軽井沢 Mozarthouse News



2015年5月~2016年8月


2016年8月6のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトのゆかりの街々・・・・♡♠♤
猛暑の東京に一旦戻ってきました。テロが最大の難関である11月に出かけるモーツァルトツァーですが、いろいろ考えていると楽しい事も・・。ミュンヘンからのオプシャナルツァーは2つほどあり、一つはミュンヘン近郊のモーツァルトゆかりの街めぐり「アウクスブルク」、「カイスハイム」観光。もう一つはルートヴィヒ2世の夢の城「ノイシュヴァンシュタイン城」&「リンダ―ホーフ城」観光。アウクスブルクはモーツァルトのお父さんの生誕地で、いつかは訪れたいと狙っていた場所なので、即参加希望ですが、ノイシュヴァンシュタイン城は一度ならずも行っている場合も多いだろうから、果たしてどうかな・・・・・と。ワーグナー好きにはお勧めですが。

そこで、もう一つ希望として挙がって来たのが、ヴァッサーブルクで、ザルツブルクやミュンヘンの近郊にある街です。
西への大旅行の際、ザルツブルクを発ちヴァッサーブルク~ミュンヘン~アウクスブルクと進めた旅の最初の滞在地で、1763年6/9~6/12までモーツァルト一家が滞在したと記されています。ボーデン湖畔の小さな街ですが、きっと湖の風景の美しい街なはずです。

昨日は海老澤敏先生のモーツァルト講座の日。ヴァッサーブルクへのオプシヨナルツァーをある人から提案されていたので、そのことを考え込んでいたら、ちょうどこのヴァッサーブルクの街の名前が先生からでてきてビックリしました。何でもウィーンの楽友協会が貯蔵している作者不群のパステル画で、1763年にモーツァルトが西の大旅行でこの街に滞在した際に描かれたであろうとされ、この街で最初に発見された絵があるそうなのです(2001年競売品)。モーツァルトに同行していた絵筆が達者な人物によるものだとか。

なにやらモーツァルトのロマンが広がっていきます・・・。

2016年8月1日~4日のモーツァルトハウス
軽井沢での休日、その2・・・♡♠♤
夏のお花が咲いています。山百合は終わっていましたが、ふしぐろせんのう、れんげしょうま、そばな、など。ツユクサ、萩、水無月の花も咲き始めています。水無月は紅葉する紫陽花といわれていますね。

2016年8月1日~4日のモーツァルトハウス
軽井沢での休日、その1・・・♡♠♤
すっかり夏たけなわ、深緑となった軽井沢でモーツァルトを聴いています。今回はK498、クラリネット、ヴィオラ、ピアノのための三重奏曲変ホ長調《ケーゲルシュタット・トリオ》。モーツァルトが1786年にウィーンで作曲しました。名曲ですね。好きな曲です。この曲はモーツァルトがボーリング(当時は九球技)をしながら作曲したとされている。楽譜に自身がそう書き込んでいるのだと言います。クラリネットはモーツァルトの友人で当時の名クラリネット奏者であるアントン・シュタードラー、ピアノはモーツァルトの弟子でモーツァルトの親友であるゴット・フリート・フォン・ジャカンの妹フランツィスカが弾き、ヴィオラは当然モーツァルト。ジャカンの家の音楽会のために作曲された曲なのだそうです。三つの楽器の調和が美しく、優しい旋律が心を和ませてくれます。モーツァルト円熟期の室内楽の傑作ですが、この曲は、名盤が残されていなく、本来技巧的にやさしく(特にピアノ)書かれているため、演奏家の食欲をそそらないのではと、ある本に書いてありました。でも聴きこむほどに好きになる名曲なのに・・・。

8月15日(月)に小山裕幾さん&斎藤龍さんのコンサートがあるハーモニーハウスへ下見に行って来ましたが、老朽化により一時は解体とまでいわれた吉村順三設計の建物だけにどう修復されたものかと期待しながら・・・。
これからも相当な費用を要すると想像される老朽化でしたが、夏は森の音楽祭などを通じて活性化していけるのかな~。館内にあるエロイーズ・カフェで一休みしてランチを。


2016年7月20日のモーツァルトハウス(東京)
森にこだまするフルートの調べ・・・♡♠♤
8月15日(月)14時開演で、軽井沢にあるハーモニーハウスでフルートの小山裕幾さんとピアノの斎藤龍さんの夢のようなコンサートがあります。題して「森にこだまするフルートの調べ」。

コンサート会場のハーモニーハウスは1983年に日本の青少年の音楽活動に生涯を捧げたエロイーズ・カニングハムが音楽を学ぶ若者たちのために、練習場兼音楽ホールとして建設した建物で吉村順三が設計を担当しました。老朽化が激しく修理が必要となり、一時は解体の危機もささやかれました。去年、建築を維持、保存のプロジェクトが始まり、再現されたばかり。場所はプリンス通りから入った所で、近くには軽井沢のアウトレットやゴルフ場にも近く、軽井沢駅徒歩15分です。

限定100席だけのチケットですので、早目の申し込みが必要です。お盆の最中で軽井沢が最も混雑する時ですが、避暑地軽井沢で、森の中に佇む名建築で聴く素敵なコンサートです。息の合った小山裕幾さん、斎藤龍さんによる「軽井沢森の音楽祭2016 in ハーモニーハウス」、楽しみです。軽井沢でお二人の演奏が聴けるなんて思ってもいなかったので、夢のようです!♡♠♤
申し込みは軽井沢森の音楽祭実行委員会☎番号070-6471-6221

2016年7月17~18日のモーツァルトハウス(秋田)
みちのく秋田への旅・・・♡♠♤
ひと月遅れのお盆を避けて、この日は故郷秋田へ、両親のお墓参りをかねて一年ぶりのふる里を訪ねました。誰も住んでいない実家ですが、ご近所さん、親せきなど、なつかしい顔に会えるだけで本当に嬉しい!みんな変わらず笑顔でやっぱりふるさとっていいな~と思います。

秋田は最近のクマ騒動があり、山菜取りで山に入るのは勿論、背後が山になっている墓地のお墓参りもちょっと怖い感じがします。クマが人間を襲う様になってしまって大きな問題です。今まではクマベルを持ったり、ラジオを鳴らしたりしているとクマよけになったのに、これらが効かなくなってきたのも事実で、他に対策を考えないとと専門家も云っています。秋田県は特に今年クマの被害がでていて、深刻です。

秋田市の城址跡のお堀には、大賀ハスが美しく咲いていて、思わず見とれてしまいました。市内に何気なくこんなにたくさん咲いている場所はそう他にはないでしょうから、ふるさと秋田の自慢の一つですね。お堀の向いに建つ「秋田県立美術館」には、藤田嗣治画伯の横20mにも及ぶ巨大なキャンパスの壁画「秋田の行事」が展示されているので訪れて欲しい場所です。日常の暮らしと秋田に古くから伝わる祭りが描かれているこの「秋田の行事」は、秋田の名士である平野政吉のコレクションの極みですから、必見です。安藤忠雄氏の設計によるこの美術館はラウンジからの眺めが眼を見張るばかりで、お堀と一体化した水庭越しに見える景色にうっとりします。

札幌がすすきのならば、秋田では川反(かわばた)です。柳が美しい旭川沿いにあることからこの名がついています。郷里の銘酒や郷土料理を求めて、川反の比内鶏で有名なお店の「福ト屋」さんへ。コスパ抜群で、東京辺りからすると地元の食材がこんなにも安い料金でと驚きです。秋田の銘酒もずらりと並び、比内鶏の専門店もたくさんあって、秋田はいいなぁ~。
お店も大繁盛で活気があり、秋田弁の応対に、又聞こえてくるお客さんの秋田弁の会話にも心が弾みます。ふるさと秋田に乾杯(完敗)の川反の夜でした。

銀座で薦められて試したことがあった「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)」というお酒にもまた出会えました。このお酒やはり秋田でも人気の様です。きりっとした個性を発揮した忘れられない味のお酒です。
今回の旅は、駅弁にも楽しみがありました。どれも大当たりで、美味しかったこと!新幹線秋田への旅、次回は絶対「五能線の旅」を狙いたいと思っています。

、仙台駅から石巻大漁宝船弁当
左から、秋田駅から鳥めし、牛めし、右、秋田のモーツァルトの愛好家の会「モーツァルト広場」の7月の例会チラシ(20周年のメモリアルコンサートでピアニストの久元祐子さん等が出演される豪華版です。)

2016年7月12のモーツァルトハウス(東京)

モーツァルトの音楽とワインを楽しむ会Ⅱ♡♠♤
今年もこの様な楽しい会に参加させて頂き有り難うございました。モーツァルトに因んだワインを世界中から見つけ出して、そのワインに合った美味しいお料理と共に仲間と味わうという贅沢な会です。ワインのスペシャリストが選んだワインなので、お味の方も格別です。オマケにラベルがオペラ「後宮からの誘拐」の最終楽章のスパークリングワインだったり、「魔笛」の楽譜を使用し「魔笛」の楽曲にあやかり、香り高いアロマのシンフォニーを表現された白ワインや、また可愛いモーツァルトがワインを片手に作曲するラベルのエレガントな赤ワイン、そしてドン・ジョヴァンニのオペラで有名なマルツェミーノや、パパゲーノの名を冠したワインなど、全てモーツァルト尽くしの銘酒が揃って、本当に楽しい夢のような一夕になりました。

身も心もすっかりリラックスし、又良きモーツァルト仲間に囲まれてつい飲み過ぎてしまいました。途中から夢心地となり反省もありますが、またとない楽しい時間でした。モーツァルト自身はポンチが好きだったようですが、しかし、ワインとモーツァルトは合いますね!次回も楽しみです♡♠♤


左上は、モーツァルト生誕250年記念特別ボトルで、特注のヴァイオリン型ボトルです。素敵です!

2016年7月10のモーツァルトハウス
「初夏の爽やかコンサート2016 in Karuizawa」 その2♡♠♤
軽井沢モーツァルトハウスでの「初夏の爽やかコンサート2016」は終了してしまいましたが、何ヶ月間かかけて茂木先生とは何度となくメールでやり取りなどをして、この日に向かって準備し、そしてこの日を迎え、こうして無事終えることができて、ホッとし、また実現できて本当に良かった!楽しかった!という思いに浸っています。私たち自身も心から楽しめ、又思いがけない新たな出会いもあり、そして皆さまとの交流も更に深められ、こんな嬉しい事はありませんでした。

今回、「軽井沢ニュース」というフリーペーパー誌に載せて、参加希望者から電話を貰きお招きするという、ある種初めてともいえる試みをしましたが、その来訪者は我々だけではなく、他の参加者ともいろいろなご縁があり、お話が弾み、今後にも繋がるようなご縁を頂いたことなど、楽しい、愉快なことがたくさんありました。こんなちっぽけなモーツァルトハウスですが、皆さまとの交流の場としてこれからも楽しんでいけたらと願っております。エマ・セネポーの皆さま、原先生ご夫妻、紅茶マリアージュのお二方、聖徳大学のSOA講座の皆さま、またお会いできる日を楽しみにしております。茂木先生ご夫妻には一方ならぬお世話になりました。有難うございました!♡♠♤

2016年7月のモーツァルトハウス
「初夏の爽やかコンサート2016 in Karuizawa」その1♡♠♤
軽井沢モーツァルトハウス始まって以来の大勢のお客様を迎えて、今年の「初夏の爽やかコンサート」が終わりました。この日の予報は正午から雨で所により雷雨というものでしたが、すっかりはずれて太陽さえ顔をのぞかせ、これもモーツァルトさんのご加護でしょうか。木々がそよぎ、鳥のさえずりの中、美しいモーツァルトの調べに満たされた幸せな時間が流れていきました。

ピアノ・ソナタK330の2楽章あたりから小鳥のさえずりがはげしくなり、モーツァルトのメロディに呼応するかのように、また負けずと声を張り上げているようにも思え、終了後しばしその話で盛り上がりました。ウグイスまでさえずり始め、美しいモーツァルトの音楽と小鳥の研究でもできそうです。

聖徳大学の茂木先生の講座の受講生の皆さまには、新幹線や、また高速道路を利用して、軽井沢の、しかもこのような山中のモーツァルトハウスまでお出で頂き感謝です。茂木先生の司会振りも見事でした。モーツァルト生誕260年、モーツァルトハウス10周年に相応しい賑やかな愉しい会ができて私達も幸せでした。演奏家の皆さま有難うございました。お出で頂きました皆さんにも感謝です。またいつの日か、この様な催しができましたら幸いです。


もどうぞご参照ください。

2016年7月8のモーツァルトハウス
準備もまた愉し・・・♡♠♤
いよいよ翌日に迫ったイヴェント、コンサートの準備も大詰めです。、パーティの料理の準備などもいよいよ佳境と云った感じ。テラスで一休みして夕涼み。東京は猛暑の様ですが、ここは爽やかな草原の風が心地いい。夜にはリビングがコンサート会場と大変身。さあ、明日が楽しみ!


2016年7月のモーツァルトハウス
初夏の爽やかコンサート2016・・・♡♠♤
今年も近づいてきたモーツァルトハウスでの初夏の爽やかコンサート。ちょうど時を合わせたようにモーツァルトの薔薇が今年も咲き誇っています。あとは当日のお天気のいいことを望むばかりです。モーツァルトハウスに生のモーツァルトの調べが流れる日ももうすぐ~♪♪。今日から本格的な準備の開始です。♡♠♤



2016年6月26のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトの足跡~ルートヴィヒスブルク・・・♡♠♤
今度訪ねるルートヴィヒスブルクはいかなる町か、調べてみるのも旅の前の楽しみのひとつですね。モーツァルト一家は1763年7月9日に到着し、12日の朝まで滞在した町です。ルートとしては6月22日にミュンヘンを発ち、一家は晩にはレオポルトの故郷であるアウクスブルクに到着、7月6日まで滞在し、7月6日にアウクスブルクを出発してウルムに一泊、シュトゥットガルトを経て9日にルートヴィヒスブルクに到着しました。「モーツァルト書簡集Ⅰ」によれば《ツム・ゴルデネン・ヴォルトホルン[金号角館]》に宿泊し、ナンネルの旅日記には「ルートヴィヒスブルクで、お城と広間、それに衛兵整列」と書かれています。

《ツム・ゴルデネン・ヴォルトホルン[金号角館]》なる建物が現存するかわかりませんが、もし現存していたら見学できるかも知れません。またナンネルの旅日記にあるお城はルートヴィヒスブルクお城でしょうから、こちらは見学コースに入っています。ミュンヘンではOPツアーとして「アウグスブルク」観光も組まれているので、念願だったレオポルトの故郷にも行ってみることができます。

ルートヴィヒスブルクには、当時イタリアの代表的な音楽家であったニッコロ・ヨメッリ(1714~74)がシュトゥットガルトのヴェルテンペルク伯の宮廷楽長として滞在していました。モーツァルト父子はイタリア旅行の折、ナポリで1770年に再会しますが、ナポリのサン・カルロ劇場でヨメッリのオペラ「見捨てられたアルミーダ」を観たモーツァルトは「見事だけど、あんまりよく出来すぎていて、しかも芝居として時代遅れ」とバッサリ切り捨てたのは有名なお話ですね。

7月11日のルートヴィヒスブルクからザルツブルクのローレンツ・ハーゲナゥアーに宛てたレオポルトの手紙の最後には、「ガイスリンゲンからルートヴィヒスブルクまで、右も左も、湖沼と森と畑と牧場と庭園とブドウ畑だけが同時に目につき、しかもこれがいっしょに、またまったく綺麗にまじりあっているのです・・・・」。今度の旅でミュンヘンからルートヴィヒスブルクまで移動しますが、当時そのままのルートならこの景色を楽しむことができますが・・・・・。行ってみてのお楽しみですね。


2016年6月25のモーツァルトハウス(東京)
軽井沢植物園に感謝!・・・♡♠♤
突然出現した名も知らぬ植物の事を地元の「軽井沢植物園」に写真を送ってお尋ねてしていた所、何とお返事が届きました。アスパラの様な茶色い植物は「オニノヤガラ」といって多年生のラン科の植物で、これから7月中旬にかけて茶褐色の小さな花が咲くそうです。今の状態では信じられないですが、これからが楽しみです。軽井沢植物園にも自生のものがあるそうなので、今度見に行ってみようと思いちょっとワクワクです。
白い小さな可憐な花は、ツツジ科の「ウメガサソウ」という植物(草花ではなく超低木)ではないかと。山地の明るい林などに見られるのだとか。この様な質問に親切に対応して下さり、植物園の担当者の方には本当に感謝です。疑問も晴れて昨日は嬉しい一日!

2016年6月21のモーツァルトハウス
軽井沢ニュース6月号・・・♡♠♤
「初夏の爽やかコンサート2016 in 軽井沢」のチラシが軽井沢ニュース6/17号に載っています。最後のページの「軽井沢ニュース 町の話題あれこれ」という欄です。この時期軽井沢を訪れていたり、またお近くまでお出での節はどうぞご参加ください。

軽井沢のはずれのちっぽけな場所ですが、ピアニストの原佳大さんは、きらきら星の主題による12の変奏曲ハ長調K265、ロンドニ長調K485、クラヴィーア・ソナタハ長調K330、K331を演奏して下さる予定でオールモーツァルトプロです。「ムージカ・エマセネボー」さんの、10弦ギターの斎藤明子さん、フルートの山口直美さん、クラリネットの小平真司さんらによる、素敵なソロやデュオも楽しめます。
初夏の爽やかコンサート、楽しみです♡♠♤


2016年6月20のモーツァルトハウス
不思議な植物の出現?・・・♡♠♤
アスパラガスのようなつくしを大きくしたような不可解な茶色い植物が生え始めて、一体何なのか毎日観察していますが見当もつきません。また可愛らしい白に薄いピンク色がかかった小さな花も咲いていて、植物図鑑でいろいろ調べてみたのですが、結局見つからずこちらも分りません。どなたか知っている人がいたら是非教えて下さい。

2016年6月156月21のモーツァルトハウス
モーツァルト&コンスタンツェの薫る館・・・♡♠♤
軽井沢モーツァルトハウスが、待っていた薔薇の季節を迎えました。「モーツァルトの薔薇」に加えて、昨年モーツァルトの薔薇の隣に植えた「コンスタンツェ・モーツァルトの薔薇」も咲き始めています。並んで咲いているモーツァルト夫妻の薔薇を、揃って今年から愛でることができるので本当に幸せです。当初はまだ咲いていなかった薔薇でしたが滞在中の一週間にどんどん蕾を膨らませて毎朝眺めるのが楽しみな日課となりました。丁度咲く頃を見計らって出かけたのか、それとも私たちに合わせて咲いてくれたのか・・・。グッドなタイミングでしたね。

モーツァルトの薔薇も咲き始めて、こちらは可憐な愛らしいツルバラで、モーツァルト夫人のあでやかさに圧倒されそうです。でもやっぱり可愛らしさは抜群です!

樹の剪定も大事な仕事。込み入っていた枝葉をせっせと刈り込みました。これで薔薇たちも風通しが良くなり思う存分咲き誇れると良いのですが。


2016年6月12のモーツァルトハウス(東京)
楽しさ満載のガラ・コンサート・・・♡♠♤
今日はモーツァルトさんの曲をたっぷりと楽しんだ一日でした。日本モーツァルト協会6月例会<創立60周年記念ガラ・コンサート>ということで3時間にも及ぶスペシャルコンサートでした。演目も出演者も多彩で、お馴染みの曲、お馴染みの演奏家ありで、休日の午後ということでもありリラックスして、モーツァルトの調べを心ゆくまで堪能しました。

終了後は懇親会があり、会員同士で語らう時間もあったので、それぞれ感想を様々話し合えて楽しかったですが、私にとっては、「デイヴェルティメントK334」、「ヴァイオリンソナタK304」、「フルート四重奏曲K285」、「ケーゲルシュタットK498」、「ピアノ協奏曲第12番K414」など、好きな曲がたくさん演奏され嬉しかったのですが、「デイヴェルティメントK334」、「ケーゲルシュタットK498」、「ピアノ協奏曲第12番K414」は一部楽章だけの演奏だったのでやはり全楽章演奏される方が満足度が高いなと思った次第です。(当たり前の事ですが)

この日私が一番心震わせたのは「フルート四重奏曲ニ長調K285」でした。最近特に好きな曲で、メロデイーとマッチングしたフルートの音色がまらなく好きです。モーツァルトは何て素敵な曲を私達に残してくれたんでしょう・・・そんなことを思いながらずっと聴いていました。4月27日のこのページでも書いていますが、特に第2楽章ではアンリ・ゲオンが語る「・・・第2楽章では、蝶が夢想している。それはあまりにも高く飛び舞うので、紺碧の空に溶けてしまう。ゆっくりとしてひかえ目なピッチカートにより断続されながら流れるフルートの歌は、陶酔と同時に諦観の瞑想を、言葉もなく意味も必要としないロマンを表している。魂を満たすきわめて赤裸々な、いとも純粋な音・・・」その表現を心に思い浮かべて聴きほれました。

懇親会が終わった後、この日ご出演された小倉貴久子さんと一緒に写真を撮って頂きました。演奏も素晴らしかったですが、飾らない素敵な方でした。♡♠♤

2016年6月のモーツァルトハウス(東京)
メモリアルな年・・・♡♠♤
モーツァルト生誕250年の年にリニューアルした軽井沢モーツァルトハウスは、丁度今年リニューアルから10年目を迎えます。2016年はモーツァルト生誕260年というメモリアルな年でもあり、これからいつも10年毎に一緒にお祝いできるのは嬉しいこと。

2016年7月には、ピアニストの原佳大さんが「モーツァルトさん!今日もアレグロですか?」という先生ならではのユニークともいえる内容で演奏会をしてくださいます.。聖徳大学のSOA特設講座の有志の皆さんが参加される催し物です。リニューアルした時期の秋には加藤浩子先生ご夫妻をお招きしての恒例の「オペラを楽しむ会」も予定されています。

テオドール・クルレンツィス指揮のチューリッヒ歌劇場「後宮からの逃走」を含んだ音楽ツァーも只今計画中です。クルレンツィスのチューリッヒ歌劇場「後宮からの逃走」に加え、ミュンヘンではダムラウ、クヴィエチェン出演の「フィガロの結婚」、イドメネオを初演したキュヴィリエ劇場では「コジ・ファン・トゥッテ」と、3作のオペラを鑑賞。シュトゥットガルトやストラスプール、アルザスワインの首都コルマール観光(グリューネヴァルトの祭壇画などの鑑賞)も含まれていて、詳細が決まりましたら追ってご案内したいと思っていますが、こちらも実現したら生260年&10周年の記念旅行になります。(主人の古希の記念旅行でもあります)

今年もまもなく半分が過ぎようとしていますが、前半は超多忙に押しつぶされそうになり、体調を崩したりもしましたが、何とか今の所ふたりとも元気で、このメモリアルな年を思い出深い年にしたいと張り切っています。今後共どうぞ宜しくお願い致します。

2016年6月のモーツァルトハウス(東京)
もう6月~・・・♡♠♤
6月になりもう少しで1年の半分が過ぎることになります。あっという間で今年は特に早く感じますね。このHPがご縁で、昨年モーツァルトハウスにお出で頂き、あれから1年の今年、聖徳大学の茂木先生の主宰する「モーツァルト講座」が、軽井沢モーツァルトハウスでも開催されることになっています。題して「初夏の爽やかコンサート2016 in Karuizawa」。

ここ地元軽井沢で活躍している演奏家3人(斎藤明子さん、山口直美さん、小平真司さん)と、聖徳大学教授でピアニストの原佳大さんがご出演され、2部構成でお届けします。第3部としてスペシャルトークと懇親会もあります。

第1部「モーツァルトのアリア・協奏曲の変奏他」、第2部「モーツァルトさん!今日もアレグロですか?」、第3部は「食と紅茶のマリアージュ」で、懇親会へと続く大変バラエティーに富んだ楽しいジョイントコンサートです。

原先生は、日本でモーツァルトのピアノソナタ全曲演奏会を初めて成し遂げられ、お嬢様の原麻里亜さんはヴァイオリニストで現在パリ高等音楽院大学院に留学中で、お二人とはすでにお馴染みでしたので、今回嬉しいご縁を感じます。斎藤さん、山口さん、小平さんの最近のご活躍は目覚ましく、こうしてまたモーツァルトハウスで演奏して頂けるなんて嬉しい限りです。今年初夏、新たなモーツァルさんの輪が広がっていきます。♡♠♤

2016年6月のモーツァルトハウス(東京)
ウィーンの香りに酔う・・・♡♠♤
東京に戻ってからも忙しい日が続いています。今日はBunkamuraオーチャードホールでの「ウィーン・スペシャル・ガラ」へ、ウィーンフィルの3人の首席奏者(ヴァイオリン、ヴィオラ、フルート)による夢の競演。モーツァルトの珠玉の名曲を愉しみました。休日のマチネとあって人気のコンサートで、いろいろな方にお会いしました。

久しぶりに聴いた「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」K364は、思い出の曲。ベスト5に入る好きな曲です。やわらかな、やさし~い音色で、忙しくしていた心にゆったりと染み渡りました。渋谷の街は若者でいっぱいでしたが、ここBunkamuraは閑静な松濤の住宅地が隣接している場所で、緑も綺麗で、魅力的なスポット。このあたり学生時代に住んでいた場所なので、ついなつかしさが~。

2016年6月3のモーツァルトハウス(東京)
感動!「カラヴァッジョ展」・・・♡♠♤
ようやくでかけた「カラヴァッジョ展」。6月12日(日)の最終日まで残り僅かとなってしまいました。現存する真筆は60点強、本展の出品数は日本で過去最多、世界でも有数の規模で開かれている話題の絵画展です。「ルネッサンスを超えた男」というだけに、その絵の前に立つと写実性に圧倒される迫力があり、その画風には魂が感じられました。「バッカス」は一番惹かれた作品、「果物かごを持つ少年」の果物かごの写実性と、物憂げな弱弱しく描かれた少年の顔の表情との対比にも注目しました。なんといっても、世界初公開となった「法悦のマグダラのマリア」には大きな人だかりができていて、なかなかそこから離れずにいる人も。私も何度か行きつ戻りつしながら、やはりこの絵からは大きな衝撃を受けました。カラヴァッジョ自身が最期まで持っていたのだということも惹きつけられる要因です。約400年の時を経て発見された作品で官能的でありながら魂をゆすぶられる絵でした。ずっと誰の目にも触れさせたくなかったのでは・・。現在は個人蔵になっているのだそうです。

2016年5月30のモーツァルトハウス
新幹線と「一期一会」の夜・・・♡♠♤
朝日カルチャー新宿校で受講中の「オペラで知るヨーロッパ史」の為、今日はここ軽井沢から新幹線で東京へ。新幹線は金沢まで伸びて「はくたか」が走るようになって、デザインも新しくなり、座席も広く快適でした。加藤先生のオペラの講座は先生の著書「オペラでわかるヨーロッパ史」を原本にして、オペラを解説してくれているもので、3回シリーズ(イギリス王室の舞台裏)の今日は最終日。絶対休みたくないと思ったのは、この日のテーマはつい先日メト・ライブビューイングで観たばかりの《ロベルト・デヴェリュー》で、《ロベルト・デヴェリュー》~ドニゼッテイの「ロマン派への道」だったので。

講座の後は、先生を囲んで、お茶をしながらいろいろなお喋りを楽しんで、急いで東京駅に向かい軽井沢に戻って来ましたが、夕食は、以前から複数の方から美味しいとお薦めのお店「一期一会」に。軽井沢でも評判の鰻のお店で、駅から5分と便利な場所にあります。完全予約制なのですが漸く予約が入り、その味を堪能できました。お店の名前にもあるように「一期一会」を大切にされているのでしょう。初めての客でしたが、丁寧に最後まで玄関の外まで見送って下さり、こちらも恐縮しながらも、あったかな気持ちになりました。東京も寒い一日でしたが、この日の軽井沢は夜は霧が深くたちこめ、5月末とは思えぬ冷え込んだ夜でしたが、お腹もこころもすっかりあったまり、一期一会で満たされた夜となりました。


2016年5月256月のモーツァルトハウス
緑あふれる季節・・・♡♠♤
モーツァルトハウスは今緑真っ盛り。美しい緑に包まれています。爽やかな風が吹き渡るこの季節を謳歌したいですね。浅間山も雄大な姿を見せています。


2016年5月26のモーツァルトハウス
ピッコロホテルはオペラの館・・・♡♠♤
オペラ好きのご夫妻がはじめたホテルが追分の緑あふれる豊かな自然の中にあります。部屋は全てオペラのヒロインをイメージしており、部屋の名前も「ロジーナ」「パミーナ」「カルメン」「スザンナ」などと、随所にこだわりを感じ、まるでオペラの調べが聴こえてきそうです。この「ピッコロホテル、オペラ軽井沢」では、毎年1回グランドピアノのあるダイニングでサロンコンサートを開いています。この日もソプラノとバリトンの歌手によるオペラのアリアを楽しんできました。終了後は、人気のお店ドルチェのケーキと飲み物が提供され、テラスに出て団らんの時間もしばし楽しむことができます。

私達も、いろいろご縁でサロンコンサートにこうして何度かお伺いしていますが、オペラ軽井沢でのサロンコンサートは第16回を数え、こちらのホテルも2013年で満10年を迎えたそうで、リピーターも多く、オペラ好きにも愛された素敵なプチホテルです。露天風呂も好評なのだそうです。

2016年5月24のモーツァルトハウス(東京)
名演が続々・・♡♠♤
今日は東劇でのMETライブビューイング《ロベルト・デヴェリュー》(ドニゼッテイ作曲)。マウリツィオ・ベニーニ指揮、デイヴィッド・マクヴィッカー演出に、人気歌手、ソンドラ・ラドヴァノフスキー、エリーナ・ガランチャ、マシュー・ボレンザーニ、そして我らがドン・ジョヴァンニ歌いのマリウシュ・クヴィエチェンの4人が、かっつり四つに組んだ素晴らしい舞台。超感動的な幕切れにも注目でした。カーテンコールでは、女王役ラドヴァノフスキーは感極まり涙を見せ、観客も勿論総立ち。あっという間の感動の3時間でした。新宿ピカデリーは5/27(金)、東劇のみ6/3(金)まで、どうぞお見逃しなく。それにしてもメットってすごい!!歴史に残る名演でしたね。♡♠♤「オペラでわかるヨーロッパ史」(加藤浩子著:平凡社新書)を読んでいるお陰で、最近はこんなモーツァルト以外で縁遠かった作曲家のオペラにも出かけるようになりました。感謝です。

先日信州国際音楽村でミミ役で大活躍だった高橋薫子さんは9月には、藤原歌劇団公演「カブレーティ家とモンテッキ家」にジュリエット役でご出演されます。ロミオとジュリエットの悲恋を描いたオペラですね。シェークスピア没後400年を記念する企画。相手役のロミオにはメゾ・ソプラノの向野由美子さんがズボン役で出演。こちらの公演日は9月10日(土)、11日(日)で、どちらも14時開演。新国立劇場オペラパレス。チケットは発売中です。お二人の共演期待したいですね。♡♠♤

2016年5月20のモーツァルトハウス(東京)
映画「マクベス」・・♡♠♤
今年はシェークスピア没後400年の年。映画「マクベス」が只今上映中です。



2016年5月16のモーツァルトハウス(小諸)
創業百年の宿・・♡♠♤
大人の隠れ家と呼びたい宿「中棚荘」は、高原の城下町小諸にある島崎藤村ゆかりの宿。千曲川旅情の詩の一節にある「千曲川いざよう波の岸近き宿にのぼりて、濁り酒濁れる飲みて・・・・」の岸近き宿とは中棚荘を詠んだもの。「濁り酒」や、初恋にちなんだ「りんご風呂」、「藤村ライブラリー」まであり、藤村文学好きにはたまりません。101号室「初恋」の部屋には掛け軸が「若菜集」からの初恋の詩でした。

膝や腰を痛めて和室が苦手となった者にも、優しい洋間付きのお部屋もあり、個室の食事処も椅子席で嬉しい限り。和風創作料理は薄味で量も考えられていて、またお部屋ごとに御釜でご飯を時間を見計らって炊いてくれる心遣いも嬉しい。部屋からは梅ノ木がみられ、青い梅がいっぱいなっていました。収穫して梅酒になるのでしょうか。門前には栗の大木があり、秋には栗ご飯が提供されるそうな。千曲川べりのアカシアの花の自家製はちみつも売店においてありました。館内の水は全て温泉水で、温泉コーヒーは初体験ながら大人の「初恋」の味でした。♡♠♤
来年もできたら信州国際音楽村での5月オペラ(2017年五月オペラはヴェルディ「椿姫」の予定)の帰り、また「中棚荘」に泊まりたいものだと思わせるお宿でした。「連休の混雑も終わり、新緑も盛りで、りんご風呂も5月までとぎりぎりセーフのこの時期が一番宜しい時です」とはお宿のご主人の弁でしたネ。

2016年5月15のモーツァルトハウス(上田・小諸)
草原の風・香り・・♡♠♤
上田市にある信州国際音楽村は、小高い山の中腹にあり、見晴らしも抜群で、周辺にはフリージア、水仙、あやめ、ラベンダー、薔薇園などの季節ごとのお花畑もあって、自然を謳歌できる場所。その一角にあるホールこだまでは毎年5月にオペラを上演しています。今年でもう6回を数えるとか。今年はプッチーニ作曲「ラ・ポエーム」。ミミ役には高橋薫子さん、その他、鵜木絵里さん(ムゼッタ)や岡本泰寛さん(ロドルフォ)等が出演され素晴らしい舞台でした。観客数わずか300席ほどの小さなホールですが、温もりのある木のホールで、身近にオペラを楽しめる貴重な場所ではないでしょうか。毎年楽しみにしている方も多いと聞きました。地元の老若男女で結成された混声合唱団も、アマチュアとは思えない演技に歌で、こちらも素晴らしかった。終了後はめちゃくちゃ可愛らしい高橋薫子さんと一緒に写真を撮って貰えて嬉しかった。(結構ミーハー・・)

日頃敬遠しているプッチーニでしたが、ハイライト版だけに分かり易く、字幕なし、オケなし、指揮者なしの舞台は臨場感があり、出演者たちの熱演が直に伝わってくるもので楽しかった。ホールエントランス両側には今が盛りのマロニエ(とちのき)の真っ赤な花が咲き、ヨーロッパのどこか高原にでもいる気分になりました。旅と音楽を楽しんだグッドな一日でした。~♪

2016年5月12のモーツァルトハウス(東京)
日本庭園と国宝燕子花図屏風・・・♡♠♤
根津美術館で開催中の特別展「国宝燕子花図屏風」を観賞してきましたが、こちらも5月15日(日)が最終日です。最終日までは19時まで開館しています。今日は飛び切りの晴天のうえ、初夏を思わせる日差しでしたが、こんな明るい春の陽気に誘われて思わず出かけてしまいました。美術館のお庭に燕子花が咲くこの時期に、年に一度だけの特別展です。再建された根津美術館は、今話題の隈研吾氏(新国立競技場)の設計で、ハイセンスな竹をあしらった素敵なエントランスになっていて、ガラスの大きな窓を全面にあしらい、美術館自体も建築芸術作品といった印象です。美術館だけではなく、17000㎡を超える緑豊かな日本庭園は茶室が点在し、四季折々の見事な風景が楽しめます。

私達夫婦は、東京にもう??10年も住んでいながら、まして近くに住んでいたこともあり、オマケに通っていた学校の近くでもあったのに、根津美術館は今日が初めて。いつでも行けると思っているとこういう恐ろしい事にもなるのですね。「燕子花図屏風」もいつでも行けば観られると思っていたのか、恥ずかしながら初めて。じっくり、尾形光琳筆の屏風図を鑑賞して、日本庭園を散策、燕子花はもう終わりを迎えていましたが、新緑が美しい緑たっぷりお庭の木々を眺めながら散策路を歩いて、身も心も本当に癒された思いがしました。。表参道駅からの行き帰り、並木通りのオシャレなショップが並ぶ街並みも、春の輝く日差しを受けて素敵でした。


この並木通りにある素敵なカフェレストラン「フィガロ」は、1975年に山下和正氏の設計の当時話題となった「フロムファーストビル」の中にあります。パリの街並みを思わせるこのスポットにはお似合いのお店で、内装もパリの雰囲気です。。帰りはここでひとやすみをして、今日は美味しいケーキを食べて帰って来ました。お皿もカップも「フィガロ」と書いてあり、何となくつい嬉しくなってしましました。この界隈はおしゃれな建物ばかりで歩くだけでも楽しい。18世紀の素晴らしい芸術作品にもふれて今日も幸せな1日でした。


2016年5月10のモーツァルトハウス(東京)
大回顧展「黒田清輝展」・・・♡♠♤
開催期間終了の5月15日(日)も迫り、この日は先延ばしになってしまっていた「東京国立博物館 平成館」での「黒田清輝展」に。NHK日曜美術館の特集番組「”近代絵画の父”黒田清輝の格闘」を観ていて事前に勉強できていたのでよかったかなと。近代絵画の父と呼ばれ、日本の西洋画界を牽引し、その業績は栄光の画家というイメージがある一方で、挫折、挑戦、また挫折を繰り返し、新時代の扉を開くために格闘し続けた夭折の画家ともいえるのだと放送では研究者が述べられていて、印象的でした。

生誕150年の大回顧展でもある今回は、200点を超える作品が展示されていています。教科書にも載って良く知る代表作「読書」、「婦人像(厨房)」、(重要文化財)「湖畔」に加えて今回初めて鑑賞する(重要文化財)「智・感・情」、などの傑作に、フランス・オルセー美術館からは、師であったコランやミレーらの作品、そして同世代の画家の作品までも展示されていて見応えにある回顧展になっています。

黒田はラファエル・コランに師事し、フランスのグレー・シュル=ロワンという所に移り住み、1890年頃はここで美しいグレーの景色をたくさん残していて、これらの作品にも私は心惹かれました。1891年にはとうとう「読書」が有名なサロンに入選するのですが、ちょうどモーツァルト没後100年という年です。この1891年前後、「婦人像(厨房)」や「菊花と西洋婦人像」(個人蔵)など、日本に帰国する1893年まで、生涯に於いては修業時代の作品とは言え、フランス絵画に刺激を受けた黒田独自の美しい作品が生まれました。

帰国後、白馬時代の作品の一つである、僧侶が民衆に説法をしている様子を描いた「昔語り」は、最終的な絵の完成にはならなかったものの、その夥しい下絵や画稿(スケッチ)類が13点も展示されていて、その一つ一つが既に魅力的な‘黒田の絵画作品‘で、否応なく強い感動を憶えたのです。鑑賞後どっと疲れを憶えた身体には、やっぱり白玉3ケおまけつきのクリームあんみつなのです。

2016年5月7のモーツァルトハウス(東京)
きわだつ音楽性「魔笛」・・・♡♠♤
連休明けの5月7日(土)、モーツァルト協会の5月例会で、素敵な「魔笛」体験をしました。ナレーションが歌手の通常受け持つ台詞を全て一人で語り分け、オペラが進行していく形式。オリジナルの書き下ろし本邦初公開の台本に、キャストは全て実力派を揃えた万全の歌手陣、ラジオドラマの生放送の収録現場にいるような感じでこの「魔笛」オペラが始まりました。

ナレーションという媒体で各自が舞台を思い描きながらアリアを聴くことで、音楽に集中でき、視覚というものより聴覚にむしろ専念できることで、その音楽性の素晴らしさ、歌手のうまさが際立ってきて、かつてないオリジナリティ-に充ちた「魔笛」の世界を陶酔できた気がします。大きな拍手が物語るように大成功で終了し、この様な舞台を共に楽しめたのは幸せでした。土曜の午後のマチネということもあり、終わった後は乾ききった喉を潤しながら音楽談義にも花が咲き、連休明けとはいえ上野界隈は新緑を楽しむ人、芸術を楽しむ人、様々な人の波で賑わうなか、充実した一日でした。

この日の歌手陣は、本当に素晴らしいの一言で、語りもどの役の方も素晴らしかった。夜の女王も、パミーナも、タミーノも、そして初役というパパゲーノもパパゲーナも、ザラストロも、童子も侍女も武士も全てが完璧で、言葉がありません。終了後は出演者が揃ってロビーに出て来られて、帰る観客に応対をしてくれていました。心から万全の歌手陣に拍手を贈りたい。侍女役の向野由美子さんとお話出来ましたが「観客が静か過ぎて・・驚きました」と面白い事をおっしゃていましたが、それはきっと、観客のあまりの集中力のなせる静寂かと思います。

ザラストロ:成田眞、夜の女王:安井陽子、パパゲーノ:森口賢二、タミーノ:渡邉公威、パミーナ:砂川涼子、パパゲーナ/童子1:小田切一恵、渡邉史:侍女1、侍女2/童子2:向野由美子
侍女3/童子3:増田弥生、モノスタトス/武士1:澤原行正、武士2:品田広希、:ピアノ:松本康子、谷合千文、フルート:遠藤まり、語り:森山太、以上みな素晴らしかったです。

パミーナ役:砂川涼子さんと

2016年4月275月6のモーツァルトハウス
新緑とモーツァルト・・・♡♠♤
今年の連休は晴天が続き、新緑のその進み方は毎朝カーテンを開けるたびに、眼を見張るばかりでしたが、それも雨が夜中降っては明け方には上がっているという現象が、眼にも眩しいその美しさを、一層引き立たせていたように思います。あちこちどこを見ても美しく、淡い緑の中に芝桜のピンク色やツツジ、黄色や白い花が咲き、鳥たちもチュッ!チュッ!とうるさいくらいにさえずり渡り、「春の喜び」を宇宙全体から感じる思いがしました。さてこんな時には、この曲しかないように思います。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタk378。お気に入りの曲です。

旧軽銀座の先にも美味しい可愛いレストランがあります。此処のナポリタン、グラタンがとても美味しい。若いご夫妻がされていて、ご主人は本場でハムやソーセージの修業をされただけに、味は本格派。「沢村」はわざわざ買いに出かけたいほどの美味しいパンを焼いているお店。
発地に町直営の「軽井沢発地市庭(かるいざわほっちいちば)」が、連休中プレオープンしていました。その近くには軽井沢植物園があり、ここは季節の植物を観賞するにはもってこいの場所。今はサクラソウ、水芭蕉など春のお花が見頃でした。


2016年5月6のモーツァルトハウス
緑とピンクのコラボレーション・・・♡♠♤
ツツジが玄関先に淡いピンク色を添えています。「黒船ツツジ」といっていつもはもっと先に咲くのですが、今年は早くてもう満開!新緑のなかにあって春らしい可愛いピンク色です。今年も綺麗に咲いてくれて嬉しい。♡♠♤


2016年5月のモーツァルトハウス
GWは大賀ホールで・・その2・・・♡♠♤
かつてない程のブラボーと、大きな拍手で湧いた昨日のバッティストーニ指揮「軽井沢大賀ホール春の音楽祭」。小山実稚恵さんのチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、ヴェルディ「運命の力」序曲、チャイコの交響曲第4番は、未だ経験のない熱狂さで終わりました。

音楽ホールがなかった軽井沢の町に、故大賀典雄氏の寄贈によってこのような立派なホールができ、11周年を迎え、このホールで数え切れないほどの感動があり、そして未来にも繋がる楽しみもある、改めて大賀氏の功績に感謝の念が湧いてきました。

この日小山実稚恵さんが弾かれたピアノも、大賀夫人緑さんからホールに寄贈されたもの。庭には開館記念に植樹された枝垂桜も今年も美しく花開き、ホールを私たちを見守っているようでした。♡♠♤終了後は、加藤浩子先生に楽屋に連れて行って頂いたお陰で、バッテイさんにもお会いでき、こんな写真まで。連休最高の思い出!


2016年5月2のモーツァルトハウス
GWは大賀ホールで・・・♡♠♤
「軽井沢「大賀ホール2016春の音楽祭が始まっています。新緑が目に眩しいこの時期、休憩時間にはハワイエから外に出てあたりを散策すると本当に気持ちがいい。昨日は若き演奏家たちの「ハイドンチェロ協奏曲第1番」などを楽しみ、明日3日は、いよいよ昨年に続き、カリスマ指揮者バッティストーニさんの登場です。チケットも完売の人気。大賀ホールは、東京からも新幹線で1時間、駅にも近く、今年は開館11年目を迎えて、地元だけではなく、東京からのお客さんも多く、大賀典雄氏亡き後も音楽ファンにはなくてはならないホールになっています。

2016年4月27のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトとの散歩・・・♡♠♤
アンリ・ゲオン著・高橋英郎訳の「モーツァルトとの散歩」の中で、フルート四重奏曲ニ長調第1番K285の第2楽章はこう表現されています。
「・・・第二楽章では、蝶が夢想している。それはあまりにも高く飛び舞うので、紺碧の空に溶けてしまう。ゆっくりとしてひかえ目なピッチカートにより断続されながら流れるフルートの歌は、陶酔と同時に諦観の瞑想を、言葉もなく意味も必要としないロマンを表している。魂を満たすきわめて赤裸々な、いとも純粋な音・・・しかしながら、同じような例にわれわれはしばしめぐりあうだろう・・・いくつかの音符の繰りかえしを際限なく活用する、驚くべき活力をもった最後のロンドに私は触れまい・・・・」

フランスの詩人で、劇作家、小説家でもあったアンリ・ゲオンは、パリで活躍し、音楽、美術の分野でも多くの批評を残した人でもあります。「モーツァルトとの散歩」を執筆したのは1932年のこと。邦訳されたのは1964年で、白水社から出版されています。小林秀雄が「モォツアルト」の中で本書の事を紹介し、日本でもその存在が広く知られるようになりました。

陽気がよくなってくると、何となくモーツァルトのフルートの曲が聴きたくなります。父レオポルトへの手紙の中でモーツァルトはうっかりフルートを「がまんできない楽器」と表現してしまったばかりに、後世に「フルート嫌い」というレッテルを貼られる結果となってしまいました。協奏曲2曲、四重奏曲4曲と、残した曲はフルート曲の頂点ともいえる珠玉の名曲揃いですが、最近の研究では、残念なことに確実にモーツァルトの曲とされているのは、フルート協奏曲第1番K313と四重奏曲第1番K285の2曲だけでは・・というふうに考えられるようになってきたそうな・・。ゲオンの美しい表現に魅せられ、今朝はこの四重奏曲K285を聴いています。。

間近に迫ってきた今年のGW、軽井沢大賀ホールでの「2016春の音楽祭」ももうすぐ開幕します。どのコンサートチケットも完売に近い盛況の様ですが、GWの頃はちょうど桜も咲き、新緑が美しい頃。ホールの横の矢ケ崎池では鴨が気持ちよさそうにひなたぼっこをしています。混雑が難点ですが、早春の軽井沢はやっぱり魅力的。今年の桜は開花がいつもより早いせいか、旧軽井沢のロータリーの桜はすでに満開だそうです。

2016年4月26のモーツァルトハウス(東京)
「いづう」とモーツァルト~・・・♡♠♤
「再会女子旅行」でもあった姫路~京都への女子3人の1泊2日の旅。懐かしさもひとしおで、元気にこうして又会えることへの感謝をした旅でもありました。帰りに寄った京都ではもう一つの懐かしの再会が待っていて、今回の旅のハイライトともいえるもの。英国から只今来日中のVeronica Whittyさん(通称・ウイッテイ先生)と38年ぶりの再会ができたことです。私達3人は様々な理由でこの時期ロンドンで暮らしていました。京都駅に隣接のホテル・グランヴィアの2階の日本食のレストランで昼食を共にして、先生との再会を喜び合いました。10日程前に成田に着き、東京や京都の友人宅で過ごし、周辺を観光したりして過ごしていたウイッテイ先生は、これから北海道まで足を延ばし、日本での滞在を楽しまれるとか。北海道では桜が満開でしょうから、良い旅になることでしょう。
京都から久しぶりに「いづう」の鯖姿寿司を買って帰って来ました。開けてしおりを読んでいたら、驚く発見を!「天明元年(1781)に現地にて創業し、初代である「いづうや卯兵衛」の名をとって、屋号を「いづう」といたしました。」とありました。

1781年創業のこの「いづう」はモーツァルト共通点があったのです。モーツァルトもウィーンで新たな出発をした年も1781年。200年を超えた今も、どちらも変わらず愛され続けているところも同じです。鯖姿寿司も、やっぱり極上のお味でした。♡♠♤


2016年4月24のモーツァルトハウス(姫路)
新緑に映える姫路城~・・・♡♠♤
約5年の歳月をかけた大天守保存修理工事を終えた姫路城。築城時そのままの美しい姿がよみがえりました。美しい若葉に映えるその姿を見に1泊2日の小旅行に出かけてきました。天を突くように威風堂々とそびえる、白く輝く天守、その圧倒的な姿は、白い鷺が舞い立つように見えることから、別名「白鷺城」と呼べれているのだとか。桜はすっかり終わってしまっていましたが、緑の映えるその姿は本当に美しい!しかしこのお城は美的完成度を誇るだけではなく、見事なまでに「戦いの知恵」を秘めたお城でもあります。戦から身を守るための実用性をも兼ね備えた城としても、誇るべき美しい仕掛けが数々あるのです。この様な特殊性と日本の木造建築の代表例として、1993年に日本で初の世界文化遺産にその名が登録されました。

城内のボタン園では、ボタンが丁度満開の頃で、あでやかな大輪のボタンを愛でることができました。これからつつじが城内に美しさを添える事でしょう。四季折々、姫路城はどの季節も魅力的。美しく”白”が輝く今、もう一度行ってみたい。


2016年4月23のモーツァルトハウス(東京)
小さな悩み~・・・♡♠♤
テオドール・クルレンツィス指揮のチューリッヒ歌劇場での「マクベス」は期待通りの舞台だったようで、地元各紙にも絶賛の記事が載った程だったそうです。加藤浩子先生は2回公演を楽しんだそうで、やっぱり行ってよかったと思われたそうですから、本当に何よりでした。こうして観たい舞台があると、いつでもどこまでも飛んで行ってしまわれるのですね。この「マクベス」では終了後楽屋口で出待ちをして、クルレンツィスに挨拶ができ、実物ととうとう対面したそうです。写真よりずっとかっこよかった!とか。(背が高くて穏やかで知的な感じの人だったそうです)

楽屋口ではずっと追っかけをしている現地のオペラおばさんにも会い、6月に彼の本拠地ペルミで指揮をする「椿姫」の情報を得たそうですが、先生は行けないので残念のあまり、様子を教えて欲しいとメールアドレスの交換したそうです。

そこで、私を今悩ませているもやもやなのですが、このチューリッヒ歌劇場で、何と秋公演で、クルレンツィスで「後宮からの逃走」があるそうで、11月6日がプルミエとのこと。行きたい思いは募るばかりで、このチケットをゲットし、せっかくだからこの周辺の都市をいくつかまわり、できればあとオペラやコンサートを楽しんで・・・と空想は果てしないのです。クルレンツィスに熱を上げている人は私だけではないでしょうから、この公演を鑑賞するツアーは成立するのではないかと思うのですが・・・。チケットも早く取らなければならないでしょうし、気持ちは焦るばかり・・・。

クルレンツィスを日本に呼びたいと手を挙げている人は何人もいるのだそうですが、本人がなかなか・・なのだそうです。マイペースな人なのか、気持ちが乗らないと動かないタイプなのか、日本を遠いとおもっているのでしょうか、わかりません。。
チューリッヒ歌劇場は1100席で、モーツァルトのオペラの名作を数々上演してきた憧れの劇場でした。いつかは行ってみたいと夢に描き始めてから、もう何年も経ってしまいました。今度こそ、このチャンスを逃がしたくないと思う日々なのです。私の心のなかは今この事でいっぱいです。。。


2016年4月22のモーツァルトハウス(東京)
懐かしい思い出~・・・♡♠♤
昨夜は新橋にあるミュージックレストラン「アルテリーベTOKYO」での、《Viva Mozart!!星野淳モーツァルトを大いに語り、大いに歌う!!》に行って来ましたが、このアルテリーベ東京に行くのは昨日で2度目。1回目はもう10年近く前になるかも知れません。

昨夜はモーツァルト協会の4月例会があった日でもありましたが、星野淳さんからオールモーツァルトプロで歌うからというお知らせを頂き、例会を残念ながら欠席してでも聴きに行こうと思ったもの。懐かしい星野さんの歌声でモーツァルトの珠玉の名曲の数々を堪能しました。オペラ作品「フィガロ」「ドン・ジョヴァンニ」「コジ」「魔笛」からアリアを17曲も熱唱して下さり、楽しいおしゃべりもあり、オペラの解説までついて、お馴染みの常連さんや、はるばる熱海から、函館からのお客さんまで、ビールやワインを片手にドイツ料理で、このひと時を楽しみ、星野ワールドに酔いしれていました。

星野さんは気象の研究者を志して、北大の理系に進むが、好きな歌の道に突如方向転換をして北海道教育大学札幌分校特設音楽科を卒業。二期会オペラスタジオを修了し、現在二期会会員でご活躍。新国立劇場の舞台にも多数出演されていますが、特に和製オペラ「黒船」「沈黙」「鹿鳴館」「夕鶴」などのご出演が多いのも特徴です。またこれは特徴と言ってはなんですが、カバー歴も多くあります。伯爵(2007年、2010年、2013年、2017年)、ドン・ジョヴァンニ(2008年)。来年2017年の「フィガロ」の伯爵役のカバーにもなっていて、こちらもカバーではもったいない思いがします。
このアルテリーベは、5年前に経営者が店を閉めようとされたのですが、どうしてもこのお店を存続させたいと数人が集まり、今はその方たちで共同経営されているのだとか。熱烈なファンに支えられて愛されている場所なのだと、昨日は出かけてみて改めて実感する思いでした。

2008年6月に、バリトンの星野淳さん、メゾソプラノの向野由美子さん、ピアノは北村晶子さんでコンサートを開いたのが、軽井沢モーツァルトハウスでの第1回目の記念すべきコンサートでした。懐かしく思い出しましたが、こうして変わらずご活躍でモーツァルトを歌ってくださっていて嬉しい。ピアニストの北村晶子さんは18日にやはり王子ホールでコンサートを開かれていて、こちらにも行って来たばかりで、今週は偶然にもお二人の舞台が同じ週にあり、それぞれのご活躍の舞台を観ることができ、私たちにとって神様の思いがけないプレゼントかなと思うような出来事で、初心に帰る思いがしました。今年で節目の10周年を迎える軽井沢モーツァルトハウスですが、あれから色いろなことが起きましたが、あの時のコンサートはやっぱりいろんな思いがギュット詰まった、大切な懐かし~い思い出ですね。♡♠♤

昨夜のプログラム(左)、二つのコンサートのチラシ(右)

2016年4月19のモーツァルトハウス(東京)
こころの癒し・・・♡♠♤
日本にあっては、いつどこでも自然災害がわが身に起きてもおかしくない。だからこそ日常を大切にし、その一日一日を精一杯に、懸命に生きることも大切な事。いつも当たり前に明日が来ると思って過ごしていた自分でも、命を与えられているんだと自覚して今日を過ごすといつもと違う一日が送れそう。遠くの被災地に思いを寄せることと、自分の生活をきちんと送ることは、どちらも大事なこと。でも時には緊張感のふわっと消えていく瞬間も欲しい。

先日行ったコンサート会場の「王子ホール」で見つけたモーツァルトグッズ。 ザルツブルクのオリジナルの操り人形です。手足が動くだけに楽しく、その表情は見ているだけでも癒されます。後姿もかわいいんです♡♠♤


Jumpingi Jack little Amadeus・・ZALZBURG ORIGINAL


2016年4月18のモーツァルトハウス(東京)
重要文化財の被害・・・♡♠♤
まだまだ続いている余震、早く収まってくれないかと思うばかりです。自然災害とは本当に残酷なもの、人類が宇宙に出かけるようになり、一昔前には出来なかったことがが可能になり便利さ、豊かさを手に入れても、自然災害の前ではなす術がなくなり、精神力を奮い立たせる事しかできない。

熊本地震によって、熊本城は櫓や門などの重要文化財に指定されている13の建築物全てに被害が出ていて深刻です。加藤清正が築城した日本三大名城の一つ、国内だけではなく、海外からも多くの観光客が訪れている場所です。1960年に再建された大天守は無残にも屋根瓦が剥がれ、しゃちほこも落下しました。復旧に10年以上要する可能性が有るとも発表されています。櫓は加藤清正の時代に築かれたもので、400年も地震の国日本にあって現在まで風雪に耐えてきた、世界に誇る日本の技と美。

三大名城とは、時代や定義で諸説あるようですが、熊本城、大阪城、名古屋城。これは城作りの名手と謳われた藤堂高虎、加藤清正によって普請されたものののうちの三城で、大阪城はもはや城ではないと姫路城をいれる場合もあるとのこと。姫路城は池田輝政の手によるものですが、美しさで選ぶと、熊本城、姫路城、松本城を三大名城ともしているようです。こうして見てみると、熊本城はどんな観点からも讃えられる名状しがたい名城でした。

昨年訪れた天守が現存するお城として国宝になったばかりの松江城も美しかったです。天守閣しか残っていないお城ですが、正統天守閣なのだそうで、お城も勉強していくと奥が深く、どんどんはまっていく感じがします。最近は「城を楽しむ歴女」も多いそうです。

所で、私は今月末に真っ白に生まれ変わった別名白鷺城の姫路城を訪ねます。友人が住む姫路に東京から私、もう一人の友人が京都府舞鶴から集合します。

そして主人は6月に滋賀県の本格的な「城めぐり」をする予定です。中学時代の友人4人で8年前から始めた「歴史探訪旅行」は今年で9回目を数え、司馬遼太郎の「街道をゆく」がテーマとなっていて、1年かけて事前にこれらの歴史書を読む勉強会を積み重ね(毎回酒は不可欠で最後は居酒屋に流れるパターン)、緻密な日程調整のもと2泊3日の世界に二つとないオリジナル旅行となるのです。よく続いているなと感心しているのですが・・・。この仲間は(各々は腐れ縁と称しているが)中学の生徒会役員だった同志で、今年全員が古希を迎えます。
今年のルートは、お城だけを挙げると、小牧城、犬山城、岐阜城、(城ではないが関ヶ原決戦地・伊吹山)、長浜城、小谷城址、彦根城、安土城址で、近江八幡~比叡山延暦寺まで足をのばし、歴史探訪の旅に相応しい中味の濃いもの。

お互い年を重ねた今、昔を懐かしみ、長い歳月を経てもなお続いている友人はやはり大切にしたいもの。相手も我を必要とし、自分にとってもなくてはならない人だったからこそ続く友情。忘れてはならない絆です。年のせいか年々大切に思うようになりました。

2016年4月17のモーツァルトハウス(東京)
ブリテンのレクイエム・・・♡♠♤
この度発生した熊本地震で被害を受けた方々に心からお見舞い申し上げます。2011年の東日本大震災からまだ5年しかたっていないのに、大きな震災がまた起きてしまいました。避難生活をされている方々に一日も早く平常の穏やかな日々が戻りますように、支援の手が早く届きますようにと祈ります。

兵庫県立芸術文化センターは、1995年に発生した阪神淡路大震災からの心の復興のシンボルとしてオープンしたもので、昨年2015年で開館10周年の節目を迎えました。震災から20年が経ちましたが、人々の豊かな交流の場として、本物の舞台芸術がもつ醍醐味を届けることで、その役割を果たしてきました。オペラやコンサートのための大ホールであるKOBELCOホールや、用途に応じて中ホール、小ホールまであり、劇場芸術は人々を悲しみから救い、明日への勇気をも与えてきたのだと思います。

この劇場で毎年7月に催される「佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ」は、いつも7月下旬の1週間ほど6公演あって、比較的低料金で楽しめ、地元だけではなく多方面からのお客様に支持され、愛されているもの。2年前の2014年に「コジ・ファン・トゥッテ」の公演があったので、私たちも行ってきました。

今年の「佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ」は、ベンジャミン・ブリテン作曲の「夏の夜の夢」で、原作はウイィリアム・シェイクスピア。名作だけにシェイクスピアを知り尽くした英国人演出家アントニー・マクドナルドが手掛け、歌手陣も日英の精鋭が集結した豪華なものになっています。ミュージカル版は新国立劇場の中劇場で以前観たことがあります。

ベンジャミン・ブリテン(1913年―1976年)は、イギリスの作曲家で、指揮者、ピアニストでもありました。ブリテンと日本との関係で忘れてならないのは、1940年の皇紀2600年にあたる年に奉祝曲として作品の委嘱を受け「シンフォニア・ダ・レクイエム」を作曲したことではないでしょうか。この曲はレクイエムという曲の内容が祝祭に相応しくない等と議論され、日本政府が拒否し、演奏されなかったのです。(楽譜は大切に保管はしていたそうな)

この「シンフォニア・ダ・レクイエム」は同年3月にニューヨーク・フィルハーモニックの定期演奏会でジョン・バルビローニの指揮により演奏されましたが、その後作曲されてから16年も経った1956年にブリテンが来日した際に、NHK交響楽団を指揮して日本で初演されました。
祝典用なのに、なぜレクイエム?と思いますが、戦争へ向かいつつある日本へのある種警鐘のようなものだったのか・・。

3月に終わったばかりの「レクイエム」講座の最終回に聴いたのは、このブリテン作曲の「戦争レクイエム」でした。戦争で破壊されたコヴェントリー大聖堂の再建の献堂式のために作曲し、1962年にブリテン自身が指揮し、この大聖堂に於いて初演されたものです。

西暦998年に聖オディロネ大修道長によって、ベネディクト派修道院から次第に全教会へと広まっていったという、死者の永遠のやすらみを与えんがための祈りの音楽だった「レクイエム」は、20世紀になってからは、ブリテンが書いたように第二次世界大戦の死者たちのための鎮魂歌としての「レクイエム」となり、また長崎、広島に原爆による死者たちにも捧げられる音楽にもなりました。
21世紀は、核の恐怖や枚挙に遑がないほどの種類の危機が出現し、人類を脅かすようになりました。今日本はそればかりではなく、地震や津波、火山の爆発など自然の恐怖にも怯えています。今世紀の「レクイエム」はどのようになっていくのかという、問いも聞こえてくるようです。

2016年4月15のモーツァルトハウス(東京)
ケルビーノ・・・♡♠♤
「フィガロの結婚」の初演時、ケルビーノはソプラノが歌っていたそうで、昨日はすっかり間違ったことを書いてしまいました。正しくは、ドロテア・ブッサーニという当時23歳のソプラノ歌手だったそうです。
モーツァルトはソプラノの音域の歌手が歌うという前提で、ケルビーノの曲を作ったのですね。野田秀樹演出の「フィガロ」では、指揮者の井上道義氏とどちらもケルビーノは男性が歌うべしと意見が一致したというのには、何か根拠があったのでしょうか。知りたい気がします。このドロテア・ブッサーニはその後「コジ」ではデスピーナ役をした歌手でもあるそうです。

スザンナがケルビーノを変装させる場面は、ズボン役の女性が女装をする複雑に倒錯するエロティシズムを感じる人も多い筈、この大事な場面で、ケルビーノが大柄なカウンターテナーの男性はないと思いますが、モーツァルトさんもそう思っているのでは・・・???

もっといろいろ調べてみたいです♡♠♤

2016年4月14のモーツァルトハウス(東京)
磨き上げていく特質・・・♡♠♤
先日は、「フィガロの結婚」を、切り口を「演出」と「日本語字幕」の両面から見比べるという体験をしましたが、近年特に演出が新しいもの、新しいものと求めていく傾向が強くなっているということに対して、ことさら新しいものを求めていくものではなく、日本人はむしろ、何かをより高みへと磨きあげて、極めていくという特質がある、というお話になり、とても共感を覚えました。

しかし、逆にドイツでは例えば「魔笛」というオペラは子供の頃からずっと飽きるほど観ているものなので、いつも同じではつまらない、何か今までにないものを演出にも求められる。
お金をかけないで質素に今風のにしてしまおうというのも一つの傾向で、日本の演出家が外国で仕事をする場合、一番に求められたのが「今までにない、新しいものを・・」というのだとか。具象と、抽象の世界にも通じて来るお話です。

野田秀樹演出の「フィガロの結婚」ではケルビーノが、通常はズボン役ですが、大柄な男性が(カウンターテナー)がうたいました。これには驚きでしたが、演出家の野田秀樹氏も指揮者の井上道義氏も、以前からケルビーノは男性が歌うべしと思っていたそうです。これについてはいろいろ意見が分かれるでしょうね。当時は男性のカウンターテナーが歌ったのでしょうから、モーツァルトは将来は可愛い少年風のズボン役の女性歌手がうたうというイメージでは作っていない筈ですが、でもあの心臓のときめきを奏でる音楽は、視覚的にも、聴覚的にも、私には女性同士の方が絶対面白いし、モーツァルトのことだから、もうこうなることを予見していたかのようにも思います。

ケルビーノにスザンナが女装させる場面では、古い時代の演出ではケルビーノが一方的に伯爵夫人に思いを寄せてドキドキしているのに対して、次第に演出にも変化があって、いつの間にか、伯爵夫人もこのケルビーノへの思いを露わに大胆に表現するようになってきていて、面白い傾向です。
そんなことで、「フィガロ」のことをいろいろと考えていたのですが、今日の朝刊(日経新聞)の只今掲載中の「私の履歴書:福澤武⑬」にこんなところを見つけました。「どこかの病室からか、モーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」が聞こえてきたことがある。第二楽章のメロディが病人を癒すように優しかった」と。。新鮮な空気を入れるため、窓が年中開けっ放しだったので、どこかの病室からモーツァルトが流れてきた、結核を患い、療養中である著者の療養所での体験である。

第26番の第二楽章は美しい楽章。いかにもモーツァルト的な、歌謡性に富んだ愛らしい旋律が優しく流れていく。。。1788年2月24日完成の作品。優しく癒されて・・・今日はこの曲で決まりですね。♡♠♤

2016年4月12のモーツァルトハウス(東京)
ひつまぶし・・・♡♠♤
銀座にひつまぶしひらいというお店があって、此処は口コミで知って以来、いつかはと狙っていたお店。意外に早く訪れることができました。この日はオペラ好きな仲間とモーツァルトのオペラを、ある担当の方のナビゲーションで鑑賞したあと、いろいろ意見交換などをする楽しい企画に参加、その終了後、銀座に向かい、このひつまぶしを堪能しました。穴子の湯引きがこの日のお薦めメニューとのこと、こちらも賞味、この日は寒かったので早速熱燗でまず一杯!ひつまぶしは少し残して、締めはおいしいだし汁をかけてわさびでさっとお茶づけ風にするのがいいのだとか。これがまたいけますね。口コミの情報ははずれがほとんどないですね。お腹も満たされた後は、すっかり美しく生まれ変わった旧東芝ビル、今は東急銀座ビルのなかを散策して帰ってきました。

この日のオペラは「フィガロの結婚」こっけい場面見比べで、三つの代表的なおもしろ場面を、用意された8本のDVDの中から選んで、それぞれ見比べました。選ばれたDVDは1966年のザルツブルク音楽祭のベーム指揮、ウィーンフィルから、最新の野田秀樹演出「庭師は見た!」の話題作までの8本。「フィガロの結婚」の演出の変遷のようなものまで知ることができ、有意義な時間でした。次回はM22の「コジ・ファン・トゥッテ」、2006年の記念の年、M22の中で、数少ない、過度な批判を浴びる事のなかったものの一つです。


2016年4月11のモーツァルトハウス(東京)
またしてもの展開?・・・♡♠♤
モーツァルトを弾く難しさ・・・これは演奏家のみならず、ちょっとモーツァルトを知り始めた聴く立場の者でさえ感じ始めることですね。そこを乗り越えなければ何も始まらない・・。モーツァルトとはそんな音楽かも知れません。

この日行われたピアニスト仲道郁代氏の講演会(日本モーツァルト協会主催・代々木:アトリエ・ムジカ)は、テーマが「モーツァルト演奏におけるオーセンティシティとは」、ピアニストとしての立場から、三部構成で、モーツァルト概論、楽器としてのピアノの変遷、楽譜から見るモーツァルト、といった大変充実した内容のお話をお聞きしました。

オーケストラと共に演奏されるピアノ協奏曲と違って、モーツァルトのピアノ・ソナタは、楽譜上は平板で、色使いのないモノクロといった印象だったそうですが、やはりそこは演奏家の腕の見せ所で、大胆に行き過ぎるとモーツァルトのスタイルでないといわれるから、それらをコントロールしながら、いかにエキセントリックに仕立て、しかも、シンプルな中に、見事に散りばめられた冗舌、豊かさ、すごさを聴く者に伝えなければならない、超絶技巧でないだけにそれは難しい。特にピアノソナタにはそんな「モーツァルトらしさ」が求められる・・といった仲道氏の言葉の中に、何となく今まで感じていた「ピアニストが向き合うモーツァルト」といったスタンスが、おぼろげながらも伝わってきたような思いがします。
質問の時間となり、質疑応答をしている最中に、この日も同席されていた三枝氏の発言がありました。音楽に癒しや慰めを求めるのは日本人だけで、ヨーロッパ人などは、知的向上の為にだけ音楽というものがある、そこが日本人との違いだとの見解がありました。音楽の力を信じ、音楽にこそ(芸術一般にもいえるかも知れないが)慰め、癒しを求めているのは、日本人だけではないのではなかろうか・・・私はそんな気がしたのでございます。

2016年4月9のモーツァルトハウス(東京)
新講座開講日・・・♡♠♤
一年に渡って時代と共に辿った大絵巻ともいえる「レクイエム」講座も3月末で終了を迎え、今日からは新たなテーマでの「モーツァルト講座」の始まりです。今期のテーマは「モーツァルトをめぐるエピソード真偽考」

18世紀古典派の代表的な音楽家ヴォルフガング・アマデーウス・モーツァルトはおよそ西洋音楽史上もっとも多くの伝説的エピソードに飾られた天才です。神童の時期から数多くの逸話に取りまかれ、歿後に至ってもそうした奇説珍説を含む伝説的物語の登場は罷むことを知りません。それは彼の作品についても同様ですが、まずは伝記的な側面に照明を当て、そうした逸話の鑑定を、近年の伝記研究の成果に照らして自由に試みてみたいと思います。(講師・記)

マリー・アントワネットにプロポーズ?、モーツァルトが大嫌いな楽器とは?モーツァルトは本を読まなかったのは本当か?遊んでばかりいたのか?借金魔の実態は?絵や手紙の贋作の真相、終盤は死因論争の真相にまでも迫ってゆきます。レクイエムの後なので、今期はちょっと脳がリラックスできそうです。

2016年4月のモーツァルトハウス(東京)
春を満喫!善福寺お花見散歩・・・♡♠♤
今日はあいにく雨模様の日になってしまいましたが、昨日はお花見にはピッタリの穏やかな気持ちのいい日でした。阿佐ヶ谷まで用事があって出かけたついでに、帰りは善福寺川沿いの今満開のソメイヨシノのお花見をしながら散歩をしてきました。ここは杉並区では人気のお花見スポット。阿佐ヶ谷駅からすぐそばを善福寺川が流れていて、川沿いに桜が植えられ、緑地も多く、遊歩道になっているので、お花見の頃でだけではなく、ジョギングや、犬の散歩コースになどでもうってつけの場所。都会とは思えないほど自然が残っています。でも難点もあって、オシャレナなお店などが川沿いにないのはちょっと残念かな。このあたりはシロサギ、アオサギといった鷺の鳥が古くから生息していたのでしょう。白鷺という地名もすぐそばの中野区には現存しています。(知人が住んでいます)このアオサギがいて、川の中で獲物を狙ってパクリとしたところを偶然見てしまいました。写真を撮っている人も多かったですね、きりりとした姿は美しく見とれてしまいました。

教えてもらっていたお鮨屋さんでのランチは、あいにくお店がお休みだったので諦めて、同じ通りの「日本料理 にしぶち」で穴子丼を頂きましたが、ドンブリから溢れるほどの特大の穴子にびっくり。春を満喫した一日でした。

2016年4月のモーツァルトハウス(東京)
新シーズンのMETライブ・・・♡♠♤
METライブヴューイング2016-2017 全10作品がプレスリリースされたので、速報です。モーツァルトのオペラでは、来シーズンでは2作品入っていて嬉しいですね。上映日は未定ですが、モーツァルト作品はというと、「ドン・ジョヴァンニ」、ファビオ・ルイージ指揮で、タイトル・ロールはサイモン・キーンリーサイド、2016年10月上演です。「イドメネオ」、ジェイムズ・レヴァイン指揮で、ポネル演出、イドメネオが、マシュー・ポレンザーニでこちらも大いに期待できそう。2017年3月上演です。

今期はモーツァルト物が1本もなかったので、2本は嬉しいですね。それに「イドメネオ」は最近好きなオペラになってきたので、とても楽しみ。歌手の出来は分からないけど、定番ながらもずっと愛されてきているポネル演出だけに、レヴァインの指揮では決して裏切らないものになるはずです。
楽しみに致しましょう。


2016年4月のモーツァルトハウス(東京)
生クルレンツィスは???・・・・♡♠♤
「フィガロの結婚・「コジ・ファン・トゥッテ」や、モーツァルトの「レクイエム」などの録音盤で一躍脚光を浴び始めた、指揮者テオドール・クルレンツィス。この録音盤は日本でも絶賛され、特に「フィガロの結婚」は10年もの歳月をかけてスタジオ録音したもので、こだわりが随所にあらわれています。アドリブでの装飾も素晴らしく、ノンビブラートの歌手のどこまでも澄んだ歌声など、今までにない新鮮な魅力がいっぱいなのです。ギリシャ人ですが、ロシアのウラル山脈の西の都市ペルミにできたオペラ劇場の指揮者として招かれ、数々の名演奏をして、このオペラ劇場が世界的に知られるようになりました。このクルレンツィスの「フィガロの結婚」の録音盤を加藤浩子先生も絶賛していて、いろいろな場所でその稀有な素晴らしさを発信されていましたが、何と、来週はこの生クルレンツィスを体験するべく、チューリッヒに個人旅行をされるそうです。チュリッヒ歌劇場で指揮する「マクベス」を観賞されるそうですが、私までワクワクして来ます!
お話は帰ってからゆっくりとお聞きするとして、この指揮者はもう既にヨーロッパではデビュー済みで、フランスのエクサンプロヴァンスやスイスの劇場でも公演をしているそうです。日本でのデビューも近いかも知れませんね。生クルレンツィス、いったいどんななんでしょうね。。。

2016年4月4のモーツァルトハウス(東京)
室内楽版「冬の旅」・・・・♡♠♤
「東京・春・音楽祭」(4/2)で久しぶりに聴くシューベルトの「冬の旅」。言うまでもなく、ドイツ・リート史上の金字塔であり、シューベルトの3大歌曲の中でも特に愛されているもの。歌手はテノールのクリストフ・プレガルティエン、伴奏はアコーデイオン、ホルン、ファゴット、クラリネット、オーボエ、フルートといった管楽器中心の誠に珍しい組み合わせでした。当日の解説書には曲解説はあるものの、この編成についての解説はなく、どういう風にこの室内楽版ができあがったのか、知ることはせきませんでしたが、それにしても、今までは、ピアノ伴奏で聴く「冬の旅」でしたが、管楽器のきらめき感、叙情性、リズム感など、アコーデイオンの音と複数の管の音色が相まって素晴らしく、美しい歌声と共に奥行きのある音楽の世界観にうっとりしてしまいました。珍しい編成故に出かけて行って良かったなと思いました。有名な楽章である「ぼだい樹」も素敵でした。



2016年4月3のモーツァルトハウス
素敵な企画・・・・♡♠♤
只今開催中の「東京・春・音楽祭」、若冲好きにもモーツァルト好きにも楽しめそうなコンサートが今週水曜日4/6、東京都美術館講堂、14時開演で開催されます。若冲は1716年生まれ(1800年没)で、1756年生まれのモーツァルトとはちょうど40歳違い。今年は若冲生誕300年の記念の年で、このコンサートは4月22日(金)~5月24日(火)に開催される「生誕300年記念 若冲展」のプレ・コンサートだそうです。
モーツァルトと若冲、京都と、ウイーンで同時代を生きた天才二人が、上野でどう会するのでしょうか。素敵な企画です。

2016年3月31のモーツァルトハウス
早春の旅・その2・・・・♡♠♤
別所温泉を後にして、うららかな春の日差しに誘われて、車で10分ほどの「無言館」へ。戦争の悲惨さを忘れてはならないと思い起こさせてくれる場所。のどかな塩田平の小高い山の上にたたずみ、十字架を形どり、鎮魂の祈りのこもった建築物としても美しい。平和への祈りが伝わってきます。数年前にはなかった「傷のついた画布のドーム」や「オリーブの読書館」も建っていました。近くには「信濃デッサン館」や若く夭折した画家「槐多庵」もあります。こうして静かに信州の早春を満喫でき、やっぱり思いきって出かけてきて良かった。ここは大好きな場所・・。



2016年3月30のモーツァルトハウス
早春の旅・その1・・・・♡♠♤
信州の早春を訪ねて別所温泉へ。「無言館」がある塩田平まで行ったことがありましたが、別所温泉は初めて。軽井沢から約西へ50キロ、信州の鎌倉と呼ばれている場所です。
塩田平を囲む美しい山々のふもとにあるこの地は、鎌倉末期に北条氏によって建立された日本にただ一つ残るという安楽寺の八角三重塔(国宝)や重要文化財の常楽寺、北向観音堂などがあり、温泉だけではなく、歴史散歩にもぴったり。早春のこの時期は人もまだまばらで、大河の真田熱で湧いている上田市もここまで来るととても静か。紅白梅や、黄色のサンシュユなどを愛でながらのんびり、ゆったりと散策できました。北向観音堂境内にある「愛染かつら」は、今でも縁結びの霊木として大切にされています。北向観音さんは、南向きに建立された善光寺さんと両方お詣りしないと「片詣り」になるそうで、次は善光寺詣りを。別所温泉は「美人の湯」といわれるだけあってすべすべで、源泉かけ流しの露天風呂では満天の星を仰ぎみることができました。山菜の天ぷらや、桜えびの茶わん蒸し、アサリごはんなど、季節の食材を使った食事も美味しかった、勿論地酒も。


2016年3月26のモーツァルトハウス(東京)
春のプレゼント・・・・♡♠♤
「東京・春・音楽祭」が開催されています。上野駅公園口の改札口を出ると、人・人・人に驚いてしまいますが、行楽を兼ねたお花見や、美術館、動物園などで上野の森には、コンサートを楽しむだけではなく、この時期は大勢の人が春を求めて集まっています。

今日は待ちに待った「小山裕幾 フルート・リサイタル」(於:国立科学博物館、午後2時開演)へ。昨年11月に首席フルーテイストに就任してお披露目来日を果たした小山さんですが、あの時のシベリウスも忘れられませんが、今回は、J.S、C.P.Uバッハの無伴奏曲を2曲、シューベルトヴァイオリン・ソナタなど6曲で、最後のボンヌ:カルメン幻想曲は圧巻で、桁違いの音楽性の豊さと技巧の高さを見せてくれました。回を重ねるピアノの斎藤龍さんとの息もぴったりで、このお二人、また共演できる日があると良いなと思いました。
良い音楽、素晴らしい演奏に出会えた日は、翌日もまだ幸せ。フルートの楽器が体の一部になって音が聴こえてくるという体験を初めてしました。


2016年3月23のモーツァルトハウス(東京)
お花見と「カラヴァッジョ展」・・・・♡♠♤
今日の日経新聞朝刊文化欄、《人間への共感にじむ「カラヴァッジョ展」》を興味深く読みました。上野の国立西洋美術館で只今開催中の美術展です。カラヴァッジョ(1571~1610年)はバロック時代のイタリアが誇る大画家で、西洋史上最も偉大な芸術家のひとりとされ、彼の画法はその後ヨーロッパ各国からから集まった画家たちによって熱狂的に継承され、ルーベンス、ラ・トゥール、レンブラント、ベラスケス、フェルメールなど、17世紀の数多くの芸術家に大きな影響を与えました。

強烈な光と影のコントラストや、あたかも映像のように人間の姿を写実的に描く手法にすぐれ、また殺人を犯して逃亡して果てた破滅でスキャンダラスな人生も、しばしば映画や小説の題材にもなりました。38歳の若さで亡くなったこの波乱に充ちた画家の傑作絵画が、ほぼ15年ぶりに、過去最多、世界でも有数の規模で10点が集結し、公開されています。

「バッカス」、「洗礼者ヨハネ」、「エマオの晩餐」などの代表作や、カラヴァッジョの作品を継承した者たち(カラヴァッジェスキ)の作品も同時に鑑賞でき、また潜伏中に描いた「法悦のマグダラのアリア」が初公開され、話題を呼んでいます。


2016年3月22のモーツァルトハウス(東京)
芸術の秋はオペラ観賞から・・・・♡♠♤
11月にはウィーン国立歌劇場の日本公演もあり、芸術の秋に相応しく、今年も10月、11月はモーツァルトのオペラ公演が目白押しです。11月は、日生劇場での、東京二期会オペラ劇場「後宮からの逃走」(指揮:川瀬賢太郎、演出:田尾下哲、管弦楽:読売日本交響楽団)もあり、11月11日(金)、12日(土)、13日(日)での3日連続公演での日程が決まっています。その合間にウィーン国立歌劇場の「フィガロの結婚」もあり、カレンダーを見ながら調整しないといけないですね。

10月29日(日)には西のオペラの殿堂であるびわ湖ホールの大ホールで「魔笛」公演もあります。プラハ国立歌劇場来日公演ですが、東京公演ではなく、わざわざこちらに出かけて行っての観賞もお勧めです。この時期は琵琶湖周辺も紅葉が美しい頃で、2012年に初めて行った時はびわ湖ホールのホワイエからの美しく色づいたメタセコイアが琵琶湖畔に映えて、それはきれいでした。あの景色をもう一度と思いますね・・・。京都辺りの紅葉も丁度見ごろを迎える頃で、観光を兼ねた旅行にピッタリかも知れません。

その年によっては、「フィガロ」「フィガロ」と続くこともありましたが、今年はかたよらず、「魔笛」、「後宮からの逃走」、「フィガロの結婚」と3作楽しめます。もしかしたらまだ他にもあるのでしょうか。。。



2016年3月21のモーツァルトハウス(東京)
「ウィーン国立歌劇場」日本公演への期待・・・・♡♠♤
21日(月)付の日経新聞に大きく載っていた「ウィーン国立歌劇場」日本公演2016の記事。「フィガロの結婚」のキャスティングや詳細が分りました。伯爵夫人:エレオノーラ・ブラット、スザンナ:ローザ・フェオーラ、ケルビーノ:マルガリータ・グリシュコヴァ、アルマヴィーヴァ伯爵:イルテブランド・ダルカンジェロ、フィガロ:アレッサンドロ・ルオンゴ、指揮:リッカルド・ムーティ、日程は11/10(木)5時開演、11/13(日)3時開演、11/15(火)3時開演、会場:神奈川県民ホール(横浜)

会場の神奈川県民ホールは未だ行ったことがない会場。他の2公演(「ナクソス島のアリアドネ」、「ワルキューレ」)は東京文化会館なのに、「フィガロ」だけ横浜ですが仕方ありませんね。ポネル演出、ウィーン国立歌劇場、ムーティ指揮、「フィガロの結婚」となれば、定番ですがやはり行きたいです。指揮者を含めて、歌手陣もキャンセルせず、全員顔を揃えて素晴らしい感動の舞台にして欲しいです。
伯爵役のダルカンジェロは、フィガロ役は何回もしていると思いますが、私は伯爵役での記憶はありません。レポレロ役だった彼が、近年はドン・ジョヴァンニ役をするようになったのを考えると、「フィガロの結婚」でもフィガロを卒業し、これからは伯爵で登場するのでしょうか。第3幕の伯爵のアリア楽しみです。♡♠♤




2016年3月20のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトとベートーベン・・・・♡♠♤
先日の講演会での三枝成彰氏の「モーツァルトよりベートーベンの方がいいじゃん」といった発言について、当日の講演者であった茂木健一郎氏がネット上でさまざま分析していて面白いです。
全文は書きませんが、《・・・・・中学校の時、N先生が、ある日、授業の雑談でいかにも重大な秘密を打ち明けるように、「君たち、作曲家と言えばベートーベンだと思っているでしょ。でもね、本当はね、モーツァルトの方が天才らしいよ」と言った。その時、N先生は、明らかに興奮していた。モーツァルトか、ベートーベンか。

このような論争は、芸術観に関わるだけに面白い。N先生が興奮して言ったあたりからかどうかわからないけど、とりあえずモーツァルトを天才だと褒めておけば政治的に正しい、みたいな雰囲気が現れたことは確かである。・・・・・大勢順応的な言葉よりも、流れに反逆する言葉の方が、呼吸をとめる。三枝さんが、よりによって理事長の立場で、しかもモーツァルト協会の例会で、モーツァルトよりベートーベンの方がいいじゃん、とかおっしゃったので久しぶりにしみじみ考えてしまった。》

モーツァルトか、ベートーベンか・・・、これについての反響でなかなか面白いコメントがありました。「王と長嶋を比較したようなものでは?」、「モーツァルトの駄作は、失敗作をそのままにしたからで、ベートーベンやワーグナーは駄作を作って済ます人ではなかった」、「モーツァルトは水戸黄門みたいなもの、視聴率が良く多くの人に好まれている点、面白い作品もあれば、手抜きもある」、「天才と秀才、李白と杜甫みたいなもの」「ビートルズのメンバーでいえば、ジョン・レノンとポール・マッカートニーではないか、ジョンはベートーベンタイプ、ポールはモーツァルトタイプ」。

モーツァルトが水戸黄門になってしまったのは思わず笑ってしまいましたが、モーツァルトかベートーベンかと比較しても答えのないものだけに、永遠のクエスチョン!答えはそれぞれの心の中にあるのでしょう。どちらが優れているか、ではなく、どちらが好きかが答えかな?

2016年3月18日のモーツァルトハウス(東京)
ピアノ協奏曲を聴く・・・・♡♠♤
モーツァルト協会の3月例会は3/7に行われましたが、「ピアノ協奏曲の輝き」でした。ピアノ協奏曲の第20番と21番がプログラムに並び、ロンドK511、ロンドK382の2曲を加え、大変豪華版でした。場所は東京文化会館小ホール、演奏はピアニストはミシェル・ダルベルト、東京フィルハーモニー交響楽団。

このプログラムの魅力的なのは言うに及ばす、この日を楽しみに待っていた会員も多かったはずです。当日は空席はほとんだなく、当日券はわずか20枚だけだったので、惜しくもこの公演をあきらめて帰った人も多かったとか。指揮もダルベルトさんが担当し(近年、ピアニストの弾き振りは珍しくない)、ロンド511以外は、大ホールで聴く大編成のオケでの協奏曲とちょっと趣の異なる室内楽的な、でもダイナミックな音での、力強さ、迫力に充ちた演奏を楽しみました。

第20番K466は、モーツァルトがウィーンに移り住み、その活躍の程を語るには外せない曲。たまたまレオポルトがウィーンに上京していて、この演奏会に立ち会い、ヨーゼフ2世の臨席のもと、大喝采を浴びた我が息子モーツァルトをこの目でしかと見つめ、すぐにナンネルへその模様を興奮気に手紙で書き送ったほど。例会の日の解説書には「この作品でそれまでの彼の協奏曲にない表現世界に足を踏み入れた。すなわち短調による暗く不安な情調と峻厳さ、悲劇的なデモーニッシュな激しさなどパッションの強烈な表出を前面に押し出したものである。」と書かれていました。以前バッハが好きで、モーツァルトは否定的な人との会話で印象的なものとして「モーツァルトは20番だけは好きですね。あのデモーニッシュな所がいい」などと言われたことがあり、それを思い出します。私は21番との比較では、20番の方がやっぱりよかった。第1楽章も〇、第二楽章は「アマデウス」のラストを思い出し、ここを最後に持ってきた映画監督フォアマンにも脱帽だし、そして第3楽章のフィナーレからジャン!と終わるラストの音に、時に涙があふれて来ます。23番が一番好きとずっと言い続けてきた私ですが、ちょっとこの日で心が20番に揺らいでしまいました。

ところで、このミシェル・ダルベルトさんは、もう記憶では20年から30年近く前になるのでしょうか、来日した折に、モーツァルトの「ピアノ四重奏曲」第1番ト短調K478を演奏し、その時の演奏をラジオで聴いて、ずっと録音し繰り返し聴いていた時期がありました。それはもっとも印象的なこの曲の演奏で、私にとって忘れられないものとなっています。ダルベルトさんのモーツァルト解釈の許、くっきりとはっきりとした演奏で、モーツァルトの良さを前面にだし、それが感じられる名演奏だったように思います。
そんなことで、何十年か経った今の自分が曲こそ違え、その演奏にまた出会えたことで、この日の例会はまた一つ思い出深いものとなりました。

昨日は講演会の後、以前テレビで放送されたのを観てから、ずっと行ってみたかった銀座にある長崎料理のお店にとうとう行って来ました。ジャンボ茶碗蒸しはいつもの我が家が一番?そんな印象でした。テレビ効果なのか、随分たくさんお客さんがみえていました。昨日の講演会のオマケでした。


2016年3月17日のモーツァルトハウス(東京)
「モーツァルト天才の秘密」その2・・・・♡♠♤
今日は、日本モーツァルト協会主催の講演会がお茶の水の東京YWCA会館であり、脳科学者茂木健一郎氏によるテーマは「モーツァルト天才の秘密に迫る」というものでした。
先月2/26に朝日カルチャーセンター新宿教室で受講した、同じく茂木先生の講座は、「脳とモーツァルト」というタイトルだったので、専門的な難しいお話もあるのではと思ったのですが、全くそんなことはなく、分かり易く、面白く、また茂木先生のモーツァルトへの愛さえも感じ、聴いている方もほのぼのとした心持で心地好く、その時の印象がとても強かったので、今日の協会主催の茂木先生の講演会も是非また聴いてみたいと思っていたものです。病気でキャンセルして行けなかった夫も今日は参加でき良かったです。内容は殆ど私にとってはダブっていましたが、時間の点では今日はわずか1時間だったので、たっぷり2時間の時間を要して密度の濃い話してくれた前回の朝日カルチャーの講座は、今思い出しても貴重極まりない、かけがえのないものだったなと、改めて聴き損ねた主人を勿体なかったなと、今更ですが思いました。

茂木先生の講義は、モーツァルトの魅力をキャッチする感性にモーツァルトファンとしての親近感も覚えつつ、脳科学者のお立場からのアタックも興味深く、パズルでも解いていくような不思議な面白さに溢れたお話なのですが、今日は1時間で終わったのは残念でした。後半に協会の三枝会長との対談があったからですが、対談と言っても、一方的な三枝氏のお話で終わってしまいましたが。
三枝会長については色いろな方からいろいろなエピソードを聞いていましたが、直接生でこの様なお話をお聞きするのは、今回が初めてでした。モーツァルトの交響曲は数曲を除いて、その他は愚作、モーツァルトの死後10年にベートーベンが作曲した交響曲第3番「エロイカ」はモーツァルトがもし生きていて聴いていたらその才能を妬み発狂したか、自殺していた(世のモーツァルトファンはビックリポン!)、など、モーツァルト協会の会長という立場に相応しくないお話に、思わず茂木氏がたしなめる場面もあり、忍び笑いが聞こえて来ましたが、どうして会長に?という質問にも、「頼まれたから」と、これもあっさり。
とにもかくにも、茂木先生のお言葉を借りれば、「クリエイティブな方はとんがった人が多い・・」という解釈もできるのかも知れません。ベールなしの人物に触れた、いい経験となったのは言うまでもありません。

それにしても、モーツァルトの人間性については、とかく様々な人が様々に言って来ましたが、モーツァルトを「愛の人だった」と解釈されている茂木先生に私は大いなる賛同を覚えます。それはモーツァルトの音楽を聴けば自ずから分かるはず。根底にいつも「LOVE:愛」があった愛の人モーツァルト、世界中の人々をその音楽でハッピーにしてくれているのです。♡♠♤


2016年3月14日のモーツァルトハウス(東京)
小山さんの「管弦楽組曲」第2番・・・・♡♠♤
間もなく東京春の音楽祭で来日するフルートの小山裕幾さんは、数日前にこのページでも書きましたが、つい先日の3/1の、フィンランド放送交響楽団と、ピアニストのアンドラーシュ・シフとの共演について、大変楽しい貴重な経験だったと話しています(FBによる)。シフの弾き振りの20番だけではなく、ハイドンのピアノ協奏曲、モーツァルトの交響曲第38番プラハ(シフの指揮による)等を一緒に演奏したのです。オーケストラの団員になって、指揮者、ソリストなどからも大いなる刺激を受けて、音楽家として成長して行くのでしょうね。

来年4月には、FRSOとバッハの「管弦楽組曲」第2番を演奏する予定があるのだとか。飛行機で一っ跳びして聴きに行きたい位ですが、フィンランドの皆さんの前で素晴らしいバッハの管弦楽組曲を披露して欲しいと思いますね。

今、加藤ひろ彦さんが残してくれたこの曲のCDを聴きながら書いています。いつ聴いても胸に迫りくるものがあります。


2016年3月13日のモーツァルトハウス(東京)
ムーティの来日・・・・♡♠♤
腰の骨を折る重傷だったというムーティがちゃんと来日してくれたというニュースが流れていて、来日を疑うような大けがをしていた事が分りました。何でもシカゴ響の来日公演から帰ったあと、2月始めに自宅で転んで手術して、その後のシカゴやパリでの演奏会をキャンセルしているものの、今回の日本公演では代役を立てず、長いフライトにも堪えてちゃんと責任を果たしてくれた、よかった!よかった!というものです。3/16の東京・春・音楽祭のオープニングのリハーサルを始めているそうです。ムーティは、怪我や病気に負けずにまだまだ活躍して欲しい指揮者です。

2016年3月12のモーツァルトハウス(東京)
東京・春・音楽祭2016・・・・♡♠♤
上野の森が春爛漫になるちょうどそのころ、3月16日~4月17日のひと月間、東京文化会館始め、いろいろな美術、文化施設を舞台にして「東京・春・音楽祭」が開かれます。オープニングの3月16日には、リッカルド・ムーティ指揮、日伊国交樹立150周年記念オーケストラが音楽祭の開幕を祝います。3/26(土)は「小山裕幾フルート・リサイタル」(14時開演:日本館講堂、ピアノ・斎藤龍)、4/2(土)歌曲シリーズvol.18「クリストフ・プルガルディエン(テノール)」(シューベルト《冬の旅》、18時開演、東京文化会館小ホール)、《冬の旅》は木管五重奏とアコーディオンの演奏を伴った本邦初演だそうで、、こちらのフルートは小山裕幾さんです。

随分先にチケットを買っていたので、いよいよかな~という感じで、あと2週間くらいで桜の開花もみられるでしょうから、明るい陽射しのなかでの公園散策もいいかも知れません。待ち遠しいです。

先日、フィンランド放送交響楽団とアンドラーシュ・シフとの共演があったそうで、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番をシフが弾き振りをしたそうです。その演奏を映像で観ることができました。モーツァルトの協奏曲では管の出番も多く、美しいフルートの旋律を奏でている小山さんの貴重な映像も楽しむことができました。


ピアノ協奏曲の第20番、21番は、今でもシフのピアノでモーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ(ザルツブルク)、シャーンドル・ヴェーグ指揮を愛聴盤にしていたので、映像でのシフも懐かしかったです。この盤は、宮長氏が長く生前開いてくれていたセミナーに参加していた頃に、お奨めで聴かせてもらって以来の、特に思い出深いもの。改めて懐かしく聴いています。



2016年3月4のモーツァルトハウス(東京)
弦楽四重奏に魅了・・・・♡♠♤
ここの所連日モーツァルトの弦楽四重奏曲の魅力に浸っています。弦だけなのでちょっと渋めですね、何と言ってもモーツァルトのメロディの魅力がギュット詰まっていて、重厚な響きに心奪われ、どの曲を聴いていてもそれぞれに光り輝くモチーフがあって、魅せられるのも当たり前と言えば当たり前。ちょっと思ったのですが、弦楽四重奏曲は森の中で聴くのもいいけど、都会で聴く方があっているな~と思いました。これはあくまでも個人的な感覚です。作家の加賀乙彦氏が、あるエッセイに、追分にある別荘にいる時には決まって弦楽四重奏曲を楽しんでいる・・とあったのを思い出したのですが、それぞれの感性で愉しんでいるのだなと思います。またある別の愛好家によれば、季節でも違ってもくるようで、春から夏にかけてはフルートの楽曲を聴くのが好き・・とか、こんなお話を皆でしてみるのも楽しいのかも知れません。

さて、そんな今楽しんでいる弦楽四重奏曲ですが、第1番のK80「ローディ」は、第1回イタリア旅行の折にミラノからボローニャに向かう途中の宿泊地ローディで作曲され、モーツァルトのこのジャンルでの最初の作品。これから次の第2番から7番まで「ミラノ四重奏曲」の6曲が続きます。1772年10月から1773年3月までの間の作曲です。

イタリアから戻ってウイーンに再訪したモーツァルトは、ウイーンでも作曲しました。「ウイーン四重奏曲」(全6曲)です。1773年8月に4曲、9月の2曲作っています。ハイドンセットと呼ばれているものの作曲は、すっとこの後の事で、後期の作品群に入ります。1782年12月からハイドンセットの最初の作品が作曲されています。この後「プロシャ王四重奏曲」(全3曲)が続き亡くなる前年1790年まで、途中ブランクはあったものの生涯を通してこのジャンルの作曲を続けたことになります。

いま愉しんでいるのは、初期の作品群、「ローディ」、「ミラノ四重奏曲」で、特にK80、K156、K157、K160などが素晴らしくいい。ウィーン定住時以降の10曲の成熟した傑作群も勿論いいが、前期の中のきらめく作品群も充分魅力的なのである。ピアノ協奏曲も10番台が見直されてきていますが、四重奏曲もこうした前期の作品は、一度聴いたらきっと好きになると思える作品ばかりなので、「ハイドンセット」や「プロシャ王四重奏曲」に比較してあまり演奏される機会がないことが残念ですね。

こうした初期の作品は、1770年から73年にかけての旅行時代に、旅先で触れた音楽の強い影響のもとに作曲され、このジャンルに対するモーツァルトの意欲と、少年期から青年期への多感な心情の刻み込まれた、モーツァルトの芸術家としての成長を鮮やかに映し出したもの。こんな曲を連日聴いて元気をもらい、お蔭様で夫の回復まであと一歩。来週は月曜日から復調して行動開始の予定です。特効薬はやっぱりモーツァルトでしょうか??!! 好きなお酒も、もうすぐです。

2016年2月27のモーツァルトハウス(東京)

楽譜新発見の続き・・・・♡♠♤
夫のダウンから4日目となった今日、またも一人でお出かけ。こうしていると何より健康が第1だなと思います。楽しい事をパスしなければならないのですから、早く回復して欲しいものです。今日は海老澤先生から、先日ネットや新聞紙上で話題となったプラハで新発見されたモーツァルトとサリエリの楽譜のお話を聞くことができました。

この楽譜の曲は、スザンナ役だったストレースが声が出なくなり、それが治ったのでお祝いにとプレゼントした曲だそうで、サリエリ、モーツァルト、そして偽名だそうですが、コルネッティの3人が作曲したもの。この曲については、広告もあり出版までされているので、当時記録も残っていたが、楽譜は行方不明だった。それが今回プラハの音楽学者によって音楽図書館で見つかった。1785年に作曲され、モーツァルトにはK477aというケッフェル番号までついているものだそうです。興味深いお話ですね。

映画「アマデウス」によって、1980年代以降は、事実と異なるサリエリとモーツァルトの関係が広く知れ渡ってしまっています。毒殺説まででていましたしね。でもこの発見によって、サリエリとの関係は後世が勝手に作ったもので、決して悪仲ではなかったのだと思いますね。

それにしても、この貴重な発見を記事にしたのは、新聞では日経と産経の2紙だけだったそうで、朝日など昨今扱わなくなった・・と先生がぽつりとこぼされました。


2016年2月26のモーツァルトハウス(東京)
この日もまた・・・・♡♠♤
夫はこの日もダウンしたまま・・・・。
午前中、私は聖徳大学での茂木和行先生主宰の「モーツァルト講座」へ。谷川俊太郎「モーツァルトを聴く人」をタイトルに、モテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」などの歌曲に始まり、ヴァイオリンとピアノの為のソナタK301の第1楽章、そして谷川俊太郎詩集「モーツァルトを聴く人」より「人を愛することの出来ぬ者も」等の詩の朗読、歌劇「羊飼いの王様」より「彼女を愛そう」のアリア、「証聖者の荘厳挽課」より「主よほめ讃えよ」・・など、盛りだくさんの演奏を楽しみました。

毎回感じるのですが、モーツァルトを扱い、多彩に多様にプログラムを作り上げている茂木先生に対して、本当に素晴らしいことだと心から感謝の気持ちがこみあげて来ます。聖徳大学の教授や講師陣による演奏も充実しているし、受講生はいつも30人弱の方々が参加する公開講座ですが、皆さん楽しまれているご様子で、和気藹々とした雰囲気もとても好きです。楽しくモーツァルトを学び、そして演奏を聴き、受講生の交流の輪が出来上がっている。こんな集いの会に参加できて、いつもきまって帰りは幸せな気分になるのです。いつかチャンスがあれば軽井沢のモーツァルトハウスでもこのような会が開けたらと思ってしまいます。

さて、この日は18時30分から、同じ茂木先生ですが脳科学者である茂木健一郎氏の「脳とモーツァルト」の講演会を聴くために新宿の朝日カルチャーセンターへ。こちらも夫は申し込みをキャンセル、夜も私のみの参加です。

ちょっと広めのスペースの会場は満席で、茂木先生の通常の脳科学の受講生に加えて、それを超える数の、私の様なモーツァルト関係の受講者が集まっていました。2時間の講座の始まりです。

この企画は、モーツァルト生誕260年を祝って、朝日カルチャーが今年1年間、月1回のペースで、多彩な著名人を呼んで開くもの。第1回目は海老澤敏先生(1/27)でした。モーツァルト生誕260年については世間では殆ど取り扱わないのが実態なだけに、朝日カルチャーはさすがとしか言いようがありません。これからも堀内修先生や、ピアニストの久元祐子さんに礒山雅先生を交えたものなどが続いていて、今年1年、本当に楽しみです。(3月末まで、入会金半額キャンペーン実施中)

さて、茂木先生の「脳とモーツァルト」は、テレビ等でお馴染みの先生だけにお話も軽快でとても愉快!モーツァルト研究者と言った立場でない方のお話だけに、とても興味深いものでした。
神童から天才という過程はまず稀な事で、神童であり、押しも押されぬ天才中の天才になったのがモーツァルト。この稀なことがどうして起きたか未だ解き明かされていないのだそうで、今は科学的に解明されていないが、いつか突き止められたら一冊の本にしたいと、茂木先生はそう思っているそうです。神童は大人になればそれっきりとなり、天才はまた別物。その両方でもあったモーツァルト、神童で終わらず、天才になるにはきっと苦しい体験があった筈で、苦痛に満ちた体験をした人のみが天才になれた・・・
モーツァルトの天才の秘密とは、何があったのか、LOVE、LOVE、LOVE、とモーツァルト自身が残しているように愛であったのでは・・・

難しいウィナー・エレン氏の英字文献を参照しながらの解明もあり、それだけではなく、たっぷり2時間の講演時間には、「恋とはどういうものかしら」(フィガロ)、「後宮・・」のフィナーレ、弦楽四重奏曲「不協和音」の出だし、大好きだと言う「フルートとハープのための協奏曲」、「もう飛ぶまいぞ・・」(フィガロ)、「魔笛」から動物が躍り出す場面のメロディ(天才でしか作れないメロディと紹介)、同じく「魔笛」から「パ、パ、パ・・」、最後は「フィガロ」のフイナーレ赦しの場面の映像などみせてくれました。とにかく楽しかった。天才は凡人から生まれ、天才の子供は凡人なのだとか。みんな天才になる可能性を秘めているという事ですね。

3月17日には協会主催で茂木健一郎氏の特別講演会もあります。「モーツァルトの天才の秘密に迫る」というタイトルなので、内容は同じものか分かりませんが、楽しいお話になること間違いないと思います。



2016年2月25のモーツァルトハウス(東京)
オペラと狂言のコラボ・・・・♡♠♤
東京に戻ってからのお楽しみは「狂言風オペラ コジ・ファン・トゥッテ」。落語家の桂米團冶の脚本・演出によるもので、狂言師の茂山一門によって演じられ、演奏は、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン管楽ドリステン。狂言でオペラをやってしまおうというユニークなものです。

桂米團冶師匠の小ばなしがプロローグ風に最初にあって、それからいよいよ美しい管楽のハーモニーによる「コジ・ファン・トゥッテ」の序曲から演奏が始まりました。オペラを狂言にしてしまうのですから凄いと思いますが、確かに特にこの「コジ」は狂言にもなりそうなペーソスのある、昔も今も変わらない不変な面白さが内在しているオペラだなとつくづく思い、すっかり狂言の世界に入り込んで楽しむことができました。狂言独特の色々な工夫があって、東西の文化が融合している瞬間に立ちあえ感動しました。この様に茂山一門の狂言師の面々と、ドイツの一流の管楽八重奏団(フルートとコントラバスが追加されている)とコンビを組み、モーツァルトのオペラを10年も前からオシャレな狂言風オペラとして仕立て、ドイツ公演も行い、大きな反響を呼んでいることは嬉しいことだなと思いました。言葉を超えた異文化交流がこの様な形で成し得たのも、モーツァルトのもつ底力故かとも思いました。

このオペラの最後のお楽しみである、元のカップル同志は如何に?という結末もなかなか面白かった!「男も女も、良く学び、良く遊べ」というドン・アルフォンソさんの締めの言葉で終わったのも納得でしたね。
解説書にもあったように「狂言風オペラ」が「オペラ風狂言」と呼んでも一向にさしつかえない、独自のお芝居になった、そう私も感じました。最初に狂言でオペラをと考えたのは故・茂山千之丞さんで、米團冶さんの父で人間国宝であった故・桂米朝とは親友同士であったそうで、こうして故人の遺志を継いで続けられているのだそうです。

軽井沢から戻ってから疲労で体調を崩し寝込んでいた夫をおいて、この日はでかけてしまいましたが、めったに観られない、聴けないオペラ「コジ」を見損なったのは本人が一番残念でしたね・・・。

2016年2月22のモーツァルトハウス
旧軽銀座散歩・・・・♡♠♤
美味しいパン屋さんが出来ていました。お蕎麦の「川上庵」や「酢重正之商店」と同グループの昨年開店したべーカリー「沢村」です。レストラン&カフェになっているお店はデザインも素敵な建物です。サクサクのパイや、パンオレザンは一度食べたら病み付きになりそうです。地元の友人に連れていってもらってから、わざわざパンを買いに立ち寄るようになりました。こちらのお店三店は、東京・新丸の内ビルにも出店しています。軽井沢も旧軽はやっぱりオシャレな魅力がいっぱい。




2016年2月20のモーツァルトハウス
春はすぐそこまで・・・・♡♠♤
軽井沢にも春の足音が聞こえて来ます。待ち遠しい春がすぐそこまで来ています。今日は気温も上がって雪が解け始め、「早春賦」の世界です。



2016年2月17のモーツァルトハウス(東京)
速報!モーツァルトとサリエリの共作のカンタータ?・・・・♡♠♤
モーツァルトとサリエリの共作のカンタータ作品がプラハで発見され、さらにその曲が約200年ぶりに演奏されたそうです。それがネット上で話題になっていますが、この共作曲はダ・ポンテのオペラの台本を曲にした作品で、しばらく声が出なくなった英ソプラノ歌手ナンシー・ストレースに捧げられたものだそうです。チェコ音楽博物館の発表によると、この楽譜は同博物館に確認されないままに収蔵されていたが、ドイツの音楽学者・作曲家ティモ・ジューコ・ヘルマン氏がインターネット上で新たな情報にアクセスし、モーツァルトとサリエリが作曲したことを突き止めた。1785年に共同で作曲されたもの。【2月17日AFP】

以上、信憑性は如何に???


2016年2月16のモーツァルトハウス(東京)
新たな発見・・・・♡♠♤
モーツァルトのオペラ「劇場支配人」は、1786年2月7日にウィーン・シェーンブルン宮殿で初演され、宮廷楽長であるサリエリの作品、「はじめに音楽、次に言葉」がこの時同時に上演されました。モーツァルトにとって、1785年から86年にかけては《フィガロの結婚》の製作に明け暮れた年に当たります。

モーツァルトとサリエリのオペラを共に鑑賞し解説してくれるという貴重な興味深い内容のサークルに参加しました。オペラ好きな仲間が集まってDVD鑑賞などをして楽しむ会ですが、「劇場支配人」は今まで一度も取り上げられることがなかったのだそうです。

この日のナビゲーターは、9枚ものレジュメを用意して広い見識で解説して下さったので、もしや某大学教授か、はた又音楽評論家か研究者ではと疑ってしまいましたが、実は会員の方なのです。この様な方が会の一員なのかと驚きですが、集まった仲間と共に多くを学び感動し合った時間となりました。京都からお見えのK氏に心からのお礼を申上げたいです。

観賞したDVDは、人形劇で、劇中劇として「バスティアンとバスティエンヌ」が入っている2016年のザルツブルクのM22の一つ。満足なDVDがこのオペラには存在しない事がまず不運といえますが、しかしながらこのオペラの序曲の素晴らしさには驚きましたし、それに加えて2曲のソプラノのアリア、三重唱、四重唱のわずか4曲の楽曲ながら音楽も一度聴くと忘れられない程モーツァルトらしさに溢れた素晴らしいものでした。このオペラを今まで満足にちゃんと聴いたことが(観たことが)なかったので、知らないという事は損な事だと身に染みて感じましたが、でもそれがこの日を境に見方が変わったのですから大きな収穫だったと言えます。フィナーレともいえる四重唱は「後宮からの誘拐」のフィナーレを思わせるガヴォットのリズムの明るい旋律で、とっても私好みのメロディで嬉しくなりました。

「音楽だけ聴き比べたら、多くの者がモーツァルトに軍配を挙げるに違いない。・・・それでもオペラとしては明らかにサリエリの作品の方が面白い。《劇場支配人》には序曲と4つの楽曲しかなく、台本も《はじめに音楽、次に言葉》の方がよく書けているからである」(サリエーリ モーツァルトに消された宮廷楽長より)

最後にサリエリの作品を皆で聴きましたが、サリエリの音楽になったら、しだいに集中力が保たれずに失せて行く感じがして、周りはざわついた雰囲気になったことが物語るように、この解説が示す通り、音楽だけ聴き比べたらその軍配は言うまでもない・・といった感じがしました。最後は「もう一度序曲が聴きたい」という要望があり、モーツァルトの「劇場支配人」の序曲を今一度聴いて、この日はお開きとなりました。
オランダ総督アルベルトフォン・ザクセン=テッセン公爵と皇帝ヨーゼフ二世の妹であるその妻が、ウイーンに滞在した際の祝宴用にと、特別にサリエリとモーツァルトに作曲が依頼されたこの2つのオペラ作品。台本作者は、モーツァルトは、「後宮からの誘拐」も手掛けたシュテファニー、サリエリはサスティ。報酬はサリエリには100ドゥカーテン、モーツァルトには50ドゥカーテンが支払われ、当時はサリエリの方が大オペラ作家であり、地位的にはモーツァルトはいわばまだペエペエだったことが伺えますね。


2016年2月15のモーツァルトハウス(東京)
贅沢な選曲・・・・♡♠♤
2月のモーツァルト協会の例会は〈フリードリヒ・ラムへの贈り物〉。曲目は、オーボエ四重奏曲ヘ長調K370、交響曲第29番イ長調K201、ロンドハ長調K373、オーボエ協奏曲ハ長調K314で、モーツァルトがマンハイムで知り合ったオーボエ奏者フリードリヒ・ラムのために作曲したオーボエの名曲が並びました。ラムは当時マンハイムで活躍し、その後ミュンヘンに移り、独奏者としても活躍した名オーボエ奏者でした。こんなラムに思いを馳せながらこの日の贅沢ともいえるプログラムでの演奏を楽しもうというもの。

登場したオーボエ奏者は、2007年に難関ミュンヘン国際コンクールで優勝、2008年には弱冠20歳で名門バイエルン放送交響楽団の首席の座に就任したスペイン生まれのラモン・オルテガ・ケロ。16分音符の連続や広大な音域など、技巧的にはかなり難しいテクニックが求められる曲を難なくクリアして、美しい輝くような音を聴かせてくれました。交響曲29番では、このケロ氏が東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の指揮も務めました。

オーボエ四重奏曲K370については、研究者アインシュタインは、「コンチェルタントな精神と室内楽的精神の結合という点で、これに比較しうるのは、モーツァルト自身のクラリネット五重奏曲K581だけである」と称しているそうですが、ラムというオーボエ奏者が存在したからこそ、この曲の誕生があったのだと、まずそれを喜びたいと思い、こうしてオーボエの室内楽曲の頂点ともいえる曲が誕生し、ハ長調のオーボエ協奏曲と言い、今後もこれらを超えるような曲の誕生などないだろうと考えながら、しみじみ曲に聴き入ってしまいました。

後半最初に演奏された「ロンドハ長調K373」は、ウィーンのドイチェス・ハウスでの音楽会で演奏されたブルネッティのためにモーツァルトが作曲したヴァイオリンの曲で、ヴァイオリンの独奏パートをそのままオーボエで演奏されました。この曲は優しく歌いだされるメロディが好きで、家でも良く聴いていましす。独立した小品で目立たないのですが、魅力的なロンド主題で時にはアンコール曲としても演奏されたりしますね。室内楽曲、協奏曲、交響曲、そしてアンコールではソロあり、特にオーボエ曲をモーツァルトの大切な友ラムに思いを馳せながら、たっぷりと楽しんだ一夜でした。



2016年2月10のモーツァルトハウス(東京)
ビゼーのお蔵入りのオペラとは・・・・・♡♠♤
メト・ライブビューイングで現在上映中なのがビゼー作曲のオペラ「真珠採り」。100年間上演されないまま、今日に至ったオペラだそうで、今回ディアナ・ダムラウが自らこのオペラの上演を提案し実現したそうです。ビゼー24歳の時の作品だそうですが、「カルメン」だけではなく、こんな作品もあったのですね。

ストーリーは、友情が絡んだ三角関係のお話でとても分かり易く、至ってシンプル。オペラによくあるつじつまが合わなかったり、話を歪ませたり、複雑にするような変人も登場しません。しかしこの3人を、ダムラウ、ポレンザーニ、そしてクヴィエチェンが演じましたが、実力も人気も高いこの3人の歌声が、流石に素晴らしく感動しました。モーツァルトの作品ではなかったけれど、「必見」と評判も高かった作品だけに、やっぱり行ってよかった。(テノール:ポレンザーニのソロの1曲は、1965年前後に流行った軽音楽「真珠採りのタンゴ」の原曲だったのに気がつきました)
情感たっぷりの管楽器やハープのソロも美しく、ノセダの指揮も、音楽も、そして合唱も、演出と全てにおいて満足して、オペラっていいなァ~と改めて思いました。明日12日(金)までですので、まだの方は是非!



2016年2月のモーツァルトハウス
やっぱりあの曲・・・・・♡♠♤
モーツァルトでは、ピアノ協奏曲が好きなジャンルのひとつです。もしかしたら1番好きかも知れません。ピアノソナタはとてつもなく好きなメロディばかりなのに、なぜか聴くと寂しくなるのです。これに気が付くまで時間がかかりました。ソナタを連続して聴いていると無性に悲しくなったり、気持ちが沈んで来てしまって困るのです。

先日、ピアニストで聖徳大学教授の原佳大先生の「私のモーツァルト フラグメントの見たもの」という講座を受講させて頂いたのですが、その冒頭先生が、「コンサートで、全曲モーツァルトのソナタの時はどうも気が高ぶって寝つきが悪かったりするが、他の作曲家の場合は燃焼できるのでそんなことは無い・・コンクールや大学の試験の時にも、朝から夕方まで連続して60人位の演奏をモーツァルトの曲で聴く場合も、同じようなことが起こります」。聴いても、演奏しても同じなのですね・・・。

このお話を聞いた時、モーツァルトのピアノソナタの持つ独特の何かがこうさせるのであって、私がソナタを苦手なのもこの手のものかなと、おぼろげながら分かったような気がしました。しかし、協奏曲は別ですね。同じピアノでもそこにオーケストラが入ると大いに違うのです。ピアノ独奏はあるものの、オケのダイナミックさがピアノのメロディを引き立たせ、際立たてくれる、寂しく沈み込んだりなどしません。特にモーツァルトの特徴ともいえる、第二楽章に多いアダージョ、アンダンテでいくら沈んでも、第三楽章で必ずや救い上げてハッピーな気持ちにさせてくれる。
最近は20番台より、8番、9番、11番~13番などにはまっています。若きモーツァルトがウィーンに移住し、意欲的にこの分野に取り組んだ珠玉の曲たちです。真っ白な雪景色、薪ストーブの赤い炎、そしてモーツァルトのピアノ協奏曲の面々・・寒さにも負けない、明るい気持ちにさせてくれます。


2016年2月のモーツァルトハウス
真っ白い雪景色・・・・・♡♠♤
モーツァルトハウス一帯はすっぽりと雪景色のなかでした。今年は雪が多いと現地の方々も話していますが、そういえば例年こんなに雪は積っていなかったかも知れません。道路は両側に寄せられた雪のために狭くなっていて、すれ違いが危険なのと、日当たりの良くない場所は日中でも凍っていて滑るので運転にも慎重さが欠かせません。

そうはいっても、真っ白な雪景色は美しく、こんな景色にいると、冬のザルツブルクを思い出します。遙か遠くに見渡す雪をかぶった白い山々は、ザルツでみるアルプス連峰のようです。ピーンと澄み切った寒さは身が引き締まり、清々し感じがします。薪ストーブで暖まりながらのモーツァルトも、また格別です。



2016年2月4のモーツァルトハウス(東京)
自作品目録からみえるもの・・・・・♡♠♤
1784年2月からモーツァルト自らが付け始めた「自作品目録」。この表紙には、作成開始日と終了日の記述があります。モーツァルトは〈1784年2月より〉と書き入れたものの、終了日の欄は〈1×××年×月 〉とし、〈17××年×月 〉とも〈18××年×月 〉せず、百の位を特定していませんでした。何を意味するのでしょうね。1800年代まで残された年数は15,6年、残されたページはそれまでに埋まってしまう可能性も高いし、限定できなかったと思うのが普通でしょうね。このことから、モーツァルトが1800年代まで生きているかどうかわからないと考え、死の可能性を自ら想定したのではというのは、少し考え過ぎですね。

海老澤敏著「モーツァルトの生涯・白水社」)の「ヴィーンの町に生きて」447ページには、「〈1・・・年・月にいたる〉(・は空白)と記しているのは彼モーツァルトがこの18世紀という世紀を完全に生き尽くし、次の世紀、新しい19世紀にまで生きるだろうことを予測していたことになるだろう。・・・・・当時のモーツァルトは自ら活発にして積極的な音楽活動が次の世紀にいたるまで力強く持続的に行われると信じていたのではなかったかろうか」

又、「モーツァルト最後の4年間」の207~208ページには、「モーツァルトは百の位を特定することができなかった。なぜなら1700年代の変わり目がそう遠くなかったからである。なぜ、そこに「8」を書き込まなかったのだろうか。・・・1つは1700年代のうちにページが全部埋まってしまうかもしれないと考えた。・・・・・・じっさい、1784年から91年までのペースで彼が作曲を続けたとすれば、1800年より前にスペースを使い切ってしまう計算になるのである。」
1784年2月9日、作品目録を付け始めたモーツアルトの意気込みは、積極的な創作活動への裏付けで、これからという意欲さえ感じさせます。最後の作品の記入は、1791年11月15日の小フリーメイスン・カンタータK623、そこで記入は中断され、28ページもの空白がその先に続いています。この空白を埋めるべく作品はどういうものだったのだろうか。この「自作品目録」はロンドンの英国図書館にあるのだそうです。。一般公開される日はあるのでしょうか・・・


2016年2月3のモーツァルトハウス(東京)
生誕ばかりではなく没後も・・・・・♡♠♤
胸が塞ぎ、眼をそらしたくなるような巷でのニュースが多いこの頃ですが、27日の講座で時間切れとなって聴けなかった「ジュピター」を今日は朝から聴いて心を整えています。フランス・ブリュッヘン指揮、18世紀オーケストラのライヴ版です。
ジュピターとはギリシャ神話の主神ゼウスのこと、J.P,ザロモン(1745-1815)という人がモーツァルトの41番の交響曲をジュピターと呼び始めた最初の人だとか。モーツァルトが最期に作曲した交響曲として今も愛され続けています。堂々と輝かしく、壮大な曲で、時に「フィナーレ」が秀逸で、アインシュタインは「それは音楽史上の永遠の一瞬である」と表現しました。

作曲完成は「作品目録」へのモーツァルトの記入に従えば、1788年8月10日。初演については、かつては演奏の目的も機会もなく、ひたすら自己の芸術的要請に基づいて作曲されたと考えられていたそうですが、今日では、何らかの形で生前に演奏されたのではと考えられるようになってきています。

そういえば、読み終わったばかりの「モーツァルト最後の四年~栄光への門出」の113~114ページには「三大交響曲のプランについては、追跡がさらにむずかしい。だが、モーツァルトがこれほど大きな仕事に実現の見通しもたたぬまま取りかかるのは、ありそうもないことである。事実、ト短調交響曲K550にかかわる資料が、1788~89年のシーズンにそれが演奏されたことを差し示している。同じことは他の交響曲にもあったと考えて、差しつかえあるまい。」更には、「ト短調交響曲がゴットフリート・ヴァン・スヴィーテン男爵の主宰するコンサートで上演されたことから三つの交響曲すべてが、ヴァン・スヴィーテン男爵の企画するコンサート・シリーズで演奏されるという推測も的外れではないだろう」

今年は生誕260年と注目されていますが、没後225年の年でもあります。没後の方がモーツァルトを偲ぶにはいいかも知れません。モーツァルトの交響曲群はこの交響曲をもって閉じられるのです。死の年までの3年の間は交響曲は作られませんでした。ジュピター、いい曲です。。。

モーツァルトの旅⑤ヴィーン 栄光と黄昏(音楽之友社)、没後200年の1991年に出版された貴重なもの。



2016年2月2のモーツァルトハウス(東京)
幸運へと門出する若者・・・・・♡♠♤
ようやく読み終えた、クリストフ・ヴァルフ著、礒山雅訳の春秋社「モーツァルト最後の四年~栄光への門出」。モーツァルトの最後の四年間は「晩年」と呼ばれ、死を意識し、とかく翳りが強調されている時期と言われてきました。この本はその最後の4年間にスポットを当て、むしろ栄光への門出だったのでは?と解き明かした本です。

モーツァルトは死に近づくにつれ、我々の手の届かない瞠目すべき高みへと一気に登り詰め、天上の音楽とも表現される作品を残し、命の終わりは迎えるべくして迎えたものであって、短くはあったが己の生涯を全うし、やり残すものなく我々の許から去っていった、これが今までのモーツァルトの35歳の生涯の解釈だったように思います。しかし、この本では、モーツァルトは死など意識せず、むしろこれからだと思っていた。やる気満々だったというのだ。これらは今までにない刺激的ともいえる新解釈なのです。。

最後の4年間、1787年から1791年の頃は新ジャンルにも意欲を見せ取り組んでいたことも分かって来ました。ピアノ三重奏曲、弦楽三重奏曲、弦楽五重奏曲など素晴らしい作品を残しているし、特に第6楽章デイヴェルトメントK563、クラリネット五重奏曲K581など、洗練された優雅な曲が多い。それを最後に花開いた作品とせず、むしろこれからもっと生み出そうとする門出だったのだと。

訳者のあとがきには次のようにあります。「この時期のモーツァルトを、大志に胸を膨らませて幸運へと門出する若者ととらえ、四年間の創作にいかに新鮮な創意が満ちあふれているかを雄大な構想の下に描き出した人は、かつていなかった。・・・・その博識と勤勉、すぐれた大局観に基づく意味づけの鋭さにおいて、斬新でヴォルフ氏に並ぶ者はない。」

ロンドンの大英図書館に今に残されているモーツァルト自筆の「自作品目録」。最後の先に記入されるべく曲はどんなものがあったのだろうか・・・それを考えるだけでときめきを覚えます。やっぱりもっと生きていて欲しかった。そしてもっと聴きたい曲があったのに。そんな贅沢な欲望が芽生えてしまう・・そんな本です。

クリストフ・ヴァルフ氏はバッハ研究の牽引者であり、礒山氏の訳も見事です。より多くの人に読んでもらいたいロマンあふれる本です。


2016年1月31のモーツァルトハウス(東京)
日経新聞から・・・・・♡♠♤
1月29日(金)の日経新聞夕刊~シネマ万華鏡~で、「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る」の映画のことを知りましたが、昨日30日(土)から一般公開されました。2013年に行われたオーケストラ創立150周年ワールドツァーを題材としたドキュメンタリー映画です。監督はエディ・ホニグマン。華やかなステージの裏側や、オフステージの楽員の素顔がとらえられていて、空港からホテルへ、コンサートホールへ、そしてまた空港へとツアーを続けるメンバーの姿を追ったものですが、この映画ではさらにその先、オーケストラ(あるいはクラシック音楽)と社会の関わりといったところまでを視野に入れて、さり気なく描かれている映画だそうです。クラシック音楽の演奏場面も勿論盛り込まれているようですから、観てみたい気がします。

渋谷ユーロスペースほかでロードショー公開。http://rco-movie.com/


今日31日(日)の日曜読書欄の新書コーナーには、加藤浩子先生著書の「オペラでわかるヨーロッパ史」が紹介されていました。
30日、31日は東京文化会館で藤原歌劇団の「トスカ」の公演がありますが、先生の著書の中でも、第1章 「イタリアの光と影」 五、「歴史劇と個人劇のはざまで」でも取り上げられています。観賞用の解説書にもなりますね。



2016年1月30のモーツァルトハウス(東京)
長野県の7つの魅力!・・・・・♡♠♤
モーツァルトのお話ではなく、今日はモーツァルトハウスのある長野県のお話です。1月30日(土)の日経新聞に「長野経済特集」が2面に渡って大きく特集されていました。平均寿命全国1位になってから急に長野県が健康的な長寿の県としてクローズアップされ始めましたが、それだけではなく全国第1位になっている要素が他にもあるのです。例えば、①「移住したい都道府県アンケート」で10年連続第1位、②「幸福度ランキング全国第1位」、そして先程の③「平均寿命全国第1位」です。


それらに④「勤勉で豊富な人材」、⑤「子育てしやすい環境」、⑥「研究開発の好適地」、⑦「リスク分散」が加わって「長野県の7つの魅力」として、しあわせ信州を謳っています。

近年は手厚い官民からの創業支援で東京方面からの企業の進出も多く、長野県が移転に好条件な県としても見直されてきているのを、地元のローカルニュースなどを観ていても感じていましたが、いいことですね。

食も良く、雄大な自然の美しさあり、また人との触れ合いも密で、それだけではなく、歴史の奥深さあり、文学、音楽、絵画と言った高い芸術作品も生まれた信州の魅力は沢山あります。「幸福度ランキング全国第1位」は、長い歴史が育んだ文化の結実とも言えるものかもしれませんね。


2016年1月28日のモーツァルトハウス(東京)
ビバモーツァルト!・・・・・♡♠♤
昨日はモーツァルトさんのお誕生日、毎年どういうふうに過ごそうかと悩みますが、今年は3時半から5時半まで朝日カルチャーセンター新宿校での海老澤敏先生の「モーツァルト生誕260年 モーツァルト天才の魅力」を受講し、7時から紀尾井ホールでのオールモーツァルトプログラムの室内楽のコンサート、その後はお寿司屋さんでお誕生日の祝杯をあげることができ、帰宅は翌日になってしまいましたが、27日という日をこうして楽しく心充たされる思いで過ごすことができました。

コンサートは、お誕生日という事もあって祝祭的な音楽で構成され、デイヴェルティメントK205、251、カッサシオンK63,K99の4曲で、特にカッサシオンは滅多に演奏されることがないので貴重な公演であったと言えます。心が澄み渡る様な、清らかな音楽で、聴き終わった後の爽やかな、そしてほっこり感は他の作曲家にはないものですね。モーツァルトさんは自身が作った曲でお誕生日をお祝いされているというのを生誕から260年後の今、天上からどういう風にご覧になっているのでしょうか。

海老澤先生の特別講座は、沢山の受講者であふれモーツァルトの人気を窺い知ることができました。わずか2時間で先生はモーツァルトの何を語ってくださるのかと本当に楽しみにしていたものでしたが、モーツァルトの愛にあふれたお話で、最後は時間切れで「ジュピター」で締めくくるところがその前で終わってしまい残念でしたが、充分過ぎるほど「モーツァルト天才の魅力」が伝わった気がします。モーツァルトは神童ぶりだけではなく、その魅力は果てしなく、あらゆることに通じた人であった。そんなモーツァルトの音楽をもっと聴いてそれを味わってくださいというメーセジが伝わってきました。

こうして最後は美味しいお酒でお誕生日のお祝いの乾杯をしてこの日を締めることができました。モーツァルトさんと共に生きている・・そのことだけでちっぽけな人間の一生が心豊かなものになるなんて・・モーツァルトさんの存在にただただ感謝です。



2016年1月26日のモーツァルトハウス(東京)
雪景色とモーツァルト・・・・・♡♠♤
モーツァルト音楽祭を毎年9月に開催している宇奈月温泉で、冬の魅力を伝えるべく、毎年今頃には「宇奈月冬の旅」というシリーズでコンサートを開催しています。会場となるのは「ホテル:延對寺荘」のロビーで、そこからの絶景の冬景色を味わいながらのコンサートはきっと素晴らしく、宇奈月温泉ならではないでしょうか。

今年はシューベルトとモーツァルトの2本立てで「楽興の時~永遠の青年シューベルトとモーツァルト」というタイトルで、第1部が《シューベルト歌曲・ピアノ名曲選》、第2部が《モーツァルトのオペラ名曲選》で、2月7日(日)開演は16時30分です。

この企画は4年前から始まり、毎年バリトン(竹内雅挙)とソプラノ(柏原美緒)のコンビで魅力的な歌を聴かせてくれるもので、モーツァルトのお誕生日のザルツブルクを彷彿させる場所の宇奈月温泉ならではの稀有な企画です。
2月7日は、ちょうど某所で拠所ない用事があり、雪景色のモーツァルトと、そして温泉、行きたかったですが、残念です。。。


2016年1月25日のモーツァルトハウス(東京)
鬼才・バッティストーニの講演会・・・・・♡♠♤
昨年は、2月の東京文化会館二期会「リゴレット」、軽井沢大賀ホールでの春の音楽祭等の指揮ですっかりその魅力にはまってしまったアンドレア・バッティストーニ。今年も5月3日に大賀ホールで指揮をしてくれるので楽しみです。
1987年ヴェローナ生まれ、28歳の若さながら、いまや21世紀の世界のオペラ界を担う一人となった俊英、バッテイストーニ。2月にヴェルデイのオペラ「イル・トロヴァトーレ」を指揮するのに先立ち、講演会が開かれます。昨年も「リゴレット」の公演前に講演会があり好評だったので再度今年も開催されるのだそうです。今回の公演「イル・トロヴァトーレ」を中心に、バッティストーニがこれまで10作以上指揮しているヴェルディ・オペラ全般の魅力について語ってくれます。

日本ヴェルディ協会主催、2016年1月31日(日)午後2時、場所はイタリア文化会館 アニエッリホール、非会員は千円、司会進行は加藤浩子先生、通訳は井内美香さんです。


2016年1月24のモーツァルトハウス(東京)
「魔笛」鑑賞後のお楽しみ・・・・・♡♠♤
ミヒャエル・ハンペ演出の今回の新国立劇場での「魔笛」公演は、演出は奇をてらったドイツではやりのものと違って、オーソドックスなもので、素直に普通にモーツァルト「魔笛」の音楽の世界に入っていけて良かったかなと思いました。「魔笛」は特にこの歌手が聴きどころとか、目玉となるヒロインの人気アリア等がないことから(夜の女王は別として)、演出をどうするかに、ついエネルギーとか期待が向かってしまう傾向があるオペラだのだとか・・。特に近年はドイツでそれが盛んに行われていて、そんな「魔笛」公演が多いのだとか。そういえば、ミュンヘンとドレスデンで「魔笛」を2本観比べたことがありましたが、どちらも想像を超えた奇抜なもので呆れてしまったものでした。それからするとこのハンペの演出は立体的な舞台構造も美しいし、特にここがという不満もなく、モーツァルトの音楽を楽しむことができた舞台でした。

「魔笛」は、散りばめられた珠玉のアリアはまるで玉手箱のようで、ダ・ポンテオペラとは違った色合いのモーツァルト最晩年のオペラ。最後の大団円はワーグナーの「タンホイザー」や「マイスタージンガー」を思わせる大合唱で、19世紀の音楽を先取りしているかのようなのだとか。
終了後に中華料理屋さんで行われたワイワイと鑑賞後の感想を述べあう食事会は、とってもフレンドリーな雰囲気で、いろいろな方の反応も知ることができて楽しいものでした。「魔笛談義」にとどまらず、様々な話題に飛び火し盛り上がりました。

加藤先生の講座を受け、そして一緒に鑑賞してこうして楽しむ企画は5回目になるそうで、来年は同じく新国での「蝶々夫人」(2017年2月)、「ルチア」(2017年3月)、「フィガロ」(2017年4月)辺りが候補になっているのだそうです。また来年お会いしましょうとお別れした方もいるので、次回もできたら参加したいものですが、オペラは観て良し、語ってまた楽し、オペラ万歳!である。♡♠♤


2016年1月22のモーツァルトハウス(東京)
祝260年イヴェントあれこれ・・・・・♡♠♤
ユニバーサルミュージックジャパンが、モーツァルト生誕260年を記念したスペシャルイヴェントを全3回に渡って開催します。第1回目は日本各地のモーツァルト美食材が登場し、先着順で美食材サンプルの無料配布もあるそうです。

1回目の日時は、2016年1月26日(火)18時30分スタート、会場はHMV&BOOKS TOKYO 渋谷モディ 6F イベントスペース、ナビゲーターは小田島久恵(音楽ライター)、トークゲストは金子三勇士(ピアニスト)、入場料は無料です。

先着順で18時より「モーツァルト美食材」お試しチケットを無料配布するそうです。又CD購入者にも特典があるそうですので、この機会にCDを購入するのもいいかも知れませんね。イベントの一環として「あなたの好きなモーツァルト楽曲」の投票も実施中です。のぞいてみるのも楽しいかも知れません。

詳しくはこちらに載っています。
http://www.hmv.co.jp/newsdetail/article/1601201013/


2016年1月16のモーツァルトハウス(東京)
「夜の女王」はマリア・テレジアが原型?・・・・・♡♠♤
新国立劇場での「魔笛」の公演が近づいて来ました。その観賞プレ講義として2回に渡り加藤浩子先生の「魔笛」講座があり、この講座の終了後に「魔笛」公演を一緒に観賞しようというとても楽しい企画に参加しています。

「魔笛」は、ドイツ語圏では人気ナンバーワンの上演回数を誇り、筋は分かり難いながら、その音楽の素晴らしさが一番大きな魅力と先生は話されましたが、お伽噺的なのに、モーツァルトは奥の深い身分の高い人のアリア(タミーノ、パミーナなど)と、庶民の娯楽性の高いアリア(パパゲーノ、パパゲーナなど)をうまくミックスしていて、音楽で身分まで表そうとしてしまう所が他の作曲家にはない所で、それがモーツァルトの凄さなのだと改めて納得。モーツァルトがオペラで開拓したありとあらゆる種類の音楽が詰め込まれているオペラとも表現されました。「魔笛」はそんなモーツァルトが集大成としたオペラなのですね。そして「夜の女王」は、女帝マリア・テレジアをイメージしたのだというのも印象的でしたね。

その起因は、モーツァルトはイタリアミラノで宮廷作曲家への就職が叶いませんでした。女帝マリア・テレジアが息子であるフェルディナント大公に事前に雇用を辞めるように促した手紙を出していたのです。「無用な人間は雇わないようにしなさい・・・乞食のように世の中を渡り歩いている人達です。おまけに大家族です」と言った手紙が、それです。
父親レオポルトは、我が子が宮廷音楽家として雇って貰えるのではとミラノ滞在を引き延ばし、秘かに期待していました。フェルディナント大公の方も雇ってもいいと思っていただけに、このマリア・テレジアの手紙はあまりにもモーツァルト一家を蔑んでいてショッキングなものです。(雇えない理由は、実際には他にもあった様なのですが・・・)

.ミラノでの就職はついに果たせなかったことになりますが、1769年12月から始まり1773年3月までの3度に及ぶイタリア旅行は、作曲家モーツァルトに計り知れない程の豊かな音楽的成果を残しました。それを思うと、ここでの就職の失敗はモーツァルトの人生を大きく変える程のものでもなく、結果オーライだったことになります。しかし「夜の女王」と、女帝マリア・テレジア・・・・・この二人の女性、先生の講義からオーバーラップして聴いてみるのも中々面白いかもという気持ちにさせられました。画像を観ながらの講座は楽しく、あっという間の時間でした。


2016年1月15のモーツァルトハウス(東京)
2016/2017ラインナップ発表!・・・・・♡♠♤
新国立劇場の来期のラインナップが発表されました。モーツァルトのオペラでは「フィガロの結婚」が入っています。伯爵役がピエトロ・スパニョーニで、期待したいですね。伯爵役のスパニョーニは、ミラノ・スカラ座やパリ・シャンゼリゼ劇場での「フィガロ」でも伯爵役をしていて、DVDにもなっているので、私たちモーツァルトファンにはもうお馴染みです。

公演日は、2017年 4/20(木)18:30、23(日)14:00、26(水)14:00、29(土・祝)14:00です。1年以上先の話ですが楽しみです。


2016年1月13のモーツァルトハウス(東京)
パッチワークのようなミサ曲・・・・・♡♠♤
長い間眠ったまま演奏されず時が経ち、ようやく120年後にある指揮者によって初演されたミサ曲があります。それは作曲家ヴェルデイが、オペラブッファの師と仰ぎ尊敬していたロッシーニの死を悼んで、当時イタリアで活躍していた作曲家12人に作曲を依頼し、自分を含めて13人によって、言わば寄せ集め的に完成したミサ曲でした。ロッシニーの死の翌年1869年に作曲されました。
その曲は、調も統一され、一人の持ち分は7分○○秒と決められ1秒たりとも違わず、作曲家のレヴェルもスタイルも違うもので、完成はしたものの、当時の色いろな事情で残念ながら初演までは至らなかったのです。

ずっと眠ったままになっていたこの曲は、1988年、ドイツのヘルムート・リリングという指揮者によってようやくドイツのヴュルテンベルク・エルヴァンゲン教区教会で初演されました。この「ロッシーニのためのミサ」はDVD化されていて観ることができますが、リリングへのインタビューや、当時どうして初演に至らなかったなどの様々な原因も説明もされているので興味深いのですが、残念ながら日本語版は今は絶版になっているそうです。
まさに継ぎはぎだらけのレクイエムですが、この原譜をヴェルデイ研究所の地下から発見したリリングは、イタリア音楽の知られざる一面として、この曲を世に送り出す価値がある音楽と考えたのですね。

フォーレ、モーツァルトと並んで3大「レクイエム」として有名なヴェルデイのレクイエムはこの時に作曲した部分に手を加えて誕生し、今私たちが「ヴェルレク」として聴いています。マンゾーニの一周忌にミラノのサン・マルコ教会で初演されました。ヴェルデイの尊敬するもう一人の人物である、イタリアの文豪アレッサンドロ・マンゾーニの死でヴェルデイは「レクイエム」の作曲を思いつき、今度は彼一人で作曲する事を決めました。1人で堂々と作曲した方がいいと気が付いたのでしょうね。


2016年1月12のモーツァルトハウス(東京)
カッサシオンとは・・・・・♡♠♤
滅多に演奏されない曲としてカッサシオンという曲があります。セレナーデとか、デイヴェルテイメントは耳慣れていますが、カッサシオンはこれらと同じジャンルで、祝典や楽しみや喜びのために時に屋外で演奏されることが多い音楽と言います。モーツァルトもト長調K63、変ロ長調K99という曲を残しています。

これら珍しいカッサシオン2曲が、紀尾井ホールに於いて、紀尾井シンフォニエッタ東京のメンバーでモーツァルトの誕生日の1月27日に演奏されます。このほかの演目は、デヴェルメント第7番ニ長調K205、第11番ニ長調K251です。

カッサシオンという殆ど演奏会で取り上げられない曲がプログラムにあるからと、主催するモーツァルト協会に入会した人の熱っぽいお話を聞き、心して今回このカッサシオンなる曲を聴かねばと思っている次第です。
生誕から260年経ったモーツァルトの誕生日に、祝典のために作曲した曲カッサシオンが、自身のお誕生日を祝って演奏されるなんて・・モーツァルトさんもビックリでしょうか?

2016年1月10のモーツァルトハウス(東京)
長年の挑戦への贈り物・・・・・♡♠♤
ウィーンの旅から戻られた方から1枚の絵ハガキをお土産に頂きました。モーツァルトが亡くなった後の1819年にバーバラ・クラフトという女性の手によって描かれたモーツァルトのポートレイトです。今ではこの肖像画がモーツァルトの一番人気なのかも知れません。
ウィーンではニューイヤーコンサートを聴いてきたそうですが、25年近く毎年ウィーンフィルのニューイヤーコンサート申し込みの窓口に応募し続け、やっと今年の分で当選できたのだそうです。ニューイヤーコンサートのチケット入手にはいろいろなアプローチの仕方があるのでしょうが、こうして挑戦し続けて得たものは大きかったでしょうと思いました。

モーツァルトが滞在した場所が現在はホテルになっていて、そこに泊まり、殆どモーツァルト関係の場所を精力的に歩き廻り、それでも廻り切れない場所があったそうですが、こんなお話を聞くと寒い冬のウィーンにまた行ってみたくなりました。寒いけれど、モーツァルトの生誕の時期の今頃はオペラやコンサートが充実していてやっぱり魅力的なのです。♡♠♤



2016年1月9のモーツァルトハウス(東京)
類をみない切り口・・・・・♡♠♤
オペラについての充実の本が誕生しました。加藤浩子先生が昨年暮れに上梓した「オペラでわかるヨーロッパ史」(平凡社新書)です。ヨーロッパ史から見たオペラについての著書は今までもあったようですが、加藤浩子先生のこの著書「オペラでわかるヨーロッパ史」は、オペラから見た当時の時代を斬新な切り口で炙り出したもの。読み進むうち、その先生の魅力溢れる文章にも引き込まれます。優しい文章で分かり易いのに、その奥深さが行間から溢れ出て来ます。つい次へ次へと読み進んでしまう魅力がそこにあります。

アマゾンなどのレビューでも「素晴らしい本を読むことができた」「研究に研究を重ねてこそ到達した知見に感動した」「ヨーロッパ史とオペラの関係が詳しく書かれていて面白かった」などという声が寄せられていて、私にとってもヨーロッパ史とオペラの歴史劇との関連を理解する意味でも大変勉強になります。この本を読んでいて、「今まで知らないオペラだけど、観てみたい!」と思わせてくれたりするから凄いなと思います。

モーツァルトのオペラの中で時代背景を感じるオペラと言えば、やはり「フィガロの結婚」です。貴族社会を風刺し、召使いが伯爵を降参させるボーマルシェの戯曲をダ・ボンテが台本にしました。上演禁止とまでされていた作品をモーツァルトはその魅力溢れる音楽で、見事ウィーンで初演させ人気となりました。フランス革命の引き金になったオペラとして大きな意味を持つそうです。ヴェルデイの時代には、上演される出し物は題材が決まった時点で「検閲」というものがあり、その許可を得るきまりがあったそうで、オペラは「検閲」の餌食になっていたといいます。(第三部、三「検閲」の向こう側-仮面舞踏会)

先生はこの本の中で、この「検閲」によってどのように史実が変えられていってオペラが誕生したのか、史実や人物などを丹念に検証して書かれていて興味がそそられます。
オペラ観賞時には事前にそのオペラの頁を読み直してから出かけてみようと思う、大切にしたい一冊になりました。あとがきにある、時代はひとつの曲がり角を曲がった、わたしたちはどこに行くのだろうか、後世は今の時代を、どう振り返るのだろうか、との問いかけも印象深い。


2016年1月のモーツァルトハウス(東京)
バッティストーニの魅力・・・・・♡♠♤
たぐいまれな統率力、昨年の「リゴレット」、3年前の「ナブッコ」をすでに聴いた方に、いまさらアンドレ・バッティストーニの凄さを説いたところで、釈迦に説法だろう・・・(二期会通信2015年12月1日号より)
「リゴレット」を観た1人として、更にその凄さが印象づけられたのは、昨年5月大賀ホールで聴いたチャイコフスキーの5番でした。彼の指先から一音一音に表情が付けられ、時には爆発、時には繊細にと、今まで何度も聴いているこの交響曲が別物に思え、新たな命を得た様な新鮮な感動を覚えました。私の中で、音の魔術師・バッテイストーニの誕生でした。来月2月には、東京二期会オペラ(パルマ王立歌劇場とフェニーチェ劇場との提携公演)「イル・トロヴァトーレ」を指揮するそうですが、「ナブッコ」「リゴレット」に続き「イル・トロヴァトーレ」でも、彼の指揮棒でまたヴェルデイのオペラに新たな歴史が生まれるかも知れません。

こんなバッティの魅力をモーツァルトのオペラでも発揮して貰いたいものだと思いながら、モーツァルトとは無縁と思ったら差に非ず、2012年ミラノスカラ座デヴューは何とモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」でした。バッティストーニが指揮台に上り、いつかモーツァルトのオペラを指揮する日があるとしたら、とちょっと期待してしまいます・・♡♠♤



2016年1月8のモーツァルトハウス(東京)
祝260年はモーツァルト講座から・・・・・♡♠♤
朝日カルチャー新宿校のモーツァルト講座も年明け1月~2月は充実しています。既にご紹介ずみですが、「モーツァルト天才の魅力」、「指揮者が語るモーツァルト」「脳とモーツァルト」の3回シリーズで、4月以降もこのシリーズは続く予定とのこと。

モーツァルトの生誕260年を祝して、2016年は1年・12回にわたり、多彩な講師陣がモーツァルトを語ります(朝日カルチャー新宿校:シリーズ・「モーツァルト生誕260年」ちらしより)


2016年1月のモーツァルトハウス(東京)
招福を願って!・・・・・♡♠♤
初詣は湯島天神にお参りするのが恒例となっています。学問の神様なので、この時期受験を控えて、多くの合格祈願の人々もお参りに来ていました。今年もつつがなく過ごせますように、あたたかな日和で絶好の初詣日和でした。「合格大福」を今年もつい買ってしまいました。ハナミズキの花がまだ枝に付いていて葉っぱも紅葉したまま・・暖冬を実感します。


2016年1月5のモーツァルトハウス(東京)
4年ぶりとなる来日公演!・・・・・♡♠♤
ウィーン国立歌劇場の4年ぶりの来日公演が、今年10月25日~11月15日の日程で東京と横浜で行われます。3演目の中に、モーツァルトの「フィガロの結婚」が入っています。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、リッカルド・ムーティ指揮、ポネル演出。嬉しいニュースですが、11月はこの「フィガロの結婚」と、日生劇場の二期会オペラ「後宮からの誘拐」もありますよ。


2016年1月のモーツァルトハウス(東京)
いよいよ始動!・・・・・♡♠♤
今日は御用始め、いつまでもお正月気分でもいられませんね。今年は色いろなメモリアルな年ではありますが、もう一つのメモリアルは、「軽井沢モーツァルトハウス」のリニューアルから10年目の年でもあります。この10年を振り返るとあっという間というより、やはりいろいろな事があったな~という思いです。

モーツァルト生誕ツァーで結ばれたご縁のお陰で、その絆を深める事が出来た場所でもあり、またオペラの観賞会やホームコンサートを催したり、またモーツァルト好きが集う懇親会の場となったり、また時には、モーツァルトに絡んだ貴重なお話をして頂く場にもなりました。そう言えばクラブハウスで「モーツァルト絵画展」を開催し、2ケ月間の開催中に述べ100人の人がモーツァルトハスを訪ねてくださった、そんな思い出深いこともありましたね。貴重なたくさんモーツァルト関連の書籍を頂き本棚を増設したことも・・歌手、ピアニスト、ヴァイオリニストさんにもお出で頂き、そのお陰で素敵な素顔にも触れることができ、こうした演奏家の方々との交流も忘れられない思い出です。多くの方々にお出で頂き、本当に感謝しかありませんが、さて今年は11年目がスタートします。また新たな思い出づくりが始まります。モーツァルトの音楽は生きる力そのもの・・私たち夫婦も終わった事は振り返らず、今を楽しくこれからも音楽人生、いやモーツァルト人生を一層楽しく、愉快に濃密に過ごして行きたいと思っています。これからもどうぞ宜しくお願い致します。

暮れからお奨め頂いていたクリストフ・ヴォルフ著「モーツァルト最後の4年」(訳:礒山雅)。モーツァルト研究の最前線・・「晩年」の作品群は、現世の惜別の辞か?飽くなき創造の新たな一歩か?

ある方の年賀状に「この本を読むとなぜか癒される」とあった「日本を愛した植民地」新井利子(新潮新書)。なぜ彼らは、戦後も日本を恨まなかったか?アメリカやロシアの植民地時代に比べて、人々は日本の時は一番良かったとなぜ思えるのか・・。

以上2冊が今年の読み始めの書籍です。


2016年1月3のモーツァルトハウス(東京)
申年の始まり!・・・・・♡♠♤
明けましておめでとうございます。今年の新年は晴れて気温も高めで暖かく、いいお正月3ヶ日でした。しばらくはこのお天気は続くようで、冬らしい寒さは今週末位からとか。年末にはパソコンの故障騒ぎはありましたが、新春らしく美酒に酔い、又美味なものを食べ、ゆったり、のんびりとお正月気分を味わいましたが、新春3日のお楽しみはNHK「ニューイヤーオペラコンサート」。今年はモーツァルトのオペラも取り上げて貰えてよかった。「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」からそれぞれアリア、「後宮からの誘拐」からはフィナーレが演奏されました。モーツァルトの音楽は命の輝きそのもの・・・今年も楽しんでいきます♡♠♤



2015年12月31のモーツァルトハウス番外編!
大晦日の軽井沢!・・・・・♡♠♤
28日~4日間だけ軽井沢へ。朝晩の冷え込みはあったものの連日穏やかな晴天!真っ青な抜けるような青空が眩しかった。雪をかぶった浅間山も青空に映えて美しかった。今年最後の景色を楽しんで、大晦日慌ただしく東京に戻って来ました。


2015年12月28のモーツァルトハウス(東京)
どうぞ良いお年を!・・・・・♡♠♤
年末で大忙しの毎日ですね。26日(土)には今年最後の「モーツァルト講座」も終え、それから掃除、買い物、おせちの準備にとテンヤワンヤの年の瀬でしたが、そんな時に、突然パソコンのトラブルが発生し、急遽量販店に駆け込んで新PCを買うことになってしまいました。どうにか設置しました。データー移行はこれからですが、それは来年に持ち越し今年はこの状態で終わりです。

拙いHP「軽井沢モーツァルトハウス」に間違って迷い込んでしまった人や、いつも開いてくださっている方々に心から感謝して、今年の「軽井沢モーツァルトハウス」は今日で終わりとします。
来年はモーツァルト生誕260年!、そして夫も生誕70年!明るい喜びに充ちた一年になりますように・・・皆さまの御健康とご多幸をお祈り申し上げます!又来年さる年もモーツァルトで結ばれたご縁を大切に、なお一層楽しい交流の輪が広がりますようにと願っています。どうぞ良いお年をお迎えください!



2015年12月24のモーツァルトハウス(東京)
クリスマス・イヴですね・・・・・♡♠♤
今日はクリスマス・イヴ、1777年12月25日のクリスマスの日にモーツァルトはフルート四重奏曲K285を作曲しています。昨日の「TAMAフォーラム」で聴いた古典四重奏団による弦楽四重奏曲は本当に素晴らしかった。モーツァルトの弦楽四重奏曲「狩り」と、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲イ短調Op.132の2曲が演奏されました。

師走だし、又昨日は冷たい雨の日で、きっと聴衆は少ないだろうと予測し出かけましたが、さに非ず、補助いすも出されていつも以上の盛況でした。良い音楽を求めて来る方々にとっては、何にもそんなことは関係ないんですね。岡山先生の「スタジオ・コンチェルティーノ」は、可愛らしい2階席に10人ちょっと、1階席に50人ほどの席を設けた空間。室内のデザイン、音響など良く考えられた素敵な音楽空間です。

モーツァルトの時代に貴族が催していた室内演奏会の理想を味わう贅沢な上質の雰囲気で、聴きに来る方々は、演奏家を志す人やこの音楽の上質感を求めて通う玄人肌の観賞家などで、毎回演奏家と聴衆が一体になって、素晴らしい一期一会の音楽を創り出しているのを感じます。

昨日の「古典四重奏団」は、バッハのフーガ技法に始まり、バルトークやショスタコヴィチなどの現代まで至る60曲以上ものレパートリーを数えるのに、特筆すべきはそのすべてを暗譜で演奏されている事。なかなかできる事ではありませんね。19世紀以前の作品は古楽器を用いています。第一ヴァイオリンの川原千真さんは、以前軽井沢の久能木邸でのホームコンサートで聴いたことがあり、その時の完成された演奏に心ひかれたのが、今でも懐かしい思い出です。

行きは「玉ちゃんバス」で、帰りは耳にまだ残る音楽の余韻を楽しんで、丘陵地帯に建ち並ぶ、夕げの支度に忙しい各家々から漏れてくる灯を眺めながら、稜線を「玉川学園前」の駅までトボトボと歩くのが通例となりました。慣れるまでは遠いと思っていた岡山先生のスタジオも最近は近くに感じ、来年以降もモーツァルトを演奏して下さる日にはなるべく聴きにこようと思って家路に着きました。

ドレスデン?のクリスマスツリーにろうそくが灯されて飾られていました!



2015年12月23のモーツァルトハウス(東京)
ぬくもりに満ちた年・・・・・♡♠♤
年末年始にはお酒は「喜生」と決めています。兵庫県産山田錦を使い秋限定で発売された日本酒で、山田錦ならではのまろやかさに深みが加わった、常温、ぬる燗でいただくお酒です。今年を振り返ると様々な人のぬくもりに心満たされた年だったように思います。じっくりこうして好きなお酒や美味しいものを食べたりできる幸せを感じます。

来年も先ず健康で、そして「今を楽しむ」こと、そして食べたいものを食べ、飲みたいものを飲み、会いたい人に会う・・それこそ残された人生はあと何十年もないのだから・・・。
いつか会おうと思っている大切な人も、自分が大丈夫でも、相手が思わぬことで状況が変わってもう会えなかったり・・・そんな先々の保証のない儚さみたいなものを身をもって体験した年でもありました。
山もよし 水も又良し 秋川のお酒「喜生」は、それを贈ってくれたあったかい人のぬくもりを感じながらまず一献!千葉の酒蔵さんの「一喜」というお酒も白ワインを思わせるフルーティーで美味しかった。自分の名前の一字がついたお酒はきっと美味しいに違いない・・・世界に誇る日本酒に乾杯(完敗)である!!


2015年12月22のモーツァルトハウス(東京)
シメも様々・・・・・♡♠♤
昨夜は南青山にあるイタリアンのお店「ドメニカ・ドーロ」で楽しい語らいと食事を楽しみました。心地好い空間で、すっかり年の瀬の喧騒を忘れて、美味しいお料理とお酒に舌鼓をうちました。そもそも「ドメニカ・ドーロ」という名前は、イタリア語で「黄金の日曜日」という意味だそうで、オーナーのシェフがイタリア修行時に目にした日曜日の光景が「家族や友人と囲む、楽しくリラックスした食卓」だったそうで、そんな時間を過ごして欲しいと言う願いを込めた店名なのだそうです。シェフがご主人、ソムリエが奥さまというお若いご夫妻が仕切っていて、飾らないすっきりとした雰囲気がまさにその店名の通りのお店でした。

北イタリア仕込みの自家製牛ほほ肉などの何種類にも及ぶハムや鶏レバーのパテなどの盛り合わせは中々味わえないものだし、カキはワインビネガーでほんのりした酸味、白子を使ったパスタも絶品、メインの鴨肉にはバルサミコのほんのり甘酸っぱいソースと、素材にあったソースや味付けが工夫されていてとても美味しかった。そこに音楽や旅、グルメの話、はたまた温泉談義にまでお話は尽きず、こうして今年最後になるであろう、ハイセンスなスポットでの会食の時間はあっという間に過ぎてゆきました。

そして明日は、すっかりお馴染みになった岡山潔先生のスタジオでの「TAMAフォーラム」へ。モーツァルトの弦楽四重奏曲「狩」の演奏などを楽しんできます。こちらも今年最後の生演奏を聴く機会になるのではと思います。年末の忙しい日常に追われていると、やっぱり生のモーツァルトが無性に聴きたくなる!TAMAフォーラムはわずか50席ほどのスタジオで、世界の第一線で活躍する講師陣を迎えて、研修セミナーや若手演奏家によるコンサートなどを定期的に開催しています。明日は「古典音楽への旅」で、古典四重奏団のメンバーによるレクチャー&コンサートです。


2015年12月19のモーツァルトハウス(東京)

2016年の開催日・・・・・♡♠♤

宇奈月温泉モーツァルト音楽祭の2016年の日程が載っています。

9月17日土曜日から19日月曜日敬老の日までの3日間。いつもは秋分の日にかかっていたんですが、そのちょっと前になります。

又、軽井沢大賀ホールでの2016年春の音楽祭のプログラムも既に発表されています。

5月3日(火)には、今年に引き続き、アンドレア・バッティストーニが指揮者として、東京フィルハーモニー交響楽団と共に来年も大賀ホール春の音楽祭の舞台に立ちます。演目は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲(ピアノ:小山実稚恵)、交響曲4番、ヴェルデイの「運命の力」序曲。バッティのチャイコは良かったので、来年も行きたいですね。



2015年12月18のモーツァルトハウス(東京)
生誕260年!を愉しむ・・・・・♡♠♤
来年2016年はモーツァルト生誕260年の年、自分なりに、それぞれにこのメモリアルな年を楽しみたいですね。年明け早々、モーツァルトのお誕生日1月27日には、海老澤敏先生の「モーツァルト生誕260年、モーツァルト天才の魅力」という特別講座があり、また同日夜は紀尾井ホールで、「紀尾井シンフォニエッタ東京メンバーによる室内楽」のコンサートがあり、お誕生日のお祝いを盛り上げます。

「モーツァルト生誕260年」の記念講座は朝日カルチャー新宿校で3回シリーズであり、1回目が海老澤敏先生の「モーツァルト天才の魅力」(1/27)、2回目は指揮者・曽我大介氏による「指揮者が語るモーツァルト」(2/6)、3回目は、脳科学者茂木健一郎氏による「脳とモーツァルト」(2/26)で、こちらは、天才モーツァルトの脳と心を考察するというもので、とてもユニーク。きっと楽しいものになるはず。記念の企画も充実しています。

こうして始まる生誕260年!来年もモーツァルトと共に、きっと感動と楽しい出会いが待っていることでしょう!

今日の東京の空は、真青!眩しい空の青さです!年越しの準備もルンルンとはかどりますね。♡♠♤


2015年12月18のモーツァルトハウス(東京)
「修了証」までも!・・・・・♡♠♤
学習院生涯学習センターでの秋期公開講座に参加して、「モーツァルト=ダ・ポンテ・オペラの過去と現在」を受講しましたが、それが先日終了し、「修了証」を講師である加藤先生から直々に頂戴しました。過去にカルチャーセンターでの講座は様々参加して来ましたが、こうして「修了証」を手渡されたのは初めてでした。2回ほど都合がつかず欠席などをしてしまいましたが、先生独自の切り口でダ・ポンテ三部作の過去と現在をDVDなどを交えながらのお話に聞き入った楽しい時間でした。

最終回では、「スペイン名門歌劇場めぐり」の11日間の旅からお帰りになったばかりなので、ホットなお話を聞かせてもらいました。ビルバオ、バレンシア、マドリード、バルセロナといった
主にスペインの北東を回られ、国境を越えラヴェルの生誕地「サン・ジャン・ド・リュズ(フランス)」までも訪れ、バスク地方のヨーロッパ屈指の美食の街「サン・セヴァスティアン」などのお話にも及びました。
マドリード(レアル劇場)での「リゴレット」でヌッチ、バルセロナ(リセウ劇場)での「ランメルモールのルチア」でフローレス、バレンシア(ソフィア王妃芸術宮殿)での「マクベス」でドミンゴなどのオペラを鑑賞し、「はっきり言って今オペラはイタリアよりスペインです」とおしゃっていました。これが、こそばゆい「修了証」です。



2015年12月17のモーツァルトハウス(東京)
感動のテレビ放映!・・・・・♡♠♤
11月29日(日)のNHKEテレの「クラシック音楽館」で、ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団演奏会の放映がありました。先日サントリーホールで行われた、母国シベリウス生誕150年記念来日公演です。「フィンランディァ」、「交響曲2番」、諏訪内晶子さんによる「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」が演奏されましたが、アンコール曲2曲も放送され、小山裕幾さんの美しい情感あふれるソロフルートを再度楽しむことができました。

今年、感動した思い出の一つですね。


2015年12月16のモーツァルトハウス(東京)
年末はこのCDでシメ!・・・・・♡♠♤
一年を振り返る時期になって来ました。12月も半ばを過ぎ、いよいよカウントダウンも始まりそうで気忙しいですね。そんな慌ただしい日々、どんなCDでお楽しみですか?
今年一年を振り返りやっぱり今年はこれ!と思ったCDが、ムジカエテルナ盤、クルレンツィス指揮の「フィガロの結婚」(2014年に発売)。このCDは多くのファンから賛美の言葉を贈られていますが、「レコード芸術」2015年11月号に宇野功芳さんの絶賛の記事が載っています。この記事は連載「宇野功芳の見たり、聞きたり」で「理想の〈フィガロ〉--クルレンツィスの計り知れぬ才能」で、今まで愛聴してきた盤を大きく凌ぐ美演が誕生したと紹介し、又最後は「このCDはぼくの宝だ。」と結んでいます。

加藤浩子先生も、個人的にもっとも衝撃を受けたディスクとして紹介していますが、第一の特徴としては、このCDでピリオド楽器によるオペラ演奏が新しい段階に入ったこと、二番目の特徴として、伯爵夫人をシモーネ・ケルメスというバロックオペラのプリマドンナを起用し、バロック歌手を「フィガロの結婚」に導入した点。ノン・ビブラートに徹した完璧な歌声が、従来はビブラートを抑えるあまり不自然さが残り美しい歌声に聴こえなかったものが、ケルメスの歌い方は、ノン・ビブラートが自然であり、声を張り上げても声がそのまま伸びて来る新鮮さがあると、その魅力を語っていて興味深いです。(クルレンツィスはどの歌手にもノン・ビブラートを要求しています)又、許される範囲での装飾や即興なども絶妙で、スパイス的な効果を挙げています。

「歌の内容よりはモーツァルトの美しい旋律を楽器のように生かそうとし、成功したのだ。」と宇野先生は書かれていますが、とにかく美しい・・10年の歳月を費やし、納得の行くまで理想のスタジオ録音に挑んだクルレンツィスのCD盤「フィガロの結婚」、美しさを追究したノン・ビブラートの歌声に心癒されて今年の締めとします!



2015年12月10のモーツァルトハウス(東京)
「オペラでわかるヨーロッパ史」・・・・・♡♠♤
加藤浩子先生の新刊「オペラでわかるヨーロッパ史」が来週発売されます。もうアマゾンで予約開始されています。この写真は見本で出来上がっってきたものだそうですが、発売が待たれますね。「平凡社新書」です。


2015年12月9のモーツァルトハウス(東京)
ウィーンの薫りに包まれて・・・・・♡♠♤
モーツァルト協会12月の例会で《ミラノのモーツァルト》というコンサートを楽しみました。2015年の締めに相応しい素晴らしいコンサートでした。

演奏は、アンサンブル・ウィーンという、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、コントラバス1の4人で、チェロの代わりにコントラバスが入った人気のアンサンブル。メンバーの3人はウィーン・フィル・ハーモニー管弦楽団のトップ・プレイヤーとして活躍している。第一ヴァイオリンのアルベナ・ダナイローヴァさんは、注目されるウイーン・フィル初の女性コンサートマスター。定例になっているウイーン楽友協会でのコンサートは毎回売り切れとなる人気公演の一つだそうで、ウィーンに行ってもなかなか聴けない公演を日本で楽しむことができました。そのせいか東京文化会館の小ホールは超満員の盛況でしたが、明日は武蔵野市民文化会館でもコンサートがあるそうで、一足先にオールモーツァルトプロで、ウイーンの薫り漂う極上のサウンドに酔いしれました。

演目は、前半は弦楽四重奏曲K157、158、6つのレントラー風舞曲K606、休憩を挟んでの後半は、オペラによるトランスクリプションで、〈フィガロの結婚〉、〈ドン・ジョヴァンニ〉、〈魔笛〉といったモーツァルトの人気のオペラの序曲やアリアの編曲版を4人の弦で聴かせてくれました。このアンサンブル・ウィーンのもう一つの特徴として挙げられるのが「編曲もの」を積極的に取り上げる点だそうで、音楽再生技術がなかった時代には、この様な人気舞台作品をアレンジして親しみ、楽しんできたという伝統を受け継ぎ、「編曲もの」を積極的に取り入れ演奏してきた事で、価値も大きく認められ、レパートリーを発展してきたのが、アンサンブル・ウィーンなのだそうです。(当日の解説書より)

2013年の来日公演の際のライブ録音盤がCD化されていて、この日後半で演奏された同じ曲目が入ったもので、遊び心と真剣さとが融合され、それにウィーンで活躍の演奏家ならではの「ウィーン」がギュット詰まった演奏で、サイン会には長蛇の列ができていました。私も購入しましたが、サインは諦めて帰って来てしまいました。

「フィガロの結婚」から、〈恋とはどういうものかしら〉はそれぞれの弦が交互に発するピチカートが、ケルビーナのドキドキする心臓の鼓動を思わせ、聴き手も陶酔の域に・・。また「ドン・ジョヴァンニ」の、〈手をとりあって〉のヴァイオリンと、ヴィオラの相互の掛け合いは、二重唱で聴く以上に二人の対話が聴こえてきそうで、こちらもうっとり・・・。どれもこれも4人のサウンドとは思えないダイナミズムがあり、反面、時には繊細な音のハーモニーで、緩急の妙は品があり美しく、私はすっかりその魅力にはまってしまいました。

CDの帯に、〈芸術音楽〉と〈娯楽音楽〉との境界線を軽々と超え、音楽そのものの愉悦や魅力を伝えてくれます。とありました。夜グラスを片手に、薄暗い灯の許、静かにオペラの世界に入り込むにはもってこいのCDに出会えた思いがします。


2015年12月6のモーツァルトハウス(東京)
器楽曲の頂点を築く・・・・・♡♠♤
昨日12/5はモーツァルトさんの命日でした。没後から224年が経ったことになります。時代が大きく変っても今も尚こうして人々から愛され慕われ聴かれ、演奏されている作曲家です。
命日の翌日の今日は、西東京市にあるこもれびホールに於いて「モーツァルト室内楽の饗宴」というコンサートを楽しみました。海老澤敏先生のレクチャー・コンサートで、前半、後半の始まる前に先生のレクチャーがあり、モーツァルトの音楽をより一層楽しめました。

「モーツァルトのヴィーン時代の美麗な室内楽を楽しむ」という副題があり、ヴィーンで成功をおさめたモーツァルトの輝かしい時代の曲目が揃っていました。モーツァルト自身がピアノを弾き、喝采を浴びた作品の演奏に加え、1曲未完の断片に先生の友人でもあるピアニストのロバート・レヴィンが補筆した作品が本邦初演され、そちらにも注目が集まりました(ピアノとヴァイオリンのためのソナタ楽章 ト長調 K.Anh.47).

この曲については、確実な情報は無く、モーツァルトのサインもなければ標題も日付もないものですが、五線譜と筆跡から1789年に作曲されたと推定されるとのこと。「レクイエム」K626の補筆完成もし、「レクイエム」レヴィン版としても名をはせている方の補筆だけに、モーツァルトらしさに溢れた、明るい魅力的な曲といった感想を持ちました。その他、「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ」K379、モーツァルトがピアノを教えた貴族の女性のためのレッスン曲として作曲したであろうといわれている「ああ、私は恋人を失くしたの〈泉のほとりで〉によるピアノとヴァイオリンのための六つの変奏曲」K360が、小川京子さんのピアノ、堀正文さんのヴァイオリンで演奏されました。

後半は、管楽器の名手たちによる「ピアノと管楽器の為の五重奏曲」K452で、モーツァルト自身が父レオポルトへの手紙で「この曲は今まで生涯に書いた最良の作品と思っています」と自画自賛している作品です。オーボエ1、クラリネット1、ホルン1、ファゴット1、それにピアノが加わり、それらの楽器のハーモニーや、メロディが素晴らしく、聴くものの誰もが好きになる作品です。当時このような管だけとピアノのハーモニーに着眼した作曲家はいなかったそうで、この点でもやはりモーツァルトは先駆者だったなと思います。

このK452の作品から、新たな古典派的室内楽の多様多彩な世界が創りあげられて行ったそうで、こうしてヴィーンで、器楽曲の頂点を築いたのがモーツァルトなのだという事を学び、そしてその作品を堪能でき、今回も貴重なレクチャー・コンサートとなりました。


2015年12月3のモーツァルトハウス
身も心もあったか・・・・・♡♠♤
小諸にある「あぐりの湯こもろ」は、眺望抜群、広くて、清潔な、地元の人に愛されている温泉。身も心も温まります。湯上りのビン牛乳はなぜかたまらなくおいしいのです・・。

こちらは、「星野温泉トンボの湯」。開湯大正4年、以来、北原白秋や与謝野晶子などの文人にも愛されてきた避暑地軽井沢の名湯。柔らかなお湯は「美肌の湯」でこちらも嬉しい。
「星野リゾート」の星のや旅館、ホテルブレストンコート、ハルニレテラスも近くにあり、ハイセンスな温泉施設は、訪れるのも楽しいスポットです。



2015年12月1のモーツァルトハウス
初冬の景色・・・・・♡♠♤
早朝の冷え込みも今年一番の-5度、本格的な冬の始まりを感じます。景色も一変して初冬の景色に、でも日差しは明るく、温かくて気持ちいい・・・。



2015年11月30のモーツァルトハウス(東京)
新たな出会い・・・・・♡♠♤
モーツァルト協会創立60周年記念祝賀会に出席しました。1955年1月に誕生して本年で満60年を迎えたこの会に、昨年ある方からお誘いを受け入会していましたが、これも何かのご縁だなと思います。

この日行われた祝賀会は、港区六本木の鳥居坂という急勾配の坂を登った先に建つ、国際文化会館が会場で、ここは江戸時代から幕末にかけて多度津藩(現在の香川県丸亀市)
の藩主の江戸屋敷であったところで、その後は岩崎小弥太が所有者になっていた時期もありました。

施設は1955年に完成、広大な敷地内には、宿泊施設、会議施設、レストラン、図書館など完備され、小弥太が京都の造園家に作庭を依頼したという日本庭園は、近代庭園の傑作として知られ、2005年港区の名勝に指定されています。建物は前川國男、坂倉準三、吉村順三といった当時の名建築家が担当しました。この様な国際的な文化交流のために、知的協力の促進が目的として使用される施設が会場になっているだけに、ぜひ参加してみたいと思いました。

前半は、サロンコンサートがあり、小林沙羅さんのリサイタル。野田秀樹演出で話題となった「フィガロの結婚」でスザンナ役を見事にこなし、日本中を公演で駆け廻り、全公演が終了したばかりの今が旬のソプラノ歌手です。
「すみれ」、「夕べの想い」、「わが美しき人よ、さようなら」、「とうとう嬉しい時が来た~恋人よここに」(「フィガロ」より)、「巌の様に動かず」(「コジ」より)を熱唱してくださり、贅沢な時間でした。

理事長の三枝成影氏の挨拶や来賓の乾杯の音頭に続いての会員同士の歓談では、会員歴が30年、40年の方も大勢いて、そんな方々のモーツァルト歴に圧倒されましたが、会員歴がまだまだ浅い我々は、この会での新たなモーツァルトとの出会い、そして人との出会いを楽しみにしたいと思っています。


2015年11月23のモーツァルトハウス(東京)
熱く尊い友情の賜物・・・・・♡♠♤
勤労感謝のこの日、最終日となった上野の森美術館・別館ギャラリーで開催中の「没後15年 久住三郎展」に行って来ました。20歳で画家を志し、43歳でニューヨークに渡り日本画の可能性と己の芸術向上を目指しながら、画家としてこれからという53歳で病によりこの世を去ってしまった画家の、没後15年を迎える今年、彼の高校時代の同期生が中心となって結成された「久住三郎君の絵を愛する塾高友の会」によって主催された展覧会です。

どの絵も美しい色彩、麻という素材を使ったキャンパスは見た目にもその肌合いを感じさせ、優しい中にも強い生命力、対象物への愛に溢れた眼差しを感じる作品で、胸に迫りくるものがありました。1週間の開催中2千人を超えた来場があったそうな。熱く尊い友情と支援によって実現した展覧会ですが、命の火は消えても、残された作品は力強く生きているのだと、作品のもつ力の不変さを感じました。

本館では「肉筆浮世絵展」が開催中でした。(11/20(金)~1016年1/17(日)まで)。アメリカ・シカゴの日本美術収集家が集めた千点以上のコレクションの中から厳選された130点が来日、一挙展示されています。

素晴らしい芸術に触れ、心は豊かに充たされながらも、上野に来たらやっぱりこれ、「みはし」のクリームあんみつ、美術展を鑑賞したチケットがあれば、「しらたま4個」がおまけに付いて来ました。思わぬ特典に「ビックリぽん!」でした。祝日だけに上野の森は、都会の行く秋を惜しむ人と、芸術鑑賞の人々で賑わっていました。


2015年11月19のモーツァルトハウス
上田市の文化の拠点・信州国際音楽村・・・・・♡♠♤
上田市にある信州国際音楽村に行って来ました。軽井沢から小諸を通って、約35キロ程の小高い山の上に信州国際音楽村はありました。信州産のカラマツをぜいたくに使った「ホールこだま」は、収容人員300人ほどの木のぬくもりを感じるあったかい空間のホール。屋外にはパノラマの大野外ステージ「ひびき」まであり驚きです。周辺には、ラベンダーやすいせん、桜などのお花畑もあり、季節のお花を鑑賞しながらの散策も可能。新緑の季節はさぞかしきれいだろうと思います。
また、レストランも有り、美味しいパエリアなどを提供してくれるオシャレな建物の「壺屋」で、見事な眺望を楽しみながらのお食事も最高です!

「信州国際音楽村5月オペラ」として毎年5月にはハイライト形式のオペラ公演もあって、来年はミミ役を高橋薫子さんが演じる「ラ・ポエーム」が予定されています。きっと雄大な景色を満喫しながら、澄んだ空気のこんな場所で、アットホームな、しかし上質なオペラが楽しめるのではと、来年はぜひまた来てみたいと思いました。研修センター、研修棟、宿泊棟も併設されて、地元での、芸術振興に大いに役だっているのを感じます。

来年の大河ドラマはこの上田市が舞台。上田は見所がまだまだあります。

2015年11月18のモーツァルトハウス
一晩でこのありさま・・・・・♡♠♤
昨日綺麗にしたのに、一夜にしてこんな感じ・・・。がっくん!

スタッドレスタイヤに履き替えも忘れられません。早くも冬支度が始まっています。


2015年11月17のモーツァルトハウス
晩秋の軽井沢、まずは落ち葉掃除から!・・♡♠♤
久しぶりのモーツァルトハウスは、先ずはテラスの落ち葉掃除から。すっかり晩秋の景色・・・秋が深まっています。


2015年11月16のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト講座を愉しむ!・・♡♠♤
聖徳大学でのモーツァルト公開講座に参加させて頂いています。前回(10/23)は、ピアニストの原佳大先生によるレクチャーコンサートでした。今回(11/13)のテーマは、朗読と歌曲「モーツァルトを愛おしむ」で、モーツァルトのオペラの名曲の数々を、それも朗読付で素晴らしい歌手の方たちにより披露して頂くというもの。

会場となる聖徳大学14階のホールは、ほどよい広さで、受講生は20人~30名程で、臨場感にあふれたアットホームな雰囲気。主宰者でいつも司会を務めて下さっている茂木先生は哲学者でありながらフレンドリーな「音楽サロン」を形成していて、受講者から高い人気を集めているのも納得です。


「ドン・ジョヴァンニ」「フィガロの結婚」「コジ・ファン・トゥッテ」「イドメネオ」から厳選された珠玉のアリアの数々は、素晴らしいピアノ伴奏にのって歌手の方々の魅力溢れる歌声でオペラの世界に我々を連れて行ってくれました。レポレロとドンジョヴァンニ、又、フィオルディリージとデスピーナや、ケルビーノとドラベッラなどの掛けもちにもかかわらず、歌手の方々はそれぞれ多才にたくみに歌いこなしていて、本当にその多才ぶりに感心してしまいました。

出演者の方とは質問コーナーもあり、午前中のコンサートに臨む歌手の方たちの念入りな役作り、声作り、またイタリア語やドイツ語などの歌詞の覚え方の工夫など、出演者の素の部分にも触れられて楽しく和気藹々としたなかで、終了となりました。


聖徳大学がある松戸市周辺の方々が主に参加しているこれらの講座は、教養を深め、また地域のコミニティーの意義からも貴重なもので、近くにこの様な講座があることを羨ましく思うと共に、参加されている方々はみな楽しそうで、2回の講座でそんな一員に加わってモーツァルトを共に楽しむことができて幸せでした。このご縁を大切にしたいと思います。♡♠♤



2015年11月15のモーツァルトハウス(東京)
満員御礼!日生劇場「ドン・ジョヴァンニ」・・♡♠♤

お天気もようやく上がって、今日はマチネのオペラ鑑賞。日生劇場での二期会の「ドン・ジョヴァンニ」は歌手も演出家も全て日本人によるもので、それも若手によるもの。若いセンスにあふれた斬新な演出で、低料金でこんな水準の高いオペラが観られるなんて、「満員御礼」も頷けます。

広上淳一指揮は、メリハリの利いたキレのいいもので、2階席だったのでその指揮ぶりが良く見え、体全体で指先まで使い音楽を表現していて、見ていても楽しいもの。歌手陣はダブルキャストなのでたったこの日一日限りとは勿体ないと思う程、どの歌手も抜群な歌声で、特にこの日のドン・ジョヴァンニは、若くて長身で魅力的なドンジョヴァンニ像を表現していました。
テノールは和製モーツァルトテノールの代表格の望月哲也で、柔らかな輝く伸びのいい歌声で、やはりオッターヴィオはこうでなければと思いました。ただ、2曲目のアリアがなぜか省略されていて残念!、このアリア好きなので聴きたかったです。
地獄落ちも悲惨ながら、余韻を残す、皆が満足できるいい終わり方でこの演出の見事さを感じました。字幕も工夫があって面白かったです。「道を外した人は、必ずその先に死が待っている・・」不滅の原理かも。
暗いことがこの先ありそうな世の中だけど、その中にもきらめく何かが必ずある・・というメッセージがあの銀吹雪だったのでしょうか・・・地獄落ちしたドン・ジョヴァンニが銀色に輝く吹雪をまき散らして去っていく姿が一瞬みえました。



2015年11月13のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト生誕260年!・・♡♠♤
来年2016年はモーツァルト生誕260年の記念の年。ほぼ10年前の2006年1月に生誕記念ツァーに参加したメンバーと、来年を待ちきれずプレ260年の再会食事会をしました。

この2006年のツァーは、モーツァルトの誕生日に生誕地ザルツブルクでの生誕記念祝賀コンサートを鑑賞し、その後ドレスデン~プラハ~ウイーンと巡り、名門歌劇場でのモーツァルトのオペラ鑑賞付。出色は何と言ってもリッカルド・ムーテイ&ウイーン・フィルをバックに、トーマス・ハンプソン(バリトン)、チェチーリア・バルトリ(ソプラノ)、内田光子(ピアノ)、キドン・クレーメル(ヴァイオリン)、ユーリ・ヴァシュメット(ヴィオラ)が登場する超豪華版の「生誕記念祝賀コンサート」でした。

中でも、コンサート・アリアK505「どうしてあなたを忘られようか」は、モーツァルトがナンシー・ストレーレスの告別演奏会で、自らピアノパートを弾いた曲。ムーテイ指揮でウインフィルが奏でる中、バルトリが歌い、オブリガートのピアノパートを内田光子が弾いたその音楽は、あたかも天上から降り注ぐモーツァルトの音楽そのものでした。この時からこの曲はひときわきらめく曲になりました。拍手が響き渡るなか、ムーテイが内田光子さんを何度も抱擁していた姿も、日本人の私たちには何とも感動的な嬉しいシーンでした。

「加藤浩子先生と行ったモーツァルト生誕250年記念の旅」は様々な音楽や人との出会いがあり、その後の音楽人生をより楽しく豊かなものにしてくれています。

モーツァルト没後250年は2041年、生誕300年は2056年、こんな先まで生きていられるかは分りませんので、来年の260年、その先の270年、280年と10年づつメモリアルを重ねて行って、さてどこまで行けるか・・・。来年のメモリアル、大事に過ごしたいですね!

2006年1月のドレスデン州立歌劇場はこんな白いリボンで飾られていました。(左)、2015年11月の食事会で(右)


2015年11月5のモーツァルトハウス(東京)
シベリウスを楽しんだ夜・・フィンランド放送交響楽団来日公演 その2・・♡♠♤
2日(月)、4日(水)と、モーツァルトから離れてしばしシベリウスイヤー2公演を楽しみました。昨夜はサントリーホール大ホールでの公演でしたが、ブルーローズ(少ホール)では内田光子のスペシャルトーク付きのコンサートも有り、サントリーホールは大勢の人で賑わっていました。

ハンヌ・リントゥ指揮のこの日のオールシベリウスプロも大成功で、大ホールは超満員の大盛況で、最後まで大きな拍手に包まれました。さすが母国の作曲家だけに、「オケの音にはシベリウスが楽譜に残した繊細な様子が現れていると思います。特に弦楽器の音からは、北欧の独特なひんやりとした冷たい情景が浮かんで来るようです」とインタヴューで語る小山裕幾さんの言葉通り、このオケでしか味わえないシベリウスの世界を堪能できた満足感がありました。

アンコールではこの日もソロパートで小山さんはさらに存在感を発揮し、感動の拍手を受ける場面では、こちらがウルウルするほどその活躍を嬉しく思いました。お披露目としてもは大成功だったのではないでしょうか。
首席指揮者ハンヌ・リントゥは2011年の震災の直後、多くの外国人が来日を控えたり、キャンセルする中、「キャンセルする理由がみつからなかった」と来日して指揮したそうで、日本に親しみを持っている指揮者であり、こうして人間性も優れた人のもとで演奏できる小山さんは幸せだし、今回の来日公演でも自らの力を発揮できる場を与えて貰えたことも、実力に裏付けされたものとはいえ、幸せな事・・・・。2016年「東京 春 音楽祭」では、早速「小山裕幾フルートリサイタル」3/26(土)が予定されています。

2015年11月3のモーツァルトハウス(東京)
シベリウスを楽しんだ夜・・フィンランド放送交響楽団来日公演・・♡♠♤
昨夜は、すみだトリフォニーホールでのシベリウス生誕150年記念「ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団」の演奏会へ。自国が生んだ偉大な作曲家シベリウスを知り尽くしたフィンランドを代表するフィンランド放送交響楽団の来日公演を楽しみました。

アンコールで演奏された組曲「べルシャザール王の饗宴」より「ノクターン」では、首席フルーティストの座に就いたばかりの、小山裕幾さんの情緒あふれる旋律を見事に歌い上げた独奏パートがあり感動的でした。シベリウスの交響詩「タピオラ」、「交響曲第7番」、「交響曲第5番」の3曲は、森と湖の国フィンランドを思い起こさせ、さすが身体に沁み込んだ自国の音楽だけに弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器(ティンパニ)で雄大にかつ美しく再現されていて圧巻の演奏でした。ハンヌ・リントゥの指揮は、静かに消え入るように終わる曲の性質を感じさせるもので、それを日本の聴衆も裏切ることなく、余韻に必要な静寂の後におもむろに拍手するという事で応え、演奏者と観客が一つになれた一瞬を体感でき、感動的でした。拍手が鳴りやまず指揮者リントゥは再度舞台に呼び戻される場面も。

明日(11/4)は、サントリーホールにおいて、「フィンランディァ」、「交響曲2番」、諏訪内晶子さんによる「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」が演奏されます。モーツァルト好きの我々ですが、この2公演では、シベリウスの世界をしばし遊泳しようと思います。シベリウスはモーツァルトの109年後に誕生した作曲家です。


2015年10月30のモーツァルトハウス(東京)
昔の恩を忘れず結ばれた良縁・・・・♡♠♤
2015.10.30付:日経新聞朝刊「春秋」より~
『爽快な話である。「空中都市」として人気の高い世界遺産を抱えた、南米ペルー・マチュピチュ村のことだ。世界中から舞い込む「友好都市になってください」との熱烈なラブコールを袖にした末、初めて選んだ相手は何気ない日本の農村、福島県大玉村だった。
▼マチュピチュ遺跡で開かれた式典では、民族衣装をまとったマチュピチュの村長と、紋付羽織姿の大玉村村長が並ぶミスマッチな光景が何とも清々しい。移民としてペルーに渡り、初代村長を務めるなど観光開発に尽力した野内与吉さんが大玉村出身だったことから、マチュピチュ側が提携の話を申し込んでいたという。
▼大玉村のキャッチフレーズは、「大いなる田舎」。安達太良山の裾野に広がる村に、約8500人が住む。平成の大合併の波には乗らず、「住民に日本一近い」村づくりを進める。原発事故による風評被害にも悩まされたが、地球の反対側の国が百年近い昔の恩を忘れずに運んできた良縁で、お祝いムードに包まれている。
▼マチュピチュ村の映像を見ると、純朴そうな人たちに交じって、ナマケモノが映り込んでいる。あまりありがたくない名を付けられたこのユニークな動物は、大量消費や効率第一の生活を見直そうというスローライフの象徴としても取り上げられる。地に足をつけ、信じる道を悠然とゆく。大玉村と同じ発想かもしれない。』

昔の恩義をずっと忘れずにいてくれたなんて・・・、心温まる爽快なお話・・・。いいね!

2015年10月29のモーツァルトハウス(東京)
「ドン・ジョヴァンニ」の新たな魅力への目覚め・・・・♡♠♤
昨日は日本モーツァルト協会主催の講演会がありました。ダ・ポンテ3部作をシリーズで解き明かしてゆくもので、第1回目の「フィガロの結婚」に続き、昨日は2回目となる『’ドン・ジョヴァン二’K527をめぐって』。
田辺秀樹先生の講演会は人気も高く、協会だけではなく内外からも参加者が多く、みんな熱心に聴き入っていました。このオペラは語りつくされたようでいて、新たな発見や解釈の糸口がまだまだ隠されているんだなあと、奥の深さを改めて実感し、最近「フィガロ」に傾きかけていた心が、またぐっと押し戻されてしまった感じです。

初演は1787年10月29日にプラハで行われましたが、1787年は、5月28日のレオポルトの死、その日に至るまでの一連の短調作品の数々、ペットの椋鳥の死に始まり、親しい人達(医師バリザーニ博士や友人ハッツフェルト伯爵)の相次いだ死など悲しい出来事に襲われた、特別な位置づけをされる年でもあります。
モーツァルトは「死せる椋鳥に寄せて」という詩を作っており、如何にこの椋鳥を可愛がっていたかが分りますが、読んでみると、韻を踏んだ中々良い詩で、こんな詩を捧げられた椋鳥は何と幸せ者(鳥)かと思うと共に、悲しみの中にも、おどけた、おふざけのモーツァルトらしさを垣間見る思いがして、出来るならこの詩にモーツァルトらしい曲をつけて欲しかったなと思いました。

又、レオポルトの死の直後6月14日に作曲された「音楽の冗談」は、モーツァルト特有ともいえる反応でレオポルトへの哀悼の意を偲ばせて(忍ばせて)書かれたもので、「音楽の冗談」という曲がこれから我々の中で一気に脚光を浴びそうです。知れば知るほど深くなる、モーツァルトのはかり知れない魅力にはまってしまった思いでしたが、こうして余韻を残して2回目も終了し、次回の講座「コジ・ファン・トゥッテ」のお楽しみにとなりました。

最後は、チェルリーナとドンジョヴァンニの二重唱である「手を取り合って」についても、間奏の2小節にモーツァルトしか書けない珠玉の音符が隠されているという・・・心がとろけてしまう感じやツェルリーナの抵抗が解けてしまう感じを、わずか2小節でそれも間奏で表現した、モーツァルトにしか出来ないメロディとは、果たしてどこでしょうか・・・???

2015年10月28のモーツァルトハウス(東京)

知られざる「ミカド」を味わい尽くす・・・・♡♠♤

「宮さん、宮さん」と歌うオペレッタが有ることをご存知でしょうか。1885年にイギリス人の台本作家ウィリアム・S・ギルバートと、アーサー・サリヴァンによって作曲されたオペレッタで、英語圏だけではなく、ヨーロッパでは有名な、大変な人気を博しているオペレッタなのだそうです。「日本」を舞台にして書かれているにもかかわらず、しかし、日本ではほとんど知られず、また上演機会もないのはどうしてなのか・・・。
モーツァルトのオペラではありませんが、このあたりにも興味が湧き、この「ミカド」を楽しみ尽くすという田辺秀樹先生の講座に参加しています。

1回目はこの作品の成立事情や時代背景などのお話で始まり、2回目は、実際にその上演ヴィデオ(1982年カナダ・ストラットフォード・フェスティヴァル)の1幕を鑑賞しました。とにかく楽しい。外国人の男女がかつらを付け、着物を着て男性は侍そのもの、女性も日本人そのものの格好で、歌い、踊るその舞台光景だけでまず楽しいし、笑ってしまいます。お話はいたって単純ながら、日本を舞台としながら、やんわりと当時のイギリス社会への風刺もあり、ユーモア満載、役者さんの抜群のコミカルな演技や歌は観ていて本当に愉快でたまらない。シンプルながらノリのいい音楽、やっぱりイギリス人はユーモアの本場だなァ~。「ビックリ、シャックリと!」と言う日本語まで飛び出します。

「ミカド」というタイトルから想像の通り、日本の天皇をイメージする故に日本ではなかなか上演の機会を得ないのかも知れません。荒唐無稽でありながら、ヨーロッパの人から見た日本人
、又当時の日本をえがいているのはとても面白いし、興味深いことなのにと思います。(実際日本での上演も全くないわけではないようです)

来月に3回目で最後の2幕を鑑賞して終わりとなりますが、この講座、田辺先生の「この作品をとことんじっくり楽しみ尽くしたいので、1回では終わりそうもなく、成立事情を扱ったイギリス映画「トプシー・ターヴィー(テンヤワンヤ)」(1999年)の映像などもふくめて、2回、あるいは3回にわたって」との言葉通り、3回シリーズとなりました。原宿駅からすぐのカーサ・モーツァルトに於いて行われている講座です。

2015年10月23のモーツァルトハウス(東京)

エッシェンバッハのモーツァルト・・・・♡♠♤
エッシェンバッハ指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の公演が6日にサントリーホールでありました。その記事が日経新聞クラシック欄(23日付)に載っていました。この日の演目の中には、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第23番K488」という私が最も好きな曲もあり、エッシェンバッハの弾き振りでの演奏でした。素晴らしかったようですね。聴きに行って来た方からは何もかも素晴らしかったと聞かされて、ただただ羨ましかったですが・・。ある楽団の定期会員になっているかたからは、ウィーンフィルの響きに魅せられたあまり、その楽団の定期会員を止めたくなったと思った程の衝撃だったとか・・・。芸術一般に言えますが、いいもの、最高のものに触れてしまうと、他がどうしても色あせてしまうということ、よくありますね。だからこそいいもの、超一流を知っておくことも大事といえます。

ウイーンフィルの柔らかな品のいい、それでいて深い音の響きに、たまらなく魅了されてしまいますが、それらを堪能できた公演だったようです。アンコールでは「フィガロの結婚」の序曲を演奏。モーツァルトの冗舌が聴衆を魅了したとありました。この「豊麗な響きと自発的融合」の夢の世界に、いつかまた浸ってみたいですね・・・。♡♠♤

2015年10月22のモーツァルトハウス(東京)
秋を訪ねて・・・銀座むら田~秋の装い展~・・・・♡♠♤
モーツァルトツァーやオペラなどで知り合いになった方々には、よくよくお付き合いを深めていくと多才なご趣味の方が多く、凡人のチャンピオンにもなれない者からするとすごいな~と思って驚くばかりです。モーツァルトツァーがご縁でそれ以来知遇を得ている堀さんもそのお一人。日常もさり気なく和服をお召しになっていて素敵です。そんな堀さんの「堀紀子刺子作品展」が銀座むら田「秋の装い展」の併催として、10月19日(月)~25日(日)まで開催されています。

堀さんはお帽子、編み物、刺繍などご趣味も多彩で、それらは趣味の域を遙かに超え、商品化されているのは知っていましたが、刺し子も・・・銀ブラも久しぶりですし、ぜひお伺いしたいと思っている作品展です。♡♠♤

2015年10月21のモーツァルトハウス(東京)
いよいよです!野田秀樹演出「フィガロの結婚」~庭師は見た!~・・・・♡♠♤
演出家の野田秀樹と指揮者の井上道義がタグを組んで話題を集めたモーツァルト「フィガロの結婚」は、5月~6月の<春期>分が終了し、10月から<秋期>分がいよいよ始まります。奇抜な演出で話題をまいたこの「フィガロの結婚」ですが、春期の評判はどんなだったのでしょうね。秋に観る事を知っていてか、観られた方々も、あまり詳細には感想を語ってくれなかったので、未だに如何なものかと、怖いもの見たさの感が否めませんが。。。
舞台の写真を見る限り、色彩的にもきれいだなという感想。10月22日には追加公演もあるそうですから、人気の高さはうかがえます。

追加公演11/22(木)10/24(土)25(日)の東京芸術劇場コンサートホールでの公演を皮切りに、10/29(木)山形テルサ、11/1(日)名取市文化会館大ホール、11/8(日)メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)、11/14(土)熊本県立劇場演劇ホールと続いて終了します。とにかく観てのお楽しみとしましょうか。


2015年10月19のモーツァルトハウス(東京)

太郎冠者、次郎冠者による「コジ・ファン・トゥッテ」とは?・・・・♡♠♤

狂言とオペラ、日本とヨーロッパの伝統的な芸術が融合し、無類の面白さで人気を博している「狂言風オペラ」、その最新作であるモーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」の来年2月の公演が発表されました。全国6ケ所で上演されます。

狂言風オペラシリーズは、京都の大蔵流狂言師、茂山千之丞らを中心に2002年からスタート。クラッシックの名門ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン管奏ゾリステンの演奏に乗せて、狂言師たちが物語を演じるもの。「コジ・ファン・トゥッテ」の製作に際しては、ウィーン在住の気鋭の演出家、伊香修吾が担当しました。

京の都を舞台にオペラの主人公のフェランドとグリエリモを太郎冠者と次郎冠者に置き換えた脚本を書き下ろし、茂山一門に加え、年来のモーツァルトファンである落語家、桂米團冶(よねだんじ)が特別出演して、オリジナルにはない、語り手という意表を突いたポジションから物語に絡んでいくのだそうです。何とも面白そうです。

2002年からはじまった狂言風オペラシリーズは、「ドン・ジョヴァンニ」(02年)、「フィガロの結婚」(06年)、「魔笛」(09年)と回を重ねていて、2011年には「魔笛」を携えてドイツ公演も行い、7ケ所のステージで大成功を収めています

故茂山千之丞氏が始め、それを受け継ぎ続けられている狂言風オペラ、どんなものか体験してみたいですね。こういう奇想天外なアレンジがいかようにも出来てしまうのが、モーツァルトのオペラの魅力かも知れません。ダ・ポンテ&モーツァルトが手を組んだ「ダ・ポンテオペラ」にはそのエッセンスを特に感じます。観に行きたいですね。♡♠♤

2015年10月17のモーツァルトハウス(東京)
ニュース速報!モーツァルトの手紙が2600万円で落札!・・・・♡♠♤
モーツァルトが親友に宛てた手紙が米競売商RRオークションで21万7000ドル(約2600万円)で落札されたことが、ネット上のニュースで知りました。この手紙は便せん1枚で、「この手紙を運んでくれた人を通じて、私に三つの楽曲を送り返してほしい」とドイツ語で書かれたものだそうです。モーツァルトの作曲した「ピアノ四重奏曲第1番ト短調K478」などを名指しており、曲の完成時期から推定して、手紙は1786年7月~8月ごろ書かれたものらしいです。(時事通信社10/17 6時17分)

RRオークションンによれば、「モーツァルトの手紙は直筆の音楽書類の中でも最も人気が高いが、この手紙は自らの作曲に関して具体的に書かれており、傑出している」と説明している。落札者は米東海岸に住む音楽収集家だそうである。

2015年10月10のモーツァルトハウス(東京)
なかなか辿り着きません!モーツァルト「レクイエム」・・・・♡♠♤
9月の最終回で「そしてモーツァルトの〈レクイエム〉」で、《レクイエムの系譜Ⅱ》が終了となるはずでしたが、10月期に入りⅢのシリーズになった2回目のこの日も、モーツァルトの「レクイエム」を聴くまでには至りませんでした。この日は前回からの続きのミヒャエル・ハイドンのレクイエムからモーツァルトまでの予定でしたが、ハイドンで時間切れとなってしまい、モーツァルトについてはほんの僅かな時間(10分程度)となってしまいました。

海老澤先生の弁を借りれば、モーツァルトの「レクイエム」について、もし講座をするとしたら、1年では終わらない、ちゃんとやったら恐らく3年というお話をされましたが、作曲の依頼主のヴァルザックのこと、作曲中もいろいろあったし、モーツァルト死後直後から始まったコンスタンツェの行動、補筆を最初はアイブラーに依頼、その後はジュスマイヤーへ、完成された後は、ヴァルザックに渡す前に内緒でコピーを取り、ブライトコップフ社(ライプツィヒの出版社)に楽譜を売ってしまうなどなど・・、(結局、1800年にはブライトコップフ社からレクイエムが刊行されてしまうのです)。それだけでは終わらず、1820年代の中頃には、強力にモーツァルトの作品ではないと主張する人が出て来るといった「レクイエム論争」がどんどん続いていく。20世紀になってもでてくる補筆版までお話が及ぶと、もしかしたら3年でも難しいかも知れません。

ミヒャエル・ハイドンは、1763年にザルツブルクで芸術を愛するパトロンである大司教ジーギスムント・シュラッテンバッハのもとで宮廷音楽家に任命され、1771年、この大司教ジーギスムントの死去に際し、ハイドンの最も有名な曲に数え上げられる「レクイエムハ短調」が作曲されました。ちょうど20年後の1791年に書かれたモーツァルトの作品との間には、多くの注目すべき類似点があり、モーツァルトはこの作品を知っていたのを示唆していると言います。

モーツァルトのレクイエムは次回の講義となりましたが、先生はモーツァルトのレクイエムは、葬儀やメモリアルにかなり使われているという特徴に一寸だけ触れられました。
例としては、ボストン大聖堂で行われた1964年1月19日のケネディ追悼ミサ、1988年のバーンスタイン指揮による、夫人の没後10年のメモリアルミサなど。又、ショパン生誕200年没後161年には、モーツァルトを愛したショパンの遺言に従い、葬儀の際演奏されたモーツァルトのレクイエムが、ポーランド・ワルシャワ、聖マドレーヌ教会での追悼ミサでも一部演奏されました。
モーツァルト没後200年の聖シュテファン大聖堂での追悼ミサ(指揮はバーンスタインの予定がショルテイに変更)に於いても、当然ながら自身のレクイエムであった事は言うまでもありません。
次回では、モーツァルトの「レクイエム」をじっくりと聴くのを楽しみに。

2015年10月7日~8日のモーツァルトハウス(小淵沢)

歴史を刻む音楽祭・・・・♡♠♤
北イタリアにきていますと言いたいところですが、ここは小淵沢にあるホテルリゾナーレ。北イタリアの街並を模して作ったという「ピーマン通り」はハロウインのお祭りのデコレーションがされ、蔦も綺麗に紅葉を始めています。間近に迫る3000m級の山並みは八ヶ岳連邦、やはり北イタリアから望めるアルプスの雄姿を連想させます。

ホテルリゾナーレでおこなわれている音楽祭も今年で23回目となりました。毎年決まってモーツァルトを取り上げて演奏して下さるので、モーツァルト好きとしては外せない音楽祭で、2006年から毎年行っています。11時から始まるチャペルコンサート、16時、20時の2部構成のコンサート、22時からはナイトサロンもあり、食事を挟んで一日中音楽三昧でき、音楽漬けとなり、生の音楽を心ゆくまで楽しめる魅力は他ではなかなか味わえないもの。


3日間行われる今年の音楽祭の最後を飾ったのはモーツァルトのピアノ協奏曲第12番K414でした。滅多に聴けない室内楽用に編曲された弦楽四重奏版です。ウィーンから来日のゴートリープ・ヴァリッシュさんのピアノにより演奏されたこの曲は、モーツァルトがウィーンに渡りここで新天地を開こうと意気込んで連続して作曲した最初のピアノ協奏曲3曲のうちの1曲で、とかく20番以降が脚光を浴びがちなモーツァルトの協奏曲、でも10番台にもこんな素晴らしい一度聴くと虜になってしまう珠玉の曲が隠されているのです。そんな曲を聴くことができて本当に幸せでした。それをこの3日間の締めにもってきてくださった岡山潔先生に心から感謝です。

こうして毎年楽しんで来たリゾナーレ音楽祭も、見直しや新しい形でのスタートを考えて来年はお休みするとの事。何事もまた次が有るとは限らず、どんなことでも変わっていくのだという事をつくづく感じました。我々にとって来年は11年目となっていた音楽祭でしたが、一呼吸おいてまた新たな音楽祭としてスタートした年にまた参加できる日を楽しみにしたいと思います。
それにしても、今年の音楽祭の思い出として、K414を聴かせて頂けたことに、岡山先生のみならず、神様、いやモーツァルトさまにも心からお礼を申し上げたいと思いました。感動の締めくくりとなりました。




2015年10月5日のモーツァルトハウス(東京)
おいしいものアレコレ・・・・♡♠♤
皮ごと食べられ、種無しのぶどう「ナガノパープル」は長野県のオリジナル品種。地元長野でも人気で、軽井沢のスーパーでも品薄の状態。でも最近は都内のデパートの食品売り場でも見かけるようになりました。色も形も厳選されているせいか、地元に比べて倍近いお値段をしているので驚きです。シャインマスカットも皮ごと食べられて種無しぶどうでこちらは断トツの甘さ。今ぶどうが美味しいです・・・。

秋田の湯沢に、創業が元和元年(1615年)というから400年の歴史を持つ酒蔵(木村酒造)があり、ここで作れれるお酒は数々の受賞歴があり、小野小町の誕生の地から命名されたという「福小町」は都内の伝統ある名店でもオリジナルブランドとして提供され、味わうことが出来ます。この酒蔵に行かないと手に入らないお酒が「二十三番」というお酒。たまたま都内のデパートで限定販売していて幸運にも思いもかけず買うことができました。

23番と言えばモーツァルトのピアノ協奏曲以外思い当たりませんし、そう発想するのがモーツァルトキチというもの。ピアノ協奏曲23番を聴きながらこのお酒を味わう・・・楽しみですが、さて誰の演奏で聴こうかな~・・・

豊臣家の重臣である木村重成一族がここ湯沢の地で酒作りを始めたのが、現在の木村酒造だそうですが、このあたりは米処で、良質なあきたこまちの生産地でもあり、又稲庭うどんでも有名です。水がきれいなことから秋田美人でも知られた処、お酒も美味しくない筈はない、そんな気がします。



2015年9月18~21のモーツァルトハウス(宇奈月温泉・魚津・金沢)

金沢ぶらり散歩・・・・♡♠♤旅行記その3

音楽祭の2日目は、宇奈月温泉で午後のプレミアムトーク「モーツァルトのオペラを語る」を楽しんだ後、金沢への遠出に同行させて頂くことに。田辺秀樹先生と総勢5人で1台の車に同乗して一路金沢へ。兼六園、近江町市場などをふらつき、夕食は金沢ですませ、この日の宿泊地となった魚津に戻ると言った行程です。

兼六園はみな一度は来たことが有る場所で、私も学生時代に友人と訪れていましたが、それから何十年と経ち、あれからの歳月を振り返り、来し方行く末をぼんやりと考えたり・・・。しかし兼六園は変らずその美しさを保っていて、歴史の重みを感じながら新たに感動を覚えました。赤い毛せんの敷いたお休み処の縁台で一休み。ところてん、あんころもち、くずきりなどで一服した後は、夕刻にもなったので急いで近江町市場へ。ぶらぶらお店を覘き、生ものは買えないので、珍しい珍味などを買い求めました。

金沢はおでんがなぜか名物料理となっていて、先日あるテレビ番組でそれを観て以来、どうしても食べたいと思っていたもの。その念願が意外にも早く叶って、この日は私はおでん定食を頂きました。金沢のおでんの特徴を聞いてみたら、「お出しがこんぶとかつおでとっていることですね。それとお麩が入っている事、(魚介類ではおにめんという特別なおでん種があるようですが、この日は時期的に無しとのこと)そしてやはり練り物が地元のおいしい魚を使う事により、他より数段美味!」とのこと。食してみてそれらの指摘が全て当たっていることに感服し、金沢のおでんの美味しさを堪能。金沢から高速をひたすら走り、すっかり宵も深まったころに魚津到着となりました。

いよいよ21日は音楽祭の最終日、午前中は、魚の駅「生地:いくじ」に行き、昼食は「白かれい定食」、隣接の魚市場でお魚や練り製品を買い出しし、午後は残り少ないモーツァルトの音楽を各会場で楽しみました。15時からは、宇奈月アマデウス祝祭管弦楽団による音楽祭スペシャルコンサートである「交響曲第39番K543」、「レクイエムニ短調K626」を聴いて、3日間に亘る音楽祭は盛況の裡に幕を下ろしました。

今年も、モーツァルトの音楽、人々とのふれあい、温泉、食、金沢への半日でしたがショートトリップまで、欲張って多彩に楽しんだ音楽祭。終わったのにもうまた行きたくなる・・・そんなあったか音楽祭でした。


2015年
9月18~21のモーツァルトハウス(安曇野・宇奈月温泉・魚津)
世界の宝・・・・・♡♠♤旅行記その2
今年はシルバーウィークと重なり、又開通したばかりの北陸新幹線効果もあり、今まで以上の賑わいをみせた宇奈月でのモーツァルト音楽祭。演奏者の一般からの応募者は57組となり、これまでに一番多く県外からも12組が参加し、音楽祭のすそ野の拡がりをも感じました。出演者について今回感じたことは、単に演奏すると言うだけではなく、モーツァルトについての理解や知識も深められ、モーツァルトと言う作曲家に向き合い、愛情込めて演奏しているのを感じたことでした。これは4回目の参加となった我々がこの音楽祭から今年特に感じた点でした。

愛知県から出演した主婦の弦のグループ「コンスタンツェ」は、「モーツァルトの妻の名前を付けている以上、夫(モーツァルト)の実家があるザルツブルクでの音楽祭には是非とも出演したかったから」と挨拶し、夫が汗水たらして働く時間にギコギコと練習を25年も続けていると言うだけあって、K136等の演奏も素晴らしく、主婦として家族を支えながら、こうして趣味の世界でも輝ける女性の姿を眩しく感じました。
又別の会場で聴いた、お琴での演奏「アイネクライネ・ナハトムジーク」の第1~3楽章の演奏では、お琴が3パートに別れ、それに三味線も加わり重厚な日本の輪(和)の雅な演奏に圧倒されましたが、モーツァルトの曲はいかようにもこうして楽しめる事を改めて感じ入りました。この時の三味線の方の言葉として、「天使が書き残したメロディ、それがモーツァルトの音楽」と表現されました。

又別の会場では、フルートとピアノと6人の合唱によって披露された、林光さん作詞作曲の「モーツァルト賛歌」は「あなたの音楽 アマデウス ヴォルフガング モーツァルト いつまでも 世界の宝」と歌う詞と曲が素晴らしく、こんな曲を林光さんは我々に残していてくれたことにこの場で知り、これもこの音楽祭の大きな収穫となりました。

こうして、この温泉地宇奈月はこれからモーツァルトの音楽の素晴らしさを伝え合うふれあいの場になっていくのではと予感しましたが、曲のバラエティも幅広く、崇高でありながら、こんなに敷居を低くしても人々に愛される作曲家・・・モーツァルトの他にいるのでしょうか?


2015年9月18~21のモーツァルトハウス(安曇野・宇奈月温泉・魚津)
今年も行って来ました!宇奈月モーツァルト音楽祭 旅行記その1
富山県宇奈月温泉でのモーツァルト音楽祭は、音楽はモーツァルト限定でアマチュアも参加できるユニークなもの。アマチュアオペラグループによって上演されたオペラ「魔笛」はオケも素晴らしく、出演者全員の日頃の練習の成果がまさに結実し、本番は感動の出来栄えで、大成功の裡に幕を下ろしました。地元の子供たちも賛助出演し交流も生まれました。


軽井沢から上信越自動車道を経て北陸自動車道の黒部インターで降り宇奈月温泉に向かうのですが、今年は、安曇野、大町、白馬を通るルートで糸魚川と並行して走るドライブを楽しみました。さすが北アルプスからの山々の美しさを間近に見ながら走る景色の素晴らしさも堪能することが出来ましたが、安曇野にある「碌山美術館」を訪れたことも特に印象的でした。。

碌山美術館は、享年30歳で亡くなった萩原守衛の作品を展示している美術館で、かねてから行ってみたかった場所。安曇野で明治12年(1879年)に農家の五男として生まれ、ニューヨーク(1901年)、パリ(1903年)、ロンドン(1904年)、オランダ(1906年)まで訪れていて、オランダではフェルメールの絵に感心し、又パリではロダンとの出会いもあり、ロダンの作品「考える人」にも衝撃を受けたという。1907年にはロンドンで高村光太郎と美術館を廻ったりもしました。光太郎は萩原の作品を激賞していた人物で、この美術館の別棟では光太郎の萩原が亡くなった時の悲しみを綴った手紙なども見ることが出来ます。

本郷にあった中村屋を居ぬきで買い取り、新宿に本店を構えパン屋を始めた相馬愛蔵は同じ安曇野の出身で、妻、黒光と共に中村屋サロンを開き、そこには萩原の友人はじめ多くの文化人が出入りし、サロン的雰囲気が醸成された場所で、1910年萩原守衛はこの新宿中村屋にて突然吐血し生涯を閉じました。

碌山美術館には、重要文化財の作品(「女」「北條虎吉」)からパリ時代の数々の貴重な作品が陳列されています。蔦に絡まれたこの美術館(建築家:今井憲次設計)は建物も素晴らしく、優れた芸術家の作品を展示し、またそれを鑑賞するにふさわしい美術館に思えました。水が綺麗で、わさびやそばといった食材の美味しさだけではなく、安曇野にはこの様な芸術家を生む人々と歴史があり、それを育む美しい風景がある事を訪れてみて感じました。こういう土地にこそ文化が生まれるのかなと・・・。まだの方はぜひ一度お訪ね下さい。

2015年9月15のモーツァルトハウス(東京)
ドン・ジョヴァンニにとっての究極の罰は・・・♡♠♤
9月13日に鑑賞した英国ロイヤルオペラ引っ越し公演「ドン・ジョヴァンニ」。彼にとっての究極の罰・・・それは、地獄落ちではなく、「孤独こそが一番の罰」だと、今回来日した英国ロイヤルオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を演出したカスパー・ホルテンは語ります。従って今回のこの公演の最後は地獄落ちではありませんでした。ドン・ジョヴァンニが1人舞台に残された形で孤独を表現し幕が下りました。この演出には勿論賛否両論あるでしょうし、異論を唱えないにしても若干の物足りなさを感じた人もあったと思います。最後の重要なフィナーレとして折角モーツァルトが作曲した音楽があるのですからそれ省く意味ってあるのかなと・・・。

しかしながらそれを除けば、個人的には、孤独を前面に出したドン・ジョヴァンニ像は今までになく新鮮で、憂いに充ちたドン・ジョヴァンニに出会えたことはとても勉強にもなり良かったかなと思いました。音楽もそれを裏付けするように叙情的で好色の色男のイメージのこの作品に新しい色彩を加えた感じがして私にとっては魅力的でした。

「誰とも語り合えず、誰も彼の話を聞いてくれない。彼から夢やイマジネーションを取ってしまえば、何も残らない、全員が去ってしまうことが彼にとっての究極の罰。舞台にひとり取り残されたドン・ジョヴァンニのほうが、地獄の炎を赤々と示すよりずっと意味のあることなのです。」と演出家が描くドン・ジョヴァンニの孤独感、この役をダルカンジェロはいい感じで演じきってくれたように思います。

オペラグラスであまり観ない私が、これを通してダルカンジェロの表情をずっと追ってみていて、こんなに憂いに充ちたドンジョヴァンニを演じたダルカンジェロに今までにない魅力を感じました。
ドン・ジョヴァンニ役と言うと当世のドン・ジョヴァン二歌いのクヴィエチェンと比較しそうですが、どちらがいいかは後は好みかなと・・、演出によってもいかようにも印象が変るという感じがしました。

豪華な歌手陣についてもあれこれ文句のつけようもなく、巨匠パッパーノ指揮のロイヤルオペラハウスの繊細な音にも満足し、「出待ち」と言うものを今回初体験しました。私服に着替えてタクシーに乗り込んで帰るダルカンジェロに「ブラヴォー」と叫んで手を振って見送りするという集団の中で、小さな声で私も叫び手を振って・・オマケの楽しい体験でした。。

2015年9月14のモーツァルトハウス(東京)
旅での成果をすぐ形にするモーツァルトのすごさ!・・・♡♠♤
英国ロイヤルオペラ引っ越し公演「ドン・ジョヴァンニ」の感動の興奮も冷めやらぬ翌日の昨夜は、オペラ公演のオケであるロイヤル・オペラハウス管弦楽団メンバーによる室内楽の演奏会に出かけました。
曲目は3曲、前半にディヴェルティメントK138、K136、後半はヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364(弦楽六重奏版)。会場は東京文化会館小ホール。オペラの感動を引きずったままでしたが、又室内楽の品格のあるサウンド、脅威のテクニックに圧倒された演奏会でした。

1769年12月~71年3月に第1回目のイタリア旅行、1771年8月~12月にミラノを訪問(第2回目のイタリア旅行)と続いたイタリアへの旅行の直後の、1772年に完成されたディヴェルティメントK136~K138は、モーツァルトがイタリアで受けた影響をすぐさま作曲に生かした作品といえます。又1779年に作曲された協奏交響曲K364も、その直前の1777年9月~79年1月に訪れたマンハイム・パリ旅行での影響を色濃く反映している作品で、モーツァルトは旅先での成果をすぐさま作曲に生かしたという証明にもなる名曲揃い。

又演奏者たちが所属する英国ロイヤル・オペラハウス管弦楽団は、ロンドンを拠点としていて、ロンドンといえば、神童時代の西方への大旅行で、J.C.バッハやアーベルから生涯に及ぶ影響を受けた、ある意味モーツァルトの原点といえる町で、この日のコンサートはモーツァルトの旅の足跡が刻印されているプログラムといえますね。(参考:当日のプログラム解説)

K136、138はイタリアの太陽や海や、吹いてくる風までをも感じさせる演奏で、ピッチも早くとても軽快!、そしてこの日の出色は弦楽六重奏版のK364でした。1807年(1808年という記述もある)にウィーンで出版された編曲者不明の版。ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ2の編成を、今回はチェロを1にし、コントラバスが入り、よりオケの重厚な音の編成に近くなった感じがしました。名手揃いの6人による演奏は見事で、ソロ部分であるヴァイオリンとヴィオラが編曲版ではヴァイオリンをヴィオラが受け持ったり、ヴィオラ部分がチェロだったり、又カデンツァも各奏者に振り分けられていたり聴きごたえ充分!「協奏曲の室内楽版」というより、「協奏曲の原型を生かした室内楽」といったもの。

第一ヴァイオリンのヴァスコ・ヴァッシレフは史上最年少23歳の若さで伝統の英国ロイヤル・オペラハウスのコンサートマスターに任命され、世界3大ヴァイオリン・コンクールを10代で全て入賞した経歴の持ち主。類まれなテクニックと繊細なかつ重厚なサウンドが今でも心に鳴り響いています。室内楽だからこそ味わえた醍醐味。「ドン・ジョヴァンニ」の感動に更に感動の上塗りの一夜となりました。

2015年9月13のモーツァルトハウス(東京)
この秋のテーマ!「ダ・ポンテ3部作」・・・♡♠♤
学習院生涯学習センターでの秋講座が開講し、加藤浩子先生の「モーツァルト=ダ・ポンテ・オペラの過去と現在」の講座が始まりました。第1回目は勿論「フィガロの結婚」でした。
全6回でこの後「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トウッテ」をそれぞれ2回ずつとりあげ、解説及び名演を紹介してくれます。

一方、日本モーツァルト協会主催の講演会は、田辺秀樹先生による「ダ・ポンテ3部作をめぐって」で、9月25日(金)~3回シリーズで始まります。
第1回目のテーマは「フィガロの結婚」~パイジェッロ作曲の『セヴィリアの理髪師』との関係、省略されがちな第4幕の2つのアリアなどをめぐって~

どちらも興味深くこの秋楽しみな講座です。この秋は「ダ・ポンテ3部作」の季節で、しっとりとこのモーツァルトの傑作オペラの3作に浸り、とことん味わい尽くしたい気分です。でも、味わっても味わいきれないでしょうが・・・。新たな一面の発見もあるやも知れません・。。。それも大いなる楽しみです。

2015年9月12のモーツァルトハウス(東京)
ヨハン・アードルフ・ハッセのあたたかさ・・・♡♠♤
12歳の少年モーツァルトを知り、その才能を高く評価し、将来を確信しながら、周囲にその大切な芽を大事に育てて行ってくれと陰ながら温かい思いやりの目をもって見ていた人物がいました。ヨハン・アードルフ・ハッセ(1699-1783)です。ハッセはハンブルク生まれのドイツの作曲家で、イタリアでオペラ作曲家として活躍後、ウイーン、ドレスデンで宮廷楽長として活躍し、1768年にウィーンでモーツァルトとヴァン・スヴィーテン男爵の許で知り合いました。


「私は当地でザルツブルク大司教楽長のモーツァルト氏なる人物と面識を得ましたが、才知に富み、明敏で、世慣れた人物です。・・・・この人物は娘と息子を一人ずつもっています。・・・息子の方はたかだか12歳か13歳にしかなっていないのに、こんな年頃で作曲を能くし、しかも音楽を完全にマスターしております。この子のものだという作品を見ましたが、確かに稚拙なものではなく、12歳の少年のものとは思われませんでした。・・・・・少年は美しく、元気で、やさしく、かつ礼儀正しいので、彼を識ってしまうと、好きにならないでいることはなかなか困難です。確かなのは年齢に応じての然るべき進歩がみられるならば、父親が彼をあまりに度をすごして可愛がったり、またこれが私の一つだけ恐れている点ですが、行き過ぎた賛辞でもって彼をほめそやすあまり、そのことで彼を台無しにしないかぎり、この子は驚嘆すべき人物となることでありましょう。」(海老澤敏著:「モーツアルトの生涯」白水社、1984年より)

この手紙はヴェネツィアの知人オルテス師にハッセが書き送った手紙の一節です。1771年10月16日には、ミラノ大聖堂でとり行われたフェルディナント大公とモーデナ公女との婚儀の祝典行事として、ハッセのオペラ「ルッジェーロ」が上演され、そして続く17日には、モーツァルトの祝典劇「アルバのアスカーニョ」K111が宮廷劇場で初演されました。モーツァルトの「アルバのアスカーニョ」は大好評を博し、大公と妃からも拍手喝采を送られ、バルコニーから「ブラヴィッシモ、マエーストロ」と叫ばれたという。モーツァルトの方がハッセのオペラを打ち負かした結果で終わった訳ですが、これより数年前にハッセは知人にこの様な手紙を送っていた人物だったのです。


2015年9月8のモーツァルトハウス(東京)
今年もあったかい!湯の街ふれあい音楽祭・・・♡♠♤
9月に毎年富山県宇奈月温泉で開催される「湯の街ふれあい音楽祭@宇奈月」は、プロもアマも参加できるユニークな音楽祭です。山や川に囲まれた宇奈月は、モーツァルトの生誕地であるザルツブルクに似ていると感じていた街の有志がこの音楽祭を始めました。今年で6回目を迎えていて、内容も年々充実しています。漸く先日パンフレットが届きました。企画、運営全て地元のボランティアの人々がされているのですから大変で、今頃は準備でてんてこ舞いの日々なのでは・・・。北陸新幹線が開通して迎える今年の音楽祭、果たしてどんな賑わいになるのか。楽しみにお伺いします。

最終日の9/21(月)にメイン会場である宇奈月国際会館セレネ大ホールでのコンサート以外は、こんなにたくさんいろいろな場所で、いろいろなモーツァルトを聴くことができるのに、
全て無料です。温泉有り、名水ポークというブランド豚、ます寿し、白エビのかき揚げ有り、その上モーツァルトのメロディがこだまするという、富山宇奈月温泉ならでは音楽祭、地元の方とのふれあいは温泉以上にあったかです。♡♠♤


2015年9月6のモーツァルトハウス(東京)

コンサート・アリアK505のきらめき・・・♡♠♤
久しぶりにコンサートアリアK505「どうしてあなたを忘れられるだろうか/心配しなくてもよいのです。愛する人よ」を聴いて来ました。十数曲あるモーツァルトのコンサート・アリアの
なかでとりわけ光り輝く作品です。

「フィガロの結婚」のスザンナ役の初演時のソプラノ歌手であるナンシー・ストレースがイギリスに帰っていく時にモーツァルトがその別れの時に贈った曲で、演奏時間が約11分の曲です。
「フィガロの結婚」がウィーンのブルク劇場で初演された1786年の翌年の1787年2月23日に、この曲はナンシーの告別演奏会の折に初演され、その時にモーツァルトはオブリガートのピアノのパートを弾きました。
この日は「海老澤敏レクチャー・コンサート2015~華麗なるモーツァルトの饗宴~モーツァルトのオペラーアリアと重唱の饗宴」という題で西東京市保谷こもれびホールで開かれたコンサート。このコンサートの最後を飾ったのがこの曲でした。

とかくこの曲からナンシーとモーツァルトは恋愛関係にあったのではと憶測する解釈もあるそうですが、いつも海老澤先生はきっぱりとこの後世の人々の解釈を否定されます。
しかしながら、ピアノのオブリガートとソプラノの声部と交わす美しい対話を聴いていると、モーツァルトとナンシーの舞台上の姿を、我々聴衆は250年を超えた今でも想像すらしてしまう程、ロマンティックな曲なのです。別れの思いを見事に表現した素晴らしい作品で、コンサート・アリアでこれほどきらめく作品は他にはないだろうと思いました。

2015年9月2のモーツァルトハウス
メト・ライブビューイング2015ー16・・・♡♠♤
メト・ライブヴューイング2015-16が発表されました。寂しいというか、残念と言うべきか、モーツァルトのオペラが1本も入っていません。実際の上演は「フィガロの結婚」(2016年2月~3月)、後宮からの誘拐(2016年4月)と2本あるので、せめてどちらかだけでもライブヴューイングで扱って欲しかったですね。プッチーニが3本も入っていても、私たちモーツァルト好きは何か本当に寂しい。。。。


2015年9月1のモーツァルトハウス
ここはフィンランド???・・・♡♠♤
メルヘンの世界に行って来ました。森と湖の国フィンランドです。と言いたいところですが、ここは長野県小海町の松原湖畔。軽井沢からおよそ45㎞の小海線の小海駅からほど近い松原湖畔に「ヤルヴィホール」があると日経新聞でピアニストの舘野泉氏が紹介していたのを読んで以来、いつか行ってみたいと思っていた場所です。舘野氏も実際ここで毎年リサイタルをしています。

辺りには高原の風が吹き、湖面を渡って吹いてくる風もまた爽やか!コスモスや月見草が咲いていて、ここにも小さな秋がもう始まっていました。「ヤルヴィホール」はあたりの景色にマッチした可愛いホール。高原のコンサートを今度はいつか聴きに来たいと思いました。


とんがり帽子の建物は「サウナ」です。


2015年8月31のモーツァルトハウス
ロイヤル・オペラ公演が近づいています!・・・♡♠♤
英国ロイヤル・オペラの来日公演がいよいよ始まりますね。オペラ「ドン・ジョヴァンニ」も勿論楽しみですが、9月19日(土)には「ドン・ジョヴァンニ」の出演メンバーによる贅沢なコンサートもあります。指揮はパッパーノ。演目はモーツァルト「レクイエム」を中心に、ディドナート、ダルカンジェロ、ヴィラゾンなどによるアリアで、超豪華です。19時開演、東京文化会館大ホールです。こんなに豪華なモーツァルトプログラムなのに、この日は別のモーツァルトで私たちは宇奈月温泉です。残念。。。。
オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の公演は9月13日(日)、17日(木)、20日(日)、NHKホールです。
ちょうど来日中の英国ロイヤル・オペラハウス管弦楽団メンバーによる室内楽も楽しみです。こちらは9月14日(月)、東京文化会館小ホール、日本モーツァルト協会主催のコンサートです。ディヴェルティメントK136、138、ヴァイオリンとヴィオラの為の協奏交響曲K364(弦楽六重奏版)が演奏されます。こちらも聴き逃せません。

2015年8月30のモーツァルトハウス
小さな秋が始まっています・・・♡♠♤
栗の実が落ち始め、木々が色づき始めています。。。




2015年8月29のモーツァルトハウス
久しぶりの草津音楽祭は美しきフルートの音色から・・・♡♠♤
「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」は今年で第36回目を迎えています。夏のこの時期2週間草津温泉で毎年開催されています。ここ2年ほど行く事ができなかったので本当に楽しみにしてこの日は草津温泉へ。この日は今人気上昇中のウィーンフィル首席フルーティストのカール=ハインツ・シュッツさんがこの音楽祭に初登場され、モーツァルトのフルート四重奏曲第1番、2番、そしてシューベルトの有名な「しぼめる花による序曲と変奏曲」他を演奏する魅力的なプログラムでした。ヴァイオリンは元ウィーンフィルのウエルナー・ヒンクさんらによるウイーンの薫り高い演奏でした。

ちょうどこの日は草津に滞在していらした天皇皇后両陛下が軽井沢にお帰りになる日で、天狗山周辺でちょうど日の丸を降ってお見送りできました。草津音楽祭では毎年お見えになる両陛下と同じコンサートを鑑賞する幸運に浴したことも何度かありました。警備の方は大変でしょうが、草津音楽祭ならではの幸せな体験となります。

この日聴いたシュッツさんのフルートは限りなく澄んだ美しい音色で、それに加えて秀逸なテクニック、余りに安定した音色等が、彼の醸し出す雰囲気と相まって聴く者の心に深く響くものでした。終わってから主人が「パユと人気を二分して行くだろうな~」とぽつんと言いました。

草津音楽祭の初舞台を踏んだシュッツさん、これから毎年登場するのでは?と思い期待したいですね。
01年から04年までシュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団、05年から11年までウィーン交響楽団の首席フルーティストとして活躍、シュルツさんの亡きあと、ウイーンフィルへの入団はオーデイションンだったとか、これは草津音楽祭の事務局長である井坂紘氏の弁です。
こんな素晴らしいモーツァルトのフルート四重奏曲を聴き、モーツァルトの音楽の素晴らしさもありますが、それをこれ以上望むべくもない演奏で再現してくれた演奏に出会えた至福の時間でした。。。♡♠♤


2015年8月8日のモーツァルトハウス(東京)
レオポルト1世の楽才と、モーツァルト12歳作曲のオペラに酔った夜・・・♡♠♤
「レクイエムの系譜1」の後期の講座が始まりました。バロックの傑作を聴く(その1)と題されたこの日はそのタイトル通り、バロック期1600年代~1700年初めのレクイエムを聴きました。フランチェスコ・カヴァツリやヨハン・カスパル・ケルル、マルカントワーヌ・シャルパンティエなどの曲を順を追って聴きましたが、講義の最後に聴いたレオポルト1世(1658年~1705年)作曲した「レクイエム」が心にずしんと響きました。

これは、15歳で幼くしてハプスブルク家へ嫁ぎ、レオポルト1世と結婚したスペインのマルガリータ・テレサ(スペイン王フェリーペ4世の娘で、ベラスケスの絵が傑作として残っています)が22歳で亡くなり、その若きお妃を悼んで皇帝自身が作曲した「レクイエム」です。レオポルト1世は、オペレッタを自作自演したばかりではなく、多くのアリア、教会音楽、バレエなども作曲し、その中には今日なお演奏されているものもあるほど、楽才に長けた皇帝でした。

バロック芸術の開花はハプスブルク家が、パトロンとして、又愛好家としてその発展を支えましたが、レオポルト1世のように、王家自身である歴代の皇帝(フェルデナント三世、ヨーゼフ1世、カール6世と続く皇帝)がその才に恵まれてきたという大きな要因もあります。この亡き妻を悼む「レクイエム」は政略結婚とは言え若くして嫁いできたマルガリータを愛おしむ皇帝の愛に溢れた曲に聴こえ、彼女が8歳の時描かれたというベラスケスの傑作を見ながらそのような気持ちになりました。

この日はまだ続きがあり、某会議室で続いての講義がありました。「みてくれの馬鹿娘」と訳されていたが最近は「おぼこ娘を装って」というタイトルになった、モーツァルトの12歳の時にかいたというオペラのお話です。

このオペラは1768年にウィーン来訪の際に、皇帝ヨーゼフ2世からモーツァルトにオペラを書かせてみないかと勧められたレオポルトが飛びつき、モーツァルト自身もかいてみたいと答えて作曲されたものですが(1768年1月のお話です)、結局さまざまな妨害により上演されずじまいに終わってしまったオペラなのです。レオポルトがヨーゼフ2世に拝謁し、当時の劇場興行師ジュゼッペ・アッフリジョ(1719~1787)に対する訴状まで手渡し(この訴状の草案は現在英国グラスゴー大学図書館に所蔵)解決しようとしましたが、結局叶いませんでした。

この「《ラ・フィンタ・センプリチェ》上演妨害事件」の真相は何処にあるかは後世の私たちには不明だそうですが、モーツァルトがウィーンで全曲このオペラを仕上げたこと、それが上演されずに徒労に終わった事だけは事実なのです。

このオペラ、上演の機会など全くと言っていいほどありませんが、2006年モーツァルト生誕250年記念の年のザルツブルク音楽祭でのM22のDVDを鑑賞するしかありません。若い男女の愛のからみ、そして結ばれるというストーリーのオペラ音楽を、モーツァルトはわずか12歳で表現しました。恐るべし!です。音楽による感情表現の天才ぶりに言葉もなかった夜となりました。


2015年8月3日~4日のモーツァルトハウス(蓼科高原)
高原の夏その2・・・♡♠♤
軽井沢から八千穂高原、麦草峠と通るメルヘン街道をひたすら走り、蓼科高原へとドライブ旅行に出かけました。ここで開かれている「蓼科クロイツェル音楽祭」を聴くためです。先月モーツァルトハウスで演奏して頂いたピアニストの大須賀恵里さんが、ヴァイオリニストの景山誠治さん・裕子さんご夫妻と主宰している音楽祭で今年で6回目になるそうです。

ペンション・クロイツェルは緑の中に建つ素敵な空間で、まさにこちらもリゾートコンサートの味わいです。大好きなモーツァルトのバイオリンソナタK301を、景山誠治さん&大須賀さんのデュオで聴くことができました。又景山裕子さん&大須賀さんによるサラサーテ・ツィゴイネルワイゼンなどとても素敵なコンサートでした。翌日からヴァイオリンの講習会が始まり、その後最終日9日(日)には受講生の発表会もあります。私たちは音楽の余韻に浸りながら大門街道で一路白樺湖へ。

ザルツブルク近郊のザルツカンマーグートにいます!と書きたいところですが、ここは白樺湖畔。翌日はホテルハイジで一休みをして、メルヘン街道のドライブを帰りも楽しみ軽井沢に戻って来ました。標高2200メートルの麦草峠では気温は17度まで下がり、高原の涼しさを満喫!一時の清涼剤ともいえる短いドライブ旅行でした。


2015年8月1のモーツァルトハウス
高原の夏その1・・・♡♠♤
涼を求めて軽井沢へ来ています。日中の日差しは強くても、朝晩は気温もさがり、天然の涼風を浴びて眠れるのは本当に幸せ!ひととき都会の猛暑を忘れて過ごせそうです。

追分にある「堀辰雄文学記念館」では、1日(土)、2日(日)の両日講演会を兼ねて「リゾートコンサート」が開かれていました。
信州から独自の文化を発信しているクラシック演奏家ユニット、「ムージカ・エマセネポー」の面々の演奏を久しぶりに聴きました。彼らは軽井沢近郊在住の演奏家で結成されたユニットで、楽器が揃わないハンディを、編曲版を使ってモーツァルトのクラリネット協奏曲などを演奏していて、いつもそのひたむきさとたゆまぬ努力に感動して、私たちも陰ながら応援しています。元気そうな笑顔に久しぶりに会えて嬉しかったです。


信濃追分は宿場町として栄えた場所で、今でもその名残があり歴史を感じるそんな場所です。トウモロコシ畑もあってのどかな感じです。


2015年7月30のモーツァルトハウス(東京)
暑中お見舞い申し上げます・・・♡♠♤
連日猛暑日が続いていますが、熱中症にはお気をつけてお元気にお過ごしください。
冷たい飲み物でも飲みながら、モーツァルトのセレナーデやディヴェルトメントなどを聴いて、爽やかな気持ちでこの夏を乗り切りましょう。フルート四重奏曲も良いですね。


2015年7月24日~26日のモーツァルトハウス(札幌・小樽)
洗練された街・札幌~北前船北の玄関口・小樽・・・♡♠♤

札幌では、「ふきのとうホール」でのオープニングフェステイヴァルの一つである「小山裕幾リサイタル」を鑑賞。無伴奏を2曲、その他ピアノ伴奏で4曲、アンコール1曲と、小山さんはテクニックと表現力を余すところなく発揮してこれらを熱演してくれました。札幌の人たちもフルートの若き新鋭に大きな拍手を送っていました。ピアノ伴奏はすっかり息の合った斉藤龍さんで、お二人とは終了後CDの販売&サイン会があったので、少しお話出来て嬉しかったです。

多くの人から小山さんはその類まれな才能を絶賛されていて、この数年間の海外での努力とその才能によって世界的な演奏家に成長されたんだなと実感。もう私たちが追いかけてあちこち顔をださなくても、更なる高みを目指してどんどん進んでいくんだろうな~と嬉しさとちょっと寂しさと・・・。11月のフィンランド放送交響楽団の来日公演では首席フルーティストとして、日本での初舞台をきっと立派に果たされるんだろうなと思いました。(11/2(月)すみだトリフォニー大ホール、11/4(水)サントリー大ホールで公演)

ふきのとうホールのロビーには、音楽監督の岡山潔先生の大きな写真パネルがあり、又ロビーの天上側面にはふきのとうをモチーフにしたレリーフが印象的で、ホールは220席ほどの白木をあしらった品のいい響きに溢れたホールで、こんなホールのこけら落とし公演に来られたのも小山さんのお陰だし幸せでした。(写真はだから最高の笑顔に私はなっています)

札幌2日目は小樽へ。この日はあいにくの雨で、午後には強くなり、小樽の街は傘をさしての散策となりました。金融の街、経済の街だった小樽は銀行の支店も多く、日銀を始めそれらの建物は「小樽歴史的建造物」に指定され、今も残っていて、ノスタルジックな小樽の街並みを描き出しています。それらをぶらぶらと散策して、北一ガラスのお店で買い物などしていると時間もあっという間になくなり、お目当てである「海鮮丼」を食べて、早々に新千歳から羽田へ、そして家路へと着きました。
うに、いくら、かに、ボタンエビなど本場での味は格別で、今回の旅を豊かなものにしてくれました。次は今度はゆっくりした日程で、また北海道行きたいです!

2015年7月23日~24日のモーツァルトハウス(函館)

スリリングだった函館空港、そしての函館の夜・・・♡♠♤

羽田空港を飛び立った飛行機は、函館空港が視界不良のため、新千歳空港か、もしくは引返しますとのアナウンス付きでした。羽田にまた戻ることを考えてハラハラもしましたが、運よく函館空港に無事着陸成功し、いよいよ3泊4日の旅が始まりました。

夜に登った函館山からの夜景はやはりきれいでしたが、最近は海外から、特に中国からの観光客が目立って多いのにも驚きでした。赤レンガ倉庫が建ち並ぶレトロなベイエリアに建つホテルがこの日の宿泊先。翌朝は客室の窓から正面に見える函館山の景色を眺めながらのコーヒータイムも格別でした。ホテルはもと函館常備倉だった建物(現:安田倉庫)で、当時のレンガやランプ、建物の梁などそれを生かしてホテルに改修されたもので、趣のあるものでした。NHKの「ブラタモリ」で放送された八幡坂や旧函館区公会堂、旧相馬邸などクラシカルな建物などを散策して、札幌へ。


2015年7月22日のモーツァルトハウス(東京)
全てにわたってモーツァルト尽くしの夜・・・♡♠♤
モーツァルトの極上の音楽と、モーツァルトゆかりのワイン、そしてモーツァルトが食したとされるお料理を楽しもうという、贅沢で稀有な、「モーツァルトの音楽とワインを楽しむ会」が開かれました。

当主直々のこだわりのワインリストに依れば、スタートであるスパークリングワインは、ヴィニョーブル・ギョーム・フリュット・アンシャンテで、フランス語で魅了する笛=「魔笛」という意味のスパークリングワイン、その芳醇な香りにまず魅了されました。次の白ワインは醸造所に本格的なオーディオシステムを構えたジェラール・メッツの2013年のもの、ラベルには楽譜が印刷されています。次は、モーツァルトやハイドン、ベートーヴェンが飲んだとされるエスターハージー伯爵家の辛口白ワイン、お料理が肉に移ったところで、赤ワインは、まずアマデウス(2007年)と名付けられたもの、次は100%マルツェミーノ種で作られた、ポイエーマ2011 ローズィ・エウジェニオ、そして極めつけは、アルマヴィーヴァ(2007) ムートン&コンチャ・イ・トロという「アルマヴィーヴァ伯爵」に由来して命名されたワインで、ラベル「Aimaviva」の文字はボーマルシェ本人による直筆を使用している現在入手困難で価格も上昇中の超レアもの。

お料理は、モーツァルトが少年時代身体が弱く、レオポルトがよく飲ませたという薬膳スープ(コンソメ出しに、食用菊、パセリ、ホウレンソウ、溶き卵、サワークリーム)に、キジ肉料理、旬の桃とマスカルポーネの生ハム巻、その他、さまざまな心づくしのお料理の数々・・・。

音楽はモーツァルトが流れ、集まった方々はモーツァルト好き、お酒も、お料理も全てがモーツァルト尽くしのおもてなし頂き、夢心地ともいえる一夜になりました。

モーツァルトさんはこんな私たちを天上でどんな思いでご覧になっているのでしょう・・・。そんなことを想像しては、またもう一度ゴージャスだったあの時間を思い出しています。本当にお招きいただき有難うございました。モーツァルトさんに出会え、どれ程人生が豊かになったか・・そんな我が人生に思いを馳せた一夜でもありました。

2015年7月22日のモーツァルトハウス(東京)
コンサート付き函館・札幌・小樽の旅・・・♡♠♤
明日から北海道旅行が始まります。このようなコンサート付きでの国内旅行は今年になってからは始めて。六花亭の札幌本店「ふきのとうホール」でのオープニングフェスティヴァル(2015.7.5~7.31)の7月24日(金)のプログラムである、「フルートの新鋭小山裕幾リサイタル」を聴きます。

小山裕幾さんは、地元新潟県長岡でのリサイタルも7月11日(土)に無事大盛況のうちに終えて、今度はこのオープニングフェスティヴァルでのリサイタルに臨みます。ピアノは斎藤龍さん、曲目は、シューベルト:ソナタ第4番イ長調D574、C.・P・Eバッハ:ソナタイ短調、P,ゴーベル:フルートソナタ第1番他が演奏されます。
明日は函館に1泊し、札幌に向かいます。海鮮尽くしに舌鼓をうち、北海道の夏、そして北の都ふきのとうホールでの音楽を楽しんできます。


ふきのとうホールは音響技術の粋を極めた本格的なコンサートホールで、221人席と小さな室内楽専用のホールですが、舞台は広く、独奏から室内オーケストラまで多種多様な編成の演奏を、ゆったりとした座席で楽しめ、音響面では、美しく豊かなホールトーンと当時に、繊細な音色の変化や演奏者の息づかいまでが聴く人に伝わってくるよう設計が施されているホールと紹介されています。こんなホールが札幌駅前に誕生したなんて、どんなホールかまず体験しに行かなくては。。。。
六花亭のお菓子も、忘れずに買って来ます!


2015年7月20日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト=ダ・ポンテ・オペラの過去と現在・・・♡♠♤

学習院生涯学習センターでの秋講座で、加藤浩子先生の「モーツァルト=ダ・ポンテ・オペラの過去と現在」の講座が始まります。
2015/09/12~2015/12/12まで、土曜日、11:00~12:30 全6回です。

【講座詳細】
モーツァルトが詩人ダ=ポンテと組んで創作した3作のオペラは、オペラ史上不朽の名作として知られています。この講座では、その3つのオペラ《フィガロの結婚》《ドン・ジョヴァンニ》《コジ・ファン・トウッテ》をそれぞれ2回ずつとりあげ、オペラの原作との関係も考察した作品解説と、この半世紀の名演のご紹介を行います。

作品解説だけではなく、名演の紹介は興味の湧くところです。ヨーロッパ各地、又メトなどの名演出、名指揮者、名歌手など様々名演を実際現地で体感し、鑑賞されている加藤先生ならではのダ・ポンテ・オペラの過去と現在・・楽しそうですね。。。

2015年7月17日のモーツァルトハウス(東京)
高原の風!草津音楽祭・・・♡♠♤
しばらく行っていなかった草津音楽祭に、今年は久しぶりに行ってみます。今年のテーマはモーツァルトとあまり関係なく、プログラムにも殆どモーツァルトの曲は登場しないのですが、それでも心地好い高原の風を思いっきり肌に感じながら味わうこの音楽祭の魅力はたまりません。

16日~30日までおよそ2週間行われる音楽祭の、今年のプログラム8月29日(土)には、ウィーンフィルの新星首席フルーティスト、カール=ハインツ・シュッツの初リサイタルがあり、W・ヒンク(Vn)、S・シューリンガー(Va)、大友肇(Vc)とモーツァルトのフルート四重奏曲1番、2番他を演奏します。

行き始めていた頃(10年位前)は、全席自由席で、ゆっくり好きな席に座り、空席も多かったこの音楽祭も、今では売出しと同時にチケットを申し込まないと売り切れになってしまう程になりました。
今年で36回という歴史をもつ音楽祭で、1980年にヴァイオリニストの豊田耕児氏を音楽監督、音楽評論家の故遠山一行氏を実行委員長で始め、日本で最初の夏の音楽アカデミー(講習会)とフェステイヴァル(演奏会)です。
13日にすみだトリフォニーホールで聴いた、アンサンブル・ウイーン=ベルリンのメンバーによるモーツァルト管楽器の協奏曲の演奏会で、フルート協奏曲のソリストとして登場したシュッツさんの、草津音楽祭でのフルート四重奏曲も楽しみです。

草津まではちょっとと言う方は、東京でも公演ががあります。9/1(火)には日経ホールで、草津と同じメンバーでの「フルート四重奏曲集CD発売記念演奏会」があり、フルート四重奏曲1番~4番+フルート四重奏曲ヘ長調K370(原曲:オーボエ四重奏曲)が演奏されます。こちらはフルート四重奏曲が5曲も演奏されるという豪華版です。


2015年7月16日のモーツァルトハウス(東京)
ピアノ協奏曲第12番K414を聴ける日・・・♡♠♤
モーツァルト作曲のピアノ協奏曲の10番台の見直しが始まっています。コンサートで取り上げられるのは20番K466以降が多く、今まであまり脚光を浴びずに来ました。隠れた名曲群と言えますね。ウイーンに移り住み最初に取り組んだ第11番、12番、13番もモーツァルトらしい旋律に充ちた素晴らしい曲です。今年のリゾナーレ音楽祭の最終日にこの12番K414が演奏されます。それもこの音楽祭のフィナーレの曲として。室内楽に相応しく、岡山潔弦楽四重奏団とピアノはG.ヴァリッシュさん。いつも愛聴している盤もピアノと弦楽四重奏の編曲版なので、このアレンジで生で聴けるので本当に楽しみです。10/8(木)のプログラムの最初は、ピアノとヴァイオリンのためのソナタホ短調K304です。(ヴァイオリンが漆原朝子さん、ピアノは小林道夫さん)


今年もリゾナーレ音楽祭楽しみです。。。。

2015年7月16日のモーツァルトハウス(東京)
広がっていくモーツァルトの輪!・・・♡♠♤
この度開催の「初夏の爽やかコンサート in Kruizawa」にご来訪頂いた茂木和行さん(現在聖徳大学文学部教授)が、ご自身の「哲学のたのしみ」というHPにモーツァルトハウスへの訪問記を載せてくださっています。

大学ではモーツァルトに関する講座も開催されていて、こちらの方にも是非お伺いしたいと思っています。


2015年7月13日のモーツァルトハウス(東京)
夢のコラボ・・「オール・モーツァルト・コンチェルト・プログラム」・・・・♡♠♤アンサンブル・ウイーン=ベルリン&新日本フィル  19時開演
ウイーンフィルとベルリンフィルの木管の首席奏者から集う、アンサンブル・ウイーン=ベルリンが、モーツァルトの5曲の協奏曲(ファゴット協奏曲変ロ長調K191、オーボエ協奏曲ハ長調K314、ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495、フルート協奏曲第1番K313、クラリネット協奏曲イ長調K622)を演奏するという夢の様なプログラムのコンサートが、この日すみだトリフォニーホールで行われました。

ウイーンフィルとベルリンフィルの普段は交わる事の無い両雄が融合し、垂涎のスター奏者が顔を並べるだけではなく、モーツァルトの管楽器の協奏曲を聴かせてくれるのですから、正にドリームコンサートといえます。前日軽井沢から戻り、猛暑の中出かけました。

「プログラム」
ファゴット協奏曲変ロ長調K191・・・リヒャルト・ガラー(ウィーン響首席)
オーボエ協奏曲ハ長調K314・・・・・クレメンス・ホラーク(ウィーン・フィル首席)
ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495・シュテファン・ドール(ベルリン・フィル首席)
フルート協奏曲第1番ト長調K313・・・・・・・カール=ハインツ・シュッツ(ウィーン・フィル首席)
クラリネット協奏曲イ長調K622・・・アンドレアス・オッテンザマー(ベルリン・フィル首席)

指揮:ハンスイェルク・シュレンベルガー、管弦楽:新日本フルハーモニー交響楽団

モーツァルトのこれらの協奏曲は、どの楽器に於いてもコンクールの「本選」の課題曲にもなっているもので、鑑賞して素晴らしいだけではなく、教材的な要素もあるということでしょうか。
当日のプログラムには「演目は各楽器の最重要レパートリーであり、18歳から35歳に亘る作品ゆえ、天才的な楽器用法と作曲技法の進化を同時に知ることができる。・・・」とありました。

休憩を挟んでの後半の2曲は、フルート協奏曲とクラリネット協奏曲でした。個人的には、叙情的な旋律を、時にはうたうように美しい音色で聴かせてくれたウィーンフィル首席奏者によるフルート協奏曲が特に印象深く心に残りました。どの楽器の協奏曲も、モーツァルト作曲を超える作品は未だ誕生していないだろうし、今後100年経っても、200年経っても色あせることなく、永遠に輝き続けるものであると確信したコンサートでもありました。♡♠♤

2015年7月10日のモーツァルトハウス
「初夏の爽やかコンサート in Karuizawa」その2♡♠♤
今回ご出演して頂いたピアノの大須賀恵里さんは「蓼科クロイツェル音楽祭」を主宰者でもあり、8/3(月)にはヴァイオリンの景山誠治さん、裕子さんと共演するコンサートが蓼科で行われます。
又、松田理奈さんは、2001年の日本モーツァルト音楽コンクールで第1位を最年少(中学生)で受賞し、それ以降まだ最年少記録は破られていないそうで、その後第73回日本音楽コンクールヴァイオリン部門1位、鷲見賞、黒柳賞なども受賞された経歴の持ち主。ピアノの大須賀さんを先生と慕い、共演を重ねています。

ソナタK454はヴァイオリンソナタの中でも代表作のひとつといえるもので、田辺先生も曲紹介で、ヴァイオリンの名手であるストリナザッキのためにモーツァルトが作曲し、モーツァルト自身のピアノパート譜は時間がなくまだ完成していなく、即興的なものであったなどお話され、演奏にも期待が膨らみました。そうして始まったお二人の演奏は素晴らしく、今でもその演奏を思い出すだけて幸福感が蘇ります。ちっぽけな、ちっぽけなモーツァルトハウスですが、お話と鳴り響いた音は極上でした。

コンサートのあとは、皆様との歓談の時間となりました。ソプラノ歌手の川口聖加さんが歌を披露して下さり、ピアノ伴奏は田辺先生でした。メンデルスゾーンの「歌の翼に」やモーツァルトの「すみれ」などを歌って下さり、美しい歌声に聴き入ってしまいました。田辺先生はこの後もピアノでウイナーリーダーを何曲か弾いて下さり、さすがウイーンのホイリゲ(ワイン酒場)で知られた「酒席ピアニスト」の異名をもつ田辺先生です。歓談の場を大いに盛り上げてくださいました。

盛りだくさんの内容となって「初夏の爽やかコンサート in Kruizawa」の幕がおりました。皆様のお陰です。ありがとうございました。♡♠♤

写真等は後日にも記載します。

2015年7月10日のモーツァルトハウス

郷土の銘酒・刈穂大吟醸!・・・♡♠♤

今回のイヴェントの来訪者に、同郷秋田の方がいらっしゃいました。日本海側の本庄のご出身だそうです。同郷の人は親族を除いたら初めてですよとお伝えしてしまいしましたが、以前お一人横手の方がお見えになっていました。横手は冬の行事「かまくら」で有名な所で、8月末に行われる「大曲花火大競技大会」で有名な大曲市のすぐお隣に位置しています。

お二人目の来訪者から思いがけずに、秋田の銘酒「刈穂大吟醸」を頂戴しました。辛口で淡麗な飲み口の我が郷土が誇る銘酒です。厳冬の冷気のような透明感のある香り、淡麗ながら力強さを秘めた味わいがあり、キレのある後味が特徴だそうです。くくっといきたいですね。。。。


2015年7月10日のモーツァルトハウス
大イヴェント・・「初夏の爽やかコンサート in Karuizawa」その1♡♠♤
5日の東京でのコンサートを終えて、翌日には軽井沢にとんぼ帰りした私たち。いよいよモーツァルトハウスでのイヴェント、「初夏の爽やかコンサート in Karuizawa」の開催の日を迎えました。前日まで連日の雨、雨、雨・・・。そんなお天気を恨めしく思いながらこの日の準備をしていましたが、しかしながら、お天気は前日夕方から急激に回復し、この日は朝から前日までの雨が嘘の様な晴天!!モーツァルトさんも微笑んでくださったのでしょうか。。。。。。

今回お迎えしたのは、ピアノの大須賀恵里さん、ヴァイオリンの松田理奈さんと言った実力派の演奏家で、お集まりになった方々は、東京、軽井沢在住の音楽仲間や、お隣り山梨県の甲府や小淵沢の友人、そして清里からは田辺秀樹先生にもお出で頂き、プログラムは勿論オールモーツァルト。ソナタ2曲(K379、K454)、ロンド2曲(K373、K269)の名曲揃いで、田辺先生によるプレトークでは、曲解説までして頂き、何とも贅沢な時間となりました。
20人ほどの聴衆を前にして、お二人の演奏は息もぴったりで(共演は数え切れないだろうお二人)、モーツァルトのヴァイオリンソナタの深~い世界を、美しい絵画の様に彩って下さいました。本当に素晴らしい演奏でした!



モーツァルトハウスが久しぶりにピアノとヴァイオリンのモーツァルトの美しい旋律に包み込まれ、夢を見ている様な至福の世界でした。モーツァルトの薔薇は、この日を待っていたかのように咲き続けていて、愛らしいピンク色でご来訪の方々の目を楽しませていました。♡♠♤その2に続く

2015年7月4日のモーツァルトハウス

歴史的なイヴェント、モーツァルトピアノ・ソナタ全曲演奏会・・♡♠♤

日本モーツァルト協会の創立60周年記念行事として行われた、軽井沢大賀ホールでの「モーツァルト ピアノ・ソナタ全曲演奏会」が、7/4(土)~5日(日)に渡って1日2公演ずつ4公演開催されました。ソナタ全曲を、横山幸雄さんと仲道郁代さんの2人のピアニストによって演奏されるというのも画期的なことだし、イ短調K310の名曲を2人のピアニストが演奏するという夢の競演まであるのも珍しいもの。
5日に東京での大事なコンサートがある為、我々は1公演のみを聴き、その日の内に、後ろ髪を惹かれながら東京に戻ってきてしましましたが、終了後は、百数十年の歴史ある老舗ホテルである「万平ホテル」に於いて、仲道郁代さん、横山幸雄さんの両氏に三枝成彰代表も加わっての「モーツァルトを語る夜学(夕食付)」もありました。これに参加した方から大変な盛り上がり様で、いつかゆっくりその時のお話をしてくださるそうなので、それを楽しみにしている所です。

春にはモーツァルト交響曲全曲演奏会がサントリーホールでありましたが、その時にも感じましたが、今回のソナタ全曲演奏会でも、全曲を作品順に聴くことにより、その変遷ぶりが学べ、どの様にモーツァルトはピアノソナタというジャンルに取り組んでいったかがよくわかる、又とない機会だったと思います。最後の作品K576へたどり着いた瞬間はどんなだったか、その演奏に立ち会いたかったな~と残念に思います。

最近は、漸く協会でも親しくお話出来る方も増えて来て嬉しく思っていますが、大賀ホールに向かう途中に、そのご夫妻が一寸モーツァルトハウスに立ち寄って下さいました。ご自宅のアトリエで、時にはモーツァルトのオペラのDVD鑑賞会やコンサートを開き、その後ワインにとてもお詳しいご主人が厳選のモーツァルトに合うワインやお料理で楽しむパーティもしていらっしゃるのだそうです。メトで大評判となったクヴィエチェン主役の「ドン・ジョヴァンニ」を次回鑑賞するそうで、お招き頂いていて、嬉しいです。♡♠♤

2015年6月27日のモーツァルトハウス(東京)
難行だった!レクイエムの系譜1が終了しました・・♡♠♤
4月開講の海老澤敏先生の朝日カルチャー新宿教室の講座「レクイエムの系譜」の前半がこの日終わりました。〈レクイエム〉とはなにか(1回目)から始まり、中世における死者追悼ミサの始源(2回目)、グレゴリオ聖歌の〈レクイエム〉(3回目)、中世末期の〈レクイエム〉の様態(4回目)、〈バレストリーナ様式〉をめぐって(5回目)、ルネッサンス期の死の想念(6回目)と、一連の内容で講義を受けましたが、「大学院生が受ける講義内容、いやそれ以上かも」といった声も聞かれ、本当にアップアップの授業でした。でもこれは尊敬に値するべきことで、周囲の殆どの方々は本当に熱心に、食い入るように先生の講義に耳を傾けていて、後ろで見ていてその姿に感動すら覚えました。きっとこの場所で、海老澤先生からしか拝受出来ない内容ゆえ・・・と誰もが自覚しているからこそなのでしょう。

次回から後期に入っていき、ようやくというか、やっとと言うか、バロック期の〈レクイエム〉にお話は移っていきます。バロックから古典派と進み、最終日の9月26日には、聴講生の誰しもが待ちに待った、【そしてモーツァルトの〈レクイエム〉】となります。ホッ。。。。

2015年6月26日のモーツァルトハウス(東京)

満天の星屑・・モーツァルトピアノ協奏曲♡♠♤

モーツァルト協会主催、礒山雅先生の「モーツァルト協奏曲」の講演会がいよいよ最終回を迎えました。ピアノ協奏曲は大好きなジャンルなので、さまざま興味深い角度から曲を分析、その創意を考察して行くお話には、毎回引き込まれずにはいられませんでした。最終回では、1785年2月10日に作曲した第20番K466から第27番K595までが取り上げられました。

先生が鑑賞用として選んだCDは、アンドラーシュ・シフのピアノ演奏(第24番だけブレンデル)。シフは1953年ハンガリー生まれで、軽いタッチとセンスの良さでバッハや、モーツァルト、シューベルトなどの演奏を得意としているピアニストです。その演奏を私も好んでいて、CDを何枚か持っています。楽譜を追いながら、それにCDもかけて説明される先生の考察にも引き込まれますが、どの曲もその旋律の美しさが際立っていて、出来ればもっと長くこのまま聴き入ってしまいたいと思う場面が何度もあり、早速家に帰り改めて聴いたりした次第です。そういう人は多かったかも知れませんね。(チョイ聴きは辛いです。。。)

ピアノを習っていた主人は、ずっとピアノ嫌いでした。これは私の勝手な憶測ですが、年の近い兄と一緒に通わされ、上手だったお兄さんと比較されることあって、そんなことでピアノが嫌になっていたのかも知れません。二つ違いの姉がいる私も何かと私より上をいく姉と比較され、沈むことも多々あったので、何となく次男と次女同志として、その深層心理は分からなくもありません。(余談でした・・・)

でもそんなピアノアレルーギーの主人が、モーツァルトの20番K466を聴き衝撃を受け、それ以来、ピアノ協奏曲は私と同じく、好きなジャンルになりました。そういう個人的な意味でも、20番は凄い威力がある曲なのです。その時たまたま一緒に聴いていた女性が聴き終わった時に「椅子から立てない!」と言ったのだとか。それほど素晴らしいモーツァルトのピアノ協奏曲第20番、21番もいいし、22番、23番、24番は三大ピアノコンチェルト言われているもので、(三大交響曲に先行するものとして存在)、25番(ちょっと不遇?)、26番(戴冠式、今は演奏機会が少ない、でも又復活有り?)、27番(控えめでほのぼぼの調)など。どの曲も満天に輝く星屑のようです。

20番台のまとめとしては、ピアノとしての「大協奏曲」の発展は24番で終わったと思われ、以後の楽曲は、むしろのびやかに自己を発揮する多様性の徹底と化して行ったのだそうです。モーツァルトは何かに解き放されたのかも知れません。第27番は、技巧的な華やかさから歌に辿り着き、「歌う様式」へ変遷した結果、「幸福感」に満ち溢れた独特の世界が築かれたのだとか。27番はピアノ協奏曲の終わりとするにふさわしく、シンフォニーのジュピターに対応する位置づけになるのだとか。そうなんですね。背景には宮廷作曲家としての地位を得たという充実感もあったのでしょうか。この頃からもうピアノ協奏曲は、モーツァルトの創作の中心ではなくなって行き、違うジャンルに興味の対象を移していったことになります。。。

3回共、夢中で受講した楽しい有意義な講座でした。礒山先生にお礼を申し上げたい。


2015年6月25日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトさんも好物??美味しいさくらんぼ・・♡♠♤
甘くておいしい果実の宝石ともいうべきさくらんぼが届きました。山形の村忠果樹園さんからの産直ですから嬉しいですね。男性ながら甘酸っぱいさくらんぼが好物と知って友人がこうして送ってくれます。果樹園さんのメーセッジによれば、今年は遅霜がおりたことから粒は小さめながら、味は濃厚とのこと。今年もルビー色の果実を目でも味わい、味でも満足で幸せを感じていいます。

日本では佐藤錦が主ですが、さくらんぼは日本ばかりの果実ではないんですね。さくらんぼの歴史をWikipediaで見てみると、桜桃の一種であるセイヨウミザクラはイラン北部からヨーロッパ西部にかけて野生し、また別の品種であるスミミザクラの原産地はアジア西部のトルコ辺りで、有史以前から食べられていたのだそうです。原産地の推定は、1世紀までさかのぼり、古代ローマの執政官が現在のトルコに駐屯した際さくらんぼの木を見つけて、ローマに持ち帰った、これらが始まりで、それがヨーロッパ諸国に伝わり、16世紀ごろにはイギリス、ドイツ、フランスで普及し、イギリスでは英語で(chery)となり、17世紀にはアメリカ大陸にも伝えられました。このセイヨウミザクラが日本に伝えられたのは明治初期で、ドイツ人によって北海道に植えられたのが始まりとか。そこから北海道、東北地方と伝わったのですね。

佐藤錦は、ナポレオンと黄玉の交配育成した山形県の佐藤栄助さんに因み、1928年に命名されました。日本のさくらんぼは、味も形も世界に誇れるものでしょうね。16世紀にはヨーロッパで普及していたのですから、モーツァルトさんもきっと食べていたのでは?日本の佐藤錦のさくらんぼ「赤の宝石」食べさせたかったですね。。。。


2015年6月22日のモーツァルトハウス(東京)
冨山県は食の宝庫・・・♡♠♤
JAFMate7月号の「今月の自慢旅」に冨山県黒部市の特集記事が載っていました。9月にモーツァルト音楽祭が富山県宇奈月温泉であるので、ここ数年毎年訪れている場所です。「美味しい水があるところにおいしい酒があって、おいしい米があって、おいしい豚があってあたりまえや、」。このおいしい豚とはここ黒部で養豚されている名水ポークのことです。「豚の種類も違う、エサも違う、愛情も違う、何より水が違う」と養豚家の人の言葉。北アルプスから流れる黒部川の水が地下水となって豊富な湧き水となる。美味しい筈です。
豊富な湧き水で特に有名な地区が「生地(いくじ)地区」で、ここには「生地:魚の駅」があって、水揚げされた魚を直売していて、調理して食べさせてくれる食堂もあるので、宇奈月温泉からも近いのでお昼を食べに行ったりできます。自慢の名水ポークは宿泊するホテルで提供してくれていますが、この名水ポークは生産量が極めて少ないので、食べたくなったら黒部に行くしかありません。。。。


2015年6月21日のモーツァルトハウス(東京)
森はキツツキ(あかげら:啄木鳥)の働き場・・・♡♠♤
時々早朝5時位になるとキツツキが軒裏や外壁をつつく音で起こされます。すぐ窓を開けて「やめなさい!」と叫びますが、こんな日が続く時もあります。留守中はこんな声がどこからも聞こえないので好きなだけつついて穴を空けているのでしょうか。「啄木鳥」は「木をついばむ〈啄ばむ〉鳥」の意味だとか。

森の中に住んでいるので、これは日常かも知れません。。。。鳥がガラスにぶち当たって脳震盪?を起こしたり、薪ストーブに煙突から野鳥(やまがら)が舞い込んだり、カマドウマやカメムシは自分たちの生活空間と思って遠慮なく出て来ます。東京に戻り、キツツキは家主がいなくなった家で、あれからもゆっくりついばむ行為を続けているのか。。。ちょっと気がかりです。。。

2015年6月20日のモーツァルトハウス
モーツァルトの薔薇が咲き始めていました・・・♡♠♤
久しぶりに訪れましたが、今モーツァルトハウスは緑一色に包まれています。どこかしこ緑の木立です。そんな中にピンク色のモーツァルトの薔薇だけが緑にピンク色を添えています。この可愛らしい薔薇は今年は例年より早い様でもう咲き始めています。長~く楽しめたらいいな~。

イチゴも可愛らしい赤です。あま~いです。。。


2015年6月16日のモーツァルトハウス(東京)
小さな音楽堂「ヤルヴィホール」・・・♡♠♤
小諸と小淵沢を結ぶ小海線は標高の高い地点を走る鉄道路線としても有名ですね。この小海線にほぼ並行して渓谷と緑豊かな山間を走る国道141号線は快適なドライブコースでもあります。毎年リゾナーレ音楽祭へはこのルートを利用して軽井沢から小淵沢に向かっています。
この途中小海町に、八ヶ岳を仰ぎ、眼下には松原湖を見下す絶景の地に小さな音楽堂「ヤルヴィホール」が建っています。

ヤルヴィとは、フィンランド語で湖のことだそうで、21年前にオープンしたホールだそうです。6/11(木)付けの日経新聞「あすへの話題」にピアニストの舘野泉さんが紹介記事を載せています。スタンウェイのピアノの楽器の選定とオープニングコンサートを自身がされ、それ以来毎年コンサートなども続けているのだそうです。まだ行ったことがなく、こんな小さな幸せの空間でのコンサートに、いつか参加できたらいいな~と思います。

2015年6月15日のモーツァルトハウス(東京)
札幌[ふきのとうホール」は完売・・・♡♠♤
今年の夏新しくオープンする「ふきのとうホール」は、お菓子で有名な北海道の「六花亭」の札幌本店に出来たコンサートホールで、7月にオープニングフェステイバルとして5日~31日までほぼ毎日ここをホールにして演奏会が開催されます。北海道のベストシーズンでもあり、内容の豊さからチケットは全て完売です。2/22にすでに紹介済みですが、岡山潔先生が音楽監督を務められています。
5/4日に岡山先生主宰の「TAMAフォーラム」の公開レッスン&コンサートに参加した際にも、お話がでて先生も「人気のようですね」とおっしゃっていました。
幸い早い時期にチケットは手配していたので、こんないいシーズンにコンサートを兼ねた北海道旅行が実現しそうです。函館から札幌、小樽と定番ですが短い北の都の旅を今から楽しみにしています。コンサートを兼ねた地方への旅はたまらない魅力です。。。

2015年6月13日のモーツァルトハウス(東京)
~庭師は見た!~新演出は?・・・・♡♠♤
話題性が高く、公演前から演出に期待と不安のまじりあった気配を感じる、井上道義指揮&野田秀樹演出の「フィガロの結婚」の副題は~庭師は見た!~。こんな副題からして何か奇抜な演出がありそうな予感がしてくるのですが・・・。ぶらあぼ6月号に特集記事が載っています。

物語の結末やいかに?
井上氏いわく「僕は喜劇で終わらせてほしいと言っている」のに対して、野田氏「どうしてもフィガロの結婚は「許しましょう-」で終わるけど、そこで終わるのかっていう気持ちがどうしても残って、ドキドキしちゃうんですね。・・・・結末は僕の中では決まっているけど、それを井上さんにも納得してもらって、観る人聴く人が納得できるような形になったら提示しようと思っています。最終的にどうなるかは幕が上がってからのお楽しみですね」

5/26(火)の金沢歌劇座の上演を皮切りにすでに始まっているこの「フィガロの結婚」は、大阪、兵庫、高松公演も終わり、6/17(火)の東京での公演で〈春編〉が終わることになります。10月から〈秋編〉へと移っていき、各地を回りますが、東京芸術劇場の公演に行く予定の我々ですが、先日は大阪での公演を観たばかりの方から「ネタバレ」にならない程度に感想を聞きました。。。。。


2015年6月11日のモーツァルトハウス(東京)
ロイヤル・オペラハウスの室内楽・・・・♡♠♤
9月から2016年6月までの日本モーツァルト協会の例会のラインナップが発表されました。9月は「マクベス」、「ドン・ジョヴァンニ」の日本公演で来日中の英国ロイヤル・オペラハウス管弦楽団メンバーによる室内楽コンサートがあり、こちらは特に聴き逃せないものになっています。曲目はディヴェルトメントニ長調K136、ヘ長調K138、ヴァイオリンとヴィオラの為の協奏交響曲変ホ長調K364で、曲目も魅力的です。

その他、2016年3月の例会では、フランスの至宝ミシェル・ダルベルト(ピアノ・指揮)によるピアノ協奏曲K466、467や、5月はオペラ「魔笛」などもあり、又2月の「フリードリヒ・ラムへの贈り物」では、モーツァルトの親友であったオーボエ奏者フリードリヒ・ラムのために作曲したオーボエ協奏曲や四重奏曲、又4月は「ブルネッテイとストリナザッキ」で、ヴァイオリン・ソナタのプログラムが続いています。

2015年6月5日のモーツァルトハウス
緑たけなわの軽井沢・・・・♡♠♤
軽井沢はアカシアの花がちょうど満開でした。軽井沢の気候に適しているのか、アカシアの木が多いですね。今その花が盛りです。

又、スーパーではルバーブが店頭に並び始めました。酸味が強く、ジャムにすると甘さと酸味が抜群のハーモニーを奏で、ヨーグルトに入れても、パンに塗っても美味しくて、毎年ジャム作りをしています。季節感を感じますね。

ざく切りにし、お砂糖をまぶして一晩おき、煮て出来上がり!いたって簡単です。甘酸っぱさがたまりませんね。

2015年6月5日のモーツァルトハウス
メト・ライブビューイングアンコール上映・・・・♡♠♤
メトのライブビューイングアンコール2015で、8/8(土)から人気作を一挙上映します。もう一度観る方、見逃した方、鑑賞のチャンスです。上映日程表を確認の上スケジュールをたて、観に行きましょう!モーツァルトのオペラは「魔笛」「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」が上演されますがどれも名作揃いです。

2015年5月27日のモーツァルトハウス(東京)
楽都ザルツブルクが生んだアンサンブル・・・・♡♠♤

昨日は東京文化会館大ホールでのアイヴォー・ボルトン指揮の「ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団」の公演を聴いて来ました。ハイドンの交響曲「王妃」に始まり、モーツァルトのオペラのアリアを4曲をフランスのソプラノ歌手、サンドリー・ピオーが歌い、最後はモーツァルト交響曲「リンツ」でした。

ボルトン指揮するザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団はさすがモーツァルトの生誕地に生まれた楽団だけあって、モーツァルトの香りがただようもの。それもその筈、1741年にコンスタンツェの援助のもとに地元市民の手によって創設された楽団で、1908年に現在の名称となり、1958年以降はザルツブルク市の経済援助を受け活動しています。ボルトンは2004年よりその首席指揮者を務めています。

昨夜のコンサート会場で入手したちらし。沢山ある中には、既にチケットを入手したものから、これから行って観ようかなと思うものまで、様々・・・。
その中に9月に来日する「ハーゲン・クァルテット」のチラシがありました。モーツァルト弦楽四重奏曲第21番「プロシャ王第1番」ニ長調K575その他を演奏します。「ハイドン・セット」も良いけれど、「プロシャ王」にもいい曲があって、特にこの1番のK575は大好きな曲です。弾むような明るいメロディに元気を貰えるいい曲です。

モーツァルトが1789年の北ドイツへの旅行で、プロイセン王フリードリッヒ・ヴィルヘルム2世にポツダム宮殿で会い、直々に依頼を受けたと考えられています。3曲作曲しました。チェロを弾くアマチュアの音楽家だった王のために作曲したので、チェロの活躍を意図して書かれています。そのあたりが特徴的な曲でもありますね。

2012年1月のザルツブルクの「モーツァルト週間」で、モーツァルテウム大ホールでこの曲:K575を聴きました。この時の演奏も「ハーゲン・クァルテット」でした。懐かしいのでまた聴いてみたいです。「ハーゲン・クァルテット」もザルツブルクで誕生したクァルテット。彼らは皆モーツァルテウム音楽院出身です。♡♠♤

2015年5月24日のモーツァルトハウス(東京)追記

パンフレットが届いています。・・・・♡♠♤

8月から10月にかけて各地で音楽祭が盛んですね。毎年行っているものから、時々行っているもの、まだ行ったことがないものまで様々・・。「第36回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」、「湯の街ふれあい音楽祭モーツァルト@宇奈月」、「リゾナーレ音楽祭2015」のパンフレットが届いています。それぞれの魅力がいっぱいで、その土地でしか体感できない音楽との出会いも楽しいものです。旅先での人との出会いもまた嬉しいですね。

草津音楽祭の今年のテーマは「1815年ウィーン、ビーダーマイヤー時代、1915年ドビッシーと20世紀の音楽」。今から100年、200年を遡った時代の音楽史を、二週間のコンサートで辿ります。♡♠♤

2015年5月24日のモーツァルトハウス(東京)
公開レッスン&コンサートを楽しむ!・・・・♡♠♤
昨日は玉ちゃんバスで行く岡山潔先生主宰の「TAMA音楽フォーラム 室内楽セミナー」に参加しました。気持ちのいい気候の中、緑の多い多摩丘陵の美しい住宅地の中に建てられた音楽施設で、時々参加していますが、今ではこの環境を訪ねることも、参加の魅力になっています。

さて、昨日はヴィオラ奏者の今井信子さんによる公開レッスンで、受講曲は「モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364」です。このモーツァルトの名曲を今井信子さんという名ヴィオラ奏者はどう指導されるのかなど、この日のレッスンはとても興味をそそられる要素がいっぱいあって、とにかく楽しみにしていたものです。会場は定員をオーバーしていて、その人気の程が伺えました。

第一楽章、第二楽章、第三楽章と3チームのヴァイオリンとヴィオラ奏者が、弦楽四重奏(弦楽四重奏版に編曲されたもの)を伴奏にして演奏し、レッスンを受ける形式です。受講生は愛知県立芸術大生、東京藝術大学生、ベルリン芸術大学卒業生やジュネーブ音楽院の修士課程修了者なども含まれています。

今井先生の指導で興味深かったのは、モーツァルトの音楽の理解力の深さでした。やはりまず大事なのはそこなんだなと思いました。「広ーい大きな世界で」とか「音が天からまい降りてくる様なイメージ」とか「ここは自由にしていいのよ、モーツァルトのオペラって面白いでしょ。いろんなところでうたっていて、それで一つの音楽になっている」とか。モーツァルトを演奏するにはこれが大事な所だな~と。又「まじめすぎる」と指摘されたりするのを聞くと、ああやっぱりモーツァルトは遊び心がないと・・・と思ったり。こちらも受講生の気分になって、つい身を乗り出してしまう場面も・・。。いつもいつも聴きなれているK364でしたが、改めて名曲だと思いました。ひとつの指摘でその後の音が変わる・・音大生の凄さも垣間見ました。

第2楽章アンダンテの指導の場面で、「ここはだ~い好きな所、あんまり好きだから終わって欲しくなくて、若い時にはゆっくり弾いていたの。でもそれは野暮だって気が付いて(笑)早すぎるのは良くないけど、ある程度のテンポも大事よ!」との今井先生のお言葉、本当に楽しかったです。

2015年5月23日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトピアノ協奏曲はオペラティック!・・・・♡♠♤
モーツァルトはウイーンに移り住み輝かしい作曲活動の歴史を残しましたが、その中で16曲のピアノ協奏曲を作曲し(交響曲は6曲)、1784年には6曲作曲しました。その6曲というのは、ちょうど自身作品目録を作成し始めた1784年2月9日作曲の第14番から始まり、1784年12月11日の日付を持つ第19番迄のものです。この後作曲される20番以降、27番までの曲がとかく脚光をあび、演奏会でもよく取り上げられ高い評価を得ている様に思いがちだが、後期の作品にはばらつきがあるのに対し、実はこの6曲の充実こそにもっと目を見張るべきという点が、昨日の磯山先生の講演会での一番印象的な所でした。この6曲の14番からの画期的な進歩は目覚ましく、順を追って特徴を示しながら曲を聴きましたが、次第に充実して行く様は、誰の耳にも明らかに伝わって来たのではと思います。管楽器を効果的に使い、時にはオペラのアリアの如く歌い、又飛翔する、モーツァルトのピアノ協奏曲はむしろ交響曲よりもオペラティック!・・・と表現されました。

《ジュノム》の先例はあるが、ウイーンでは第18番の第2楽章に、短調楽章が見られるものの、20番でこのジャンルで初めて短調(ニ短調)の作品が生まれました。19番から2ケ月後でどうしてこうもがらりと音楽性の違う作品が生まれのか。その辺(あたり)の分析もありましたが、これからが頂点と思わせながら次第にピアノ協奏曲の作曲数は減少して行きます。その意味するところは次回の講座に持ち越されました。次回の考察が楽しみです。
この日の質問にもありましたが、20番を挟んでそれ以前の作品が充実していて、むしろそれ以降は必ずしもそういう作品ばかりではないという先生の見解に同感した人も多かったように思います。
20番以前の作品ももっと演奏会で演奏されるべきと強く思いましたが、今年の「リゾナーレ音楽祭2015」のプログラムを見ていたら、偶然にも第12番K414を取り上げているのを見つけました。(それも10/8の最終日のトリです)さすが岡山先生と思いつつ、ピアニストさんはジュネーブ音楽院教授のゴットリープ・ヴァリッシュさんで、岡山弦楽四重奏団との共演です。貴重な演奏会になるのではないでしょうか。。。


2015年5月21日のモーツァルトハウス(東京)
ピアノ協奏曲を聴く喜び・・・・♡♠♤

明日は礒山雅先生の講演会「モーツァルトのピアノ協奏曲~その発展史をたどる」の2回目。前回は少年期からウィーン時代の初頭まででしたが、時間の関係で1779年作曲の第10番K365まで話され、ウィーン時代の曲については、明日の2回目の講演に持ち越されました。

ザルツ時代の最後のピアノ協奏曲K365は、2台のピアノ用の協奏曲で(結構珍しい)、有名なヴァイオリンとヴィオラの為の協奏交響曲K364の次の作品になります。この二曲について礒山先生は、複数ソロのコンチェルトはこの時期に集中し、以後はなく、これは当時の流行への対応だったとしています。流行に敏感だったモーツァルトが窺えます。

ピアノ協奏曲のジャンルとしての発展は、ウイーン時代に持ち越されるとのことでしたが、いよいよ明日はこのウィーンで最初に作曲した曲、第11番~13番のお話に移っていきます。
この3曲は連作のK413、414、415で、最近特に気に入って聴いている曲です。CDに3曲連続して入っているので、すっかりこの3曲の魅力に浸っています。今では3曲続いて聴かないと物足りなくなっている位ですから、モーツァルトも続けて聴くのを意識していたのかも知れません。ピアノ協奏曲は素人が聴いても楽しく、玄人が弾いても楽しいと言う、モーツァルトが最も力を入れ、得意だったジャンルだったのでしょう。この後も傑作揃いです。

以前からこの連作の中でも第12番K414が特に人気が高いと言ってきましたが、もっとものびやかな旋律で優雅な姿が、のちのイ長調K488にも表れ、イ長調がこの23番K488で完成された感じがします。それにしても私にとってピアノ協奏曲は大好きなジャンルで、ピアノ嫌いだった人もモーツァルトのピアノ協奏曲で考えが変わったといいます。
この3曲の最後の作品、ハ長調K415もスケール感があって、モーツァルト節炸裂!で、素敵な曲なのです♡♠♤


2015年5月19日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトオペラ「赦し」の極意・・・・・♡♠♤
2012年12月にメトで上演されたモーツァルト最晩年の傑作オペラである「皇帝ティートの慈悲」を鑑賞しました。WOWOWで放送され、それを録画したものです。以前2013年1月にライブヴューイングで観ていましたが、素晴らしかっただけに再度鑑賞できて幸せでした。それもオペラサークルという仲間が集まってじっくりオペラを鑑賞する有志の会に誘って頂いたお陰で、こうして楽しい時間を共有させてもらっています。

始めに宮本亜門、八嶋智人による対話式のオペラの説明などもあって、初めて鑑賞する人には解説的な役割にもなっていて効果的だし、凡そは知っている者にとっても開幕まで期待が膨らむような番組作りになっていました。

モーツァルトのオペラの演出も多い演出家の宮本氏は「赦し」こそモーツァルトのオペラの特徴といい、どのオペラにも「赦し」があると・・・。「フィガロの結婚」しかり、「後宮からの誘拐」「イドメネオ」「魔笛」と、深い愛をもっての人間同士の「赦し」がフィナーレにあり、それが感動的な音楽となって我々に届きます。他の作曲家のオペラにはない要素ではないでしょうか。

そんな「皇帝ティートの慈悲」は、モーツァルトが亡くなる直前に作曲した最後のオペラ。皇帝レオポルト2世の戴冠式の祝典の為のオペラとして、プラハから依頼され、1791年9月6日にプラハのエステート劇場で初演されました。愛や悲しみ、嫉妬、憎しみ、友情など、人間の感情の全てを音で表現しつくした傑作と言えます。ティートはジュゼッペ・フィリアノーティ、ヴィッテリアは、バルバラ・フリットリ、セストはエリーナ・ガランチャ、演出はポネル、指揮はハリー・ビケット。最高の演出と歌手、演奏が揃えば、素晴らしい舞台になる、それを証明するような舞台でした。
そして、3月に観たオペラでは、指揮にがっかりした苦い体験をしたので、オペラを知り尽くした円熟のビケットの指揮に、「オペラは指揮!」と言い切ったある方の言葉を思い出しました。。バッテイストーニの「リゴレット」も良かったし、オペラを良くも悪くもする指揮者の役割の大きさを、このオペラでも痛感しました。


2015年5月18日のモーツァルトハウス(東京)
北陸新幹線が開通して・・・・・・♡♠♤
北陸新幹線が開通して二か月が経ちました。その影響で金沢の変貌ぶりは驚くばかりだという記事を読みました。観光地化されて以前の趣のある風情などが無くなってしまったのだろうか。観光客を呼ぶためには仕方のないことかも知れないが、品よく佇む歴史ある街のイメージが金沢にはあるのだが・・・。

駅は大混雑し、バスやタクシー乗り場には長い列というのも、金沢には似合わない様な気がする。近江町市場は、買い物客でラッシュ並みの人出で、鮨屋、和食や、おでん屋など満杯だとか。他にも海外のセレブが自家用ジェット機を使い加賀料理を食べに来たとか、中国の富豪が数百万もする高価な加賀友禅を何反も購入して行ったなどの噂もあるそうな。

軽井沢在住の作家唯川恵さんが、日経新聞(5月17日付、文化欄)に載せたエッセイです。東京から2時間28分、軽井沢からは1時間半と便利になり、時間的に近くなったのは嬉しいが、不便さがなくなった分、観光客で混雑は仕方がないとするしかない。

いつか訪ねてみたいと楽しみにしていた茶屋街や武家屋敷跡、見紛うばかりに整えられてしまったそうですが、昔の面影のままの姿であって欲しいものです。。。かつては親の介護に通うため、遅い在来線の中でいつも苛々していた唯川恵さんですが、もう急ぐ必要のなくなった今、ゆったりした列車の旅を楽しみたいと思う様になったというのは、何とも皮肉なものですね。

2015年5月17日のモーツァルトハウス(東京)

経験値から学ぶもの・・・・・・♡♠♤

クリストフ・エッシェンバッハ指揮でウィーン・フィルハーモニー管弦楽団がこの秋来日します。大阪、名古屋でも公演が有り、東京公演は10/4(日)、10/6(火)、10/8(木)で、会場はいずれもサントリーホールです。演目はどの公演もモーツァルトを取り上げています。「協奏交響曲」(10/4)、「ピアノ協奏曲第23番」(10/6)、この日のピアノは指揮者でもありもともとピアニストでもあるエッシェンバッハのソロです。そして極めつけは10/8の公演です。モーツァルトの後期三大交響曲で、ウィーンフィルのまろやかな極上のサウンドで最後の極みともいえるモーツァルト最終章の交響曲を堪能できます。その10/8のチケットの一般発売日が5/17でした。10時開始で即刻予約枚数完了となりました。残念ながらこの日の公演のチケットは買えませんでした。

かつてサントリーホールでの人気の公演(ソリストが内田光子など)はサントリーメンバーでの先行予約でしかチケットが買えない時があったし、大賀ホールも地元の人に勧められて会員になったお陰で、一般より先にチケットが確実に入手できるようになりました。又この9月のロイヤルオペラの「ドン・ジョヴァンニ」のチケットもある団体の会員のお陰で一般より先にチケットが入手できました。
過去の様々な体験から、一般発売では無理というのは経験値で学んでいたはずなのに・・・。メンバーズ会員での先行予約が何より大事という事ですね。。。。

2015年5月14日のモーツァルトハウス(東京)

新緑も今が盛り・・・♡♠♤

都内の新緑も今が盛りですね。そして一年中で一番気持ちのいい時かも知れません。近くの公園の緑も目に眩しいくらいです。


コンスタンツェ・モーツァルトの薔薇は、届いたばかりの時は固い蕾でしたが、日当たりのいい場所に置いたので次第に蕾も膨らんできました。早くモーツァルトハウスの庭に地植えしてあげたいと思っています。モーツァルトのバラはツルバラですが、このコンスタンツェはお花も葉の形状からしても女性的で、しかも高貴な女性の感じがします。そのふくよかな優しさにモーツァルトも惹かれたのでしょうか。魅力的なバラです。色も白でも、ピンクでも、グレーでもなく、とっても品格が有ります。一輪だけ咲いたのをお見せします。


2015年5月13日のモーツァルトハウス(東京)

ロンドK382はセピア色のメロディ・・・♡♠♤
モーツァルトは三回目のイタリア旅行後の1773年に最初のコンチェルトであるピアノ協奏曲第5番K175を作曲しました。この時点で交響曲はすでに25番まで作曲していましたから満を持しての創作と言えます。1781年、ザルツブルクを飛び出したモーツァルトはウィーンでの生計を立てるために貴族階級の夫人や令嬢にピアノを教えたり、ソリストとして自ら舞台に立って演奏したりしました。その際にザルツ時代に作曲した協奏曲がしばしば演奏され、必要に応じて手が加えられました。

1782年3月3日に再演された際には、およそ9年前に作曲されたこの「ピアノ協奏曲ニ長調K175」も、堅苦しい既存のフィナーレを変えて、モーツァルトは演奏しました。そのフィナーレは変える前とは対照的で、親しみやすさと華やかさを備えたもので、ウィーンの聴衆にうけ大喝采であったと伝えられています。当初のフィナーレは、ウイーンの聴衆には少々真面目過ぎるとモーツァルトは考えたのでしょう。

ガードルストーンなどという現代の研究者の中には対位法的処理をも含む堂々としたフィナーレの方がよかったとして、置き換えられた方を安っぽいとする説もあるそうですが、一度この曲を聴くと自ずからその意見がいかに間違っているかがわかるというものです。今日では、ロンドニ長調K382としてむしろ独立して演奏されることの方が多いそうですが、まず聴いてみてください。この曲のもつ魅力を必ずや認識するはずです。朝の爽やかな小鳥のさえずりさえも聞こえてくる名曲です。

セピア色のメロディと言うのは、今から30年位も前でしょうか、ラジオFM放送で毎日聴いた「NHK:FMクラッシック」という番組でオープニングで流れたテーマ音楽がこの曲だったのです。当時はモーツァルトの曲であることなど全く知らずに、なんて素晴らしいメロディなと感じているだけでした。先日ある講演会で講師の礒山雅先生が流したこのフィナーレを聴いて驚き、自宅に戻りまだ保存してあったテープを取り出して聴いてしまいました。懐かしいセピア色のメロディです。