期一会ともいえるもの。またとないワンシーンに私達は立ち会うことが出来て、「思い切って来てよかったね」と二人で話した幸せな時間でした。♡♠♤

さて、この写真、信濃川にかかる万代橋の夜景です。部屋の窓からこの景色を眺めていると、、セーヌ川のパリ、ドナウ川のブタペスト、モルダウ川のプラハ、エルベ川のドレスデン、そしてザルツッハのザルツブルクなど、ヨーロッパで出会った美しい都を思い出させてくれました。初めて訪れた新潟の街は、万代橋をカレル橋に見立てれば、モーツァルトの街プラハを思い起こさせてくれ、旅情たっぷりな街でした。。。

さて、コンサートだけで大満足な旅でしたが、せっかく新潟に来たんだからと、グルメも楽しみました♪♪♪♪。

名物へぎ蕎麦を食べて満足!!


宿泊は万代橋のたもとに建つ「ヒルトンホテル新潟」。客室の窓から「メディアシップ」と名付けられた新潟日報の新ビルと万代橋が良く見えました。
「新潟日報社」の新社屋は、様々な文化施設が入る多機能複合型ビルで、高さ105メートル、地上20階の高層ビル。信濃川にかかる重要文化財の万代橋のすぐそばに建っています。「北前船」の寄港地として栄えた新潟港。帆に風を受けて進むその北前船をイメージした斬新なデザインです。


すっかり新潟の旅を楽しんで帰路に着きましたが、9月には、大阪シンフォニーホールで小山裕幾さんはモーツァルトの「フルート協奏曲第2番」を演奏します。こちらも楽しみです。♡♠♤
新潟市民芸術文化会館(左)、帰りの新幹線で飲むため、キオスクで買った赤ワイン

2013年3月3日のモーツァルトハウス(東京)
我が家の「一大事」はブレーキ?

ここの所、車の調子が悪いとはお伝えしましたが、実はブレーキなのです。数日程おかしいと思いつつ、ブレーキがかかったままで走っていたのです。不安になり、いつもの販売店に持ち込んだのは勿論ですが「冬の雪道を良く走りすか?」と聞かれました。当方は冬場にしょっちゅう雪道を走る訳ではないのですが、冬も軽井沢には行っているので、向こうでは雪道に凍結防止のために塩化カリ剤をまくことが多くその影響を受けたのではないかというのです。雪国の人達はみなそんな経験をしているのかなと疑問に思いつつも、対策として最低シーズン終わりには下回りの洗浄や防錆処理をやった方が良いという事は言えそうです。いろいろ厄介ですね・・

そこで一応雪を体験しているだろう仙台の友人に尋ねた所、融雪剤は車には厳禁、というのは仙台では普通ですという答え。冬になると、マンションの理事会では融雪剤を購入し、居住者が出入口や通路など、自由に散布・使用可能なようにしているが、しかし、融雪剤の塩化カリウムが車の下回りを腐食させるという理由から駐車場には使用してはいけないことになっているのだそうです。やっぱり、しっかり管理しているのだなァと感心させられ、自らを反省しました。

それでも、国道や高速道路にはタップリと融雪剤が撒かれている訳で、北陸・東北・北海道の車は腐蝕によるダメージが大きくなるのは当然です。。これらの意見を大いに参考にして、今後車選びやメンテナンスに役立てたいと思っているところです。

2013年3月2日のモーツァルトハウス(東京)

人知れず愛されるピアノ曲・・・・ピアノ協奏曲第23番イ長調

数ある珠玉のピアノ曲の中でも、好きな曲というと何といってもこの23番という人も多いはず。そうです。絶大な人気を博して、誰からも愛されている曲なのです。その訳は、親しみやすい主題、両端楽章がごくありふれたソナタ形式とロンド形式という楽曲構造など、いろいろと考えられますが、何をさておいても旋律の素晴らしさにその魅力はあると思います。親しみやすい、極上の旋律は管楽器と独奏ピアノが同一の主題を奏することもあり、この曲を更に分かりやすく、親しみやすく仕上げられています。
又、第2楽章、アダージョは、人類が知り得る「世界で一番悲しい曲だ」と評されるほど。2年前の大震災のあと、ウイーン楽友協会でのウイーンフィルの定期公演で、バレンボエムが日本国民への追悼として、このアダージョを指揮振りで演奏しました。

 ~この日のモーツァルト~
 1786年3月2日この日モーツァルトはピアノ協奏曲第23番イ長調488を完成しました
モーツァルトは同じ年の3月24日には「24番ハ短調K491」を完成させています。「20番ニ短調」と「21番ハ長調」、1787年の「弦楽五重奏曲ハ長調K515」と「ト短調K516」、ほぼ同時期に対比となる曲が書かれています。
K488、K491共に予約演奏会の為に書かれました。

モーツァルトはこの曲にオーボエを外してクラリネットを加えました。この音色がことのほか心に残ります。この曲の「華やかな侘しさ」ともいいたくなる趣を演出しているのはこのクラリネットでしょうか。
少しづつではあるが、ピアニストとしての「かげり」を感じ始めて、オペラ作曲家として勝負する意志を固めていたのではないかと思われるモーツァルト・・・。晩秋の夕暮れ、第2楽章には、孤独をかみしめる作曲者の横顔を見ることもできる気がします。

2013年2月24日のモーツァルトハウス(東京)
この冬はずーっと東京で・・・。車の調子がイマイチであると同時に、手の指の変形性関節症で、何にでも慎重派の主人は、安全を期して遠出が出来ないでおります。また今年の軽井沢の雪の多さは例年をはるかに超えているようで、車と体調に不安を抱えたままでは出かけられない訳です。寒さも、雪も、峠を越えた3月中旬以降までお預けとなっています。
そんな訳で、ずーと東京で音楽三昧の毎日ですが、今日2月24日は、モーツァルトが、ウイーンでの窮地打開をかけて、ある曲を作曲した日でもあります。1788年のことです。

~この日のモーツァルト~
 1788年2月24日この日モーツァルトはピアノ協奏曲第26番ニ長調K537《戴冠式》を作曲しました
せっかく作曲したこの曲、直ぐには演奏される機会はなかったのです。初演は翌年の1789年ドレスデンでようやく行われました。ウイーンでの人気も衰え、また経済的にも苦しくなったモーツァルトが窮地を打開するために予約演奏会を企画し、その演奏会で演奏することを目的としてこの曲は作曲されましたが、もはやかつての様に演奏会には人が集まらず結局開催できませんでした。この曲が《戴冠式》と呼ばれるのは、1790年にフランクフルトで行われたレオポルト2世の戴冠式の際、祝賀演奏会において、第19番ヘ長調K459と共に演奏され、そう呼ばれるようになりました。

1781年ウイーンに定住を決めて以来、モーツァルトのピアノ協奏曲創作活動は、自らが開いた予約演奏会を通して、次第に活発化して、1784年から1786年にかけて最も輝かしい時期を迎えました。しかし、この時期を過ぎると、急にピアノ協奏曲はほとんど書かれなくなってしまいます。このあと、モーツァルトが1791年に世を去るまでの5年間、この《戴冠式》と、「変ロ長調」K595のわずか2曲しか残されていません。

どうしてなのでしょうか・・・。モーツァルト最後の5年間には、オペラ、交響曲、室内楽などのジャンルでは、なお多くの傑作が残されていますが、ピアノ協奏曲が急減しているのはモーツァルトの関心がピアノ協奏曲以外のジャンルに向けられたということも考えられますが、ウイーンの聴衆は次第にモーツァルトに目を向けなくなり、やがて、予約演奏会を開いても人が集まらず、演奏会が中止されるという事態を招き、ピアノ協奏曲の発表の場所がなくなったというのも、大きな要因かも知れません。

1787年、モーツァルトは「フィガロの結婚」に続いて「ドン・ジョヴァンニ」とプラハで大成功を収め、さらにこの年の秋に死去したグルックの後を受けて、皇帝ヨーゼフ2世より<皇王室宮廷室内作曲家>の称号をあたえられました。これらをきっかけに、ウイーンでの人気を取り戻そうとして、翌1788年予約演奏会の開催をもくろんで、モーツァルトは2月24日にこの《戴冠式》を完成しました。しかし実際は開催されず、この曲の初演は1年以上経った1789年4月14日、ベルリンに向かう途中寄ったドレスデンでの宮廷音楽会でした。

煌びやかで、明るい作風、簡素な構成、それに加えて華麗さを持ったこの曲、せっかく作曲しながらウイーンでの初演の機会のないまま1年以上も日の目を見なかった、この様な運命を持ったピアノ協奏曲第26番《戴冠式》。これからはじっくりとその背景を思いながら聴いてみたいものです♡♠♤

2013年2月11日のモーツァルトハウス(東京)
誕生日はピアノ協奏曲20番が初演された日

日本は「建国記念日」で祝日です。主人はこの日がお誕生日ということで、まずはおめでとう♡♠♤
さて、モーツァルトの珠玉の名曲、ピアノ協奏曲第20番ニ短調が、前日10日に完成し、翌日の2月11日の演奏会で初めて披露されました。場所は市の集会所のツア・メールグルーベで、ヨーゼフ2世も臨席されました。今からちょうど228年前の今日の夜のことです。

この日、1785年2月11日は、ちょうど父レオポルトがザルツブルクからウイーンに到着し、息子の音楽活動のうちでもっとも輝かしいこの日の演奏会を目の当たりにすることができたのでした。
「-------音楽会はこの上もないほどすばらしく、オーケストラも立派でした-----それからヴォルフガングの素晴らしい新作のクラビィーアのための協奏曲が続きました。
-----お前の弟が立ち去る時、皇帝は帽子を手に持って会釈され、それからブラヴォー・モーツァルト!!と叫ばれました------」と、レオポルトは娘ナンネルに宛てた2月16日の手紙で得意げに報告しています。

又、ヨーゼフ・ハイドンが「誠実な人間として、神に誓って申し上げますが、ご子息は、私が名実ともども知っている最も偉大な作曲家です。様式感に加えてこの上なく幅の広い作曲上の知識をお持ちです」とこの演奏会翌日、モーツァルトの自宅でレオポルトに向けて発したこの言葉も、この手紙の中でレオポルトによって生々しく伝えられています。

ヨーゼフ・ハイドンさんはすばらしい言葉を残してくださいました。この日から228年・・・、未だモーツァルトという作曲家を超えたという人物を我々は知らないのです・・・・

2013年2月10日のモーツァルトハウス(東京)

P協奏曲として初めての短調作品・・

 ~この日のモーツァルト~
 1785年2月10日この日モーツァルトは「ピアノ協奏曲第20番ニ短調」K466を作曲しました。
激しい感情表現によって協奏曲に新しい地平を開いた作品。ドラマティックな両端楽章とそれに挟まれた叙情的なロマンスとのコントラストも鮮やか。映画「アマデウス」のエンディングにこの第2楽章が流れました。

モーツァルトのピアノ協奏曲として、あまりにも有名なこの曲は、モーツァルトがウイーンに移り住んで4年目を迎えた2月に作曲されたものです。フリーの作曲家として生活を始めたモーツァルトにとって、予約演奏会の収入は重要な柱でした。その予約演奏会はモーツァルトの自作自演のピアノ協奏曲が大きな目玉となっていました。ウイーン時代前期に次から次と生み出された協奏曲に、新たに短調という悲劇的な作風を打ち出したのがこの20番のピアノ協奏曲です。

折しも、ザルツブルクから父レオポルトを呼び寄せており、到着した11日、その夜の予約演奏会で、レオポルトはモーツァルト自らの演奏でこの曲を聴くことになるのです。その時の証言をレオポルトはナンネルへの手紙でつぶさに綴っています。
皇帝も臨席し、モーツァルトに喝采を送っていたこの演奏会、レオポ