大雨、雷雨の中で聴く♪♡

昨日の東京は夕方から嵐のようなお天気、激しい雨に雷、注意報や警報も出た場所もあった。

昨晩私は19時開演のルーテル市ヶ谷ホールで「小山裕幾フルートリサイタル」を聴きに出かけていた。JR市ヶ谷駅に着いたのが、18時半頃だが激しい雷雨で外に出られない。30分ほど待っていても稲光に雷雨は止まず開演時間になってしまった。

JR市ヶ谷駅からは、帰りに気が付いたのだが、地下鉄の地下道がホールのすぐそばまで通ていることが分ったが、後の祭り。
私はこのお天気ではと、コンサートに行くのを諦めかけたが、ちょうど駅まで客を乗せて来たタクシーを見つけたので、それに乗りたどり着いた。1曲目はロビーで聴くことにはなったが、それでもコンサートには間に合った。良かった。

素晴らしいコンサートだった。~知られざる名曲を求めて~というタイトルの如く、知られていない名曲を沢山聴かせてくれた。小山さんの選曲眼、素晴らしいと思った。そして音色、音楽性にも更に磨きがかかり、2時間で、9曲+アンコール(バッハのオルガン曲)で、聴衆を魅了した。

貞次さんにも聴かせたかったとしみじみ思ったが、きっと貞次さんにも届いたと思う。2人分と思い、ひと際大きな拍手を私は送っていた。最後に客席に出てこられた小山さんとも久しぶりにお会いできた。

小山さんのコンサートはここ数年、浜離宮朝日ホールでのリサイタルや、新宿の村松楽器さんでの公開レッスン、去年は新大久保でのミニコンサート、つい先日は白寿ホールでの「第73回日本音楽コンクール受賞20周年ガラ・コンサート」にも行ったばかり。そういえば、昨年夏には長岡での演奏会にも行っている。でも、じっくりと彼のリサイタルを聴いたのは本当に久しぶりだった。

フィンランド放送交響楽団に入団して早や11年、充実した生活ながら、どこか物足りなさを感じるようになった、それは自分自身を表現する機会があまりにも少ないこと。かつては、ゴールウェイ、ランパル、ニコレ、ラリューといった素晴らしい個性を持つフルーテイスト達が来日し、フルート界のみならず、音楽界全体を大いに盛り上げていたのに・・そんな思いから自らが音楽会を企画し、発信していく必要があると決意したと、ご挨拶にはそう書いてあった。

当日の「Program Note」も小山さんによるもの。

「カルメンファンタジー」で良く知られたポール・タフャネルや、フィリップ・ゴベールの「ロマンス」という小品や、自ら偶然に出会い、強く惹かれたという作品のフィクレト・アミオフの「六つの小品」、チェコの作曲家でヴァイオリニストでもあったフランス・ベンダの「フルート・ソナタヘ長調」はバロックの重厚さと古典派の明快さが融合した作品、などなど・・最後のアルフレード・カゼッラの「シシリエンヌとブリュレスク作品23」は、1947年まで生きたイタリアの作曲家、ピアニスト、指揮者だった人の作品で、「シシリエンヌ」の優美な舞曲と「ブリュレスク」は滑稽で技巧的な要素が満載、9曲目の最後まで、本当に知られざる名曲を楽しませて頂いた。

私では勿体ない様な充実の内容だったと思う。貞次さんは長くフルートを趣味として楽しんでいた人だったから、貞次さんならもっと違った感想を抱き、感動しただろうにと、残念だった。

嵐のなかにも関わらず、ホールは混んでいた。小山裕幾さんには、又来年も是非リサイタルを開いて欲しいと思った。

雷雨に恐れをなして、帰らないでよかった、行ってよかった。

少々、しょぼくれて、疲れていた私の心に、たくさんビタミンを補給して貰えたような演奏会だった。小山さん、ありがとうございました!

10日のプログラム

貞次さんは病気をしてから唯一出かけたのが、小山さんのコンサートだった。この時も小山さんに会えて喜んでいた。2019年12月1日の写真。オペラシティ・リサイタルホールだったと思う。思い出深い、小山さんとはこれが最後だった。