一日早く切り上げて、2泊で帰ってきた軽井沢。それでもいい気分転換になった。澄んだ空気を吸って、緑を眺め、また木々の紅葉具合を確かめたりもできた。それだけでも楽しい。
帰ってきたら、昨晩からすごい雨。いい時に帰ってきたなと思う。貞次さんとの思い出がいっぱいの軽井沢の家は、私にとっては本当に大切な場所。心が落ち着く場所。
今年の草津音楽祭で、フルートと、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロでの「ドン・ジョヴァンニ」を聴いてきた。私は、知らなかったが、ウイーンフィルの元首席フルーティストのシュルツさんがこの曲のCDを出しているそうで、音楽祭でご一緒した方がCDを送ってくださった。
それを聴いているが、まずフルートの音色の美しさに驚いた。何と美しい事！。人の声で聴いていたアリアが、フルートが、弦楽三重奏にのって届けられると、また違った美しさ、きらびやかさがある。貞次さんにも聴かせてあげたかった、きっと大喜びしたに違いない。
しっとりと雨の一日には、ピッタリな曲。私は正直オペラはストーリーでは観ていない。曲を聴いているのだ。その曲、アリアが一番好きなのは「フィガロ」でもなく、この「ドン・ジョヴァンニ」かも知れないと思った。2幕目の後半のチェルリーナや、オッターヴィオ、ドンナ・アンナのアリアには参ってしまう。ここは本当にうまい歌手に歌ってもらいたいと、いつも願う所のアリアなのだ。
シュルツさんのフルートは、素晴らしく、うっとりと聴いている。またいつの日か。生でシュルツさんの様なフルートで聴いてみたいと思う。
