画家、奥村土牛と言えば、彼の代表作と評される「醍醐」と、「鳴門」を思い出します。
日本画家の巨匠、101歳まで絵筆を持ち、98歳の時の作品「山並み」は生命力にあふれ、まだまだこれから、とそんなエネルギーをも見るものに与える、そんな作品。
山種美術館開館60周年記念として、現在開催中の「奥村土牛展」では、名作「醍醐」や「鳴門」など、彼の作品計60点が公開されています。10月4日迄のこの展覧会、会期が一月を切ったので私は先日雨の降る中、行ってきました。
山種美術館は、創業者の山崎種二と奥村土牛とが50年以上深い親交があることから、所蔵する土牛の作品は全135点を数え、日本屈指の土牛コレクションとしても知られています。
長野県佐久穂町には、「奥村土牛記念美術館」があり、かつて貞次さんと行ったことがあった。ここに「鳴門」のレプリカがあると聞いたからだが、東京生まれの土牛だが、戦中戦後にこの地に疎開していたそうで、その離れを利用して美術館にしたそう。大正に建てられた建物だが和洋折衷のとても趣のあるいい建物でした。
70を過ぎても、「失敗を恐れず、ぶつかっていきたい」、「無難なことをしていては、明日という日は訪れない」と言っていたそうで、この言葉にも感銘を受けました。70と言えば私の年齢だが、そんな年齢でもこのようなことを言っていたとは、何とエネルギーに溢れた生き様だろうか、繊細なタッチの中に潜む大胆な力強さはこんなところから、きっと生まれたのだろう。
「鳴門」は、船に乗り、海の荒い船上で、奥さんに帯をしっかりと掴まれ、何十枚とデッサンして描いたという作品。遠くの山も綺麗に描かれています。
「醍醐」は、京都醍醐寺の三宝院にある樹齢170年の枝垂れ桜で、豊臣秀吉が1598年に「醍醐の花見」を行ったことで「太閤しだれ桜」としてもよく知られています。
私は、桜の頃、一度姉とこの醍醐寺のさくらを観に行ったことがあった。枝垂れ桜はとても大きくて、見上げては秀吉も花見をしたかと思い、何とも感慨深かったのを覚えています。この土牛が描いた「醍醐」は、記念切手にもなっています。ピンクがほんのりと淡い色彩の絵で、好きだった。
雨の中、恵比寿駅から歩くこと20分弱、坂を登ってたどり着く「山種美術館」は、住所は渋谷区広尾で、普段いかない場所だったので、プラプラ帰り道も楽しかった。貞次さんと一緒ならきっと、色々話せてよかっただろうな~、貞次さんもきっと土牛の絵は好きだったな~などと思い、ほんわかした気持ちの帰り道だった♡
来館者も少なく、ゆっくり鑑賞できて、感動で胸いっぱいになったので、雨も苦にならず、満たされた一日だった。こんな日の雨は、又楽し~。



「吉野」、桜と遠くの緑の山並みを描いたきれいな絵。
