多毛作な人生♬♡

明るい日差しに春を感じます。去年のちょうど今頃は、あちこちの病院を駆けずり回っていた。あれから早一年が経つんだ、感慨深い。いろんなことがあったこの一年、苦しさ、楽しさ、辛さ、不安、感動、何でもあったような気がする。でもこうして生きている。明日が楽しみと思えて生きていることに感謝しかない。

貞次さんが残した作品集を、ここに来てまた何人かの人に渡す機会があった。「僕の生きた証」と言って残してくれたもの。僕だと思って大切にしてくれ、とも言い残された。

この書斎の、陽の当たるあたたかな場所に椅子を置き、よくここでまだ出来がってこない作品集のゲラ刷りを眺めていた。「自分の作品集ながら、いくら見ていても飽きないんだ」と言っていた笑顔が今でも思い出す。「また見ているの~」という私に照れくさそうな笑顔を見せていた。ちょうど春を感じる今頃だったな、と、今日は私もその椅子に座り、眺めてみた。2021年の今頃のことだから、もうかれこれ2年経つことになる。

今朝のBSテレ東の番組で、人生100年時代を生きる今、「人生は多毛作であるべき」というお話をしていた。勉学の時期、就職、退職、そして余暇を過ごし、人生を終える、それが当たり前だった時代から、人生100年時代を迎え、80歳まで現役も夢ではなく、またそれ以上も可能かもしれない中に生きる私たちは、様々なことにチャレンジし、失敗してもよし、それを糧にして新たなチャレンジをして、フェイズを変えて成長するという、多毛作な人生を送ることがクオリティオブライフにつながるのだという。

そんなことを言ったら、私の人生も多毛作だな~と思った。いろいろなことがあって今がある。豊かな実りを喜ぶ時もあれば、そうはならず、辛い時もあったかも知れないが、お陰様で今はまた新たな種まきの時を迎えている。ささやかでも実りがあればいいなと思う。

♡貞次さんの誕生日は、同じ誕生日の夫を持つ妻同志で、誕生会をした。中目黒のお家に呼んで頂いたのだ。桜の頃は花見客で賑わう中目黒の駅から歩いて10分足らずのお家にお邪魔した。

桜色をしたスパークリングワインで乾杯し、お互いに懐かしい夫の話に花が咲いた。きっと二人の夫たちも天上から私たちの話を盗み聞きし、それを肴にして、ワインでも飲んでいることだろう。涙なくそう思えるようになった。

春は近い、モーツァルトのピアノ三重奏曲第一番K254を聴いている。出だしのメロデイに春の足音を感じて明るくなる。躍動感があって、モーツァルトの20歳の青春を感じる。。。