生きる力を貰えた~三養荘♬♡

即、実行に移して行ってきた、伊豆長岡にある「三養荘」。人気の少ない、春浅い中伊豆を静かに巡ってきました。

貞次さんからは、何度となく聞かされていた「建築家・村野藤吾」。村野氏は、貞次さんと似ていて、早稲田大学理工学部電気工学科に入学したにもかかわらず、自分には向かないと考えて同大学建築科へ転入、27歳で卒業した。貞次さんも同じで、建築の夢を捨てきれず、勤めていた会社を数か月で辞めて、母校早稲田大学建築科に編入した人。

村野氏の代表作の一つ、東京の日生劇場は、花崗岩で仕上げた古典主義的な外観や、アコヤ貝を使った幻想的な内部空間などが、当時の主流のモダニズム建築の立場から「反動的」といった批判も受けた、とウィキベディアにあった。

三養荘は、村野氏が卒寿にしてたどり着いた渾身の名建築と言われている。和風数寄屋建築とモダニズムが調和と融合され、古さの中に新しさがある。本館ロビーなどは、登録有形文化財に指定されている。
越屋根付きの玄関棟、大空間のモダンなロビー、良くみると格天井や猪目のデザインなどの伝統的な意匠がふんだんに盛り込まれている。地形をいかし、傾斜が付いた長い、広い廊下を通った先には、客室があり、階段の意匠などにも和風建築の村野氏独自の世界観が窺える。

お庭も広大で、その中に離れの客室が点在し、そのうちの一つ「松風」は、別邸当時は久彌氏の居間だったお部屋。いわば「三養荘」の肝となる場所です。特に10畳の和室の蹴込床は松の1枚板で、その豪奢な風情は一目瞭然。庭の中央に位置していて眺めも良好。畳敷きの広縁は、間違いなくこの部屋の特等席でしょう。(HPから引用・・こんな離れには、私はとうてい泊まれないので、実際には体験していない)

このお庭を入れて総敷地面積は東京ドーム3個分というから、その広さも想像を絶する。長い歴史を経て今はプリンスの傘下になっているが、これだけの敷地、施設を運営していくには、こういう大手企業じゃないと維持は大変だろうと思った。プリンスだから良かったとも思える。

お庭の素晴らしさ、その美しさにも、生きる力を貰えた気がしています。行ってよかった。私の今年の”行ってよかった編”の、意義深い一つになった。


お世話になりました。美味しい食事に、泉質の良い♨、親切な、行き届いたおもてなし、何もかもに、ありがとうございました。
ロビーでは、ヴァイオリンソナタ、食事処では、ピアノソナタと、モーツァルトが流れていた。
はるばる訪ねてきた私と貞次さんの来訪を歓迎してくれているような気がして、嬉しかった♡♪

ロビーからは広い廊下が見え、お帳場はこの右にある。

意匠を凝らした階段。

緩やかな傾斜が付いたお庭に面した長い廊下。お庭には水が流れている。