ありがとうの言葉♬♡

貞次さんは、ありがとうの言葉を良く言ってくれた人。本当にすっと出る人だったと思う。
今では、貞次さんを知る人に会うと、貞次さんのことは、無口な人だったわね、寡黙な人でしたね、などと、よく言われる。そうだったのかな~とも思う。でも口数は少なかったが、暗い人ではなく、面白いことを、時々言っては、周りを笑わせることもよくあった。周りを幸せにする人でもあった。

余計なことは言わなくても、私はこの”ありがとう”をすっーと言える貞次さんで十分だったと思っている。

ベットから起きれなくなったのは、わずか10日かそこらのことだったが、きっとこの頃から本人も相当苦しかったと思うが、私が何かをしてあげる度に、”ありがとう”と言ってくれた。ありがとうを忘れない人だった。優しい人だったのだろうと思う。よくおしゃべりをする人ではなかったが、ありがとうの言える、本当に心優しい、温かい人だった、のだ。我儘なことを私はいろいろ言ったりもしたが、その時も怒ることなく黙っていたが、ちゃんと私の心に寄り添ってくれた気がする。

「ドン・ジョヴァンニ」のオッターヴィオは、貴族の位の高い人で、ちょっと気弱で男らしくない、いわゆるぱっとしない男性と、オペラの中では、そのようなキャラになっているが、私はこのオッターヴィオの劇中歌う2曲が、大好きで、このオペラは、テノールが歌うこの2曲を聴きたくて、観に行っているようなところが、実はある。特に1幕で歌うアリアは私の理想そのもの。

だから、大事なこのアリアは、テノール歌手が本当に胸に迫るように上手に歌って欲しい、いつもそう思っている。

来年2月には、このオペラ、目黒パーシモンホールでバッハコレギュアム、鈴木優人指揮で上演される。加藤浩子先生の鑑賞会にも参加するので、今から楽しみにしている。