ズーカーマンのヴィオラ♬♡

5月4日に大賀ホールで聴いたモーツァルト「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」K364は素晴らしかった。特にモーツァルトの中でも、私の好きな曲だったが、本当に心に沁みる入る演奏だった。満席の大賀ホールが大きな感動に包み込まれた。特に私はピンカス・ズーカーマンのヴィオラの音色が忘れられずにいる。家にあるCDを取り出しては聴くのだが、あの時の感動はよみがえらない。生の演奏に勝るものはないし、まして、一期一会のもの。もう二度と聴くことはできないのだろう。。。

一緒に行った友人も「ヴィオラが良かったわね」と、やっぱり。もちろんヴァイオリンとの協奏も素晴らしかったのだが。白眉は、どの楽章にもあるカデンツァだろうと思う。何というメロディ、カデンツァの前、瞬間に会場が静まり返る、そして奏でられるヴァイオリンとヴィオラの協演というよりも、静かなる魂の語らい、素晴らしいとしか、私は表現できない。

モーツァルトを好きになった当初から、この曲は好きだった。パリでモーツァルトがお母さんを亡くした悲しみに溢れた曲と、認識していた曲。特に第二楽章のメロデイは、こみ上げるモーツァルトの悲しみが伝わってくるよう。好きだったな~、よく聴いていた。

オーケストラをバックに、ヴァイオリニストと、ヴィオラ奏者、これらが最上の、そして息の合った演奏でなければ得られない感動。だからそうは演奏されることはない。

今回、大賀ホールはこうして素晴らしいプログラムで演奏会をしてくれた。ズーカーマンさんも軽井沢までよく来てくださった。

姫路に住む友人が、いち早く反応して、20代の頃、ロンドンでよく聴いていた、あのズーカーマンの演奏ですか?と。今でも彼の演奏を聴くことができることを、驚いていた。世界的な巨匠の大賀ホールでの演奏、それもヴィオラ、指揮(ベートーベン7番)までも。

こうして、楽しみにしていたものが、一つ一つ終わっていく寂しさ。みんな思い出になっていく。。。