日曜日の夜のNhK「クラシック音楽館」は、井上道義とオーケストラ・アンサンブル金沢によるモーツァルトの交響曲第29番で幕が開き、その後アンサンブル金沢×奥井紫麻でモーツァルトのピアノ協奏曲第23番を聴くことができました。
どちらも、モーツァルトの傑作です。
今年のNHK音楽祭は、外国からの招聘はなしで、日本各地の5つのオーケストラと5人の若手ピアニストの饗宴というプログラムで、いい企画だなと思います。日本人のソリストにとっても大きなチャンスです。力を発揮してアピールして欲しいと思います。
23番をこうしてテレビで久しぶりに聴くと、やぱり本当にいい曲だなと思います。17歳から世界のトップオーケストラとの共演をしているという奥井さんのピアノは軽やかで、瑞々しくて魅力的でした。
明るく、晴れやかで希望に満ちた第一楽章、悲しみに沈み、悲壮感溢れる第二楽章、そしてガラッと雰囲気が変わり、明るい青春を思わせるような第三楽章と、こんなにも両極端の哀しみ、喜びが心に届くように表現した音楽があっただろうか。私はずっとこの23番が大好きでした。
2011年の東日本大震災直後の3月19日、20日に、ウィーンフィルは定期演奏会で、バレンボエムのピアノでこのK488の第二楽章を演奏し犠牲者を追悼しました。この第二楽章を世界で一番悲痛な曲と表現したのを思い出します。
でも哀しいだけに終わらずに、第三楽章は、大丈夫、今は辛くとも、未来は明るいよと、モーツァルトが我々に語り掛けているように思えます。
💛それにしても、モーツァルトの曲は、なんとあたたかく、やわらかく私たちを包んでくれるものなのでしょうか。痛み、苦しみを忘れさせてくれる何かがあるのです。天に星、地に花、人にモーツァルトです。🎵🥰