2022聴き納め♬💛

昨日の夜も、モーツァルトさんごめんなさいと、つぶやいながら出かけた。昨晩はモーツァルト協会の12月例会の日だったが、私は小山裕幾さんのソロリサイタルが浜離宮朝日ホールであったので、そちらに出かけたのだ。モーツァルトは何時も聴いているけど、小山さんは、待望のソロリサイタル、これを逃したら、またいつチャンスが来るか分からないと思い、決断した。
例会で、いつもの仲間に今年の終わりのご挨拶ができない失礼を詫びながら、仕方ないな~と思う。どうしてこうして重なってしまうのだろう・・なんてぼやきながら。

12日のオペラ「ドン・ジョヴァンニ」と「十二月大歌舞伎」も。こちらは先に「ドン・ジョヴァンニ」の昼のチケットを買っていたが、4時からの「十二月大歌舞伎」第十三代市川團十郎白猿襲名披露公演のチケットがあるからと、せっかく誘って頂いたので、行きますと即答していた。「ドン・ジョヴァンニ」は何度もみているし、これからだって機会はあると。

小山裕幾さんのソロリサイタルは、ピアノがいつもの斎藤龍さんで、小山さんは斎藤さんのピアノに絶大な信頼をおいているだけに、本当に素晴らしいお二人の演奏会だった。聴衆の熱心さに胸打たれた、すごい集中力でみんなが聴き入っていた。

プログラムノートに、「時代もさまざま、スタイルも地域性も全く違う作品が取り上げられる。見方によってはごった煮のようにも思えるけれど、オーケストラの首席奏者として多くの指揮者と様々なスタイルの作品を演奏している小山裕幾が、いかにそれらの垣根を軽やかに越えるか、ソリストとしての現在の立ち位置を知ることができる一夜となるだろう」と、あった。小山さんは、現在フィンランド放送交響楽団首席フルーティスト。堂々の、自信に溢れた演奏だった。

💛それにしても、どうしてだろう、小山さんのフルートの第一声を聴いただけで、きまって涙が溢れてくる。貞次さんが愛したこの小山さんのフルートの音色・・と思うせいだろうか。
思い出が蘇ってくるせいかもしれない。小山さんを追っかけして、何処までも出かけた思い出。遠くは札幌、大阪、神戸は何度も、そして真夏の40度に近い猛暑の中、京都の神護寺で聴いた声明など。二人で聴きに歩いた思い出が次から次と思い出された。そんなことを思って聴いているせいか、こんな思い出がたくさんできたことへの思いで、胸がいっぱいになる。

今年は一児のパパになった喜びがあった一方で、恩師であり、またフルート界を牽引してこられた三上明子先生、金しょう国先生が亡くなられたこともあり、寂しさでいっぱいだと胸の内を話された。そして、お二人の恩師への感謝と、今日聴きに来てくれた皆様へ、そして、いつも素晴らしいピアノで、自分を支えてくれているピアニストの斎藤さんへの感謝を込めてと、フォーレの小品をアンコールに演奏してくださった。

静かに、静かに、会場に、我々の心に、沁み渡る様な演奏だった。余韻を楽しみながら、1人帰ってきた。でも心は温かかった。貞次さんもきっと聴いていたと思う。
こうして私の今年のコンサートは締めくくられました。。。来年は、1月6日の日本モーツァルト協会の例会でのモーツァルトが、私の聴き始めとなります。

いい思い出がたくさんできた2022年、音楽のお蔭である。