日本モーツァルト協会の今年度例会が始まった。7月8月とお休みだったので、待ちに待っていた例会である。2ケ月ぶりにお会いする会員同士、お久しぶり、お元気でした?などの挨拶があちこちから聞こえた。みんな笑顔、こうして毎月これから珠玉のモーツァルトの音楽を共に聴く喜びで、自然笑顔にもなる。
今年度のオープニングを飾るコンサートは、今年4月からǸHK交響楽団第一コンサートマスターに就任したばかりの若手実力派の代表格、『郷古廉の深遠なる世界』、2019年、2021年に次ぐ第三弾である。
東京フィルハーモニー交響楽団との弾きふりで、アダージョK261、協奏曲を3曲(2番、3番、4番)の4曲を披露した。
今年度の幕開けにふさわしい、また協会ならではの、他では味わうことができない贅沢なもの、他の会からの参加者も多く、また一般の方からの参加も多かった。当日のプログラムにも”新世代屈指の実力者・郷古廉”とあった。そんな彼のモーツァルトの協奏曲3曲はとにかく贅沢すぎる。
”音が素晴らしかった、ストラディヴァリの音色に一音から魅せられてしまった”、という人、”力強い、自信に満ち溢れた郷古さんそのもののようなモーツァルトだった”、”まだ31歳でこのすばらしさ、先が楽しみでならない”、などなど、この様に感嘆する声が多かった。研ぎ澄まされた一級品の音色、最後の万雷の拍手がそれを物語っていたと思う。
中には”もっとチャーミングに・・”、とか、”もっとソフトな、情緒的なモーツァルトのほうが”、とかも、様々、いろいろな感想が飛び交うところが、これがまたモーツァルト協会らしいところでもある。モーツァルトの曲の素晴らしさなどは今更語るに及ばず、それぞれの感想に、モーツァルトを知り尽くした人が到達する境地みたいなものかと、そんな風にも感じた。
私は、今年1月にN響定期公演で郷古さんのK364を聴いているので、郷古さんのモーツァルトは今年2度目となる。あれからもまた進化した充実のモーツァルトだったと思う。若さっていいな~。これからも、年齢を重ねて奏でられるモーツァルトも聴いてみたいと思う。
協奏曲を3曲を、全力で、魂を込めて弾き切った。ご本人にとっても、日本モーツァルト協会にとっても、歴史に残るものになったに違いない。
この日のアンコール曲は第2番K211の第三楽章だった。あまり演奏はされないが、貞次さんの誕生日(2月11日)の番号を持つK211を貞次さんは特に気に入り,よく聴いていた。この日も私と一緒に聴いていて、アンコール迄もこの曲だったことを、きっと喜んでいたに違いない。
