芸術の秋♬

ここのところ、私は演奏会が続いている。これからも、しばらく続きそう。今はこうした生の音楽にも、私は助けられているような気がしている。

そんな中、昨晩は「内田光子withマーラー・チェンバー・オーケストラ2023」がサントリーホールであり、内田光子の弾き振りで、モーツァルトピアノ協奏曲第17番、第22番を聴いてきた。

モーツァルト好きなら、垂涎のプログラム、素晴らしかった、終わってみれば感動しかない。このツァーは、第25番、第27番がAプログラム、昨日がBプログラムで、サントリーホールでの2回目、ツァー全6公演の最終日。

アンコールもモーツァルト。ピアノソナタ第10番の第2楽章で、これが秀逸で涙が溢れた、メンバーのヴァイオリンの女性も泣いていたそう。私は、天国の貞次さんの為にあえてこの曲を演奏してくれているようで、泣けて仕方がなかった。

10番の第2楽章には、思わずひとり声をあげてしまう程の、いいメロデイーが存在する。その曲を、今、こうして弾いてくれている・・。
あの大きなサントリーホールが、静か―~に、深遠な美しいメロディに包み込まれた時間だった。

終わってみれば、すごい拍手にスタンデイング、会場が割れんばかりとはこのことだろうか。

観客も帰らないので、とうとうオケがはけた後でも、3回も出てきて大きく手を振っていた。この光景はめったに味わえないものだと思った。最終日と言う事もあったのかも知れない。

2006年に、モーツァルトの生誕地ザルツブルクで、生誕250年の記念祝賀コンサートがあり、その時にムーティ指揮、ウィーンフィルで内田光子のピアノ協奏曲第25番を聴いている。演奏がどうだったかとかは、もう忘れているが、拍手に包まれながら、ムーティが何度も内田光子を抱擁していたことだけは、はっきりと覚えている。「絶対的な信頼があるんだろうな~」と思った。
終演後、コロナ以来、久しぶりの再会を果たした友人夫妻とお茶を飲みながら、語り合えたのも楽しかった。音楽は喜びである、しみじみと私の人生を明るくしてくれている。