「レクイエム」よ、来年も又!♪♡

宇奈月モーツァルト音楽祭にとうとう今年も行ってきた。心配だった台風14号の影響もなく音楽祭の間お天気はピンカー、台風の影響のフェーン現象なのか真夏並みの暑さ、でも雨に降られるよりはずっといい。

私にとって2018年以来の宇奈月温泉、駅に降り立ったとたん、あ~この空気、あの時のまま、風景も何も変わっていない、嬉しさと懐かしさがこみ上げてきた。
着いてすぐ、いつもの駅そばの”きときと庵”で富山名物鱒寿しと今回は白エビの押しずしも地方発送してもらうことにして、これでまず一安心。後はゆっくりと街中を散策し、コンサートホールに向かう。

軽井沢行きではよく利用する北陸新幹線”はくたか”ですが、軽井沢より先に行ったのは今回が初めて。黒部宇奈月温泉駅で乗り換えて、富山地方鉄道で宇奈月温泉駅まで乗ったのも初めてのこと。終点駅に近づくにつれて、電車は狭い山間を走り、視界が開けたかと思ったら、眼前いっぱいに黒部の山並が見えて来た。もしも、ザルツブルクにも電車で行ったとしたら、こんな景色なのかな~と想像したり、山や川、湖に彩られた宇奈月温泉の景観が、モーツァルトの生誕地ザルツブルクと重なることから始まったモーツァルト音楽祭も、もう今年で11回目。よくぞ続いていると思う。すべてボランティアで成り立っているのだ。演奏される曲はモーツァルトだけ、2日間で今年はプロ、アマ合わせて51組316人が出演したそうな、こんな日本の北陸の片隅で自分の曲がこんな風に演奏され、続いていることを、モーツァルトさんがもし見たら、いったいどう思うかしらと想像すると、くすっと笑みがこぼれる。

音楽祭の最後は、毎年「レクイエム」のコンサートで幕を下ろす。地元でこの音楽祭の為に結成された 宇奈月アマデウス祝祭合唱団総勢43人 と、地元出身のソリスト4人を迎えて演奏され、指揮はこの音楽祭の芸術監督の横島勝人さん、毎年のことなので私はもう何回も聴いているので、いつからか横島さんがモーツァルトに見えて仕方がない。指揮するその後姿が「アマデウス」の映画の中の「魔笛」を指揮するモーツァルトさんそっくりなのです。魂が乗り移ったかのよう。

色々な場所で今までにたくさん聴いているモーツァルトの「レクイエム」、でも今年の「レクイエム」は私にとっては特別で、貞次さんへの鎮魂歌そのものに思えてきて、あ~、やっぱり来てよかった、今年もこうして聴けて良かった、と感無量に。

指揮者と宇奈月アマデウス祝祭合唱団とは、前日にリハを1回合わせただけだったそうですが、とてもそんな風には思えない、息はピッタリ、お互いのモーツァルトへの愛をぶつけ合って完成されたような音楽。また、来年も、そしてその次も、ずっと聴きにきたいと強く思った。
もしかして、宇奈月温泉でのモーツァルト音楽祭は、私にとっての、心の故郷なのかも知れない。

カフェモーツァルトも健在でした。

駅前の温泉噴水

メインホールとなる黒部市芸術創造センター

翌日(9/19)の北日本新聞

新幹線「黒部宇奈月温泉駅」のホーム