喪失と復活♬♡

今日12月5日は、モーツァルトさんの命日、東京は寒い一日です。
1791年12月5日午前零時55分、妻コンスタンツェとその妹に見守られて、モーツァルトはその生涯を閉じました。ウィーン聖シュテファン大聖堂内の十字架礼拝堂で最後の祝福を受けた後、市門外のマルクス墓地に埋葬されたとされています。

「アマデウス」の映画での、マルクス墓地での埋葬のシーンは、冷たい雨が降りしきり、身も心までも凍るようで、胸を締め付けられる思いでみました。

今日の東京は、朝からどんよりとして寒い一日で、日中でも8度予想、1月中旬か下旬の気温だそうです。その日のウィーンの悲しみを彷彿とさせるような日に私には思えます。

先日の堀内修先生の講演会では、ヨーロッパでのオペラは、モンテヴェルディ《オルフェオ》の中の、「あなたが死んだ」という”嘆き”のアリアから始まり、グルック《オルフェオとエウリディーチェ》ではまた エウリディーチェ を失った オルフェオ の嘆きのアリアと続くというオペラの歴史があるそうで、モーツァルトもグルックの後継者となって、「フィガロの結婚」の伯爵夫人のアリア「愛の神様」では、夫である伯爵の愛を失うという、こちらも同じく喪失の嘆きのアリアを作ることで、継承してきたと、堀内先生は話します。

でも、「フィガロの結婚」でも、最後は、伯爵夫人は、夫である伯爵を、寛大な赦しのアリアで、喪失から回復へと復活することになります。
今日のモーツァルトの命日は、この伯爵夫人の赦しのアリアを、じっくりと聴こうと思い、鬼才の指揮者、テオドール・クルレンツィスが10年の歳月をかけて録音し、話題となった「フィガロの結婚」のCDを取り出して聴いています。伯爵夫人の赦しのアリアを含む、圧巻のフィナーレは迫力満点で、改めてその迫力に打ちのめされます!

堀内先生の講演会前編の「オペラの扉を開ける!」ですが、さて、後編(2013年1月24日)はどんなキーワードが出てくるのでしょうか。。楽しみです。