モーツァルトと共に~♡♬

新年が明けたのに、なかなか心が落ち着かずにいた。そうこう言っているうちに、今日は早7日になってしまっていた。松の内も終わりで、私はしめ飾りを今朝外した。

元旦に起きた能登半島地震、きっと夕刻で家族が揃って夕餉を囲む準備をしていたご家族もあったろう。今年はいい年にしようと皆が願い希望に満ちた元旦にこのような悲惨な出来事が起きてしまった。大きな津波、土砂崩れ、崩壊した建物、寸断された道路、寒さに震え救援物資が届かないと嘆く人々、ニュースで流れる映像に言葉を失う。自然災害はあっという間に人々の生活を変えてしまう。

私は京都で、のぞみ38号で東京に戻ろうとして京都駅近くにいた。京都も震度3で大きく揺れた。新幹線はこの時間からすべての列車に遅れが生じ、私の乗る列車も30分遅れで発車した。

30日は奈良に泊り、大晦日は京都で過ごした。暮れと言っても何もせず、お正月の準備もせずに、こうして家を飛び出してきた。このように過ごす年末年始は珍しい。貞次さんと過ごしたかったことを、この時期一緒にしたかったのだ。

奈良ホテルは、前から泊まりたかった憧れのホテルだった。2024年で創業125年を迎えるという歴史があり、要人を迎え入れ西の迎賓館と呼ばれてきた建物にも興味があった。こういう建物を前にすると、貞次さんと来たかったといつも思う。貞次さんも訪ねてはいないと思うので、見せたかったな。ラウンジの椅子に座り、興福寺の五重塔を遠くに望む景色を眺めていると時を忘れた。フロント真向かいに掛けられた上村松園の「花嫁」の絵もみてきた。いい絵だった。松園は京都生まれで、奈良でも余生を過ごしたそうである。奈良には美術館もある。こんな絵をさりげなく飾っているなんて、贅沢だな~。法隆寺の百済観音、秋篠寺の伎芸天にも久しぶりに会って来た。
JR東海のPR「いざいざ奈良」に刺激を受けての旅行だったかもしれない。

京都では、イノダコーヒーの本店で珈琲を飲み、京都の珈琲文化にも触れてきた。貞次さんはイノダの珈琲が好きだった。元旦には北野天満宮さんに初詣、山形有朋の京都の別邸「無鄰菴」では、小川治兵衛作の庭も堪能できた。東山を「借景」ではなく「主山」(山形が作った造語だそうだが)とするよう命じたそうだ。遠くに望む東山から目の前のお庭までが一体となっていて美しかった。お抹茶、珈琲、ほうじ茶などの飲み物にスィーツがついたセットもあるので、お庭を眺めて、ゆっくり京都にいる今を実感しながら、至福の時を過ごした。南禅寺界隈の別荘で通年公開しているのはここ「無鄰菴」だけである。

私の新年はこうして明けた。希望だけではなく、様々不安もあるが、今年もモーツァルトと共に私の日々の生活はあるのだと思う。

2024年の幕開け、聴き始めは、1月9日のモーツァルト協会の例会から、楽しみにしている。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。♪♡

秋篠寺

苔が美しい

この中に伎芸天さんはお立ちになっている。

法隆寺

夜の奈良駅

奈良ホテル玄関

「花嫁」上村松園作

奈良ホテル内部

遠くに五重塔が見える

北野天満宮

イノダ本店

無鄰菴入口