♪貞次さんは、作品集「永遠の友 モーツァルト」のプロローグの中で、「時には、体調が悪く心が折れそうになる私のそばにはいつも・・」と表現した。いつも私の手助けと励ましがあった、と。私は今貞次さんの表現を借りると、いま、本当に心が折れそうなのです。そんな私のそばには誰もいない・・・・。
あの時、私はそばで手助けをした覚えもないのだけれど、少なくとも、そばにいつも、いてあげたかなァ~と思う。それがどれ程のものだったのか、今頃になってわかる気がします。そばにだ~れもいなくなった今だから。存在だけで、ありがたい・・そんなことだったのかな、と。
「彼の沢山の思い出に囲まれて、穏やかな生活を送る・・・それを願って止みません」
「時の流れの中で自分の生きる糧を徐々に探して行って欲しい・・」
「身体に気を付けながら、豊かな味わい深い時間を過ごしていって欲しい・・」
沈み込む私に、貞次さんの友人たちがかけてくれた言葉です。
こんな言葉は、白い大きな紙に書いて、一番目につく、例えば、キッチンに立った時に目線が行くところなどに貼っています。いつもそれを見て、寂しがってばかりは居られないな~。私だけではないんだ。もう少し元気を出して頑張ってみよう~とか、一瞬でもそう思えるようにと・・・・。
貞次さんは、今の私と違って、自らの身体への不安もあった筈、それを抱え、心が折れそうになりながらも、それでも、2年と6ケ月を生きた。すごいな~。好きなように人生を楽しみ、生き、作品集も世に出して逝った、こんな貞次さんの人生を、友人は「75年間のあっぱれな人生だったと言って良いのではないか」、と言ってくれました。
そう思うと、私も、もう少し強くなって、貞次さんの分まで頑張って生きて行かないといけないな、と、また思うのです。