軽井沢 Mozarthouse News


2019年1月23日のモーツァルトハウス(東京)
小山実稚恵のオール・モーツァルト
何とも素敵なプログラムなので驚きました。昨日届いた軽井沢大賀ホールでの「2019春の音楽祭」のプログラムは魅力満載です。何と言っても出色は、4月29日(月・祝)の大野和士指揮(大賀ホール初登場):東京都交響楽団と小山実稚恵(ピアノ)によるオール・モーツァルトプログラム。大野+都響(初登場)と、ホールを知り尽くした小山によるオール・モーツァルトプロ、今からワクワクします。
曲目は、交響曲「ハフナー」、ピアノ協奏曲「ジュノム」、そして、私の大好きな交響曲「ジュピター」が演奏されます。

毎年、春の音楽祭で聴いている軽井沢チェンバーオーケストラも、5月4日(土・祝)に登場します。東京音楽コンクールの若き覇者を迎えたこちらもモーツァルトの曲でフルート四重奏曲や、クラリネット五重奏曲など意欲的なプログラムが続きます。

年明けからパソコンの調子が悪く、すっかり間があいてしまいましたが、なにせHP用に使っているパソコン自体がもう寿命を迎えていて、いつおかしくなるか綱渡りの状態です。きっとお見苦しい事態になっているのにこちらが気が付かないでいるかも知れません。もしそのようなことがございましたら、どうぞお許しを~。
こんな状況下ですが、今年も出来る限り発信していきたいです。
インフルエンザが大流行の兆しです。どうぞ気を付けてください。

2018年12月28日~2019年1月2日のモーツァルトハウス
明けましておめでとうございます!・・・♡♠♤
平成最後となった2018年も終わりを告げて、2019年が明けました。5月からいよいよ新年号になるのですね。さてなんという年号なのか、楽しみです。
軽井沢は穏やかな年末、元旦でしたが、今朝は一変してカーテンを開けたら一面雪景色でした。

暮れには、すっかりはまってしまった「フィガロの結婚」を、おせち作りに励みながら繰り返しDVDで楽しみました。1994年5月にグライドボーン・フェステイヴァルでの映像で、フィガロ役がジェランド・フィンリーで、最近は伯爵役をしているバリトンですが、これもなかなか良いです。伯爵夫人がルネ・フレミング(メトのライブヴューイングでの司会が魅力的だった)で、美しくうっとりさせられます。フィンリーは演技力もあってスザンナ役ともあっていて感動的な舞台でした。

この映像は、グライドボーンのオペラハウスが新しくなった際のオープニングを飾ったオペラだそうで、スティーヴン・メドカフの演出です。指揮者はベルナルト・ハィテンク。
グライドボーンにも行ってみたいと思いつつ、結局この先行く可能性は薄いかもな~と。こんないい舞台に必ずしも会える確約はないし、名舞台をDVDでこうして楽しんでいる方がかえって感動があります。

30日には餅つき大会がありました。寒さの中でしたが、この日はお天気にも恵まれ、家族連れが大勢集まって、トン汁、鴨汁、ブリの解体ショー、そしてつきたての餅をほうばって、お腹も心も満たされ、身体の芯からあったまりました。

マイナス2度で出発した軽井沢でしたが、今日は東京に着いた頃は12度もありました。東京はやっぱり暖かです。今年もモーツァルトと共に、様々なシーンで感動的な時間をたくさんご一緒できたら嬉しいです。皆さまにとっても、亥亥(イイ)年でありますように~♡♠♤

今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

2018年12月27日のモーツァルトハウス(東京)
どうぞよいお年を!・・・♡♠♤
今年の漢字に「災」という漢字が選ばれ、災害が多い年だったと改めて実感した2018年ももうすぐ終わります。そして平成という年号も終わりを告げて、来年は新しい年号としての歴史が刻まれます。

やがて来る2019年が皆さまにとって幸せ多き年となりますように心からお祈りいたします。また来年もいろいろなことを語り合い、感動を共にしたり、一緒に楽しい時間を過ごせたらと願っております。

今年一年、軽井沢モーツァルトハウスをご覧いただきありがとうございました。また来年もどうぞ宜しくお願い致します。

どうぞ良いお年をお迎えください

2018年12月26日のモーツァルトハウス(東京)
年の瀬!・・・♡♠♤
クリスマスも終わり、一気に今年のカウントダウンに入ったような気がします。今年も不細工ながら手作りクリスマスケーキで一応クリスマス気分を味わいました。


年賀状も追い込みですね。昨年は、寒さ対策をしてあげないばかりに、庭に出していた植木鉢の植物が寒さでやられて可哀そうなことをしてしまったので、その教訓で、今年は早目にカバーをしてあげました。明後日から日本列島に何年ぶりかの大寒波が押し寄せるそうですから。


今年もいろんなことがありました。ひとつひとつ思い出しながらこの一年を振り返っています。感激したこと、嬉しかったこと、楽しかったこと、悔やまれること、残念だったこと、そしてどうにもならなかったこと、悲しかったこと等、たくさんあります。
そんな中で、でも来年は悔やまれること、思い残すこと、そんな事だけは出来るだけないように、悔いのない1年をと願います。

無事に昨日は、年賀状の発送も終わりました。今年も一年元気でこうして暮らしています・・というご報告と思って贈る年賀状です。そして来年も無事に年末にはこうして元気の報告の年賀状を贈れる1年でありますように、と思います。


2018年12月23日のモーツァルトハウス(東京)
人間の魅力とは!・・・♡♠♤
先週は大河ドラマ「西郷どん」の最終回でした。西郷が人生で貫いたとされる「敬天愛人」が最終回のタイトルでした。天を敬い、人を愛すること、座右の銘にしている人も多いですね。

陸軍大将であった西郷が、坂道で苦しむ軍夫の荷車を後ろから押してやった時に、これを見ていた若い士官から「陸軍大将ともあろう方が車の後押しなどなさるものではありません。人に見られたらどうされます」と言われ憤然としてこういったと言いいいます。

「馬鹿者、何を言うか、俺はいつも人を相手にして仕事をしているのではない。天を相手に仕事をしているのだ。人が見ていようが、笑おうが、俺の知ったことではない。天に対して恥じるところがなければ、それでよい」

他人の目を気にして生きるのではなく、真実と共に一体となって生きる人生は、誰に見られようが何と言われようが恥じることではないという、強い人生哲学を感じます。

”天に対して恥じるところがなければ、それでよい”という西郷の生きざまに私はとても共感できます。何かして落ち込んだり、報われない出来事で嘆く私に、生前母はよく「誰かが必ずみている・・」と声をかけたものです。そんな私を必ず誰かがみている・・だから間違った事でなければ、正しい事だったら自信を失くさないで正々堂々としていなさい・・そん励ましだったような気がします。

西郷の意味する所の”天”は、宇宙や神、世の中の真実、真理、人間としてのあるべき道を意味するのかなと思います。そして次に共鳴できるのは人を愛するということ。広い人間愛、万人への慈愛を大切と考えた人だったのですね。

その生き様は自ずから周囲の人にも影響を与えました。最終回のナレーションでこんなフレーズがありました。
「一日西郷に接すれば一日の愛が生じる、三日接すれば三日の愛が生じる、親愛の情は募り、もはや去ることはできない。ただただ、生死を共にしたいのだ。」

西南戦争で西郷にしたがった、大分中津藩、増田栄太郎という若者が書き残した、有名な言葉だそうです。一体人間の魅力とは、どの様にして生まれるのでしょうか。
ここでまたモーツァルトの魅力にも通じる要素を私は感じてしまうのです。一日(1曲)モーツァルトに接すれば1日(1曲)の愛が生じ、三日(3曲)接すれば三日(3曲)の愛が生じる、親愛の情は募り、もはや去ることはできない。モーツァルトと共に生死を共にするほか我が生きる道なし、こんな感じでしょうか。

たったいま別れたばかりなのに、すぐまた会いたくなる・・魅力ある人とはそんな人、そう思わせる人ではなく曲で、モーツァルトは私たちを魅了し続けているのです。

2018年12月19日のモーツァルトハウス(東京)
あと何日!・・・♡♠♤
残すところ10日あまり、我が家でも忘年会をしました。忘年会と言っても、誕生会もクリスマスもみんな一緒にお祝いです。久しぶりに家族が顔をあわせて今年を振り返って、今を語らいながら美味しいものを食べましょうと、むしろ”食い気”を最優先した集まりです。
イセエビが食べたいとか、美味しいお肉を、いや魚介類もいいね~との要求を充たしたのが鉄板焼きでした。

ゆりかもめの竹芝直結、浜松町から徒歩8分の、隅田川に建ち並ぶ高層ビルやライトアップされたレインボーブリッジの夜景を楽しんでの食事会でした。

帰りは浜松町までシャトルバスが出ていて、綺麗なイルミネーションされた東京タワーを眺めることができて幸せでした。年の瀬の街を走りながら、あ~あと何日かで2018年という平成最期の年が終わるのだと実感しました。そしてくる年が平和な穏やかな年であって欲しいと願った夜でした。

2018年12月19日のモーツァルトハウス(東京)
今朝の冷え込み!・・・♡♠♤
朝起きたら地面が真っ白になっていました。今年初めての凍結です。昨日の天気予報でも明朝は相当冷え込んで寒いと言われていたので、やっぱり予報通りといったところでしょうか。

庭に咲く冬薔薇ですが、寒くて蕾のままだったのを、切り花にして花瓶に挿して飾っていました。3日目にして綺麗に咲いてくれました。花瓶は一輪挿しではなく小原酒造さんの講演会で頂いた180mlのオシャレな特別純米酒「蔵粋」のお酒の瓶を活用しています。
モーツァルトの写真付きで、薔薇一輪挿しにはもってこいです。

              「蔵粋」のモーツァルト瓶は黄色いバラにも良く映えます。上は父母の若い頃の似顔絵

2018年12月18日のモーツァルトハウス(東京)
忘年会&講座!・・・♡♠♤
忘年会シーズンですね。だいたい忘年会は終わりに近づきましたが、これから年末にかけては講座が続きます。又新年早々からも興味深い講座がいくつかあるのでこちらも楽しみです。

朝日カルチャー新宿校では、2019年1月10日から3回シリーズで「モーツァルトとフランス革命」(講師:加藤浩子)が始まります。「フィガロの結婚」(1/10)、「ドン・ジョヴァンニ」(2/14)、「魔笛」(2/28)の三大オペラに反映されている「革命」を読み解きます。また1月24日の「クルレンツィス」(講師:加藤浩子)では、2月に予定されている初来日の公演を前に指揮者クルレンツィスの魅力をとことん紹介する講座もあります。

年末には「METライブヴューイングの聴きどころ」(12/20)や、バッハ「三大宗教曲」超入門の最終回「ロ短調ミサ曲」(12/24)なども講師を加藤浩子先生を迎えての講座です。METライブヴューイングで、私はモーツァルトの作品以外は殆ど観る機会がなく、今年のシーズンはモーツァルトの作品が一つもなく残念に思っていましたが、スター歌手を揃えての今シーズンの注目作品を解説して下さるので、この講座が他の作曲家の作品にも触れるいい機会になればと思っています。

NHKの大河ドラマ「西郷どん」が16日(日)に最終回を迎えました。1年間毎週熱い思いで観た大河でした。大久保利通と西郷隆盛の男の友情、対立、葛藤をキーにした原作が林真理子、脚本が中園ミホでした。

多くの人びとが命がけで目指した新しい国ニッポン、それが今日今私たちが生きている日本なのだと思うと、いろいろ考えさせられたものでした。

司馬遼太郎が原作の「翔ぶが如く」(十)では、城山での政府軍の攻撃で腹を撃たれた西郷が、「晋ドン、モウココラデヨカ。」、別所晋介が、「そうじ(そうで)ごわすかい」といって後ろに立って気丈にも抜刀し、西郷を介錯(かいしゃく)したとあり、諸説あるものの、これが西郷隆盛の最期だといわれています。

1年間ドラマの最後にもナレーターである西田敏行が、「今夜はここらでヨカロウカイ」となって終わり、時には「きばれー、チェストー!」と叫ぶ時もありました!耳に残っていて今でも懐かしいですね~。

大河での西郷の最期は、撃たれて倒れ、青空を見上げていう「モウココラデヨカ」が印象的でした。西南戦争の翌年には、馬車で通行中に紀尾井坂で襲われた大久保は、「無礼者っ」と叫び、「今は死ぬわけにはいかん、やりのこしたことがある」とつぶやき無念の死を遂げますが、高く澄んだ天を見上げ笑顔をにじませて「モウココラデヨカ」と息絶える西郷と、心に残る対照的な二人の最期である。

2011年に主人は、鹿児島(薩摩)旅行をしていて、城山公園の西郷ら薩軍が横穴を掘って穴居した場所や、西郷など西南戦争で散った薩軍の兵士らが葬られている南洲墓地、西郷隆盛終焉の地などをみてきていて、羨ましい。(仙巌園、尚古集成館にも行っていて仙厳園の庭では、西郷が当時の当主島津斉彬と相撲をとった場所として放送された)

全く話は変って、阿川佐和子さんの「強父論」以来、著名人の語る父母が興味深く、「いまだから書ける父母への手紙」(新潮文庫)を図書館で見つけ読んでいます。
暮れの忙しさをよそにのんびり読書や講座とは・・・。それにしても、徒歩1分の「今川図書館」は、読書に親しむには有り難い至近距離なのです。

2018年12月13日~14日のモーツァルトハウス
シーズン到来!・・・♡♠♤
軽井沢もだいぶ寒くなってきました。2,3日前には初雪も降り、浅間山も雪をかぶって美しい姿でした。晴れた日には真っ青な空にその雄大な姿が良く映えて綺麗です。(今日は雪雲をかぶって姿が見えませんでした。)

最低気温は-4度、朝起きて外の気温も-2度~3度なので本格的な冬の訪れを感じます。薪ストーブの温かさが有り難いです。

水止めになかなか行けなかったので1泊2日のとんぼ返りでした。木々はすっかり落葉し、見通しがきいてこんなところに家が建っていたんだと思う事もあります。最近は散歩を日課にしているので小一時間ほど歩いて来ましたが、どこも冬支度の薪の準備にも忙しそうです。

先日、サントリーホールで観たジョナサン・ノット指揮の「フィガロの結婚」の余韻に浸りたくて、アーウイン・シュロットがフィガロ役、ミア・パーションがスザンナ役のDVDを観たりしました。2006年に英国ロイヤルオペラハウスで上演されたもの(指揮:パッパーノ)。やっぱり何度見てもフィガロは素晴らしい、好きなオペラです。

   DVD「フィガロの結婚」と、寒そうな二人です。

2018年12月10日のモーツァルトハウス(東京)
素晴らしい感動!・・・♡♠♤
昨日のサントリーホールでの「フィガロの結婚」は素晴らしかった!ジョナサン・ノット指揮、東京交響楽団のホールオペラ(演奏会形式)です。ダ・ポンテ三部作のシリーズ物で、「コジ」「ドン・ジョヴァンニ」と続き、最終目が昨日の「フィガロの結婚」でした。

オペラは、余分なものを一つ一つそぎ落としていくと、最終的には指揮者とオーケストラの奏でる音楽と、歌手が歌う歌が残る、当然ながらそうであって、もう一つの側面は、演出家がいて、総合芸術である舞台美術、照明や衣装などの様々な複合的な芸術が絡み合って素晴らしい舞台を誕生させる、それが本来のオペラであるはずが、近年は演出が表に出過ぎて音楽を台無しにしたり、音楽が二の次になっている・・そんな”もっていき場のないもやもや”がオペラ観賞をいつも楽しいものにしてくれないで邪魔している・・そんな思いが最近のオペラ体験でした。

しかし、昨日のように演奏会形式のものをみると、いい音楽があり、それに魅力的な歌声が備わると、オペラってもうこれで満足!と思ってしまいます。
昨日の公演は正にそれを見事に体験させてもらった満足だけが残った「フィガロの結婚」だったのです。

ジョナサン・ノットさんの指揮は、伸びやかでどこまでも美しくそして楽しそうで、随所に笑顔で指揮をしていた姿が印象的で、やはりフィガロの結婚は幸せオペラなのだとしみじみ感じました。歌手も有名劇場からオファーがひっきりなしにくるような一流どころで、こんな安いチケットで(S席で15000円)で観ることができるなんて、海外の有名歌劇場の引っ越公演のお値段を考えるとなんとリーズナブルなことか。

正直、私はこれほど感激した「フィガロ」は今まであったかなと思うくらいでした。何度もいろいろな場面で涙が溢れそうになりました。幸せオペラなのにどうして?と思うのですが、オペラを観ながら幸せなのに涙が溢れるってどういうこと?と思います。オペラだけではなくこんな体験ができるのも音楽ならでは、モーツァルトならではなのでしょうか。昨日の公演を見逃したモーツァルトファンは、しまった~と、きっと一生後悔するのではと思います。

変な納得のいかない演出を観るくらいなら、昨日の演奏会形式のオペラで充分と思った人は、私だけではなかったのではと思います。ダ・ポンテ三部作は終わってしまいましたが、モーツァルトのオペラでは「後宮からの逃走」とか「イドメネオ」など、演奏会形式でできるオペラがまだまだあるので、ノット指揮&東京交響楽団で是非もっとモーツァルトのオペラを上演して、その音楽の素晴らしさを私たちに伝えていって欲しいと、切に思います。

昨日の公演で嬉しかったのは、マルチェリーナとバジリオのアリアが歌われたこと。ストーリーからかけ離れたアリアだからと省略されがちだった2曲のアリアでしたが、最近はその重要性が見直されてきています。特にマルチェリーナ役はそれをみごとな歌唱力と振りで歌ってくれて観客から大喝采でした。

こうして今年最後となるであろうオペラ鑑賞である「フィガロの結婚」は最高の感動を残して終わりました。「おわりよければすべてよし」で今年もモーツァルトに乾杯(完敗)で幕を閉じます。来年もひとつでも記憶に残る感動的なオペラ公演に出会えますように・・・と願っています。サントリーホールは大きなクリスマスツリーが飾られて、クリスマスムードも満点でした。

2018年12月7日のモーツァルトハウス(東京)
美しい旋律!・・・♡♠♤
モーツァルトは美しいものを求め、美しいものを好んだ作曲家だったのだと思います。その旋律は本当に美しく、美しすぎるとさえ思えます。12月5日に聴いたモーツァルトの協奏曲第25番と26番はそんな美しさを好んだモーツァルトらしい珠玉の旋律がそこかしこに散りばめられていました。

アンコールで聴いた第26番の第三楽章は澄みきった美しさだけではない「軽妙な主題を持った愉悦に満ちたフィナーレ」と当日の解説(記:寺西基之)にありましたが、この26番以降はモーツァルトはピアノ協奏曲をしばらく書かず、1791年の死の年に書かれた第27番が残されているだけです。ウィーンでの人気に陰りが出て来たと見る説もありますが、そんなことは関係なく、残る27番もそうですが、私にとっては静かにその作品を聴き、モーツァルトが到達し得た稀有な明澄な世界にただた浸っていれば満足です。

そんなこんなで、モーツァルトの命日に相応しい素敵な演奏会でした。例会も賑わいをみせ、休憩時にはロビーでも愉しい談笑の場面があちこちでみられました。和服姿が素敵なので記念に一緒に写真を撮らせてもらいました。帯はこの時期にピッタリで、雪だるま、サンタさんやそり、クリスマスツリーが描かれていて、この場の雰囲気を盛り上げていました。こうして今年最後となる例会は終わりました。

太宰治は「パンドラの匣(はこ)」で、「モーツァルトの音楽みたいに、軽快で、そうして気高く澄んでいる芸術を僕たちは、いま、求めているんです・・・・へんに大袈裟な身振りのものや、深刻めいたものは、もう古くて、わかり切っているのです。焼け跡の隅のわずかな青草でも美しく歌ってくれる詩人がいないものでしょうか。現実から逃げようとしているのではありません。・・・・・・そんな僕たちの気持ちにぴったり逢うような、素早く走る清流のタッチをもった芸術だけが、いま、ほんもののような気がするのです。・・・・・・・・・・主義なんて問題じゃないんです。そんなものでごまかそうたって、駄目です。タッチだけで、その人の純粋度がわかります。問題はタッチです。音律です。それが気高く澄んでいないのは、みんな、にせものなんです。」

太宰治の「パンドラの匣」は、昭和21年(1945年)10月22日から21年1月7日まで64回にわたって「河北新報」に連載された作品です。この時代の、この日本で、太宰はすでにモーツァルトの、もっといえば芸術の”本質”ともいえるものを捉えていたのです。。太宰おそるべしですね。

2018年12月5日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルトの命日・・・♡♠♤
今日、12月5日はモーツァルトの命日です。227年前、1791年12月4日から5日にかけての真夜中の1時に36歳でこの世を去りました。悲しみに暮れる妻、コンスタンツェ・モーツァルトは次のように書き記しています。

「・・・・いとしい夫よ、私にとっても、またヨーロッパ全土にとっても、忘れることができないモーツァルト。
あなたも、今は、幸せでございましょう。-永遠に幸せでありますように!
本年の12月4日から5日にかけての真夜中の1時に、あの方は36歳で去ってゆかれました。-ああ!あまりにも早過ぎるのに!
この素晴らしいーでも恩知らずの世を!-ああ、神様!-
八年ものあいだ、優しい限りの、この世では断ち切ることのできぬ絆が、私たちを結びつけていました!
ああ!やがては永遠にあなたと結ばれる日が参りますように。」

今日は、日本モーツァルト協会の12月例会で「名手ロジェが弾く戴冠式」と題してコンサートがあります。曲目は、ピアノ協奏曲 第25番 ハ長調K503、ロンド イ長調 K386 ピアノ協奏曲 第26番 ニ長調 K537 「戴冠式」が演奏されます。演奏は、パスカル・ロジェ(ピアノ&指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団。

また、私の故郷秋田の「モォツァルト広場」でも、昨日12月4日には、総会・パーティが開催されました。日本だけではなく、もしかしたら世界中のどこかで今日はモーツァルトのアニバーサリーということでコンサートなどが開催されているかも知れませんね。

コンサート終了後は、ワインの1杯でも傾けたいと思います。モーツァルトはポンチが好きだったときいていますから、それもいいかも知れませんね。

2018年11月30日のモーツァルトハウス(東京)
小春日和!・・・♡♠♤
都内もだいぶ紅葉して来ました。銀杏の黄と、もみじの赤のコントラストが綺麗です。今年は平年より気温が高い日が多く、そんな小春日和にはお散歩に出かけたくなります。近くの観泉寺に行ってみました。戦国大名の末裔の今川氏の菩提寺です(地名も杉並区今川です)。境内には今川家累代の墓があり、東京都の旧跡に指定されています。秋は紅葉、春は枝垂桜などの名所としても知られているお寺さんです。

青梅街道沿いには井草八幡宮もあります。こちらは境内も広大で、源頼朝が手植したと伝わる老松もあり、5年に一度流鏑馬も行われています。
いつも人がまばらな境内は、時々犬の散歩をしている人に出会うくらいで静まり返り、風のそよぐ音か鳥の鳴き声が聞こえるくらいで、都会の喧騒をすっかり忘れさせてくれる場所です。

井草八幡宮から都立善福寺公園までは私のお気に入りの散歩コースです。創立100周年を迎えた東京女子大も善福寺公園のそばにあり緑豊かな良い環境です。周辺には閑静な住宅が並び、それらを眺めながら葦が生える池を巡って歩くのは本当に楽しい~。メタセコイアは杉並には多く植えられていて、樹高30メートルにもなるこの樹は、天に向かってまっすぐに伸び、秋には美しく紅葉して、私の好きな樹木のひとつです。

池にはボートも浮かんでいて、水面に映る秋の景色は本当に素敵です。休日にはきっと賑わうのでしょうが、平日はひっそりとしていて、こんな景色を独り占めとはもったいないと、ひとり呟きながら歩きました。モーツァルトの短調の弦楽五重奏曲(K516)か、弦楽四重奏曲(K421)が、ピッタリの世界です。

2018年11月28日のモーツァルトハウス(東京)
ノット指揮「フィガロの結婚」へ期待!・・・♡♠♤
先日の日生オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」は、ネット等では舞台が綺麗だった、楽しかったとの評判が多く、我々の不平不満は少数派と思いスッキリしない日々を過ごしていましたが、一昨日の田辺秀樹先生の講演会でお会いした方からも比較的同じ感想を持ち、満足できなかったとの意見も聞くことができて、何となく溜飲が下がったという思いがありました。

講演会の冒頭でも、田辺先生は最近観たオペラとして日生劇場での「コジ・ファン・トゥッテ」と「後宮からの逃走」(演出:ギー・ヨーステン)についても触れられました。どちらも決して満足いくものではなく、残念だったとのご感想でした。(私達は、用心して「後宮」のチケットは買わなかったので賢明?だったと思いました)

そんなことで、もやもやしていた思いが少しは遠のき、あまり後を引きずらず前を向いて行こうと思っている所です。そこで楽しみになってきたのが、ジョナサン・ノット指揮、演奏会形式の「フィガロの結婚」です。

「コジ・ファン・トゥッテ」「ドン・ジョヴァンニ」と続いたダ・ポンテ三部作の完結として、12月7日(金)(ミューザ川崎シンフォニーホール)、12月9日(日)(サントリーホール)で東京交響楽団&ジョナサン・ノット指揮で上演されます。過去2回とも素晴らしく大満足の公演だったので、今回の「フィガロ」にも期待が高まります。

指揮と自らハンマーフリューゲルも担当されるノットさんも楽しみです。出演者は全員外国人で、特に私は伯爵夫人のミア・パーションの可愛らしい容姿と澄んだ歌声に期待しています。


2018年11月27日のモーツァルトハウス(東京)
モーツァルト万歳!・・・♡♠♤
昨日は日本モーツァルト協会主催の講演会があり、講師に田辺秀樹先生をお迎えしての3回シリーズも最終回となり、「私のモーツァルト愛好ー60年を振り返って」というタイトルでお話がありました。

田辺先生は70歳を迎えられ、今はもう昔話をしてもいい年齢になったのではと、今回小学生頃からのモーツァルト受容史ともいえる、自分史をお話をしてみようと思われたそうです。大変興味深いお話ばかりで、身を乗り出して聴く場面もあり、いちいちその通りと頷く人も多く、楽しい雰囲気の中大変有意義な時間となりました。

1948年東京生まれの田辺先生は、幼少の頃からピアノが好きで習いはじめ、ベートーヴェン好きでしたが、ある日、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番をラジオで聴いて以来、一気にベートーヴェンからモーツァルトに傾きはじめたのだそうです。

中学、高校、そして大学生時代に体験したモーツァルトとの思い出のエピソードを様々お話されましたが、聴講する我々会員の年齢は、大体が1945年前後生まれで、先生と同時代に学生時代を過ごし、日本の歴史を同じく体験してきたせいか、皆さんご自分の歴史や体験とダブル部分が多々あり、自然、うんうんと頷く場面が多かったのだと思います。

大学に進まれての進路決定では、研究者としての道は選ばず、元々好きだったドイツ語(モーツァルトの母国語でもある)を学び、、研究者としてではない周辺にいるという立ち位置でモーツァルトを愛好し続けたいと思われたそうです。

一橋大学で教鞭をとるようになってからはモーツァルトに関する文献を勧められるままに書く機会にも恵まれ、講演等を通して、モーツァルトの魅力を伝える第一人者的な存在として活躍されました。

学生時代に傾倒した、太宰治やヘルマン・ヘッセ、萩原朔太郎、ロマン・ロランなどのお話もされ、太宰治の晩年の短編小説「渡り鳥」や「パンドラの匣(はこ)」「グッドバイ」はモーツァルトについても書かれている作品だそうですから、是非読んでみたいと思いました。
私の周辺には、モーツァルトに出会ったことで自分の人生がどれ程豊かなものになったか~と晩年に人生を振り返り、そう語る人も多く、私自身もそう思っている一人ですが、モーツァルトに出会えたことで、素晴らしい人との出会いや感動が多々ありました。もし逆に、モーツァルトに出会っていなかったらと思うと、自ずから私の人生は大きく変っていたことでしょうね。

田辺先生も、中学、高校時代でのモーツァルト体験が元になり、その後の人生に大きな影響を与え、一橋大学教授として職務を全うした今でも、旅行会社のツァーの講師として旅をしては、旅先でオペラや演奏会体験をさせて貰っている・・幸せなことだとしみじみ仰っていらしたのが、私にはとても印象的でした。

モーツァルトに感謝ですね。この日の講演を拝聴出来た人みんなが、モーツァルトに感謝し幸せを感じた日となりました。♡♠♤

2018年11月16日~22日のモーツァルトハウス
晩秋の軽井沢!・・・♡♠♤
すっかり秋も深まった軽井沢、カラマツが紅葉し黄金色に染まっています。遠くの山々も一層色鮮やかな錦繍に染まる秋の景色です。最低気温もマイナスになり、薪ストーブを焚き始めました。

モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」を2本観比べなどをして過ごしました。1本は、2014年にニューヨーク・メトロポリタン歌劇場でもの、指揮はジェイムス・レヴァインで、病気からの復帰作として注目されました。時代設定も第一次世界大戦後の1930年代にしたニューヨークを舞台にし、演劇界の巨匠リチャード・エアの演出として大変話題になったもの。ライブビューイングで上映されとても好評でした。

あとの1本は、2006年ミラノスカラ座での上演、フィガロとスザンナを、今をときめくダルカンジェロとダムラウが演じ、伯爵がこれも伯爵が当たり役のスパニョーリが演じました。演出がこちらも、世界の有名歌劇場で何度も再演されているストレールのもので、つい先日の田辺秀樹先生の講演会でも、「一番好きな演出でのフィガロで、舞台はまるでフェルメールの絵のようだった」とおっしゃていたもの。

どちらも素敵でした。歌手は、歌も演技力も素晴らしく魅了されました。伯爵役のペーター・マッティと、一方のピエトロ・スパニョーリを比べて楽しんだりしました。

小諸散策をして、ランチは久しぶりに「カフェダイニング・クレッセント」で。ランチにはサラダとデザートも付きます。いつものシーフードドリアは美味しかった。ランチ後はすぐ近くにある「宮嶋林檎園」で家庭用(傷など見た目に多少の難あり)ふじを3キロ分けてもらいました。何でも千疋屋に卸している林檎園さんだそうですが、早速食べてみましたが、甘酸っぱくてパリッとしていて美味しい林檎でした。家庭用と言っても傷は殆ど気にならず美味しくいただけます。

軽井沢でも有名な「丸山珈琲」ですが、小諸にもお店があり、帰り道に寄りました。18号線に面した分かり易い場所にあり、広々とした空間が気持ちいいお店でした。浅間山の雄大な姿を目の前に眺めながらの珈琲は飛び切りの美味しさでした。

ふじと黄色は「浅間クチーナ」です

タイヤ交換の季節です。春から冬タイヤを預かって頂いているタイヤ屋さんはピンころ地蔵さんのすぐ側です。タイヤ交換をして、いつものようにピンコロさんにお詣りした後は、以前から行ってみたらと勧められていた「ちゃたまや」さんにも寄ってみました。新鮮なおいしいブランド卵が直売され、その卵をぜいたくに使ったジェラートやお菓子などが揃っていて、地元の人に愛されているお店です。

軽井沢の近郊をドライブし、薪割りなどをし、これから寒さ厳しい冬支度などをして東京に帰って来ました。モーツァルトとコンスタンツエの薔薇は寒さにも堪えて咲いていて愛おしかったです。しばしのお別れをして帰って来ましたが、次もまだ咲いていてくださいね。


2018年11月15日のモーツァルトハウス(東京)
柚子の収穫!・・・♡♠♤
小さな柚子の木が収穫の時を迎えて、小さく不揃いながらたくさん収穫できました。隣の木を切ったので、日当たりと水はけが良くなったせいか去年よりたくさん実をつけてくれました。

姫柚子なので、小粒で、種も多く果汁を絞るには手間がかかって大変ですが、皮はジャムにしたり、柚子は香りもよいし、お料理にも使えるし、収穫できる木があるのは嬉しいですね。今年は柿も豊作だそうですね。



2018年11月14日のモーツァルトハウス(東京)
「日生オペラ」のコジ!・・・♡♠♤
先日11月10日(日)に日生劇場で観たモーツァルトのオペラの「コジ・ファン・トゥッテ」が未だにあとをひいています。個人的にはついていけなかったです。

この演出を手掛けたのは2013年に五島記念文化新人賞を受賞した菅尾友さん。アメリカ、ヨーロッパで研鑽を積み、その成果発表として手掛けた作品が今回の「コジ」だそうです。そう思ってみると随所に新しい試み、斬新ともいえる唖然とする巧みな手法が盛り込まれていました。終演後のトークショーでは、ヨーロッパの著名なオペラ劇場を廻り、たくさんのオペラを鑑賞し、時には助手などのスタッフとしても参加した経験を生かした演出と語っていました。

最近の若い人のクラッシック離れ、ひいてはオペラ離れを思うと若い人を惹きつけるべくオペラの演出に、こういった新人の出現は不可欠で、年齢層の底上げには必要だとは思います。
しかし、従来のオペラファンが満足いく演出と、若い層を取り込むための演出とのギャップはどう埋めて行ったらいいのか、しばし考えてしまいます。
AIや人工知能(アンドロイド)、またLEDなど、今どきのものを使い、女性二人がアンドロイドと仮定し、結末は男性に銃を向けて最後去っていくというお話でしたが、モーツァルトの「コジ」がこんな風に描かなければならないほど、音楽では言葉足らずなのか。

特にモーツァルトのオペラは、音楽だけで充分満ち足りていて、変な演出など必要なくて、優れた指揮者、歌手の許で演奏されれば、それでじゅうぶんな感動が得られるものと思っていて、だからこそその音楽を最大限に生かした演出でなければならず、それが達成できたら最高の舞台と絶賛されるべきもの、と思います。
(従って、音楽だけ楽しめるのだからホールオペラでも満足!という意見も頷けるのです。)

ストーリーの読み替えというのは随分以前からあって、「コジ」でも有名なのはミュンヘンのバイエルン歌劇場での男性二人が徴兵ではなくスーツ姿のビジネスマンになって、飛行機に乗って出張に出かける設定というのがあり、当時は驚きましたが、今回は宇宙服を身にまとい、宇宙飛行士となって空へ飛んでいく設定になっていました。
こういう設定を変える読み替えにはもう抵抗は出来ないので、最悪でも目をつぶって聴いていれば済む話なのでOKです。音楽を大事に歌ったり、演奏してもらえるなら。トークショーでのお話ではこの演出はブリテンの「真夏の夜の夢」を参考にして、それを意識したものなのだそうです。

大事なアリアである、フィオルディリージの「岩の様に・・」や、終盤のフィオルディリージとフェランドの二重奏など、私の様に「コジ」を観るならこれを聴きたいから・・と楽しみに出かけている者にとって、激しく動き回り、意味のない部屋に出たり入ったり(舞台に設定されたトイレです)、歌に集中できない舞台になっていたら本来のモーツァルトの音楽でできているオペラというものはいったいどうなるというのでしょうか。(もっと極端に言えば、ドタバタ音や動きがモーツァルトの音楽を邪魔にしているように思えたとしたら)

今回特に感じたのは、客層が若かったことで、新国立劇場などで感じる若い人が少ないという印象とは正反対でした。終わってみれば、多くの人に「コジ」をどんな形であれ観て貰えたのですから、良かったとすべきか。実際評判は決して悪くなく、むしろ好評だったようです。それには、指揮者の広上淳一や読売日本交響楽団や、悪条件?にも負けずに健闘した歌手の方々の力量によるところも大だったと思います。

そんなこんなで、なかなか最近の演出には自分自身ついていけない部分もありますが、イタリアのナポリの爽やかな風を肌に感じるような、音楽をじっくり楽しめる演出で「コジ・ファン・トゥッテ」を楽しみたいなァ~と思った次第です。

11月12日(月)の日本モーツァルト協会、11月例会でのヴォーチェ弦楽四重奏団の演奏はどれも素晴らしかったです。特に前半最後に演奏されたニ短調のK421は名演奏でした。第3楽章、第4楽章は圧巻で込み上げてくるものがありました。終わってすぐもう一度聴いてみたいと思い、CDが欲しくなりましたが、フルート四重奏曲と弦楽五重奏曲の2種類のCDが販売されていて、K421の録音は残念ながらありませんでした。
                        

2018年11月12日のモーツァルトハウス(東京)
シューベルト、最後のソナタ!・・・♡♠♤
シューベルトが1828年9月に作曲した連続3曲のピアノソナタのうち、最後の変ロ長調のピアノソナタを聴きました。シューベルトの「最高傑作」にして「最後の作品」です。4楽章からなり、第1楽章だけで20分を超え、全曲演奏すると45分にもなる長いソナタです。この2ケ月後の1828年11月19日にシューベルトはこの世を去りますから「遺作ソナタ」ともいわれています。

シューベルトは亡くなる3年前にザルツブルクを一度訪れています。この旅がシューベルにとって最後の旅となりました。1825年8月のことです。

『シューベルトはモーツァルトを生涯敬愛してやまなかった。それにまたモーツァルトと共にザルツブルクに生き、そして逝ったミヒャエル・ハイドンをも熱愛していた。その彼が、オーストリア国内の小旅行で、追慕する二人の古典派作曲家ゆかりの地ザルツブルクまで足を延ばしたのは、したがってむしろ当然のことであったろう。」(海老澤敏著「モーツァルトとルソー」より)

このザルツブルク詣でについては、シューベルトは兄のフェルデナント宛の手紙にも記しています。「僕らは、ミヒャエル・ハイドンが住んでいた聖ペーター修道院の中に入って行った。・・・兄さんも知っているように、ミヒャエル・ハイドンの記念碑がある。・・・僕は心の中でこうつぶやいた。君の静かな明るい霊の息吹が僕の上にも吹いて欲しい。善良なハイドンよ、この世の誰でもこの僕ほどに、心を込めて君を崇める者はいないのだ、と。(重たい涙の粒が、僕の眼からあふれ、そして僕らは立ち去った。-)」實吉晴夫・訳・解説「シューベルトの手紙」〈国際シューベルト協会刊行シリーズ〉より

こうしてザルツブルクを後にし、シューベルトは、3年後の1828年9月に3つのピアノソナタを書き上げます。2ケ月後に訪れる死への恐れ、絶望を乗り越え、諦観ともいえる境地なのでしょうか。哀しみに溢れたものではなく、むしろこの先にある世界の温かさ、柔らかさで聴く者が包み込まれてしまいそうです。低音のトリルのリズムが心地好く耳に馴染み、繰り返される主題が胸に迫って来ます。

どういうふうにこの曲を聴いたらいいのか、聴くべきか分からないうちに、第一楽章の始まりの主題に強く心を打たれました。シンプルでありながら、それでいて込み上げてくる優しいこの思い、繰り返し出現する主題となる旋律に心が絶えず揺さぶられたからでしょうか。曲から漂う『静謐にし静穏』、『惜別の思いに充たされた爽やかさ』からでしょうか・・・。天国へ昇る階段・・・と表現した人がいましたが、そうも思えます。

(朝日カルチャー新宿校、講師:海老澤敏「モーツァルト講座」11/10~モーツァルトが影響を与えた作曲家たちーシューベルトを中心にーベートーベン時代の作曲家たちーより、参考:海老澤敏著:「モーツァルトとルソー」)

そして、モーツァルトは、このシューベルトが敬愛していたミヒャエル・ハイドンのために、ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲を2曲作っています。1783年の夏、モーツァルトが結婚したばかりのコンスタンツエを伴いザルツブルクに里帰りをした際に作曲した曲です。

この時、ミヒャエル・ハイドンは、コロレド大司教から依頼されていた6曲の内、あと2曲が病気のために作曲できずにいました。モーツァルトは残りの2曲を代わりに作曲し、それがヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K423とK424です。ハイドンはこれらの曲を高く評価し、総譜を生涯宝物とし大切に保存していたということです。ハイドンの窮地を救ったモーツァルト、友情の証ともいうべき曲がこうして誕生したのです。

渋い味わいのある、大好きな曲の一つです。今日は期せずして、日本モーツアルト協会の11月例会でこの2曲の一つ、K423が演奏されます。ヴォーチェ弦楽四重奏団の演奏会です。

2018年11月9日のモーツァルトハウス(河口湖)
河口湖でのモーツアルト!・・・♡♠♤
楽しみにしていた「ドン・ジョヴァンニの夕べ」(11月9日14時開演)の河口湖円形ホールでのコンサートの当日は、お天気はあいにくの雨模様で、河口湖駅に到着した時点では残念ながら富士山の姿は見えませんでしたが、今がちょうど紅葉真っ盛り、さぞ晴れたなら綺麗な景色を楽しめたのではと、ちょっと残念な思いに。でもお天気だけは恨んでもしょうがないので、初めての体験となる、河口湖円形ホールに向かいました。

円形ホールという名の通り、丸いドーム形のコンサートホールは、ステンドグラスをあしらった窓があり、意匠的にもセンス良く、また音響も素晴らしいホールで、いっぺんで好きになりました。客席は可動式で、100席近くは収容できそうな、室内楽などにはピッタリな温かな雰囲気で魅了されました。

後ろの窓を開け放つと、河口湖と赤く色づいたもみじがマッチして美しい秋の景色が休憩時の我々の目を楽しませてくれます。

コンサートは2部構成で、第1部は「ドン・ジョヴァンニ」のアリアがピアノ伴奏で歌われました。メーリケ作の「旅の日のモーツァルト」をベースにして、チェルリーナとドン・エルヴィーラ役のソプラノ歌手:宮部小牧さんの語りを交えながらお話が進行していくところがユニークで、このあたりはさすが企画・演出・構成、また裏方までも担当した、正に影の主役ともいえる、NPO法人 人力エネルギー研究所代表:茂木和行さんならではのアイディアです。世界に二つとない趣向が込められていて構成力には脱帽です。

ドン・ジョヴァンニの地獄落ちが、人力(足踏み)で電気を起こしてその光のアーチの中に引きずられて落とされるのです。このような演出で描かれるのは多分世界広しと言えどもここだけのものでしょう。

第2部は、ピアニスト:原佳大のピアノ独奏とお話「モーツァルトの死生観」で、モーツァルトの短調のソナタが演奏されました。前半から引き継いだ、ドン・ジョヴァンニの死と関連させてのお話には説得力があり、また短調の3曲の演奏も更にその思いを増長させ、お二方の先生のコラボが最大限に生かされたなかなか憎い演出と感じました。

「ドン・ジョヴァンニ」を歌われた歌手の方々は、聖徳大学の音楽学部の講師などをされている先生たちでした。懐かしい皆さまともお会いでき、本当に楽しい一日でした。コンサート終了後お伺いした茂木先生宅には、人力自転車があり、こぐと電気が灯り、おまけにそのエネルギーでモーツァルトの「魔笛」が流れる仕組みになっていて恐れ入りました。河口湖モーツァルトハウスを思わせるお宅で、ますます楽しくご活躍をと、お祈りいたしております。

2018年11月6日のモーツァルトハウス(東京)
「元気に百歳」!・・・♡♠♤
元気に百歳を目標にしている人は多い。私の周りでもそんな方が多くいます。趣味をもち、健康も曲がりなりにも保たれ、旅行に、音楽会に、サークル活動にと西に東にと活発に動き、正に人生を謳歌していると感じる人です。

人生百歳の時代を迎えてはいるものの、元気で百歳でなければ意味がない。そのことをいつも胆に銘じて、自分の足で歩け、自分のことは自分でできるという、自立して百歳を迎えたいものである。その為の努力は個々に違うでしょうから、自分なりに自分に合った”努力”を続けて行きたいと思います。

「遊びをせんとや生まれけん、ときめきせんとや生まれけん」は、偶然出会ったある元気なシニア向けのクラブの合言葉です。家族や社会に迷惑と費用をかけないために、「自分の健康は自分で守る」、「自立した生活を心がける」、「社会との関わりを多く持つ」、を目標として「元気が最高のボランティア」としているクラブです。

出来る限り自立して元気に過ごし、人生の最後にソフトランディングする・・・。誰もがそうありたいと願う理想的な老後ですね。

「人は成熟するにつれて、若くなる」と、ドイツ人作家:ヘルマン・ヘッセは言い、「青春とは、人の人生のある時期ではなく、心のもち方を言う 年を重ねるだけで人は老いない 理想を失うとき初めて老いる」と詩人:サミエル・ウルマンは言っています。

”遊び”と、”ときめき”、だいじですね!心の若さの秘訣かも知れません。

2018年11月4日のモーツァルトハウス(東京)
ウィーンでのオペラ鑑賞!・・・♡♠♤
10月13日~21日の9日間の旅行中、ウィーンではモーツァルトのオペラ2作品を鑑賞しました。ウィーン国立歌劇場で「フィガロの結婚」、ウィーンフォルクスオパーで「魔笛」です。

国立歌劇場での「フィガロの結婚」には、E・シュロットが登場するので注目していましたが、アルマヴィーヴァ伯爵役でしたが、伯爵の貫禄とか、立ち振る舞いの気品とかの点でちょっと物足りなかったかなと。指揮者も、演出も、歌手もまあまあ、可もなく不可もなく、大きな感動もない代わりに、大きな落胆もない・・そんな感想がツァー仲間から漏れた舞台でした。

ウィーン国立歌劇場は、ケルントナー通りとリング通りの交差点に建ち、設計コンペでルネッサンス様式の設計案が採用され、1869年5月25日に完成した劇場。杮落しはモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」でした。世界三大オペラ座の一つだけに一度は足を踏み入れたい劇場ですね。

ウィーン国立歌劇場での「フィガロ」がこんな感想で終わったのとは違い、「魔笛」の評判はとても良くて、大満足なものとなりました。「魔笛」は本来、シカネーダーが座長となって、芝居小屋のような所で上演された歴史を考えると、大きなオペラハウスのような場所よりは、今回の様なフォルクスオパーでの上演が一番望ましいのかも知れません。こじんまりとした劇場で、臨場感もあり、観客も気取ったところがなく、気軽に楽しんでいる様子が伝わってきて、フォルクスオパーは「大衆オペラ座」という意味なのだそうですから劇場名にピッタリに思えました。

「魔笛」にはフルートがふんだんに使われ、ここぞという場面でいいメロディーを奏でてこのオペラを盛り上げてくれます。今回観た「魔笛」では2人の女性フルーティストがいて、客席からの距離も近く、特にこのお二人のフルーティストは素敵な女性でしたので人気の的でした。また指揮者もA・ビール・マイヤーという女性指揮者で、指揮姿が素敵で、こちらも我々ツアー内で人気が高かったです。この劇場は隅から隅まで舞台が良く見えて、また私達はBカテゴリーの席だったので、音も良く届き、舞台の全体も見渡せる席でしたのでよかったです。こじんまりとした劇場といってもフォルクスオパーは、オペラ座に次ぐウィーンで第二の劇場だそうで、着席1400人あまりですから、1100人収容のチューリッヒ歌劇場を一回り大きくしたような規模で、オペラを楽しむには適した劇場に思えます。9月から6月がシーズンで、オペラ、ミュージカル、オペレッタ・バレエを上演しているそうです。

ウィーン国立歌劇場での「フィガロの結婚」ですが、舞台を見た瞬間、2004年のパリ・シャンゼリゼ劇場(指揮:ルネ・ヤーコブス)での、演出がJ.Lマルティノティのものだとすぐわかりました。舞台の背景に飾られている絵画がとても印象的で、色調も綺麗なので好きな舞台だったのです。

パリでの上演の時は、アルマヴィーヴァ伯爵が、ピエトロ・スパニョーリ、伯爵夫人がアンネッテ・ダッシュで、本来の伯爵夫人の年齢設定の27歳くらいという若さが際立った、美しく若々しい伯爵夫人が魅力的な舞台でした。ケルビーノをキルヒシュラガーが演じたのも印象的でした。装飾音もふんだん使われ、最初は違和感がありましたが、モーツァルトの時代にはこうした装飾音が当たり前と知ってからは気にならなくなりました。

このDVDも、ウィーンでの鑑賞時を思い出しながらまた皆で鑑賞する機会があればいいなと思っています。

2018年11月4日のモーツァルトハウス(東京)
クルレンツィスとダ・ポンテ三部作!・・・♡♠♤
何かと話題をさらっているクルレンツィスですが、2019年9月のスイスのルツェルン音楽祭で、クルレンツィスがモーツァルトのダ・ポンテ三部作を指揮します。演奏はムジカエテルナで、その他、バルトリのリサイタル(9/13)もあります。「フィガロ」(9/12)、「ドン・ジョヴァンニ」(9/14)、「コジ」(9/15)、の順ですが、「コジ」ではデスピーナ役はバルトリです。

9月12日~夢のような舞台が始まりますが、三部作をバルトリのリサイタルを挟み、毎日続くことなんて、誰が想像したでしょうか。モーツァルトの三大交響曲の連続演奏会もすごい事ですが、オペラ三作、それもダ・ポンテ三部作を連夜続けて上演なんて今まであったのでしょうか。。チケットは来年3月に売り出しの様ですが、一体どんな演出で、どんな歌手が登場し、どんな舞台になるのでしょうか、気になります。

先日の講演会で田辺秀樹先生が、クルテンツィスとムジカエテルナのCDを紹介しながら、CDではない、いつか実演で観てみたいと仰っていたものが、遠い先ではなく、来年9月、場所は日本ではありませんがスイスルツェルン音楽祭で実現します。日本からのツァーの催行はあるのでしょうか・・。
モーツァルトファンには、なんとも気になるニュースです~♡♠♤

2018年11月3日のモーツァルトハウス(東京)
「フィガロ」の奇蹟!・・・♡♠♤
10月30日に上野の東京文化会館大会議室で行われた田辺秀樹先生の講演会のテーマは「『フィガロの結婚』、私の楽しみ方」でした。この日は、軽井沢から出席しましたが、軽井沢は冷え込み、11時過ぎに信濃追分駅から軽井沢に向かってしなの鉄道に乗った時は、寒さで震え上がるほどでした。上野に到着したお昼を廻った時間には、東京の気温は20度をゆうに超えていましたが、この日は東京は10月にしては特に暑い日だったのですね。

林光さんが「フィガロの結婚」について、「フィナーレにおけるさばき方が奇跡のようだ」とおっしゃってるそうですが、林光さんはご自身がモーツァルトのオペラの演出もされていた方だけに、流石のよくよく理解されてのことと感じました。
モーツァルトの創作意欲が最高地点に達していた頃、先に訪れる時代の転換期を予感しその風潮が世の中にたちこめていた頃、ダ・ポンテがオペラにして上演ギリギリの作品に仕上げた、それが「フィガロの結婚」である。そんな”転換期のオペラ”だというお話から講演会は始まりました。

『オペラの初心者にとっては、「フィガロの結婚」は内容が分かりづらく、また3時間30分(休憩なしで)を超える上演時間で、8割方の人が途中寝てしまうのよ』と、前に大学でオペラの講義をしている先生から聞いたことがありましたが、このオペラはストーリー重視ではなく、時代を反映した”従来のオペラ・ブッファを超えたオペラブッファ”であり、それぞれが歌うアリアにこそ価値を見出し、音楽に身を委ねる事で充分な感動が得られるのではと私は思います。

又、大変興味深かったのは、登場人物についての詳しい解説で、省略されがちなマルチェリーナとバジリオのアリアについて、これらのアリアはオペラの内容との関連性がないためカットされることが多いが、観客へのメッセージ性の高いもので原作になくダポンテとモーツァルトの創作と考えられる。省略せずに是非歌ってもらいたいとのお話があり、これには私も大いに賛成でした。

バジリオの「分別が足りなかった頃」(通称「ロバの皮」)は、テノールのアリアとして充分舞台でも歌えるアリアで、以前テノール歌手のリサイタルで聴いた時には感激しました。マルチェリーナの「牡山羊と牝山羊」もとてもいい曲で、モーツァルトとダポンテから贈られた我々へのメッセージソングと思うと、多少時間が延びたとしてもカットせず歌ってもらいたいものだと思います。

後半には、今話題の風雲児「クルレンツィス+ムジカ・エテルナによる『フィガロの結婚』』のCDも紹介され、クラシカ・ジャパンで放送されたクルレンツィスのドキュメンタリー映像も流してくださいました。このCDやクルレンツィスについては今更紹介までもありませんが、彼を知らずにいた田辺先生は、ザルツブルクで会った加藤浩子先生に薦められて初めてこのCDを聴いたそうで、素晴らしい戦慄を受けたと感想を述べられました。いつかは実演でクルレンツィス+ムジカ・エテルナでモーツァルトを聴いてみたいとおっしゃっていましたが、私自身もその日が来ることを今からわくわくして待っている者の一人です。

オペラ「フィガロの結婚」の魅力は計り知れず、人間像の複雑さや、男と女の対立、赦すことの素晴らしさなど、オペラの特権である音楽を使い、見事なまでのオペラに仕上げた、それもモーツァルトだからこそできたのだと、しみじみ思います。

田辺先生大絶賛だった2006年、ミラノ・スカラ座での、巨匠ジョルジュ・ストレール演出のダルカンジェロ&ダムラウの「フィガロの結婚」のDVDを取り出して来て、もう一度みんなで観てみたいと思いました。フェルメールの絵画の様だと仰った舞台美術も見所です。

2018年11月2日のモーツァルトハウス(東京)
カラヤンと大賀さん!・・・♡♠♤
今回のザルツブルク滞在中の大ヒットは、思いがけずにカラヤンのお墓と、終焉の場所と言われているカラヤンの住家(現在は奥様がお住まいとのこと)を訪ねることができた事です。

ザルツブルクでの初日であるこの日は、午前中はモーツァルトの生家と住家をガイド付きで廻り、住家では、実際にモーツァルトが使用したピアノについて解説があった上に、Dr.ウルリヒ・ライジンガーさんによるピアノ演奏まであり、我々は大変有り難く感激の時を過ごしたあと、自由時間となりました。

街をぶらつくくらいしか考えていなかったのですが、これから「カラヤンのお墓とお家を見に行くけれど一緒に如何ですか」と誘ってくださった方のご厚意で、思いがけずご一緒させ頂くことができました。

以前NHKBS「カラヤン・イン・ザルツブルク」という番組で、ご自宅の中で夫人がお話されていたので、アルフというザルツブルク郊外に佇むこのカラヤンのお家は素敵な場所にあり、またご自宅も華美で派手なお家ではなくセンスに溢れた内装で、印象に残っていました。

ザルツブルク中心からバスで20分位乗って下車しましたが、外国旅行でのバス利用は難しく、たいてい失敗するのですが、今回もチケットの買い方、払い方が分らず、下車駅で運転手さんとのやり取りで解決せず、結果的に無賃乗車する羽目になりました(ここだけの話です)

降りたバス停は間違いはなく、まずお墓を探してみましたらありました!そのお墓がある教会の前には立派な胸像があり、それだけではなく、驚くことにカラヤンと大賀典雄さん(ソニー・レコードの初代社長)の胸像が対となって建てられているのです。(大賀さんの像は大賀さんが亡くなられてからのものなので、あまりまだ知られていないのかも知れません)

お墓のある教会もそれほど大きなものでもなく、またカラヤンのお墓はその功績からは程遠い質素でこじんまりとしたもので、また教会の隅っこにあり、よほど注意して探さないと見落としてしまいそうです。「生前の活躍、功績からしたら質素過ぎる」との感想をもちますが、これがカラヤンの生き様だったのでしょうか。

それにしても、「大賀さんとカラヤン」は、聞くところによると大賀さんとカラヤンとは親交が深く、最期を看取ったのは大賀さんだったとか、その時は夫人はシャワーを浴びていたとか・・、これについての真意の程は分りませんが、こうしてザルツブルクの郊外アニフの地で、お二人仲良く並んで建ち、ここを通る人々、又私たちのようなわざわざ世界中から訪ねて来る人達を眺めていて下さるんだなと思うと感慨無量でした。

さて、お次は、住家探しとなったのですが、これが結構難しかったのです。殆ど人の通らない場所で、おまけに地元の人で英語を話さいない方に道を聞いてしまったり、さまざま苦労の末に、サイクリングコースがあり、カラヤン通りという名称がついている道があることが分り、延々2キロ位の道を歩きました。

でもその道はロマンチックな道で、アルプスの山々を遠くに眺めながら、牧草地の間をどこまでも続いている道で、まるで印象派の絵画のような風景なのです。ずっと見渡した先に、ぽつんと一軒、このお家しか考えられないと言うカラヤンハウスが見えて来ました。この日は往復4キロはゆうに歩いたことになりますが、観光バスで連れて来られたりしたら、この道を歩く幸せな時間は得られなかったなと思いました。それ程印象深い時間となったのです。見つかったカラヤン邸は、牧草地の中に一軒だけあり、元々は馬小屋を改築したものだそうです。

奥様が今もお住まいなのか、Privatとされて門は閉ざされていました。が塀越しに写真を撮ってしまい公にはできないのですが。(そういいながらアップしていますが・・)

ザルツブルクのザルツァッハ川のほとりにはカラヤンの生家があります。ホテル・ザッハの向いにあるその庭にはカラヤンの指揮する姿の像が建てられていて今でも在りし日のカラヤンを偲ぶことができます。

最期まで、ここザルツブルクの風景を愛し、アルプスの山並み、牧草地、そしてお宅の窓からは、アルプスの手前にある三角形の山をきっと気に入って眺めていたに違いないと、この日は、ザルツブルク生まれの20世紀を代表する指揮者、カラヤンをしばし偲んだ日となりました。ご案内頂いた○○さんに感謝です!♡♠♤
何度か訪れているザルツブルクでしたが、新たな思い出の1頁が加わり嬉しかったです。。

2018年10月28日~11月1日のモーツァルトハウス
紅葉まつりの軽井沢!・・・♡♠♤
9月22日から始まっている軽井沢紅葉まつりも11月4日までです。今週末はきっとまた大勢の紅葉狩りで賑わうことでしょう!ヨーロッパ旅行から帰り、すぐさま軽井沢に行って来ましたが、今がちょうどもみじの色づきが見ごろで、陽に映えるとそれはそれは息をのむ美しさです。

30日には上野で田辺秀樹先生の「フィガロの結婚」の講演会があったので、軽井沢~上野間を新幹線で往復しましたが、信濃追分駅から眺める青空に映える浅間山の雄大な景色もみごとで感動しました。気温も最低気温はマイナスになった日もあり、日中は10℃ちょっとなのでストーブの季節になりました。

昨年同様、オナーズヒル軽井沢では「作品展」が行われていて、主人の絵も3点展示されました。芸術の秋ですね。

家の周りは、赤、黄色、橙、緑、そして遠くの山々は錦繍に彩られ、今が燃える秋真っ盛りです。

スマホで撮った軽井沢一番の紅葉の名所「雲場池」と、家の周辺の今の景色です。


2018年10月25日のモーツァルトハウス(東京)
数々の新発見!・・・♡♠♤
21日に無事に9日間の旅から帰って来ました。連日晴天に恵まれ、その上気温も現地のガイドさん曰く通常より10度も高い異常な暖かさとの事で、どこも今や温暖化なのでしょうか、いずれにしても予想外の暖かさと全行程中晴天に恵まれたことはとてもラッキーでした。初秋の街並みの美しさや、移動日の車窓からは、ほのかに黄色く色づくぶどう畑、どこまでも続く牧草地帯など本当に美しい秋の景色を眺めることができました。そして何より事故にも合わず、体調の大きな崩れもなく無事に帰って来たことが良かったと思っています。

旅の収穫は数々あれど、私の中での一番の収穫は、ザルツブルクからウィーンへの移動日に今回初めて立ち寄ったブルカースドルフでした。ウィーンへの手前12キロの地点にあるこの地は、ウィーンを訪れていた父レオポルトがザルツブルクに戻る際に、モーツァルトとコンスタンツェが、ここブルカースドルフまで見送りランチを共にし別れた場所で、1785年4月25日のことです。2年後の1787年にレオポルトは亡くなるので、この父と子はこれ以降再び相会うことはないのですから、思い出の場所となったのです。

この場所については海老澤敏著「モーツァルトの生涯」に記載がありますが、あまり注目される場所ではありませんでした。所が12年前に元内部大臣がこの町の市長になったことで大きく変り、町おこしとしてモーツァルトとレオポルトの最後の場所としての銅像を作ったのです。3年前の2015年8月4日のことだそうです。

今回の旅でこの町を訪ねることを知り楽しみにはしていましたが、何の予備知識もなく、何もない所と思っていたので、夕暮れ時にバスの窓からこの像を見つけた時には本当にビックリし、みんなが大興奮しました。

”日が暮れないうちにブルカースドルフに到着しなければ”と、何度も何度もガイドさんが時間を気にしていた意図がこの時初めてわかりました。もううっすら陽も落ちてきていましたから、ギリギリセーフでした。

二人の像は、モーツァルトとレオポルトが向き合い、握手の手をモーツァルトがレオポルトに向けて差し出していて、別れの瞬間を想像させてくれます。3年前に出来たこの像のことは、日本でもあまり知られていないので、これからモーツァルトファンが押し掛けるかもしれません。

名盤には「Thise was to be the last meeting」と書かれています。近くにはランチをしたレストランがあり、そこにも、このレストランで父子夫妻が昼食を共にして別れたと書かれた名盤がありました。

二つ目の感動は、ランバッハでしょうか。ランバッハは交通の拠点で、ベネディクト派の修道院があり、修道院が宿となっていた当時は宿場町としても栄えていたそうです。モーツァルト一家もザルツブルクを出発して旅の最初の宿としてこのランバッハの修道院に泊まりました。「ランバッハ」というモーツァルト作曲の交響曲がありますが、この曲はランバッハ修道院に一宿一飯のお礼として父レオポルトの曲と共に寄贈された曲で、その名が付けられています。

モーツァルト作曲のものは「旧ランバッハ」とされ、レオポルト作曲のものが「新ランバッハ」とされていたのですが、写譜屋がレオポルトとヴォルフガングの曲の表紙を入れ替えてしまったという、アーベルト女史の仮説が1964年に出てから、長い歴史の中でいっときは「新ランバッハ」の方がモーツァルト作といわれた時期もありました。

がしかし、1982年に「旧ランバッハ」のオリジナルパート譜が発見されるに至り、レオポルトが表紙に”1766年ハーグにて”と書いてあることにより、この曲は間違いなくデン・ハーグに滞在中にヴォルフガングが作曲したものであり、それをウィーンへの旅に携えていたもので、やはり「旧ランバッハ」がモーツァルト作であると、今では結論付けられています。

2年前の旅で、ミュンヘンからアウグスブルク、カイスハイムと廻った時もガイドさんが、「長い間ガイドをしていますが、カイスハイムをこうして案内するのは初めてです」と言っていたのを思い出しますが、今回も「ランバッハを案内するのは初めて」と、ガイドさんが同じことを言っていたのも印象的でした。ランバッハもカイスハイム同様に、モーツァルト縁の地とは言え、なかなかガイドで観光客を連れて案内する場所ではないことを知り、我々はこだわりの旅をしているのだなぁと改めて思いました。

修道院のなかにはバロック劇場もあり、オーストリアで最も古い演劇施設だそうです。修道院は1040代年からの歴史があり、モーツァルト一家が部屋と食事を提供してもらったばかりではなく、何十曲ものレオポルト作曲の写譜を所蔵していることからも、レオポルトと同修道院が密接な関係を結んでいたことが良く分ります。

モーツァルト一家に施されたあつい歓待に感謝する意味でも修道院を訪れることができたのは大きな喜びでした。ランバッハ修道院は、モーツァルトとの縁を伝える重要な修道院で、今の私たちに当時のそのままの姿でそのことを伝えてくれているのです。

修道士たちは、讃美歌などおつとめとしては宗教曲を歌うのですが、自由な時間にはモーツァルト一家が残していった楽譜で演奏を楽しみ、モーツァルトの音楽を好んでいたということですから、そう言えば、神学者カール・バルトも、「天使たちは神を賛美しようとしてバッハを奏するかどうかは絶対的な確信は持てないが、彼らが仲間うちで相集まった時には、モーツァルトを奏し、そのとき神様もことのほか悦んで傾聴なさるだろうこと、これは確かだ」と、本に書いてありましたが、そんなことを思い出したりしました。

ザルツブルクからランバッハ、そしてリンツ交響曲を作曲したリンツを経由して、メルク修道院に向い、そしてこの日の到着地はウィーンで、第4日目にこの日辿ったルートは今回の旅行のハイライトとなりました。車窓から初秋の景色もたっぷりと堪能しました。

ウィーンでは、いつもモーツァルト関係一色になっていましたが、今回は絶対訪れたいと思っていた所がありました。自然との共生を提唱した画家でもあり建築家でもある芸術家フンダート・ヴァッサー(1928-2000)の建物です。今回ウィーンでは自由時間も多かったので行く事ができました。

古い建物が建ち並ぶウィーンの街中にあって、突如現れる現代建築ながら違和感なく受け入れられる素晴らしい建造物でした。フンダートヴァサーハウス(集合住宅)と、クントハウス(私設美術館)を訪ねましたが、カラフルな色遣いや不規則な曲線の建造物から稀代の芸術家の想いを感じとることができました。

Hundert Wasser Villageの中にはモーツァルトショップもあり楽しい所でした。これからウィーンを訪れる人でまだ行ったことがない人には是非見学して欲しい建物です。日本人の奥さまをもち大変な親日家でもあったそうで、日本にも大阪の舞洲などに彼の公共施設が4点もあるそうです。

こんな風に一気に旅を振り返ってみましたが、ザルツブルクではモーツァルトの住家、生家、そしてモーツァルテウム内の見学をモーツァルテウムの専門スタッフが案内してくれ、住居地下室でのモーツァルトの自筆譜の見学などもあり貴重な体験でした。またウィーンでは、オペラ座で「フィガロの結婚」、フォルクス・オパーでは「魔笛」を鑑賞するなど、感動のオペラ観賞もありました。

1月27日のモーツァルトの誕生日に合わせて、今までザルツブルク、ウィーンを訪ねる機会が多く、10月の中旬のこの時期のヨーロッパを訪ねたのは久しぶりで、ほんのりと色づく木々や街並みを眺め、その美しさに感動したのも大きな喜びでした。

やっぱり、「モーツァルトがあるから旅も楽しい~♪」一味も二味も違う旅を楽しめたような気がします~♡♠♤モーツァルトグッズも増え、お土産もたくさん買いこんで、これもまた旅の楽しみですね!思い出にひたっています~♪

2018年10月12日のモーツァルトハウス(東京)
いってきます!・・・♡♠♤
明日はいよいよ出発です。今日の東京の気温は23度くらいなので昨日ほどの暑さはなくなりました。旅行先の気温が気になります。今の時期何を着て何を持って行ったらいいのか本当に悩む毎日でした。最初の到着地のザルツブルクは最高気温がほぼ東京並みですが、夜はぐうんと冷えて10℃にならないので、高原を思わせます。ウィーンもザルツもほぼ同じです。帰るころのウィーンは最低気温は5度にならない日もある様で、ちょっと寒いかも知れません。

そんなこんなで慌ただしかった出発までの日々でしたが、スーツケースのパッキングも終わり、運送屋さんに取りに来てもらい、明日は空港で受け取ります。往復の移動日を除くと、なか6日間なのであっという間の旅になるでしょう。帰ってくる21日の頃の東京の秋はどの程度すすんでいるでしょうか。

モーツァルトの新たな発見を期待して、ザルツブルク&ランバッハ&リンツ&メルク&ウィーン、そしてOPでは「バーデン&アイゼンシュタット」観光もあります。
いってきます


2018年10月10日のモーツァルトハウス(東京)
マイルストーンになる?!・・・♡♠♤
昨日はモーツァルトの最晩年のオペラ「皇帝ティトの慈悲」を仲間と観る機会がありました。2017年8月のザルツブルク音楽祭での上演をクラシカジャパンが放映した映像です。上演後、翌月に日本ですぐクラシカジャパンが放映したことからも、この上演がいかに2017年のザルツブルク音楽祭での話題作であったかがわかります。今後DVD化されて市販されるかについては全く不透明なので、貴重な映像であるのは間違いありません。

指揮はテオドール・クルレンツイスで、あらゆる点に妥協せず10年の歳月をかけ「フィガロの結婚」をCD化し、そのCDが新たな「フィガロ」の誕生と絶賛されたことで一躍注目を集めた指揮者です。クルレンツイスとオケのムジカエテルナの本拠地はロシアのウラル山脈の麓のテルミで、モスクワから1400キロも離れた僻地でありながら、今ではヨーロッパの一流歌劇場に引けを取らない名声と人気を博すまでとなり、2017年にザルツブルク音楽祭に招聘されるまでになったのです。そしてそのクルレンツイス&ムジカエテルナが演出家ピーター・セラーズとタッグを組んでの上演作がモーツァルトのオペラ「皇帝ティトの慈悲」で、2017年のザルツブルク音楽祭の最大の注目作品となりました。

それだけではなく、いざ上演となったら、今度は内容においても大きなセンセーショナルを巻き起こしました。本来このオペラにない曲、例えばモーツァルトの「ハ短調ミサ」から数曲などを挿入し、またピーター・セラーズの演出ではよくある黒人歌手を多く起用し、また演出コンセプトが「人種差別」「宗教対立」「難民問題」などを「テロと報復の時代」に置き換えてしまった点や、、皇帝テイトが筋を変えて死んでしまう演出にしてしまった点等多々あります。

本来ない曲を挿入する点を除いては、演出面では近年よく見かけられることで、個人的にはそう驚きはないのですが、やはり「ハ短調ミサ曲」から挿入された「ベネディクト」&「ボナンザ」、「キリエ」などや、「アダージョとフーガ」などの挿入曲が、このオペラの中で、本来の曲ではないながら、違和感なく受け入れられ、賛美された点が大きな注目点かなと思います。

オペラに本来ない曲を挿入しても成り立つ柔軟性や多様性を「皇帝ティト」というオペラは側面として持っていたことになりますが、こうなると、もはやモーツァルト作曲のオペラながら、別物という感じがします。加藤浩子先生に於いても「セラーズ&クルレンツイスのモーツァルトのある面を集大成したモニュメント」だと評しました。的確な表現ですね。

モーツァルトを知り尽くしたクルレンツイスとピーター・セラーズだからなし得たものと感じますが、思い出すのはミロス・フォアマン(監督)とピーター・シェーファー(原作・脚本)の映画「アマデウス」です。あの映画の素晴らしさもこの両氏のモーツァルトへの想いの様なものだった気がしますから。

しかし、昨日の我々の感想は、価値は認めるものの、モーツァルトが完成したものに、敢えてまた新たな曲を挿入するのは如何なものか、そのものの意義を不思議がるモツキチは依然としていて、納得できない部分はあるものの、でも、「これだけのオペラはやはり一度は観ておかないとね!」という感想に落ち着きました。

それにしても、4人の歌手はみな素晴らしく、さすがザルツブルク音楽祭!と驚くばかりで、一躍脚光を浴び始めたセスト役のクレバッサのみならず、セルヴィリア役も本当に良かったです。そして、なんといってもクルレンツイスの指揮とムジカエテルナの創り出す音楽はいまだかつてない程の迫力でもって、このオペラの良さを最高の音楽で届けてくれたように思います。

そして終わってみれば、演出などどうでもよくて、このモーツァルトの素晴らしい音楽に身を委ねて聴いていれば、脳裏にたとえ難問があったとしても難なく解決でき、私たちを穏やかな幸福感へと導いてくれている音楽だと気が付くのです。人間の感情を音に載せた最高の作曲家とモーツァルトは評されますが、そのことも改めてこのオペラで実感しました。

オペラは指揮者が良くて、そして歌手が上手に歌ってくれれば、田辺先生の先日の講演会でのお話にもありましたが、後はモーツァルトの珠玉の音楽に浸っていればいいのだ・・これがモーツァルトオペラの醍醐味だと感じました。

蛇足ながら、最近の私のオペラ観賞法は、音楽の良さを余程邪魔しない限りは、どんな演出でもまあオーケーとし、むしろ音楽にこそ陶酔すべきという様式を確立しつつあります。これでいいのかは分かりませんが、その為には、いい指揮者、そして素晴らしい歌手が不可欠要素となるのです。

2018年10月5日~8日のモーツァルトハウス
秋色を聴く!・・・♡♠♤
軽井沢も木々がだいぶ色づいてきました。軽井沢の紅葉まつりも始まっています(9/22~11/4)。10年前に植えたブルーベリーに今年初めてやっと実をつけました。付けたと言ってもほんの数粒です。2本植えていたのが、1本は台風で倒されて枯れてしまっていました。残ったこの木にはこれからいっぱい実がなってほしいと思いますが、どうでしょうか。ブルーベリーは日当たりが一番で、それと寒暖の差があった方がたくさんいい実がなるようです。

真っ青な空と大きな紅葉した桜の木から秋を感じます。

2018年10月4日のモーツァルトハウス(東京)
またも台風!・・・♡♠♤
台風24号が去り、ホッとする間もなくまた次の台風25号が沖縄県に近づいている気配です。猛暑に悩まされた夏が終われば、今度は次から次と台風に襲われて毎週末休む間もありませんね。体育の日の祝日8日(月)にかかる3連休も台風の進路状況を気にしながら行動しなければならず、せっかくの楽しみな3連休でレジャーを考えている人には迷惑な台風です。24号では、いい香りを放っていた金木犀の花が強風で落ちていて可愛そうでしたが、咲いたばかりのケルビーノの薔薇は強風にも落ちずにいて愛おしさを感じます。

そんな中、エッセー集「蝉時雨」から4年が経ち、俳人として更なるその道を極め続けておいでの朝吹英和さんから上梓されたばかりの句集「朝吹英和句集」が届きました。

「青きサーベル」、「光の槍」、「夏の鏃」以後の作品から365句を抄出したものだそうです。きらめくような、それでいて重厚ないぶし銀のような深く味わいのある句からは、「なぜ俳句を作るのか」の問いに「異次元時空の旅を体験したいから」という答えの通り、人間の摂理を超えた悠久の朝吹流世界観が味わい深い言の葉を通して読み手に伝わって来ます。音楽通、特にクラッシック通の朝吹さんならではのエッセンスが調合された句には、音楽愛好家の同志として惹かれるものがあります。ご家族から授かったであろう音楽への深い造詣や、フランス思考、深く愛すべき自然、そして独自の観点からの時間と空間、など、句を味わってみれば人としての魅力と重なってきます。
自分と同世代という事をつい忘れてしまいますが、人間誰しも素晴らしいものに触れると、感動し、そして自分も頑張らねばという勇気を貰うものですが、朝吹さんと同じ21年生まれの戦後っ子、モーツァルト好きなど、という共通項を見出しては、刺激を受けつつ、感動の後には自分自身もまだまだ頑張らねばと思った次第です。ご健勝を祈りつつ、今後のご活躍をこれからも身近に感じて交流を深めてゆけたらと願っております。

「モーツァルト 鳴り止みしまま 毛糸編む」

「風花や 一音欠けし 自鳴琴」

~朝吹英和句集(ふらんす堂)より2句~

2018年10月3日のモーツァルトハウス(東京)
哲学とモーツァルト・・・♡♠♤
ピアニストの原佳大先生を「哲学の観点からモーツァルトを語らせたら、日本で3本の指に入る方」と言わしめる茂木和行先生(哲学者・元聖徳大学教授)が河口湖に於いてモーツァルトの演奏会を企画されました。

2部構成で、1部は、オペラ「ドン・ジョヴァンニ」から素敵な歌手の方々のアリアの数々を。そして2部は、原先生の独奏およびお話「モーツァルトの死生観」で、ピアノ・ソナタK310、K475幻想曲、ソナタK457の、短調の3曲が演奏されます。

メーリケ作の「旅の日のモーツァルト」をモチーフに「ドン・ジョヴァンニ」の秘密に迫り、人力発電による淡いLEDの輝きを救いの光か、地獄への導きか・・・。と問いかけます。

茂木和行先生は、人力エネルギーに情熱を燃やし、聖徳大学の教授を退いたのちは河口湖に自らの信念のもとに「NPO法人人力エネルギー研究所」を立ち上げ、2016年から人力エネルギーと芸術をマッチングさせて現在に至るまで様々なイヴェントを都内や河口湖で繰り広げてきました。そしていよいよ念願ともいえる人力エネルギーとモーツァルトを結んだ企画が、この演奏会なのです。

タイトルは、「そこにいるのは誰だ!答えろ!」で、11月9日(金)14時開演、会場は河口湖円形ホールです。人力エネルギーによるLEDの光がどのように演出され、炎としてオペラ「ドン・ジョヴァンニ」に登場するのかも大注目です。

2018年9月30日のモーツァルトハウス(東京)
自分の殻を破る!・・・♡♠♤
何度か紹介している林光作詞・作曲「モーツァルト賛歌」を歌ってみて、すぐ覚えられるメロディで親しみやすさを感じています。ヘ短調で始まっているのですが、ある所でへ長調に転調する妙がとても好きになりました。そういえばモーツァルトも転調が好きな作曲家でしたね。楽章の中で転調が何度かあったりします。それがモーツァルトの音楽の妙だったことを思うと、林光さんもそこを意識したのでしょうか。3番の歌詞と書いたのは、正確にはヘ長調に転調した部分からの歌詞で、ここからが雰囲気が変わり、フィナーレの”あなたの音楽、ヴォルフガング アマデウス モーツァルト いつまでも世界の宝! いつまでも世界の宝!”と歌って終わるまさに胆(きも)の部分です。

歌いやすく、すぐ覚えられるので、我が家でも、キッチンやお風呂場からも鼻歌でこのメロディが聞こえてくるようになりました。林光さんが遺してくれたまさに”モーツァルト賛歌”です。もっと多くの人に歌ってもらいたいと思います。何かの会の最後にでもみんなで合唱したらいい曲かなと。
御希望の方にはコピーですが、林光さん直筆のこの曲の歌詞付きの楽譜を差し上げますので、どうぞお知らせください。二部合唱になる伴奏つきの楽譜です。


所で、今日で9月も終わり、明日から10月です。早いものでもう今年も残すところ3ケ月となりました。10月から朝日カルチャーセンターでも新講座が始まります。
海老澤敏先生のモーツァルト講座は、「モーツァルトが影響を与えた作曲家たち」のシリーズが続き、今期は”他の思想家・芸術家を含む”です。
加藤浩子先生は、『バッハ「三大宗教曲」超入門』です。(バッハの《マタイ受難曲》《ヨハネ受難曲》《ロ短調ミサ曲》は、日本ではまだまだとっつきにくいと思う方も少なくないようです。この講座は、おもにそのような方を対象に、三曲それぞれの特徴を紹介します。時間を許せば、代表的な名盤の聴き比べもできればと考えています。)(講師・記より)
ピアニストの久元祐子さんの「モーツァルトピアノ協奏曲第26番「戴冠式」を語る」(11/10)などもあります。

私の、年1回の朗読の発表会も昨日終わりました。たった10分足らずの発表の時間ですが、1年間学んだ成果を披露できるチャンスです。今年は宇奈月温泉に行く直前に体調を崩し、のどの痛み、咳、はなとずっと続き、薬を投与しながら、それでも寝込むことなく精力的に?全ての予定をこなし、最後のスケジュールとなった発表会も無事終え、万歳です。打ち上げは今後を考えて参加しないで帰ってきたのが心残りではありますが、また13日~出かける海外旅行を考えたらここは我慢と思いセーブをしました。

発表会の私の楽しみは音楽をつけることで、今まで1回を除いて全て好きなモーツァルトの曲でした。昨日は今テレビで活躍中の阿川佐和子さんのエッセイ「強父論」から、娘の佐和子さんからすると父・阿川弘之さんがいかに無茶苦茶な人で、周囲がどれ程ひどい目に遭わされたかを綴ったほんのほんの一部の紹介だけになり、そこだけがクローズアップされたようで申し訳なく、私の朗読の先生も「こんなひどいおやじだったんだ!」などとおっしゃるありさまでしたが、本当は娘としては誇るべく、最期まで尽くし甲斐があった、立派な作品を残した大作家だと言うことには違いありません。

父を思い出しながら、娘の気分で読んでみましたが、曲は軽快で大好きなモーツァルトのピアノ三重奏曲を2曲選びました。第1番K254の第1楽章アレグロ・アッサイの冒頭部分、第6番K564の3楽章アレグレットをバックに流してもらいました。集合写真は終わった後なので、みんないい笑顔です!

2018年9月28日のモーツァルトハウス(東京)
ナポリの風~「コジ・ファン・トゥッテ」・・・♡♠♤
9月25日は、日本モーツァルト協会主催の講演会があり、田辺秀樹先生が「『コジ・ファン・トゥッテ』、私流の楽しみかた」というタイトルでお話されました。

モーツァルトのオペラで実在の特定の場所をイメージしたオペラは、モーツァルトには残念ながらなく、唯一、この「コジ」は、1770年5月14日~6月25日までの40日間にわたって滞在した少年モーツァルトにとって思い出深い場所、ナポリを舞台にしたものだそうです。そういえば、ナポリの海、青い空、そしてヴェスヴィオ火山などを背景にした演出が数多くあり、それらは歴史に残る名演となっています。だからこのオペラ「コジ」は、南イタリアの、明るくて、そして爽やかなナポリの風を肌に感じさせてくれる演出が本来は望ましいのだという、先生のお話には完全に同意したくなりました。

振り返ると、2008年の来日公演で観た、ウィーン歌劇場のムーティ指揮での「コジ」もそうでしたし(演出:ロベルト・デ・シモーネ)、特に第1幕で、姉妹で最初に歌う二重奏の背景には、ナポリの海、空、そして出来ればヴェスヴィオ火山までも見えた方がいい・・そう思いました。

そしてキーワードに、「非正規カップル」、「正規カップル」という言葉が出て来て、興味深かったです。本来のハッピーエンドで結ばれるべきカップルが「正規カップル」で、そうでないのが「非正規カップル」という訳ですが、モーツァルトは面白い事に、この本来ではない「非正規カップル」に素敵な二重奏を作っているのです。それは、「魔笛」ではパパゲーノとパミーナであったり、「後宮」であれば、2幕で歌うオスミンとブロンテの二重奏で、非正規ながら、このオペラなら、これをまず聴きたい、聴かなければと思わせる二重奏なのです。

1970年代にナポリを始めて訪れた際に、思わず「コジ」のなかのお気に入りのメロディが自然に浮かんできて、口づさんだという、田辺先生のナポリ体験をお聞きすると、まずはナポリの風にあたらないとこのオペラの魅力には辿り着かないのかと思った次第ですが、近年のナポリ観光をした人の話を聞くと、泥棒が多く、対策が大変で疲れたなど、時代も大きく変り、18世紀のモーツァルトが訪ねた頃のナポリとは程遠くなってしまったことを感じますが、自然の景色や吹く風まで変化してしまったかはともかくとして、「コジ」はまずナポリ詣でからという気持ちには充分になりました。そして「コジ」の魅力は、とかく最後に入れ替わったカップルがどうなったのかといった演出にも興味が行きがちですが、そんなことはどうでもいいことで、透明感のある重唱の美しさに、まずは珠玉のモーツァルトの音楽に身を委ねるオペラなのだと、改めて感じた講演会でした。

様々、楽しいお話が盛り込まれた講演会でした。そして数日たった昨夜は、モーツァルト生誕250年の記念の旅に出かけたご縁で、今でも時々お会いしてはモーツァルト談義のみならず、音楽談義を楽しんでいる仲間との歓談の会がありました。丁度この日、お誕生日を迎えた人、また今年は傘寿の年だった人、とおめでたが重なって、”おめでとう!”とお祝いの会にもなりました。

1年間を元気に過ごせた感謝と、これからまた1年を健康で、つつがなく、幸せにという思いを新たにする日が私はお誕生日だと思っているので、こうしてこれからもお誕生日や記念の年のお祝いを、美味しいお酒でも飲みながらモーツァルトを肴に、又音楽を肴に、仲間内でお祝いを続けていけたらいいなと思いました。来年からも、「誕生日、還暦・古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿・白寿・・・・・のお祝い会」を続けま~す!そしてみんなで元気に長生きしましょう!!(目標は100まで??)♡♠♤

昨夜は、W(ダブル) 進さん、おめでとうございました!!


2018年9月23日のモーツァルトハウス(東京)
「世界の宝、モーツァルト!」・・・♡♠♤
宇奈月温泉で毎年9月のシルバーウィークに3日間行われているモーツァルト音楽祭は、タイトルもズバリ!「湯の街ふれあい音楽祭」。さまざまな新たなふれあいも体験できます。そのふれあいの一つが人とのふれあいです。

”二本松守・洋子さんと愉快な仲間達!”は、2012年の3回目から毎回出演し、ご主人の守さんがフルート、奥様の洋子さんはピアノや歌を、また愉快なお仲間達はピアノや歌で参加されています。そして最後に必ず歌ってくれるのが、林光作詞・作曲の「モーツァルト賛歌」です。

この曲を聴いた時に、胸が震える思いがしました。こんな曲がこの世に存在している事すら知りませんでしたから。林光さんが、モーツァルトへのオマージュとしてこんな曲を残していたなんて。詩が素晴らしく、またメロディも、モーツァルト賛歌に相応しく、モーツァルトらしく、親しみやすさがあり、きっと林光さんはそんな誰からも愛されるモーツァルトのメロディを頭に描いて、ご自分らしさで、モーツァルト賛歌を作り上げたのだと感じます。

この音楽祭で、始めてこの曲に出会い、それ以来、ネットや、また著名なモーツァルト関係者に尋ねて廻りましたが、この曲の存在を知る人はおりませんでした。次の音楽祭で、二本松洋子さんに直にこの曲についてお尋ねしてみましたら、「これは、光先生が、仲間うちで集まっては歌っていた曲ですから、多分あまりというか殆ど知られていないと思います」とのこと。すぐさま、「どうぞこの楽譜差し上げます、光先生の直筆の楽譜です」と、躊躇なくくださったのです。

それから1年、今年はお礼もお伝えしたく、17日に出演されていたので、聴きにいきました。今年もまた最後に皆さんでこの「モーツァルト賛歌」を歌って下さいました。洋子さんは、「林光さんが、モーツァルトをこんな風に思っていたんだなと嬉しくなり、いいなァ~と思い、この曲がとても好きです」とおしゃっています。

2018年
2017年

この楽譜は、貴重なものですので、御希望の方があれば差し上げたいと思っています。1番から3番で、ピアノ伴奏付きで2部コーラスで歌えます。ピアノやフルートや、ヴァイオリンなどの楽器でも、また歌を歌っている方々は、コーラス仲間でみんなと歌ってみたらどうでしょう。愛くるしい親しみに溢れた曲で、二本松さん達のように仲間たちと楽しく歌って欲しいと思います。きっと林光さんも喜ばれることでしょう。3番の詩が私は特に好きです。。

林光さんの愛に溢れた3番の歌詞です。

ねじれた世界をまっすぐに伸ばし、憎しみの種をほっかりとかし、気高い思想もわかりやすく、悲しい話も気を滅入らせず、威張ったひとたちにっこりたしなめ、疲れたひとたち優しく励ます、あなたの音楽、ヴォルフガング アマデウス モーツァルト いつまでも世界の宝! いつまでも世界の宝!

こんなふうに人との出会い、音楽との出会い、いろんなふれあいが生まれる音楽祭、それがモーツァルト@宇奈月です。

2018年9月22日のモーツァルトハウス(東京)
海の幸、山の幸!・・・♡♠♤
旅行中、港に近い場所に宿泊したお陰で、日ごろなかなか口に出来ない海の幸にも遭遇し、日本は海の幸、山の幸などの食の豊な国だとつくづく実感できました。魚津や宇奈月温泉では紅ズワイガニや白エビ、雨晴温泉では、本マグロを始め、アワビや有頭海老、かます、銀鮭の数々の料理、海の幸以外でも、松茸、とやま牛や氷見蕎麦など、本当に豊かな食文化を感じます。岐阜の白川郷では、定番の五平餅や飛騨牛のコロッケも食べてみましたが、五平餅はともかくとして、飛騨牛のコロッケのアツアツを思わず頬張ったのもいい旅の思い出です。

魚津での握りも格別で、ハタハタの握りやヒラメなど、またタイなどがたっぷり入ったあら汁の美味しかったこと。たまたま入ったホテルからほど近い「越中五色ふうぶつし」はいいお店でした。ここで飲んだ大吟醸「風の盆」の酒もきりりとしたいいお酒でした。

そんなことで、お土産もたくさん買い込んできましたが、”めかぶ”と呼ばれるわかめの根元部分は、カルシウムも牛乳の15倍、ぬめり成分のフコイダンが血液さらさらの効果があり、味噌汁やそばやうどんにも良く合い、これらを毎日食べている地元の人は、今でいう生活習慣病など縁遠いのではと思いました。海藻類のふりかけ類はじめ、赤カブの漬物、栃もち、のどぐろラーメンまで、お土産もどっさりで、帰ってからのお楽しみ~となりました。


2018年9月16日~20日のモーツァルトハウス(富山・岐阜)
日本の秋!・・・♡♠♤
今年も宇奈月温泉で行われているモーツァルト音楽祭に行って来ました。立山連邦、黒部川に囲まれた宇奈月温泉の地が、モーツァルトの生誕地であるオーストリアのザルツブルクに似ていると地元の人によって始まったこの音楽祭も今年でもう9回目となります。
3回目から毎年訪れ、人びととのふれあい、景色の美しさ、そして美味しい食べもの、そして誰からも愛され続けているモーツァルトの音楽に今年もすっかり魅せられて帰って来ました。

今年は魚津、宇奈月温泉と1泊づつ、そして音楽祭の後は、前から行ってみたかった、五箇山にある合掌造り集落、そして岐阜の白川郷と、世界遺産になっている日本のこころの故郷ともいえる風景に出会いたく、足を延ばし、最後は高岡市の雨晴(あまはらし)温泉に1泊となりました。このお宿は、やはり以前”旅サラダ”で紹介していたお宿で、どの部屋からも雨晴海岸を一望でき、空の青さと、一面に広がる海岸の大迫力に圧倒される景色です。雨晴海岸は、富山湾越しに3千m級の立山連峰が見えるその絶景から、世界屈指の場所として有名です。

地元の方のお話では、雪をかぶった立山連峰が湾越しにくっきりと裾野まで海に浮かんだようによく見えるのは、やはり晴れた冬が良いそうですが、それでもこの日は白い雲をかぶった立山連峰がうっすらと見えて、その美しさを感じることはできました。いつかチャンスをみて湾越しに雪の立山連峰の雄大な姿をみてみたいものだと思います。もしみえたらそれがこの景色です。

雨晴海岸には、近代的な建物の道の駅”雨晴”が出来上がっていて、大変賑わっていました。どこからでもこの景色を眺められるデザインになっていて人気があるのもわかります。

宇奈月温泉のモーツァルト音楽祭は来年10回目を迎えます。地元のボランティアの人々の熱い思いから始まったこの音楽祭は、モーツァルトの音楽が年代問わず、性別問わず、どんな人にも愛され続け、いろんな形で楽しまれ続けていることを発信するぬくもりのある、本当に貴重な音楽祭だと感じます。そしてそれが人々との温かな触れ合いを生んでいることも。

こうして、日本の、そして北陸富山の宇奈月温泉の地で、3日間モーツァルトのメロディが町じゅうを包み込み、山々にこだまする様を、ザルツブルクの人々はまたモーツァルトさん自身は、もしみたらどう思われるのでしょうか。楽しい空想ですね。

来年は第10回目の節目、きっと特別な企画が用意されているのではないでしょうか。ボランティアの皆さま、ご出演の皆さま、本当にお疲れ様でした!いまから又来年を楽しみにしていま~す。♡♠♤

2018年9月9日のモーツァルトハウス(東京)
芸術の秋!・・・♡♠♤
まだまだ暑い日が続いていますが、「芸術の秋」はすぐそこまできています!上野の美術館で楽しみな美術展が二つあります。「フェルメール展」(上野の森美術館:10/5~2019年2/3まで)と、「ムンク展ー共鳴する魂の叫び」(東京都美術館:10/27~1/20まで)です。

「フェルメール展」は現存する35点のうち8点が集結する日本美術展史上最大のフェルメール展。混雑を避けるために、欧米では普及しているが日本では馴染のない「日時指定入場制」になるそうです。あのフェルメールに上野で会うことができます!

また「ムンク展」は「叫び」が再び来日し、ムンクの故郷、ノルウェーのオスロ市立ムンク美術館が誇る珠玉のコレクションを中心に約100点で構成。「家族の死」、「絶望」、「マドンナ」など、私にとって惹かれるムンクの絵にようやく会うことができます!

9月15日(土)から、いよいよ始まる富山県宇奈月温泉での「モーツァルト@宇奈月」(~17日まで3日間開催)は、今年で第9回目を迎えます。

この音楽祭で、秋の訪れをいつも感じます。宇奈月温泉のいたるところでコンサートが開催され、街中がモーツァルトの音楽で満ち溢れるこの音楽祭は、演奏される曲がモーツァルトオンリーというユニークなもの。招待音楽家による「室内楽コンサート」や、最終日の「宇奈月アマデウス祝祭管弦楽団」公演は、年々充実し、今では最高の呼び物になっています。こうして3日間の開催中、宇奈月がモーツァルトの音楽一色に包み込まれるのです。

オーストリアのザルツブルクを彷彿させる宇奈月温泉で繰り広げられるこの音楽祭の魅力は計り知れず、すっかりはまり込んでもう7回目!お魚はうまいし、黒部名水ポークあり、ほたるいか、鱒ずし、お酒、お米も美味しい、立山連邦を望み、黒部川が流れ、ここ宇奈月温泉は欅平までの黒部渓谷とろっこ電車の始発駅でもあります。

様々な人との触れ合いがあり、楽しみがいっぱい詰まった宇奈月モーツァルト音楽祭!その”湯の街ふれあい音楽祭”が、今年もまもなく始まります!是非いつかご一緒しましょう!

そろそろ日本中の各地で、芸術の秋のはじまりで~す!♡♠♤


2018年9月4日のモーツァルトハウス(東京)
「風下のオペラ」のニュース・・・♡♠♤
8月9日、NHK「おはよう日本」で、米国での原爆被害者を扱った「風下のオペラ」のことを報道していました。日本へ原爆を投下したことで戦争が終わり、多くの米国兵の命が救われたのだと信じている米国人が今でも多くいる事を我々日本人は知っていますが、実は広島、長崎への投下する前、7月に米国・ニューメキシコ州の実験場で人類初の核実験が行われ、近くに住んでいたダウンウィンダー(風下の人)と呼ばれた人々は世界で初の被爆者となって、今では数千人の住民に異常な高確率でがんが見つかっているのだそうです。「私たちは世界で最初に核実験で被爆したのだ」と、訴えている人達です。

この原爆が生まれた地で歴史を見つめ直そうと問いかけるオペラ”Doctor Atomic(原爆博士)”が上演され、原爆を生んだ核実験で気付かぬうちに被爆の被害にあった地元の住民たちもその舞台に立っている。その苦しみを訴えて欲しいとオペラの監督から依頼されたからです。オペラは広島と長崎への原爆投下で幕を閉じ、最後は「水をください」という日本語で終わります。メトロポリタン歌劇場で上演され、そこで観た方もいるのかも知れません。

地元、ニューメキシコ州の博物館には投下を決断したトルーマン大統領の書簡が展示されている。日本だけではなく、米国にもこの核実験による被爆者が存在し、今でも苦しみ続けている人々を米国は忘れてはならない。「わたしたちは完全に政府に無視されてきた」という声があることを。

映像に、ちょっと出て来たのは演出家でしょうか、ピーターセラーズに見えます。昨年ザルツでクルレンツィスとタグを組んだ「ティト」や、ダ・ポンテ3部作でニューヨークを舞台に新たなモーツァルトオペラを生み出したあの演出家です。。。

2018年8月27日~31日のモーツァルトハウス
初秋の空!・・・♡♠♤
広大な佐久平高原(標高700m)の浅科地区に始めて行ってみました。ここで栽培されている五郎兵衛米(ごろべえまい)は、五郎兵衛用水で栽培されている長野県が誇るブランド米です。五郎兵衛用水は、およそ400年前に上野国(現群馬県)出身の市川五郎兵衛真親(さねちか)が開いた用水路で、2018年8月に世界かんがい施設遺産に選定されたばかりです。「五郎兵衛記念館」もあり、館長さん自ら丁寧にこの灌漑用水について成り立ちから現在に至るまでを様々な資料をもとに説明してくれます。

五郎兵衛米は残念ながら出荷数も少なく(全体で6000俵しかありません)、全国的な知名度もなく、なかなか市場には出回らないので幻のお米と言われています。近くには道の駅「ほっとぱーく・浅科」があり、ここはやはり御膝元なのでこの五郎兵衛米や、松本ハイランドすいか、長野の桃などが並んでいました。

稲穂は黄色に色づき始めていて、真青な空に白い雲、そして稲穂の黄色のコントラストに見とれて、いつまでもこの景色を瞼に焼き付けたいと思う美しさでした。
「五郎兵衛記念館」は小高い山の頂にあり、傍には蕎麦も植えられていて、蕎麦の白い花が咲き、ここからの浅間山の雄大な景色と一面の黄色いじゅうたん、そして青空と雲、本当に美しい初秋の景色でした。猛暑の夏もこうして終わり、そろそろ信州は実りの秋を迎えています。


佐久平の浅科までは小海線の「中込駅」を経由して行きました。重要文化財の「旧中込小学校」があり、駅周辺もレトロな感じが残っている好きな場所なのです。駅には丁度「ハイレイル1375」(日本で一番高い1375mを走る列車)が通過する時間に遭遇できました。

「五郎兵衛記念館」の館長:根沢さんの説明によれば、五郎兵衛用水は八ヶ岳最北部の蓼科山の山中の湧き水を水源に、特殊な工法や高度な測量技術を駆使して、山にトンネルを開け、低い土地に盛り土をして<水路を築くなどし、全長20㎞に渡る用水路であるとのこと。この用水が利用でき、更に近くの千曲川の流れで堆積されたミネラル分が豊富な粘土質の土壌であるからこそ、ここでしか栽培できない美味しいブランド米が誕生したのでしょう。しかしこの条件が揃っている地区は非常に狭い範囲なので、栽培量が少ない貴重なお米となっています。五郎兵衛米というのは、五郎兵衛さんが作ったブランド米と思っていましたが、五郎兵衛用水からこの名称となっていることを、初めて知りました。
2018年8月15日付けの信濃毎日新聞に、この五郎兵衛用水が「世界かんがい施設遺産」に選定されたと掲載されています。

2018年8月26日のモーツァルトハウス(東京)
祝福の花火!・・・♡♠♤
昨夜は”大曲花火競技大会”が秋田県大仙市(かつての大曲市が統合によって大仙市になった)でありました。”大曲の花火”として愛されてきた花火大会です。この大曲の花火は花火師さんたちが腕を競い合う競技大会としては日本一のもので、歴史の始まりは1910年で、戦争や災害で何度か中断しながら続き、2010年には100年目を迎えた長い歴史を持ちます。

長岡の花火大会、土浦花火競技大会、そしてこの大曲花火競技大会が日本三大花火大会ですが、内閣総理大臣賞を授与されるのは土浦と大曲で、この大曲の花火には内閣総理大臣賞に加えて、経済産業大臣賞、中小企業庁官賞、文部科学大臣奨励賞が授与され、競技大会の識者の間でも最も権威ある大会として位置付けられています。長岡の花火大会は、競技大会ではなく、歴史の古さでは一番です。(明治12年から)

今では毎年NHKBSプレミアムで、開始から終了までライブ中継があり、家で居ながらビールを飲みながら大曲の花火を楽しむことができます。晴天に恵まれた過去平成22年には最高の80万人の人出があったそうですから、統合前、大曲市の人口は4万人程でしたから、一日だけたった一か所にこれだけの人が押し寄せたとは大変なことだったと思います。

毎年8月最後の土曜日に開催され、新幹線のチケットや、宿や桟敷席は旅行会社等で抑えられるので、県外からの方は1年前から計画して手配しないと入手が困難と聞いています。(大曲駅秋田間は新幹線こまちで一駅で36分、各駅停車で53分、当日は臨時列車が多数出ています。)

昨夜も1万8千発の花火が夜空を彩り、花火師が創り上げた珠玉の芸術作品を堪能することができました。大曲の花火は知名度はあまりありませんが、秋田放送局が使っているキャッチコピーでは、”秋田には日本一の花火大会がある”、のです。

大曲は江戸時代から花火文化が根付いていたそうで、雄物川の水運で栄えたこの地では、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全を祈る神社祭典の際に花火を奉納する習わしがあったため、花火師が多くいたそうな、そんな歴史が花火好きの遺伝子を育て、花火の街、大曲を支えているのかも知れません。

雄物川の川越しにみる夜空に上がる花火、そして盆地である大曲ならではの、打ち上げる音が山にこだまし、地響きをして身体に伝わる振動、大曲の花火の醍醐味でもあります。

昨夜は、夏の甲子園で躍進した金足農業高校の健闘ををたたえる記念花火も急遽用意され、「栄冠は君に輝く」の曲にあわせて打ち上げられたそうです。金農カラーの紫色の昼花火で、準優勝の喜びの余韻に浸ったことでしょう。

こうして秋田に夏の終わりを告げる大曲の花火も終わりました。。。夏を惜しむかのような北国秋田での花火、、、なんか寂しくなります~ね。

2018年8月7日~20日のモーツァルトハウス
夏の思い出!・・・♡♠♤
暑い、そしてまた熱く燃えた夏がもうすぐ終わります。今年は軽井沢も暑かったですが、それでも10日を過ぎる頃からはすっかり朝晩が過ごし易くなり、本来の高原の夏の涼しさと爽やかさがありました。17日(金)の朝晩には涼しさを通り越して肌寒く、一気に秋を思わせる気温となりました。

いろんな思い出を残した今年の夏でした。夏に家の周辺に咲く山野草を愛でたり、また上田の信州国際音楽村にでかけ、そこで行われていたヴァイオリンの講習会(主催:景山誠治&裕子夫妻、ピアノ 大須賀恵里・大越崇史先生)の最終日に、こだまホールで行われた受講生コンサートにもお伺いしました。

音羽の森ホテルのフレンチレストラン桂姫でのデイナーは、信州牛とトウモロコシを食べさせて育てたフランス産鴨がメインで、どちらかを選ぶことができました。

暑さのせいか、ふだん殆ど食べないスイカを今年ほど食べた年はありませんでした。JA松本ハイランドすいか、波田下原すいかなど長野にはおいしいブランドスイカがあることも知りました。サクサク感が自慢のスイカです。私の地元秋田の”JAふるさと”のすいかも甘さたっぷりで美味しかった。

ホテルサイプレス軽井沢のロビーではヴァイオリンとフルート、ピアノの生演奏が夕方から2回あり、杉原桐子さんや川口直美さんが出演していたので、いぶりがっこを持ってちょっとお邪魔してみました。この日はお盆で大勢の帰省客や観光客でごったがえしていた日でしたが、リゾート地のホテルのラウンジで、身近で生の演奏が聴ける素敵な雰囲気を味わえて嬉しかったです。

いろんな思い出を残して過ごした今年の夏もあとわずか。来月は宇奈月温泉でのモーツァルト音楽祭や、その後には折角の富山県ですから周辺を旅行してこようと計画しています。10月にはザルツブルク、ウィーンの旅が待っています。

心身の夏の疲れをとって、新たな気持ちで2018年の残りを駆け抜けたいと思います!チェスト~!きばれ!ですね!大河ドラマ「西郷どん」も大詰め、維新に向かってまっしぐらに進んでいきます!


2018年8月23日のモーツァルトハウス(東京)
カナノウ旋風に熱く燃えた夏!・・・♡♠♤
甲子園で決勝進出を決めた秋田金足農業高校。決勝進出は秋田県としては103年ぶりのこと。優勝は成らず準優勝に終わったけれど、9人のメンバーで、それも全員秋田出身(それも家もご近所)、公立高校、農業高校で、”甲子園で優勝”というとてつもない大きな夢を掲げて、エース吉田輝星投手のもとに結集したそんなチームが、数々の強豪を倒し、決勝まで進んだことはミラクルに等しく、大きな感動でした。私の故郷秋田の誇りです。

超エリート軍団ともいえる大阪桐蔭の前に、決勝では力尽きてしまい、悲願の真紅の優勝旗を秋田に持って帰れませんでしたが、昨日は秋田のみんなの大きな声援に迎えられて、ナイン全員が笑顔で秋田に戻れたのを見るのは嬉しかった。

甲子園への出発時は20人だった見送りが、昨日の空港での出迎えは1400人にも及んだとか。正に甲子園で成長し、甲子園で秋田が一つになった、郷里の絆を結んだ結果でしょうか。

日本農業新聞という、日ごろは農業関係を扱う新聞が回を進むごとに金農の快進撃を記事にするようになり、それも異例なことで、21日の朝刊では準優勝おめでとう!と第一面を飾り、号外まで出したそうな、そんな嬉しい話題もありました。農業界にも刺激を与え、農業を見直し、農業高校の様な専門職を育成する高校に光を与えるきっかけにもなったなら素晴らしい。

金足農業高校の校長先生の「秋田はここ何年も喜ぶような大きな出来事がなかった、秋田県をこんなに大きく盛り上げてくれてありがとう」と讃える言葉がありましたが、過疎化、高齢化と元気がない県として秋田はそのトップに挙げられるような県でしたが、ちょっと前の秋田犬をザキトワ選手に贈呈し話題になりましたが、こんな風に秋田には秋田の良さがあるのですから、これからも良さをどんどん発揮していって欲しい。

甲子園で初戦からもうだめかと何度も思わせながら、その粘り強さで次々と強豪を倒し、ドラマを生んで大きな感動を与えてくれた”金農旋風”。その”金農旋風”に燃えた私の熱い夏も終わりました。亡き父や母にもこの郷里の奇蹟の喜びをみせてあげたかったと思った夏でもありました。
横浜高校戦の逆転スリーラン、近江高校とのさよならツーランスクイズなどには飛び跳ねて喜び、これが本当に私の故郷秋田の高校なの?と思ったものでした。
もちろん優勝してのうれし涙も最高だけれど、夢を追いかけ一生懸命だったけどあと一歩届かなかった悔し涙も美しい!カナノウナインは、その悔し涙も絵になったチームでした!準優勝おめでとう!感動をありがとう!これからの未来も素晴らしいものでありますように!

甲子園100年目のメモリアルに相応しい感動の夏を、ありがとう!

それにしても、あののけぞってうたう校歌をもう一度優勝して聞きたかったなァ~!

2018年7月30日~8月3日のモーツァルトハウス
高原の夏休み・・・♡♠♤
異例なコースをとって進んだ台風12号ですが、長野県にも農作物などに大きな被害がありました。収穫を控えていたフルーツなどの被害が出たようです。木が倒れていたり、枝が折れて散在していて家の周辺でも台風の爪痕を感じました。折れた枝を集めていたらこんなになりました。

長野県にも連日異常高温注意報が出され、長野県内で、最高気温が30度というのは軽井沢、開田高原、野辺山、栂池などほんの数か所で、盆地が多い長野県は、長野市、松本市、上田市、飯田など、天気予報の最高気温では軒並み35度を超えています。麦草峠は標高2千mなので、さすがにここまで行くと涼しいのかな~と思います。志賀高原、美ヶ原高原、戸隠高原なども標高2千m超える場所なので、天然のクーラーで涼しいでしょうね。気象上では標高100mで0.5度下がるそうです。

最高気温は31度や32度にもなった軽井沢でしたが、最低気温は20度以下で17度~19度まで下がりますから何か1枚羽織りたくなります。夕方にはひんやりとした風が吹き始めるのでほっと一息できます。

夏の盛りに咲き始めるフシグロセンオウやソバナが咲き始めました。どれも可愛い自生の植物です。強い陽射しを避けて、涼しげな、湿気の多い所を好んで咲いている姿には癒されます。


2018年7月25日~26日のモーツァルトハウス(秋田)
秋田でモーツァルト!・・・♡♠♤
秋田のモーツァルトの愛好家の会である「モォツァルト広場」のサマーコンサートに参加して来ました。会場は結婚式場の中のサロン風の”ヴァレリアーノ”という名前のお部屋です。控室も設けられていて、ゆったりとした空間でスポンサーによるドリンクが無料で提供されています。皆さんがお仲間と楽しそうに会話されていてとっても和気藹々とした雰囲気を醸し出しています。出演者は地元の演奏家が殆どで、もうお馴染みになっている感じです。

1995年から続いていて毎年年2回コンサートを開き、今回お邪魔したサマーコンサートも22回を数えています。代表の加藤明さんにお会いすることができ、まぁ東京からわざわざ来たのかと驚かれながらも、初めてお会いする感じがしなく、ずっと以前からのモーツァルト仲間といった印象なのが不思議です。

コンサートは、都会にはないホンワカサがあり、故郷で聴くモーツァルトもやっぱりいいものでした。自分がこれからも元気でい続け、あと8回続き、第30回をジュピターの曲で締めくくるコンサートをして、終わりにする・・というご自分のこれからの目標を、我々参加者の前で公言しておられましたが、あと8回と言わず、これからも秋田でモーツァルトの素晴らしい音楽をみんなに聴かせていって欲しいなと思いました。

翌日は、お堀一面に咲くハスの花を見て楽しんだ後は、国の重要文化財に指定されている、旧秋田銀行本店の「赤レンガ館」や町屋の商家がそのまま残る「旧金子住宅」などを観て回りました。気温は秋田もこの日は34度の猛暑でしたが、故郷の夏は湿度もなく心地好い暑さです。

旧秋田銀行は、2階建てで華美な装飾を控えたイタリア・ルネッサンス様式の建物です。土台は男鹿石の切り石積み、1階が磁器白タイル、2階が赤レンガで、明治42年着工、完成が45年で、私がまだ秋田にいる頃の昭和44年まで、秋田銀行本店として実際に営業していた建物です。現在は館内が郷土資料館にもなっています。

宿泊した”中通り温泉 こまちの湯 ドーミーイン秋田”は地元の友人のお薦めの宿だっただけに、温泉もついていて、便利な場所で、部屋の窓からはお堀が眺められ、フロントの接客も親切で良かったです。外人の観光客も多いので驚きました。朝食も、いぶりがっこ、とんぶり、だまこもち、稲庭うどん、など秋田の食材もたくさん並び、懐かしい味に舌鼓をうちました。

今年2回目の故郷秋田への旅でしたが、こまちの車窓からの眺めを楽しみながら、故郷は遠くにありながら、年々心の中では近くに思えるもので、”ふるさとはありがたきかな~”を実感した旅でした。ふるさと、奥羽本線「和田駅」です。

2018年7月24日モーツァルトハウス(東京)
酷暑!・・・♡♠♤
昨日は、熊谷市でとうとう最高気温が41.1度を記録し、40度越えをした所も他にもあり、今年一番の炎暑日となりました。危険を感じる暑さです。
そんな中、今年2度目の秋田行きがもうすぐです。秋田の気温をみるとまだ最高気温は30度にならず、最低気温は22~23度なので、相当過ごし易いのではと期待できます。

目的は、秋田にあるモーツァルトの愛好家の会のコンサートに参加しようと思ってのことです。「精粋なるピアノと室内楽の夕べ」というタイトルでコンサートが開かれます。

曲目は「アヴェ・ヴェルム・コルプスK618」、「デュポールのメヌエットによる変奏曲K573」、「ピアノ・ソナタK570」、「ヴァイオリン・ソナタK303」、「弦楽四重奏曲(ハイドンセット第2番)ニ短調K421」と、魅力的な曲が揃っています。演奏は、殆どが地元出身者によるものです。

8月に秋田に行くと、秋田駅から千秋公園までの通り沿いにお堀があり、ちょうどハスの花が一面に咲いていて、それは綺麗です。秋田の夏の風物詩となっているハスの花です。もっと広いお堀でしたが、道路拡張のために半分は埋め立てられてしまっていて、それを知った時は、「どうして?」と本当に寂しく思ったものです。私の通った高校はこの千秋公園の中を通ってその先にあったので、懐かしい毎日の通学ルートで、四季折々の花々を眺められる幸せを、高校生の私は感じながら3年間を過ごしました。

お堀一面に咲くハスの花を、”大賀ハス”と紹介し続けて来たのは汗顔の至りだと、市の公式サイトで謝罪していますが、正確にはこのハスは、「漁山紅蓮(
ぎょさんこうれん)」と類推される品種なのだそうです。

”大賀ハス”とは、1951年に故大賀一郎博士によって千葉県検見川で発見された3粒のハスの種が、シカゴ大学原子核研究所のテストの結果、この種は2000年以上も古いものと証明され、その種の1粒が大賀博士によって奇跡的に発芽に成功して、翌年1952年に2000年の眠りから覚めて桃紅色の花を咲かせました。

1965年に、大賀博士から千秋公園のお堀で美しく花が咲くようにと”大賀ハス”の種4粒を譲り受け栽培したのが始まりだそうですが、その後、お堀に戻して開花させたり、枯れてしまったりを繰り返して、長い歳月が経つうちに異なる性質を持ったハスに変化して今のお堀を埋め尽くしていて、それを”大賀ハス”と紹介し続けて来たのは、間違いだったという事なのですが、今は蓮文化研究会から数株譲り受けた貴重な”大賀ハス”の株は、交雑や自然淘汰されることを防ぐために、千秋公園内の池内で、間仕切りをするなどして育成、管理、展示をしているのだそうです。

2014年にみた秋田市のお堀に咲く「漁山紅蓮(ぎょさんこうれん)」です。古代のハス”大賀ハス”の面影も偲ぶことができます。

2018年7月22日モーツァルトハウス(東京)
お酢の効果!・・・♡♠♤
こう毎日暑いと、食事に酸味を効かせるのも食欲減退を解消するための方法ですね。レモンもそうですし、梅干しも、またラッキョウも、食欲を増して夏バテには効きそうです。最近はいろいろな酢漬けがはやっています。私はこの夏、ピーナッツの酢漬けを作りました。NHKの番組”ためしてガッテン”を観て、身体に良さそうと思ったからです。

ピーナッツは、世界が認めた優良食材で、高血圧予防、血糖値を穏やかにしたり、血液サラサラ、血管の若返りなどに効果があり、これを酢に漬けたものを一日20粒程度を毎日食べる事で、その効果が更に期待できるのだそうです。

世界的に権威のあるランダム化比較試験で立証された”身体にいい4大食品”は、①肉・魚、②野菜・果物、③玄米・全粒粉・蕎麦などの様に精製されていない炭水化物、④ナッツ類、だそうです。ナッツ類の中でもピーナッツは中国では漢方薬とされ中華料理にも良く使われている優秀な食材。柿の種にピーナッツが欠かせないのも、意味があったのかも。

ピーナッツを私はりんご酢に漬けました。ピーナッツの殻はポリフェノールをたくさん含んでいるので、殻ごと漬けます。3~4日が食べごろだそうですが、酢を苦手としない私でも、むせてしまって20粒は結構きつい感じがします。蜂蜜で甘味を付けると食べやすいかも知れませんね。

ついでにしょうがの酢漬けも作ってみました。今は便利な”万能だし酢”がスーパーでも売っているので、これに漬けるとと簡単に出来ますね。冷たいお水にレモンを浮かべて飲むだけで、爽やかな夏の飲料になります。

クエン酸などの酸味で、暑さに負けずこの夏を乗り切りましょう!お酢が苦手という方は、無理をしないように!

※ランダム化比較試験:最近医学会で最も注目されてきた試験方法で、評価のバイアス(偏り)を避け、客観的に治療効果を評価するのを目的としたものです。研究対象となる人を無作為(ランダム)に二つの集団に分けて、片方の集団には選択した食材を摂取させ、もう片方の集団にはその食材を与えないことで、ある期間試みて、その結果を観察して判断する方法です。

2018年7月16日~20日のモーツァルトハウス
暑中お見舞い申し上げます!・・・♡♠♤
全国的に猛暑が続き、日本列島全体が熱帯地方のような異常な暑さに包まれています。軽井沢も類に漏れず、軽井沢銀座で30度を超えたと言ったニュースが流れていました。軽井沢が30度になるとニュースになるのですね。標高千メートルの高原の避暑地の30度は珍しいです。ここ1週間の長野県の天気予報を観ていると、長野県内でも暑さの厳しい場所は、長野、上田など35度、松本、飯田など36~37度となっています。

そんな軽井沢でも、森の中では涼しく、また朝晩はひんやりした風が吹いて来て、エアコンなしの生活が送れるのですから、やはり有り難いです。草むしりをしたり、また読書もはかどるし、そして大切に育てている山百合が丁度咲きはじめていて、木々に囲まれた生活は心を癒してくれます・。

友人夫婦と久しぶりにランチも楽しみました。これからの夏本番、都会の暑さから少しは解放されて高原での爽やか生活を楽しもうと思います。

2018年7月15日モーツァルトハウス(東京)
猛暑・ひとりごと・・・♡♠♤
毎日こう暑いと何をするでもなく、家の中でじっとただ暑い!暑い!を連発している自分に気が付きます。でも頭の中はいつもモーツァルトのことを考えているから不思議です。

なぜこんなにも愛らしい曲が出来るんだろうから始まって、どんなに他の作曲家の魅力を言われても、それはそうでも、やっぱりモーツァルトには叶わないはねェ~などと、口には出さないながら思っていたり。

曲だけに留まらず、モーツァルトの人となりというか人物像なるものを知ってしまうとその魅力にはまってしまい、そのことにより彼の曲への愛着がまた増してしまったりもします。モーツァルトは”神の愛でし子、愛の人”なのだな~と思います。曲はモーツァルトそのものと一体化してしまっって、人間の血が通った曲、人間そのものが曲と化したそんな感じでしょうか。

こうしてモーツァルトを愛し続けて早や、○○年。昨日のパーティでは60年来の愛好家である会員のお一人が乾杯の音頭をとりましたが、そんな方からすると”まだまだだね~”と言われそうですが、モーツァルトは色いろな幸せをもたらしてくれる存在でもあります。音楽から得られる幸せ感だけではなく、モーツァルトを好きという縁が結んでくれる人々との交流もまた大きな幸せです。

1955年の誕生以来60有余年の歴史を刻んできた日本モーツァルト協会、敷居が高いなど感じないで気楽に例会に参加してみませんか。

1985年の映画「アマデウス」人気、没後200年の1991年など、希望者が爆発的に増えて、会員になるまで何年もかかった「神話」が残る日本モーツァルト協会ですが、今はいつでも入会可能です。例会は年10回、7月、8月が夏休みとなるので、バカンスの予定なども立てやすく便利です。例会会場は殆どが東京文化会館小ホールです。

秋には、協会主催のザルツブルク、ウィーンを巡る音楽ツァーも企画されています。ザルツ、ウイーン詣ではもう何度もという方も、また初めての方は勿論、会員同士の交流も期待できる、楽しいツァーになるのではないでしょうか。♡♠♤

希望の方は締め切り間近ですからお早目に。

2018年7月14日モーツァルトハウス(東京)
例会600回記念パーティ!・・・♡♠♤
日本列島は猛暑が続き、東京の今日の最高気温の予測は35度。そんな中、日本モーツァルト協会例会600回祝賀パーティが霞が関ビル35階の東海大学校友会館「富士の間」で行われました。

アンサンブル コルディエによる、弦楽四重奏曲 変ロ長調K458「狩」の演奏で始まり、理事長の挨拶、そして食事をしながらの懇親会となりました。

「狩」は祝賀に相応しい典雅でどこか華のある曲だなと思いました(どなたの選曲でしょうか)。モーツァルトの時代はこうして貴族達が自分の館で弦楽四重奏を演奏したり、また演奏するのを聴き楽しんだのでしょうから、開館50周年を迎えた日本初の超高層ビルである霞が関の35階のフロアーで、私たちは正に王侯貴族になった気分で今日はこの演奏を心から楽しみました。

2時間ほどのパーティでしたが、和気藹々と本当に楽しい時間を過ごさせて頂きました。参加者は気楽なものですが、企画立案にはじまり、場所設定、日程調整、演奏者の手配、料理についての打ち合わせ、おまけに当日はお土産、記念誌まで頂戴しましたので、それらの準備も大変であったろうと思います。本番の今日も、私たちから数時間前の早出、終わってみればあとの始末だって如何ばかり大変かと、つい準備をする方の立場を思ってしまいます。今頃はヤレヤレと美味しいビールでも飲んでいると良いのですが~。

一口に600回といっても、まず例会のプログラムの企画、演奏家への依頼、そしてその聴衆である会員、この3つが揃わないとこの600回という数字にはならないのですから、創立からほぼ60年という歳月は本当に素晴らしいことだなと思います。そしてこれまでの先輩会員たちの努力にも感謝です。

ボランティアが支えて続いて行く会は、手弁当で日々運営に携わっている方々にまず感謝して、その上でモーツァルトを心ゆくまで楽しんで行こうと、当たり前のことですが、改めて600回祝賀パーティを終えてみて感じています。

例会ではなかなか味わうことのない仲間同士の交流もありました。今日は本当に素敵な会をありがとうございました!!


2018年7月12日モーツァルトハウス(東京)
生誕333年のバッハ!・・・♡♠♤
バッハは今年生誕333周年!加藤浩子先生がそれを記念してバッハの本を出版されました。『バッハ「音楽の父」の素顔と生涯』(平凡社新書)です。加藤先生と言えば、バッハのツァーをもう20年も続けられていますが、その「バッハの旅」への参加者数は今では800人にも及ぶのだそうです。リピーターではない、毎回新しい方の参加というのもこれも驚きです。日本人はバッハがお好き、人気は根強いと感じます。(勿論バッハ人気だけではなく、先生の魅力も大きい!)

昨日は、朝日カルチャー新宿校で講座があり、『生誕333年「バッハ」の新しい顔』と題して、講師が加藤浩子先生、新刊『バッハ「音楽の父」の素顔と生涯』からバッハの実像、最近の新発見によって変るバッハ像についてを、映像や音楽を交えながらお話されました。全2回で、次回は8月9日(13:00~14:30)です。

宗教曲と器楽曲の両方ともに演奏され続けている作曲家はバッハ以外にはいないそうで、しかし、バッハと言うとブランデングルク協奏曲、管弦楽組曲、無伴奏などの器楽曲が好きという人も私の周りには意外に多く、先生もツァーの参加者もほとんどがそうですとおっしゃっていました。本の最終章には「バッハディスクガイド」が載っていて先生お薦めのディスクが紹介されているのもいいですね。

日本列島は、酷暑が続き、一歩家を出ることにも勇気がいりますが、思い切って外出し、涼しい教室に身を置いて、お話を交えながら聴く音楽鑑賞は思いのほか贅沢かも知れません。その際も、水分補給だけは忘れない様に~!

次回は演奏のお話をされるそうです。楽しみです!

2018年7月8日モーツァルトハウス(東京)
ふるさとの味!・・・♡♠♤
ある一部分の地域でしか食べられず、ローカル色豊かだったものが、いつの間にか全国的な人気になるものって様々ありますが、私のふるさとの「いぶりがっこ」もその一つです。

私が子供の頃は、県南地方の横手か湯沢地方で食べられていたものですが、県内だけではなくいつのまにか東京の居酒屋でもメニューになっていたり、又ある時はデパ地下のおにぎり屋さんでもいぶりがっこのおにぎりを見つけ、ビックリしたこともあります。

いぶりがっこは、大根を燻して漬けるので、そのスモーキーさが、ご飯の御供だけではなく、日本酒だけではなくワインにも合ったりするので、一部の地域だけの漬物だったものが、その珍しさもあって好まれていったのでしょうか。そもそもは大根を漬ける前の天日干しの作業が、秋田県内陸部では、降雪の時期が早く、それが出来ない為、囲炉裏火の熱と煙で干したのが始まりといわれています。雪が深いこの地方の保存食として古くから親しまれています。

今では秋田のお土産売り場に様々なタイプのいぶりがっこが並んでいて、人気のほどが分りますね。先日の帰省で見つけたのはこれ!「ワインとチーズによく合ういぶりがっこ」とあります。漬物であって、もうすっかりおしゃれな食べ物になっています。

さて、今夜はこれにクリームチーズを挟んで、ワインといきますか!食欲減退の暑い時期には、いぶりがっこでご飯もすすみますよ!

2018年7月4日モーツァルトハウス(東京)
素晴らしい公演!・・・♡♠♤
東京は猛暑日が続いています。そんな中、7/1(日)には、調布音楽祭での「劇場支配人」&「バスティアンとバスティエンヌ」を指揮・チェンバロを鈴木優人、バッハ・コレギュアム・ジャパンで聴きました。演出は今では引っ張りだこの佐藤美晴、場所はグリーンホール大ホールです。

歌手陣は、テノールでは櫻田亮やバスは加耒徹など、モーツァルトオペラではタイトロールを務める素晴らしい歌手たちです。櫻田さんは、2018年6月ライプツィヒ・バッハ音楽祭でソリストを務めたばかりです。

「劇場支配人」は生で観るのは今回で3回目。良さが良く分らなかったのですが、ある時にDVDでザルツブルク音楽祭での公演を観てから、その序曲の素晴らしさに気付かされ、わずかアリア2曲、三重唱1曲、そしてフィナーレで終わる短い、他愛無いものながら、モーツァルトの旋律の素晴らしさに目覚めていたので、今回の公演は本当に楽しみにしていました。

お父さんの鈴木雅明氏もこの日お見えでしたが、息子さんの優人さんは、才能豊かで、バッハだけではなく、モーツァルトも、又指揮、チェンバロ奏者としても多彩な才能を発揮して、只今大活躍中で、注目したい音楽家の一人です。この日も指揮者ながら役者にも加わり、「バスティアンとバスティエンヌ」ではチェンバロと指揮をされ、その才能振りを発揮していました。

彼の演奏は「火花が散るほど熱く説得力がある」と絶賛され、既にお墨付きですが、音楽は力強く、、メリハリがあって最初から彼の創りだす音楽に心が持って行かれた思いです。神戸、調布で育ったそうで、そんなご縁からでしょうか調布音楽祭のエグゼクティブ・プロデューサーを務めています。

昨日3日は、モイツァ・エルトマンのソプラノリサイタルが紀尾井ホールでありました。これもまた素晴らしかった。美声と美貌を兼ね備えた歌姫、エルトマンの来日公演です。演目は、前半がメンデルスゾーン、そして後半はオールモーツァルトです。

背中を大きく開けて、ストールをすとんと落とした白いドレス姿で、チャーミングでかつ美しく、また清潔感のあるセキシーさで、男性ならず全ての観客を魅了しました。加藤浩子先生にもお会いし、また我々の席右隣りには、2日前に終わったばかりの調布音楽祭の鈴木優人さんのお姿も。そういえば堀内修先生も見えていました。

拍手がやまず、舞台に何度も現れ、アンコールに応えていたエルトマン、そしてCDのサイン会では長蛇の列でしたが、鈴木優人指揮・バッハ・コレギュアム・ジャパンのモーツアルトの「レクイエム」(9月24日(祝))の公演ではソプラノのソリストとして再度来日します。テノールは櫻田亮です。

数々の名演奏を残している鈴木優人&B・C・Jによるモーツァルトの「レクイエム」、優人&B・C・Jファンにとっても、モーツァルトファンにとっても魅力的です!

猛暑の中、数々の感動的な公演が続いています。今年は梅雨明けが早いので、一気に暑中お見舞い申し上げますの時期になってしまいました。どうぞいい音楽で暑さをしのいでください。

2018年6月30日モーツァルトハウス(東京)
みちのくの旅・・・♡♠♤
JR大人の休日倶楽部フリーパスを利用して、6月26日(火)~29日(金)の3泊4日のふるさと秋田へ旅してきました。実家に2泊、男鹿半島に1泊の旅でした。

男鹿では、先日TVの「旅サラダ」で紹介していた「男鹿桜島リゾートホテルきららか」に泊まり、翌日はバスツァーで、男鹿の紫陽花寺の雲昌寺や、なまはげ館を廻りました。雲昌寺は、「死ぬまで行きたい世界の名所、日本編2017」にもなっていて、副住職が15年を費やして株分けして、今では1200株もの青色一色の紫陽花が咲くお寺にしました。テレビなどでも放送されて評判となり、今では一日5千人もの人が訪れる男鹿の人気名所になっています。

青色一色だけの紫陽花寺は日本でもここだけだそうで、空の青、海の青、そして紫陽花の青と、”スリーブルー”のコントラストがそれは見事な美しさでした。また住職が枕木で作った、可愛い展望台があり、空と、海と、ひなびた漁村の家並みが眺められ、ここに展望台を作ったのにも納得し、この何とも表現できない風情が印象的で、目に焼き付けました。

雲昌寺を訪れた時間には雨も上がっていて、運よく晴れ間も見え、紫陽花は丁度見ごろを迎えている時期でありながら、人も少なく、傘を差さずに青いじゅうたんの様な紫陽花の中を歩きながら、美しい紫陽花に心を奪われるひと時を過ごしました。。

6月末から7月は、男鹿はちょうど”鯛祭り”の時期で、、ホテルの夕食では鯛しゃぶや、鯛の炊き込みご飯などが饗され、2度金賞を受賞した地ビール:田沢湖ビールも美味しく、景色よし、温泉よし、食もよしと、三拍子そろった満足感一杯のみちのく男鹿の旅でした。

「男鹿桜島リゾートホテルきららか」は、秋田では有名な「わらび座」という劇団が経営しているホテルで、今は劇団わらび座はホテル運営もしており、10数年前に国民宿舎だった建物をリメイクしました。エントランスのロビーには、入ると”こしあぶらの木”のモニュメントが目に飛込み、日本海を望む広々とした食事処も素敵で、食材は勿論、食器、味付け、盛り付けも洗練されていて、この日は奮発して、お部屋は、秋田杉をふんだんに使った客室の檜の内風呂付きにしたので、今までかつてない程の贅沢感でした。日本海の突端に突き出た露天風呂もある広い大浴場も捨てがたい魅力満点のホテルです。

翌日訪れたなまはげ館は、男鹿の名石:男鹿石を外壁にふんだんに使った立派な建物で、来訪者は県内一だそうです。お隣には茅葺屋根の「男鹿真山伝承館」があり、なまはげの実演をして、なまはげ文化を今に伝えています。

同じ日本海側の能登半島には及ばないかもしれませんが、男鹿には男鹿の良さがあって、荒々しい日本海と、奇岩が続く絶景は日常を忘れさせてくれるには十分で、地味で控えめながら、人のいい秋田人の性格と相まって、これから発見されていく男鹿の魅力がまだまだあるのではと感じました。

年を取るごとに感じる”ふるさとっていいなァ~”という、故郷新発見の旅になりました。


2018年6月25日モーツァルトハウス(東京)
記念日・・・♡♠♤
私たちもどうにか結婚〇〇年、昨日はその結婚記念日でした。息子とその彼女が私たちを鉄板焼きで祝ってくれました。お祝いにもらったのは可愛いスヴァロフスキのクリスタルベアで、おしゃれしたくまちゃんcoupleの置物です。とても愛らしい~。

〇〇年と言ってもまだまだひよっこです!これからもどうぞ宜しく~

2018年6月24日モーツァルトハウス(東京)
600回記念コンサート・・・♡♠♤
日本モーツァルト協会600回記念例会が終わりました。指揮、坂本徹、モーツァルト・アカデミー・トウキョウ(合唱・ソリスト・管弦楽)、アマデウスシンガー(合唱)による演奏でした。演目は、ミサ曲ハ長調K337&ミサ曲ハ短調K427。

私はまだ入会していませんでしたが、500回記念例会でもハ短調ミサが演奏されていて、指揮者の坂本氏は合唱指導を担当されていました。1984年の第263回例会での濱田徳昭指揮、日本オラトリオ連盟で、坂本氏はオーケストラのバロックオーボエ奏者としてK427を演奏し、また1991年12月5日の没後200年の記念ミサでは演目は「レクイエム」でしたが、鈴木雅明指揮でバセットホルン奏者として参加していたそうです。自らも、協会とはただならぬご縁を感じると述べられています。

ハ短調ミサ曲で、最初は合唱指導、次はバロックオーボエ奏者として、そして3回目となる今回の600回記念では指揮者として、本当にただならぬご縁ですね。会場をいつもの東京文化会館小ホールから、紀尾井ホールに移して、メモリアルに相応しい皆が楽しめる記憶に残るコンサートでした。

700回記念例会まであと10年、元気でまたお祝いの乾杯ができるように。この日の余韻を楽しみながら今日もしみじみと「ハ短調ミサK427」を聴いています。

2018年6月21日モーツァルトハウス(東京)
梅雨の晴れ間・・・♡♠♤
何となくうっとおしい中で、今日は太陽が少しですが顔をだしてくれました。貴重な晴れ間です。この間買ってきたサボテンが花を咲かせました。小さな黄色い花です。「サボテンの花」という歌がありましたね!青春歌謡です。チューリップが歌っていました。財津和夫が作詞、作曲しています。

「降り注ぐ雪のように、二人の愛は流れた・・・・・・・・君が育てたサボテンは小さな花をつくった 春はもうすぐそこまで恋は今終わった。」

「ひとつ屋根の下」の主題歌でした。懐かしいです。♪♪

「何かをみつけて生きよう 何かを信じて生きてゆこう この冬が終わるまで  ララララ・・・」

最後はこう歌って終わります。

切ない恋の歌です。サボテンの花は、なぜか懐かし~い、昭和のモノクロの匂いがするのは、この歌のせいでしょうか。。。

2018年6月20日モーツァルトハウス(東京)
心塞ぐ梅雨空・・・♡♠♤
関東地方も梅雨に入り、うっとおしい梅雨空の日が続いています。なんとなく心が塞ぎますね。2泊3日で軽井沢に行って来ましたが、運よく昨日は晴れましたが、今日も、一昨日も肌寒く空もどんより、今日は早朝に発ってきましたが、朝から雨が降っていて、霧も深く、如何にも軽井沢らしい暗いお天気でした。

こんなお天気が続く時は、よく佐久にあるamシネマに映画を観に行くのです。車で30分足らずなので東京で映画を観るよりお手軽です。夫婦割引きで2人で2200円というのもお安い(これは佐久に限らずどこの映画館でもたいてい共通ですね)

さて、今回観た「羊と鋼の森」は2016年の本屋大賞を受賞した小説の待望の映画化です。この年は「火花」といった芥川賞受賞作品など名作が揃っていた年にも関わらず、この「羊と鋼の森」の作品が受賞しました。より多くの読者の心に届いた作品だからでしょうね。しっとりとした、静かな流れの中で、それでいて、心の奥底にしっかりと刻み込まれる美しい作品でした。

原作者の宮下奈都さんの「美しい風景と音楽が重なる。涙がこぼれた。」とコメントしていますが、調律師をめざし真面目に取り組む主人公の姿と、ピアノの音色、周りを取り巻く人々の心を打つ言葉、そして何よりそれを引き立たせる旭川という舞台のもつ雪景色や、森の景色、そして豪華キャスト。それらが観た後温かな余韻を残してくれました。

この映画を観る数日前には、是枝裕和監督の「万引き家族」を観ていましたが、(21年ぶりの快挙となった、カンヌ映画祭パルムドール賞受賞作品)様々な社会問題を提起し、その答えを聴衆の我々に委ねるといった是枝監督独特のずっしりと重たく心にのしかかる、中身の濃い、それは大賞に値する作品でした。性格が違うので単純に比較などできませんが、この「羊と鋼の森」は、エンディングテーマの久石譲:作曲、ピアノ:辻井伸行の美しい音楽も印象的で、観るものの心を優しく包む美しい余韻を残してくれたように思います。

17日(日)には、日生劇場でのオペラ「魔笛」を観ましたが、オペラ新人賞を受賞するなど活躍が目覚ましい佐藤美晴さん演出の「魔笛」は、新しい試みが随所にあって、日本語で始まったので違和感があったものの、終わってみれば、歌手陣がみんな素晴らしく、細部の侍女3人、童子3人、弁者、僧侶、武士、そしてモノスタトスまで、完璧なまでの歌唱で魅了してくれました。勿論、6人の主役たちも素晴らしかった。
アフターは、オシャレなお店が並ぶ、「東京ミッドタウン日比谷」で。

梅雨空に塞ぎこまないで、こうした心打つ芸術に心癒されながら、まだ続く梅雨の時期を明るく乗り越えて行きたいですね。

明日はいよいよ紀尾井ホールで、モーツァルトの「ハ長調ミサ」&「ハ短調ミサ」を聴きます!!

2018年6月14日モーツァルトハウス(東京)
森の音楽祭2018・・・♡♠♤
日本の青少年の音楽教育に生涯を捧げたエロイーズ・カニングハムが、音楽を学ぶことを目的とした若者のために、練習兼音楽ホールとして軽井沢に1983年に建てた「ハーモニーハウス」で、今年も第3回目となる「森の音楽祭」が開催されます。期間は2018年8/24(金)~8/26(日)。

第1回の「森の音楽祭」にはフルートの小山裕幾さんとピアノの斎藤龍さんが出演されて、高原の静謐な空気なか、素敵な音楽ホール「ハーモニーハウス」でお二人の素晴らしい演奏を楽しむことができたのも、今では素敵な思い出です。

今回、最終日の8/26(日)には、「歌を愛した作曲家たち~歌曲王シューベルトを中心に~」と題して軽井沢:森のクインテットによるピアノ五重奏曲「鱒」イ長調他が演奏されます。ピアノは斎藤龍さんです。

ハーモニーハウスは吉村順三の設計によるもので、貴重な建造物ながら老朽化が激しく、一時は解体の危機もありましたが、建物の維持・保全プロジェクトの一環としてこの音楽祭は始められました。

今後に残したい貴重な建物ですので音楽ホールとして蘇って欲しいですね。夏の終わり告げるかのような涼しい風が吹き渡る軽井沢での午後のひと時を、「軽井沢森の音楽祭」でご一緒しませんか。

開場15時30分、開演16時です。(申し込・問い合わせは、,karuizawamori@gmail.com ℡070-6471-6221)

2018年6月14日モーツァルトハウス(東京)
魅せられる「ミサ曲」その続き・・・♡♠♤
映像ではありませんが、CDでは、キャスリン・バトルが歌うハ短調ミサ曲に魅了されてきました。特に「エト・インカルナトゥス・エスト」は繰り返し繰り返しここだけ聴いていた時期もありました。天上から降り注ぐ暁光を身に浴びている様な、ソプラノのコロラトゥーラがあまりに美し過ぎる。その美しさは私には言葉ではとても表現出来ない。キャスリン・バトルが歌うこれ以上の「エト・インカルナトゥス・エスト」はないと私の中では思っていました。

ジュリー・フックス、エテカリーナ・シウリナ、レネケ・ルイテンで聴き、それぞれ素晴らしいのですが、久しぶりに今日はこの私の愛聴盤のCDを聴いていますが、キャスリン・バトル(ソプラノ)、ペーター・ザイフェルト(テノール)、クルト・モル(バス)がソリストで、、ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:ジェイムス・レヴァインの1987年録音盤のこのCDは、メトロポリタン歌劇場でのオペラ「魔笛」(1991年上演)を彷彿させてくれます。
ザラストロをクルト・モル、パミーナがバトルで、キャスリン・バトルの歌うパミーナも私の中では最高で、後にも先にもこのパミーナを超えるものを私は知らない。

レヴァインにしろ、キャスリン・バトルにしろ、いろいろな理由でメトを去ってしまったのを考えると残念な気がします。

バッハの「ロ短調ミサ」、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」もどれもこの時代の両高峰を誇るものですが、モーツァルトのハ短調ミサは未完ながら傑作には違いない。時にはオペラの序曲のようであり、オペラのアリアの如く謳い上げていく部分があり、とかく、後世の人はオペラ的とか世俗的だと非難しましたが、私は決してそうは思わない。

神学者カール・バルトはモーツァルトの音楽を、「・・・・天使たちが仲間うちで相集まった時には、モーツァルトを奏し、その時神様もまたその楽の音をことのほか楽しんで傾聴なさるだろう・・」と表現している。神様は、きっと天上から「いいね~」とお聴きになっているに違いないと私は思うのである。

2018年6月13日モーツァルトハウス(東京)
魅せられる「ミサ曲」・・・♡♠♤
ミサ曲ハ短調K427を聴きました。キリエの聴き比べから始めましたが、最初のメロディから私はバロック的なものを感じました。それは、モーツァルトがウィーンでバッハ、ヘンデルを知ってそれらに影響を受け、従来のザルツブルク時代の古典的な作風とは違ってバロック色が色濃く出たという事でしょうか。

コンスタンツェと結婚できたら、感謝の気持ちとして「ミサ曲」を作曲して故郷ザルツブルクに奉納すると誓っていたので、約束通り作曲を始めたモーツァルトでしたが、なぜか未完なのです。でも未完ながら、結婚して1年後の1783年8月にザルツブルクに新妻コンスタンツェを伴って帰郷した際に、聖ペテロ教会にて初演されました。コンスタンツェがソプラノパートを歌ったとされています。

ガーデイナー指揮、ロイヤルストックホルム演奏、モンテヴェルディ合唱団で、2015年にストックホルムで演奏された映像がネット上にありますが、この曲の素晴らしい魅力を網羅した名演奏だと思います。ソプラノをミア・パーションが歌っています。透明な声で歌う「エト・インカルナートス・エスト」は美しいコロラゥウーラを聴かせてくれ絶品です。ミサ曲には珍しいカデンツァがついていてここで初めてフルートとオーボエが登場して美しい旋律を奏でています。

その他バーンスタイン(バイエルン放送交響楽団、バイエルン放送合唱団)の映像も観ましたが、会場がバヴァリアにある教会(ミュンヘン郊外)での演奏で
教会での演奏なので宗教的で、これも柔らかくて美しい名演奏です。(日本モーツァルト協会:オペラ・サークル(6/12)より)

6月21日(木)の日本モーツァルト協会の例会は、600回記念コンサートで、600回とは半世紀以上会が続いて来た証で、すごいことだと思います。紀尾井ホールでこのミサ曲ハ短調K427と、ミサ曲ハ長調K337の2曲が、坂本徹指揮で演奏されます。どんどん期待が高まります。

2018年6月10日モーツァルトハウス(東京)
音楽を奏でる花壇・・・♡♠♤
小さなお庭に次々と5種類の薔薇が咲きました。日常にお花があると楽しい。咲き始めたら朝の目覚めも楽しみになりました。元気をもらった薔薇たちです。

モーツァルトの薔薇
ケルビーノの薔薇
ボレロ
ゴールド・バニー
コンスタンツェの薔薇
♪ゴールド・バニー以外は音楽に因んだネーミングの薔薇ばかりです。ボレロはグレープフルーツのような香りがします。。
もう少しこの薔薇の季節は続きます。

2018年6月9日モーツァルトハウス(東京)

地元秋田の演奏会・・・♡♠♤
今年も秋田の「モォツァルト広場」からサマーコンサートのお知らせが届きました。「モォツァルト広場」は、秋田のモーツァルト愛好家の会です。昨年は思わぬ大雨の被害で、秋田新幹線が盛岡、秋田間で運休になり残念ながら参加予定だったのをキャンセルしてしまいました。

第22回となる今年は、「精枠なるピアノと室内楽の夕べ」で、地元ゆかりの著名な演奏家が共演されます。演目は、殆どが地元での初演だそうですが、こうして秋田の人々にモーツァルトを知ってもらい、楽しんでもらう意味で、本当に貴重な会なのだと思います。

、「モォツァルト広場」は毎年こうして夏の時期に「サマーコンサート」、そして12月5日のモーツァルトの命日には、総会、パーティー&ミニコンサートが開かれています。

日本モーツァルト協会も、3年ほど続いてモーツァルトの誕生日に例会がありました。2018年の今年は12月5日の命日に例会が開かれます。こういう記念日に例会があると、仲間うちで集まってモーツァルトさんを肴に(失礼!)モーツァルト談義ができていいですね。

今年は雨の被害などなく、サマーコンサートに参加できると良いなと思っています。

2018年6月8日モーツァルトハウス(東京)

オペラの演出の行方・・・♡♠♤
昨日の日本モーツァルト協会主催の講演会は「演出、ドラマの視点から見た、モーツァルトの天才性」というテーマで、演出家の田尾下哲氏がお話されました。
オペラの演出は、”オーケストラを視覚化するのが仕事、楽譜を読み込むことからしか始まらない”など、楽譜すら見ないで演出する演出家もいるという昨今、田尾下氏のこの発言にまず最初から心を持って行かれた感じがしました。

やはりオペラはまず音楽ありきで、それを理解しないまま演出などありえない。徹底して作曲家が雄弁に語る音楽からアプローチする事は、当たり前のようですが、しかし反面、根気がいる地道な作業を伴うものでもあると思います。
「オペラの場合は、台本作家がいて、その第一の再現者が作曲家であり、第二の再現者は指揮者であり、演出家である。」とのお言葉にも納得でした。

ドイツ人の演出家ミヒャエル・ハンペとの出会いから本格的な演出を学ぶこととなり、最初に言われたことが、「シェイクスピア、ギリシャ神話に全てがある、それをまず全て読みなさい」とアドヴァイスされ、その言葉通り読むことにより、いい作品か、悪い作品かの判断の目を養うことができたそうです。これは、大学で教えている学生たちにも言っていることだそうですが、ギリシャ神話、シェークスピア作品には時代を超える不変的な事柄全てが網羅されているのに、読むのは難しく、たぶん学生たちは読んでいないでしょうと。

母親がオペラ好きで、音楽がいつも周りにあったそんな環境のなか育った田尾下少年は、”音楽の力、即ち、音楽には愛の大切さ、命の大切さを訴えるものがある”との思いで将来は演出家になろうと決めたのだそうです。生まれ育った環境というのはその人の人生に大いなる影響を与えるのだということを改めて感じました。

序曲をじっくり聴きたいのに、最近の演出は序曲から幕が開き、もうオペラが始まっているが、これはどうにかならないかという問いには、「序曲で何もしないと、あいつはなにもアイデアがないんだ、なにも出来ないんだ、とある意味無能とみなされてしまう」という厳しい現実があることを知りました。予算という制約はあるものの、演出はどんどんエスカレートして、時代の進歩と共に新たな世界に歩み続けて行くのを感じます。またそれも演出家に要求されていることなのだと感じました。

あるところまで行きつくと、オペラの演出もきっと揺り戻しがある・・・と語っているモーツァルト研究者の言葉を思い出しながら、なんだかそれも難しいのかなァ~と思いました。

田尾下氏の演出作品は、2016年11月12日に観た日生劇場での「後宮からの誘拐」です。3公演あったので、それぞれ賛否両論があったものですが、私が観た公演は、歌手のレベルが高く、キャスティングも良く、感動的なクライマックスで、喜びの歌を生き生きと歌う場面では涙がでました。良く考えられた演出で、師であるミヒャエル・ハンペのもつ伝統的な美しさを受け継ぐものでした。再演はないですかとお聞きしたら、ありませんとの事でしたが、こうしてお話をお聞きした今、もう一度観たいなと思いました。♡♠♤

2018年6月3日~6日のモーツァルトハウス
緑のカーテン・・・♡♠♤
軽井沢は1年ぶりに今年も深緑の季節を迎えています。まるで緑のカーテンの様です。緑の中にいると身も心もリフレッシュできます。

ちょうど封切されたばかりの”妻よ薔薇のように”をお隣の佐久市の映画館で見て来ました。地元佐久市茂田井(もたい)という所でもロケされた作品です。地元の人も撮影に参加したそうで、何人かで連れ立って来ている人も多く、道理で楽しそうに鑑賞している姿が印象的でした。「家族はつらいよ」のパートⅢで、涙と笑いの山田洋次監督の最新作です。


今回は組合主催の年1回の総会があり、軽井沢に行って来ましたが、早朝に東京を発ったので8時半過ぎには軽井沢入りできたので、途中「御厨(みくりや)」で朝食ストップをしました。朝ごはんを提供しているお店は軽井沢でも多くなっているようですが、ここ「御厨」はかまどで炊いたご飯に、お腹にも優しい量、質ともに考えた献立を提供してくれるお店です。こんなに早い時間なのに、朝ごはんを求めて車が続々と入っていくので驚きました。周りの山里の風景と古民家風の建物にも心が癒されるのかも知れません。

ゴールデンウイークでは、残念ながら満席で入れなかった御代田にある蕎麦屋さん「浅間 翁」にも行ってみました。ここは15時までで、お昼の時間しか営業していないお店ですが、店内で手打ちをした上質なお蕎麦を丁寧に、そして清潔感のある店内で提供するお薦めの蕎麦屋さんです。ぴょこんとこんな所にと思う場所にあって、地元の人にも愛されている感じがします。


6月末には咲くであろうモーツァルトの薔薇は蕾がいっぱいついていて、間もなく可愛いピンク色の花を咲かせてくれることでしょう。

2018年5月30日モーツァルトハウス(東京)
知らなかったウィーンの近代建築・・・♡♠♤
丁度今ウィーンに個人旅行に行っている人から旅行記が連日届いていて、オペラ座でのオペラ観賞や美術館巡りを楽しんでいる様子がうかがえます。その中にオーストリアの芸術家、画家、建築家であるフンダートヴァッサーが建てたという”フンダートヴァッサーハウス”や”フンダートヴァッサーミュージアム”に行ったことを伝えていて、私はその建築物の写真を見てすっかり虜になってしまいました。今までウィーンに何度か行っているけれど知らなかったので新たなウィーンの魅力を発見した思いです。

フンダートヴァッサー(1928年~2000年)は、母親がユダヤ系チェコのひとだったので10歳の時の1938年にはユダヤ人街に押しやられ地下暮らしをして弾圧に耐えた人で、、第二次世界大戦後に画家を志しますが、戦後の建築ラッシュで建てられる建築物が角ばった、灰色、無機質で画一的なものに見えて、建築の道に目覚めるのです。それとは対照的な血の通った果てしなく続く曲線を好み、自然への回帰を唱え独自の様式を編み出しました。

日本の風呂敷を「美しくて、無駄がない」などと称賛し、風呂敷絵を描いて商品化をしたり、また「百水」という俳号をお持ちの俳人でもあったそうで、親日的な一面もあった人でした。

フンダートヴァッサーの建築物はネットを検索すると出て来ますが、日本にも彼の作品はあり、大阪に3点ありました。大阪市環境局舞洲(まいしま)工場などで、ごみ処理場や、下水汚泥処理施設のイメージとは程遠いカラフルな色彩で人目を引く建物で、まるでテーマパークのようです。

『一度見たら忘れない奇跡の建物 異彩を放つ世界の名建築100』(エムディエヌコーポレーション、2017)にも彼の作品は入っていますが、「自然の中に唯一存在しないものが直線である。」という思想の許、「渦巻きは植物のように成長する命の象徴」として、自然美を追求しました。

ウィーンの街並みは美しく、建築物に魅せられる街ですが、フンダートヴァッサーの近代建築が息づく街でもあるのです。今回友人からのレポートで、フンダートヴァッサーを知り、本当にいい勉強になりました。

ミュージアムには、彼のデザインで商品化された風呂敷も置いてあるかもしれませんね。

2018年5月29日モーツァルトハウス(東京)
イゾルデと聖母被昇天・・・♡♠♤
昨日は、朝日カルチャーセンターで加藤浩子先生による講座「名画でさぐる名作オペラ」の第2回目。ヴェルディ「リゴレット」とベラスケス「ラス・メニーナス」を取り上げた1回目に続いて、2回目はワーグナー「トリスタンとイゾルデ」とティッツアーノ「聖母被昇天」がテーマで、名画がオペラにどのような影響を与えたのかを探る、先生の人気のシリーズです。

ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」のオペラは、ストーリー的には5分位のものが、延々4時間もの長いオペラになっているので、私は以前ベルリン国立歌劇場の引っ越し公演(バレンボエム指揮)で一度だけNHKホールで観たことがありますが、同じ場面で、同じ歌手、同じ調子の音楽が何時までも続き、これが「トリスタン」の印象を決定づけてしまいました。それに4時間というのも、モーツァルトなどのオペラに比べると長く、それ以来、観たことがありませんでした。
ワーグナーは、自身が「視覚芸術の人間ではない」と告白していた人だそうです。そんなワーグナーがティッツアーノ「聖母被昇天」に出会ったのは「トリスタン」を完成した後でしたが、あまりに強烈な印象を受けて、「トリスタン」の初演時のイゾルデをまるでこの絵に描かれた聖母のように描きました。オペラの幕切れのイゾルデは、両手を広げ、今にも天へ昇らんばかりに描かれた聖母そっくりです。「あれは聖母じゃない、愛によって浄化されたイゾルデ」だと語っていたというワーグナー。

講座では、オペラ「トリスタン」の最後に浄化するイゾルデのこの場面をDVDで観て、実際のティッツアーノ「聖母被昇天」と比較をしたりしました。またワーグナーと人妻であるマティルデ・ヴェーゼンドンクとの恋愛がオペラ「トリスタン」を生むきっかけとなったお話や、そして又、この「聖母」との出会いが、放っておいた「マイスタージンガー」を再開させるきっかけとなったなど、今まで知らなかった「トリスタン」をより知ることができ大変面白く先生のお話をお聞きしました。
”不倫の恋のシンボルともなってきたイゾルデは、聖母と重なり合うことで、ワーグナーの中で浄化されたのだ。”という先生の結びも印象的です。

この「聖母被昇天」は、ヴェネツィアの中心、サン・マルコ広場の喧騒からやや離れた広場に佇むフラーリ教会に今もあります。ティッツアーノ(1488頃~1576)の初期の作品で、縦7m、横3.4mにも及ぶ巨大な祭壇画で、色彩の画家らしく、黄金色に包まれたバラ色の神々しい聖母に圧倒されますね。

フラーリ教会にはモンテヴェルディやティッツアーノのお墓があり、ヴェルディの「二人のフォスカリ」の主人公のフォスカリ総督も葬られている教会だそうで、先生はヴェネツィアに行くたびに足を運ぶようになり、今に至っているそうです。私もいつの日かわかりませんがヴェネツィアに行くことがもしあれば訪れてみたいものです。
講座後は先生を囲んでの茶話会もあり、楽しいお話で盛り上がりました。

(朝日カルチャー、加藤浩子先生講座「名画でさぐる名作オペラ」第2回より)

左は「聖母被昇天」、右はミヒャエル・エヒターが描いた《トリスタンとイゾルデ》の舞台絵(1865、ミュンヘン演劇博物館蔵)

加藤浩子先生の新書”バッハ「音楽の父」の素顔と生涯”が来月発売されます。

2018年5月28日モーツァルトハウス(東京)
自分を変える!・・・♡♠♤
最近私の周りにカーブス通いの人が増えています。カーブスは女性だけの運動教室です。教室はどんどん増えて全国1850店舗、会員数約84万人にもなるそうです。女性だけというのも大きな特徴です。そして時間はわずか30分、運動神経に全く自信もなく、運動音痴のような私の様なものでも気楽に始められるというのも大きな特徴に思えます。

店舗が最寄りの駅近くにあるから便利という人も多く、私の場合も最寄駅から自宅までの途中にあります。今まで全く運動に興味もなく、出来ないものと諦めていましたが、始めてみました!!

通い始めた頃は、運動した後、精神も肉体も爽快になるのはいいのですが、帰りについ甘いものが食べたくて、ケーキを買ってくることもありました。運動したんだからと言い訳して、たまにはまァいいか~、という感じです。自分に甘いんです。

駅前には昔からこの地域の人々に親しまれている”こけし屋”さんというケーキ屋さんがあって、2階はフレンチレストランになっています。家族連れや同窓会などの集まりなどに利用され、地元で長く愛されているお店です。

カーブスは、”以前通っていた”、”友達が通っている”、”私もよ!”とか、私が始めたことに反応も多く、仲間が多いと思うと私自身の励みにもなり嬉しい。外出嫌いの私でしたが、カーブスに出かける日は1日にメリハリがつき、多少緊張もするし、身体だけでなく精神的にもやる気を目覚めさせてくれそうで、今はハッスル、ハッスル・・と頑張っています!

2018年5月27日モーツァルトハウス(東京)
やっぱり好きな曲!・・・♡♠♤
昨日の「モーツァルト講座」は、”モーツァルトに影響を与えた作曲家たち”の第4回目で、ロンドンのバッハとの出会いがテーマでした。ロンドンでは当時”ロンドンのバッハ”と呼ばれていたヨハン・クリスティアン・バッハ(ヨハン・セバスティアン・バッハの息子)や、カール・フリードリヒ・アーベルが活躍していて、彼らの作品からモーツァルトは古典派ソナタやシンフォニーなどを学びました。アーベルの曲の写譜を父レオポルトは勉強のためにモーツァルトにさせていましたので、第3番K18のシンフォニーはアーベルの曲をモーツァルトが写譜をしたものなのだそうです。

ロンドンで作曲したとされているK16aという曲は、1984年にデンマークのオデッセイという街で楽譜が発見されたイ短調の曲です。モーツァルトのシンフォニーは、短調は2曲しかなく(第25番と40番がト短調)、イ短調であったので、初期の頃の短調のモーツァルト作品なので、本物であって欲しいと言う願いもあったのか、しばらくモーツァルト作品とされて来ました。しかし、その後、はっきりとしたモーツァルトの作品として匂わせる資料がないとのことで、モーツァルト作品から外された運命の曲です。

本物とされていないという曲ではありますが、K16aを、昨日先生は、クリストファー・ホグウッド指揮の演奏のCDを私たちに聴かせてくれました。私がいつも好きで聴いている曲です。モーツァルトのものではないとわかっていても、私にはとても惹かれる魅力ある曲なのです。第3楽章からなるわずか15分の曲ですが、どの楽章も好きで、高揚感があり、落ち込んだ時など、それを忘れさせてくれます。

良く聴くとモーツァルトらしくないという感想を聞くこともありますが、私もそう思いながらも、でもモーツァルトはこんな曲さえも作ったかも知れない・・そんな気持ちにさせられます。

先生はこのオデッセイという街までわざわざ出かけたことがあるそうで、きっとそんなお気持ちからかな・・なんて私は勝手に思いました。(スイマセン!勝手に・・・)

この様に、偽作や疑作とされていても、それらの中の曲には、引きつける何かがあるのです。。

 (朝日カルチャー新宿校:海老澤敏先生「モーツァルト講座」より)     

東京の小さな庭に咲くモーツァルトの薔薇です♪

2018年5月23日モーツァルトハウス
新緑の眩しさ・・・♡♠♤
軽井沢は今新緑が最も美しい頃を迎えています。「緑がきれい~、ここはどこですか」という小説にある台詞が思わず口をついてでてきます。深呼吸をしたくなります。木々の緑がこんなにも美しいことに改めて気が付く瞬間でもあります。夏のうっそうとした緑の頃までの期間限定の”美しい時”です。

植えた記憶がないので、以前から咲いていた自生のツツジでしょうか、真紅の色があまり他では見られない色です。緑の中に赤がとても映えています。

2018年5月22日モーツァルトハウス
活発化する蜂・・・♡♠♤
軽井沢は今蜂が巣作りを始め、活動が活発になる時期。主人がスズメバチに刺されて大騒ぎになりました(初めての体験だったので)。夕方だったので時間外でしたので救急のある軽井沢病院にすぐ行きました。1時間以内に処置をして貰い薬も貰って帰ってきました。痛み以外の症状は出なかったので、翌日には概ね痛みも引いて大丈夫でした。

でも、スズメバチはどうして家の中にいたのでしょうか。というには、夕方外出から帰って来てリビングの床にいたスズメバチに気が付かずスリッパをはかないまま踏んでしまったのです。親指の脇を思いっきり刺されてしまいました。踏んづけられた蜂はそのダメージでほぼアウトでした。

窓を開け放したり、ドアを開けた際に入り込んだ形跡も思い当たらず、どこからか入り込んだとしか考えられないので、不安です。翌日はまた同じように廊下の床にいるスズメバチらしき蜂を見つけ、蜂スプレーで退治しました。それ以降、ゆっくりと、床を見ながら歩くようになり、ちょっと蜂ストレスになりました。

今回刺されたのは初めてでしたが、2回目以降は抗体が出来るので、その抗体が蜂毒に対し過剰反応を起こし、過度なアレルギー症状として、呼吸困難、血圧低下や意識障害、最も重篤なアナフィラキシーショックの状態などの症状も考えられるそうです。

今回大きな経験になりましたが、刺されたら至急最寄りの医療機関を受診することも大切です。以前刺されたことがある人は、運転途中に全身症状も出る可能性もあるので、決して自分で運転はしないで、臆せず救急車を利用しても構わないそうです。(今回は痛みをこらえて自分で運転して行ってしまいましたが、これは良くなかったですね(汗))

当日は、「蜂さされ」についての注意事項の印刷物を貰って来ましたが、蜂さされは、ゴールデンウイークから10月いっぱいまで見られ、蜂に刺され稀に死亡する例もあるそうですから怖いです。

9割ほどが7月~9月に集中していて、この時期は蜂の繁殖のため防衛本能が高まっていて凶暴になっているそうですから、本当にこれからの時期気をつけて行動しないとといけないと思いました。



2018年5月18日モーツァルトハウス(東京)
メト「コジ」の感想は?・・・♡♠♤
メトロポリタン歌劇場のライブビューイング「コジ・ファン・トゥッテ」を観て来ました。東劇では今日18日までの上演でした。新演出でしたが、観た人に聞くとたいてい「面白かった」「良かったわよ」とまずまずの評判ですね。大道芸人がたくさん出て来て舞台はとっても賑やか・・。前半は大勢で出たり入ったりと慌ただしくて、何となくそんなことが気になって大事な歌に集中できない・・そんな不満もありました。

後半はどうにか持ち直して、素晴らしい重唱やアリアにうっとりとなり、モーツァルトの音楽ってなんて素晴らしいんだろう、また、あぁやっぱり「コジ」はいいなァ~。と、まあこんな感想でしたが、今回は大道芸人(例えば蛇つかい、火を飲んだり、剣をのんだりなどをする人が)いろいろと出て来ます。こんなパフォーマンスに違和感を感じたり、こういうのを好きでない人にはあまり受けは良くないでしょうね。私もどちらかというとそうですから。

演出に興味を持って観に行っている訳ではない私たちにとっては、まずモーツァルトの音楽が一番大事!その音楽を美しく聴かせてくれて、音楽の邪魔をしないで音楽に陶酔できる演出が一番望ましいのです。

結局、終わった後の感想は、「演出家の意図は一応はあるのでしょうが、歌手の歌唱や作曲家の音楽性の邪魔にならないそんな演出が望ましいわね!」と、いつも言っている定石のような感想になりました。でも良かった点はやはり歌手陣の歌の素晴らしさでした。特に光っていたのがドラベッラでした。ふっくらとしてバルトリを思わせるような声量で演技も上手かったし。やはりメトの舞台に出るくらいの歌手はさすがだなと思いました。ブロードウエイで活躍のケーリー・オハラはオペラ歌手ではないのに、あそこまでイタリア語も上手く歌い、それは驚きでした。

来シーズンは、モーツァルト物は1本もないのです、寂しいですね。。。

2018年5月15日モーツァルトハウス(東京)
1回きりのリサイタル・・・♡♠♤
2015年第17回のショパン国際ピアノコンクールの覇者、チョ・ソンジンのピアノ・リサイタルが、6月17日(日)に軽井沢大賀ホールであります。このシーズンでは全国でただ一回だけのリサイタルだそうで、大賀ホールであるのです。

サントリーホールでは、アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮のフランクフルト放送交響楽団と共演してラフマニノフピアノ協奏曲第2番を弾くコンサートがありますが、こちらは6月14日の公演です。(サントリーホール&大賀ホールもどちらも完売です)

チョ・ソンジンはランランの代役でラトル指揮のベルリン・フィルとの初共演を果たし、その大成功で更に大きく脚光を浴びるようになりました。(ラヴェルのピアノ協奏曲を演奏)この代役は、アジアツアーでランランがソリストとして同行するはずが左腕の腱鞘炎によりキャンセルとなり、白羽の矢がたったのがチョ・ソンジンでした。

今回の大賀ホールでのリサイタルでは、モーツァルトのピアノ・ソナタK281、K332の2曲とショパン2曲が演奏されます。モーツァルトをどう演奏してくれるのでしょうか。6月、大賀ホールでの注目のコンサートではないでしょうか。

東京では、6月16日(土)、17日(日)の両日は日生劇場でのニッセイオペラ「魔笛」の公演もあります。沼尻竜典指揮で、演出が佐藤美晴といった新進気鋭の女性演出家なのでこちらも注目です。今年度は、この後6月「ドン・ジョヴァンニ」、11月「コジ・ファン・トゥッテ」、「後宮からの逃走」と日生劇場でのモーツアルトシリーズのオペラ上演が続きます。嬉しい反面、こんなにモーツァルトオペラが続くと、来年からしばらくがくっとモーツァルト物が減ったりするのではと、ちょっと心配になります。。。

2018年5月14日モーツァルトハウス(東京)
母の日・・・♡♠♤
昨日は”母の日。子供たちからは有り難いことに、こんな母ですがカーネーションを送って来てくれましたが、こうして今幸せに暮らしている感謝を私も母に伝えたい。主人の母も、私の母ももう亡くなっていて感謝の気持ちは写真にしか伝えられないけれど、昨日は仏壇に、また私の母には写真に感謝のカーネーションを一輪づつ飾りました。それが私にとっての”母の日”です。

2018年5月14日モーツァルトハウス(東京)
人との出会い・・・♡♠♤
昨夜BSで放送していた番組で、作曲家の故船村徹さん(1932-2017)が「人生においての大きな要素は人との出会いである。どんな人に出会うかで人生そのものが大きく変る」と語っていらした言葉が印象に残りました。

船村さんは手掛けた曲は5000曲以上で、戦後の歌謡界を代表する作曲家の一人で、歌謡曲の作曲家として初めて文化勲章を受賞されました。
船村さんご自身も、遡ると、春日八郎の「別れの一本杉」、美空ひばり「三味線マドロス」、島倉千代子「東京だよおっかさん」、北島三郎「なみだ船」などの曲もこうした歌手との出会いがあったからこそ生まれた曲だという。人との出会いの大きさを熱く語っていました。

地球上に溢れるほどの人間がいる中で、人間が生涯で出会える人はほんのわずかに過ぎず、この広い地球上でどんな人に出会えるかなど、神様しか知らず、また運命、偶然など、自分の意思とは関係ない所で、ある種思いがけないこととして、この”人との出会い”というものが起こっています。学校で、どこに住んだか、又職場で、退職した後でもあらゆる場所で人との出会いがあります。いい出会いもあれば、悪い出会いもある、その中で生きている、それが人生というものでしょうか。。
あるモーツァルト仲間の大先輩は、「モーツァルトに出会えたことでどれ程自分の人生が豊かになったことか・・」が口癖でした。何かとの出会いは、人でも、音楽でも、また小説や絵画などの作品や、自然の景色でも・・自分に大きな影響を与えて、人生を変えるほどのものが必ずあるはずで、それは人それぞれ・・。それが何なのかを考えたりしています。。。

2018年5月13日モーツァルトハウス(東京)
モーツァルトの影響を与えた作曲家たち・・・♡♠♤
4月からの朝日カルチャーセンターでの海老澤敏先生による「モーツァルト講座」は、”モーツァルトに影響を与えた作曲家たち”です。

「ヴォルフガング・アマデーウス・モーツァルト(1756~1791)は、長大な西洋音楽史のまさに分水嶺ともいうべき存在です。彼の音楽の中には18世紀中葉までのほとんどすべての音楽(中世・ルネサンス音楽、そしてバロック音楽)が流れ込んでいます。それはモーツァルトのザルツブルク期、長い、また数多い旅行時代、そしてウィーン期にも、顕著な現象と言えるでしょう。しかもそうした現象は、また傑出したモーツァルトの作品の中で美しい結晶を果しています。今年度は、1年かけてその実態を解説します。(講師・記)」

前期はモーツァルトのオペラに焦点をあわせていましたが、今期はモーツァルトに影響を与えた作曲家の音楽と共にモーツァルトの音楽を探っていく講座です。

昨日は、第3回目で、”パリの外国人作曲家たちに学ぶー最初のナナタを書く”でしたが、モーツァルト一家にとって、重要な存在となるフリードリヒ・フォン・グリム(1723-1807)とのパリでの出会いから、パリでの当時活躍していてモーツァルトに影響を与えた、ヨハン・ショーベルト(1740?-67)や、ヨハン・ゴットフリート・エッカルト(1735-1809)、ホーナウアー、レオンツィ(1730?-1790)の曲や、8歳で作曲したモーツァルトの最初のソナタK6~9も聴くことができました。
モーツァルトの最初のソナタK6~9(1764年に作曲)のCDや、またこのような影響を与えたと言われる作曲家たちの曲もあまりCD化されていないそうですので貴重な体験でした。


次回は”ロンドンのバッハとの出会いー古典派ソナタとシンフォニーを学ぶ”です。

2018年5月10日モーツァルトハウス(東京)

薔薇への憧れ♪・・・♡♠♤
「フィガロの結婚」の”ケルビーノ”の名を持つ薔薇が今ちょうど咲いています。色はアプリコット色からクリーム色に変色するそうですが、どちらかというとピンク色も程よく、誰もが好感のもてる素敵な色です。”ケルビーノ”という名前はモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」からきていて、ケルビーノは伯爵付きの小姓で美少年という役どころです。メゾソプラノがズボン役として歌う事が一般的です。

”コンスタンツェ”の薔薇も咲きはじめました。今各家の庭先の薔薇が綺麗です。散歩しながら見とれています~。

2018年5月6日モーツァルトハウス
楽しい舞台♪・・・♡♠♤
メトロポリタン歌劇場のライブビューイング「コジ・ファン・トゥッテ」の上演が始まっています。1950年代のブリックリン南部のリゾート地、コニーアイランドの遊園地を舞台にした新演出ですが、観た人からはさほど不自然さを感じない楽しい舞台だったと概ね好評の意見が聞かれます。実際にニューヨークで舞台を生で観た加藤浩子先生からも、大道芸人のアトラクションもあり、楽しい舞台だったとお聞きしました。

歌手に注目すると、デスピーナ役は今回ブロードウェーの大スターである、ケリー・オハラが歌い、「安定した技術に支えられた歌は小気味よく、今回の役どころのあか抜けなさがにじむ演技はさすが」との事ですので、これを聴きに(観に)行くだけでも価値があるかも知れません。

俳優の渡辺謙さんはブロードウエィミュージカル「王様と私」で共演したケリー・オハラが「コジ」のオペラに出演したことに次のようなコメントを寄せています。「ブロードウェイの歌姫として知的でパワフルでキュートなアンナを演じた「王様と私」、そのケリーが再びMETに帰ってくる!彼女のコメディエンヌぶりを是非お楽しみください」とありました。

私たちも鑑賞はこれからなので、楽しみにしている所です。現代に置き換えての新演出ですが、さすがメトらしい上質の音楽が楽しめるのではと思っています。

そして、ここでMETの速報!2018-2019の来シーズンのラインナップが発表されました。が、残念ながらモーツァルトのオペラは1本もありません。
来シーズンは、それとは別に歌手は、アンナ・ネトレプコ、エリーナ・ガランチャ、ヨナス・カウフマン、ファン・ディエゴ・フローレス、ロベルト・アラーニャなど名歌手が目白押しです。新音楽監督には、ヤニック・ネガ=セガン氏が就任していて、どんな采配ぶりかも期待されます。

2018年5月3日モーツァルトハウス
モーツァルトツァー・・・♡♠♤
日本モーツァルト協会主催の「ザルツブルク&リンツ&ウィーンの旅」の仮申し込みが始まっています。ザルツブルクではモーツァルテウム財団総裁を表敬訪問し、モーツァルテウム内、モーツァルトの生家等を見学し、ミニコンサート、またウィーンでは国立歌劇場で「フィガロの結婚」の観賞も予定されています。ザルツからウィーンへの移動では、交響曲「リンツ」を作曲した場所と言われるリンツに立ち寄ります。

ザルツからウィーンへのルートはモーツァルトが1767年に父レオポルト、母マリア・アンナ、姉ナンネルなどと2回目のウィーンへの旅を再現したルートで、9/11にザルツを出発し9/12にはランバッハのベネディクト派の修道院、リンツを経由し、9/14には世界遺産でバロック建築で有名なメルク修道院等を経て、ウィーンに到着しました。

ランバッハ修道院は、この様に旅の途中に寄っていた重要な場所で、モーツァルト一家が一宿一飯のお礼として自ら作曲した曲を寄贈していた修道院でも有名です。またメルク修道院はモーツァルトがここでオルガンを演奏したとも伝えられています。

父レオポルトがウィーンのモーツァルトを訪ねたのは一度きりで、1785年の2月11日に到着し、ウィーンを去る4月25日までの2ケ月半に亘りウィーンに滞在しました。ウィーンを去る4月25日はモーツァルトとコンスタンツェは西方12キロにあるブルカースドルフまで見送りました。

10時半にレオポルトは弟子のマルシャンと共にウィーンを出発し、此の別れがモーツァルトと父レオポルト父子の最期の別れの場所となりました。この2年後の1787年5月28日にレオポルトはザルツブルクでこの世を去ります。この最後の別れの地点であるブルカースブルクを今回通れたらいいなと思っています。

ザルツブルク、ウイーンはモーツァルトにとっても、後世のモーツァルトファンにとっても基本の基となるモーツァルトの息づかいまでも感じる聖地ともいえる場所。原点に帰る、そんな旅になるのでしょうか・・・♡♠♤

2018年4月30日モーツァルトハウス
春の音楽祭・・・♡♠♤
GWもスタートし、軽井沢も賑わっています。29日、30日は大賀ホールで開催中の「春の音楽祭2018」へ。30日に聴いた神尾真由子と夫君(ミロスラフ・クルティシェフ)によるモーツァルトK304と、フランクのイ長調のヴァイオリン・ソナタは、ピアノとヴァイオリンの対話が随所にあって、さすがご夫妻だけに息が合っていました。
大賀ホールの周辺の遊歩道を歩いてみましたが、空気もおいしく、矢ケ崎公園の中の池で泳ぐ鴨も気持ちよさそうでした。

コンサートを楽しんだあとは、軽井沢で一押しの完全予約制の鰻屋さん「一期一会」へ。この日も極上のお味でした。晴天に恵まれて春を謳歌しています。


2018年4月28日モーツァルトハウス
新緑・・・♡♠♤
軽井沢の新緑は今年はいつもより早く、本格的な青葉若葉の季節を迎えています。花の季節は、桜から芝桜、ヤマブキ、ツツジ、サクラソウとこれから色とりどりの春を告げる花々が咲き始めます。家の前の「黒船」という種類のツツジも今がちょうど満開を迎えていました。

晴天が続いたのでテラスでオゾンを胸いっぱいに吸うのも気持ちのいいものです。緑豊かになった木々たちを眺めて、また、まだ蕾はつけていませんが今年も成長が楽しみな薔薇を眺めてみたり、時の経つのを忘れるひと時です。

冬の備えの薪ストーブ用の薪の確保も大事な仕事です。サクラソウが一輪咲きました!


2018年4月26日モーツァルトハウス(東京)
音楽の花畑・・・♡♠♤
モーツァルト、コンスタンツェ、ケルビーノ、これはみんな薔薇に付けられた名前です。そしてこれらにボレロという品種もこの春から加わりました。我が家の小さな小さな庭はこんな音楽に因んだ名前の薔薇が蕾を付け始めました。これから5月は待ちに待った満開の時期を迎えます。楽しみ~です。

ボレロという名の薔薇は今が盛りです。薄クリーム色で幾重にも重なった花びらが綺麗です。

左からボレロ、コンスタンツェ、モーツァルト、ケルビーノ、の順です。音楽のお花畑が満開になる日ももうすぐです。

明後日から始まるGW、全国的にお天気には恵まれるとの予報で、お出かけになる人も多いことでしょう。長野方面、又軽井沢にお越しの際には、どうぞ軽井沢モーツァルトハウスにもお立ち寄りください。今年は軽井沢も春の訪れが早く、GWの頃が盛りの桜はもう咲き始め新緑もいつもより早く進んでいるようです。春の息吹とモーツァルト~♪を楽しみに、お待ちしています~♡♠♤

2018年4月24日モーツァルトハウス(東京)
モーツァルトは「声の薬」・・・♡♠♤
23日の音楽評論家の河野典子先生による「イタリア人にとってのモーツァルトオペラの正しい演奏法とは?」と題しての講演会は、多くのイタリア人がモーツァルトオペラを「声の薬」と呼んで、定期的にモーツァルトに戻ること、モーツァルトが歌える状態をキープすることを目指す、という点にまず大変興味を惹かれました。

その理由については、DVDで歌手のダニエラ・デッシー(ソプラノ)が歌う、モーツァルトのオペラ「コジ」、ヴェルデイの「ドン・カルロ」、プッチーニの「トスカ」と違う作曲家の3つのオペラのアリアを例にとって説明があり、ヴェルデイもプッチーニも感情の渦の中に巻き込まれて叫んでしまうので声を悪くしてしまうが、一方で、歌う事によって元の声に戻すことができるという要素がモーツァルトの中にはあるのだと、概ね理解できました。またモーツァルトのオペラは、声の質によって歌手を選ばない稀有な存在というのも納得できました。

最後の質問コーナーでは、バレンボイムなどもモーツァルトの音楽に戻ることによって基本に戻れると実際に述べているそうで、作曲家に於いても同じ様な事がいえるのだと良く分りました。

ピュアな純真無垢ともいえるモーツァルトの音楽は、それを歌う歌手のみならず、指揮者、果ては演奏家全体にとって、基本に戻れる究極の素晴らしき音楽で、それを聴く聴衆の我々にとってもそれは同じで、”モーツァルトオペラは理知的なオペラ”と認識しました。
、モーツァルトのイタリア語オペラには、アリアなどでイタリア語と音楽がずれた箇所があるのが見受けられるが、しかしそれはモーツァルトはイタリア人ではないので仕方のない事といったお話が先生からあり、先生のご意見としては大変面白くお聞きしました。初期のオペラでは未熟さながら、そういうずれは否定できないそうですが、そのことは全て承知していた上でモーツァルトは音楽を重視しそれを止む無しとしていたのではなかろうかと、私などは感じます。そこからこそ美しい音楽、極上のメロディが生まれたのでは・・・と思っている次第です。。。



2018年4月21日モーツァルトハウス(東京)
汲めども溢るる水・・・♡♠♤
若柳流の日舞の舞台「吉蝶會」が国立劇場であり行って来ました。知人である若柳紀秀さんが長唄で踊る「傾城(けいせい)」という演目で出演されたのです。

「傾城 拙筆力七以呂波(にじりがきななついろは)」という演目で、傾城とは遊女のことで、その遊女のいる廓や、遊女の生活の姿を描いた作品だそうです。浄瑠璃気分が多い作曲で遊女の気持ちや生活が、いかにも古風に、情緒豊かに描かれ、江戸の気分が味わえるところに特徴があります。(当日のプログラムより)

衣装も「裲襠(かけ)」「俎帯(まないたおび)」と呼ばれる彩りな刺繍で飾った特殊な衣・帯、「三つ歯(みつば)」という高下駄を身に着けた傾城、歌舞伎十八番『助六』で有名な「三浦屋大格子(みうらやおおごうし)」という風景から始まります。しばらくして、傾城が衣・帯を外すと風景が「廓内の座敷」に転換される趣向となっております。

これだけでも衣装は豪華ですが、これに超絢爛豪華な打掛を2種類お色直しをして踊られました。
「芸道は汲めども溢るる水、尽きせぬ水を汲むが如し」と先代の父である家元の言葉であると、プログラムのご挨拶にありましたが、まさに芸道は奥が深く尽きせぬ水を汲むが如し・・・その奥が深く、到達点がないものだけに、その道を極めるに励む価値があるのかも知れません。

傾城の踊りが、三下り半の音頭風に変わってゆくあたりなど、長唄の曲調にふさわしく、踊りも優艶にできていて、本当に溜息しかでない舞台でした。日本の古典芸能の奥儀に触れ素晴らしい体験をさせていただきました。「紀秀(きしゅう」」の掛け声が随所でかかって、観ている方も感極まって来ます。

国立劇場の辺りは新緑が美しく、風も爽やかで、五感で春を感じた土曜の一日となりました。

2018年4月18日モーツァルトハウス(東京)
楽しい一日!・・♡♠♤
朝から冷たい雨で、気温も低めのこの日は11時から始まる池袋芸術劇場での「ブランチコンサート」へ。お天気が悪く出足はどうかと思って出かけましたが、凄い人です。11時から1時間のコンサートなので、お値段もお手軽なせいか芸術劇場の大ホールはほぼ満席に近い人でした。

演奏する曲も、全曲演奏も勿論ありますが、第1楽章だけのものだったりと、本当に肩ひじ張らずにクラシック音楽を楽しめるのが魅力なのかも知れません。最近周りでも「夜出かけるのが億劫になってしまって・・・」と夜のコンサートを敬遠する人が多くなっているので、こちらは午前に音楽を聴いて、お昼には終わるので、お昼をどこかで楽しんでも明るいうちに家路に着けるのというのも魅力なのでしょう。

白寿ホール、浜離宮朝日ホールなど、また近くの杉並公会堂でもブランチコンサートを時々開催していますね。

ここ芸劇では、ピアニストの清水和音さんがプロデュースしてシリーズ物になっている人気のコンサートで、毎回清水さんのピアノに、魅力ある現在旬の演奏家が加わっていろいろな曲が演奏されています。今回はヴァイオリニストの大江馨さんが出演されるので、初めてこの「ブランチコンサート」に行って来ました。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタK304の第2楽章を清水さんのピアノとのデュオで演奏してくれました。

ブラチコンサートが終わってからは、桜も終わり、緑が目に沁みる新緑の目黒川沿いを歩いて来ました。中目黒は目黒川沿いに咲く桜の名所になっていて最近は桜の時期には身動きも出来ないほどの人出だそうですが、その時期も終わり、今は人出もまばらですが、目に鮮やかな緑が美しく川沿いを彩っていてとても素敵な景色で、雨上りの散歩にはピッタリでした。
おしゃれなイタリアンを見つけたのでランチもついでに楽しんできました。


2018年4月16日モーツァルトハウス(東京)
針音に隠された人類の遺産・・♡♠♤
「モーツァルト伝説の録音」と題した、歴史を刻んだ巨匠たちのSPレコードを高度な技術でCD化し再現した全3巻CD36枚は、第1巻、名ヴァイオリニストと弦楽四重奏団、第2巻、名ピアニストたち、第3巻、名指揮者と器楽奏者・歌手で、2014年11月から順次全3巻が発売されました。

その中、第2巻の「名ピアニストたち」CD12枚が手元に届きました。主人の友人が送ってくれたのです。録音時がおよそ1930年代のもので、勉強不足のせいで名前も知らないピアニストさんも多くいるのですが、モーツァルトを紡ぐその愛に溢れた歴史を刻むその音に引き込まれてしまいます。

針の音はあえて消さなかったというのも、内田光子さんがインタヴューで語る「それは、針音の向こうに隠された人類の文化遺産です」という言葉で納得させられます。編集にあたった大原哲夫さんからも「針音は10秒すれば聞こえなくなります」と。ノイズフィルターは音楽を損なうこともあり、あえて針音をカットしていないのだそうですが、人間の集中力により、針音は1分もすれば気にならなくなると言うのに対して、内田さんは、私は10秒です、ときっぱり。針音をあえて残すことにより、より人間味ある演奏をそのまま克明に再現したことになります。実際に聴くとそのことが良く分ります。

1930年代という期間は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間でもあり、大恐慌がありヨーロッパ中が大変な時代であった、その中を生き抜いてきた人たちの絶頂期の演奏を我々は今CDで聴くことができるのですから感動です。

1991年に出されたモーツァルト没後200年記念としての「モーツァルト全集」(小学館)は、全15巻に補巻1巻のCD全集で、CD190枚にも及ぶものでしたが、その録音と編集を一手に引き受けた大原哲夫さんと新忠篤さんのお二人の黄金コンビが又この「モーツァルト:伝説の演奏」を共同企画・編集されました。

鳥肌が立つような名演、名録音に遭遇すれば、それはもう「生きていてよかった」と思う至福の時間なのです。(大原哲夫)。。こうして聴いている私たちからはありがとうございました、しかありません。

そして、主人の友人にも感謝です。

2018年4月15日モーツァルトハウス(東京)
アカハラさんへ・・♡♠♤
軽井沢の町鳥のアカハラは、我が家の薪ストーブに煙突から入り込んで逃げられずに死んでしまっている時があり、それを発見し、たまらなくかわいそうで毎回埋葬してあげていました。入り込んだのが分る時は、ストーブから出してあげ、外に逃がしたやるのですが、亡くなっているのは長期留守中の出来事でいつの間にか息絶えてしまっているので救いようがありません。以前煙突をふさぐ相談を業者さんとしたことがありましたが、そうするとストーブの機能に影響を与えてそれはあまりお勧めできないとの事でした。

そうして亡くなっている鳥はたいてい町鳥のアカハラでしたが、一方、救済した事もあるのです。窓に強い勢いでぶつかって脳震盪を起こしてテラスで倒れていたアカハラが、まだ目をぱちぱちしていたのでタオルで温めてあげて何時間か様子を見ていたら、元気を取り戻して飛び立っていったこともあり、その時は本当にホッとしました。

こんなことで何度か接していたアカハラですが、朝はピーピーと鳴く鳥の声で目覚め、雨上りには特に元気にさえずる鳴き声や、窓を開け放してモーツァルトを聴いていると負けずと声を張り上げて鳴く鳥たちとの共存は本当に楽しいもので、自然の中にいる喜びの様なものを感じます。アカハラさん、お願いですから、もう煙突からは間違ってもこれからは侵入しないよう・・・、そう願っています。

2018年4月15日モーツァルトハウス(東京)
モーツァルトの愛、様々・・♡♠♤
先日のオペラ好きが集まる会のあと、モーツァルト談義のなかで、いろんな話が飛び出しましたが、最も印象に残ったのが、あるモーツァルト信望者からの「自分が死んであの世にいってモーツァルトさんとする会話が今から楽しみでしょうがない、だから死ぬのは特段嫌な事ではない・・・」という発言。今からモーツァルトさんと会った時のために自己紹介ができるようにドイツ語の勉強をしているのだそうです。なぜドイツ語?と思いますが、モーツァルトはあまり英語が得意ではなかったのだそうです。それならドイツ語で、という訳です。

「だって〇〇さんをモーツァルトさんが知っている訳でもないし、どうやって向こうで会えるの?」という私の問いかけには、いとも簡単に「だってこれだけ好きだったんだから、会えないわけがない・・」という答え。

今までいろんなモーツァルト信望者、愛好家と知り合ってきましたが、あの世で会うための準備までしている方には会ったのは初めてで、今もって衝撃が残っています。

以前、旅行中に海老澤先生と会話する機会があり、先生にモーツァルトさんのどの曲が一番好きですか?とした問いかけに先生が「モーツァルトさんに悪いからどれとは言えない、みんな好きです」という答えが返った来たそうで、深いモーツァルトさんへの愛を感じたとその方は言っていましたが、どのお話にも私は驚きで、モーツァルトへの”愛”は様々というところでしょうか。

因みに主人は、あの世でのモーツァルトさんとの会話は、「お互いが自国の言葉で語っていても、分り合えるのだ、言葉の違いなどないんだ・・」と自信ありげに言っていますが、あながち日本語しか自信がないからというのではなく、音楽の世界は世界共通だという認識なのでしょうか。さてあなたはどう思われますか・・・。



2018年4月11日~14日のモーツァルトハウス
春を告げる町木・・♡♠♤
こぶし、モクレン、桜が一斉に咲き始めた軽井沢。春を告げるこぶしの花が今満開です。こぶしは軽井沢の町木で、町じゅうが白いこぶしの色に染まって嬉しい春の訪れを告げています。参考までに軽井沢の町花は、サクラソウ、町鳥は、アカハラ、町獣は、ニホンリスです。

こぶしは同じ”もくれん科”なので白モクレンに似ていますが、モクレンほどの重量感はなく、こぶしはより小さくて可憐な可愛らしさがあります。青空に映える純白のその美しさに飽くことなく見とれています。

こぶしの花はこのあたりは殆どが自生で、背が高く天に伸びているものが多く、香りをかぐことができないでいるのですが、植物図鑑によりますと、いい香りがするのだそうです。その香しい香りをいつかかいでみたいと思います。天高く伸びたこぶしの木のてっぺんに咲く白い花は天上の花を思わせ、青空とマッチして本当に美しい世界です。今年は偶然満開の時期に訪れていてラッキーでした。
佐久市のピンころ地蔵さんの辺りには桜の木が多く、また御代田にある成穏寺の枝垂桜も丁度見頃を迎えていて、お花見ができました。東京であまりゆっくりお花見ができなかったので、ゆっくりとのんびりと佐久や軽井沢で桜の観賞が出来て嬉しかったです。軽井沢はこれから本格的な芽吹きの時期を迎え、花と緑に溢れます。



2018年4月8日モーツァルトハウス(東京)
桜のたより・・♡♠♤
仙台に住む主人の友人からまた今年も春のたよりが届きました。仙台から東北本線各駅停車で行き、柴田町という所にある桜の名所から雪をかぶった蔵王の山を遠くに望み、足元に咲く桜のピンクと黄色い花と青空とのコントラストが本当に美しい傑作ショットです。午前中の陽の光が蔵王にあたっていること、また桜の開花と、晴天も大切な要素なので、天気予報を入念に調べて、タイミングを測って出かけたのだそうです。雄大な雪をかぶった山と、美しい満開の桜並木(全長8千m、1200本)、ほのかな黄色がアクセントとなって、ここでしか得られない宮城県ご自慢の春の景色ですね。桜の季節になるとこぞって各チャンネルのローカルニュースで流れるそうで、季節の便りには欠かせない場所になっているそうです。

長野県にもこういった毎年決まって流れる季節の映像があって、その一つが、県北の飯山の桜と菜の花が青空に映える景色です。目にも鮮やかな本当に美しい春のたよりです。人出も多く、こちらもいつか行ってみたいと思いながらいて、今年こそは~と、気持ちが高まります。

2018年4月5日モーツァルトハウス(東京)
メットでの「コジ・ファン・トゥッテ」・・♡♠♤
只今ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されているモーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」。日本ではライヴュビューイングで観ることができます。東京の銀座東劇では5月5日(土)~18日(金)の2週間上映されます。東劇は特別2週間上映されますが、他の劇場は11日(金)までの1週間です。

現代ものになっている演出で、私の知らない歌手ばかりなので果たしてどうなのかと思いますが、「コジ」は重唱が素晴らしく好きなオペラです。楽しみにしています。

先日久しぶりにお会いしたY女史は、ご主人とお二人で毎年春と秋にニューヨークに出かけメトでのオペラを楽しんでいます。今年もこれから出かけてこの「コジ」など数本のオペラ観賞をして来るそうです。今ちょうどツァーで出かけている人もいて羨ましいですが、私はもっぱら映画館でのライヴュビューイングで満足しています。指揮者や歌手へのインタヴューもあって興味深く、楽しみです。

2017-2018のシーズンでは、モーツァルトオペラはこの「コジ」と昨年12月の「魔笛」の2公演でした。

2018年4月3日モーツァルトハウス(東京)
晩年の神業・・♡♠♤
6月9日(土)18:30開演の紀尾井ホールでのコンサートはとても魅力的です。題して「晩年のモーツァルトに学ぶ」で、晩年の神業としか思えない名曲の数々を、日本を代表するソリストたちが魂を込めて演奏します。

主催は音楽交流NPOクウォーターグッド・オフィスの第30回チャリテイコンサートで、弦楽五重奏曲K614、クラリネットコンチェルトK622、歌曲「春への憧れ」K596、「春のはじめに」K596、「子供の遊び」K598、ピアノコンチェルトK595で名曲揃い。演奏者も素晴らしいです。

土曜の夕方、晩年のモーツァルトの名曲を聴きに紀尾井ホールに行ってみませんか。。。

2018年4月2日モーツァルトハウス(東京)
感動の第20番K466・・♡♠♤
1月のN響の定期公演で演奏された小山実稚恵さんのピアノによるモーツァルトのピアノ協奏曲第20番K466。昨日のNHKeテレ「クラッシック音楽館」
でその演奏が放送されました。この放送日を教えて下さる方がいて、1月からこの日をずっと心待ちに楽しみにしていました。

小山実稚恵さんはリゾナーレ音楽祭の常連さんでしたので、随分たくさん小山さんの演奏を聴いてきましたが、N響との協演によるモーツァルトを聴くのは私は初めてでしたし、それも第20番ですから、生でこの演奏を聴かれた方はきっと感激だったと思います。

ピアノ協奏曲第20番は二短調の作品で、小山実稚恵さんは、この短調についての魅力も語っています。不安定な、何かにおびえた様な表情から始まって、いろいろな色彩に変化するさまがあり、透明感があり、オーケストラとの音色効果が特徴の本当に素晴らしい曲です。

1785年にウィーンで予約演奏会のために作曲されたこの曲は、短調による最初のピアノ協奏曲であり、低音域で暗く悲観的にはじまる第1楽章、映画アマデウスのエンデイングに使われれたロマンスでおだやかな主部が印象的な第2楽章、そして素晴らしいロンド・フィナーレの第3楽章と、その後のロマン派の作曲家にも大きな影響を与えた曲とされています。

事実、ベートーヴェンや、ブラームスも愛奏していて、この曲のためのカデンツァを残しています。初演の2月11日には父レオポルトがウィーンに到着した日で、この初演に立ち会い、モーツァルトの姉ナンネルへの手紙に、「皇帝は帽子を手に取って会釈され、それからブラヴォー・モーツァルト!!と叫ばれました・・・」とその日の感激を綴って書き送っています。

テレビ放送でしたが、小山実稚恵んさんの20番K466を聴くことができ、その素晴らしい演奏の余韻を今も楽しんでします。。長い間23番かいや、20番かと好みが別れることもありましたが、モーツァルトの音楽は何千年先も人類が存在する限りにおいて永遠に感動を与え続けていくでしょう・・・と語った小山さんの言葉にある様に、改めて20番の魅力をも思い知らされ、この曲を愛した方々を思い出しています。

2018年4月1日モーツァルトハウス(東京)
世界にはばたく若手演奏家シリーズ・・♡♠♤
昨日は、よみうり大手町ホールで第6回を迎えながら最後となった社会福祉法人:緑の会後援会「麦の会」主催によるチャリティコンサートに行って来ました。「緑の会」は山梨県北杜市と東京都千代田区のそれぞれのセンターで、障碍者が社会参加できるようにさまざまな活動を続けている会です。この日のチャリテイコンサートの収益金や、「麦の会」の会費が、障碍者の社会参加につながる大きな基金になっています。

リゾナーレ音楽祭を主宰してきた岡山潔先生や、ピアニストの深沢亮子先生らが発起人となり、プロデュースして「麦の会」主催のチャリティコンサートが続けられてきましたが、今回が最後と聞き、残念でなりませんでした。

この日のコンサートは、表題が「世界にはばたく若手アーティストシリーズ~フィナーレに躍動する若さと情熱~」で、出演者も世界で活躍の頼もしい素晴らしい若手演奏家が集結し、またプログラムは、モーツァルト弦楽五重奏曲 ハ長調 K515、ブラームスピアノ四重奏曲 第1番 ト短調op.25、メンデルスゾーン弦楽のためのシンフォニア 第9番 ハ長調「スイス」の3曲で、珠玉のプログラムでした。

優れた作品、素晴らしい演奏家、そして素晴らしい聴衆と3拍子揃ったこのようなコンサートがこの日で幕を下ろすのは本当に残念の極みですが、また、何か形を変えてでもいつか機会があればと願っています。

始まりがあれば終わりがある・・この原理は仕方のない事ですが、こうして日常にきらめきを与えてきた愛着のあるものが幕を下ろすという事は本当に寂しいものですね。昨日の3曲は、それぞれの作曲家の代表作ともいえる大曲で、聴きごたえのあるそしてまた若手演奏家たちの渾身ともいえる演奏にも心から感謝したい気持ちでした。
よみうり大手町ホールの大ホールでのいろいろな人びとの思いのこもった素敵なさよなら演奏会でした。

2018年3月31日モーツァルトハウス(東京)
生涯を通じての腹心の友・・♡♠♤
2014年4月の上半期のNHK朝ドラとして放送された「花子とアン」は特に好きな作品でした。BSで再放送されていましたが、ちょうど3月31日がその再放送での最終回でした。「赤毛のアン」の日本語翻訳者村岡花子の半生を原案としたフィクションで、脚本は中園ミホで制作されました。

1度観ているのに飽きることなく、毎日新たな感動を持って観ることができました。コンサートの魅力は、演奏される作品がいいこと、演奏者の素晴らしさ、そして聴衆に恵まれること、この3拍子揃って感動的といえるような気がしますが、ドラマも、作品に恵まれ、良き出演者、そして視聴者の大きな反応がないとなかなかうまくいかないのでしょう。
私はずっと朝ドラファンで、朝ドラはわずか15分ですが、朝のドラマが一日の活力になったり、時には朝起きる時のテンションまでにも影響を与える、そんな存在です。

「花子とアン」の最終回では、翻訳を始めながら、戦争を挟んで十何年もの年月を要し、ようやく「赤毛のアン」が出版されることとなり、その出版記念式での、主人公村岡花子の挨拶などが主なストーリーでした。

来賓の挨拶では「赤毛のアン」の作家カナダのモンゴメリーは訳者村岡花子とは写し鏡のようだと述べ、「ありふれた日常を輝きにかえる言葉が散りばめられたこの作品は、まさに非凡に通じる平凡であります。必ず時代を超えて読み続けられるベストセラーになることでしょう・・・」

又、村岡花子自身の挨拶では「本の力を信じています!一冊の本が心の支えとなって絶えず励まし勇気づけてくれるのです」「曲がり角の先にはきっといいものが待っている」「いくつもの曲がり角を曲がりました。見通しの効かない細い道を歩くことになったとしても、そこには優しい心、幸福、友情などの美しい花が咲いていると今は強く信じています。」「どんな暗い夜でも必ず朝がやって来ます。物語の中でアンが教えてくれました。」
「アンのように勇気をもって歩いてゆけば曲がり角の先にはきっと、きっと美しい景色が待っています!日本中にアンの腹心の友ができますように!」
プリンス・エドワード島に暮らすアン・シャーリーの日常を物語にしたルーシー・モード・モンゴメリーの小説「赤毛のアン」は、日本語翻訳者村岡花子との「運命的な出会い」によって生まれ、今でも日本中で愛され続けています。

「窓辺に倚る少女」というタイトルを花子は当初考えていたそうですが、三笠書房の編集者から「赤毛のアン」が提案され、それを社長が自ら花子に告げるのですが、花子は拒否しますが、二十歳になる娘のみどりが強く賛同し、このため花子は若い人の感覚に任せる事にし、「赤毛のアン」という邦題が決定するのです。

アンとダイアナの関係が、花子訳では、”腹心の友”。私にとっては音楽の”腹心の友”はなんといってもモーツァルトということになるのです。モーツァルトは時代を超えて愛され続ける音楽のベストセラーではないでしょうか。。。

2018年3月29日モーツァルトハウス(東京)
「モーツァルトあるいは翼を得た時間」・・♡♠♤
礒山雅先生の著書「モーツァルトあるいは翼を得た時間」を改めて読んでみたいと思いました。1月27日のモーツァルトの誕生日に転倒して意識が戻らないまま2月22日に亡くなってしまわれた礒山雅(いそやまただし)先生のモーツァルトについて書かれた有名な著書です。

礒山先生はバッハ研究者の大権威でありましたが、バッハ、モーツァルト、ワーグナーを「三本柱」として、「モーツァルトの音楽は昔から大好きだった」と自ら述べています。国立音楽大学に勤務して、海老澤敏先生(当時の学長)の主宰するモーツァルト研究所の一員となって「モーツァルト大全集」(中央公論社)の編纂などの手伝いなどをするうちに、大学やカルチャーセンターなどでのモーツァルトの講義などもされ、しだいにモーツァルトにも携わっていく事になります。

そうしているうちに、モーツァルトについて書きたいことが少しずつたまってきたので、「バッハ=魂のエヴァンゲリスト」に続く東京書籍からの二番目の書き下ろしとしてこの「モーツァルトあるいは翼を得た時間」が誕生したそうです。

あとがきに書かれた日付は、1988年11月10日で、ちょうど今年はその日から30年目になります、モーツァルトを愛した礒山先生の名著としていつまでも読み続けて行きたいものだと思います。故福田邦夫さんから頂いたものですが、自らサインを記しているのも気に入っておられた証拠でしょうか。海老澤先生がモーツルト講座の中で、礒山先生のことを一番弟子だったと仰っておられたのも思い出します。

2018年3月25日~29日のモーツァルトハウス
芽吹きの頃・・♡♠♤
軽井沢にも本格的な春が始まっています。25日の週は急に気温が上がり連日晴れマークが続いて、一気に春を思わせる陽気。日一日と春が進んで行きます。気温も20度近い日もあり昨日までの寒さが嘘のよう~。季節の変りの激しさに、今年は特にその思いを強くしました。

浅間山のてっぺんの雪はまだ残っていましたが、この陽気でどんどん解けて行きそうです。

軽井沢ショッピングモールは、その広大な面積と景色も良いので、気分転換に時々行きたくなる場所。日本一の店舗数を誇るショッピングモールだけに、ブランドショップも多く、ウインドウショッピングだけでも楽しい。春休みでもあり、春の大バーゲンセール開催中だったので、家族ずれで賑わっていました。


2018年3月24日モーツァルトハウス(東京)
ヘアティントゥスの魂・・♡♠♤
お彼岸のお墓参りの帰りに買ってきたヒアシンスの球根。庭の隅に植えていたら花が咲き始めました。黄色、紫、赤の三色のヒアシンスです。

モーツァルトが11歳で作曲したオペラに「アポロンとヒアティントゥス」というラテン語のオペラがあります。11歳で作曲したもので、人間の感情を少年でありながら良くここまで表現できるものだと感心させられる、モーツァルトの才能ぶりが窺えるオペラです。

クライマックスでは、死んでいくヒアティントゥスの魂を永遠に残すために、アポロンはその魂をヒアシンスの花に託して、ヒアシンスの花を咲かせるのです。紫のヒアシンスの花です。

ギリシャ神話から生まれたオペラで、アポロンと仲良くなったヒアティントゥスにやきもちを焼いた西風の神ゼピュロスが風をおこし、その風に乗って投げた円盤がヒアティントゥスに直撃して死んでしまう。その時にヒアティントゥスの額から流れた大量の血から生まれた花、それが紫色のヒアシンスだったといいます。

私が持っているオペラ「アポロンとヒアティントゥス」のDVDは2006年のザルツブルク音楽祭のもので、舞台上でもこの紫色のヒアシンスがバックに咲いてフィナーレとなります。

ヒアシンスの花は球根で多年草なので、毎年この時期楽しめそうです。この花の咲く頃には、決まって「アポロンとヒアティントゥス」を思い出しそうです。
紫色のヒアシンスの花言葉は「初恋のひたむきさ」、こちらも忘れずに思い出したいものですね!。。。

2018年3月21日モーツァルトハウス(東京)
東京のなごり雪・・♡♠♤
梅も終わり、桜の開花宣言も出され、春のお彼岸の中日の今日、東京も雪に見舞われました。関東地方もいたるところで雪が降りはじめ、10時半位からは我が家のある都内でも降りはじめ、今もしんしんと降っています。アダモの「雪が降る」の歌のようです。イルカの「なごり雪」も思い出しますね。やっと咲いた春の花たちが冷たい雪で可哀そうです。。。

2018年3月19日モーツァルトハウス(東京)
ホットな音楽情報・・♡♠♤
モーツァルトの12歳の時のオペラ作品「バスティアンとバスティエンヌ」と、音楽付き喜劇「劇場支配人」がバッハ・コレギウム・ジャパン鈴木優人の指揮で7月に上演されます(演奏会形式)。日時は、7月1日(日)17:00、場所は調布市グリーンホール大ホール、チケット発売は3月15日(木)です。

6月から7月にかけて繰り広げる「調布国際音楽祭2018」(エグゼクティブ・プロデューサー鈴木優人)での上演で、管弦楽は今人気のバッハ・コレギウム・ジャパン。「劇場支配人」は2006年に一度観たことがあるだけで、あまり上演のないものだけに貴重な機会です。また「バスティアンとバスティエンヌ」も生では初めての体験となるので気になりますね。。。。

もう一つ、秋にはびわ湖ホールでモーツァルト公演があります。沼尻竜典オペラセレクション「魔笛」です。こちらはパミーナ役が砂川涼子さんで、今まさにパミーナ役にピッタリなソプラノ歌手さんが出演されます。こちらのチケット発売は4月14日(土)
久しぶりのびわ湖ホールでのオペラ観賞になればと思案中ですが、公演日は、10月6日(土)15:00開演、びわ湖ホール大ホールです。

ついこの間2018年が明けたと思っていましたが、もうすぐ3月も終わります。早いものですね。4月以降の音楽情報も色いろと入って来ていて楽しみです。今年はどんな素敵な音楽との出会いがあるのでしょうか・・・。


2018年3月18日モーツァルトハウス(東京)
春爛漫~♪・・♡♠♤
彼岸の入りの今日はお墓参りに。お寺さんへの道すがら春のお花にたくさん出会えました。小さな公園や各お家のお庭には、すいせん、沈丁花、クリスマスローズ、椿、早咲きの桜、ムラサキハナナ(別名:花大根)など色とりどりのお花が咲いていました。

お寺さんの入り口には大きな桜の木があって、まだ蕾のままでしたが、枝垂桜には今にも咲きそうな可愛い芽を見つけました。昨日は桜の開花宣言も出されたので、これからいよいよ桜のシーズンですね。


2018年3月10日モーツァルトハウス(東京)
モーツァルトが金沢に降臨?・・♡♠♤
「ウイーンの風に乗って、モーツァルトが金沢に降臨!」のキャッチコピーのもと、金沢では今年のGW、4/28(土)~5/5(土・祝日)期間中に開催される《風と緑の楽都音楽祭2018》のテーマはモーツァルト!”金沢に世界のトップアーティストが集結し、モーツァルトに染まる一週間”となります。

オーケストラは、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団、紀尾井ホール室内管弦楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、アマデウス室内オーケストラ、指揮者、ソリスト、ピアニスト、歌手、伝統芸能とのコラボもあるので舞、踊、語のメンバーも、また作曲家も、驚くばかりのそうそうたるメンバーを揃えて石川県立音楽堂などで公演を展開します。

ウィーン・フィルの元コンサートマスターのライナー・キュッヘル、ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者ヴェンツェル・フックス(クラリネット協奏曲を演奏)ピアニストは、菊池洋子、(22番等)、辻井伸行(21番、26番等)、など、プログラムを見ているだけでも垂涎の的です。

23公演を全部買ったという人まで身近に現れていて、これほど充実したモーツァルト公演を繰り広げる音楽祭をGWにぶつけてくる北陸新幹線開通から今や海外からも注目されている、いしかわ・金沢にも驚きです。

GW中は、モーツァルトハウスがある軽井沢の大賀ホールでも「春の音楽祭2018」と銘打って音楽祭を開催していますが、東京からも軽井沢を通過して金沢まで行ってしまいたい気分です。(うーん~・・)

昨年のGWはベートーヴェンだったそうですから、今年は誰からも愛されている我らが”モーツァルト”。魅力の北陸へ!そしてモーツァルト三昧をして、歴史があり今やおしゃれな古都となった金沢を訪ねて食や観光など魅力たっぷりな旅、いいでしょうね。♡♠♤

2018年3月8日モーツァルトハウス(東京)
ヴァイオリン・ソナタの余韻・・♡♠♤
昨日は、日本モーツアルト協会の例会「ヴァイオリンとピアノの対話」を青木尚佳さんと津田裕也さんの若さあふれるデュオで楽しみました。

昨日のプログラム《演奏者からのメッセージ》に青木尚佳さんは次のようなメッセージを載せています。

「・・・一晩で同じ作曲家のソナタを4つ演奏することは、大きな挑戦となります。
ドイツ語に”Lustig”(おどけた/愉快な)という単語がありますが、モーツァルトの楽曲にはこの”Lustig”の要素がたくさんあるように思います。おどけた、と言われてもそれを音で表現するのはなかなか難しいが、わざとらしくなく、でも洒落たように聴こえるように・・。且つ、チャーミングでキラッと光るものがあって、でも枠からはみ出し過ぎないように・・・頭では分かっていても自分が描くモーツァルトの『音』を出すことはこの先突き詰めていきたいことの一つです。

師匠である堀正文先生はモーツァルトを演奏する上で必要なテクニックを全て兼ね備えており、モーツァルトのレッスンになるととても細かく見て頂いた記憶があります。先生に教えていただいた右手のテクニックは、特にモーツアルトを演奏する上で必要な事だったと、最近ヒシヒシト感じております・・・・」

青木尚佳さんは英国王立音楽院大学院に留学、現在はロンドン在住でヨーロッパを中心にリサイタル、室内楽の演奏活動を展開して将来の活躍を期待されている若手ヴァイオリニストさん。2009年日本音楽コンクール第1位、2014年にロンーティボー国際コンクール第2位、2016年仙台国際コンクール第3位といった受賞歴をお持ちです。ピアノの津田さんとの素晴らしい演奏でモーツァルトのヴァイオリン・ソナタの魅力を存分に見せつけてくれました。

モーツァルトにはこう演奏しないといけない、というものはないけれど、ここは出来ればこう演奏して欲しいと思っている何かがあって、そのモーツァルティアンの気持ちに沿った演奏に出会えた喜びがありました。二人の演奏家の対話が紡ぎだすモーツァルトのヴァイオリン・ソナタの世界!冷たい雨に見舞われたあいにくのお天気の中を出かけましたが、帰りは心もほっこりと幸せな気分でした。家ではCDを聴き、今日もまだその余韻に浸っています。。。


2018年3月7日モーツァルトハウス(東京)
予告!3月例会「ヴァイオリンとピアノの対話」・・♡♠♤
日本モーツァルト協会3月例会は、ヴァイオリン(青木尚佳)とピアノ(津田裕也)によるヴァイオリン・ソナタ4曲が演奏されます。タイトルはズバリ、「ヴァイオリンとピアノの対話」です。

モーツァルトのヴァイオリン・ソナタはピアノがヴァイオリンの伴奏というより、ヴァイオリンとピアノの対話の旋律が随所に盛り込まれ、ヴァイオリン・ソナタと表現するよりも、ヴァイオリンとピアノの二重奏というものに到達したという感があり、二つの楽器が豊かに響き合い、協奏していて魅力的です。

演目は、ヴァイオリン・ソナタニ長調K306、ヘ長調K377、ト長調K379、イ長調K526の4曲。特にイ長調K526は真の意味でヴァイオリンとピアノの二重奏に到達したと言われている曲で、この曲のフィナーレにその充実ぶりが現れていて素敵な曲です。1787年8月に完成した曲ですが、この年は、「フィガロの結婚」の成功により、プラハから新作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の依頼を受け作曲を始めていて、また5月には父レオポルトの死があったり、身辺が慌ただしい中でウィーンで作曲された曲です。

久しぶりに私にとってはヴァイオリン・ソナタなので、とても楽しみです。ヴァイオリン・ソナタは1763年から翌月にかけて、パリ・ロンドンで作曲されたモーツァルトわずか8歳で作曲した10曲から始まり、最後のウィーンで作曲されたものまで、次第にモーツァルトが成長し、作品も進化していくさまがわかる充実のジャンルのように思えます。明日は演奏されませんが、母を亡くした時の哀しみを思わせるものやアロイジアへの失恋でマンハイムからパリで完成させたものなど、背景やモーツァルトの心情までも推し量りながら楽しむことができる魅力的な作品が多く、私を惹きつけます。明日3月8日(木)18時45分開演です。青木尚佳さんと津田裕也さんの息の合ったお二人の演奏にも期待しています。

2018年3月3日モーツァルトハウス(東京)
若い力・・・・♡♠♤
3月1日は、いま最も勢いのあるピアニストとして注目される反田恭平さんが若手8人を集めダブル・カルテットを組み自らがプロデュースしたという音楽会に行って来ました。モーツァルトではなく、ショスタコーヴィッチ、チャイコフスキー、ラフマニノフ、R.シュトラウス、ベートーヴェン、J.S.バッハといった作曲家の曲が演奏されました。
ダブル・カルテットを組む8人は、ヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2の8名で、反田さんと正に同年代で、共に切磋琢磨し著名な音楽コンクールの数々の受賞歴を持つ若手実力派メンバーです。
8人(反田さんも含めて9人)は現在、海外の大学や著名な先生に師事し世界で活躍中の方が殆どで、この演奏会のために集合したのだそうです。

現在ドイツのクロンベルクアカデミーにてクリスチャン・テッラフに師事している大江馨さんも、このカルテットのメンバーで、また最初にこの演奏会の誘いを反田さんから受けたというヴァイオリンの岡本誠司さんは、日本モーツァルト協会2017年11月例会の「ミカラ・ペトリの芸術」に第一ヴァイオリンとして登場していて、ペトリさんのリコーダーでの「フルート四重奏曲」全曲演奏で、素敵な演奏をされていたので記憶に残っていました。

全員の年令が23歳前後という、世界に羽ばたこうとしこれからが大いに楽しみなメンバーを集めての、ワクワクするような演奏会でした。

反田恭平さんは、2016年のサントリー・ホールでのデビュー・リサイタルで2000席を完売し、その後追加公演を行うなど、又全国ツァーの成功など、「題名のない音楽会」や「情熱大陸」等メディアでも取り上げられ、数々のセンセーションを巻き起こしてきました。仲間を集める吸引力とプロデュース力にも恐れい入りました。初めて聴く反田さんのピアノでしたが、アンコールでは自ら前の日に8人の弦のために作曲した曲を披露するなど、その多才ぶりも見せつけられ、CDも発売され、そのサインには長蛇の列で、聴衆を惹きつけるその魅力に圧倒されました。


個人的には、一番馴染がある大江さんの演奏に注目しましたが、チャイコフスキー「懐かしい土地の思い出」を大江馨(Vn)、反田恭平(Pf)で、R.シュトラウス:「弦楽六重奏のためのカプリッチョ」では第一ヴァイオリンを務めて魂のこもった深いヴァイオリンの音色を響かせていて感動しました。海外で刺激を受け益々飛躍している大江さんの今を感じて嬉しかったです。

男性9人の演奏会は珍しく、舞台は黒一色でしたが、会場は逆に女性が殆どでロビーは華やかな雰囲気に包まれていました。タイトルとなっている「反田恭平Produce  MLMダブル・カルテット」の”MLM”はロシア語で「音楽を愛する青年たち」という意味なのだそうですが、この日の9人の若手実力派メンバーは日本の音楽界にとっても頼もしく、これからの活躍も本当に楽しみです。


2018年2月25日~28日のモーツァルトハウス
小さな春・・・・♡♠♤
軽井沢でも小さな春を見つけて来ました。空は青く、山の端(は)は霞んで空気も心なしか今までよりもあったかい。春の兆しを感じました。春を歌った唱歌が思わず口をついて出て来ます。「春が来た」「春の小川」「朧月夜」(高野辰之:詩)、「どこかで春が」(百田宗治:詩)、「春よ来い」(相馬御風:詩)など、日本にもたくさん春をうたった曲があり、心のふるさととして今も歌われ続けています。

今年の冬は寒さが厳しかったけれど、春は間違いなく今年も来てくれています。春よ来い~、早く来い~♪シュワルツコップの歌う「春への憧れ」、学校で皆で歌った唱歌など、つい口ずさんでいます。


2018年2月25日モーツァルトハウス(東京)
春の訪れ・・・・♡♠♤
御向いのお家の梅の花が咲き、窓から眺めながら楽しませて頂いていて、春の訪れを感じています。春の訪れといえば、真っ先にモーツァルトの歌曲「春への憧れK596」を思い出し、聴きたくなります。モーツァルトの最期の年の歌曲の傑作ですね。作詞者はオーヴァーベック(1755~1821)で、本来のタイトルは「5月のフリッツ君 Fritzchen an Mai」でした。作曲完成は、1791年1月14日、ウィーン。春にはちょっとまだ遠い時期にできた曲なのですね。極寒の地ウィーンでまさに春を待つかのように生まれた曲ですね。

直前の1月5日にはピアノ協奏曲第27番K595が完成していて、第3楽章にこの「春への憧れ」の冒頭の主題を使っている事でも有名です。亡くなる1791年にはこの様な傑作を数々残し、おまけに人生の春を思わせる明るい、充実した響きと軽やかさが調和した名曲ばかりです。

先日モーツァルト協会で演奏された弦楽三重奏曲のディヴェルティメントK563の最終楽章も「春の憧れ」の旋律が出て来て素敵です。チェロとヴァイオリン2台のハーモニーは美しく、いつ聴いても心が弾んできます。

先日22日に71歳という若さで突然お亡くなりになってしまわれた礒山雅先生の訳書「最後の4年・栄光への門出」のご本の中にもある様に、亡くなる4年間に輝くような作品を残したモーツァルトを先生の著作の中からも偲ぶことができます。御向いの梅から、梅のいい香りがしています。


2018年2月24日モーツァルトハウス(東京)
「強父論」・・・・♡♠♤
阿川弘之氏の長女、佐和子さんの著書「強父論」。お父様との生前の約束、「俺が死んだら出版社から「故人について書かないか」という依頼が来るかもしれないが、よく心しておけ。もの書きの家族が『父は偉大でした』とか『夫は素晴らしかった』とか、ああいうたぐいがいつばんみっともない。わかってるんだろうな」
「わかっていますよ、ちゃんとわかっています」

そうだった。思い出しました。約束していたんです。父が亡くなったからといって、そういう本を出版する行為は父の本意に逆らうこととなる。

しかし、長い付き合いになる文芸春秋社のM氏から依頼され、文士の家に生まれた宿命のようなものと、いつのまにか「わかりました」と引き受けてしまって書いたという「強父論」。

「お父ちゃんが忌み嫌っていたような『父を讃える本』には決していたしませんと誓ったように、内容はお父ちゃんがいかに無茶苦茶な人であったか。周囲がどれほどひどい目に遭わされたか。思い出す限り精魂込めて書いた本である」という所がユニークで面白い。

おかしくて読んでいて笑い出す場面が多く、しかし読者に場面を描かせ、それを活き活きと伝える文面に魅せられます。こんなにも話題に事欠かなかったお父様だったとは。兄、娘、弟、弟という4人のただ一人の娘でありながら、決して甘やかされることなく、「いったい誰のお陰でぬくぬくと生活ができていると思っているんだ。誰のおかげでうまいメシが食えると思っている。養われている限る子供に人権はないと思え。文句があるなら出ていけ。のたれ死のうが女郎屋に行こうが、おれの知ったこっちゃない」というのが口癖だったそうです。初めてその言葉を投げつけられたのは中学生で、私と近い年齢の佐和子さんが中学生の時から父親に「のたれ死のうが女郎屋に行こうが、俺に知ったこっちゃない」と言われ続けていた人だったなんて、驚きです。

私がこの本に手が伸びたのは、「強父論」というタイトルでした。私の父は名前を強一といいました。7人兄弟で、他の兄弟は皆同じ漢字に〇一、〇次、〇太郎などと統一性があるのに、5番目の父だけ突然強一でした。が、なぜか何にも一番強くもなく、他の兄弟よりも一番先に逝ってしまったのも父でした。

姉と私は二人姉妹でしたが、厳しい父というより優しい父でしたので、佐和子さんのような経験はないのですが、私が24歳になる年の2月にあっけなく逝ってしまった父を思い出させて貰えた本でした。私の父はこうだったな~とか、そんな遠い思い出をふっと思い出しては懐かしみ、思わず父の写真を眺めて、今も生きていたらどんな会話をしていたのかな~とか、この年になって、父にもう一度会いたいもんだなと、読みながら何度も思ったりした。

今日の東京はとっても暖か、桃の花が咲く頃にはまだ早いのに、「桃の花がいっぱい咲いている・・」といって息を引き取った父を思い出しています。

2018年2月23日モーツァルトハウス(東京)
訃報・・♡♠♤

バッハ研究の権威で音楽学者の礒山雅(いそやま・ただし)さんが22日、外傷性頭蓋(ずがい)内損傷のため亡くなった。71歳。通夜は3月4日午後6時、葬儀は同5日午前11時、東京都東大和市桜が丘2の208の1のセレモアガーデン会館玉川上水。喪主は妻智子(ともこ)さん。

 先月27日に雪で足を滑らせ転倒、頭を打ち入院していた。

 専門はドイツ音楽史と音楽美学。国立音楽大招聘(しょうへい)教授、いずみホール(大阪市)の音楽ディレクター。日本音楽学会会長も務めた。著書に「バッハ=魂のエヴァンゲリスト」「マタイ受難曲」「バロック音楽」など。毎日新聞で演奏会評やCD評を長年執筆し、毎日芸術賞の選考委員も務めた。(毎日新聞)
礒山先生は、モーツァルト研究者でもあられました。2015年12月に出された、クリストフ・ヴォルフ著:礒山雅翻訳の「モーツァルト:最後の4年・栄光への門出」がとても印象深いです。これからももっとご活躍頂けるものと思っておりましたのに、本当に残念ですし、ショックです。2016年暮れに、新宿の朝日カルチャーセンターで講座をお聞きしたのが先生との最後でした。モーツァルトのお誕生日の1月27日に転倒されていたのですね。大阪のいずみホールでは音楽ディレクターもされ、「モーツァルトを旅する3年間」という、3年間に渡ってモーツァルト作品を辿る、素敵な企画・プロデュースもされたのも礒山先生でした。このシリーズを聴きに2回大阪までいき、いずみホールという素敵なホールに出会えたのも今となっては思い出です。

2018年2月19日モーツァルトハウス(東京)
感動の2日間・・♡♠♤
ピョンンチャンオリンピック・フィギュアスケート男子シングルで、日本の羽生結弦選手、宇野昌磨選手が金と銀の快挙を成し遂げました。素晴らしいですね。16日(金)のショートプログラム、17日(土)のフリープログラムと、待ちに待っていただけに、他のことは手に付かず、多くの日本中の方々がテレビの前で釘づけだった思います。オリンピックという大舞台で、大きな重圧の中で、平常心で冷静に、練習してきたいつも通りのことができるかどうか、それが一番の鍵だったように思います。それにはよく言う「自分に勝つこと」、「プレッシャーに勝つこと」、それができて初めて手にすることができるメダルなのだと強く感じました。

羽生選手は、けがを乗り越え、リンクに乗れない、いつもの練習が出来ないことでの苦悩の日々を送る事で、精神面でも逞しくなって、そして逆にスケートが出来る喜び、幸せという大きなものを手に入れて、このオリンピックに臨めたともいえます。プレッシャーよりも今の喜びの方が上回っていたのでしょうか。出来るかという誰もが抱く不安よりも、またこうして滑ることができると言う無上の喜びが、大きな成功へ導いたのでしょう。何事にも通じることですね。いつでもどんな時でも前向に、プラス思考でいく!大事な事です。でもいつでも、誰もができることではない。

宇野君は、オリンピックを特別と捉えないで、いつもの大会と同じ感覚で臨めたことで、冷静にいつも通りのことができたという、周りの環境や状況に左右されないマイペースな性格がこんな大舞台でも発揮され大きな結果に繋がりました。20歳と24歳のこの若さで二人共すごい。またそれぞれのコメントも対照的な二人の性格がでていて興味深い。

正に息子というより孫の様な二人の姿を見ていて、立派だなとつくづく思います。昨晩は500mスピードスケートの小平奈緒選手も金メダルという速報も入って来て、3日連続の嬉しい、感動の週末でした。小平選手と韓国の2年連続金メダリストのイ・サンファ選手とのお互いにたたえ合う姿にも胸を打たれました。一旦勝負となると競い合ってはいるが、それを離れるとお互いに励まし合い高め合える人間関係、スポーツの世界っていいですね。

まだまだピョンチャンオリンピックは続きますが、たくさんの感動をもらった週末でしたので、今日の月曜日元気に出社した人も多かったと思います。夢をあきらめずに追いかけることの素晴らしさ、それをやりぬいた時の感動、全てが美しいです。

私はフィギュアスケートの大ファンですが、バンクーバー、ソチと、なかなか思ったメダルを取れずにいた浅田真央選手や、今回のネイサン・チェン選手のように、ショートは羽生選手の直後に滑り、誰もが信じられない結果にもかかわらずフリーではトップの点数を出して挽回する凄さといった、予測できない大きなドラマもみせて貰い感動しました。

音楽と、振り付けと、選手の最上の技が上手く絡み合い、それが総合的に完成してこそ感動を与えるフィギュアスケート、やはり大好きです。レハール作曲ワルツ「金と銀」という曲があるそうですが、ワンツーフィニッシュしたこのふたりに贈りたい曲ですね。本当におめでとうございます!

2018年2月15日モーツァルトハウス(東京)
癒しのモーツァルト・・♡♠♤
ここの所寒さが厳しく、寒さに弱い体には特にこたえます。つい家に閉じこもる毎日を送っていますが、こんな時こそありました!いいものが・・。「最新・健康モーツァルト音楽療法」です。(監修・選曲・解説:和合治久)

血管も縮んでうまく血の巡りが良くないこの時期は「PART2:血液循環系疾患の予防」はいかがでしょう。PART1~6までシリーズでCDが出ています。

PART1:脳神経系疾患の予防(老人性痴呆症、パーキンソン病、難聴など) PART2:血液循環系疾患の予防(高血圧、心筋梗塞、動脈硬化:脳梗塞など) PART4:生活習慣病の予防(糖尿病、高血圧)の3枚が今手元にありますが、どれも医学的にモーツァルトの音楽がこれらの疾患にどのようにいい効果をもたらすのか述べられていて興味深いです。

音楽療法という特別な事をしているんだと意識などしなくても、これらの音楽は、聴くだけで五感を通して身体に沁み渡り、いつの間にか自分が心身共に生まれ変わった様な心地よさです。さすがモーツァルト!といったところでしょうか。

特におすすめの「PART2」は、ピアノ協奏曲 第20番 ニ長調K466 第二楽章、ピアノ・ソナタ 第15番 ハ長調K545、ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調K216、弦楽五重奏曲 第3番 ハ長調K515、ピアノ協奏曲 第23番 イ長調K488 で、これらのCDは全楽章の演奏でなく、よく言う所のいいとこどりではありますが、モーツルトの良さがギュッと詰まった、圧巻のCDです。演奏者も超一流揃いです。気になる疾患がある人も、ない人も、是非お試しあれ。

あと春までもう少し・・、こんな音楽療法のCDでアクティブな春に備えて身体を整えておきましょう。我が家の家の前の梅の木は今日の暖かさで蕾を大分膨らませ始めています。。春は本当にすぐそこまで来ています・・・

2018年2月11日モーツァルトハウス(東京)
建国記念日・・♡♠♤
3月11日の建国記念日は主人の誕生日。毎年祝日です。偶然にも同じ誕生日の3人集まって始めたお誕生会も、昨年末にその要となって絆を結んでいてくださった方の突然のご逝去で、奥さまを励ます会となりました。

桜の季節ともなれば人気のスポットとなった目黒川沿いのそのお店は、東横線中目黒駅徒歩5分で、北イタリア・ピアモンテ産の食材を使うなど、イタリア・トリノの有名レストランでの経験を生かして日本での新しいイタリアンを目指す若きオーナーシェフの岡野氏のお店。

静かな落ち着いた店内から、桜の季節ともなれば、目黒川沿いに美しく咲き誇る桜並木がよく眺めることができるそうで、その頃はきっと予約でいっぱいなのでしょう。

今回は奥様に馴染のお店を選択してもらったのですが、、若き演奏家たちを連れて来ては良くご馳走していた贔屓のお店だそうです。こんな素敵なお店のお料理で、若い演奏家たちを後押ししていた、そのニコニコと笑う優しいお姿が目に浮かぶようです。

その若き演奏家たちは、ロンティ・ヴォー国際コンクール2位、3位、日本モーツァルト音楽コンクール最年少優勝者、アウクスブルク・ヴァイオリンコンクール入賞者などで、現在世界で活躍中です。

誕生日を祝うような年令ではなくなって来ていますが、これからも無事にまた一年、年を重ねて行けたらという願いの日がお誕生日なのかも知れません。

神戸で感じたように、今生かされていることに感謝して、美味しいお料理にワイン、そして楽しい会話と、心ゆくまで堪能した一夜でした。これからも人とのご縁を大切にゆっくりと人生を味わって行きたい~。


2018年2月8日~10日モーツァルトハウス(神戸)
非日常の幸せ!・・♡♠♤
2泊3日の神戸旅行を楽しんできました。神戸は東京から行くと本当に寒い!東京も今年は平年以上に寒さが厳しい年と思っていましたが、神戸に行って感じたのはより寒いこと。歌にも歌われる六甲おろしのせいでしょうか、底冷えの、風の寒さも、内陸のヨーロッパの冬を思わせました。でもお天気にも恵まれて今回は神戸だけをのんびりと楽しむ3日間でした。

宿泊したホテルがある三宮は、新神戸駅まで1駅、今回の目的でもあるコンサート会場の「神戸文化ホール」がある大倉山駅までも2駅と、本当に便利な場所。おまけに飲食街が充実していて、神戸らしいスイーツのお店や、神戸牛を食べさせてくれる名店など、迷う程たくさん建ち並んでいる賑やかな場所でした。

今まで「兵庫県立芸術文化センター」のある西宮界隈や、大阪には何度か足を運びましたが、今回のように三宮でこうして過ごしたのは初めてで、とてもエンジョイできました。

小山裕幾さんのリサイタルは久しぶりのことだったので、斎藤龍さんのピアノ伴奏も回を重ねているので息もあって、本当に楽しませてもらいました。神戸と言えば「神戸国際フルートコンクール」という世界的な権威を持つコンクールの開催地で、このコンクールで日本人で初めて優勝したのが小山さんでしたが、もう12年も前のことになるそうです。

そんな小山さんですので神戸での人気は流石に高く、更に、現在フィンランド放送交響楽団の首席奏者として活躍中の小山さんの神戸での初のソロ公演とあって千人近く収容の「文化ホール中ホール」は満席で、開場前から長い列ができていました。最後に演奏されたタフィネルの「魔弾の射手」による幻想曲は、コンクールの第三次予選で、会場を沸かせ「聴衆賞」にも輝いた曲で、進化した今を聴かせて貰え感動的な締めくくりとなりました。

最近は私たち夫婦もシニアらしく、食が細くなったとぼやくばかりでしたが、神戸牛ステーキとか、美味しそうなスイーツを売るお店などが建ち並んでいるのを見ていると、すっかりハッスルしてしまいました。やっぱり美味しいものを目の前にすると食べてみたいと思うのは自然のことですね。健康である故かもしれません。初日は観光客の類に漏れず、神戸牛ステーキを食べさせてくれる鉄板焼きのお店に。200グラムのステーキに挑戦しました。

宿泊したホテルの朝食は、新鮮な食材にこだわり「5年連続日本一の朝食」を誇るだけあって、地元兵庫県が誇る食材を集め、丁寧に調理し、味付けに及ぶまで全てにおいて完璧で、流石日本一の朝食と満足できました。朝食を締めくくるデザート類は、全てホテルでパティシエが心を込めて一品一品作っているというもので、こちらはお腹がいっぱいなのに、つい食べたくなってしまいます。

お米は兵庫県但馬産こしひかりの「蛇紋岩米」(蛇紋岩の成分を多く含む土地、養父(やぶ)市で生育のお米)、味噌汁は、朝来市の黒大豆の手作り味噌、漬物も地元神戸の「中村漬物」、パンも「地蔵屋のパン」と上質にこだわり、パンやスイーツの街神戸でありながら、ご飯もおいしく、ご飯のおかず類も充実し、みているとお替りをする人が絶えず、誰しもが満足のさすが日本一です!

コンサートの翌日は、小山裕幾さんの「ワークショップ」(オープンレッスン)も拝聴させてもらい、後進の指導にも力を力を入れている小山さんの最近の動向にも興味をもって帰って来ました。神戸で優勝した事で、今の自分があるという言葉通り、これからも神戸の為、クラッシク発展のために力を尽くしたいとのお言葉もありました。これからも頑張ってください!

神戸は阪神淡路大震災から20年以上が経ち、震災があった事など考えられないほど、今の神戸は復興を遂げています。でもあの日の出来事は忘れる事は出来ません。多くの人が亡くなり、悲しみに沈んだ人たちが大勢いたことを忘れてはならないと思います。私たちは今生きていることに感謝し、今こうして好きなことができる自分でいられることに感謝して、この気持ちを忘れずに過ごしていきたいと思った、今回の旅でした。

2018年2月7日モーツァルトハウス(東京)
バロックの残照!・・♡♠♤
昨日はモーツァルト協会主催の講演会が「バロックのモーツァルトⅡ ティートの慈悲」というタイトルで音楽評論家・堀内修氏を招いて行われました。前回は「イドメネオ」のお話でしたが、今回は「ティートの慈悲」です。

「魔笛」と、「皇帝ティートの慈悲」は全く同じ時期、1791年のモーツァルト晩年、亡くなる3ケ月前に書かれたものですが、「魔笛」はその後、ベートーヴェンやゲーテがその魅力を後世に伝えたことなどにより、ドイツオペラはこの「魔笛」の上に築かれたと言われるほどの人気オペラとなり、片や「テイトの慈悲」は、モーツァルトの死後、各地で上演はされるが、やがていつしか忘れられてしまう存在になってしまった。そんな運命だった「ティートの慈悲」が見直され始めて来たのは、ここ近年のバロックブームに依るところが大きいそうで、「イドメネオ」についても同じことが言えるのだそうです。

とかく、ダ・ボンテ三部作がモーツァルトの代表的なペラとしてそれらが上演されることが多かったが、さまざま演出面でもやり尽くしてしまった現在では、こうした陽の目をなかなか見ずに来たバロックオペラ「イドメネオ」や「ティートの慈悲」に人々の眼が行き始めている感じが確かにあります。

モーツァルトは、絶対王政と、バロックの最も大切とする「Virtu=徳あるいは美徳」の終焉を感知していた。一つの時代の終わりを意識しながら、過去の芸術の集大成として「ティート慈悲」は捉えるべき。

「イドメネオ」のエレットラが第3幕で歌う「オレステースとアイリスの苦しみが」のアリアと、「テイト」の第2幕のヴィッテリアが歌う「いまはもう花で美しい愛の鎖を」のアリアを比較して、エレットラはイダマンテの愛を得ようとし、ヴィッテリアはあくまでも愛ではなく皇妃としても地位を望むという二人の女性の違いなども話されました。この二人のアリアはこれらのオペラの中での一番の聴きどころで、モーツァルトの”神業”ともいえるアリアです。ヴィッテリアはクラリネットの美しい旋律を奏でるオブリガート付きで歌いますが、シュタードラーという当時、名クラリネット奏者がいたことで生まれたアリアとも言え、この場面は特に圧巻です。
「バロック音楽の復活」はまだまだ続きそうですから、その波に乗ってこれから「イドメネオ」「ティート慈悲」の上演が多くなる事を望みます。海老澤敏先生のモーツァルト講座は期せずして22回(2/24)、23回(3/10)、24回(3/24)はこの「ティートの慈悲」がテーマです。ますますこのオペラへの関心が高まります。



2018年2月5日モーツァルトハウス(東京)
予告!2月例会「輝きに満ちた2つの傑作」♡♠♤
2月20日(火)に行われる日本モーツァルト協会2月例会は、弦楽四重奏曲変ロ長調K458「狩」とディヴェルティメント変ホ長調K563の2曲が、寺神戸亮(ヴァイオリン)迫間野百合(ヴァイオリン)原田陽(ヴィオラ)懸田貴嗣(チェロ)によって演奏されます。

「輝きに満ちた2つの傑作」(弦楽四重奏曲変ロ長調K458「狩」、ディヴェルテイメント変ホ長調K563)をしみじみ味わうことができる2月20日の例会です。

K563は全6楽章編成の演奏時間50分にも及ぶモーツァルト晩年の大作です。寺神戸亮ほか、出演者も名手揃い。モーツァルトの珠玉の2作品をこの機会にどうぞ聴きにいらしてください。東京文化会館小ホール、18:45開演、 一般の方にもチケットを発売中です。
〇東京文化会館チケットサービス03-5685-0650、〇日本モーツァルト協会03-5467-0626(平日)

2018年2月4日モーツァルトハウス(東京)
モーツァルトの人気・・・・♡♠♤
昨夜は、私が10年以上どうにか続いている趣味の講座に通う有志7人による、遅ればせながらの新年会を新中野にあるイタリアンのお店で行いました。OBさんも集まって、膝の手術や転んでの怪我などの快気祝いなども重なってお祝いモードの明るく楽しい食事会となりました。お店はランチでは何度か愛用しているご夫妻がされているアットホームなお店で、丸の内線新中野駅から徒歩3分の隠れ家的なお店です。

「赤毛のアン」が大好きという読書家兼劇団に属する役者さんもいれば、合唱団に属し、日フィルをバックにコバケンの指揮で「モツレク」「ベルレク」などの合唱で本格的な舞台体験をしている人、また嘉納伝助(朝ドラ「花子とアン」に登場する)のモデルである北九州の炭鉱王・伊藤伝右衛門の、福岡県飯塚市にある「旧伊藤伝右衛門邸」をどうしても訪れてみたいと出かけて行くなど、興味が湧くとどこまででも行ってしまう人、などなど・・話は様々な話題で盛り上がったのですが、その中でも意外と言っては何ですが、「モーツァルトっていいですね・・」と口々に言われたこと。

中には、先日銀座ブロッサムホールで映画「フィガロの結婚」を観たと言って、その「フィガロ」が素晴らしくてどれ程感動したかを語る人有り、またある方は、私が行けなかったのでチケットを差し上げた何年も前の国立音大での「コジ」について、未だに感動が忘れられないと語り、「特にお手伝いさん役(デスピーナ)が面白かった、あんな役を私もやってみたい!」と流石に、デスピーナは役者さんには魅力的だったのでしょう。

そんなこんなで、一瞬モーツァルト愛好家の集いの会のような雰囲気になってしまったのですが、更に、銀座ブロッサムホールでは4月14日(土)に「ドン・ジョヴァンニ」の上映があるとの情報まで頂いてしまいました。1954年、ザルツブルク音楽祭でのフルトヴェングラー指揮、チェーザレ・シエピがドン・ジョヴァンニを演じた、歴史に残る名舞台の映画版の上映です。

「日本モーツァルト協会」に入会する前に所属していた会の例会にも何度か数人で聴きに来てくれていた人たちでしたので、やっぱりモーツァルトは好きなんだなと改めて思いましたが、私がいなくなった今はその例会にもいく事もなくなっていたんだと思い知らされ、現在所属のモーツァルト協会のことを話していたら「聴きに行ってみたい!」「東京文化会館ならいつでも行けるから、いいプログラムがあったら教えて」との声に、しみじみモーツァルトの人気、愛されている作曲家であることなど、教えられ痛感する事となりました。

特定の会に所属して毎月モーツァルトを楽しむことまでは出来なくても、年に何回か、たまにはちょっとおめかしをして夕方コンサートへ・・そんな時間があったらいいと思っている人達がこんな身近にいる事を感じ、今度は誘ってみようと思い帰ってきました。

モーツァルトってみんな好きなんだな~と、帰り道ほっこりと胸があつくなりました。

2018年2月2日モーツァルトハウス(東京)
気になる来週のお天気・・・・♡♠♤
東京は今日又雪です。昨夜からの雪がやまず今も降り続いています(午前10時半現在)。積雪5~6センチにはなりそうです。あたりの景色も雪景色です。今年は今まで雪の降らなかった雪への備えのない場所に降るので、各地で被害が多発しています。水道管の破裂などもあり雪や寒さの影響がいろいろな所にでています。

フルート奏者の小山裕幾さんのふる里でもある新潟県長岡市も雪の多い所で、新潟県中越地方は新潟県内でも豪雪地帯とも言われている所ですが、今年はむしろあまり雪の降らないと言われている新潟市にも多く雪が降っています。

そんな新潟市の西よりの南に位置する長岡市出身の小山裕幾さんのリサイタルが、来週2月9日(金)に神戸文化ホール(中ホール)であります。ピアノはいつもの斎藤龍さんです。
来週は神戸に出かけますが、雪で交通機関がストップしない様に、混乱しないことを祈るばかりです。

2018年1月30日2月1日モーツァルトハウス
軽井沢の寒さ!・・・・♡♠♤
例年にない記録的な東京での寒さになれていたせいか、軽井沢の寒さもいつもほど感じません。(実際には最低気温は-10℃位になりますが)
雪は殆ど降らなかったそうですから、道路にも雪はなく、今でも融けずにいる東京の雪の方が今は気になります。

日も長くなって春をそこはかと感じ、これからは軽井沢を訪れるのが待ち遠しくなるような、淡い春の気配です。
2泊3日のとんぼ返りの軽井沢でしたが、いい気分転換でした。家の前のツツジの冬芽も春を待っているようです。

地元の天気予報通り、帰る頃には雪が舞いはじめ一瞬にして道路も白くなってしまいました。今夜にかけては降り積もるかも知れません。帰って来た東京も今夜から明日にまた積雪があるとの予報ですから、明日の朝は又雪かきが必要かもしれません。不要不急の外出は避けましょう。。

2018年1月29日モーツァルトハウス(東京)
東京の雪とイドメネオ!・・・・♡♠♤
先週22日に大都会東京を襲った雪。都内でも積雪は30センチ近くにも及びました。翌日から家の前の雪かきで多くの人が大変な思いをしました。その雪も次第に融けはじめ道路わきにひっそりと残るまでになりました。でもこうして2階の窓から見ていると各家の屋根にはまだ少し残っています。我が家の庭の雪はなかなか融けてくれません。

軽井沢はどうなっているかと言えば、雪はそれほどでもなく車の運転にはさほど支障がない程だそうです。但し、寒さは相当厳しく、覚悟が必要との事。覚悟して少し様子を見に行ってこようかと思います。

1981年1月29日は、ミュンヘンでモーツァルトのオペラ「イドメネオ」が初演された日。ミュンヘンの宮廷劇場キュヴィリエという今も現存する美しい中世の劇場で初演されました。

「イドメネオ」は、愛と犠牲をテーマとしたオペラで、一人の英雄の内面の苦悩と人々への愛を音楽で表現し、儀式ばった古めかしいともいわれていたオペラ・セリアを”人間の愛こそがすべて”と歌い上げる魅力あるオペラにモーツァルトは生まれ変わらせました。1982年、パヴァロッティがイドメネオ役をし話題となった、ポネル演出、メトロポリタン歌劇場、レヴァイン指揮での上演が今もDVDとして残されていて素晴らしいです。

さて、1981年、1月29日のミュンヘンの冬景色はどんなっだったのでしょうか。この日どんな景色をモーツァルトはみたのでしょうか。。。

上の写真は、2016年11月に訪れたキュヴィリエ劇場、きらびやかですね!

2018年1月27日モーツァルトハウス(東京)
262回目のお誕生日!・・・・♡♠♤
今日はモーツァルトのお誕生日。そして知りませんでしたがベルディの命日でもあるそうで、2つのメモリアルが重なった日なのです。日本モーツァルト協会の1月の例会はモーツァルトのお誕生日に行われ、”知られざるモーツァルト「教会ソナタ」の楽しみ”というタイトルのコンサートを共に楽しみました。

「教会ソナタ」と聞くと何となく宗教色が強く、いつものモーツァルトらしさに欠けるのではと予想していましたが、全くそうではなく、バッハから受け継いだものはそのままながら、それまでの教会音楽のカラーを打ち破ったような新鮮でモーツァルトらしさに溢れた魅力的な曲ばかりで驚きました。そんな印象を受けたのも、日本を代表する5人の弦楽奏者たちとオルガニストの名手による演奏も素晴らしかったからに違いありません。

17曲が現存する「教会ソナタ」の創作時期はザルツブルク時代に限定されている点(1772年頃から1780年)と、器楽曲でありながら教会の典礼で用いるために作曲され、なおかつそれ以外の目的で転用された形跡が全く見られない点で、ユニークな位置を占めるとされています。

しかし、教会ソナタは典礼用ながら、世俗的な器楽ジャンルと様式的に際立った差異がないのだそうで、聴いている者にとってはいつもの一般的な室内楽としても充分楽しめたように思います。「もっと抹香臭いと思っていたけど、全くそんなことはなかった」と、後で感想を語り合った時に言っていた人がいましたが、私も全くもって同感でした。明るく、軽やかで、可愛らしいいつものモーツァルトのチャーミングさが随所に散りばめられ、これが「教会ソナタ」かと思いながら聴いていました。マニアックな内容ながら、誰もが楽しむことができたコンサートであったと思います。

今年もこうしてお誕生日コンサートを楽しみ、またコンサートに見えていた会員以外の方とも会うことができ、賑やかにモーツァルトさんのお誕生日をお祝いすることができました。我が家ではささやかながら一輪の薔薇と、荻窪駅西口にある、Le Coeur Purの「かまどのりんご」(季節限定:長野産のりんごを1キロ使用)も一緒にモーツァルトさんにお供えし、happy birthday to Morzartさん!となりました。


2018年1月22日モーツァルトハウス(東京)
雪景色!・・・・♡♠♤
今日は東京23区も雪になり、降りやまずあたりの景色が真っ白になってきました。ふる里の雪景色を思い出します。車もノーマルタイヤでは走れず、車も人通りもなく静まりかえっています。

今日は一日中家の中に閉じこもって外の景色を眺めています。こんな日にコンサートに行く予定の人はどうするのでしょうね。出かけられたとしても帰りも心配だし。滑って転んでも大変だし。お出かけの方は、どうかくれぐれもお気をつけて。
大賀ホールから”春の音楽祭2018”のパンフレットが届きました。軽井沢町 町制施行95周年記念とあります。節目の音楽祭らしく世界からも名手が集結し、名演を堪能する7日間です。

2018年1月20日モーツァルトハウス(東京)
プラハでのモーツァルト!・・・・♡♠♤
「フィガロの結婚」の初演は1786年5月、ウィーンの宮廷劇場でかなりの成功を収めました。しかし、その成功をはるかに上回って圧倒的な人気を獲得したのはボヘミアのプラハでの上演でした。プラハでのモーツァルト人気は高まり、興行主であるパスクワール・ボンディーニと、プラハの音楽愛好家たちが、プラハでの成功を実際に確かめて貰うためにモーツァルトを招いたのです。このあたりは先日観た映画「プラハのモーツァルト」の冒頭の場面で描かれていたような記憶があります。

1787年1月8日にモーツァルトはウィーンを発ち、、プラハへと向かいました。3日かかってプラハに到着し、17日に「フィガロの結婚」の上演に立ち会い、そして翌々日19日には、《プラハ交響曲》が初演されました。モーツァルト自身もこの演奏会ではクラヴィーアの即興曲を3曲弾き、最後は《フィガロの結婚》の愛好曲〈もう飛ぶまいぞ〉も披露し、大喝采となりました。そして3日後の22日には自らの指揮で《フィガロの結婚》の上演があったとも伝えられています。

こうして大歓迎をうけたプラハで、更にモーツァルトを喜ばせることがありました。興行師、ボンディーニから、次のシーズンのためのオペラの依頼を受けたことです。モーツァルトにとってプラハの聴衆のために書くことは、喜びであり、誇りでもあり、モーツァルトは新たなオペラへの創作意欲を胸に、2月8日頃、プラハを出発しウィーンへと帰ったのです。そしてオペラ「ドン・ジョヴァンニ」は、プラハで1787年10月29日に、モーツァルトの指揮で、プラハエステート劇場(スタヴォフスケー劇場)で初演されました。

映画「プラハのモーツァルト」は、モーツァルトが10月4日にプラハに到着した所から始まっています。フィクションとノンフィクションが混然一体となっていたストーリーですが、今年になってもまだモーツァルト仲間うちでは、支持派と反支持派があり、話題はまだしばらく続きそうな気配です。

プラハは、モーツァルトを語る上で欠かせない街、特にオペラを語る上では重要で、モーツァルトの音楽への絶大な愛好家と聴衆が存在していました。プラハ滞在中は、ドゥーシェク夫妻との旧交や、特にドゥーシェク夫人のために作曲した「私のうるわしい恋人よ、さようならーとどまって下さい、ああ、いとしいひとよ」(K528)という美しい曲も生まれ、夫妻の別荘でもあるベルトラムカ荘にも滞在して「ドン・ジョヴァンニ」は作曲されました。庭には記念のモーツァルト像もたっています。映画が出来たのはそんな背景があってこそですね。

下の写真は、2012年にプラハ訪問時に訪れたプラハ郊外にある「ベルトラムカ荘」。庭には胸像とモーツァルトがここで作曲したというテーブルも残っています。

2018年1月19日モーツァルトハウス(東京)
梅もほころんで!・・・・♡♠♤
今年も湯島天神に初詣。お詣りの後は、天神下の天ぷら「天庄」でお昼と決めています。その後は上野まで歩き西郷さんの像を通り、国立西洋美術館へ。「北斎とジャポニスム」が現在開催中です(1/28(日)まで)。

「北斎漫画」や「冨嶽三十六景」などが西洋の芸術家に与えた影響を対比する形で展示していて、説得力満天、満足度100%の展覧会です。個人コレクターや美術館所蔵のモネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンを含めた西洋の名作220点と、西洋の芸術家を魅了した北斎の作品も結集して、”北斎とジャポニスム”という観点から編み直した日本発・世界初の展覧会です。

大河ドラマ「西郷どん」も始まり、心なしか戌を引いた上野の西郷どんもいつもより威厳を放っている様に見えました。「北斎とジャポニスム」を鑑賞した後はいつものように「みはし」のクリームあんみつで、ほっと一息。鑑賞疲れにはこの甘味が効きますね。
「湯島の白梅」の蕾も膨らみかけて、春が近いことを感じさせてくれます。今年も健康と家内安泰を祈願し、美味しいものを食べ、奥深い芸術作品にも触れ、良い一日になりました。

北斎は、モーツァルトの4年後(1760年)に生まれながら、1849年まで生き、”世界の北斎”までになりました。日本人として本当に誇らしく思います。80歳過ぎてなお、信州:小布施まで辿り着き、岩松院というお寺さんには、最晩年の大作といわれる天井絵「大鳳凰図」を残しています。89歳の時の作品とは思えない大迫力で、いまなお色あせない鮮やかな色彩にも心奪われます。さあ~、北斎に力をもらって、今年もがんばるぞ~!。

2018年1月14日モーツァルトハウス(東京)
モーツァルト講座も開始!・・・・♡♠♤
朝日カルチャー新宿校での海老澤敏先生の講座、「モーツァルトの傑作オペラ万華鏡」も13日から始まりました。2017年4月からこのシリーズは始まり、第4期目となりました。今期3月末までは、「ドン・ジョヴァンニ」、「ティート帝の慈悲」の二つのオペラについて全6回にわたって続きます。

第19回目となる昨日は、<恋の挫折オペラ>『ドン・ジョヴァンニ』でした。このタイトルの意味は何度かの挑戦をしながら一度も成功せずに終わったという所から付けらえたものだそうです。モーツァルトの恋の挫折ではなく、ドン・ジョヴァンニの恋の挫折なのですね。

台本作家のロレンツォ・ダポンテとモーツァルトに、この不朽の名作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の創造を促したのは、ジュゼッペ・ベルターティの台本、ジョヴァンニ・ガッツァニーガ作曲の「ドン・ジョヴァンニ」(1787年)で、ヴェネツィアで初演されたばかりの頃に、それに刺激され、ダ・ポンテが改めて台本を作ろうと考え、モーツァルトが作曲して、全2幕の今では我々が良く知るところの人気オペラ「ドン・ジョヴァンニ」が誕生しました。ジョヴァンニ・ガッツァニーガ作曲の「ドン・ジョヴァンニ」のCDをまず最初に聴かせてもらいました。

第20回、『ドン・ジョヴァンニ』の名場面を鑑賞する。第21回、死に神に取り憑(つ)かれたドン・ファン。第22回、祝典劇『ティート帝の慈悲』の由来。第23回、『ティート』の名場面を鑑賞する。最終回第24回、「古典派悲歌劇の勝利としての『ティート』」(3/24)まで、「モーツァルトの傑作オペラ万華鏡」、楽しみです。

2018年1月13日モーツァルトハウス(東京)
大賀ホール春の音楽祭!・・・・♡♠♤
2018年の軽井沢大賀ホールでの「2018春の音楽祭」のプログラムが発表されています。大賀ホールのWEBサイトのコンサートカレンダーに情報が載っていますのでご覧ください。

4月29日(日)は大賀ホールチェンバーオーケストラによるモーツァルトのピアノ協奏曲第14番(ピアノ:居福健太郎)等が演奏されます。又30日(月)は神尾真由子&ミロスラフ・クルティシェフのデュオで、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調などの演奏があります。

桜がようやくほころんで、春の息吹を感じる軽井沢の景色を楽しみがてら、大賀ホール「2018春の音楽祭」にもお越しください。ホールでお目にかかれましたら嬉しいです。

チケットの売り出しは一般は1月28日(日)10:00~、窓口では1月27日(土)10:00~です。
お正月気分も抜けて、日常に戻りつつあるある日の夕方、ご近所でも評判の鰻のお店「うな藤」に行って来ました。地元に住む友人からも以前から再三薦められていたお店です。

地酒も揃っていて、まず秋田の銘酒「まんさくの花」で乾杯、鰻はふっくら、それでいて香ばしく焼かれ、たれも、ご飯も評判通り美味しくいただきました。注文後はじっと50分は待たないといけないので、直ぐ食べたい場合は事前に予約の際に時間を伝えて置けば大丈夫。”待つのもご馳走の内”と酒の肴をつまみながら待つのも一考かも知れません。

こんなお店が家のすぐそばにあるというのは嬉しいです。青梅街道沿いで、井草八幡宮の真向いです。


2018年1月12日モーツァルトハウス(東京)
2018-19シーズンラインナップ!・・・・♡♠♤
新国立劇場の2018-19のラインナップが発表されました。「魔笛」(新制作)がオープニングで、8本目には「ドン・ジョヴァンニ」もあります。
「魔笛」はウイリアム・ケントリッジの、世界30ヶ国で上演されている大ヒットプロダクションだそうです。林正子さんがパミーナ役を演じるそうですから楽しみです。
「ドン・ジョヴァンニ」は指揮はイタリアの若手ランツィロッタ、オッターヴィオに若手ベルカントテノールのフランシスコ・ガテル、タイトルロールにはニコラ・ウリヴェーリ、エルヴィーラに脇園彩、と決まっているそうです。

オペラ部門では新芸術監督に大野和士氏が就任し、新しい試みが随所に盛り込まれていて、これからの新国立劇場でのオペラ部門がどういう風に変わっていくのか楽しみですね。

その試みの中には、①にレパートリーの拡充(新作を増やす)②日本人作曲家に委嘱する新作オペラシリーズの開始③ダブルビルの新制作とバロックの新制作を1年おきに④旬の演出家の紹介。日本人歌手の主役級での登用(日本人歌手にとってはこれがとても重要なポイントで、日本で新国立劇場に立つのが憧れとなる、そんな環境を作り上げる)⑤内外の劇場とのコラボレーション。等があげられています。

ここでは紹介していませんが、勿論モーツァルトオペラ以外でも素晴らしいプログラムが続いています。詳しくは新国立劇場のHPでご覧ください。エルヴィーラ役の脇園彩さんは、藤村実穂子さんと並んで世界で活躍する歌手だそうで、こんな方を舞台で聴けるのも楽しみになって来ました。

「お年賀」に頂いたタオルには、戌年に因んで赤い糸で犬の刺繍がしてあってほんに可愛らしいワンちゃんです。

「平成三十年は、戊戌(つちのえいぬ)年で、戊は大きな山や岩、戌は草木の枯れている状態を示し、どっしりと動かない山や岩の壮大さが際立つ景色。このため平成三十年は、安定した足場から遙かに続く未来への展望を見据え、新たな道へと進む年になりそうです。」としおりに書かれていました。

冬から春にかけての景色のようで、モーツァルトの曲で言う所の第2楽章から、第3楽章に切り替わったようなそんな音楽の世界が想像できます。未来への展望を見据えて新たな道に進む・・・そんな年に皆さまにとってもなりますように~♡♠♤

2018年1月11日モーツァルトハウス(東京)
始動してきました!・・・・♡♠♤
小寒も過ぎ、いろいろなことが始動しています。昨日は2018年初めての講座。とても楽しかった。「エリザベス一世の黄金時代」でイギリス史の専門家でエリザベスについての著作も多い石井美樹子先生と西洋史とオペラのお話では絶大な人気と実績の音楽評論家の加藤浩子先生による対話形式で、魅力あるお二人の先生によるお話は1時間半の講座はあっという間。その後スペインバルでの懇親会でも女性パワーに圧倒されて、男性は入るすきもない程盛り上がりました。石井先生と加藤先生によるオペラと史実をさぐるこのような講座は次回もという声も多く、是非続けて欲しいと思いました。

ローズピンクの色が好きなせいか、この色のお花を見つけるとつい買ってしまいます。シクラメンやポインセチア(プリンセチア:花言葉は思いやり)もローズ色があって、今我が家を彩っています。あたりがぱっと明るくなり、気持ちも一足早く春の気分になっています。


2018年1月8日モーツァルトハウス(東京)
Happy New Year 心に届く音楽を!・・・・♡♠♤
軽井沢では3日に放送された「NHKニューイヤーオペラコンサート」を楽しみました。今年は”モーツァルト・ファンタジー”の企画もあり、1部ではモーツァルトのオペラ作品「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「後宮からの誘拐」「魔笛」「イドメネオ」とたくさんのオペラからアリアが歌われて、面白い企画でした。後半はロッシーニ、プッチーニ、ベルディ、ワーグナーと続き、どれも素晴らしかったですが、モーツァルトの音楽が他の作曲家にない比類なきものであることを実感しました。(年明けからすいません!)

日本を代表する歌手が勢ぞろいし、新春らしい華やかな舞台でした。(指揮者は沼尻竜典、東京フィルハーモニー交響楽団)。近年は日本人のオペラ歌手の層も厚くなり、この番組に出演の方以外にも素晴らしい方がいるので、今年も魅力的なオペラ舞台をさまざま楽しんで行けたらと思いました。

Happy New Year
皆さまの御多幸をお祈りいたします!

♪ディヴェルティメントの演奏に向かうモーツァルト♪

ウィーンの街を一望できるベルヴェデーレ庭園にて:18世紀

2018年1月7日モーツァルトハウス(東京)
明けましておめでとうございます!・・・・♡♠♤
新年戌年の2018年も明けて7日目。ようやくいろいろな行事もスタートしてやっとお正月気分も抜けて来ましたね。今年はモーツァルト生誕262年です。さまざまな出来事が今年もあるかと思いますが、どんな世であれ、日々の生活を地道にまっとうに歩んで行きたいですね。そして隣にはいつもモーツァルトですね!今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

暮れから新年5日まで、東京を離れて久しぶりにのんびりと音楽に浸って来ました。山の中は雪はほとんど降りませんでしたが、最低気温は-10℃くらいまでさがり、日中でも氷点下の日がありましたので、寒さは厳しく薪ストーブで温まる毎日でした。


年末30日には敷地内では、恒例だった”餅つき大会”が復活し、住民の皆さんと久しぶりに御餅を食べながらの交流を楽しむことができました。今年は特別に”まぐろの解体ショー”まであり、トロ、中トロ、赤身のマグロがたっぷりと振る舞われてその美味しさを皆で分かち合いました。

オナーズヒル軽井沢も年末の12月22日には一審で確定した弁済金残額と遅延損害金の全額が完済されるというニュースも重なって、これによって横領された金額全額が返還されたことになり、みなも笑顔の餅つき大会となりました。

しかし全額返還されたとはいえ、我々が受けた有形無形の損害は甚大で、未だ回復していない風評被害などもその一つですが、これからは心ゆくまでこの地を愛して、各人がここでの時間を有意義なものにし、楽しんで行けば自ずから以前にも増すほどの活気あふれる魅力的な場所になっていくに違いないのではと思っています。

年末のもう一つの楽しみは好きなモーツァルトのオペラのDVDを流しながらのおせち作り。今年はチューリッヒ歌劇場での「皇帝ティトスの慈悲」、テノールのカウフマンが皇帝ティトスを演じ、カサロヴァがセスト役、指揮はメストで、とても貴重なものです。そしてモーツァルト没後200年にウィーン、シュテファン大聖堂での「レクイエム」、ショルティが指揮し、歌手のバルトリやパーペなどがソリストを務めています。繰り返しこんなDVDでモーツァルトを楽しみながら、大晦日までを過ごしました。



装いも、気分も新たになったモーツァルトハウスを今年もどうぞ宜しくお願いいたします。オペラ会場で、またコンサートホールで、そして様々な集いの場で皆さまにお目にかかれますように・・その時を楽しみにしております♡♠♤どうぞ今年も皆さまにとって素敵な一年でありますように~♪

帰って来たら”コンスタンツェの薔薇”が咲いていました。