女はみんなこんなもの♬♡

「コジ・ファン・トゥッテ」は”女の学校”、”女はみんなこんなもの”、とかと言った副題がつくモーツァルトのオペラで、ダ・ポンテ三部作の一つだから人気も高い。重唱が多く、どれも歌は素晴らしい、内容はともかくとしても、「このオペラ、好き!」という人は多い。

内容はともかくとして、と言ったのには訳があり、はっきり言って、女性の貞操がどれ程のものかを試す内容だから、失礼しちゃうわ、と思う人も多い。自分たちがためされているとも知らず、姉と妹の二人は激しい求愛に合った末に、恋人がいるのに違う男性ととうとう結婚までしてしまうというお話。それを責める男性こそ、あなたは、大丈夫なの?と言いたくなる。

オペラブッファながら、ハッピーエンドではないオペラ、最後は演出によってまちまち、元のさやに収まるものがかつてはあったように思うが、今は元のさやに収まって終わるにはむしろ無理があるように思う。本当にとてもじゃないけどハッピーと言う結末ではない、むしろ辛い物語。

新国立劇場で、昨日観てきたこのオペラは、キャンプ場を舞台にして繰り広げられ、これ自体がもう賛否両論、決して評判のいい演出ではないのに、再演を繰り返しているが、はっきり言って最初から嫌いと言っている人も多かった。

私は初演から観ているので今回で3本目、3回観てやっとこのキャンプ場の設定にも慣れてきた。違和感が次第に薄れてきている気がする。それは私だけではないようで、3回目にして、今回の上演は、演出にも賛美の声も聞こえている。

廻り舞台なので、スムーズに舞台が展開して、飽きさせずにテンポ感もいい。2作目の時は、フィオリジリージがミア・パーションという素晴らしいソプラノ歌手だったので、この歌手のお蔭で演出のことも気にならなかった。歌のうまさ、歌手の良さは、演出に欠点があっても、それをカバーする力があるんだと、その時思ったものだ。今回も歌手陣のレベルは高く、素晴らしかった。

登場人物のそれぞれの個性やその時の心模様を、見事に映し出すメロディにできるモーツァルトの天才ぶりを再認識させられ、「コジ」は名作と改めて思った。息をのむほど美しいメロディをリヒャルト・シュトラウスは賞賛してやまなかったそうだ。

久しぶりに、加藤浩子先生の「解説付きオペラ鑑賞会」にも参加出来て楽しかった。こんなことでもないと、S席などに座ることなどないので、10列目の席で鑑賞できるなんて、幸せなことだった。貞次さんもきっと一緒に観ていただろうと思う。

12月には、モーツァルトのオペラでは「魔笛」がある。これも今から楽しみ。