稀有な編成の素晴らしい曲K498♬♡

「ケーゲルシュタット・トリオ」というモーツァルト作曲の曲がありますが、編成がピアノ、ヴィオラ、クラリネットで、私の乏しい知識の中でもこの編成の曲はとても珍しいと思える。
後のことを考えたら、演奏し続けられるかどうかというリスクもあるので、なかなかこのトリオに手を出そうと思う作曲家はいなかったかも知れません。

だが、モーツァルトには1曲だけだがこの編成の曲があるのです。変ホ長調K498。好きな人も多い、私もそのひとり。

日本モーツァルト協会2月例会で、この曲が演奏されました。演奏者は同編成の「ケーゲルシュタット・トリオ」の名を持つ団体で、名称の「ケーゲルシュタット・トリオ」は、モーツァルトのこの名高い「ケーゲルシュタット・トリオ」から由来するそうです。3人ともにデンマーク王立音楽院で学び、デンマークを代表する音楽家のトリオ。

ここだけの話だが、この日のプログラムは、残念ながらモーツァルトの曲はこの「ケーゲルシュタット」1曲だけで、他にはブルッフとシューマンの曲だった(楽器の編成上、しかたのないこと)。でも、モーツァルト協会の例会ながらモーツァルトが1曲では寂しいと、出席をやめたり、他の人に譲ったりした人もいた。私も実はその気持ちに共感していたのだが、こんな稀有な編成のこの曲を例会で聴かせて貰えて、そしてその曲の持つ素晴らしさを感じさせて貰えたこの日の例会はとてつもなく貴重だったのではないかと感じている。今では本当に出席してよかった。
だって、この先、あと何回、この曲のこんな素晴らしい演奏に出会えるか、もうないかも知れないし・・、そんな風にも思った。

タイトルは「あたたかな交友が育んだ3つのトリオ」で、当時、ウィーンでとても親しかったクラリネット奏者のシュタードラーと、そして親しかったジャカン家のフランツィスカにモーツァルトはピアノを教えていたこともあり、この曲はジャカン家で、シュタードラーのクラリネット、モーツァルトのヴィオラ、そしてフランツィスカのピアノによる演奏だったのではと伝えられている。

ヴィオラが得意だったモーツァルト、これらの大切な仲間たちと自作の曲で幸せなひと時をきっと過ごしたであろうと、想像するだけで、私まで幸せ感に包まれる。

クラリネットの深い響きにヴィオラが美しく呼応して、そしてピアノが艶やかに、軽やかに加わる、何と素敵な美しい世界だったことだろう。貞次さんと、ザルツブルクのモーツァルテウムで、私はこの曲を聴いてきた。懐かしい思い出の曲でもある。幸せな時間だったなと思う。

解説書にも、「モーツァルト・ファンの方々へは蛇足ながら、曲名はモーツァルトが「ケーゲルンKegeln」をしながら作曲したという有名な逸話に由来する。ケーゲルンは立てたピンを倒して楽しむ歴史ある遊戯で・・」とあったようにモーツァルトはこんな遊びをしながら作曲をしていた。そんなエピソードも楽しい、いい曲なのです♡♪