貞次さんがずっと応援してきたフルーティストの小山裕幾さん、現在はフィンランド放送交響楽団の首席フルーティストとしてヨーロッパで活躍している。
この小山裕幾さんが、世界に羽ばたけるフル-ティストを育てる一歩になればと、この夏にご自身の故郷である新潟県長岡でフルートキャンプをされて、5日間の合宿の最終日には、その成果披露発表会を長岡リリックホールで行った。
参加する学生さんの負担をできるだけ少なくするために、伴奏者やホールの利用料などの費用をクラウドファウディングで集めた。
貞次さんはきっと支援していたに違いないと思い、私がこのクラウドファンディングにささやかではあるが支援したのだが、支援した者に、成果披露発表会の招待状が届いた。
プログラムの挨拶に、小山さんが以下の様に書いていた。
フィンランド放送響の職を得て10年になるが、以前より日本のフルートのレベルが落ちていることを感じている。というと少し語弊があるが、ハングリー精神があり、海外へ挑戦しようと言う人が少なくなっている。例えば、隣の韓国を例にとると、近年では、国際コンクールで優勝するような人材、ドイツなどのオーケストラで職を得る人材を多数輩出している。・・・・
今回のキャンプを通して、海外で通用する技術を少しでも身につけ海外留学の足掛かりになってくれればと思う。そして、成果披露発表会については、ホールでの演奏経験を積む機会でもあり、観客の方々にはフルートへの関心を高めて頂く機会、それらが次世代のフルート奏者を長い目で育成する一手と考えている、と、地元紙「新潟日報」でも取り上げられた。
自分を育ててくれた長岡への恩返しの意味もあるそうだが、小山さんももう後進の育成に力の注ぐ年齢になったんだなと思う。プロの演奏家の生き方も様々、自分の信じる道を歩んで行けばいい。
オーデションで選ばれた12人の参加者は、その5日間のフルート漬けの成果を発揮して、みんなそれぞれが素晴らしい演奏をしていた。得るところは大きかったと思う。貞次さんも行きたかっただろう、聴かせたかったと思いながら、私は帰ってきた。
新幹線「とき」の車窓の思い出と共に、深く心に残った日帰り旅行だった。
車窓からの景色
食べてみたかった地元での「へぎ蕎麦」
長岡リリックホール