~音楽と絵画~♬♡

5月24日(金)には、ヴァイオリニスト中澤キミ子さんの音楽活動50周年記念コンサート(紀尾井ホール)に、そして翌日25日(土)は、只今国立新美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展」に。こちらは開催終了の3日前で、最後の週末だけに大勢の人が来ていました。

中澤キミ子さんのコンサートは、2年前に本当は開催でしたが、2年もコロナで延びてしまっていたもの。多くのお弟子さんで構成されたオーケストラを、前芸大学長である澤和樹さんが指揮し、何とモーツァルトと、ベートーベンの協奏曲の大曲を2曲演奏されました。(第1曲目はヴィヴァルディ:四季より「春」)

その1曲、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲3番K216の第二楽章は、私の最も好きなモーツアルトの楽章の一つです♡。でもこれは演奏家によって、何とも難しい楽章で、同じ楽譜を見て演奏しているにも関わらず、聴くものが感動を得られるか、どうかは、演奏家次第、また聴く側次第。まして、オーケストラと、ソリスト、そして指揮者のハーモニーにもかかっています。

そういう意味では、中澤さんのモーツァルトは、何と心に響くものだったことでしょう。淡く、切なく、美しく、そして時には励ましとなって私の胸に迫り、何度泣きそうになったことか(実際に泣いていましたが・・)

音楽とは、こういうものなのかなと思います。人の心を打つもの、なくてはならないもの。ベートーベンの作品61は、いわゆるロマンスと呼ばれている2曲とまた違った成熟さを感じ、45分の大作を渾身の力で演奏しきりました。

この日は、本来のコンサートマスターは、ウィーンから中澤さんの長年の友人である人が来日し努める筈だったのですが、直前にコロナにかかって来日不可に、急遽、大江馨さんがコンマスを務められました。大江さんは、モーツァルトではお馴染みの方で、立派にコンマスを務め上げ、モーツァルトの第二楽章では、中澤さんと、コンマスの大江さんの音色が合わさって私に届き、見事なハーモニーに聴こえました。本当に素晴らしかった。大江さんも、中澤さんの教え子さんのお一人だったのですね。

昨年秋には、軽井沢モーツァルトハウスをお訪ねくださった中澤さんご夫妻、大きなお花を貞次さんに持ってきてくださいました。貞次さんにお会いしたかったと言ってくださり、それは、私も悔やむところです。会ってお話しができていたら、貞次さんもきっとどんなに嬉しかったことか。

♡「メトロポリタン美術館展」の、今回の私のお目当ては、フェルメールの「信仰の萬意」と、ガラヴァッジョの「音楽家たち」。どちらも日本初公開で、今回の開催の呼び物の一つをです。
「音楽家たち」は、ガラヴァッジョが愛と音楽をテーマにした作品。
愛と音楽・・もっと言えば、愛と芸術・・、どちらも、なければ生きていけないもの、人々に感動を与えるもの、その思いを実感した2日間でもありました。。。

ガラヴァッジョ「音楽家たち」